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    最新版 雑記 書籍感想文
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    ---2019-12月まで
    ■ 内藤 濯訳 サン=テグジュペリ 「星の王子さま 岩波少年文庫 (001)」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 1 南方郵便機 人間の大地」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 2 夜間飛行 戦う操縦士」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 6-8 城砦」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 9-11 戦時の記録 1-3」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 3 人生に意味を」
    ■ 清水茂+山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 4 母への手紙・若き日の手紙」
    ■ 杉山毅訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 5 手帖」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 別巻 証言と批評」
    ■ 山崎 庸一郎+佐藤 久美子訳 「サン=テグジュペリ デッサン集成」
    ■ 香川 由利子訳 コンスエロ ド・サン=テグジュペリ 「バラの回想―夫サン=テグジュペリとの14年」
    ■ 新城哲夫訳 チャールズ・リンドバーグ「孤高の鷲 リンドバーグ第二次大戦参戦記」
    ■ 佐藤亮一訳 チャールズ・リンドバーグ「翼よ、あれがパリの灯だ(The Spirit of St. Louis)」
    ■ 加藤晴久 「憂い顔の「星の王子さま」続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ」
    ■ 土井宏明+大森望訳 フィリップ・K・ディック 「銀河の壺なおし 新訳版」
    ■ 森下 弓子訳 フィリップ・K・ディック 「ライズ民間警察機構―テレポートされざる者・完全版」
    ■ 小隅 黎訳 ラリー・ニーヴン 「無常の月」
    ■ 西澤保彦 「瞬間移動死体」
    ■ 中田 耕治訳 アルフレッド・ベスター 「虎よ、虎よ!」
    ■ 公手 成幸訳 スティーヴン・グールド 「ジャンパー 跳ぶ少年」
    ■ 大西 憲訳 デイヴィッド・ブリン 「ポストマン」
    ■ 伊藤 典夫訳 アーサー・C・クラーク 「3001年終局への旅」
    ■ 山高 昭訳 アーサー・C・クラーク 「2061年宇宙の旅」
    ■ 伊藤典夫訳 アーサー・C・クラーク 「2010年宇宙の旅」
    ■ 岡部 宏之訳 アイザック・アシモフ「ファウンデーションの彼方へ 銀河帝国興亡史4」
    ■ 小尾 芙佐訳 アイザック・アシモフ「ロボットの時代」
    ■ 佐藤 高子訳 ロバート・シルヴァーバーグ 「我ら死者とともに生まれる」
    ■ 井上一夫訳 ロバート・A・ハインライン「異星の客」
    ■ 柴野拓美(小隅黎 名義)/監修「SF宇宙怪物(ベム)図鑑(ジャガーブックス)」
    ■ 高千穂 遥 「ダーティペアの大冒険」
    ■ 菊地秀行 「妖獣都市」
    ■ 小尾 芙佐訳 アイザック・アシモフ 「われはロボット」
    ■ 平井和正 「死霊狩り」
    ■ 「地球の静止する日 -SF映画原作傑作選-(創元SF文庫
     趣味の問題:「イット・ケイム・フロム・アウタースペース」原作 レイ・ブラッドベリ/著 中村 融/訳
     ロト:「性本能と原爆戦」原作 ウォード・ムーア/著 浅倉 久志/訳
     殺人ブルドーザー:「殺人ブルドーザー」原作 シオドア・スタージョン/著 市田 泉/訳
     擬態:「ミミック」原作 ドナルド・A.ウォルハイム/著 中村 融/訳
     主人への告別:「地球の静止する日」原作 ハリイ・ベイツ/著 中野 善夫/訳
     月世界征服:「月世界征服」原作 ロバート・A・ハインライン/著 中村 融/訳
     「月世界征服」撮影始末記 ロバート・A・ハインライン/著 中村 融/訳」
    ■  矢野 徹訳 ロバート・A・ハインライン 「宇宙の戦士」
    ■  斎藤 伯好訳 ロバート・A・ハインライン 「未知の地平線」
    ■  矢野徹+吉川秀実訳 ロバート・A・ハインライン 「スターファイター」
    ■  金子浩訳 パオロ・バチガルピ 「ねじまき少女」
    ■  中村保男訳 J・G・バラード 「燃える世界」
    ■  「タイム・トラベラー―時間SFコレクション」
     しばし天の祝福より遠ざかり ソムトウ・スチャリトクル/著 伊藤 典夫/訳
     時間層の中の針 ロバート・シルヴァーバーグ/著 山田 順子/訳
     遙かなる賭け チャールズ・シェフィールド/著 伊藤 典夫/訳 ミラーグラスのモーツァルト ブルース・スターリング/著
     ルイス・シャイナー/著 伊藤 典夫/訳.ここがウィネトカならきみはジュディ F・M・バズビイ/著 室住 信子/訳
     若くならない男 フリッツ・ライバー/著 伊藤 典夫/訳.カッサンドラ C・J・チェリイ/著 深町 真理子/訳
     時間の罠 チャールズ・L・ハーネス/著 浅倉 久志/訳.アイ・シー・ユー デーモン・ナイト/著 浅倉 久志/訳
     逆行する時間 デイヴィッド・レイク/著 深町 真理子/訳.太古の殻にくるまれて R・A・ラファティ/著 浅倉 久志/訳
     わが内なる廃墟の断章 フィリップ・ホセ・ファーマー/著 伊藤 典夫/訳
    ■ 伊藤 典夫訳 アーサー・C・クラーク 「決定版 2001年宇宙の旅」
    ■ 世界SF全集 20 シマック ブリッシュ
     林克巴訳 クリフォード・ドナルド・シマック 都市 原書1952
    ■ 砧一郎訳 ジェイムズ・ブリッシュ 地球人よ、故郷に還れ(宇宙都市シリーズ) 原書1955
    ■ 村上博基訳 アリステア・マクリーン 「女王陛下のユリシーズ号」
    ■ 友枝 康子訳 パット・マーフィー 「落ちゆく女」
    ■ 関口 幸男訳 イヴォンヌ・ナヴァロー 「スピーシーズ 種の起源」
    ■ 志村正雄訳 トマス・ピンチョン 「競売ナンバー49の叫び」
    ■ 深見 弾訳 アルカージイ・ストルガツキイ+ボリス・ストルガツキイ 「願望機(含スプーン五杯の霊薬)」
    ■ 伊藤 典夫訳 ブライアン・W・オールディス 「地球の長い午後」
    ■ 福島正実訳 ロバート・シェクリイ 「不死販売株式会社/フリージャック」
    ■ 矢野 徹訳 エリック・フランク・ラッセル 「超生命ヴァイトン」
    ■ 夏来 健次訳 ロバート・ブロック「サイコ」
    ■ 「地球の静止する日(角川文庫)
    ■ 地球の静止する日 ハリー・ベイツ/著 南山 宏/訳、デス・レース イブ・メルキオー/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 廃墟 リン・A・ヴェナブル/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 幻の砂丘 ロッド・サーリング/著 ウォルター・B・ギブスン/著 尾之上 浩司/訳
    ■ アンテオン遊星への道 ジェリイ・ソール/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 異星獣を追え! クリフォード・D・シマック/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 見えざる敵 ジェリイ・ソール/著 尾之上 浩司/訳、38世紀から来た兵士 ハーラン・エリスン/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 闘技場 フレドリック・ブラウン/著 尾之上 浩司/訳
    ■ ドナルド・A・ウォルハイム+テリー・カー編 「忘却の惑星
     太陽からの風 アーサー・C・クラーク/著 山高 昭/訳、時計じかけの医者 ロン・グーラート/著 風見 潤/訳
     地獄で立往生 ラリイ・ニーヴン/著 中上 守/訳、居留区 ヴァーナー・ヴィンジ/著 塚本 淳二/訳
     河を渡って木立をぬけて クリフォード・D・シマック/著 深町 真理子/訳
     忘却の惑星 ジェイムズ・H・シュミッツ/著 石川 智嗣/訳
     「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった ハーラン・エリスン/著 伊藤 典夫/訳
     決断者たち ジョセフ・グリン/著 安田 均/訳、旅人の憩い ディヴィッド・I・マッスン/著 伊藤 典夫/訳
     未収録作品 リン・カーター/著 日夏 響/訳、消失点 ジョナサン・ブランド/著 榊 周一/訳
     うちの町内 R・A・ラファティ/著 浅倉 久志/訳、赤色偏移の仮面 フレッド・セイバーヘーゲン/著 浅倉 久志/訳
     とらわれの魔神 クリストファー・アンヴィル/著 安田 均/訳、新しき良き時代 フリッツ・ライバー/著 浅倉 久志/訳」
    ■ 岩元 巌訳 ケン・キージー 「カッコウの巣の上で」
    ■ 三田村裕訳 ロバート・シルヴァーバーグ 「いばらの旅路」
    ■ 福島 正実訳 ジャック・フィニイ 「ふりだしに戻る」
    ■ 浅倉久志訳 トマス・M・ディッシュ 「いさましいちびのトースター+いさましいちびのトースター火星へ行く」
    ■ 野田昌宏訳 ニール・R・ジョーンズ「二重太陽系死の呼び声+放浪惑星骸骨の洞窟+惑星ゾルの王女」
    ■ 皆藤 幸蔵訳 ランドル・ギャレット 「魔術師が多すぎる」
    ■ 林 克己訳 ジョン・ウィンダム 「呪われた村」
    ■ 越前敏弥訳 スティーヴ・ハミルトン 「解錠師」
    ■ 桐野夏生 「OUT」
    ■ 小津薫訳 ロバート・クラーク 「記憶なき殺人」
    ■ 井上一夫+加島祥三訳 エド・マクベイン 「87分署シリーズ キングの身代金+クレアが死んでいる」
    ■ 浅倉久志訳 ジョン・ヴァーリイ「へびつかい座ホットライン」
    ■ 松谷 健二訳 K・H・シェール+クラーク・ダールトン「大宇宙を継ぐ者
    ■ 銀河の神々のたそがれ(宇宙英雄ローダン・シリーズ)
    ■ クルト・マール+W・W・ショルス 「ミュータント部隊宇宙 (英雄ローダン・シリーズ」
    ■ 高橋 泰邦訳 アイザック・アシモフ 「ミクロの決死圏」
    ■ 小倉多加志訳 ピエール・ブール 「猿の惑星」
    ■ 野田昌宏訳 ケネス・ロブスン(集団) 「ブロンズの男(ドック・サヴェジ)」
    ■ 福島 正実訳 ジャック・フィニイ 「盗まれた街」
    ■ 新井靖一訳 ヤーコプ・ブルクハルト 「イタリア・ルネサンスの文化」
    ■ 末吉考州訳 フランチェスコ・グイッチァルディーニ 「フィレンツェ史」
    ■ 鎌田彷月訳 キャスリン・アシェンバーグ 「図説 不潔の歴史」
    ■ 北野徹訳 ピエール・グリマル 「古代ローマの日常生活」
    ■ ウィリアム・S・バロウズ 諏訪優訳 「ノヴァ急報」
    ■ 矢野 徹+矢野 徹+岡部 宏之訳 キース・ローマー「多元宇宙の王子+多元宇宙SOS+前世再生機」
    ■ 伊藤典夫訳 アルフレッド・ベスター 「破壊された男(分解された男)」
    ■ 深町 真理子 トマス・M・ディッシュ 「人類皆殺し」
    ■ 伊藤 典夫 ジェイムズ・ホワイト「生存の図式」
    ■ 殊能将之編、浅倉久志他訳 エイヴラム・デイヴィッドスン 「どんがらがん(日本オリジナル短編集)」
    ■ 吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説快楽の中世史」
    ■ 山本規雄訳 バーゴ・パートリッジ 「乱交の文化史」
    ■ 夢枕獏 「サイコダイバー・シリーズ1-3 魔獣狩り 淫楽編+暗黒編+鬼哭編」
    ■ 志茂田景樹「黄色い牙」
    ■ 志茂田景樹「戦国の長嶋巨人軍」
    ■ 阿部 重夫+阿部啓子訳 フィリップ・K・ディック 「ブラッドマネー博士」
    ■ 支倉凍砂 「狼と香辛料 1-3」
    ■ 松田美智子「女子高校生誘拐飼育事件(完全なる飼育)」
    ■ 三島由紀夫 「金閣寺」
    ■ 三島由紀夫 「サド侯爵夫人+わが友ヒットラー」
    ■ 若島正訳 ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」
    ■ 谷崎潤一郎 「潤一郎ラビリンス1(刺青、少年ほか)」
    ■ 谷崎潤一郎 「痴人の愛」
    ■ 渋沢 竜彦訳 マルキ・ド・サド 「美徳の不幸」
    ■ 渋沢 竜彦訳 マルキ・ド・サド
    ■ 「渋沢竜彦翻訳全集 5 悪徳の栄え 悪徳の栄え 続 〈補遺〉悪徳の栄え(続)削除箇所全文」
    ■ 種村季弘 L・ザッヘル=マゾッホ 「毛皮を着たヴィーナス」
    ■ 山下 博司+岡光信子 「アジアのハリウッド -グローバリゼーションとインド映画」
    ■ 礫川 全次/編 「犯罪と猟奇の民俗学(歴史民俗学資料叢書 第2期2)」
    ■ 羽生和紀監訳 横井幸久、田口真二編訳 C・R・バートル+A・M・バートル「犯罪心理学 行動科学のアプローチ」
    ■ 林 四郎訳 洪蘭淑 「わが父文鮮明の正体」
    ■ 高橋康成監訳 安藤まみ+佐藤容子+三村明訳 「ルイス・キャロル伝」
    ■ 柳瀬尚紀編訳 ルイス・キャロル「不思議の国の論理学」
    ■ 細井勉著訳 「ルイス・キャロル解読 -不思議の国の数学ばなし」
    ■ 人見憲司+金澤淳子訳 ヘルムット・ガーンズハイム 「写真家ルイス・キャロル」
    ■ 高橋康也+川崎順之助訳 ルイス・キャロル 「ルイス・キャロル詩集 原典対照」
    ■ 高橋 康也 「ヴィクトリア朝のアリスたち ルイス・キャロル写真集」
    ■ 安井泉訳 ルイス・キャロル 「子供部屋のアリス」
    ■ 高橋康也+高橋迪訳 ルイス・キャロル 「少女への手紙」
    ■ 安井泉訳 ルイス・キャロル 「地下の国のアリス」
    ■ 高山宏訳 ルイス・キャロル 「新注不思議の国のアリス」
    ■ 高山宏訳 ルイス・キャロル 「新注鏡の国のアリス」
    ■ 田中明子訳 J・R・R・トールキン 「シルマリルの物語 :新版」
    ■ 山本史郎訳 ダグラス・A・アンダーソン注 J・R・R・トールキン 「ホビット-ゆきてかえりし物語-」
    ■ 杉山 洋子訳 J・R・R・トールキン 「トールキン 妖精物語の国へ」
    ■ 吉田 新一+早乙女 忠+猪熊 葉子訳 J・R・R・トールキン 「農夫ジャイルズの冒険」
    ■ 山本 史郎訳 J・R・R・トールキン 「仔犬のローヴァーの冒険」
    ■ 八木原 一恵/編訳 作者不明 「封神演義(集英社文庫)」
    ■ 石井 桃子訳 ヒルダ・ルイス 「とぶ船」
    ■ 林 容吉訳 パメラ・L・トラヴァース 「風にのってきたメアリー・ポピンズ」
    ■ 尾崎盛景訳 ゼバスティアン・ブラント「阿呆船」
    ■ 関口在男訳 ハンス・ヤーコプ・クリストッフェル・フォン・グリンメルスハウゼン
    ■ 「阿呆物語(ジンプリチムスの冒険) (関口在男著作集2-3)」
    ■ 井尾祥子、当麻英子訳 ジョアナ・ストラットン 「パイオニア・ウーマン 女たちの西部開拓史」
    ■ 亀井俊介訳 マーティン・ヒルマン 「図説探検の世界史 9大西部の開拓者たち」
    ■ 清水知久訳 マーガレット・L・コイト 「合衆国の歴史 第4巻 西部開拓」
    ■ 松田幸雄訳 リチャード・M・ドーソン 「語りつがれるアメリカ」
    ■ 根本治訳 ダニエル・ホフマン 「アメリカ文学の形式とロマンス フォークロアと神話」
    ■ 原島善衛訳 コンスタンス・ルーァク 「アメリカ文学とユーモア 国民性の研究」
    ■ 広瀬 典生 「アメリカ旧南西部ユーモア文学の世界 新しい居場所を求めて」
    ■ 廣瀬典生訳 ウォルター・ブレア 「ほら話の中のアメリカ」
    ■ 大橋鎮子訳 ルイ・ラムーア 「おおフロンティア -西部開拓史物語」
    ■ 井上 一夫/訳編 「アメリカほら話」
    ■ 新井晧士訳 ビュルガー 「ほらふき男爵の冒険」
    ■ 阿部知二他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 1」
    ■ 大西尹明他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 2」
    ■ 田中西二郎他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 3」
    ■ 丸谷才一他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 4」
    ■ 加島祥三訳 エドガー・アラン・ポー 「ポー詩集 対訳」
    ■ 伊藤典夫訳 サミュエル・R・ディレイニー 「アインシュタイン交点」
    ■ 岡部宏之訳 サミュエル・R・ディレイニー 「バベル-17」
    ■ 和爾桃子訳 キャサリン・アディスン 「エルフ皇帝の後継者(The Goblin Emperor)」
    ■ 冨原眞弓訳 カリン・ボイェ 「カロカイン 国家と密告の自白剤」
    ■ 塚本淳二訳 オーソン・スコット・カード 「死者の代弁者」
    ■ 榊原 晃三訳 モーリス・ルブラン「怪盗ルパン」「ルパン対ホームズ」
    ■ 中田耕治訳 バロネス・オルツィ(オークシイ)「紅はこべ」
    ■ 井上勇訳 アンソニー・ホープ 「世界大ロマン全集 43 ゼンダ城の虜」
    ■ 犬飼和雄訳 ジェイムズ・フェニモア・クーパー 「モヒカン族の最後」
    ■ 井上一夫訳 ジョンストン・マッカレー 「快傑ゾロ」
    ■ 内田 昌之訳 チャイナ・ミエヴィル「言語都市」
    ■ 浅倉 久志訳 フランシス・ポール・ウィルソン 「ホログラム街の女」
    ■ 友枝 康子訳 デイヴィッド・ブリン 「グローリー・シーズン」
    ■ 小木曽 絢子訳 ロイス・マクマスター ビジョルド 「ミラー・ダンス」
    ■ 内田昌之訳 ロバート・J.ソウヤー 「フラッシュフォワード」
    ■ 矢野徹訳 ウィルスン・タッカー 「長く大いなる沈黙」
    ■ 田中小実昌訳 リチャード・マシスン 「地球最後の男」
    ■ 小野寺健訳 モルデカイ・ロシュワルト 「レベル・セブン」
    ■ 北川和代訳 フランク・シェッツィング 「深海のYrr」
    ■ 谷 甲州 「パンドラ」
    ■ 永井淳訳夢見る宝石(1950)/小笠原豊樹訳雷鳴と薔薇(不明40年代後半)
       稲葉昭雄訳火星人ゴーホーム(1955)/南山宏訳みみず天使(50年代)
       「世界SF全集 16 スタージョン ブラウン」
    ■ 井上勇訳 シオドー(シオドア)・スタージョン 「原子力潜水艦シービュー号」
    ■ 大西尹明訳 レイ・ブラッドベリ 「ウは宇宙船のウ」
    ■ 井上一夫+川口正吉訳 エドワード・E・スミス
       「世界SF全集 7 スミス(銀河パトロール(レンズマン)+宇宙のスカイラーク)」
    ■ 冨永星訳 テリー・プラチェット 「天才ネコモーリスとその仲間たち」
    ■ 冨永星訳 テリー・プラチェット 「魔女になりたいティファニーと奇妙な仲間たち」
    ■ 水越真麻訳 キャサリン・M・ヴァレンテ 「宝石の筏で妖精国を旅した少女」
    ■ 中原 尚哉訳 アレステア・レナルズ 「啓示空間」
    ■ 関口 幸男訳 キャロリン・ジャニース・チェリイ 「サイティーン1-4(全)」
    ■ 斎藤 伯好訳 ウィリアム・シャトナー 「電脳麻薬ハンター」
    ■ 中原尚哉訳 ジョー・ホールドマン 「終わりなき平和」
    ■ 風見潤訳 ジョー・ホールドマン「終りなき戦い」
    ■ 井上一夫訳 ジェームズ・ブリッシュ 「悪魔の星」
    ■ 吉田誠一訳 ウォルター・ミラー 「黙示録3174年」
    ■ 那波 かおり訳 ナオミ・ノヴィク 「ドラゴンの塔」
    ■ 井辻朱美訳 テリー・ブルックス「魔法の王国売ります!ランドオーヴァー1」
    ■ 山田順子訳 ピアズ・アンソニイ 「カメレオンの呪文(魔法の国ザンス)」
    ■ 増田まもる イアン・バンクス 「フィアサム・エンジン」
    ■ 伊藤典夫訳 カート・ヴォネガット 「スローターハウス5」
    ■ 浅倉久志訳 カート・ヴォネガット・ジュニア 「タイタンの妖女」
    ■ 浜口稔訳 オラフ・ステープルドン 「スターメイカー」
    ■ 矢野徹訳 ジョン・W・キャンベル 「月は地獄だ!」
    ■ 矢野徹/川村哲郎訳 ジョン・W・キャンベル 「影が行く」
    ■ 川村哲郎訳 ヒューゴ・ガーンズバック「ラルフ124C41+」
    ■ 岡部宏之訳 アイザック・アシモフ 「ファウンデーション+ファウンデーション対帝国+第二ファウンデーション」
    ■ 平井イサク+福島正美訳 「世界SF全集 14 アシモフ(宇宙気流+鋼鉄都市)」
    ■ 矢野 徹訳 フレデリック・ポール 「マン・プラス」
    ■ 池央耿、高見浩訳 カール・セーガン 「コンタクト」
    ■ 酒井昭伸訳 ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル 「降伏の儀式」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「太陽系辺境空域」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「地球からの贈り物」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「中性子星」
    ■ 中上守訳 ラリー・ニーヴン 「プロテクター」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン+ジェリー・パネル 「インフェルノ SF地獄篇」
    ■ 冬川恒訳 ラリー・ニーヴン+ジョン・エリック・ホームズ 「パッチワーク・ガール(イラストレイテッドSF)」
    ■ ユートピア旅行記叢書 1 17世紀フランス編
       シラノ・ド・ベルジュラック 『別世界または日月両世界の諸帝国 月の諸国諸帝国・太陽の諸国諸帝国』 赤木昭三訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 2 17世紀イギリス編
       フランシス・ゴドウィン『月の男』 大西洋一訳
       マーガレット・キャヴェンディッシュ『新世界誌 光り輝く世界』 川田潤訳」
    ■ ユートピア旅行記叢書 3 ヨーロッパ精神の危機の時代編
       フォワニー『アウステル大陸漂流記』 倉田信子
       ヴェラス『セヴァランプ物語』鈴木康司訳」
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 4 ヨーロッパ精神の危機の時代編
       フォントネル『哲学者の国またはアジャオ人物語』 赤木昭三訳    フェヌロン『テレマコスの冒険』 二宮フサ訳
       ラオンタン『未開人との対話』 川合清隆訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 5 ヨーロッパ精神の危機の時代編
       ジルベール『カレジャヴァ物語』 永瀬春男訳
       ティソ・ド・パソ『ジャック・マセの航海と冒険』 小西嘉幸訳
       ティソ・ド・パト『ピエール・ド・メザンジュの生涯と冒険とグリーンランド旅行』 鈴木田研二訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 7 18世紀イギリス編
       ポルトック『ピーター・ウィルキンズの生涯と冒険』高橋和久訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 8 18世紀ドイツ編
       ヴェーツェル『ベルフェゴール』桑原ヒサ子・轡田収訳
       ハラー『ウーゾング』木村高明・轡田収訳
       ヴィーラント『黄金の鏡』新井皓士訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 9「東欧・ロシア編」
       クラシツキ『ミコワイ・ドシフィヤトチンスキの冒険』沼野充義訳
       シチェルバートフ『オフィル国旅行記』井桁貞義・草野慶子訳
       スマローコフ『<幸福な社会>の夢』 井桁貞義訳
       リョーフシン『ベリョフ市民の月世界旅行』井桁貞義訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 10「啓蒙の時代初期編」
       テラソン『セトス』 永見文雄訳
       リュスタン・ド・サン=ジョリ 『女戦士』永見文雄訳
       コワイエ 『軽薄島の発見』永見文雄訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 11「哲学者たちのユートピア フランス・ドイツ編」
       シャルル・ド・モンテスキュー『トログロディット人の寓話』 井田進也訳
       ヴォルテール『エルドラド』 佐々木康之訳
       アベ・プレヴォー『ブリッジの物語』 永見文雄訳
       ジャン・ジャック・ルソー『クララン共同体』佐々木康之訳
       ブリケール・ド・ラ・ディスメリー『タヒチの野生人からフランス人へ』中川久定訳
       ドニ・ディドロ『ブーガンヴィル航海記 補遺』 中川久定訳
       クニッゲ『クリストフ・ハインリヒ・ブリックの手稿』 轡田収・鷲巣由美子 訳
       ハインゼ『アルディンジェロと至福の島々』 轡田収・鷲巣由美子訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 12「海底の国と地底の国編」
       ホルベリ 『ニコラス・クリミウスの地下世界への旅』多賀茂訳
       マイエ 『テリアメド』多賀茂・中川久定訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 14「奇想と転倒のユートピア編」
       マリヴォー『奴隷の島』佐藤実枝訳、マリヴォー『理性の島』鈴木康司訳、マリヴォー『新天地』井村順一訳
       カサノーヴァ『イコザメロン』川端香男里訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 15「18世紀末編」
       レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ポルノグラフ』 植田祐次訳
       ル・メルシエ・ド・ラ・リヴィエール『幸福な国民またはフェリシー人の政体』 増田真訳
    ■ 鬼澤忍訳 ウィリアム・バーンスタイン 「華麗なる交易 貿易は世界をどう変えたか」
    ■ 株式会社オフィス宮崎訳 ジェリー・ブロットン「地図の世界史大図鑑」
    ■ 巽考之+大槻敦子訳 ジュディス・A.マクラウド 「世界伝説歴史地図 ヴィジュアル版」
    ■ 金原端人訳 シルヴィア・ジョンソン 「世界を変えた野菜読本 トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ」
    ■ 松村剛訳 クードレット 「西洋中世奇譚集成 妖精メリュジーヌ物語」
    ■ 中野好夫・中村妙子訳 シオドーラ・クローバー 「イシ 二つの世界に生きたインディアンの物語」
    ■ 中村妙子訳 ジョン・バニヤン 「危険な旅 天路歴程物語」
    ■ 矢野徹訳 「デューン砂の惑星」
    ■ 矢野徹訳 ロバート・A・ハインライン 「栄光の道」
    ■ 金原端人訳 ピーター・S.ビーグル 「最後のユニコーン 完全版」
    ■ 田中秀央・前田敬作訳 オウィディウス 「転身物語(変身物語)」
    ■ 浅倉久志訳 世界SF全集 17 ヴォクト(スラン・宇宙船ビーグル号)」
    ■ 浅倉久志・伊藤典夫訳 A・E・ヴァン・ヴォクト 地球最後の砦」
    ■ 高橋弘美訳 ドミニック・ラティ 「お風呂の歴史」
    ■ 芝修身、芝絋子訳 マリア・テレサ・ロペス・ベルトラン 「近世初期スペインの売春」
    ■ 吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説笑いの中世史」
    ■ 田口孝夫監訳 リチャード・バーバー 「図説騎士道物語」
    ■ 佐野俊彦・林寛治訳 レオナルド・ベネーヴォロ 「図説・都市の世界史 3 近世」
    ■ 吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説夜の中世史」
    ■ アンドリュー・ラングリー 「中世ヨーロッパ入門(「知」のビジュアル百科 25)」
    ■ 橋口久子訳 サビーヌ・メルシオール=ボネ 「図説 不倫の歴史」
    ■ 河原 温、堀越宏一 「図説中世ヨーロッパの暮らし(ふくろうの本)」
    ■ ジョゼフ・ギース+フランシス・ギース 「中世ヨーロッパの城の生活」
    ■ 永野藤夫、井本シュウ二、今田理枝 フェルディナント・ザイプト 「図説中世の光と影」
    ■ コリン・プラット 「図説 中世の世界」
    ■ 荒俣宏訳 ジョージ・マクドナルド 「リリス」
    ■ 柿崎亮訳 ウォルター・デ・ラ・メア 「デ・ラ・メア幻想短篇集」
    ■ 宇野利泰+多田雄二+ H・G・ウェルズ
       「世界SF全集 2 ウェルズ(タイム・マシン+透明人間+宇宙戦争)」
    ■ 中村融訳 H・G・ウェルズ 「モロー博士の島 完全版」
    ■ 宇野利泰訳 H・G・ウェルズ 「透明人間」
    ■ 荒川浩充訳 ジュール・ヴェルヌ 「十五少年漂流記(創元SF文庫)」
    ■ 高山宏訳 W・J・ミラー注 ジュール・ヴェルヌ 「月世界旅行 詳注版」
    ■ 高木進訳 ジュール・ヴェルヌ 「ヴェルヌ全集 15 月世界探検」
    ■ 石川湧訳 ジュール・ベルヌ 「地底旅行」
    ■ 清水正和訳 ジュール・ベルヌ 「海底二万海里」
    ■ 山田和子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「夜の言葉」
    ■ 岩原明子訳 キャサリン・カーツ 「グヴィネド王国年代記 獅子王の宝冠・反逆者の影」
    ■ 仁賀 克雄/訳 C・L・ムーア 「暗黒神のくちづけ 処女戦士ジレル」
    ■ 仁賀克雄訳 C・L・ムーア 「シャンブロウ」
    ■ 黒丸尚訳 ロジャー・ゼラズニイ 「地獄に堕ちた者ディルヴィシュ」
    ■ 大久保博訳 マーク・トウェイン 「マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク」
    ■ 加島祥造訳 マーク・トウェイン 「完訳 ハックルベリ・フィンの冒険」
    ■ 小倉多加志訳 マーク・トウェイン 「アーサー王宮廷のヤンキー」
    ■ 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エレコーゼ1・2」
    ■ 井辻朱美訳 マイクル・ムアコック 「永遠の戦士エルリック[全]」
    ■ 林克己訳 ポール・アンダースン 「脳波」
    ■ 榎林哲訳 ポール・アンダースン 「処女惑星」
    ■ 豊田有恒訳 ポール・アンダースン 「銀河よ永遠なれ」
    ■ 三田村裕訳 ポール・アンダースン 「天翔ける十字軍」
    ■ 深町真理子+稲葉明雄訳 ポール・アンダースン 「タイム・パトロール」
    ■ 世界SF全集 21 ポール コーンブルース アンダースン ファーマー
       加島祥造訳 フレデリック・ポール+シリル・マイケル・コーンブルース 宇宙商人 原書1953
       深町真理子+稲葉明雄訳 ポール・アンダースン タイム・パトロール 原書1960
    ■ 伊藤典夫訳 フィリップ・ホセ・ファーマー 恋人たち 原書1961
    ■ 関口幸男訳 ポール・アンダースン「折れた魔剣」
    ■ 豊田有恒訳 ポール・アンダースン「魔界の紋章」
    ■ 浅倉久志訳 ジャック・ヴァンス 「大いなる惑星」
    ■ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語 1 タランと角の王ほか[全五巻]」
    ■榎林哲+厚木淳訳 アンドレ・ノートン 「魔法の世界エストカープ ウイッチワールド既刊四巻」
    ■浅倉久志訳 ジャック・ヴァンス 竜を駆る種族」
    ■森下弓子訳 T・H・ホワイト「永遠の王 アーサーの書上下」
    ■荒俣宏訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン 「ナイトランド」
    ■団精二(荒又宏)訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン 「異次元を覗く家」
    ■荒俣宏訳 ロード・ダンセイニ 「魔法の国の旅人」
    ■浅倉久志訳 フリッツ・ライバー「魔の都の二剣士+死神と二剣士」を
    ■山崎淳訳 エリック・ラッカー・エディスン 「ウロボロス(1922)」
    ■川口正吉訳 エイブラハム・メリット「ムーン・プール(1919)」
    ■川口正吉訳 エイブラハム・メリット「イシュタルの船(1924)」
    ■団精二(荒又宏)訳 エイブラハム・メリット「黄金郷の蛇母神(1937)」
    ■杉山洋子訳 ジェイムス・ブランチ・キャベル 「世界幻想文学大系 29 夢想の秘密」
    ■荒俣宏訳 ロード・ダンセイニ「ペガーナの神々」
    ■原葵訳 ロード・ダンセイニ「エルフランドの女王」
    ■松村みねこ訳 ロード・ダンセイニ「ダンセイニ戯曲集」
    ■団精二(荒俣宏)訳 ロバート・E.ハワード 「征服王コナン」
    ■宇野利秦・中村融訳 ロバート・E.ハワード 「新訂版コナン全集2 魔女誕生」
    ■宇野利秦・中村融訳 ロバート・E.ハワード 「新訂版コナン全集3 黒い予言者」
    ■中村融訳 「新訂版コナン全集5 真紅の城壁」
    ■夏来健次訳 ロバート・E・ハワード 「黒の碑 クトゥルー神話譚」
    ■瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり)ほか全七冊」
    ■中村妙子+西村徹訳 C.S.ルイス「別世界物語1-3(全)」
    ■中村妙子訳 C.S.ルイス 「別世界にて エッセー/物語/手紙」
    ■上田真而子+佐藤真理子訳 ミヒャエル・エンデ 「はてしない物語」
    ■大島かおり訳 ミヒャエル・エンデ 「モモ」
    ■川西芙紗訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 6 いたずらっ子の本」
    ■矢川澄子、岩淵達治訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 7 サーカス物語・ゴッゴローリ伝説」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 8 鏡のなかの鏡、迷宮」
    ■佐藤真理子+子安美知子+岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ
      「エンデ全集 10 夢のボロ市+ハーメルンの死の舞踏」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 11 スナーク狩り」
    ■川西芙紗訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 12 魔法のカクテル」
    ■田村都志夫訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 13 自由の牢獄」
    ■佐々木田鶴子、虎頭恵美子、矢川澄子、池内紀、桶口純明訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 14 メルヒェン集」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 15 オリーブの森で語りあう ファンタジー・文化・政治」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 16 芸術と政治をめぐる対話」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 17 闇の考古学 画家エドガー・エンデを語る」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 18+19 エンデのメモ箱 上下」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 9 遺産相続ゲーム 地獄の喜劇」
    ■上田真而子訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 1 ジム・ボタンの機関車大旅行」
    ■上田 真而子訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集2 ジム・ボタンと13人の海賊」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ/編 「M・エンデが読んだ本」
    ■田村都志夫+ミヒャエル・エンデ 「ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと」
    ■西川隆範訳 ルドルフ・シュタイナー 「神秘学概論」
    ■高橋巌訳 ルドルフ・シュタイナー 「自由の哲学」
    ■田中美知太郎責任編集 「世界の名著〈続2〉 プロティノス/ポルピュリオス/プロクロス
      プロティノス「善なるもの一なるもの」(田中美知太郎訳)、ポルピュリオス「イサゴーゲー」(水地宗明訳)
      プロクロス「神学綱要」(田之頭安彦訳)」
    ■吉田八岑監訳 ジェームズ・テーラー+ウォーレン・ショー 「ナチス第三帝国事典」
    ■古沢嘉通訳 ケン・リュウ 「紙の動物園」
    ■小川隆訳 グレッグ・ベア 「ブラッド・ミュージック」
    ■斎藤伯好訳 グレッグ・ベア 「宇宙大作戦 コロナ」
    ■福島 正実+高橋 泰邦訳 アーサー・C・クラーク 「世界SF全集 15 クラーク 幼年期の終り 海底牧場」
    ■南山宏訳 アーサー・C・クラーク 「宇宙のランデヴー」
    ■大森望訳 コニー・ウィリス 「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」
    ■大森望訳 コニー・ウィリス 「ドゥームズディブック」
    ■毎日新聞社訳 ウィンストン・チャーチル「第二次大戦回顧録抄(中公文庫)」
    ■徳川夢声 「夢声戦争日記 抄−敗戦の記」
    ■大泉 実成 「ではまた、あの世で 回想の水木しげる」
    ■山口 広(民事法研究会) 「宗教トラブル110番 :全訂増補版 Q&A-(110番シリーズ 14) 」
    ■中沢新一「大阪アースダイバー」
    ■荒俣 宏+小松和彦 「妖怪草紙 あやしきものたちの消息」
    ■松田幸雄訳 ローズマリ・E・グィリー 「妖怪と精霊の事典」
    ■水木 しげる 「水木サンと妖怪たち 見えないけれど、そこにいる」
    ■水木しげる 「小説ゲゲゲの鬼太郎 1」
    ■水木しげる 「小説ゲゲゲの鬼太郎 上下」
    ■水木しげる 1980 「ブルートレインおばけ号 <水木しげるのおばけ学校(3)>」
    ■水木しげる 1980 「おばけ宇宙大戦争 <水木しげるのおばけ学校(4)>」
    ■水木しげる 1981 「吸血鬼チャランポラン <水木しげるのおばけ学校(5)>」
    ■水木しげる 1981 「3年A組おばけ教室 <水木しげるのおばけ学校(6)>」
    ■水木しげる 1983 「おばけレストラン <水木しげるのおばけ学校(10)>」
    ■水木しげる 1983 「おばけマイコンじゅく <水木しげるのおばけ学校(11)>」
    ■水木しげる 1983 「ラジコン大海獣 <水木しげるのおばけ学校(12)>」
    ■水木しげる 1987 「水木しげるの妖怪101ばなし」
    ■水木しげる 1987 「ようかいキャンデー <ゲゲゲの鬼太郎おばけのくに(4)>」
    ■水木しげる 1988 「火のたま大がっせん <ゲゲゲの鬼太郎おばけのくに(6)>」((
    ■水木しげる 2008 「ゲゲゲの鬼太郎とゆうれいテレビ局 <水木しげるのふしぎ妖怪ばなし(3)>」
    ■水木しげる 2009 「ゲゲゲの鬼太郎と妖怪ドライブ <水木しげるのふしぎ妖怪ばなし(8)>」
    ■湯本 豪一編 「帝都妖怪新聞」
    ■岩井宏実監修 近藤雅樹編 「図説日本の妖怪(ふくろうの本)」
    ■小松 和彦「百鬼夜行絵巻の謎」
    ■安村 敏信/監修「妖怪図譜 江戸の化物大集合(別冊太陽)」
    ■小松 和彦/監修「妖怪絵巻 -日本の異界をのぞく-(別冊太陽)」
    ■荒俣宏解説 水木 しげる 「戦争と読書 水木しげる出征前手記」
    ■水木 しげる「水木しげるの妖怪人類学」
    ■水木しげる 「水木しげる妖怪大百科」
    ■水木しげる 「水木しげるのんのん人生 ぼくはこんなふうに生きてきた」
    ■「水木しげる妖怪大画報 少年マガジン巻頭口絵の世界」
    ■宮本幸枝 「図説日本の妖怪百科」
    ■佐藤 有文 原刊72 「日本妖怪図鑑 -いちばんくわしい-(ジャガーバックス)」
    ■佐藤 有文 原刊73 「世界妖怪図鑑 -いちばんくわしい-(ジャガーバックス)」
    ■水木 しげるほか 「別冊怪 追悼・水木しげる世界妖怪協会全仕事」
    ■竹村牧男監修 井上 円了 「妖怪玄談」
    ■中村元責任編集 「日本の名著2 聖徳太子
      勝鬘経義疏(早島鏡正訳)、維摩経義疏(抄)(中村元訳)、法華義疏(抄)(早島鏡正・滝藤尊教訳)
      十七条憲法(中村元・滝藤尊教訳)、上宮聖徳法王帝説(田村晃祐訳)、唐大和上東征伝(田村晃祐訳)
      婆羅門僧正碑文(中村元訳) 」
    ■永原慶二責任編集 「日本の名著9 慈円/北畠親房
      慈円(愚管抄(大隅和雄訳))。北畠親房(神皇正統記(永原慶二・笠松宏至訳)、書簡(笠松宏至訳))」
    ■貝塚茂樹責任編集訳 「日本の名著13 伊藤仁斎(論語古義、童子問―巻の上)」
    ■芳賀 徹責任編集 「日本の名著 22 杉田玄白.平賀源内.司馬江漢
      蘭学事始 和蘭医事問答 ほか 芳賀 徹 訳
      後見草 野叟独語 楢林忠男 訳/形影夜話 緒方富雄 訳
      放屁論 楢林忠男 訳/痿陰逸伝 野坂昭如 訳
      春波楼筆記(抄) 西洋画談 芳賀 徹 訳/独笑妄言 楢林忠男 訳」
    ■松本三之介責任編集訳 「日本の名著31 吉田松陰
      講孟余話(抄)(松本三之介訳)、武教全書講録(松永昌三訳)、異賊防禦の策(田中彰訳)将及私言(田中彰訳)
      幽囚録(田中彰訳)、回顧録(田中彰訳)、野山獄文稿(抄)(松永昌三訳)、丙辰幽室文稿(抄)(松永昌三訳)
      戊午幽室文稿(抄)(田中彰訳)、要駕策主意(田中彰訳)、留魂録(松永昌三訳)、書簡」
    ■隅谷三喜男責任編集 「日本の名著40 徳富蘇峰/山路愛山
      徳富蘇峰、将来の日本、吉田松陰。山路愛山、現代日本教会史論、評論 」
    ■橋本峰雄 責任編集・訳「日本の名著43 清沢満之/鈴木大拙
      清沢満之(宗教哲学骸骨、在床懺悔録、教界時言(抄)、精神主義、精神講話(抄)鈴木大拙(日本的霊性)」
    ■近藤秀樹責任編集 「日本の名著45 宮崎滔天/北一輝
      宮崎滔天(三十三年の夢(抄)、狂人譚(抄)、炬燵の中より、書簡)
      北一輝(国体論及び純正社会主義(抄)、国民対皇室の歴史的観察、自殺と暗殺、支那革命外史(抄)、書簡)
    ■三谷太一郎責任編集 「日本の名著48 吉野作造 民本主義論、中国革命と朝鮮問題、明治文化研究 ほか」
    ■蝋山芳郎責任編集 世界の名著63 ガンジー/ネルー
      ガンジー「自叙伝」(蝋山芳郎訳)、ネルー「自叙伝」(蝋山芳郎訳)」
    ■金谷治責任編集 「世界の名著10 諸子百家 「墨子」(金谷治訳)、「孫子」(町田三郎訳)
      「荀子」(沢田多喜男・小野四平訳)、「韓非子」(金谷治・町田三郎訳)」
    ■荒木見悟責任編集 「世界の名著〈続4〉 朱子/王陽明
      朱子「朱子文集・語類抄」(荒木見悟訳)、王陽明「伝習録」(溝口雄三訳) 」
    ■川本隆史+福間聡+神島裕子 ジョン・ロールズ 「正義論 改訂版」
    ■鬼澤忍訳 マイケル・サンデル
      「これからの「正義」の話をしよう -いまを生き延びるための哲学」
      「それをお金で買いますか 市場主義の限界」
    ■山田登代子訳 ミシェル・ド・セルトー 「文化の政治学(複数の文化)」
    ■田中角栄「日本列島改造論」
    ■加藤周一責任編集訳 「日本の名著18 富永仲基/石田梅岩
      富永仲基(翁の文(楢林忠男訳)、出定後語(石田瑞麿訳)。石田梅岩(都鄙問答、付録(加藤周一訳)、石田先生語録)
      柴田実著「『石田先生語録』解題」 」
    ■尾藤正英責任編集 「日本の名著16 荻生徂徠
      学則(前野直彬訳)、弁道(前野直彬訳)、弁名(抄)(前野直彬訳)、徂徠集(抄)(前野直彬訳)
      答問書(中野三敏訳)、政談(抄)(尾藤正英訳) 」
    ■片瀬一男+高橋征仁訳 ローレンス・コールバーグ+A・ヒューアー+C・レバイン
      「道徳性の発達段階―コールバーグ理論をめぐる論争への回答」
    ■真継伸彦責任編集 「日本の名著42 夏目漱石/森鴎外
      夏目漱石(『文学論』序、文の哲学的基礎、道楽と職業、現代日本の開化、文芸と道徳、文展と芸術、素人と黒人
      私の個人主義、思い出す事など
      森鴎外(大学の自由を論ず、同感と慈悲と、慈善、鴎外漁史とは誰ぞ、潦休録、戦時糧餉談、北清事件の一面の観察
      仮名遺意見、混沌、文芸の主義、礼儀小言、古い手帳から、智恵袋、心頭語、慧語)」
    ■阿部知二+三宅幾三郎訳 「河出世界文学全集 8 ジェイン・エア+嵐が丘」
     「世界文学大系 25 シャトーブリアン・ヴィニー・ユゴー
      辻昶訳 フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン 原1801 アタラ+ルネ
      松下和則訳 アルフレッド・ド・ヴィニー 原1835 軍隊の屈辱と偉大
      今日出海 ヴィクトル・ユーゴー 原1874 九十三年」
    ■辻昶+松下和則訳 ヴィクトル・ユゴー 「ヴィクトル・ユゴー文学館 第5巻 ノートル=ダム・ド・パリ」
    ■柏木隆雄訳 オノレ・ド・バルザック「人間喜劇」セレクション 第13巻 従兄ポンス」
    ■岸田理生訳 フリードリヒ・フーケ 「ウンディーネ」
    ■平岡昇+中村真太郎+三宅徳嘉+山上正太郎 「アンドレ・モロワ フランス史 上下」
    ■田中 治男訳 アイザイア・バーリン 「バーリンロマン主義講義」
    ■松田智雄責任編集 「世界の名著18 ルター 「キリスト者の自由」(塩谷饒訳)、
      「キリスト教界の改善についてドイツ国民のキリスト教貴族に与う」(成瀬治訳)、「奴隷的意志」(山内宣訳)
      「農民戦争文書」(渡辺茂・魚住昌良訳)、「商業と高利」(魚住昌良訳)、「詩篇講義」(笠利尚訳)、
      「ローマ書講義」(笠利尚訳)、「ガラテア書講義」(徳善義和訳)、「卓上語録」(塩谷饒訳)」
    ■登張正実責任編集 世界の名著〈続7〉 ヘルダー/ゲーテ
      ヘルダー「人間性形成のための歴史哲学異説」(小栗浩・七字慶紀訳)、ヘルダー「シェイクスピア」(登張正実訳)
      ヘルダー「彫塑」(登張正実訳)、ゲーテ「文学論・美術論」(小栗浩訳)」
    ■岩崎武雄責任編集 「世界の名著〈続9〉 フィヒテ/シェリング
      フィヒテ「知識学への第一序論」(岩崎武雄訳)、フィヒテ「人間の使命」(量義治訳)、シェリング「ブルーノ」(茅野良男訳)
      シェリング「人間的自由の本質」(渡辺二郎訳)、シェリング「哲学的経験論の叙述」(岩崎武雄訳) 」
    ■山本信責任編集 「世界の名著〈続13〉 ヤスパース/マルセル
      ヤスパース「哲学」(小倉志祥ほか訳)、マルセル「存在と所有」(山本信訳) 」
    ■原佑責任編集 「世界の名著62 ハイデガー「存在と時間」(原佑・渡辺二郎訳)」
    ■新田邦夫訳 カール・シュミット 「パルチザンの理論」
    ■海輪由香子ほか訳 ノーム・チョムスキー 「テロの帝国アメリカ 海賊と帝王」
    ■伊藤 富雄訳 デートレフ・ポイカート「エーデルワイス海賊団―ナチスと闘った青少年労働者」
    ■村田陽一訳 カール・マルクス+フリードリヒ・エンゲルス 「マルクス・フォー・ビギナー 1 共産党宣言」
    ■大津真作訳 カルロス・エステベス編 「反グローバリゼーションの声」
    ■後藤 政子編訳 フィデル・カストロ 「カストロ 革命を語る」
    ■柳原孝敦訳 フィデル・カストロ 「少年フィデル」
    ■伊高浩昭訳 イグナシオ・ラモネ+フィデル・カストロ 「みずから語る革命家人生」
    ■高橋勝之訳 フィデル・カストロ 「カストロ演説集」
    ■刀江書院編訳 フィデル・カストロ 「祖国か死か(カストロ選集 1)+勝利への確信(カストロ選集 2) 」
    ■池上幹徳訳 フィデル・カストロ 「わがキューバ革命(新しい人間双書)」
    ■柳原孝敦監訳 フィデル・カストロ 「チェ・ゲバラの記憶」
    ■山岡加奈子+田中高+工藤多香子+富田君子訳
      フィデル・カストロ 「フィデル・カストロ自伝 -勝利のための戦略」
      フィデル・カストロ 「キューバ革命勝利への道 -フィデル・カストロ自伝」
    ■新庄哲夫編+高沢 明良訳 タッド シュルツ「フィデル・カストロ―カリブ海のアンチヒーロー」
    ■渡辺 邦男ほか訳+デイビッド ドイッチマン編 フィデル・カストロ
      「フィデル・カストロ 20世紀最後の提言―グローバリゼーションと国際政治の現況」
    ■越川芳明訳 「カストロは語る」
    ---2019-3月まで
    ■ 竹岡啓訳 リン・カーター 「クトゥルー神話全書」
    ■ 多田雄二訳 リン・カーター 「ゾンガ-と魔道師の王+ゾンガーと竜の都+邪神と闘うゾンガー」
    ■ 関口幸男訳 リン・カーター 「海賊と闘うゾンガー」
    ■ 浅羽莢子訳 ジョン・ベレアーズ 「霜のなかの顔」
    ■ 小宮卓訳 ハネス・ボク 「魔法つかいの船」
    ■ 井辻朱美訳 C・A・スミス 「イルーニュの巨人」
    ■ H・P・ラヴクラフト他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 1〜8(全)」
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと賢者の石」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと死の秘宝」 
    ■ 石井桃子訳 エリザベス・グージ 「まぼろしの白馬」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッター裏話」 
    ■ 田辺千幸訳 シャロン・ムーア 「大好き!ハリー・ポッター そのわけを教えてあげる」 
    ■ 岡田 好惠訳 エミリー・ロッダ 「デルトラクエスト1-3」 
    ■ さくま ゆみこ訳 エミリー・ロッダ 「ローワンと魔法の地図」 
    ■ さくま ゆみこ訳 エミリー・ロッダ 「ふしぎの国のレイチェル」 
    ■ 佐藤高子訳 ライマン・フランク・ボーム 「オズの魔法使い+オズの虹の国+オズのオズマ姫」 
    ■ 金子司他訳 ナンシー・クレイス 「ベガーズ・イン・スペイン」 
    ■ 「定本 ラヴクラフト全集 1-10(全)」
    ■ 沢田博訳 イアン・マルコーズ/ほか 「経営学大図鑑」
    ■ 大前研一訳 トム・ピーターズ+ロバート・ウォーターマン 「エクセレントカンパニー」
    ■ 山形浩生訳 ジョージ・A・アカロフ 「アニマルスピリット 人間の心理がマクロ経済を動かす」
    ■ 高遠裕子訳 タイラー・コーエン 「インセンティブ 自分と世界をうまく動かす」
    ■ 田中成明訳 ジョン・ロールズ 「公正としての正義」
    ■ 池本幸成訳 アマルティア・セン 「正義のアイデア」
    ■ 嶋津格ほか訳 マイケル・オークショット 「政治における合理主義 :増補版」
    ■ 三島憲一訳 ユルゲン・ハーバーマス 「真理と正当化 哲学論文集」
    ■ 村井章子訳 ソースタイン・ヴェブレン 「有閑階級の理論 :新版」
    ■ 高哲夫訳 アダム・スミス 「道徳感情論
      人間がまず隣人の、次に自分自身の行為や特徴を、自然に判断する際の原動力を分析するための論考」
    ■ 大河内一男責任編集 「世界の名著 37 アダム・スミス」
    ■ 山形浩生+守岡桜+森本正史訳 トマ・ピケティ 「21世紀の資本」
    ■ 山形浩生訳 ポール・クルーグマン 「さっさと不況を終わらせろ」
    ■ 山形浩生+森本正史訳 アンソニー・B・アトキンソン 「21世紀の不平等」
    ■ 山形浩生訳+解説 ハリー・G・フランクファート 「不平等論 格差は悪なのか?」
    ■ 山形浩生訳/解説 ハリー・G・フランクファート 「ウンコな議論」
    ■ 山形浩生訳 キャス・サンスティーン 「命の価値 -規制国家に人間味を」
    ■ 山形浩生訳 キャス・R・サンスティーン「スターウォーズによる世界」
    ■ 山形浩生訳 イアン・エアーズ 「ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣」
    ■ 尾高邦雄責任編集 「世界の名著50 ウェーバー)
      「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(梶山力・大塚久雄訳)
      「経済行為の社会学的基礎範疇」(富永健一訳)、「経済と社会集団」(厚東洋輔訳)、「都市」(倉沢進訳)」
    ■ 日高八郎訳 「世界の文学セレクション36 15 ディケンズ 大いなる遺産」
    ■ 菊池光訳 セシル・スコット・フォレスター 「燃える戦列艦」
    ■ 高橋泰邦訳 セシル・スコット・フォレスター 「海軍士官候補生」
    ■ 高橋泰邦訳 セシル・スコット・フォレスター 「スペイン要塞を撃滅せよ」
    ■ 神宮 輝夫訳 アーサー・ランサム 「ツバメとアマゾン号」
    ■ 神宮輝夫訳 アーサー・ランサム 「女海賊の島」
    ■ 相良倫子・陶浪亜希訳 クレシッダ・コーウェル 「ヒックとドラゴン1-3」
    ■ 最所 篤子訳 ジェーン・ジョンソン 「海賊と刺繍女」
    ■ 朝比奈一郎訳 フィリップ・ゴス 「海賊の世界史」
    ■ 千代浦昌道訳 ジャン=ミシェル・バロー 「貧困と憎悪の海のギャングたち: 現代海賊事情」
    ■ 朝比奈一郎訳 リチャード・プラット 「海賊事典(「知」のビジュアル百科 26)」
    ■ 村井章子訳 ダニエル・カーネマン 「ファスト&スロー -あなたの意思はどのように決まるか?- 上下」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ
      「合本版火星シリーズ第一集 火星のプリンセス・火星の女神イサス・火星の大元帥カーター」
      「合本版火星シリーズ第二集 火星の幻兵団・火星のチェス人間・火星の交換頭脳」
      「合本版火星シリーズ第三集 火星の秘密兵器・火星の透明人間・火星の合成人間」
      「合本版火星シリーズ第四集 火星の古代帝国・火星の巨人ジョーク・付モンスター13号」
    ■ 高橋豊訳 エドガー・ライス・バローズ「類猿人ターザン」
    ■ 野上彰訳 エドガー・ライス・バローズ 「ターザンの逆襲(ターザン物語 2)」
    ■ 高橋豊訳 エドガー・ライス・バローズ 「ターザンの復讐」
    ■ 佐藤高子訳 エドガー・ライス・バローズ「地底世界ペルシダー」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「翼竜の世界ペルシダー」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「海賊の世界ペルシダー」
    ■ 佐藤高子訳 エドガー・ライス・バローズ 「地底世界のターザン」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「月のプリンセス+月からの侵略」
    ■ 国原吉之助訳 「世界古典文学全集 22 タキトゥス
      (原前109 年代記、原前98 アゴリアラ、原前109 ゲルマーニア)」
    ■ 國原吉之助訳 タキトゥス 「同時代史」
    ■ 松平千秋訳 「世界古典文学全集 10 ヘロドトス 歴史」
    ■ 野口定男+頼推勤+近藤光男+吉田光邦訳 司馬遷 「中国古典文学大系 10 史記」
    ■ 赤塚忠訳 「中国古典文学大系 1 書経 易経(抄)」
    ■ 吉村忠典+後藤篤子訳 ローズマリー・ウィリアムズ編 エドワード・ギボン 「図説ローマ帝国衰亡史」
    ■ 中野好夫+朱牟田夏雄+中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 全十巻」
    ■ 責任編集金田雄次 「世界の名著 16 マキアヴェリ」
    ■ 熊井ひろ美他訳 ジェフリー・アボット 「処刑と拷問の事典」
    ■ 植田祐次訳 ヴォルテール 「カンディード -他五篇-(岩波文庫)」
    ■ 串田孫一責任編集 「世界の名著 29 ヴォルテール ディドロ ダランベール
      (原1734 哲学書間+原1764哲学辞典+原1751 ブーオヴィル航海記補遺+原1751百科全書序論)」
    ■ 堀茂樹訳 エマニュエル・トッド 「シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧」
    ■ 石崎貴比古訳 英国陸軍 「英国陸軍式男の必修科目270」
    ■ 小林朋則訳 バリー・デイヴィス 「SAS大事典」
    ■ 渡辺博訳 リーダー・トゥー・リーダー研究所「アメリカ陸軍リーダーシップ」
    ■ 白幡憲之訳 デビッド・H.フリードマン 「アメリカ海兵隊式経営 最強のモチベーション・マネジメント」
    ■ 斎藤精一郎訳 L.R.ドニソーン「ウエスト・ポイントはリーダーシップをどう教えているかアメリカ陸軍士官学校」
    ■ ファミコン必勝本編集部/編 「イラストレイテッド・ファンタジー・ブック・ガイド」
    ■ 田中芳樹 「銀河英雄伝説I 黎明篇」
    ■ 田中芳樹 「アルスラーン戦記 王都炎上」
    ■ 栗本薫 「グインサーガ 豹頭の仮面」
    ■ 荒俣宏 「帝都物語 第1番」
    ■ 荒俣 宏 「帝都物語異録」
    ■ 夢枕獏「陰陽師」
    ■ 夢枕 獏 「幻獣少年キマイラ」
    ■ 菊池秀行 「吸血鬼ハンターD」


    ■ 内藤 濯訳 サン=テグジュペリ 「星の王子さま 岩波少年文庫 (001)」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 1 南方郵便機 人間の大地」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 2 夜間飛行 戦う操縦士」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 6-8 城砦」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 9-11 戦時の記録 1-3」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 3 人生に意味を」
    ■ 清水茂+山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 4 母への手紙・若き日の手紙」
    ■ 杉山毅訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 5 手帖」
    ■ 山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 別巻 証言と批評」
    ■ 山崎 庸一郎+佐藤 久美子訳 「サン=テグジュペリ デッサン集成」

    Vol 3478(2019-12-27)
    [2019-12]
    原43刊53(61版)。画太郎関連からで読む気は無かったんだけど、合わせて読んだ本とも併せこれ一冊で充分はある
    内藤 濯訳 サン=テグジュペリ 「星の王子さま 岩波少年文庫 (001)」を読んだ
    .
    自分も含め経緯説明いるが、当初日は岩波少年文庫の一冊で出て売れず、挿絵カラー大型本が63に出て売れている
    自分に関していうと先にネットの訳→ジュペリ全作なんで、単体としてではなくジュペリ延長線の作として読む事が出来た
    なぜ読む気なかったかと言うと訳が大量にあるからでここらは後述。本書は長く定本だった物だが大変読み易かった
    .
    上記で当時のジュペリの実生活や心情・本来の作風の延長線として読んだし、日がどう広げたかも考えながら読めた
    飼い慣らす=絆はマッチョ思考・独裁者話かいたジュペリらしく、同時に他の文にも捻りがありまさにジュペリなといった一冊

    [2019-08]
    原29+39。漫☆画太郎から。本国で著作集が出たらしく日での刊行もその順番になり本書が最初
    山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 1 南方郵便機 人間の大地」を読んだ
    .
    商業初のデビュー作になり解説によると後には放棄する小説の形式を採用した作品になる
    航空便パイロットの日常とも言える作で、後の作や私生活でも反映される恋愛要素も含むが暗い展開と結末になる
    作家の成熟には時間がかかるのがわかるのと同時に、後に採用される要素が何かしらの形で発言している事もわかる
    .
    二作目も同様だがこれは賞取った後で作風がある程度固まっている。暗いのは共通だが救い与えた点は進化
    星の〜だけ見てると想像もつかないが本来の作風はかなり違い、二作目の幻覚も出るサバイバルは迫力がある

    [2019-08]
    原31+42。漫☆画太郎から。受賞作を含む商業二作目と、物議をかもした発表時は検閲も食らった戦記物になる
    山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 2 夜間飛行 戦う操縦士」を読んだ
    .
    物語を放棄した作品はどういう物かの例としても面白いと思うし、内容的にも当人の考えがよく反映されていて興味深い
    一作目は航空教官の話になり悲劇に終わるが、航空業界的には手紙が届いたなら正解で、死の間際の美なんかも出てる
    ニーチェ愛好らしく追い詰め具合なども含めて、死の寸前まで至らないと自己を確認できない不安定さはあるかも
    .
    二作目は戦記物だが作風は本来的な意味でのハードボイルドに近く、物語を見せると言うよりも内面の主張が前に出る
    当時の流行もあるが星の〜が無ければマッチョな評価だったと思う。引用もあるらしが台詞のキレもなかなか鋭い

    [2019-08]
    原36→40→42→48。漫☆画太郎から。12冊で12回分のネタになると思ってたけど複数で一冊だから違うと気付く
    山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 6-8 城砦」を読んだ
    .
    未完に終わった大作。作品として見ても完全にやらかしている出来で、研究用にはなるけど読むに堪える出来では無い
    上記でジュペリ作品として見ると価値は高く、どういう事を考えていたかが顕著に出て、反復傾向など迷いも強く出ている
    ツァストラと比較されやすいとあり、実際にそういうの連想すると良い。理想城壁都市での王の独白と小説にはなっていない
    .
    哲学書として見ても上記で整理不足だが作品生成過程の研究にはなるし、短い言葉に至るまでの実際がよくわかる
    引用も多そうだが、言葉は良い所も多いので星の〜の言葉に惹かれる人には向くけど、本当に辛い出来なんで薦めはしない

    [2019-08]
    原82。漫☆画太郎から。1900年生1944年没となり二つの世界大戦を直接体験し、葛藤した人生になる
    山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 9-11 戦時の記録 1-3」を読んだ
    .
    生前の日記兼周囲の人の記録まとめになり、飛行機仲間としてリンドバーグなんかと仲良くしていたとわかる
    王子出版も含むが当時の中心になっていたのは他の作品群かつ、その事でド・ゴール派と敵対し悩みもその事が中心
    区分としては亡命作家にもなり、占領化の仏が実際は内戦状態でプロパガンダと妨害工作が飛び交っている
    .
    王子は生前それほど有名になっていないし、映画化の話があったのに唯一の本が消えてパニックになる様子も記録
    骨を折れてないと言い切る逸話もらしいが、関心の中心は戦争だし不安も飛行機乗りとして終わる事と見解かわる

    [2019-08]
    原56。漫☆画太郎から。26から66までのエッセイや評論になる。当時の時代背景も重要で戦時占領下での活動
    山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 3 人生に意味を」を読んだ
    .
    王子と似た目を見張る様な物を信じていないという言葉が出るが、これは成功を演出された35のロシアにいった頃の物
    スペイン内戦なんかも見ているので現実は知っているし、他書でも選択肢が無い状況下での迷いみたいのは強く出ている
    この人の人生の意味は価値みたいなのが強く、城砦や最後まで戦おうとした点で顕著だが行動の人といった所はある
    .
    新聞の仕事でルポに近い見聞記を描いていた事は作風とも関係していると思うが、デマゴーク的になりきれないのも特徴
    王子を基準にしないで考えても作風は強く出ているので、王子が面白かったなら思索気味の本なんかも読めると思う

    [2019-08]
    原53→84。漫☆画太郎から。タイトル通りで1910の寄宿舎生活から。後年の友人への手紙がまとめられてないのは惜しい
    清水茂+山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 4 母への手紙・若き日の手紙」を読んだ
    .
    いたって普通の人生で、技術者で作家になってお金を儲けて自動車を沢山もって旅行に連れて行くなどストレート
    他書にもあるがイラストも沢山収録していて、平素から絵を描いて送る事が多かった事なんかもわかる
    早くに死んでいる姉も一冊本を出していて血筋や環境もあるし、未練がましいラブレターなど作風と関係した物も
    .
    兵隊時代に何も無い砂漠に勤務し、ろくになれない野生のフェネックスを飼おうとしていたは王子と関係もあるかも
    他本も含め、テグジュペリ自体の資料以外にも当時の人の生活記録として面白い部分はある思う

    [2019-08]
    原53→75。漫☆画太郎から。時期は限られるがメモを取っていた時期があり、時系列順にまとめた物になる
    杉山毅訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 5 手帖」を読んだ
    .
    城壁と一緒に最初バラで発表され、若者に人気がある扱いのせいもありボロカスに酷評されてしまった経緯なんかも
    所々に小説と似た鋭さはあるんだけど、哲学として見ると踏み込みが甘く、詩としてみると練られていない前段階になる
    城壁を最高傑作になると確信していた事や、巣の状態゛での作風はどういう物かを物語っている作品と思う
    .
    そもそもが作品として発表されていないメモなんで、作家資料と言う側面が強いし、何に興味があったかもわかる
    反復傾向は答えを出せなかった事と思うが当時の状況なら仕方ないし、同時にそこがこの人の限界だったとも

    [2019-08]
    刊90。漫☆画太郎から。死後の発言まとめだが経緯があるし、ベースになっているのも王子では無く他作中心
    山崎庸一郎訳 サン=テグジュペリ 「サン=テグジュペリ著作集 別巻 証言と批評」を読んだ
    .
    愛称としてサン=テックスと呼ばれていた事もメモで、手品を得意としていた事や軍への復帰を望んでいた事もわかる
    出版社の要請と思うがなんで異質な王子を書いたかよくわからんのは謎。当時の見解は他作に集中している
    政治思想が特殊と言うか当時の状況が混乱していた事や、あと一カ月まではパリ解放も今回の発見になる
    .
    月報が大学教授中心に私のサン=テックスのエッセイなのも注目点で、当時の背景抜きで語られやすい作家でもある
    軍人としての側面が強く、同時に高齢と名声で求められていないや、嫌な所からは求められたも今回の発見になる

    [2019-12]
    原00。サン=テグジュペリからの派生で、存在知っても見なかった事にしようと思ったが結局図書館で直読み
    山崎 庸一郎+佐藤 久美子訳 「サン=テグジュペリ デッサン集成」を読んだ
    .
    単なる趣味の範疇だが始終スケッチをしていて散逸したのもあるながら、それらをまとめて一冊にした本
    結果的に王子の挿絵で認められ成果も出た結果になるが、作者が死亡してしまったので勿体ない事に
    寄稿が宮崎駿だか神聖化系。別利用を怒っているがゲド戦記を自分の物にしようとしたあんたが言うなとも思う
    .
    裸の女の絵なんかも描いているし、本人の認識だと自分は丸い道化ものと捉えていたなんかもわかり面白い
    王子で没にした蝶を捕まえる人のイラストなんかも残っていて、一覧にすると変化の様子も見えてくる

    ■ 香川 由利子訳 コンスエロ ド・サン=テグジュペリ 「バラの回想―夫サン=テグジュペリとの14年」
    ■ 新城哲夫訳 チャールズ・リンドバーグ「孤高の鷲 リンドバーグ第二次大戦参戦記」
    ■ 佐藤亮一訳 チャールズ・リンドバーグ「翼よ、あれがパリの灯だ(The Spirit of St. Louis)」
    ■ 加藤晴久 「憂い顔の「星の王子さま」続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ」
    ■ 土井宏明+大森望訳 フィリップ・K・ディック 「銀河の壺なおし 新訳版」
    ■ 森下 弓子訳 フィリップ・K・ディック 「ライズ民間警察機構―テレポートされざる者・完全版」
    ■ 小隅 黎訳 ラリー・ニーヴン 「無常の月」
    ■ 西澤保彦 「瞬間移動死体」
    ■ 中田 耕治訳 アルフレッド・ベスター 「虎よ、虎よ!」
    ■ 公手 成幸訳 スティーヴン・グールド 「ジャンパー 跳ぶ少年」
    ■ 大西 憲訳 デイヴィッド・ブリン 「ポストマン」

    Vol 3476(2019-12-20)
    [2019-12]
    原00。サン=テグジュペリからの派生で、エルサルバドルの本を読んでいたら出て関連が不明もあって借りてきた
    香川 由利子訳 コンスエロ ド・サン=テグジュペリ 「バラの回想―夫サン=テグジュペリとの14年」を読んだ
    .
    嫁さんになり自称王子のバラは私。また作中の帽子とボアの話は元はこの人の幼少故郷エルサルバドルの思い出
    結婚生活は良好と言えず旦那が浮気もしてたので難しく、近年になってバックから原稿が出て恨みを晴らしたになる
    上記で作家を神聖化する連中に疎まれて生前からボロカス酷評もされ続け、本作も別の奴が書いたと誹謗中傷
    .
    なんのかんの言って別れていないし、この人の存在を前提にして読み直すと作品にも違う意味を与えられて面白い
    付かず離れずの関係ながら間近にいた人なんで、作家がどういう人だったかをかなり詳しく書いている点も注目点

    [2019-09]
    原70。テグジュペリを扱う補足としてで本を読んで会った事も記録。1938-45の日記を2/5に圧縮して出版した
    新城哲夫訳 チャールズ・リンドバーグ「孤高の鷲 リンドバーグ第二次大戦参戦記」を読んだ
    .
    当時の伝説パイロットだし、時代的にも面白く価値があるし、上記で著名人や開発の最前線・対ゼロ戦バトルもある
    歴史に関わろうの意志あるが実際にナチス勃興前・真珠湾前・終戦前で歴史に抱きがちな固定観念を払拭する所ある
    上記ではあるが愛犬が死んだ時は頁数を多く取ったりと、人間が政治や時代状況だけで生きてる訳でないとわかる
    .
    戦争前にナチスから勲章も貰っているし、大統領への見解もあるし、真珠湾も挑発と考えたりで不安定な時代出てる
    解説がちょっと偏りはあるけど実際に読んでみると善も悪も結構複雑。当時の体験記かつ噂話として発見は多い筈

    [2019-08]
    原32-53。サン=テグジュペリからの派生で、仲良くしてたのは嫁さんの方ともわかったが同世代飛行機乗りとして共通項
    佐藤亮一訳 チャールズ・リンドバーグ「翼よ、あれがパリの灯だ(The Spirit of St. Louis)」を読んだ
    .
    映画が有名で読んだ事なかったから良い機会で読んだけど凄く面白かった。スーパーパイロットの自伝としても読める
    ジュペリと比較しても才能が際立つが、実際は安全重視かつ訓練期から慎重兼経験多・人を見ると理屈に合った才能
    33時間飛行も慎重に計画立てた上で実行。気高い意図や、どれだけの挑戦だったかや、反応がどうかも述べられている
    .
    睡魔との戦いと日常的な事件が現実問題。回想を含む形で読ませ、その道の最高者らしい経験からの哲学を展開する
    当時の事情もわかるし、普通の人らしい感性も逆に凄いと思う所。才能は理屈に合った上で成立するもんだと感心した

    [2019-12]
    刊07。画太郎関連からで、もし王子を読むなら全ての訳読むも検討していたけど本書を読むと内藤訳だけで良いかなと
    加藤晴久 「憂い顔の「星の王子さま」続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ」を読んだ
    .
    そうとうお怒りになられている内容ゆえに説得力が吹き飛んでしまっているけど、検証と比較に関してはしっかりしている
    図書館で読んだけど切り取られ破られまくっていてそこらも怖い。その怖さと同質の解釈者による内容改変への指摘
    訳の編集自作化はそうとうに根深く本書に限らず多々見られるし、作者を激怒させた要因も週刊朝日が起源でやっぱり
    .
    直前に翻訳を変更した銀河の壺なおし読んでいるんだけど、訳者の文章力が必要ともされてなかなか難しい問題
    画太郎版に関しても間違いなく激怒されてると思うけど、あそこまで変えてしまうともう別作扱いにならない?って気もする

    [2019-11]
    原69。SF関連を調べようで元はサンリオ文庫。ディック自称最高傑作の話聞いたが自己評価にブレあったともわかる
    土井宏明+大森望訳 フィリップ・K・ディック 「銀河の壺なおし 新訳版」を読んだ
    .
    新訳で最後の単語を解釈し直して意味が変わった点あり難しい所かつ、評価もSF関係者でも極端に振れ問題作なのかも
    世界の脅威より人物がどうなったかに焦点が向くディックらしい話で、主人公があまり積極的に動いていない向きもある
    上記で手綱がとれていないとも言われてしまったが、なにを面白がるかを作者・読み手ともに調査出来て鏡みたいな所も
    .
    死にたがるダメ人間を集め発掘させようとするが、予言が立ちはだかりどうするかで予言・予知もディックがよく扱うネタ
    ディックの迷いとか意思表明みたいなのは強く出ているし、台詞なんかも鋭さあるけどテーマが煮え切ってない感はある

    [2019-12]
    原85(64)。SFのテレポート物を急に調べたくなり自分でもなんで?と思ったけどDISの胞子ジャンプを丁度みていた時期
    森下 弓子訳 フィリップ・K・ディック 「ライズ民間警察機構―テレポートされざる者・完全版」を読んだ
    .
    解説も苦労しているけど自分はそういうのを擁護はアカンと思うし、本作自体も出したらアカン奴と思うとは書いとく
    ディック自体の資料としては面白く64の短編を金が欲しくて追加し、アカンと言われ改稿していたが死後見つかり出版
    上記で制限ぎりぎりまで埋める為だけに書いてたりで、何も考えず素で書いた時のディックはどうなるかの資料になる
    .
    アイデア自体は面白く別の世界が侵入してくる足元グラグラのディック。ただ内容にまとまりはほぼ無くネタ・設定の羅列
    アイデアを発芽させる段階資料としては興味深く、今作ベースに他作を二本も作ったならディックと研究者には価値ある

    [2019-12]
    原71。SFのテレポート物を急に調べたくなり自分でもなんでだろうと思ったけどDISの胞子ジャンプを丁度みていた時期
    小隅 黎訳 ラリー・ニーヴン 「無常の月」を読んだ
    .
    上記でテレポート物をハードSFの人が考えるでどんな理屈が出ると思ったら私はもうやめた!の敗北宣言でがっかり
    他のエッセイも同様であんたもっと頑張れよとなって、珍しく途中で止めようと思ったんたけど時間余って結局全部読み
    収録短編の魔法使いが戦士に負ける話なんかは面白いけど、上記で敗北感ただよいニーブン自体の評価も落ちそう
    .
    長所短所の部分になってしまうが、理屈を考えだして結果的に変な事を言い出すは作家個性と言えなくもない
    視点を向ける部分がズレてるとは思うけど、富豪の息子だし他の人の役には立つだろうし、まあいいんじゃないかとも

    [2019-12]
    刊97。SFのテレポート物を急に調べたくなり自分でもなんでだろうと思ったけどDISの胞子ジャンプを丁度みていた時期
    西澤保彦 「瞬間移動死体」を読んだ
    .
    知らなかった作家で履歴も面白いので紹介すると60年産まれ95年特殊デビューかつ、日日日と同じSFの賞も取っている
    ラノベ勃興期と少しズレるかつ、本格推理作家かつ、戦歴が華々しくないなどラノベ風推理作家の前段階と言えるかも
    タイトル通りでテレポート能力ありで本格推理物が作れるかで凄く工夫していて、パズル的な側面が強い内容
    .
    キャラ造形も魅力的かは怪しいが作り込み、この時代にワナビネタかつ本編も含めてギャグ風に仕上げ嫌味少ない
    メタな側面があるので引いてしまう点もあるけどロジックで押し込んでいて、SF作家ではなくSF風を書く面白い立ち位置

    [2019-12]
    原56。SFのテレポート物を急に調べたくなり自分でもなんでだろうと思ったけどDISの胞子ジャンプを丁度みていた時期
    中田 耕治訳 アルフレッド・ベスター 「虎よ、虎よ!」を読んだ
    .
    分解された男の所で触れたが、以前読んだ時に自分はイマイチで今なら面白いかなで読んだけど感想は変わらず
    なんでアカンかは上記と比較しながらも検討できるが、同時に上記がテーマを相当に絞り込んでいて評価高いも納得
    もとはアメコミ原作担当経験もあるらしく、ここらも内容と一致すると同時に解説から当時はノーマークだったんだなと
    .
    小説五冊分ぐらいの内容がと書くと聞こえは良いが悪く言うと散らかっている。一つ一つのアイデアは面白いんだが
    テレポートが普及した社会がどうなるかはテレパスが世界支配の分解とも被る。書体遊びは今見ると特に凄さはない

    [2019-12]
    原92。SFのテレポート物を急に調べたくなり自分でもなんでだろうと思ったけどDISの胞子ジャンプを丁度みていた時期
    公手 成幸訳 スティーヴン・グールド 「ジャンパー 跳ぶ少年」を読んだ
    .
    ピンポイントで賞を取ったにも被るかもの他、映画になりはしたけどぼちぼちらしく面白いけど欠点も含んでそう
    内容的には娯楽的で問題無くテレポートを手にした少年の冒険。文量がこの内容で多く、中だるみや陰鬱も含んでいる
    ここまでするんだったらもうタイツやマスクつけて悪とかと戦ったら?と感じたし、文学として見るとふざけ過ぎあるかも
    .
    能力発露の背景に家庭環境の問題があり、能力を手にしてまずした事も犯罪。ただ金は手にしても報われない所ある
    解説にもあるが超能力を得たら現実だとどうなるかで弾けきってない所あるが、所々の台詞に鋭さはある

    [2019-12]
    原85。ブリンと知らなくて映画もあるしで読もう読もうと思いつつ、後回しタイムアップになってたが時間作ってやっと
    大西 憲訳 デイヴィッド・ブリン 「ポストマン」を読んだ
    .
    上記の映画が壮大にコケた事も躊躇する理由になっていたけど、実際に読むと自分のハードル下がって良い感じ
    先にもブリンを読んでいるけど一冊でこれだけまとまり、ブリンらしさが良くも悪くも出ていて作家単位だと上位にも入る
    ブリンらしさの癖が強すぎるのが長所短所。感触とは西部劇なんだけどフェミ見解も含めて嫌われる要素含んだかなと
    .
    嘘をついた事に関する物語も含めた長い葛藤も良い感じだし、どういう嘘をついたかも最後のオチと共に納得いく
    世紀末バトルなんで成功類例と比較検討なんかも出来るの良い点だと思うしで、再評価されて良いと自分は思う

    ■ 伊藤 典夫訳 アーサー・C・クラーク 「3001年終局への旅」
    ■ 山高 昭訳 アーサー・C・クラーク 「2061年宇宙の旅」
    ■ 伊藤典夫訳 アーサー・C・クラーク 「2010年宇宙の旅」
    ■ 岡部 宏之訳 アイザック・アシモフ「ファウンデーションの彼方へ 銀河帝国興亡史4」
    ■ 小尾 芙佐訳 アイザック・アシモフ「ロボットの時代」
    ■ 佐藤 高子訳 ロバート・シルヴァーバーグ 「我ら死者とともに生まれる」
    ■ 井上一夫訳 ロバート・A・ハインライン「異星の客」
    ■ 柴野拓美(小隅黎 名義)/監修「SF宇宙怪物(ベム)図鑑(ジャガーブックス)」
    ■ 高千穂 遥 「ダーティペアの大冒険」
    ■ 菊地秀行 「妖獣都市」

    Vol 3475(2019-12-13)
    [2019-12]
    原97。SF関連を調べようで前作を読んだ流れから、以前にも読んでいるけど良い機会だし読み直そうで続編
    伊藤 典夫訳 アーサー・C・クラーク 「3001年終局への旅」を読んだ
    .
    これで3001年?感はあるけどわりとぶっ飛んでいるし、クラークの心情なんかも強く出ていて自分は面白い
    ソ連びいきや元々の幼年期など宗教嫌いはあるかなで、それ故に神秘性ある2001年とどう向き合ったかも注目点
    上記で宗教否定してもにた系列には行くなあの他、他作とも共通するけど哲学的な台詞は冴えた所ある
    .
    時代性がでた他もう高齢と言う事もあって随所に古さあり、上記に関しており合いつければ更に伸びてたと思う
    幼年期に戻った様なエイリアン感はクラークって感じあるし、伏線を張りつつ拾っていくもクラークらしい

    [2019-12]
    原87。SF関連を調べようで前作を読んだ流れから、以前にも読んでいるけど良い機会だし読み直そうで続編
    山高 昭訳 アーサー・C・クラーク 「2061年宇宙の旅」を読んだ
    .
    続編の中では自分は一番微妙だけど、ハードSF系の側面から見るとたぶん面白いんだろうなで価値はわかる
    前作との繋がりは微妙な所があるのも注目点で、リアルにこだわるんだけどどこか抜けているは作者特徴かも
    そんな訳で前作で誕生し警告も受けていたエウロパ探検隊で、上記な所から地味な探検にもなってしまう
    .
    自分が微妙だったせいもありなんでクラークが読み易い読み難いかの再発見にもなったが、一小節毎が短いなと
    アイデアの一つ一つはわりと面白いけど物語のフックや人物造形に弱さあり、ある意味いつものクラーク

    [2019-12]
    原82。SF関連を調べようで前作を読んだ流れから、以前にも読んでいるけど良い機会だし読み直そうで続編
    伊藤典夫訳 アーサー・C・クラーク 「2010年宇宙の旅」を読んだ
    .
    本書も映画になっているし、本書自体もまとまりが良くけっこう面白いんだけど映画が神すぎるのはやっぱ不幸
    ハードSF的な宿命として今読むと完全に古くなっている部分が多々あって、そこらはちょっと厳しいかなになる
    ソ連信じてたんだなは感じるし、先に同ネタやってるもあるけどイルカネタはあるしで、当時の状況がわかる
    .
    上記なんだけどハル動機など前作のタネ明かしはあるし、映画継承神秘性のボーマン帰還など面白い所も
    クラーク解釈としての2001年以降の設定として基盤を固めた上で、以後続編の方向性も決定づけられていく

    [2019-12]
    原82。SF関連を調べようで前作まででタイムアップしたんだけど、結果的に別作タイムアップとも併せ今読んで正解
    岡部 宏之訳 アイザック・アシモフ「ファウンデーションの彼方へ 銀河帝国興亡史4」を読んだ
    .
    アシモフは一時休業が本書ごろで復帰し、読んでいた時に同時で読んだ2010年とベストセラーで競い合う結果となった
    自分の話だがちょうどロボ物を読んでいて、ファウンデーションの続編だけでなくロボ物の続編にもなっている
    わりと丁寧に導入されるし、大筋も伝説の起源惑星地球を探せなんで前作忘れていても問題なく読み進めた
    .
    2010年も種明かしなんだけど本書も同様でロボ物部分は特にそう。ちょっと内容的にはバラけてる所もある
    おつむ弱めの農夫女の挿話とか、所属する世界への不信とか、上記の種明かしなど面白い部分はとても多い

    [2019-12]
    原64。SF関連を調べようで前作が図書館で読んでいてタイムアップしちゃって、やっぱり気になる!で読んできた
    小尾 芙佐訳 アイザック・アシモフ「ロボットの時代」を読んだ
    .
    前作のその後は本作には書いてなくて、本作は原題残りのロボットで寄せ集めのロボット物短編集になる
    アシモフ得意の年代的発展経緯みたいなまとめ方ではないけど、一本一本に関してはちゃんと面白い内容
    実はアシモフ本来の作風はこんな感じでテーマはまとまり大筋はまとまってないがデフォと違う?って気もしてきた
    .
    全作に本人の解説がつくけどここらもエッセイのアシモフ側面だし、その事で言わんとする事をまとめた感もある
    ロボットや三原則をどう捉えるかでわかりやすいし想像も広がるし、SF関係者が何を元に引用しているかもわかる

    [2019-12]
    原74+71+72。ピンポイントに面白い物で賞取った作+SF。日で編集した中編三つの組み合わせになる
    佐藤 高子訳 ロバート・シルヴァーバーグ 「我ら死者とともに生まれる」を読んだ
    .
    当時の状況も考えているんでニューウェーブをどう捉えるかの側面でも興味深く、結果出ている今だとなおさら
    内容自体は中編らしい面白さと、外国かつSF関係の人らしい宗教をどう捉えるかの興味深さで良かった
    表題作は提示はあるんだけど途中までカルト村の話かな?って思っていて、オチの変化と共にらしい出来
    .
    他の本も裏切られはするんだけど本人の望む結果にはなっていて、皮肉的とも解釈は自由とも受け止められる
    これ以後は共作のアンドリューがあり、皮肉的な面も含めてアイデアを核かつオチに肉付けしてく面あるなあと

    [2019-08]
    原61。この時期は長い小説を読もうをテーマにしていて、大昔にオーケンが枕に出来ると言ってたの思い出してこの一冊
    井上一夫訳 ロバート・A・ハインライン「異星の客」を読んだ
    .
    ヒッピーのバイブルと言われ、ハイライン的にも重要作だが上記で敬遠してた。今考えるとラノベ3冊程度でそう長くもない
    同時期に呼んでいたのが本当に長いだけで面白くも無く、どうしようもない作品群だったので、すいすい読めるのは流石
    ただ面白いかと聞かれると人は選ぶで宗教の話。ファーストコンタクト物からなろう系に至り、文学っぽく終わると言った所
    .
    ハイラインや当時のキャラ立ての資料としても参考になり、色々と調べた上で自分の見解も乗せて作ったんだなあと
    超能力に頼った所はあるけど梵我一如的な物はなにかと真剣に考えてるし、テーマも含め作家が見えてくる場面ある

    [2017-09]
    刊2015初出1979・底本1980。妖怪びろーん初出でも有名なジャガーブックスの復刻版になる
    柴野拓美(小隅黎 名義)/監修「SF宇宙怪物(ベム)図鑑(ジャガーブックス)」を読んだ
    .
    宇宙塵協力・監修者もSF関係者、挿絵は藤井康文は恐竜挿絵・小井土繁は白土門下学習漫画など
    意外と出版が新しい事に驚いてる。また記事は先に調べていた少年マガジンの記事等から継承もあり
    当時の資料状況の資料になる。系統だったまとめ方はかなり上手く、クイズみたいなのもあるらしい作り
    .
    80年代までのSF小説の宇宙生物を集めている。アレンジ有りの図版中心なのも今とは違い歴史出ている
    資料性もあるが、少ないとはいえ小説の図版資料化は珍しく単純に読み物として面白い。後続作もあっても良い

    [2016-11]
    1979年にSFマガジンで連載し、挿絵が安彦良和も今の感覚だと驚きで、作者が今ツルツルなのも驚き
    高千穂 遥 「ダーティペアの大冒険」を読んだ
    .
    今の感覚だと例自体も古くなるが神坂一で、最初に早川に持ち込んだ話や、世代的な影響の点でも発見
    論争絡みで在命もあり難しい。ただ当時のSF業界の話で、今はそこらの面は流石に出てないとも思う
    先に書いた様に神坂一なんで、今読んでも面白い。裸に近い衣装の解釈など、当時のSF業界の拘った点もわかる
    .
    内乱化で外部勢力侵入の隙になったがニューウェーブ的な物と戦ってたのかなと。ただクァールなど当時でも古い筈
    当時の日の米感が反映や、そこから神坂一経由で継承もあると思う。影響やメディア展開も含め歴史価値はある

    [2016-11]
    1985刊とある。同時期サイトで扱ったラノベ作家が影響下。また今作系列のアニメ版が海外で高評価も注目点
    菊地秀行 「妖獣都市」を読んだ
    .
    大変面白かった。当時の時代背景の考慮もいるが、時代性を抜いても奇抜な設定、魅力あるキャラ、凄い描写と大傑作
    作家的にもポルノを前面に打ち出し挑戦的で良い。最後のオチの付け方もテーマに準じ、ほとんど隙の無い仕上がり
    シリーズ化するので小規模や、当時の風俗が全般に入るは弱点かもだが、探さないと欠点が無いほどに完全
    .
    当時のホラーブームやバブルも背景で、日でしか成し得なかった作品と。今作ヒットを背景だとゲゲゲ三期ヒットも納得
    偏った点が無く娯楽作として面白く、どこを取ってもキレが良い。当時のベストセラーもわかり、良い物は受けるんだなと

    ■ 小尾 芙佐訳 アイザック・アシモフ 「われはロボット」
    ■ 平井和正 「死霊狩り」
    ■ 「地球の静止する日 -SF映画原作傑作選-(創元SF文庫
     趣味の問題:「イット・ケイム・フロム・アウタースペース」原作 レイ・ブラッドベリ/著 中村 融/訳
     ロト:「性本能と原爆戦」原作 ウォード・ムーア/著 浅倉 久志/訳
     殺人ブルドーザー:「殺人ブルドーザー」原作 シオドア・スタージョン/著 市田 泉/訳
     擬態:「ミミック」原作 ドナルド・A.ウォルハイム/著 中村 融/訳
     主人への告別:「地球の静止する日」原作 ハリイ・ベイツ/著 中野 善夫/訳
     月世界征服:「月世界征服」原作 ロバート・A・ハインライン/著 中村 融/訳
     「月世界征服」撮影始末記 ロバート・A・ハインライン/著 中村 融/訳」
    ■  矢野 徹訳 ロバート・A・ハインライン 「宇宙の戦士」
    ■  斎藤 伯好訳 ロバート・A・ハインライン 「未知の地平線」
    ■  矢野徹+吉川秀実訳 ロバート・A・ハインライン 「スターファイター」
    ■  金子浩訳 パオロ・バチガルピ 「ねじまき少女」
    ■  中村保男訳 J・G・バラード 「燃える世界」
    ■  「タイム・トラベラー―時間SFコレクション」
     しばし天の祝福より遠ざかり ソムトウ・スチャリトクル/著 伊藤 典夫/訳
     時間層の中の針 ロバート・シルヴァーバーグ/著 山田 順子/訳
     遙かなる賭け チャールズ・シェフィールド/著 伊藤 典夫/訳 ミラーグラスのモーツァルト ブルース・スターリング/著
     ルイス・シャイナー/著 伊藤 典夫/訳.ここがウィネトカならきみはジュディ F・M・バズビイ/著 室住 信子/訳
     若くならない男 フリッツ・ライバー/著 伊藤 典夫/訳.カッサンドラ C・J・チェリイ/著 深町 真理子/訳
     時間の罠 チャールズ・L・ハーネス/著 浅倉 久志/訳.アイ・シー・ユー デーモン・ナイト/著 浅倉 久志/訳
     逆行する時間 デイヴィッド・レイク/著 深町 真理子/訳.太古の殻にくるまれて R・A・ラファティ/著 浅倉 久志/訳
     わが内なる廃墟の断章 フィリップ・ホセ・ファーマー/著 伊藤 典夫/訳

    Vol 3473(2019-12-6)
    [2019-11]
    原39→50。SF関連を調べようでアシモフこんなに面白かったんかが直前にあり、以前も読んでいたけど再読
    小尾 芙佐訳 アイザック・アシモフ 「われはロボット」を読んだ
    .
    時間が押していて押せ押せな部分もあったんだけど、当時からロボット物の基本ネタは押さえてたんだなと感心する
    短編で進化するみたいに様々なテーマを扱す、もしロボットがあるなら?のよく出来たシミュレーションみたいな所ある
    ロボットをテーマにする事で逆に人間を発見したり、歴史や時事的な問題を距離取ってみれるんだなも感心できる部分
    .
    有名なルールもルールが存在する事でジレンマ状況を作り出せたり、逆に人間の知恵比べになったりと上手く機能
    上記で続編読む前にタイムアップしちゃったんだけど、こんなオチだったっけと今読むと逆に驚かされる所もあった

    [2019-11]
    刊72。SF関連を調べようで大昔にオーケンが中学生自体に読んだで絶賛していたような気もするでマッチョ
    平井和正 「死霊狩り」を読んだ
    .
    直前に宇宙の戦士を読んでいたんで訓練ヌルく感じてしまった。そこを抜いても本筋より訓練重視は面白いなあと
    思い入れが強すぎる解説もいま読むと笑えてしまう所があるけど、当時の人がどういう考え方をしていたかの資料
    選抜に運の強さも条件に入っているとか、秘孔を付くとかあるのが後の作品への影響も感じさせてなかなか良い
    .
    バカみたいな話なんだけど面白い要素はたくさん入っていて、変身しない改造時間が長すぎる仮面ライダーみたい
    主人公がスイッチ入ったみたいに雄弁に語ったり、指揮する側への態度なんかは思っている事が正直に出て大変良い

    [2019-11]
    原53+53+44→59+42+40+50。日刊04。先に角川同タイトルを調べているけど収録内容は別で古い作品も多め
    「地球の静止する日 -SF映画原作傑作選-(創元SF文庫
    趣味の問題:「イット・ケイム・フロム・アウタースペース」原作 レイ・ブラッドベリ/著 中村 融/訳
    ロト:「性本能と原爆戦」原作 ウォード・ムーア/著 浅倉 久志/訳
    殺人ブルドーザー:「殺人ブルドーザー」原作 シオドア・スタージョン/著 市田 泉/訳
    擬態:「ミミック」原作 ドナルド・A.ウォルハイム/著 中村 融/訳
    主人への告別:「地球の静止する日」原作 ハリイ・ベイツ/著 中野 善夫/訳
    月世界征服:「月世界征服」原作 ロバート・A・ハインライン/著 中村 融/訳
    「月世界征服」撮影始末記 ロバート・A・ハインライン/著 中村 融/訳」を読んだ
    .
    解説の中にパクりやがって!感が微妙に漂うのが気になるし、他にも認識がちょっとおかしいんじゃないか感はある
    有名処も入っているが幻になっていた作もあるし、出来も面白いんだけどちょっとわかりにくいんじゃないかも
    セクハラ社長が映画化で出した指示なんかは意外と的を得て面白かったり、延々バトル書くの?と驚いてみたり
    .
    ハインラインを調べたかったも今回はあり、別原作から映画化、それを更にノベライズ化と変わった事もしている
    その件にまつわるエッセイも詳しく分析かつ現実的な所あってハインラインしている。昔の制作事情も考えられる

    [2019-11]
    原59。久しぶりにハインラインを読もうで大昔にも読んでいて読みかえすと解説も含めて思ってたのと違うで再発見ある
    矢野 徹訳 ロバート・A・ハインライン 「宇宙の戦士」を読んだ
    .
    自分の士気を向上させたかった面もあるんだけど、流石に昔みたいにならなくて面白かったけど冷静に読めてもしまった
    真逆とも言える異星の客でも題材に関連したテーマを考え込んでいる部分はあって、作家の作風みたいな面はある
    戦争だけじゃなくて価値の分析なんかもしていて、政治思想としても新しいけど当時からこういう議論はあったのかなあと
    .
    解説も大正生まれの人らしいと思ったし、議論が十人越えた程度の反響で小さな茶番的だったのも再発見だった
    厳しい訓練を耐え抜いてスーパーパワーを手にして侵略者と戦うって大筋のわかりやすさは結構ロマンあるし原段階的

    [2018-08]
    原48。久しぶりにハインラインを読もうで資料によると本作は最初に出版された小説らしいともなっている
    斎藤 伯好訳 ロバート・A・ハインライン 「未知の地平線」を読んだ
    .
    解説から再確認でお金の為に書いていた作家。同時にジュヴナイルも書いていて、今のラノベ作家に近い面もあるかも
    初期と言う事もあるが散漫としている。そこで振り返って考えると他作も散漫さはあり破天荒さの長所にも繋がっている
    アイデアが冴えわたると同時に上記もあってか俗受け要素が込められている。要は他作にもあるセックスと金と暴力
    .
    先行する作家でウェルズやバロウズに似た面もあると思う。作家の考えも作中に反映されやすくテーマ性に繋がる
    昔とは印象が変わってくると同時にSFがハインラインや上記作家を肯定した事は本心や葛藤の部分も見えて面白い

    [2018-08]
    原58。久しぶりにハインラインを読もうで。日だと児童向けに抄訳版が出ているらしくラノベに近いとも言える作品
    矢野徹+吉川秀実訳 ロバート・A・ハインライン 「スターファイター」を読んだ
    .
    先に別書内で推薦あった事も読んだ理由。またSF大会で学生が盗用・誤訳込みで持ち込んだあとがきの逸話も注目点
    ラノベとは何なのかと言う点や、ハインラインはどういう作家と言う点や、SF関係者が実際はどうなのかの点でも興味深い
    結果的に妄想じゃないのかと思う程に超展開ぶりが凄まじい作品でもある。散漫だが結果的に場面展開も早く長所短所
    .
    キャラに視点を集中させている点でも読み易いし、人物造形的にもハインラインらしさが発揮されて親しみやすくなっている
    原題だと旅行可能な宇宙服ぐらいの意味で焦点の当て方も上手いと思う。読み易いし状況を読みこませる技術もある

    [2018-08]
    原09。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。アカン部分も多いんだけど全体で考えるととても自分好み
    金子浩訳 パオロ・バチガルピ 「ねじまき少女」を読んだ
    .
    世界が変革する直前の騒動と言った感じで、サブプロットが上手く機能してない部分や設定が邪魔になってる部分もある
    本題は新人類エミコのサバイバルと言っても良い。とにかくエロく家畜人も連想させるSM系でいけない喜びに浸れる
    解説でザッと紹介されてるが世界観を掴むのに苦労する。でもチェシャ猫や前述新人類の価値観など異世界を作れてる
    .
    エミコがぶちぎれてからグッと話が急転する。サブブロットがもっと強いと面白かったが、奴隷の話だから連想幅も広くなる
    特異すぎる価値観が多いので台詞も倒錯的かつキレの良いのが多く見所で、好みはあるとは言え読んだ甲斐あった作品

    [2018-08]
    原64。バラードは大昔に読もうとして挫折している。今書はとにかく読もうで再挑戦だが今でも一冊読めば充分かなはある
    中村保男訳 J・G・バラード 「燃える世界」を読んだ
    .
    読んだ時期が熱中症や台風で人がバタバタ倒れた異常気象の夏で状況的にもあっている。カラカラに乾いた世界の話
    パニック物であると同時にサバイバル物にも近いと思う。その手のジャンルは好きなんだけどバラードはちょっと難しい
    小松左京の作りに似ている点があると思う。中心人物はいるんだけど個別に扱うと言うよりも世界全体を俯瞰してる所ある
    .
    群像劇的でもあり悲惨な事件も上記から軽い触れ方となってサラッと流す所がある。逆にウエットだと重すぎかも
    SFらしいと言えば言えるが未来への冷めた視点であり、同時にクラッシュや太陽の帝国もある文学よりで特殊な作家

    [2018-08]
    読みたい作家が巻数が多すぎてちょっと難しいと言う事で、短編が載っているのが出て来たんでこれで良いやで選択
    「タイム・トラベラー―時間SFコレクション」
    しばし天の祝福より遠ざかり ソムトウ・スチャリトクル/著 伊藤 典夫/訳 時間層の中の針 ロバート・シルヴァーバーグ/著 山田 順子/訳
    遙かなる賭け チャールズ・シェフィールド/著 伊藤 典夫/訳 ミラーグラスのモーツァルト ブルース・スターリング/著
    ルイス・シャイナー/著 伊藤 典夫/訳.ここがウィネトカならきみはジュディ F・M・バズビイ/著 室住 信子/訳
    若くならない男 フリッツ・ライバー/著 伊藤 典夫/訳.カッサンドラ C・J・チェリイ/著 深町 真理子/訳
    時間の罠 チャールズ・L・ハーネス/著 浅倉 久志/訳.アイ・シー・ユー デーモン・ナイト/著 浅倉 久志/訳
    逆行する時間 デイヴィッド・レイク/著 深町 真理子/訳.太古の殻にくるまれて R・A・ラファティ/著 浅倉 久志/訳
    わが内なる廃墟の断章 フィリップ・ホセ・ファーマー/著 伊藤 典夫/訳を読んだ
    .
    新潮社がSFと言うのも珍しい気がするが先にテーマごとの短編集を出して成功して本書。編集側提案もあり時間がテーマ
    80年代にSF関係者が注目していた作家を出していく形になっている。現状どうなったかはよくわからない人も多く時間の流れ
    日でSFだと時間ネタは受けやすいともわかり、こっちの方が先と言いたがるSF関係者の癖も解説には良く出ている
    .
    どれも今読んでも目新しさがあり良く出来ていると思うが、同時にアイデア勝負の面が強く記憶から抜けそうとも思ってしまう
    何が面白いのかと言う点でも上記含めて興味深いと思う。全体で逆回しネタが印象に残った他、記憶を扱った話も印象深い

    ■ 伊藤 典夫訳 アーサー・C・クラーク 「決定版 2001年宇宙の旅」
    ■ 世界SF全集 20 シマック ブリッシュ
     林克巴訳 クリフォード・ドナルド・シマック 都市 原書1952
    ■ 砧一郎訳 ジェイムズ・ブリッシュ 地球人よ、故郷に還れ(宇宙都市シリーズ) 原書1955
    ■ 村上博基訳 アリステア・マクリーン 「女王陛下のユリシーズ号」
    ■ 友枝 康子訳 パット・マーフィー 「落ちゆく女」
    ■ 関口 幸男訳 イヴォンヌ・ナヴァロー 「スピーシーズ 種の起源」
    ■ 志村正雄訳 トマス・ピンチョン 「競売ナンバー49の叫び」
    ■ 深見 弾訳 アルカージイ・ストルガツキイ+ボリス・ストルガツキイ 「願望機(含スプーン五杯の霊薬)」
    ■ 伊藤 典夫訳 ブライアン・W・オールディス 「地球の長い午後」
    ■ 福島正実訳 ロバート・シェクリイ 「不死販売株式会社/フリージャック」
    ■ 矢野 徹訳 エリック・フランク・ラッセル 「超生命ヴァイトン」

    Vol 3471(2019-11-29)
    [2019-11]
    原68。SF関連を調べようで映画原作になっている作品。ちょっと事情は特殊で映画と同時進行で書いたにも近い
    伊藤 典夫訳 アーサー・C・クラーク 「決定版 2001年宇宙の旅」を読んだ
    .
    過去にも続編を含めて何回か読んでいるんだけど、映画の出来の方が神がかっているんで補完みたいにはなる
    解説にもある通り意味不明な映画で何が起きているか全て書いてくれているし、映像的な表現の部分でも技術力高い
    よく考えると筋が無いようでもあるし、制作でもプロットの無さが問題になったらしく、映画も含めてなんで面白いかはある
    .
    上記はクラークの他作とも共通した長所短所の部分とも思うけど、今作は描かれているテーマに多重感がある
    神話みたいな部分も強いなと感じたし、クラークの技術力でオチの普通の生活風景が異界化するもよく考えると凄まじい

    [2016-11]
    まとめられてる全集が読むのにてっとり速い。当時の日及び海外の作風に関する対立の資料にもなる
    世界SF全集 20 シマック ブリッシュ
    林克巴訳 クリフォード・ドナルド・シマック 都市 原書1952
    砧一郎訳 ジェイムズ・ブリッシュ 地球人よ、故郷に還れ(宇宙都市シリーズ) 原書1955
    .
    ゆっくりな人類消滅から犬とロボの世界への転換。破滅物とも進化物とも取れるが短編形式で気だるい
    宇宙大作戦ノベライズが有名だが、ハードSFと紹介され、それ以外の作の評価が高いブリッシュとなる
    昔の本でしかも海外と前者は読み難いが犬も出るし、時代背景と共に壮大な雰囲気と皮肉なユーモアがある
    .
    ブリッシュはなんのかんの言ってSTと実際は作風近い。今作も細部が精密すぎるスペオペ物。これは良かった
    哲学的考察が前に出るのが長所短所とされてる。ここもSTに近いかも。最初STが銀背で出てたのも少し驚き

    [2016-10]
    探偵物研究から。原書1955。ナバロンの要塞の作者。それが駄目だったんで、自分はキツかった
    村上博基訳 アリステア・マクリーン 「女王陛下のユリシーズ号」を読んだ
    .
    解説が当時の日本人の心情も体現してる。これ負け戦の話にも近く、しかもじわじわ負けてる。日本人の実体験
    全編を埋め尽くすような軍事的な説明。ここらも好きな人は好きなんだろうなとも思う。見る人が限定される内容と思う
    心理的な葛藤と言うか、敗北状況でのタフさの話になる。でも負けは負けだろとも思う。軍事物は見てる方も現実的になる
    .
    これで泣けない男は死んでしまえと言う話もあるが、日本限定で人気が高い感じ。実際は泣いた奴は死体
    反して描写や文体が現実的なのも面白い。20Cの日本人思考とも合わせて、自分は資料として読んだ

    [2019-11]
    原86。SF関連を調べようでピンポイントで面白い物で賞取った作にも該当する。ちょうど南米文明調べていて好都合
    友枝 康子訳 パット・マーフィー 「落ちゆく女」を読んだ
    .
    リスト見ながら読む本を厳選して引っかかったんだけど、最初は誰なんだ?面白いのか?で半信半疑で読んでいた
    解説にある通り地味だけど、それ故にミステリー的に謎が蓄積し、ホラー的に疑惑も増してどんどん加速が付いていく
    SFみたいにタイムスリップしての形で無くマヤ文明を体感できるのも良いし、キャラも哲学や悩みのある形で立っている
    .
    遺跡調査をしているとお化けが出たが基本事件になり、そこに上記のキャラ悩みとホラーな恐怖が絡み魅力になる
    主人公たちの救われオチもこれはどういう事なんだろう?と考えさせられ、かつ納得もする出来でとても面白かった

    [2019-11]
    原95。SF関連を調べようででこれ映画原作にあったのかと思ったが、実際はノベライズ版になる
    関口 幸男訳 イヴォンヌ・ナヴァロー 「スピーシーズ 種の起源」を読んだ
    .
    作者は無名に近いんだけど普段はホラーを書いている人らしくて、セレクトとしても下手すぎないと言う点でも丁度良い
    映画制作風景も書いているけどアイデアの元になったのはクラークのエッセイらしくて、実際に凄く面白いアイデア
    宇宙から来た美女がセックスするんです!のB級設定で薦めにくい所あるんだけど、映画も凄く面白い隠れた傑作と思う
    .
    映画の面白さがちゃんと本作にも反映されていて、即異常事態で次々にヤバイ事件や考察とテンポよく進む
    怪物視点も取り入れてファーストコンタクト的になっているのも面白いし、怪物の視線から現代文明批判的な部分もある

    [2018-04-12]
    原66。文学事典から。アメリカン・ブラックユーモアや百科全書的小説的小説に属するとあった
    志村正雄訳 トマス・ピンチョン 「競売ナンバー49の叫び」を読んだ
    .
    役者も志村だが、志村けんの神様ですか→いいや私は神様だよの元ネタとされる。原物だと文はだいぶ違う
    意識の流れを最初に持ってきて、解説にも謎の解けないままの推理小説とあるがそれでも面白かった
    元はサンリオ文庫で倒産し原稿料入らなかった恨み節や、SF関係腐敗中心になった人間解説と背景も注目点
    .
    政府の陰謀物ってのが大義ではあってると思うが、信用できない語り手ネタも入って来て頭くらくらで楽しい
    最初の定義の部分で楽しい部分やトリビアの部分も多く、謎のフックの部分も注目出来て興味深い作品

    [2019-11]
    原81+85。SF関連を調べようで映画原作になっている作品にも近いかもだが、肝心のストーカーが見つからず代打
    深見 弾訳 アルカージイ・ストルガツキイ+ボリス・ストルガツキイ 「願望機(含スプーン五杯の霊薬)」を読んだ
    .
    昔の人がやたらとソ連製の作品を持ちあげるのは裏が感じられて好きじゃないし、読むときもソ連製がちらついてしまう
    物としては戯曲になり上記ストーカーの原段階になる。RURにしても戯曲発祥だし早川は戯曲集も出している
    不条理系+実存主義とサブカル演劇とソ連系がよくやるネタになっていて、面白いけど売れる事はねえなという作品
    .
    共に望みの叶う結果を得られる空間と不死の霊薬の話だが、簡単には展開せず人物たちがダメ人間行動をとる
    願いがかなった夢の都市の筈なのに実際は最悪になったソ連を象徴しているみたいで、文学と思えば面白い

    [2019-11]
    原62。SF関連を調べようでもピンポイントで面白い物で賞取った作にも該当するかも。原題には「温室」版もあり
    伊藤 典夫訳 ブライアン・W・オールディス 「地球の長い午後」を読んだ
    .
    解説が当時を物語っているし、ハヤカワ文庫巻末に付く既刊案内でも常に載っていて、逆に良いのかなという面ある
    やたらと詳しい世界設定でいかにもSF関係者が好きそうであり、同時にキャラや物語の微妙さもSF関係者好み
    上記で設定に関しては大変面白く、植物だらけになって別の生命体が闊歩する地球でのサバイバルになる
    .
    こんなに面白い世界設定なのに物語やキャラに引きつける魅力が無いと感じたし、自分がどこ見ているか再確認にも
    最後はSFらしく解決もするし壮大感もある。これをハヤカワが薦めていた所はやっぱりズレはあるかもなあと

    [2019-11]
    原59。SF関連を調べようでも映画原作になった作を調べように近い。本作も映画化されているけど忘れられた作かも
    福島正実訳 ロバート・シェクリイ 「不死販売株式会社/フリージャック」を読んだ
    .
    福島正実とか安倍公房とかが絶賛した作品らしく、前者に関しては創刊時SFマガジンの指針にもなっていると見て良い
    死後再生が可能になった世界で復活した現代人と言う話で、未見の映画版では人間狩りの部分が拡大されたとの事
    面白いけど辛気臭い部分もあるし、最後に宗教に逃げちゃったなって感想も持つがバランスは意外と良い
    .
    型としては田舎者が都会に来て世界を変える米伝統の型に近いと思うし、描かれる未来世界もディストピアに近い
    上記で意味不明のSFを本当はやりたいけど無理だから妥協してこのラインでという線では納得する部分も大きい

    [2019-11]
    原38。SF関連を調べようで。少年向けのも出ているらしくて読んでる最中はこれで?となったがオチ見て納得
    矢野 徹訳 エリック・フランク・ラッセル 「超生命ヴァイトン」を読んだ
    .
    戦争始まる前ってのも時期的に良いし、SF関係者が逆に突きぬけてオカルト方面に興味行きやすいともわかった
    オカルト的な物を上手く組み込んでいるし、人間家畜物の古典や始祖という評価も得ているしで大変面白かった
    上記でこれで少年物に出来るのかと途中で心配になるレベルになるほどに人類が強敵に追い込まれてしまう
    .
    姿の見えない敵の手口は人間をいがみ合わせたり、恐怖を発生させるで理屈と共に手口も当時状況にあっている
    迷っている時代の作品は迫真さも強いし、少年向けになるオチに向かう過程もドキドキすると共に爽快感ある

    ■ 夏来 健次訳 ロバート・ブロック「サイコ」
    ■ 「地球の静止する日(角川文庫)
    ■ 地球の静止する日 ハリー・ベイツ/著 南山 宏/訳、デス・レース イブ・メルキオー/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 廃墟 リン・A・ヴェナブル/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 幻の砂丘 ロッド・サーリング/著 ウォルター・B・ギブスン/著 尾之上 浩司/訳
    ■ アンテオン遊星への道 ジェリイ・ソール/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 異星獣を追え! クリフォード・D・シマック/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 見えざる敵 ジェリイ・ソール/著 尾之上 浩司/訳、38世紀から来た兵士 ハーラン・エリスン/著 尾之上 浩司/訳
    ■ 闘技場 フレドリック・ブラウン/著 尾之上 浩司/訳
    ■ ドナルド・A・ウォルハイム+テリー・カー編 「忘却の惑星
     太陽からの風 アーサー・C・クラーク/著 山高 昭/訳、時計じかけの医者 ロン・グーラート/著 風見 潤/訳
     地獄で立往生 ラリイ・ニーヴン/著 中上 守/訳、居留区 ヴァーナー・ヴィンジ/著 塚本 淳二/訳
     河を渡って木立をぬけて クリフォード・D・シマック/著 深町 真理子/訳
     忘却の惑星 ジェイムズ・H・シュミッツ/著 石川 智嗣/訳
     「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった ハーラン・エリスン/著 伊藤 典夫/訳
     決断者たち ジョセフ・グリン/著 安田 均/訳、旅人の憩い ディヴィッド・I・マッスン/著 伊藤 典夫/訳
     未収録作品 リン・カーター/著 日夏 響/訳、消失点 ジョナサン・ブランド/著 榊 周一/訳
     うちの町内 R・A・ラファティ/著 浅倉 久志/訳、赤色偏移の仮面 フレッド・セイバーヘーゲン/著 浅倉 久志/訳
     とらわれの魔神 クリストファー・アンヴィル/著 安田 均/訳、新しき良き時代 フリッツ・ライバー/著 浅倉 久志/訳」
    ■ 岩元 巌訳 ケン・キージー 「カッコウの巣の上で」
    ■ 三田村裕訳 ロバート・シルヴァーバーグ 「いばらの旅路」
    ■ 福島 正実訳 ジャック・フィニイ 「ふりだしに戻る」
    ■ 浅倉久志訳 トマス・M・ディッシュ 「いさましいちびのトースター+いさましいちびのトースター火星へ行く」
    ■ 野田昌宏訳 ニール・R・ジョーンズ「二重太陽系死の呼び声+放浪惑星骸骨の洞窟+惑星ゾルの王女」
    ■ 皆藤 幸蔵訳 ランドル・ギャレット 「魔術師が多すぎる」
    ■ 林 克己訳 ジョン・ウィンダム 「呪われた村」

    Vol 3469(2019-11-22)
    [2019-11]
    原59。映画で有名な原作を読んでみよう大会を継続させた。評論家がブームで発生する作品群を拒絶する事もわかった
    夏来 健次訳 ロバート・ブロック「サイコ」を読んだ
    .
    シャイニングと混同していたが、心理学の中でも存在を疑問視されている多重人格を初めて扱った作として価値がある
    以前に読んだ死体で物を作っていたエド・ゲインと同期と思うが、当時はサイコパス概念無く常識の範囲で推察している
    上記が上手く作用してなぜ?の部分が深く掘り下げられ、悪の面を持つ被害者たちの話も絡んで奥深い物になった
    .
    技術的にも素晴らしく全編に渡る緊張感や、会話だけで発生する緊迫感、読者をも疑心暗鬼にさせる謎と驚かされる
    巻末に履歴があるが脚本仕事でも活躍した人でTOSにも多数参加し、そうだったのかと驚くと同時に納得もさせられる

    [2019-11]
    刊08。TOSのブロックを出すから良い機会でゴーンの元ネタもで読んだが、結果的にこれも原作ありなん!?で驚きある
    「地球の静止する日(角川文庫)
    地球の静止する日 ハリー・ベイツ/著 南山 宏/訳、デス・レース イブ・メルキオー/著 尾之上 浩司/訳
    廃墟 リン・A・ヴェナブル/著 尾之上 浩司/訳、幻の砂丘 ロッド・サーリング/著 ウォルター・B・ギブスン/著 尾之上 浩司/訳
    アンテオン遊星への道 ジェリイ・ソール/著 尾之上 浩司/訳、異星獣を追え! クリフォード・D・シマック/著 尾之上 浩司/訳
    見えざる敵 ジェリイ・ソール/著 尾之上 浩司/訳、38世紀から来た兵士 ハーラン・エリスン/著 尾之上 浩司/訳
    闘技場 フレドリック・ブラウン/著 尾之上 浩司/訳」を読んだ
    .
    モンスターでる話が軽視する汚い手口の代表者が誰かもわかったが、選ばれた自体はバトルある話多数と矛盾もある
    パクったと騒いでクレジットに名前がでるようになった話もあるがこじつけじゃないの?あるし、原作と映像化で比較も出来る
    SF関係者がやたらと高評価する話が自分たちの身内が原作でともわかるし、クレジットなくても漫画でも元ありかとわかる
    .
    アイデアを出してオチまで一発勝負みたいな所があるので話がないSF向きと思うし、ブーメラン的なニューウェーブ批判も
    テレビ向けで仕事してやっと他に出す事を考えての部分はあるし、原作段階だと問題あるんじゃないかとの疑問も

    [2019-11]
    原66。TOSのブロックを出すから良い機会で危険な過去への旅のエリスンもだが、受賞作調査なんかにも被る
    ドナルド・A・ウォルハイム+テリー・カー編 「忘却の惑星
    太陽からの風 アーサー・C・クラーク/著 山高 昭/訳、時計じかけの医者 ロン・グーラート/著 風見 潤/訳
    地獄で立往生 ラリイ・ニーヴン/著 中上 守/訳、居留区 ヴァーナー・ヴィンジ/著 塚本 淳二/訳
    河を渡って木立をぬけて クリフォード・D・シマック/著 深町 真理子/訳、忘却の惑星 ジェイムズ・H・シュミッツ/著 石川 智嗣/訳
    「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった ハーラン・エリスン/著 伊藤 典夫/訳
    決断者たち ジョセフ・グリン/著 安田 均/訳、旅人の憩い ディヴィッド・I・マッスン/著 伊藤 典夫/訳
    未収録作品 リン・カーター/著 日夏 響/訳、消失点 ジョナサン・ブランド/著 榊 周一/訳
    うちの町内 R・A・ラファティ/著 浅倉 久志/訳、赤色偏移の仮面 フレッド・セイバーヘーゲン/著 浅倉 久志/訳
    とらわれの魔神 クリストファー・アンヴィル/著 安田 均/訳、新しき良き時代 フリッツ・ライバー/著 浅倉 久志/訳」を読んだ
    .
    訳と解説が安田均で驚いたし、調べていた途中だったのでこの世代がニューウェーブにすっかり騙されていたともわかった
    向こうのアンソロで今ではもう忘れ去られているや、上記に該当する人もいるのが時代を感じさせるが読むのは手早く済む
    エリスンの代表作だけど逆にこれで高評価?って疑問も出るし、SFが非道徳的を目指そうとして内乱化したともわかる
    .
    上記で後に何回も映像化された短編集とセットで読みもしたので、確かにこれでは残らないと思うわかりにくい話も多い
    話は面白くないけどアイデア自体は良いのが多くて、一発勝負で考えるならSFは短編向きなのかも知れないとも思った

    [2019-11]
    原62。映画で有名な原作を読もう大会からなんだけど、凄く面白くて読みこんでしまったし、60年代アメリカとは?にもなる
    岩元 巌訳 ケン・キージー 「カッコウの巣の上で」を読んだ
    .
    映画の酷すぎる結末が思い浮かぶんだけど、原作だと結末一緒でも主役の変更で英雄的かつ無意味ではなくなっている
    どういう経緯で対立したり戦ったかが肝にもなる。英雄が限りなく胡散臭いのも良いし、インチキを主役が否定する所も良い
    コンバインが何を象徴しているか考察も出来るけど、どうしておかしくなったかを掘り下げて回復していく過程の話でもある
    .
    上記で何に対して脅威や恐れを持っているか明確にしているのも良いし、どう戦うかまでモデル付きで提示はレベル高い
    人間や社会や事件に対し分析的でもあると思うし、その結果として正当な批判にもなっていて大変面白かったし影響うける

    [2018-10]
    原67。ピンポイントに面白い物で賞取った作。銀背早川だが背表紙で最後までネタバレあらすじは勘弁してくれとも思った
    三田村裕訳 ロバート・シルヴァーバーグ 「いばらの旅路」を読んだ
    .
    実質的にはラブコメにも近いと思う。特に意味も無いけど科学技術を説明し始めるデート部分は面白くかつ昔の作だなあと
    設定はとても面白い。宇宙人に改造された男と百人の子がいる処女で、共に阻害されていると迷う部分は台詞のキレも良い
    オチの部分が唐突すぎるし、設定と物語とキャラが全て乖離しているのも惜しい部分になるが一つ一つのネタは濃さある
    .
    原題はTHORNSでここらをバッサリ変更しちゃうのも昔の翻訳。まとまりの悪さはあるが恋人二人に集約し読み易くはある
    最後のオチ部分の台詞や結論なんかも美しい部分はあるが、辛気臭いし波も薄いしで真面目すぎるSFラブコメという感はある

    [2019-11]
    原70。なんで読んだんだっけとも思ったが、盗まれた街が面白かったかつ、今作が代表作で高評価だからもと思い出した
    福島 正実訳 ジャック・フィニイ 「ふりだしに戻る」を読んだ
    .
    角川から出ているのも象徴的で他にはないどう信じるべきかと言うタイムトラベルだが、固有能力的な物に近いとも言える
    SFでありがちなタイムパラドックスをどう捉えるがテーマだが、本文は向こうの人にはノスタルジア的な冒険にあるのかも
    上記で混乱してしまう部分もあるんだけど、終盤にかけては盛り上がり文明批判に向かうはユートピア小説的
    .
    過去の人が今を見た時の反応とそれへの返答も面白いし、計画の発展に対する主人公の反発ももっともだと思う
    当時を反映し過ぎていやらしい部分も出てしまったんだけど、それでも主張に説得力があるという点で今作も面白かった

    [2019-11]
    原80+88。その前に作者の人類皆殺しを読んでいたので資料でこれも書いてたと発見して物凄く驚いてしまった
    浅倉久志訳 トマス・M・ディッシュ 「いさましいちびのトースター+いさましいちびのトースター火星へ行く」を読んだ
    .
    ディズニーの映画にもなっている程で本当にびっくり。内容的にもタイトルから想像できる物でほぼ合っている
    人類皆殺しを念頭にして読むと驚く事に要素はちゃんと継承していて、どこまで作家は変われるかでも興味深い
    ヌルそうではあるんだけど実際は人類皆殺しと同じ絶望感や恐怖が満ちていて、最後までどうなるんだろうと読める
    .
    二作目もSF畑出身らしく火星から家電製品が攻めてくるぞ!のぶっとび展開にちゃんとした理屈を与えている
    人類皆殺しみたいな呆然とするオチ方しないのも良い点。暗い人が寓話って形で大覚醒する事はあるんだなあと

    [2019-11]
    原31+33+35。ジェイムスン教授でF先生の挿絵や大友昌司の紹介もあって有名な部類に入る作品になる
    野田昌宏訳 ニール・R・ジョーンズ「二重太陽系死の呼び声+放浪惑星骸骨の洞窟+惑星ゾルの王女」を読んだ
    .
    昔の作品は上記など過剰気味に宣伝される事があって期待すべきではないんだけど、期待してしまって失敗
    期待してしまう要素はあって日戦前のSFにも繋がるユニークな容姿や、イージーゴーイングな態度は楽しい部分
    F先生が関与したも運命的で、本来なら上記の持ち味を活かすべきなんだけどバトルの方向に舵を切ってしまった
    .
    脳がやられない限りは大丈夫とか、時間感覚が普通では無いとか、過去を覗けるタイムバブルなど楽しいアイデア
    別書とも含めて野田先生がアメコミはチェックしてなかった事や、米でこれらの古い作品群が再販された事も発見

    [2019-11]
    原67。資料の抜き出しをしていて目について予定にはなかったけど今にも繋がるかなで急遽読んでみた
    皆藤 幸蔵訳 ランドル・ギャレット 「魔術師が多すぎる」を読んだ
    .
    過剰に期待し過ぎた部分もあって本分になる殺人事件の謎解き部分は微妙だったが設定に関しては大変面白かった
    解説にもあるようにSFミステリになり舞台設定はファンタジーと不思議。SF的な部分での設定詰めで世界を見せている
    魔術が一般化した世界の、魔術封じの施された屋内で殺人事件が起きてしまったが本題になり謎解きが始まる
    .
    頻繁に現れる能力は技術が確立されていて鍛錬も出来るが、レアかつ微妙な能力は研究が出来ず能力になる
    主人公の能力が上記だがアクション場面で使用とキーにならない。また謎解きは既出感あるが能力が隠し味となる

    [2019-11]
    原58。過去にも何回か読んでいて忘れているので読み返しだがそんな好きな話かなと自分でも困ってしまう
    林 克己訳 ジョン・ウィンダム 「呪われた村」を読んだ
    .
    原題はミドウィッチのカッコーで映画版だと光る眼。タイトルで混同してしまうのが何回も読んでしまう原因かも
    作者履歴も今回は目に入り、先に別名で活動していて軍務の後に業界傾向が変わっていたので別名で発表
    完全に征服されるタイプの話と比べると地味に出来るでホラーにも近いし、地味さが逆にじわじわ来る怖さになる
    .
    同タイプに近い盗まれた街も読んでいたので、当時の風潮がわかると同時に敵との対話も肝とわかってくる
    ラストも忘れていたのでこんなんだったっけ!?と驚いてしまう。上記とは違う意味で怖く感じるオチでバリエーション


    ■ 越前敏弥訳 スティーヴ・ハミルトン 「解錠師」
    ■ 桐野夏生 「OUT」
    ■ 小津薫訳 ロバート・クラーク 「記憶なき殺人」
    ■ 井上一夫+加島祥三訳 エド・マクベイン 「87分署シリーズ キングの身代金+クレアが死んでいる」
    ■ 浅倉久志訳 ジョン・ヴァーリイ「へびつかい座ホットライン」
    ■ 松谷 健二訳 K・H・シェール+クラーク・ダールトン「大宇宙を継ぐ者
    ■ 銀河の神々のたそがれ(宇宙英雄ローダン・シリーズ)
    ■ クルト・マール+W・W・ショルス 「ミュータント部隊宇宙 (英雄ローダン・シリーズ」
    ■ 高橋 泰邦訳 アイザック・アシモフ 「ミクロの決死圏」
    ■ 小倉多加志訳 ピエール・ブール 「猿の惑星」
    ■ 野田昌宏訳 ケネス・ロブスン(集団) 「ブロンズの男(ドック・サヴェジ)」
    ■ 福島 正実訳 ジャック・フィニイ 「盗まれた街」

    Vol 3467(2019-11-15)
    [2018-10]
    原09。ピンポイントに面白い物で賞取った作。ヤングアダルト向きでもあるらしくて読み易いしテーマも良いと思う
    越前敏弥訳 スティーヴ・ハミルトン 「解錠師」を読んだ
    .
    訳が難しい所で原題だとThe Lock Artist。直訳だと別意になりかねないし、現訳でも職人的な物連想して微妙さはある
    原題の良さが生きる部分は親方の訓練部分。要は錠前破りの話で犯罪者の世界や価値観が作品に上手く反映されてる
    喋れない天才主人公っていうキャラも強くて個性がある。なんで喋れないかの謎解きと最後のオチも綺麗にまとまってる
    .
    主人公は喋れないけど内面で何を考えているかや、仕事に対する情熱の部分なんかも他人の価値観に入り込めて面白い
    物凄く大きな波の無い作ではあるが、鍵をどう破るかと言う部分で変化も大きく、いらん知識が身に付く点でも良い本

    [2018-10]
    刊97。ピンポイントに面白い物で賞取った作。海外の賞や直木賞を取り損ねたなど色々と惜しさが漂う
    桐野夏生 「OUT」を読んだ
    .
    最初に書いとくとあまり自分の好みでは無い。上記取り損ねているもあるしで、技術的な部分も含むと思う
    悪いと思う点は山ほどある。犯罪者だが似た系列で面白い物もあるので倫理的にどうこうの部分では無い
    単純に辛気臭いのは一番アウトな部分と思う。部分的にユーモアもあるんだが誇張した悪い現実で鬱の見解
    .
    文庫版で読んで解説も含むが階級がどうこうとか別の事をいいたげな厭らしさ含み、そういうのは一部人気止まり
    上記など悪い点も多いので、他作と比較されると偏りは結局マイナス点になるともわかる。長さも含め練り調査不足

    [2018-10]
    原98。ピンポイントに面白い物で賞取った作。解説でも文学作に近いとあって難しい部分もあるが引き込まれる面白さ
    小津薫訳 ロバート・クラーク 「記憶なき殺人」を読んだ
    .
    直前に読んだ受賞作が微妙でコレも?と思ったが良かった。三人称文体ながら日記を使って一人称も上手く使用可にした
    問題ある点は救いの無さ。救いは無いが昔の作品的な神による救済や、見方を変えれば良かったんではの部分も
    恋愛要素を含んでいて心温まる部分が多いだけにそれがどうしてこんな事にと衝撃ある。因果が巡ってくる所は納得
    .
    30年代のおっとりしたアメリカの雰囲気や、日の目を見ない下積みの人の人情みたいのも良く出ていて全体に温かい
    暗い部分もあるんだけど上記が凌駕もしてると思う。とつぜん不幸に巻き込まれてどうなるかの部分で引きや共感も高い

    [2018-10]
    原59+61。ピンポイントに面白い物で賞取った作。左記から更にシリーズで出ているのでネットで調べて絞り込み
    井上一夫+加島祥三訳 エド・マクベイン 「87分署シリーズ キングの身代金+クレアが死んでいる」を読んだ
    .
    キングの身代金は黒澤明の天国と地獄の元ネタになっている。変更点もあって原作だと逆探知対策が見所になる
    クレアが死んでいるはもうタイトルで勝利している様な所があって、身内を殺された警官が謎を追っていくスタンダードな作り
    シリーズ展開でも分かるように個人では無く警察署を舞台にしていて、それ故に警察官小説としうジャンルの祖とされる
    .
    安定はしているけどパンチ不足で今作がレベル高いなら後は読まなくてもいいかなの感想。面白くない訳ではない
    キング〜は犯人側の視点やリアルタイム感が良く、クレア〜は純粋な追跡や最後のオチが光る。娯楽作として安定

    [2019-11]
    原77。クローン関連で読もう読もうと思っていたんだけど後回しになっていてやっと。ピンポイントに面白い物でにも被る
    浅倉久志訳 ジョン・ヴァーリイ「へびつかい座ホットライン」を読んだ
    .
    上記でクローンが関連しているが自分が沢山いれば便利だろう系なんで捻りあるがアイデアは時代的に少し下る
    解説だとハードSFに属するらしくパッチワークガールズ書いたニーブンが好きと、こっち系に向かったハードSFもある
    内容的には上記のクローンが関係しているとタイトルが噛み合ってない事で分かる様にとっちらかってしまった所はある
    .
    タイトル通りで異星からの通信がとつぜん途絶えて料金請求されると現実にありそうな事件を上手く置き換えている
    とっちらかった内容の中には征服されてしまった人類ネタも含まれていて、散漫ながら一つ一つのアイデアは興味深い

    [2019-11]
    原すべて61。ついにペ様を扱う時が来たのかと言った感じだが、あんな大量なもん読めるか!で最初の三冊だけ扱う
    松谷 健二訳 K・H・シェール+クラーク・ダールトン「大宇宙を継ぐ者+銀河の神々のたそがれ(宇宙英雄ローダン・シリーズ)
    クルト・マール+W・W・ショルス 「ミュータント部隊宇宙 (英雄ローダン・シリーズ」を読んだ
    .
    訳者が死んだ途端に早川はSTは切ってしまったんだけど、ペ様は青背の始まりから現状まで途切れる事無く続いている
    作者不明の情報を伝える解説と共に早川もまさか人気出るとは想定していなかったと思い、なぜ受けたかも考察余地ある
    ドイツ制作ってのも面白い部分でドイツ制作であるが故に全人類の敵になって世界を一つにしたとか、征服事業も説得力
    .
    そんな訳で昔の作らしいモタモタした所はあるとは言え、初手から凄い物を手にして全人類と戦うと派手な展開になっている
    日本人キャラが出ているのも注目点で原爆で力を得たも海外ならベタながら際どい。ベスト回とかのまとめも調べてみる予定

    [2019-11]
    原66。これ原作アシモフだったの!?と驚いたが映画のノベライズ作らしく、そんな物をあのアシモフがも驚く点
    高橋 泰邦訳 アイザック・アシモフ 「ミクロの決死圏」を読んだ
    .
    アシモフってこんなに凄かったのかと驚いてしまう内容。地味になりやすい単体作より派手かつ異色な出来とも思う
    同時に映画こんなに波作ってたのかと力を引き出された事で驚いてしまい、全編に渡り何かしらの緊張感が漂っている
    映像で魅せる映画を文章にするなんてだが、ここもアシモフが技量を発揮し未知の驚きとトリビアで感心する文章
    .
    人物に関しても上記で元の良さがあるんだけど、それでもキャラがちゃんと立ちつつ哲学示した台詞あって凄い
    アシモフが凄まじい実力を持っていたと再確認したし、単品の娯楽作としても面白く、体内組織の勉強にもなる

    [2019-11]
    原63。映画がお馴染みだけど原作は読んだ事なくて良い機会。映画とは違う展開で映画より怖い内容にもなっている
    小倉多加志訳 ピエール・ブール 「猿の惑星」を読んだ
    .
    解説が言いたい放題なのが昔のSFらしく、後に解説はこの事で失敗する。それはともかく少し古めの出だしから開始
    全体に百年ほど前に流行った様な不手際さはあるんだけど、解説とは違ってそこが今作魅力を引き出す長所にもなる
    そんな訳で猿惑星で猿相手のサバイバルを追体験できるし、猿になりたいと考えてしまう主人公に共感も持ててしまう
    .
    映画で衝撃的だった捕まった人の末路も最後により怖い形で提示され、オチも映画をもっと怖くした雰囲気になっている
    不手際感はあるとは言えどういう経緯でなったかや、作者の言いたい事も強く出ていて映画だけで済ますのは勿体ない

    [2019-11]
    原1933。知る人ぞ知るスーパーマンの原型になったキャラで、解説では触れていないが今作が既に日訳五作目になる
    野田昌宏訳 ケネス・ロブスン(集団) 「ブロンズの男(ドック・サヴェジ)」を読んだ
    .
    日訳五作目であっても作品としては今作が一作目で、多分後期には更にグレードアップするんだろうなとわかる内容
    挿絵がバロン吉本で作中で一番おいしいモンクの絵も野田先生になっている。同時に主人公は昔の作品してしまっている
    アクションの連続で読むのが辛くなると理解もしたが、同時にヒーローチームで現状のアベンジャーズなんかの原型的
    .
    上記でまだ弾けきる寸前ながらコスプレした敵が出てきたり、後のアメコミや活劇物で出るアイデアが既に登場している
    同時代バローズが洗練されていたともわかるし、これより更に前段階からどういう風に進化したかもわかり資料価値ある

    [2019-11]
    原55。今日は映画で有名な原作を読んでみよう大会を発足して読んだが、ピンポイントに面白い物で賞を取ったにも被る
    福島 正実訳 ジャック・フィニイ 「盗まれた街」を読んだ
    .
    原題はボディスナッチャーでお馴染み。人形つかいや光る眼と混同していたと再確認したが今回で読んで違いもばっちり
    映画の方は共産時代の恐怖を反映していると評価もされやすいが、原作もそれを感じさせて感じさせない上手い作り
    物凄く気持ち悪い。そこに持っていく展開も秀逸で集団ヒスの話を持ち出し、おかしいのは自分じゃないかにも向かわせる
    .
    何から逃げているのかわからない後半や、眠ってはならない戦い・直接対決での実存的問いなど深い部分も多い
    本当に何と戦っているのかもわからないのに終始気持ちが悪いし、オチも気持ち悪さが継続して大変面白かった

    ■ 新井靖一訳 ヤーコプ・ブルクハルト 「イタリア・ルネサンスの文化」
    ■ 末吉考州訳 フランチェスコ・グイッチァルディーニ 「フィレンツェ史」
    ■ 鎌田彷月訳 キャスリン・アシェンバーグ 「図説 不潔の歴史」
    ■ 北野徹訳 ピエール・グリマル 「古代ローマの日常生活」
    ■ ウィリアム・S・バロウズ 諏訪優訳 「ノヴァ急報」
    ■ 矢野 徹+矢野 徹+岡部 宏之訳 キース・ローマー「多元宇宙の王子+多元宇宙SOS+前世再生機」
    ■ 伊藤典夫訳 アルフレッド・ベスター 「破壊された男(分解された男)」
    ■ 深町 真理子 トマス・M・ディッシュ 「人類皆殺し」
    ■ 伊藤 典夫 ジェイムズ・ホワイト「生存の図式」
    ■ 殊能将之編、浅倉久志他訳 エイヴラム・デイヴィッドスン 「どんがらがん(日本オリジナル短編集)」

    Vol 3465(2019-11-8)
    [2016-03]
    ファンタジーからの派生。原書1860。ヴィクトリア朝期の本で不安だったが、その時代に浸れる程に詳しい
    新井靖一訳 ヤーコプ・ブルクハルト 「イタリア・ルネサンスの文化」を読んだ
    .
    中世半ばとなると想像以上に文化も進んでる。古代と中世がダンテで融合したといった所
    この本自体の時代背景もあると思うが、キリスト教での文化の功罪。ちょうど宗教改革とも被る
    当時の祭の豪勢さや、劇・パロディの存在も意外。同時にそれら文化が批判合戦でしぼんだは警句ともなる
    .
    競馬も盛んで馬の重視と品種改良が十字軍からも興味引く。ローマ時代を再現しようとした文化
    貴族文化と芸術の発展も歴史書より身近に存在感じられる。国内および世界中旅して広い世界観持ってたのねえと

    [2016-03]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1508執筆1860年代出版。当時に生きた人のフィレンツェの歴史
    末吉考州訳 フランチェスコ・グイッチァルディーニ 「フィレンツェ史」を読んだ
    .
    数勢力に囲まれて、その勢力内でもいざこざがあって、そのど真ん中で四苦八苦したのがフィレンツェ
    マキャベリィと友達。活躍した時期とも同時なんで、ルネサンスはその陰で大変だったんたなあと
    昔の本だが簡潔で俯瞰的な所あり概要掴むにはちょうど良かった。凶兆とかも記録してるのも時代性出てる
    .
    誰の味方につくかや、その事を巡る騒乱なんかは今とも繋がる。重要人物があっさり死ぬのも現実だなあと
    別資料だけだとわかり難かった背景なんかも掴めて参考になった。マフィア物や日本の戦国物なんかにも近い話

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。タイトルで損してるが清潔の歴史。衛生観念の変化を紹介
    鎌田彷月訳 キャスリン・アシェンバーグ 「図説 不潔の歴史」を読んだ
    .
    衛生で第一なのはお風呂、そしてこれは図説で図版が豊富。もうおわかりですね、ウヒヒ
    それはともかく、古代ギリシャの共同浴場から、清潔不潔が入れ替わり出現する様子がわかる
    不潔で今から考えるとヒドイ中世初期や近世だが、宗教や迷信なんかも関与してる
    .
    服を着替える点で、衣装の豪華さや歴史上の逸話も納得。中世は清潔だった事も意外
    西洋限定だが、中近東のトルコ風呂がローマ譲りの話や、オリーブ油の話も面白かった

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。ローマは長くてややこしく敬遠。しかし、日常からならという事で
    北野徹訳 ピエール・グリマル 「古代ローマの日常生活」を読んだ
    .
    結果的に凄く興味が湧いた。紀元始まる周辺に限定、豪勢になる前の質素な暮らしから入る
    ローマが何故滅んだかの考察にもなる。社会の変化してく様子や娯楽の好みは今とも繋がる
    世界の大帝国で輸入の良い食事を食べてる。香辛料の存在や、家畜や魚の養殖もポイント
    .
    奴隷や親族からの市民の形成。働かない暮らしからの、文化変化と衰退とここも興味深い
    中世へと繋がる要素もある。家の作りや神の信仰など、文化が他地域と被る所も比較が聞く

    [2019-11-04]
    原64。ピンポイントに面白い物で賞取った作。ネビュラ賞だけど文学的にもビート世代の発展形になる
    ウィリアム・S・バロウズ 諏訪優訳 「ノヴァ急報」を読んだ
    .
    むかし映画は面白くて裸のランチ読んで意味不明だったの思い出したけど、今回も意味不明ながら書ける事は多い
    図書館資料でサンリオ文庫版よんだが解説から当時のSF関係者わかるし、その後どんな最悪を引きおこしたかもわかる
    ビート世代の延長線が肝で自分たちだけの文学を求めた。結局は時代のあだ花でしか無く、単に商業的戦略でもあった
    .
    上記は上記として今作は意味不明でも何が起こっているかわかり、描写もセンスあり実際は相当に考えて作ってると感じた
    人を殺して亡命した作者履歴もどこまで本当か不明だけど、キャラも含めて売り出そうとしたんだなあと

    [2019-11-04]
    原66+65+63。ピンポイントに面白い物で賞取った作。ネビュラ賞ノミネートは別作だが訳がなく、出ている物をまとめて
    矢野 徹+矢野 徹+岡部 宏之訳 キース・ローマー
    「多元宇宙の王子+多元宇宙SOS+前世再生機」を読んだ
    .
    ハヤカワ青背の若い番号で娯楽作と解説もつき、上記や評価に関する敵視でSF関係者の内情も見えてくる
    タイトル通りで昔の異世界物でSTなんかの並行世界物を連想すると良い。ロジックも通っているし再発見はあるかも
    話はやっぱり昔の作火力不足・説明に終始・二展開でバラバラ等はあるんだけど、当時レベルだと充分に合格点の作
    .
    最初の作挿絵が大成しなかった資本漫画家でもSF関係者のズレわかるが、本文とも伴いお色気ありで現ラノベにも近い
    タイムトラベル物という形で異世界転移を広げたと分かるし、筆者がアベンジャーズノベライズを担当なんかも注目点

    [2019-11-04]
    原52。ピンポイントに面白い物で賞取った作。ヒューゴ賞ノミネートで娯楽作の虎よ、虎よ!なんかが有名な筆者
    伊藤典夫訳 アルフレッド・ベスター 「破壊された男(分解された男)」を読んだ
    .
    分解された男でもあり代表作も含めて名前の挙がり易い有名作だけど50年代で古く原初的段階と言う注意はいる
    オチに至る行程はかなり退屈だったし、超能力者がギルドを作って独占している設定も面白いけど活かしきれていない
    代表作も昔に有名だからで期待して読み、自分が最近の人なんでこんなもん?と拍子抜けした事あるが仕方ない
    .
    終盤のタイトルオチにもなっている部分は壮絶。この部分だけで万金の値あるだろうというぐらいでディック的でもある
    台詞とか@がつくキャラの名前なんかにもセンスの良さがあり、上記に書いたけどちゃんと歴史に残る価値はある

    [2019-11-04]
    原65。ピンポイントに面白い物で賞取った作。ネビュラ賞ノミネートでSFにしか出来ない感もあるタイトルどおりの作
    深町 真理子 トマス・M・ディッシュ 「人類皆殺し」を読んだ
    .
    ハヤカワ銀背で背表紙で思いっきりネタバレしてるのはどうよと思ったが、即サバイバルでわかりやすくはある
    原題はジェノサイドだが解説で最近の言葉かつベトナム戦争時のサルトル言葉と知り、サルトルらしいなとも思った
    壮絶なパニック物と言うより徐々に死んでいく作で、なおかつ小さな集団のサバイバルとミニマムな所はある
    .
    設定は皮肉に満ちていて大変良い。果実の中に入り込んで助かったと思ったらウジと一緒だったと醒めている
    オチを書いてしまうけどタイトル通りの結果で茫然としたまま終わる。今だとゾンビ物見終わったあとなんかに近いかも

    [2019-11-04]
    原66。ピンポイントに面白い物で賞取った作。ネビュラ賞ノミネートは翻訳が出ていないので代打だが凄かった
    伊藤 典夫 ジェイムズ・ホワイト「生存の図式」を読んだ
    .
    まったく関係無い二つの事件が同時展開し、最後に一つになると言う見ていて不安になる作だが凄く綺麗なオチ方する
    物語としては二つの話とも密閉された船の中でのサバイバルから世代変換と壮大感あふれる話にもなっている
    上記で関係があるんだろうかとドキドキするし、意図したかどうかはわからないけど一方は空想の話?とも途中は思った
    .
    本来ならもっと絡めた方が面白いと思うけど、体験している極限が似た状況なので意識が飛ばず話を追える
    どうしてファーストコンタクトが成立したかという点でも上記で説得力ある。危ういバランスの上に立つが大変面白かった

    [2019-11-04]
    日刊05。ピンポイントに面白い物で賞取った作。賞という点では短編であらゆる賞を取っている作家でもあるのだが
    殊能将之編、浅倉久志他訳 エイヴラム・デイヴィッドスン 「どんがらがん(日本オリジナル短編集)」を読んだ
    .
    解説に付く作者履歴が悲惨すぎて、上記でありながらいざ自分の好きな作を作った結果まったく売れず悲惨なまま死んだ
    賞を取る作品や作家とは何かと言う点でも考察し甲斐があると思う。過剰な期待で周囲が潰したと言えなくもない
    上記なので本当に面白いのか疑問な部分も多く、文章自体にも癖があるらしく翻訳にも恵まれず日刊行は二本のみ
    .
    上記であらゆる賞を取っていると言う事でSFの枠で読みはしたけど、河出から出たている事も含めて文学に近いのかも
    バルザックなんかに近いと自分は思ったけど、ユーモアはあるとはいえ暗くて感想もどう表現したらいいのか困惑する


    ■ 吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説快楽の中世史」
    ■ 山本規雄訳 バーゴ・パートリッジ 「乱交の文化史」
    ■ 夢枕獏 「サイコダイバー・シリーズ1-3 魔獣狩り 淫楽編+暗黒編+鬼哭編」
    ■ 志茂田景樹「黄色い牙」
    ■ 志茂田景樹「戦国の長嶋巨人軍」
    ■ 阿部 重夫+阿部啓子訳 フィリップ・K・ディック 「ブラッドマネー博士」
    ■ 支倉凍砂 「狼と香辛料 1-3」
    ■ 松田美智子「女子高校生誘拐飼育事件(完全なる飼育)」
    ■ 三島由紀夫 「金閣寺」
    ■ 三島由紀夫 「サド侯爵夫人+わが友ヒットラー」

    Vol 3463(2019-11-1)
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。先に同筆者の他作も読んで面白かったのと自分の興味から
    吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説快楽の中世史」を読んだ
    .
    エロだけじゃなくて風呂とか食事とかの詳しい生活様式も載ってる。図説で図版資料多いのもあいかわらず
    同筆者の後の本と比べるとテーマが絞りきれてないが、文芸なんかは騎士道物とも被るんで関連性はある
    食い物の所が面白い。胡椒が貴重なイメージあったが、庶民の調味料。いろいろ工夫して調理してたとわかる
    .
    他の文芸と比較してテニスの原型ポームの話や、温泉。また貴族の読書と写本の話なんかも面白い
    娯楽が無い時代なんだなあとはつくづく思う。ただ、祭やルネサンス以後の解放など、変化も多く興味深い

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。古代から現代に至るまでのタイトル通りの内容、図版もノーカットで豊富
    山本規雄訳 バーゴ・パートリッジ 「乱交の文化史」を読んだ
    .
    作者がちょっと特殊な人で文に性の解放と嫌悪の両方の面出てる。なので、読む時は真実かどうか少し意識がいる
    原書1958日本訳2012と少し古い、日本版には日本の歴史での盆踊りやパーティー・祭のソレの解説が写真入りで解説
    見所はやはり図版、それはもう乱痴気な古今東西の様が多数。作者不明も多いが、今も昔もこういう図版は変わらん
    .
    疑わしい点は多いがファンタジーとしては楽しい。ローマぐらいから駄目になった、というこの人の解釈も独自
    実際がどうかわからんので想像がたくましくなる部分はある。文芸でも愛と絡めると重要になり興味深い所

    [2019-06]
    刊84。以前にも獏さんは読んでいるので時間つぶしに。初期の書きたくて書いた感が全編に渡って良く出ている
    夢枕獏 「サイコダイバー・シリーズ1-3 魔獣狩り 淫楽編+暗黒編+鬼哭編」を読んだ
    .
    荒いけど勢いがあるの定義としても興味深い。話にまとまりが無く主人物も散漫だが、全要素が一本出来るほど濃い
    後の獏さんに繋がる要素も大量に混入しているし、話の勢いという点で会話のテンポの良さや口調なんかも参考になる
    最大の特筆点はサイコダイブ。今だと電脳連想しちゃうが、至る段階で作られた記憶や夢・精神分析と共に研究余地ある
    .
    サイコダイブ設定が途中と実際に悩んだ感あり、あらゆる小説の要素が混入で主軸になる愛欲話のアイデアも面白い
    後にシリーズ展開する事になるが作家で何をしたいかも混乱しつつも良く出ていて、作者の言うように大変面白い

    [2019-06]
    刊80。作家自体はバラエティーやカブタックで知ってるんだけど作品を読んだ事なかった。直木賞受賞は本作
    志茂田景樹「黄色い牙」を読んだ
    .
    あの奇抜な衣装とは裏腹に作品には論理性や設定の細かさあり驚き。他作でも細かい点を綿密に埋める傾向ある
    当人コメントでアクションばっか書いてた的な事もあるが、上記に加えて台詞等での人物造形で別の側面も見せる
    連載された作品らしく短編の寄せ集めになるが、マタギの生活や価値観を上手く再現し別世界へと連れて行ってくれる
    .
    短編単位で見ると設定を固めた上で人物造形と進んでいて、事件はどれも地味で淡々としていながら読ませる所ある
    主張みたいのがぎりぎりラインで押さえられているのもポイントが高く、娯楽の上位ライン作として参考になる

    [2019-06]
    刊95。ド譲で存在知ってなんぞやと思っていた。ネタ作品と思ってたが実際に読んでみると凄く面白くて感心
    志茂田景樹「戦国の長嶋巨人軍」を読んだ
    .
    タイトル通りの内容になる。初手から長嶋監督は戦車が好きでと飛ばしているが、お蔭でテンポよくポンポン進む
    メカに強く博士担当になっている落合や、戦国だろうとゴジラな松井と、数ページ単位ごとにギャグある点も高評価点
    一番すごいと感じたのが異常状況下だろうと絶対に野球はするという点。合わんネタの筈がぴったりとハマってしまう
    .
    上記もあるがポリシーは変えないという点で作家の個性が出ているし、後の異世界物と比較しても珍しいと思う
    もうラノベも出ている他、先行したナンセンス系小説も参照でき、直木賞作家が作ったギャグ異世界ラノベとして見る価値あり

    [2019-06]
    原64。時間が押してたんだけどサンリオ文庫版が図書館にあり、書庫整理等で消えないうちに読もうと無理押し
    阿部 重夫+阿部啓子訳 フィリップ・K・ディック 「ブラッドマネー博士」を読んだ
    .
    解説がなぜか山本一生の競馬の話で、本編読んでも特に関連性が無いしでなんなんだコレはとなってしまった
    作者自体の言い訳じみた解説も付属で、内容よりも予言が外れた事を気にしたり、当時の心境語ったりとまさにデイック
    ディック小説の特徴が良くも悪くも出ていて、世界が異常になろうとも優先されるのは登場人物たちの心の動きになる
    .
    話としても散漫としているが核投下後の世界を扱っていて、悲惨さより不安優先で当時の核戦争が怖いディックを反映
    どんな形で救われるかも上記と一致した現実じゃないかもと言う心の問題的な部分に落ち着き、自分の為に書いた感はある

    [2018-06]
    刊06〜。ラノベ扱ってる関連から。悪い意味で榊一郎関連と言えるかも。思う所が変わって読む気になった
    支倉凍砂 「狼と香辛料 1-3」を読んだ
    .
    主人公が20歳オーバーで扱ってるネタも経済と、電撃らしいちょっと特殊なラノベと言える
    あとがきも含めてお金が大好きな部分は、上記のせいで違う意味が出てきてしまっている所もある
    信頼の部分や物理出身も上記。先例として不満あると速達出した菊池寛もあるが、現状だと意味も違う
    .
    アニメ版を見てる。カイジなんかもあるし一般作に見えだすと違和感も消え、なぜ特殊か疑問も出てくる
    長所短所だが設定を中心にもっと簡単に出来る部分もあると思いつつ、ホロの存在がラノベ要素かつ魅力

    [2019-06]
    刊94。別の事件と勘違いしていて、作者が優作の元嫁の方が驚き。捕まったけど無事だった例で64の事件が元ネタ
    松田美智子「女子高校生誘拐飼育事件(完全なる飼育)」を読んだ
    .
    上記から拍子抜けした部分もあるし、ノンフィクションノベルという体裁を取っているので単純に技量不足の部分も目立つ
    ノンフィクションとして見ると下手な創作が入り過ぎているし、ポルノとして見ると特に抜けず、要するに中途半端になる
    同類の犯罪を扱った書籍やミステリーと比較しても考察が甘いし、同類の文学として見ても突き抜けた感がなさすぎる
    .
    話題の事件を扱うと技量が低くても高評価を得られるとわかる。本書は題材は良いので完全なる飼育など映画もあり
    犯人が日記を残し、週刊誌が大げさに書いたも現実で記録すべき点。作者履歴見て色々と納得した部分の方が大きい

    [2019-05]
    刊56。カルトとヤクザから派生。代表作を一冊で本書だが扱う契機のテーマや筆者自身と共に否定的態度をとる
    三島由紀夫 「金閣寺」を読んだ
    .
    最後が最悪な死に方だし、昔の日本は全体的におかしいんで当時風に読む事は自分は出来ないししない
    サド侯爵夫人等もそうだが時代の背景を知った上で読ませる事を前提としているんで、設定的に辛い部分も
    現状だと他作とも比較でき、色々と大げさに言ってるけど実存主義的かつ、昇華な決着をつけられなかったのも問題
    .
    犯罪者がどういう考えで動いたかを説明するなど確かに技術は凄いんだけど、やっぱ肯定は出来ない内容と思う
    先に読んだ時も感じたが自分の作り出した世界や正当化に飲み込まれ、筆者自身もおかしくなってしまったとも思う

    [2019-05]
    刊65+68。カルトとヤクザから派生。派生の派生と言えてサイコ調べている過程でそういや日本にも大御所いるじゃんと
    三島由紀夫 「サド侯爵夫人+わが友ヒットラー」を読んだ
    .
    昔の文学は面白いけど陰気で病気になりそうで自分は避けてるんだが、最後は割腹自殺した御方の戯曲になる
    昔の文学は背景も重要だし信奉者が崇拝する形で受容してた事も注意いる。本作自体も背景知らないと微妙な点あり
    上記で不親切な部分もあるし、テーマが良いと思えない部分もあるんだけど、最後に割腹自殺する人の変遷は辿れる
    .
    価値観が逆転する筈だと言う希望は昔の日本に蔓延していた破壊して作り直すを体現している。元から駄目なもん参考
    過激だと排除されると理屈で分かっていても結局はやりたかったし、やった所で無駄とわかってたから自殺なんだなと病気

    ■ 若島正訳 ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」
    ■ 谷崎潤一郎 「潤一郎ラビリンス1(刺青、少年ほか)」
    ■ 谷崎潤一郎 「痴人の愛」
    ■ 渋沢 竜彦訳 マルキ・ド・サド 「美徳の不幸」
    ■ 渋沢 竜彦訳 マルキ・ド・サド
    ■ 「渋沢竜彦翻訳全集 5 悪徳の栄え 悪徳の栄え 続 〈補遺〉悪徳の栄え(続)削除箇所全文」
    ■ 種村季弘 L・ザッヘル=マゾッホ 「毛皮を着たヴィーナス」
    ■ 山下 博司+岡光信子 「アジアのハリウッド -グローバリゼーションとインド映画」
    ■ 礫川 全次/編 「犯罪と猟奇の民俗学(歴史民俗学資料叢書 第2期2)」
    ■ 羽生和紀監訳 横井幸久、田口真二編訳 C・R・バートル+A・M・バートル「犯罪心理学 行動科学のアプローチ」
    ■ 林 四郎訳 洪蘭淑 「わが父文鮮明の正体」
    ■ 高橋康成監訳 安藤まみ+佐藤容子+三村明訳 「ルイス・キャロル伝」

    Vol 3461(2019-10-25)
    [2019-08]
    原55。ルイス・キャロルからの派生でペドの代名詞になった程の有名作。読んだ事なかったんで丁度いい
    若島正訳 ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」を読んだ
    .
    亡命作家の分類にも入るんだなぁと。マゾや谷崎と類似しているが後発で、類似作も存在するが面白い仕上がりになってる
    出版時に断られまくり、少年愛なら良いと言われたり、発禁喰らったのも面白い、。めでたく永遠にロリ作家の栄誉を受けた
    主にラノベ作家が声だかに叫ぶ作者の意図や何を伝えたかったを批判したのも筆者で、やっぱロリ同士似てるんだなぁと
    .
    そんな訳で本文だがアンモラルを扱ってると言う訳で犯罪小説にも近く、ロリとは出来ないし、寝取られもテーマだしと散々
    読者を明確に意識した文体やラストが謎解き風になっているのも面白いと思う。ロリに手を出すと痛い目は現実とも一緒ねと

    [2019-05]
    元刊1911。カルトとヤクザから派生。派生の派生で日本にも大御所いると気付いたが、本作の刺青は元の段階にも近い
    谷崎潤一郎 「潤一郎ラビリンス1(刺青、少年ほか)」を読んだ
    .
    解説にもある様にデビュー作は作家の以後の方針が出やすいから参照したもあるし、後に続く作品も作家をよく反映
    他書でも触れたが昔の日本文学は問題点も多く発達段階として見られる。本作家は異常さを実力で押さえつけもしている
    SMに相当する異常さなんで境界性パーソナリティ障害かうつに該当すると思う。異常な興奮はサイコパス系も含むかも
    .
    耽美主義的な傾向が外国と違い目標を与え実力を発揮した要因とも思い、狂気を抱えても呑みこまれなかったは偉大
    現代との比較かつ過程として面白いと思うし、理由を与えていないけど感情の高ぶりを伝えると言う点でも面白い

    [2019-05]
    刊1924。カルトとヤクザから派生。派生の派生で日本にも大御所いるじゃんと気付いた。今だとラノベ風表紙版もあり
    谷崎潤一郎 「痴人の愛」を読んだ
    .
    当時から挿絵が流行った事は確認済みだが、中央公論文庫版の今書でも前半部分に集めに集めた挿絵が大量につく
    マゾやら実際のサイコ系の資料を先に読み、当時の日本調査していた事も良かったで、解説等むかしの評価は注意いる
    上記は別として本作は大変面白い。普通の恋愛物としても見れるし、異常さを意識させずそう読める様にしてるのも実力
    .
    実際は恋人二人ともアレと思い、タイトルも工夫してるなあと思う。作家のSM好みを押し出し、作家のマゾと違い怖さがない
    これが恋愛の形なんだと思われても困るが、愛を熟成していく過程での狂気や結果や、昔の日本人観をよく表現している

    [2019-05]
    原1789(第一稿)。カルトとヤクザから派生。前から読もうと思っていたけど、事前に人格障害調べたお蔭で理解も深まる
    渋沢 竜彦訳 マルキ・ド・サド 「美徳の不幸」を読んだ
    .
    単純にポルノとして見ても面白いと思うし、この人が陥る無駄な長文や繰り返しは以前読んだ団鬼六と重なる所もある
    サドの由来になったほどの人で実際にエグいんだけど、全編に渡って必死に言い訳する形で葛藤出ているのが面白い所
    間違いなく自分の書いたものに興奮してた性質と思い、上記とセットで世界や人間は悪をなんとか証明し正当化しようとしてる
    .
    収監された事もあって自分はおかしいと気付いていた作家だろうし、興奮は感じるけど何も感じない側面もあったと思う
    教会批判なんかも一貫した部分で権力に対する敵意も人格障害の一種。弾けきらなさがうまく空想的な展開と繋がっている

    [2019-05]
    原1797。カルトとヤクザから派生。版がいくつもあってベースの第一稿を元にして本当に自分の為に書いてたんだなぁと
    渋沢 竜彦訳 マルキ・ド・サド
    「渋沢竜彦翻訳全集 5 悪徳の栄え 悪徳の栄え 続 〈補遺〉悪徳の栄え(続)削除箇所全文」を読んだ
    .
    渋沢竜彦が翻訳担当なんで解説も渋沢とサドという視点に立っている。スーパー中二病といった御方だが他も含めあってる
    美徳やマゾッホとセットで読んだが、確かに一生懸命恐ろしい事を書いているんだけど、マトモな部分も見えて空想的と言える
    本来はこれの3倍の量があるらしく、解説通り渋沢の抜粋の妙もあるんだけど、そこを差し引いても刺激が退屈になる所はある
    .
    同じ様な展開をノリノリで書いてた所の方が狂気。犯罪の会規約や、人間を家具にするなど様々な残酷ショーと空想の楽園
    サイクロプスに捕まって食べられると似た展開で影響も感じられる他、一人称ながら醒めた文体も団鬼六等と比較で興味深い

    [2019-05]
    原1871。カルトとヤクザから派生。サドとセットで読んでSとMならこっちは怖くないだろうと思ってが断然ヤバかった
    種村季弘 L・ザッヘル=マゾッホ 「毛皮を着たヴィーナス」を読んだ
    .
    サドはまだ自分がおかしい自覚あるし現実にやりもしないんだけど、こっちは自覚がないし現実にやって一時廃人になってる
    事前に人格障害の資料を読んでいるがリスカ系の話に近いと思うし、捨てられる恐怖や自分を人質に脅すも作中で行う
    心理的な部分は横に置き快楽としてMを具体的に言うと演技をする形でのコスチュームプレイになり、過剰な理想化になる
    .
    相方の方が一見ヤバそうでありながら、主人公の狂気ぶりに愛情から必死に答えようとしたり、だんだん怖れてく様も面白い
    自分が見捨てられないか試練を与えて試してる感あり、付き合わされる事や異常に気付いていないと言う点で本当に怖い

    [2019-08]
    刊10。インド調査から。直前にカルトとヤクザを調べていて、90年代頃にインド映画はヤクザが牛耳っていたで興味もあった
    山下 博司+岡光信子 「アジアのハリウッド -グローバリゼーションとインド映画」を読んだ
    .
    借金して資金繰りだが、そこで貸付して利子60%で取り立てていたが実態。日批評家業界が新規参入阻止工作など裏話も
    レイプ犯罪していた評論家見解を受け入れていたり、芸術思考評論家意見に迎合していたりと多少は注意して読む必要あり
    日でインド映画はまったく受けないと正直に書いている。上記もだが出資者に迎合姿勢あり、北インドは現在役者が米的体系
    .
    本書内では批判されているが、原初的な面白さを持つ娯楽作品の研究題材としては古典演劇からの伝統残っていて興味深い
    シックスセンスの監督などインド系で成功した監督もいる他、前述で価値観が独自なので理解しがたい作品の研究にも役立つ

    [2019-05]
    刊03。カルトとヤクザから派生。柳田の猟奇趣味で伝統化しているが、今考えると柳田は人格障害傾向もあるかなと
    礫川 全次/編 「犯罪と猟奇の民俗学(歴史民俗学資料叢書 第2期2)」を読んだ
    .
    昔のサギ事件の警察資料が載っているけど今と手口がほとんど一緒で、歴史を調べる事は今の再確認にもなる
    江戸の犯罪調査もあるけど姦通事件が多く、9〜11歳ペド事件の例もあり、刑罰が13歳以下で変化も資料になる
    上記で資料収拾の偏りも意識する必要あるが、殺した後についでにレイプや親族の死体を食べる風習も興味深い
    .
    お化け関係も充実で特殊性癖に見せかけた殺人偽装と似た例でカッパに取られたやお化けのせいでの偽装がある
    髪切りフェチ系犯罪もお化け的だし、犯人探しの鬼定めも面白い単語。子供の遊びから過去の性開放日考察もあり

    [2019-05]
    原05。カルトとヤクザから派生。左記で牢屋の棚を調べてその上に置かれていたんで完全に派生と言える一冊
    羽生和紀監訳 横井幸久、田口真二編訳 C・R・バートル+A・M・バートル「犯罪心理学 行動科学のアプローチ」を読んだ
    .
    ペドが望んでいるのは親密からのいたずらや、女もいるレイプ犯は相手も望んでいると思っているなど発見に溢れている
    上記で犯罪者に抱くイメージが変わり、盗みが多い事や自己正当化。ホワイトカラー犯罪は自覚すらないとよくわかる
    裏社会の人間像もよくわかり、売春婦は良い所の出ながら家庭崩壊し、上記性犯罪経験有りの元被害者が多い
    .
    発達障害など子供の頃から苦労し、間違った偏見を持つも多く、方法を知らないやコミュニケーションの破綻が犯罪原因
    プロファイリングの実例も載っているが、実際に金銭が無いよりも虚栄心や自尊心など心の弱さが原因とも見えてくる

    [2019-05]
    原98。カルトとヤクザから派生。裏切り者に値する人だけど幹部クラスに属していて離脱も特殊ケースになる
    林 四郎訳 洪蘭淑 「わが父文鮮明の正体」を読んだ
    .
    人を食い物にして良い暮らしをしていましたごめんなさいなんて言葉は無く、利用されていたと他人事みたいな所はある
    とはいえ実際に酷い目に合っていた人で、グルの子供と15で結婚させられ薬物ポルノ中毒患者にレイプとDVをされていた
    実際のグルを身近で見ている人でどうだったかの分析も含むがここも偏向かかり、憎んでいるのはわかるが詳細は不明
    .
    利用されていたとある様にウソがバレてキレた部分が大きい。どういう団体に寄付しているかなど内情も書かれている
    どこまで信じて良いかはわからないが氷山の一角と自分は思うし、幹部クラスであっても被害者になりうるとわかる

    [2019-08]
    原95。ファンタジーからの派生でキャロル作の写真を撮ってたんで、追加して扱おうで本書
    高橋康成監訳 安藤まみ+佐藤容子+三村明訳 「ルイス・キャロル伝」を読んだ
    .
    結論から書くと実態は教師としての側面が強い人生。写真を交流材料にしていたや高位追っかけなどの側面も
    ヌードで出回っているのは公式に四点のみ。アリス嬢のその後も調べられているが名声による禍福もあるなと
    当人の遺言で多数撮られたヌードは消去、また日記も消滅がある。それでも記録は大量にあるのでそれが全て
    .
    当時の状況資料や何に影響を受けたかの資料側面も。12歳から結婚出来たや大学の荒廃・同自体大事件は無関心など
    間違いの訂正も多数あるけど変人だった事や、誤解される事が多かった事、悩みがあった事なども証明されている

    ■ 柳瀬尚紀編訳 ルイス・キャロル「不思議の国の論理学」
    ■ 細井勉著訳 「ルイス・キャロル解読 -不思議の国の数学ばなし」
    ■ 人見憲司+金澤淳子訳 ヘルムット・ガーンズハイム 「写真家ルイス・キャロル」
    ■ 高橋康也+川崎順之助訳 ルイス・キャロル 「ルイス・キャロル詩集 原典対照」
    ■ 高橋 康也 「ヴィクトリア朝のアリスたち ルイス・キャロル写真集」
    ■ 安井泉訳 ルイス・キャロル 「子供部屋のアリス」
    ■ 高橋康也+高橋迪訳 ルイス・キャロル 「少女への手紙」
    ■ 安井泉訳 ルイス・キャロル 「地下の国のアリス」
    ■ 高山宏訳 ルイス・キャロル 「新注不思議の国のアリス」
    ■ 高山宏訳 ルイス・キャロル 「新注鏡の国のアリス」

    Vol 3459(2019-10-18)
    [2019-08]
    刊77。ファンタジーからの派生でキャロル作の写真を撮ってたんで、追加して扱おうで本書。掌編の日編集版になる
    柳瀬尚紀編訳 ルイス・キャロル「不思議の国の論理学」を読んだ
    .
    別書も参考に経緯から説明すると、キャロルは教職についていた加減からプリントも含めた掌編が多数存在する
    キャロルは経緯も特殊だし、誤解される部分も多いし、扱ってる内容も特殊なんでアリス以外は説明も難しい
    今書を一言で言うと数学パズルなんかに近い。上記で指導用の側面もあるし、単に本人が面白がって書いたもある
    .
    紹介者が凝り易いのも誤解を産む原因で、今書も解説が対話形式やふざけたエッセイで問題ある部分はある
    面白くはないと思うけど、キャロルを知ってるとまったくブレがなく個性も出て本来やりたかった事が見えてくる

    [2019-08]
    刊04。ファンタジーからの派生でキャロル作の写真を撮ってたんで、追加して扱おうで本書
    細井勉著訳 「ルイス・キャロル解読 -不思議の国の数学ばなし」を読んだ
    .
    アリス以外のキャロルは特殊で他書でも扱ったが今書も数学パズルなんかの本に近い日編集+解説多版になる
    伝記も後で調べる予定だけどアリス以外のキャロルの実情にも多く触れていて、本書も含めて多彩さと複雑さがわかる
    矛盾が気になって仕方なかった人だが、日付変更線が制定されていない時のどこで日付が変わるんだはわかる疑問
    .
    本書は上記みたいな矛盾を多数扱っているし、そこから派生してトーナメントの不公平性や賃上げ交渉の文書がある
    更に下級牧師の形で神学者でもあったので、大真面目に死後の罰はいつまで続くか考察した文なんかは面白い

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連からの派生になる。原書49年。写真家からの視点で写真の歴史の話でもある
    人見憲司+金澤淳子訳 ヘルムット・ガーンズハイム 「写真家ルイス・キャロル」を読んだ
    .
    写真の始まりが1839年。しばらく権利関係で停滞の後、1850年代より大発展した経緯を簡単に紹介
    当時の停滞した芸術の古い風潮。同時に着色・物語風・エロ・ポートレート・心霊・名刺等の写真が流行した話
    キャロルは56-80まで写真に凝っていて、写真史でも歴史に残っている。ダーウィンに協力した写真家と交流
    .
    皇太子の写真等もありキャロルの素顔。同時に忘れてはならん少女への写真。日記から写真に関する箇所を抽出
    他資料や証言等から、性的な目で少女を見てた人で無い事はわかりその裏打ち。表情が素直な写真も多く腕は良いと思う

    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連から。そんな作品数も無いしキャロルは読めるの抑える。13歳よりの詩で全作の半分を収録
    高橋康也+川崎順之助訳 ルイス・キャロル 「ルイス・キャロル詩集 原典対照」を読んだ
    .
    ダダ系に近い痙攣派やマニエリスムの文字で絵の詩など解説から19C風俗もわかる。同時にこの人が時代超えてる事も納得
    ロジカルな作り。スナーク狩りも絵は少ないが全文収録。同時にそれ以前19C半ばの言葉遊びから怪物を新奇作成した事にも繋がる
    創作論的な詩も含み発見多い。特に出典ない怪物の新規作成・カメラを使った心を読むネタ・夢オチ・失恋や裁判モチーフ多用も注目点
    .
    詩の文体と言う形での訳での表記法の他、今作は原典も収録。縦書きになるアクロスティックはここで読む方が理解もしやすい
    後の文芸作品に繋がるという観点で発見が多く、同時に先進的と改めて感心。シュール系は本来理屈に乗って崩す事もわかる

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。未公開の写真とかあるかなと思ったが良いのはだいたい他書籍でも見れる
    高橋 康也 「ヴィクトリア朝のアリスたち ルイス・キャロル写真集」を読んだ
    .
    カメラの歴史の上で個人で愛好してたこの人は重要になる。1860年代に自然な表情の写真をたくさん撮ってる
    「裸でとってもいいのよ」と本人や両親から言われても拒否してた点も、この人の後の評価として参考になると思う
    本人が気にするタイプだったとも思う。破棄したのも多い筈。また合成写真や絵画への接近も見るポイント
    .
    年とった別の人撮影のアリスの写真等も掲載。同時に同時期の写真家の写真なんかも載ってる
    暗い部分として別の人の当時の少女売春婦や乞食の写真も掲載。ここらは暗く陰残さが目立つ

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。筆者の手紙で登場する対象年齢を下げた版
    安井泉訳 ルイス・キャロル 「子供部屋のアリス」を読んだ
    .
    比較詳しくはしてないが追加要素あり。また既出分も台詞等の省略や補足など注目点多い
    読み聞かせ対象とした作りで、怖い場面も緩和。追加と思しき所など饒舌になってる部分もあり
    理屈も通った人。なので、書き直しに関してもより整理された形で、意識して提示してると思う
    .
    絵本の側面も追加で、元の版から拡大して彩色依頼もしてる。絵本としての使用も狙ってしてる
    対象年齢を下げた時の工夫や、読めない子供の事もよく考えてる事など、やっぱただ者では無い人

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。1855から1897の少女への手紙。少女からの返信分は載ってない
    高橋康也+高橋迪訳 ルイス・キャロル 「少女への手紙」を読んだ
    .
    前提としてこの人は性的には幼女見てないという知識はいるが、それでもマッチョと思う所はある
    電車で前に乗った女の子に手渡したりした他、写真を頼んだり、二通だけの男の子には姉妹の紹介頼んでる
    文章はどれもユーモアがある。返事が載ってないのは不利な点もあるがお気に入りの女の子には催促もしてる
    .
    この人の人となりを知る上では興味深い資料。この人が実生活で他人の印象や作品への考えも出てる
    性的な部分は少ない。どっちにしても機知にとんだ手紙の数々なんで面白く読める

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。不思議の国以前の1864に自分で作り、後に少数刷った不思議の国原型の珍しい本
    安井泉訳 ルイス・キャロル 「地下の国のアリス」を読んだ
    .
    筆者自身によるイラストや、自分で作った分はあり1977に確認された。アリス本人写真やイラスト経緯と実物もあり
    作品がどう完成したかを知る上で面白い。全体の作りは同じたが、チェシャ猫・お茶会は後の不思議の国から追加
    後期の作品ではロジカルな部分や、内容を更に詰めこんだ部分も増えてくる事なども参考になってくると思う
    .
    絵はまあ上手とはいい難い、後に絵の上手な人と仲良くなったのも納得。目的意識と作成過程の話も他書が参考になる
    事前に「不思議の国」読んでるのもあってわかりやすい内容になってる。身内受けのジョークは不思議では名前変えてる所あり

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。原書1865、この版は1990。注を大量につけ珍しい米国版の挿絵を使ったもの
    高山宏訳 ルイス・キャロル 「新注不思議の国のアリス」を読んだ
    .
    注は下段に表示されるので読み易い。アリスは当時の風俗からのギャグや身内ネタもあるんで理解が難しいのは当然
    不条理劇と同じだが意味を深く読む事も出来る。ただ全体の構成としてはでたらめな会話と異世界の旅が中心となる
    細かい風俗の説明があるんで帽子屋の辺りとかは納得。事前に原型の地下の国も見てるので追加分を確認しながらとなる
    .
    筆者が超ロジカルな所あるのも今作の面白い所。挿絵も特殊なんで20C初頭には仕掛け絵本や漫画に近い物があったとわかる
    単純にヘンテコな事ばかりある国の冒険譚として見てもいい。また教訓がなく夢オチで終わってる所も再確認

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。原書1887年、不思議と同じでこの版は1990。本国で合書で販売されたもので米版の挿絵も同じ
    高山宏訳 ルイス・キャロル 「新注鏡の国のアリス」を読んだ
    .
    翻訳されにくい作品とあるが納得で鏡の国は読んだ事なかった。不思議の国と同じ異世界モノだがこっちは理屈が少し通ってる
    コマをひとつづすつ進む形で順番にハンプティダンプティや双子など、キャラの濃い人たちと合って前作同様にでたらめな会話をしてく
    作者の分身と云われてる白の騎士もあるが、前作と違い構成で伏線をはってる部分もそこで理屈は通ってると思う
    .
    最後のオチもアリスの夢か猫の夢かでかなり捻ってる。こういう部分も含めて今作はもっと評価されても良い作品だと思う
    とうぜん単純に不思議な国を冒険してく話とみても問題ない。このデタラメさながら世界中にファンいるベストセラーなのも注目点

    ■ 田中明子訳 J・R・R・トールキン 「シルマリルの物語 :新版」
    ■ 山本史郎訳 ダグラス・A・アンダーソン注 J・R・R・トールキン 「ホビット-ゆきてかえりし物語-」
    ■ 杉山 洋子訳 J・R・R・トールキン 「トールキン 妖精物語の国へ」
    ■ 吉田 新一+早乙女 忠+猪熊 葉子訳 J・R・R・トールキン 「農夫ジャイルズの冒険」
    ■ 山本 史郎訳 J・R・R・トールキン 「仔犬のローヴァーの冒険」
    ■ 八木原 一恵/編訳 作者不明 「封神演義(集英社文庫)」
    ■ 石井 桃子訳 ヒルダ・ルイス 「とぶ船」
    ■ 林 容吉訳 パメラ・L・トラヴァース 「風にのってきたメアリー・ポピンズ」
    ■ 尾崎盛景訳 ゼバスティアン・ブラント「阿呆船」
    ■ 関口在男訳 ハンス・ヤーコプ・クリストッフェル・フォン・グリンメルスハウゼン
    ■ 「阿呆物語(ジンプリチムスの冒険) (関口在男著作集2-3)」

    Vol 3457(2019-10-10)
    [2019-02]
    原77→99。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    田中明子訳 J・R・R・トールキン 「シルマリルの物語 :新版」を読んだ
    .
    指輪調べた時や映画時に話は聞いていたけど、難しいとも聞いていて敬遠してた。実際は量に関してはそれほど多くない
    読み難いのは確か。トールキンの長所短所がモロに出ていて固有名詞の連発や、物語として成立しないメモレベルの文等
    雑誌社に送った手紙も付属だが相手の意向もわからないし、こういう系は自己正当化の文なんでどこまで信用かも難しい
    .
    他作の事典等も思い浮かべた。もう作者自体が死んでいるので広げようがないし、一貫性が持たせられず頓挫もわかる
    指輪の設定面補完にはなって面白いし、原語でどう書かれているかわかるのも良い。指輪好きなら読んで損は絶対ない

    [2019-02]
    原37→88。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    山本史郎訳 ダグラス・A・アンダーソン注 J・R・R・トールキン 「ホビット-ゆきてかえりし物語-」を読んだ
    .
    映画あるが一作目以降が機会無く未見になるんで新鮮かつ、他作も追加で見ているんで比較が効いてちょうど良い
    岩波文庫だと二冊分だが内容ある。本作は続編想定してない版との改訂分解説もあり、愛しい人など意味も変化する
    ホビットをおっさんにしているなど、各国ごとの挿絵も大量に載っていて比較可能。ゴクリがイメージし難い事などもわかる
    .
    東大の人間が訳で既存訳に自分なら出来るとケチつけたり、悪いキャラを河内弁にしようとしたりで相変わらずの東大ぶり
    読み難さは固有の物かとも思うが、先行作でのドラゴンへの好みや、指輪で拡大していく欲のテーマもよりわかりやすい

    [2019-02]
    原64→88。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    杉山 洋子訳 J・R・R・トールキン 「トールキン 妖精物語の国へ」を読んだ
    .
    エッセイかつ定義付けに近い。ただC・S・ルイスと仲が良かった事や、実際は狙った正当化の意見等の考慮はいる
    どういう人に影響を受けてるかの資料にもなりチェスタートンは少し意外。英国作家だからというのもあると思う
    人の心の願いをどうしようなく書きたてられたら成功や、上記引用から子供は正義を求め、大人は慈悲を求める等
    .
    ファンタジーは子供向けにすべきでない等、何かする時の正当化意見としても使われそうで肯定しにくい部分も多い
    当時で調べられる資料にも限界があったと思うし、他作でトールキンの別の側面にも触れたので参考資料になる
    [追加]
    本書はタイトルが微妙に違う物が幾つかあって、読んではいないが間違えて三冊ほど重複。調査時メモで残しておく

    [2019-02]
    原49。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    吉田 新一+早乙女 忠+猪熊 葉子訳 J・R・R・トールキン 「農夫ジャイルズの冒険」を読んだ
    .
    ホビット・指輪が有名になりすぎて顧みられなくなっているトールキンの短編他作。ユーモアがある事も注目点となる
    農夫があれよあれよという間に巨人やドラゴンを退治をし、しまいには王様になる話で凄く面白く深みまであった
    もう一本は選ばれし者の話とも言えるけど、さらに深く解釈する事や、力をどう捉えるかと言う点でもやはり面白い
    .
    あとは小品でホビットから派生した物語の中の人が作った詩等も含み、現実味を持たす上で面白い試みと思った
    指輪も後半になると余裕ある展開を見せるが普通の話も書けたんだなあと驚かされ、トールキンの別側面が見れる

    [2019-02]
    原92(26)。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    山本 史郎訳 J・R・R・トールキン 「仔犬のローヴァーの冒険」を読んだ
    .
    ホビット・指輪が有名になりすぎて顧みられなくなっているトールキンの短編他作。ユーモアがある事も注目点となる
    トールキンの作品では最初期の物となり、元々も子供に聞かせる為にした話を後に文章に起こし、何回も修正した物
    上記の影響をもっとも受けた作でもあり出版が決まっていたにも関わらず、お蔵になってそのまま忘れ去られていた
    .
    最初期の作品でまとまりにかける部分はあるが、細かい設定の積み重ねや以後見られなくユーモアが大量に含まれる
    この当時はまだ月や海の底に行く話で、同時期の他作品と比較して読むと実際は何に影響をされたかが見えてくる

    [2019-02]
    原14〜17C頃。読もうと思って後回しになっていて、その時と同じく今回も完訳版は貸出中で本書にしたが抄訳版になる
    八木原 一恵/編訳 作者不明 「封神演義(集英社文庫)」を読んだ
    .
    ちょぅど西洋ファンタジーも調べていたし、中華古典も事前に読んでいたので比較対象が増えて良い時期になった
    面白いかと聞かれると微妙な所はあるんだが、展開含めて役所すぎる世界観や、連発する固有名詞など中華らしさある
    ジャンプで漫画もあるがずっとバトルしてるは潔い。なぜ能力があるかでの仙人・宝貝・陣なんかも中華的で独自
    .
    最初と最後の項がずっとバトルに含みを与えている。作中になんでが出るがその答えだし、中華の運命・天命も肯定
    術で迷され太陰図で立ち往生とか、天誅VS個人での対運命の師弟対決、裁判の結果などシチュ的に興味深い話は多々

    [2019-02]
    原39。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    石井 桃子訳 ヒルダ・ルイス 「とぶ船」を読んだ
    .
    魔術事典で存在を知って良い機会なんで読んでみようになる。外国系のガイドでは扱われず児童文学系の評価は複雑
    概要から言うと子供が魔法の船を手に入れてあちこち旅行する話。感触としてはタイムボカンみたいネになる
    アンダースンのタイムパトロールには先行し、タイムマシンには遅れる。もう一捻り必要だが明るく幅の広い旅行になる
    .
    常になんか食べてるのも印象に残るが導入と締めの面白さや、元々が歴史小説の人でそこを活かしている所も興味ある
    美しい話かどうかは知らないが、失うと言う点で感情は揺さぶる点があると思うし、上記で発展途上の一作として面白い

    [2019-02]
    原34。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    林 容吉訳 パメラ・L・トラヴァース 「風にのってきたメアリー・ポピンズ」を読んだ
    .
    魔術事典で存在を知って良い機会なんで読んでみようになる。映画は有名だけど原作は初見でそういう意味でも興味ある
    エブリディマジックの代表作と言う事になっている。この定義付けに関しても疑問はあるが、感触としてはドラえもんに近い
    元々は演劇の人らしく、その加減なのかまとまりが意外となく、不思議な事が起きる話の繰り返しと短編集的な所もある
    .
    何を言いたいんだはあるし、なんで子供がそんなに懐くんだもあるし、もっと不思議な人ぶりを強調したら等はある
    しかしながら日常の中に不思議な存在や事件が紛れ込むと言う点では面白いし、驚きが連続する点も変化が大きい

    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連から。別書と勘違いしてたが中世の本で、ラブレー・エラスムスと似た系列
    尾崎盛景訳 ゼバスティアン・ブラント「阿呆船」を読んだ
    .
    1494-1512まで六版に渡り発行。作中でも印刷技術の発展の事の他、当時の風俗が扱われてる
    内容的には金言集の類。ただアホを例に教化の形をとってる。アホ満載船の趣向はこれ以前にも存在
    お菓子の家の怠け者の天国ネタはここでもあり。上下巻のうち上は、皮肉効いてなおかつ面白い
    .
    筆者は保守傾向の人となる。故に元ネタや根拠も聖書中心。宗教改革前だが当時の権力闘争出てる
    中世だが愚かさとや批判される行為は古今東西でも共通。同時期書籍と比較し当時の雰囲気もわかる

    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連から。1668の独作品。図書館にこれしか無く、新劇の人の訳本。ブレヒトにも影響
    関口在男訳 ハンス・ヤーコプ・クリストッフェル・フォン・グリンメルスハウゼン
    「阿呆物語(ジンプリチムスの冒険) (関口在男著作集2-3)」を読んだ
    .
    三十年戦争が背景にある珍しい作品。一言で云うとフォレストガンプ、バカが職や土地を転々として最後は成功する
    演劇の人が関与してるせいか解説も含めて低く見られがちだが、場面が次々と入れ替わり当時の風俗にも詳しい
    変転が激しく今の小説と比較すると読み難い点もあるが、所々にバカバカしい面白い場面も多く退屈させない
    .
    ファンタジー系資料なんで解説も含め風俗わかるのが良い。食事・竜騎兵の略奪・宮廷・農民・教会と広く網羅
    魔女のサバト・夢の世界という形での異界・海外と地域も豊富。解説にもある通りゲーテ等にも影響与えた教養小説のベース

    ■ 井尾祥子、当麻英子訳 ジョアナ・ストラットン 「パイオニア・ウーマン 女たちの西部開拓史」
    ■ 亀井俊介訳 マーティン・ヒルマン 「図説探検の世界史 9大西部の開拓者たち」
    ■ 清水知久訳 マーガレット・L・コイト 「合衆国の歴史 第4巻 西部開拓」
    ■ 松田幸雄訳 リチャード・M・ドーソン 「語りつがれるアメリカ」
    ■ 根本治訳 ダニエル・ホフマン 「アメリカ文学の形式とロマンス フォークロアと神話」
    ■ 原島善衛訳 コンスタンス・ルーァク 「アメリカ文学とユーモア 国民性の研究」
    ■ 広瀬 典生 「アメリカ旧南西部ユーモア文学の世界 新しい居場所を求めて」
    ■ 廣瀬典生訳 ウォルター・ブレア 「ほら話の中のアメリカ」
    ■ 大橋鎮子訳 ルイ・ラムーア 「おおフロンティア -西部開拓史物語」
    ■ 井上 一夫/訳編 「アメリカほら話」
    ■ 新井晧士訳 ビュルガー 「ほらふき男爵の冒険」

    Vol 3454(2019-09-27)
    [2016-03]
    原書1981。屋根裏から発見された開拓民の日記を編集した者。直接体験した人の記録はやっぱり面白い
    井尾祥子、当麻英子訳 ジョアナ・ストラットン 「パイオニア・ウーマン 女たちの西部開拓史」を読んだ
    .
    どんな精神で挑み、どんな生活をしていたのが凄くよく伝わる。西部が具体的にイメージ出来て凄く面白い
    物語と違って実際の西部は危険だらけ。イナゴ等の災害の凄まじさや、荒野で暮らすのが実際どうかよくわかる
    先住民との交流の記録も良い。勝手に侵入してごはん食べたり、嫁さんにされたり。まるで妖怪と出会った人の記録の様
    .
    ロングホーンが土地蹂躙。無法者が馬泥棒。要塞への避難。西部劇でお馴染みの状況も、実際の体験談で見ると分かり易い
    19Cの人達の生活やどんな文化で過ごしたかの記録にもなってる。苦労して開拓したので米人がタフなのも納得

    [2016-03]
    大判で分類的には児童向けの本になると思う。ただ自分が知りたかったアメリカ最初の発展の様子はよくわかった
    亀井俊介訳 マーティン・ヒルマン 「図説探検の世界史 9大西部の開拓者たち」を読んだ
    .
    図版は当然の事ながら豊富。ステップが何段かあって、西欧諸国との戦いや国内での西欧勢力も重大事項になるのねと
    今と領土の変化が違うからわかり難い。アラモの戦いなど。米は潜在的にスペイン領メキシコを敵視してる部分もあるんかなと
    探検の歴史とあるだけあって、まずは米大陸把握の探検から始まる。昔は知識もいい加減で米中央は砂漠と思われてた
    .
    毛皮商人が先陣を切ってる。平和外交の場合もあるが、知っての通り先住民との歴史は最悪の結果。ここは米歴史の泣き所
    今のイメージで考えてしまうが、何もない所から歴史作ったんだなあと。歴史の浅さと共に少し前までは未開の地だったのも驚く所

    [2016-03]
    開拓民の一般生活みたいなのを期待してたが、少し真面目な本で、思想や政治の話を扱ってる所ある
    清水知久訳 マーガレット・L・コイト 「合衆国の歴史 第4巻 西部開拓」を読んだ
    .
    移民が近世から始まってるんで、街並みのスケッチの衣装もそれに似た所ある。米西部に進出してく所がキモ
    欧州との対立や議会内での対立の話も扱ってる。新天地なんで革新的な考えの人集まる。ブルマは女性解放運動からも豆知識
    技術の発展と同時進行なのも面白い。政治の道具として新聞の風刺画。ジムや読書が流行したなどの文化普及
    .
    米国内でのスペイン領メキシコとの戦いの話も大きく割かれている。死守したアラモの戦いは向こうの人にとって大事なんだなと
    荒野を行かねばならないといけないので、なんでも出来ないと駄目などタフ。今も通じる米の意識みたいのも見えてくる

    [2016-03]
    ファンタジーからの派生。原書1973。最近に属する本。内容量も多くて読み甲斐あった
    松田幸雄訳 リチャード・M・ドーソン 「語りつがれるアメリカ」を読んだ
    .
    開拓初期・開拓から60年代・60年代以降までとかなり広範囲で扱い。参照資料も多い
    文化英雄はその時代の価値観が反映される事。また過酷な移民等の現実に対抗する手段ともわかる
    カウボーイなど開拓後の職業に関する口伝も沢山拾ってる。労働歌や犯罪・現実の事件からも発展
    .
    60年代後は一気に犯罪臭が増して麻薬や暴走族の話など。どういう人が英雄になるかで国民性出る
    扱ってる範囲が広く通してのまとまりは薄いが面白い。それ以前の伝承上の類似も含め、人間の普遍性も出る

    [2016-03]
    ファンタジーからの派生。原書1961。ほら話から今に至る流れ探る為。更に大きな物見えそう
    根本治訳 ダニエル・ホフマン 「アメリカ文学の形式とロマンス フォークロアと神話」を読んだ
    .
    人類学者等で無く詩人。故に歴史変遷から俯瞰するで無く、作家個人に焦点を絞る面が強い
    本命で無い最初の文化からの分析が過去の資料を総覧し、読み易く面白い。ここが19Cのほら話まとめ
    扱ってる作家はホーソーン・メルヴィル・トウェインの三点。深読みし過ぎと思う点もある程突っ込んでる
    .
    批評家の立場になり他人の批判部分も強いが、日本と違うので相手の意見もまとめたよみやすい文になってる
    最初の章の神話や文化からの分析はアメリカ人論ともなる。文芸はその時代の理想と現実を反映してるんだなあと

    [2016-03]
    ファンタジーからの派生。原書1931。リアルタイムでアメリカ文学の成り立ちを見た世代でもある
    原島善衛訳 コンスタンス・ルーァク 「アメリカ文学とユーモア 国民性の研究」を読んだ
    .
    民族学者に近い。他書でもこの人は分析の鋭さを重視し、取り上げられ興味は深かった
    内容はキツイ所多い。文化のまさに中心にいたせいで俯瞰にならず、解説も不十分な所がある
    着想は良い。この時代にユーモアと国民性の関連を見抜いてる。他文化の例も挙げれば説得力も出た
    .
    他書とも比較して移民当初の口承文芸の鉄板キャラも限られてくる。それが米人の理想の存在ともいえる
    更に比較からそこから文芸への移行と現代の娯楽の流れもある。大衆と文芸が一緒は新しい国の米ならでは

    [2016-03]
    ファンタジーからの派生。02刊。日本の本なんで読み易い筈ではあるんだが、キツイ所はあった
    広瀬 典生 「アメリカ旧南西部ユーモア文学の世界 新しい居場所を求めて」を読んだ
    .
    旧南西部限定となる。更にユーモア=交流の道具に使われたを前提としたため逆に視野が狭まってる
    法学部の教授で米国担当とちょっと特殊な先生ではある。なので焦点の絞り方も交渉とかになるんかなと
    訳から辿った先生。参照資料も多く文の抜粋もあるので資料にはなる。ただまとめ推論としては弱い所もある
    .
    求めてたのとはちょっと違う本だったという印象。まあスポットを絞って研究したのは狙いとしては良い
    こういうのも詳しく調べると広範囲に渡るので、どこに焦点置くか難しい所はある

    [2016-03]
    原書1944。外国の物で詳しいかなと思ったが、訳者の解説の方が詳しかった
    廣瀬典生訳 ウォルター・ブレア 「ほら話の中のアメリカ」を読んだ
    .
    開拓時代の作品を中心に集めてる。別書では分析もあるみたいだが、今書では内容の紹介のみ
    開拓の必要があった事から、当時のヤンキーの規範や理想みたいのが作品によく反映されている
    ホースセンスとグッドセンス。ここらは今の米作品にもよく反映されてる。そこから波及し日本にも及ぶ
    .
    米は歴史の浅い国だが土地からの影響は受けるなあと。黒人と先住民の価値観の記録もあると良かった
    口頭伝承の中でも最新の形に近いが、記録が遅い日本より伝統もあるかも。今と付きあわせ考えた

    [2016-03]
    原書1962。ファンタジー扱ってる関連からの派生で昔の米の生活探ってる。記録文学かと思ってた。
    大橋鎮子訳 ルイ・ラムーア 「おおフロンティア -西部開拓史物語」を読んだ
    .
    実際は小説。三代の歴史を扱ってるのでバカみたいなスピード展開になってる。昔は荒くれ物だらけともわかる
    暮らしの手帳の本なんて珍しくあまり読まない分類。巻末の他書紹介の文が妙にわかりやすぎて可愛らしく感じた
    筆者は西部劇小説も書いてる人とある。ここらの感覚は日本ではなかなかわかり難いが、向こうの時代劇とも言える
    .
    歴史は若いけど変化は急なんで、世代を繰り越しす話も米だと上手くいく。戦争などイベントも豊富
    ポニーエクスプレスで手紙の配達業考えるも列車の登場でダメになった逸話なんかは面白かった。まあ小説の話

    [2016-03]
    編1962。今はあまり流行ってないがユーモア小説の全集の中の一冊
    井上 一夫/訳編 「アメリカほら話」を読んだ
    .
    貸出で頁欠落ありで肝心な部分が抜けてたり、発出の年代も不明で研究向きでは無い
    アメ公の心象の把握と、それ以前の文芸と今の繋がり調べるのが目的。だが話の把握のみ
    宇宙に行く話なんかもあるが、年代不明だと厳しい。元々喜劇も先行してあるので、そこらも影響ありそう
    .
    トウェインもあるがブラッドベリもあり、新しい話とわかる。型は口語で大げさに語ってく方式
    風俗描写もあるが、時代性もいつ作られたかわからないと不明。ただ収録数は短編で多い

    [2016-03]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1696。19Cのドレ挿絵付きでイラスト豊富
    新井晧士訳 ビュルガー 「ほらふき男爵の冒険」を読んだ
    .
    ユートピア文学調べてた時で発見多。今作は時間・宇宙旅行もするし、超人的な人達も出てくる
    17Cに独でおもしろ文庫が出てそこからネタ流用してるし、シェークスピアが当時どう評価されたかもわかる
    それ以前それ以後の中間的な要素は多数ある。気球に乗る話なんかは時代性出てる
    .
    一流の物が基本残るが庶民の楽しんだ物見つけると発見多い。ゲーテはそこから独文学組み立ててる
    単純に話だけ見ても今でも大丈夫。イラストと共に現代の長々しい17Cバロック調タイトルも今と通ずる

    ■ 阿部知二他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 1」
    ■ 大西尹明他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 2」
    ■ 田中西二郎他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 3」
    ■ 丸谷才一他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 4」
    ■ 加島祥三訳 エドガー・アラン・ポー 「ポー詩集 対訳」
    ■ 伊藤典夫訳 サミュエル・R・ディレイニー 「アインシュタイン交点」
    ■ 岡部宏之訳 サミュエル・R・ディレイニー 「バベル-17」
    ■ 和爾桃子訳 キャサリン・アディスン 「エルフ皇帝の後継者(The Goblin Emperor)」
    ■ 冨原眞弓訳 カリン・ボイェ 「カロカイン 国家と密告の自白剤」
    ■ 塚本淳二訳 オーソン・スコット・カード 「死者の代弁者」

    Vol 3452(2019-09-20)
    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。ラヴクラフト調査からの派生。どちみち色々な元祖で影響力もでかく調べたかった人
    阿部知二他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 1」を読んだ
    .
    1833-40の短編を収録。ポーは批評家・不遇・偉大さ・古臭さ・カルト・変態など色々と含んでる作家
    前知識で読み難いと聞たが、そこまでヒドく無い。ただ延々解説や新聞記事で前時代的と時代は感じさせる
    気球旅行して月に行く話が目をひく。SFの元祖とも言われるが他から借用。似た系列や月旅行も先行作が存在
    .
    作家としての技量は一行目で目をひいてグイグイ読ませる文でわかる。話の種類も元ネタある可能性はあるが豊富
    これ以前の文芸の資料が忘れられたりしてる点からも重要作家とはわかる。それほど苦では無い調べ物になりそう

    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。解説にボードレール。中編の重要作ゴードンピム収録の37-40の作。
    大西尹明他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 2」を読んだ
    .
    短編の出だしの良さや作品の幅の広さや文体や独自性もあるが、ポオはパクリも多い作家になってしまう
    ゴードンピムもそれ以前の航海からの紀行文の丸取りや、内容的にもロビンソンクルーソーの真似な部分がある
    所々や最後のホラー展開など、悪い点を上回る所があるのも事実。またテケリ・リの初出がここなのもポイント
    .
    ラヴクラフトへの影響やそれ以前の作品のまとめ・当時の小説の形成等の意味でも、読んでて発見ある作家
    SFの歴史にもこの人は入ってて、それ以前からの影響はあるにせよ独自の文字やジャーナリズム風物語もある

    ファンタジー扱ってる関連から。1841-44の作。胡散臭い催眠療法など当時の風俗が記録されてる点も注目点
    田中西二郎他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 3」を読んだ
    .
    今回も解説は手厳しい。この人はパクリが多いので他人のパクリに対しても攻撃的で病んだ面が多い人とわかる
    今作にはモルグ街も収録。探偵小説の元祖。流れ的には新聞の犯罪記事から発展していったといった所と思う
    生きたまま埋葬される事への怖れ・13歳の嫁さんの早すぎる死・酒浸りなど、本人の性格が作品にそのまま反映
    .
    その一方で自己治癒的なユートピアを描いた作品もある。元ネタがあるとは思うか手数の豊富な作家
    どれも短編で出だしも強い所があるので、文の古さなど読み難い点を差し引いても面白い所はあると思う

    ファンタジー扱ってる関連から。今巻は解説が江戸川乱歩、海を越えた弟子といってもよく良い解説になってる
    丸谷才一他訳 エドガー・アラン・ポー「ポオ小説全集 4」を読んだ
    .
    1843-44の作を収録。小説全集で大鴉なんかの詩が入ってないのでこれは後で補完しとく予定
    今巻もバリエーション豊かで哲学書風・エッセイ風・千夜一夜継承・暗号解読読者投稿パズルと盛り沢山
    パクリと本人の性格のせいで損してしまってる部分が多すぎる。評価も元ネタあると思うと迷ってしまう所ある
    .
    乱歩自身の推理マニアの考察とポオの推理作家の面の強調は納得。ホラーの才能の面も含め本当に惜しい作家
    現代にジャンル作ってる文芸の原点ともいえる人だが、同時に過去と同時代の文芸のパクリという面で分岐点な作家

    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。図書館ですぐ貸し出せるのがコレしか無かった。抜粋になる
    加島祥三訳 エドガー・アラン・ポー 「ポー詩集 対訳」を読んだ
    .
    解説が庇い立てしてて、ラヴクラフトとか同じだなと。受け取り手によって評価の変わる作家
    要は代表作の大鴉を読みたかった。これに限らずこの人は若すぎる嫁の死がトラウマな事がわかる
    怖いかどうかは疑問も残るし、海外の詩の訳ということでハンデはある。だが内容は理解できる
    .
    解説にもあるがコーランと天井の事を歌った詩は何故か心を打つ。ここらの理由と日本限定なのかは面白い点
    解説は詩の分析に否定的だが、音楽は理論もあるし解析は可能と思う。詩人としてのポーの面が知れた

    [2018-08]
    原67。賞を取っているもあるがガイドにした本でも評価ある点から。先にバベル-17を読んでいるので比較もしやすい
    伊藤典夫訳 サミュエル・R・ディレイニー 「アインシュタイン交点」を読んだ
    .
    書庫から出て来て表紙見た所で大昔に読んだ事あるの思い出した。あとがきで訳者が迷い日95まで出なかったとわかる
    文学的に価値はあるかもしれないけど面白くはないであっていると思う。話自体は冒険譚にも近いんでわかりやすくはある
    要は向こうの当時の文学界も含めた流行要素を取り込んでいるが長所短所になる。ビートルズが伝説化している未来世界
    .
    笛になる蛮刀とか読んでいて思い出した。上記もあり引用リストが巻末に付くが、推薦者コメントで不審な点もあるとなる
    日だとエヴァとか出た時期で出そうと言う気になったのもあるかも。他にも本はある作家だが日では続かなかった

    [2018-08]
    原66。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。図書館の魔法で上がっていて読んでなくて気にもなってた
    岡部宏之訳 サミュエル・R・ディレイニー 「バベル-17」を読んだ
    .
    日版だと美人のねーちゃん表紙で印象深いが、海外版でも女の子表紙で内容的にも女の子が謎原語を解読する話
    影なき狙撃者が59なんでネタ的には後出しになるが、事件より暗号解読が最初に来て後のSTボーグ的解釈もSF的
    謎で強烈に引っ張って事件が動きまくる話で無いのは惜しい点だが、そうしようと試した点や女の子主役は評価点
    .
    黒人・詩人・ミュージシャン・ゲイとか作者履歴が特殊過ぎる。ただ今作でも言語への注目や女性主人公と反映されてる
    最後も謎を残す様な切り方は上手いと思う。前述通りだが魅力的な側面も強く賞や歴史に残ってるのも納得はいく

    [2018-08]
    原14。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。微妙な解説者が褒める作はだいたい危ない
    和爾桃子訳 キャサリン・アディスン 「エルフ皇帝の後継者(The Goblin Emperor)」を読んだ
    .
    普通に辛い出来。類例で評価された作はあるんで、国によって面白がるファンタジーが違ってくるのがわかる
    向こうは宮廷陰謀劇みたいなのを好み今作もそういう出来。また固有名詞連発も類例ありSF関係者好むとわかる
    今作を良しとする価値観の延長線と考えると、SW外伝系列で多かった惜しい作品群がなぜ好まれたかも見えてくる
    .
    ここまでするなら政治劇全振りにした方が良かったと思うし、おそらく解説とは異なり政治的な意図も実際あると思う
    新しいエルフ・ゴブリンイメージの筈がスベって、単に単語で楽しただけみたいに見えるのもマイナス点で難しい作

    [2018-08]
    原1940。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。SFではなくみすずの出版で寓話的とも言える作
    冨原眞弓訳 カリン・ボイェ 「カロカイン 国家と密告の自白剤」を読んだ
    .
    直前に読んだ最新の賞作品が微妙で駄目かなと思ってたけど、クラシック作品の賞はレベル高く時代性は重要
    タイトル通りになる。自白剤というギミックの使い方が秀逸で、内容的にも文量的にも少ないにも関わらず濃い
    時代背景も戦争期間中と切羽詰まっているのも深刻感がある。カロカインはカフェインとコカインの造語でここも時代
    .
    ウソがつけなくなるって設定だけで何を言い出すんだで驚ける。人物の奥深くまで簡単に出せる点でも上手い
    最初の自白は不安、二番目の自白は狂気、最後の自白は実害と驚ける。読んでみて良かった一冊

    [2018-09]
    原86。受賞作からピンポイトで面白い作を読もうの延長だが、大昔に買って挫折放置してた一冊でちょっと特殊
    塚本淳二訳 オーソン・スコット・カード 「死者の代弁者」を読んだ
    .
    映画にもなったエンダーのゲームの続編で上記かつ別種の話。面白いけど辛い部分の方が多く昔は無理だったんだなと
    訳は二冊分だが入れてる要素が多く、エンダーが主役になるのも中盤以降で、話が進むのも同じくらいと厳しい所がある
    エンダー物だとサブキャラ視点の作もありそっちも以前読んでる。そっちは読み易いけど逆に軽すぎてバランスが難しい
    .
    人類学的ファーストコンタクト+刑事物から外交官物と移行してく様な作りで、アイデアも面白いけど混乱し詰め込み過ぎ
    台詞も所々で光り、危機から解決も良いけど薦めにくい。無視できない程内容にも関与し偉大すぎる作の続編は大変

    ■ 榊原 晃三訳 モーリス・ルブラン「怪盗ルパン」「ルパン対ホームズ」
    ■ 中田耕治訳 バロネス・オルツィ(オークシイ)「紅はこべ」
    ■ 井上勇訳 アンソニー・ホープ 「世界大ロマン全集 43 ゼンダ城の虜」
    ■ 犬飼和雄訳 ジェイムズ・フェニモア・クーパー 「モヒカン族の最後」
    ■ 井上一夫訳 ジョンストン・マッカレー 「快傑ゾロ」
    ■ 内田 昌之訳 チャイナ・ミエヴィル「言語都市」
    ■ 浅倉 久志訳 フランシス・ポール・ウィルソン 「ホログラム街の女」
    ■ 友枝 康子訳 デイヴィッド・ブリン 「グローリー・シーズン」
    ■ 小木曽 絢子訳 ロイス・マクマスター ビジョルド 「ミラー・ダンス」

    Vol 3450(2019-09-13)
    [2019-02]
    原1907・08。ファンタジー調査から。機会を見つけてやっとファンタジー書籍提出。更に良い機会だからの追加分になる
    榊原 晃三訳 モーリス・ルブラン「怪盗ルパン」「ルパン対ホームズ」を読んだ
    .
    厳密にはファンタジーでは無いが、棚で資料を見つけていたらあって、読んだ事なかったんで良い機会と手に取った
    昔の作品かつ仏の作品なんで、手品だけ見せられて種明かしが無いと言うもやもやした物が残ってしまう所はある
    上記のもやもやの長所でキャラが凄く濃い。仏だと警察小説になる探偵小説はもちろん、悪漢小説にも重なる筈
    .
    早い段階でVSホームズになるが無許可で出版時は別タイトル。別物だけどキャラは凄く濃く出て、実に興味深い
    当時ヒットした別小説と同等の魅力を放っていて荒はあっても捨てがたい。三世へのネタの流用も探すと面白い

    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連から。1905刊。大沸次郎「鞍馬天狗」他、別作が半七にも影響与えた
    中田耕治訳 バロネス・オルツィ(オークシイ)「紅はこべ」を読んだ
    .
    作者は安楽椅子探偵物を創設した人。てな訳で義賊の紅はこべの話ながらミステリー色の方が強い
    20C初頭娯楽作調査は発見多い。普段は道化演じてる英雄、主役女性がその謎を追い、信頼するのが結末
    シリーズ化してるが訳無く、忘れられた名作。実際話として隙はある。革命から貴族を逃がす話で英仏対立も背景
    .
    原点に近い話は弱点はあっても、原型がよく出てる。先例はあるが、二面性ある英雄は現代にも繋がる
    18C末の設定だが、情景描写なんかも面白いと思う。女性作家で履歴や業績も面白く、なかなか興味深い

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。原書1894年刊。日本での刊行は1929の抄訳版が初
    井上勇訳 アンソニー・ホープ 「世界大ロマン全集 43 ゼンダ城の虜」を読んだ
    .
    これは58年刊、ただこれもいくらか省略した形とある。1・2部の構成になる
    まんが道でこれの漫画版描く話が出てくる。名前は知ってるけど完全版は読んだ事ない本
    ファンタジーやSFの系譜にも繋がる冒険活劇。冒頭の「いつ仕事するの?」台詞からもう粋
    .
    キャラの魅力重視で二部は敵役のルパート全プッシュ。入れ替わり系の話といえる
    バッドエンドで展開的には1部だけで良かったかなという所もあるが、一人称など発見多い

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。原書1826と19C初頭、シェリー夫人と同期。ロマン主義系作品という括り
    犬飼和雄訳 ジェイムズ・フェニモア・クーパー 「モヒカン族の最後」を読んだ
    .
    モンロー大統領の頃の作だが設定は1755年ころ、新天地での英仏戦争とインディアン
    文はわかりやすくキャラは立ち主張もはっきり。小説として見ても今でも十分いける
    もうこの頃には宗教に関しては懐疑、自然を重視。坊さんキャラとの対立部は面白い
    .
    悲劇的な所もあるが力強い。文芸ではあるがインディアンに敬意をはらってる部分もある
    ゆえに一方的な話にはなってないと思う。サバイバルに近い戦闘もワクワクさせる

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。原書1920年で最近の本ともいえる。知ってる様で知らない本
    井上一夫訳 ジョンストン・マッカレー 「快傑ゾロ」を読んだ
    .
    映画が過去にたくさん作られてるが大昔が大半。知ってても実感湧きにくいヒーローといえる
    ただ発展の意味から考えると興味深い。正体を隠して、めっぽう強いと今も同系統はいる
    内容的にいうとかなり面白い。その魅力はゾロのキャラ。気取ってるけど愛嬌が凄くある
    .
    スペインの話かなと思ったらまだ18Cのカリフォルニアが舞台。無国籍感あるなぁと
    正体のオチに関しても上手くまとめてる。ハッピーエンドなんで気楽に読める娯楽作

    [2019-09]
    原11。ファンタジー調査から派生。ちょうどサイトに上げていた時期で、最近の作かつローカス賞と言う事で読んで来た
    内田 昌之訳 チャイナ・ミエヴィル「言語都市」を読んだ
    .
    インド調査でインドや宗教を延々と調べている時期に読んだのは間が悪かったし、解説でも難しいとあり仕方ないかなと
    結論から言うと糞つまらなかった。上記で練り不足が目だち、作りも含め言いたい事の実態が上手く伝わっていない
    アイデア自体や趣旨は興味深く、SF系列が好みそうな文化人類学的ファーストコンタクトと、接触による世界崩壊の話
    .
    嘘が存在しない世界はどうなるのかと、その世界にどう接触法やどういう文化があるのかと、神を持ち込むとどうなるか
    ある意味、寛容とか融和とか対話とかの有難がられる概念にねーよとツッコミを入れてるとも言えて、写実はそうなるわなと

    [2019-09]
    原89。ファンタジー調査から派生。ちょうどサイトに上げていた時期で、直前にブレードランナーの続編映画見てたのも機会
    浅倉 久志訳 フランシス・ポール・ウィルソン 「ホログラム街の女」を読んだ
    .
    原題はダィディータウンワールドで中編で発表をまとめた物かつ、賞も取っていてSF関係者は賞で宣伝をしやすいんだなと
    日タイトルは良さげだが内容と一致していなくて、クローンをネタにして現代の犯罪をSFに置き換えたと言うのが正しい
    筆者の代表作は吸血鬼物のザ・キープかつ生化学系ネタが好きみたいで、クローンや犯罪に注目したのは個性の部分
    .
    当時ブレードランナー系の探偵物が流行したともわかり、90年代クローン物の前段階・それ以前の探偵物との違いわかる
    直前に読んでいた物にも近くまたも救世主系の神ものに近いが、主人公が謎を解きこっそり女を助けてやるのは良い結末

    [2019-09]
    原93。ファンタジー調査から派生。ちょうどサイトに上げていた時期で、同作者の無かった別作読みたかんで代打で
    友枝 康子訳 デイヴィッド・ブリン 「グローリー・シーズン」を読んだ
    .
    長い筆者あとがきで言いたい事を補完していて、それが無いと何を言いたいか分からないと言う事は失敗作とも言える
    内容的にも置き換えが上手く行ってないので練り不足とも言えるが、実験としてや意図した事という点では正解している
    政治的な主張がついつい出てしまうのも上記だが、補完のあとがきが悪いとも言えて、言いたい事ははっきりしている
    .
    と言う訳でクローンで女だけの星になった世界に普通の生殖で生まれた子が、外の世界に行って恋愛したり疑問もつ話
    バックグラウンドのクローン惑星の話を独立分離させれば良かったのにだが、世界を描きたかったなら意図は出たかなと

    [2019-09]
    原94。ファンタジー調査から派生。ちょうどサイトに上げていた時期で、ヒューゴ賞かつローカス賞と狙い的にも良い
    小木曽 絢子訳 ロイス・マクマスター ビジョルド 「ミラー・ダンス」を読んだ
    .
    賞ものは意外とつまらなくてどうかなと思ったが、多少は問題点はあるとはいえ普通に娯楽作していて読んで良かった作
    本作はシリーズ物の一つだが賞が取れてしまい、更に筆者は何度もヒューゴ賞を取っているなどどうにも背景が見えて来た
    上記でシリーズ物だが独立しているとも言え、本来の主人公が死にクローンが活躍する二作目で当時のアメコミとも類似
    .
    クローン脳移植ビジネスを受け入れてしまった女の子はどうなんの!?とかあるが、同じで違う人の自分探しとも言える
    クローン物でまとめて読んでいてSWのクローン兵が凄く洗練されたネタだったとわかるし、兄弟・別人格と見る過程にも納得

    ■ 内田昌之訳 ロバート・J.ソウヤー 「フラッシュフォワード」
    ■ 矢野徹訳 ウィルスン・タッカー 「長く大いなる沈黙」
    ■ 田中小実昌訳 リチャード・マシスン 「地球最後の男」
    ■ 小野寺健訳 モルデカイ・ロシュワルト 「レベル・セブン」
    ■ 北川和代訳 フランク・シェッツィング 「深海のYrr」
    ■ 谷 甲州 「パンドラ」
    ■ 永井淳訳夢見る宝石(1950)/小笠原豊樹訳雷鳴と薔薇(不明40年代後半)
       稲葉昭雄訳火星人ゴーホーム(1955)/南山宏訳みみず天使(50年代)
       「世界SF全集 16 スタージョン ブラウン」
    ■ 井上勇訳 シオドー(シオドア)・スタージョン 「原子力潜水艦シービュー号」
    ■ 大西尹明訳 レイ・ブラッドベリ 「ウは宇宙船のウ」
    ■ 井上一夫+川口正吉訳 エドワード・E・スミス
       「世界SF全集 7 スミス(銀河パトロール(レンズマン)+宇宙のスカイラーク)」

    Vol 3448(2019-09-06)
    [2016-09]
    パニック小説調査から。原書1999。パニック物と言うより予言者なんかにも近い。人類全員が一瞬だけ未来を見てしまう話
    内田昌之訳 ロバート・J.ソウヤー 「フラッシュフォワード」を読んだ
    .
    この作者初めてだが、ミステリー要素もあるとの解説に納得。TVドラマ化もされたらしく未来の殺人回避にも紛争する話
    パニック物として見ると小ぶりだが、未来とは運命とは何ぞやで身は詰まってる。昔からある人の迷うテーマでもある
    SF小説でもあるんで、細かい部分の設定も凝り、主役に当たる人物も科学者。最後らへんのぶっとばし方もSFしてる
    .
    パニック物は作者の思想が前にでる作品も多く、思想的な部分があんま無いのも良い。実質的な話は最初と最後だけとも
    予言をどう捉えるかの部分でSF作家がこれもありとするのは面白い。小ぶりではあるが興味深く読めた一冊

    [2016-09]
    パニック小説調査から。原書1952。資料無かったが、大地は永遠に1949。渚にては57年と初期のそれ破滅系作品
    矢野徹訳 ウィルスン・タッカー 「長く大いなる沈黙」を読んだ
    .
    細菌兵器での人類殲滅。立ち位置的には戦後初期の作。それ以前のペスト物や、戦争後の無人地帯を連想させる描写
    あとがきにも甘さが感じられるとあるが実際その通り。ただ戦争直後の何もない世界を思わせ、当時の状況は出てる
    勝った海外と負けた日本では感覚が違うのも発見。こういうのも順を追って、現実を反映しつつ発展していってる事がわかる
    .
    突っ込み所多いのは前述で現実を見てると、描写の甘さも気になり、、現実味が重要な要因になるのも発見
    武器よさらばが29年なんで、そこらから見ても甘いかなあと。勝利に沸く米の呑気な時代ともいえる中での意味もあるかも

    [2016-09]
    パニック小説調査から。原書1954。今ならI am Legendでも通る。籠城物は先例あると思うが、籠城ゾンビ物の重要作
    田中小実昌訳 リチャード・マシスン 「地球最後の男」を読んだ
    .
    今見ても全然OKな面白さ。あらゆる作の元ネタと言われるが、原作読むと映画も含めた派生が大きく変えてるとわかる
    迫るゾンビの如き吸血鬼の恐怖よりも、取り残され精神的に追い詰められていく話。ENDも派生作で色々と違う
    これより前のビクトリア期の作品も考えると面白い。タイトルが効いてくるオチもそれに近い。吸血鬼もよく考えりゃ19C風
    .
    追い詰められた状態で主人公が内省する台詞も結構鋭い。吸血鬼とは何かを理屈だって考えた作としても先進的だと思う
    人間以上なんかもこの時期。心の内に入り始める傾向が現れ出た時期なのかも。今読んでも面白い、間違いのない傑作

    [2016-09]
    パニック小説調査から。原書1959。今は無きサンリオSF文庫。名作なんで、今読み難いのも含め勿体ない作
    小野寺健訳 モルデカイ・ロシュワルト 「レベル・セブン」を読んだ
    .
    日記形式。なので全体で読むと辛い部分が多い。先行例としてチャペックのロボットの一部屋で世界破滅を知るもある
    核戦争勃発と人類終了を、地下壕で最後に死ぬボタン押し兵士で描いた話。淡々とした性格設定にしたのも良い
    名前も無く番号のキャラなのも渋い。日記形式で主人公の視点のみだが、順々に駄目になってく様が現実的で凄く良い
    .
    感情を揺さぶる事項は外で発生だが、それ故に主人公の淡々さが活きる。世界破滅に遭遇した一兵なら逆にそうだろうと
    ラッセルとかノーベル賞受賞者の賞賛の言葉つき。巻末のサンリオSF文庫既刊案内と共に何かが消えてくのは悲しい話

    [2016-09]
    パニック小説調査から。原書04。珍しい独のベストセラー本。独人が実際はどういう視点なのかもわかる
    北川和代訳 フランク・シェッツィング 「深海のYrr上中下」を読んだ
    .
    海にまつわるパニックの波状攻撃。上中下だが、異変→推察→攻撃と上手く構成されてる
    ハリウッド映画的な作りでは無い。また作者の思想も反映。日は嫌いで捕鯨反対のお人みたい
    上記的な結末になるが、引用に映画をよく使ったりと工夫。山椒魚戦争っぽくもある
    .
    描写も思想的な物も含むが緻密で、ハードSFといってもOKと思う。パニックも驚く展開をみせる
    人物も混血キャラの葛藤や神話との関連と面白い。独は長編小説好きらしく、その部分でも発見

    [2016-09]
    パニック小説調査から。01-04連載。動物が突然暴れ出し、その原因は宇宙と言うハードSF作家の本
    谷 甲州 「パンドラ 上下」を読んだ
    .
    自分あまり日の小説は読まないんだが、その理由がわかった。これもハリウッド映画的な作りでは無い
    混乱からの対立は定番。作者思想も作品内によく反映されてる。対立でムーン・プールの価値を再確認
    文章は読み易い。あとがきにもあるがファーストコンタクトの話でもある。パニック物は着地も難しいねと
    .
    難しいのは災害に誰が立ち向かうのかという点もある。日本作家はミリタリー好き多いが、それもそうだと
    描写は緻密。前述で派手になる所も抑えてるが、日本の伝統的な作りの感はある。話の飛ばし方も参考になる

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。月報も資料になる。日本SFは小説より技術書重視の人が発起してるのねと
    永井淳訳夢見る宝石(1950)/小笠原豊樹訳雷鳴と薔薇(不明40年代後半)
    稲葉昭雄訳火星人ゴーホーム(1955)/南山宏訳みみず天使(50年代)
    「世界SF全集 16 スタージョン ブラウン」を読んだ
    .
    評価が国によって違う。海外のSF大百科も参照してるが、ブラウンの方は項無し。メタ系話は日本人好み
    スタージョンは海外で尊敬されてる。STのポンファーの人でもお馴染み。本気出してる作品の一つとも云える
    コピーを発生させる宝石と、世界大戦後の決断の短編。人間以上も先に読んでるが、ミニマムでありながら広い
    .
    ブラウンの方は逆に拡大させた後にあとがきで収束する話。TNGのQっぽくもある。共に台詞にキレの良い所は存在する
    昔の作品で、共に完璧で無い部分や弱点もあるがアイデアや思想は先進的。再読も含むが時代背景も考え発見ある

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1961訳1965。まだスタージョンが日本で知られてない頃の訳っぽい
    井上勇訳 シオドー(シオドア)・スタージョン 「原子力潜水艦シービュー号」を読んだ
    .
    検索かけてエッ?となった一本。ただSTのポンファーも書いてるので不思議では無い。本業の方からすると意外
    最初のこの人の紹介はここから。日本での評価は低いのかもしれない。映画→小説→TV版の流れと解説にある
    展開的には無理もある。ネタ的にも50年ぐらい古い。TV版前提なんで話も整理されてない。でもスタージョンで価値がある
    .
    作家らしさが発揮されてる部分は船長の邪悪な所もある意志と、正体不明の神にも近い生物学者の存在
    こういう仕事してたのも驚きだし、本来の作家らしくない広大な話の広げ方から潜水艦内展開の縮尺さなどは面白い点

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書は1962。だが短編集なんで50-60年代あたりの作と思う
    大西尹明訳 レイ・ブラッドベリ 「ウは宇宙船のウ」を読んだ
    .
    タイトル有名な表題作の他、ゴジラ以前の怪獣映画の元になった霧笛なんかも収録
    訳がSF畑の人では無いので解説の視点もユニーク。回転の運動を文によく取り込む作家
    この人の有名作では華氏四五一度なんかもあるが、それと似た作家の亡霊やタイムマシンの話もある
    .
    古代の恐竜狩りの話はF先生思い出した。趣味も似てるが、逆にこの人の影響力が流れを決めたとも見れる
    日本では崇拝に近い様な人気はあると思う。代表作も含め、訴える思想的な面も強い

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書は1928+1937。この全集は1970で月報と野田昌宏解説付き
    井上一夫+川口正吉訳 エドワード・E・スミス
    「世界SF全集 7 スミス(銀河パトロール(レンズマン)+宇宙のスカイラーク)」を読んだ
    .
    昔のスペオペの基本の型を確立させた人。それ以前のSFから今のSFへの移行が比較でばっちりわかる
    月報も興味深い。SF漫画とスペオペ物を否定してる。今も続く、日本SF関係者の問題の根源が理解出来た
    基本の型であるのでストレートにわかりやすい。セリフがキレキレ。設定への凝りようも、それ以前からSFの変換わかる
    .
    スタートレックとかもこの型かと納得。同時にメロドラマ要素や、他作家とも重なる当時の共作作品の標準さも納得
    それ以前の作との比較で怪物など継承してる所や、同時期の作からのわかりやすい影響など、根源ならではでわかりやすい

    ■ 冨永星訳 テリー・プラチェット 「天才ネコモーリスとその仲間たち」
    ■ 冨永星訳 テリー・プラチェット 「魔女になりたいティファニーと奇妙な仲間たち」
    ■ 水越真麻訳 キャサリン・M・ヴァレンテ 「宝石の筏で妖精国を旅した少女」
    ■ 中原 尚哉訳 アレステア・レナルズ 「啓示空間」
    ■ 関口 幸男訳 キャロリン・ジャニース・チェリイ 「サイティーン1-4(全)」
    ■ 斎藤 伯好訳 ウィリアム・シャトナー 「電脳麻薬ハンター」
    ■ 中原尚哉訳 ジョー・ホールドマン 「終わりなき平和」
    ■ 風見潤訳 ジョー・ホールドマン「終りなき戦い」
    ■ 井上一夫訳 ジェームズ・ブリッシュ 「悪魔の星」
    ■ 吉田誠一訳 ウォルター・ミラー 「黙示録3174年」

    Vol 3446(2019-08-30)
    [2018-07-28]
    原01。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。色々と賞を取りまくり作家だがこの人に関しては自分はアリ
    冨永星訳 テリー・プラチェット 「天才ネコモーリスとその仲間たち」を読んだ
    .
    ハードル選ぶだろうで選んだヤングノベル部門だが、出し方も絵が多く文も分かり易い児童書で読み易かった
    内容も良い。どっちかというと悪なんだけどネコだからや、考え方が変化していく様で好感が持てるキャラになっている
    天才と言う部分への注目も良くて、ネズミが利口になってく過程は鋭く、ボス化した状態の思考は風刺利いて面白い
    .
    オチの付け方も動物が喋れたらどう落とせるかで説得力ありつつ美しい。喋れる時点で人間と同類なんだよなあと
    作者あとがきでもユーモアが評価された事を喜んでいて自分も志が高いと思う。読んで良かったと思える一冊

    [2018-07-28]
    原03。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。先に作家の他作を読んでいてこれもスンナリ
    冨永星訳 テリー・プラチェット 「魔女になりたいティファニーと奇妙な仲間たち」を読んだ
    .
    他作と同じ形式で読み易かった。タイトル通りで魔女とは何かから、異世界や教師・利口になる事の意味まで問う
    拍子抜けするようなオチがついてしまうんだが、相手が現実を持ち込んで心理攻撃したんだからアリかなとも思う
    そんな訳でファンタジーなんだけど現実も介入するユーモアが効いた内容になっていて、風刺的な側面もある
    .
    かなり唐突に差し挟まれてる感もあるんだけど、魔女とお話しする場面なんかは作者の思考も強く出ていると思う
    普通のファンタジー好きな人は拒絶反応を示すかもだがそこが逆に長所短所。綺麗さは無いけど実力は落ちていない

    [2018-07-28]
    原11。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。賞を取りまくってもいる作家で詩人・評論家活動もあり
    水越真麻訳 キャサリン・M・ヴァレンテ 「宝石の筏で妖精国を旅した少女」を読んだ
    .
    ヤングノベル部門だとハードルも下がるだろうで選んだが、上記経緯を見ると何かあるかも知れないという感はある
    ハヤカワからの訳で普通に文庫で出て、意味がよくわからない挿絵も付属と、詩人でもあるが訳の部分で不利はあるかも
    大人で絵本が好きな人間が好みそうなちょっと捻った内容になっている。もっと分かり易く言うと思い込み激しく説教的
    .
    思い込みの激しさの部分で、設定に独自性や説得力がある。あちこち行き沢山キャラ出る世界観に納得できれば面白い筈
    説教臭さの部分でまだ頑張れそうと言う感想。日本での出し方と言い大人が喜ぶタイプの子供向けの作家

    [2018-07-28]
    原00。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。後の2017ヤングノベルで賞取る人の処女長編
    中原 尚哉訳 アレステア・レナルズ 「啓示空間」を読んだ
    .
    処女長編でハードSFやってた人と言う事も考慮に入れた上で、1400Pまとまりなくとお薦めしかねる内容になってる
    SF関係者はズレた人が多くその中でも一番ズレたハードSF系列と言う事で、そういう人の傑作とは何かがわかる
    上記でアイデアは良い。ただ解説にもある通りどこかで見た中心になる。逆に言うと今作肯定がSF関係者の弱点
    .
    訳がまだ出てないけどこの作風でヤングノベルで賞と言うのは、どれだけ自分を変えたのかなで凄いとも思う
    ほぼ意味は無いが鉄血なんかの鷲尾直広の紹介絵が付属する。直してやっと良くなりそうな出来でオシイ系列

    [2019-08]
    原88。ピンポイントに面白い物で賞取った作。一が絶望的につまらなく切ろうと思ったが時間があまってズルズル読んだ
    関口 幸男訳 キャロリン・ジャニース・チェリイ 「サイティーン1-4(全)」を読んだ
    .
    原書だとこれで一巻分になると思うし、更に先にも続く筈で流石に編集ちゃんとツッコミ入れろよと思った
    内容的にも地味だし、パッとしない政治劇でなんだこりゃ感ある。こういうのを面白がるのがSFで感性がズレてる
    設定は面白いし作り込んでいる。世界全てを設定して、この当時でクローンや教育による天才・後継者育成の話している
    .
    上記設定は単に足を引っ張っている。中心になるのはクローン少女の成長だがSFだとそういうのは評価されない
    子宮タンクや人工的に選ばれた将来への葛藤など部分部分は光る。本来は文学したかった人の手慰みだなあと

    [2019-08]
    原89。解説でも触れているけどカーク船長。後にもST小説書いているけど意外と器用だし、継承している部分もある
    斎藤 伯好訳 ウィリアム・シャトナー 「電脳麻薬ハンター」を読んだ
    .
    映像版も本人出演であって以前に見ている筈。ほとんど記憶に残ってないけど原作もそんな感じとなる
    幻覚を見せるテクノドラック中毒で出所した刑事が、カミカゼ攻撃を仕掛ける犯罪組織と戦うと時代や心情を反映している
    上記ST小説でも長めの幻想と現実がわからなくなるネタあるんだが、ここらはカーク船長をしていたからこそ感ある
    .
    映画も神が出るST5あるが本当にカーク船長と一体化している感はあるし、その事がコンプレックス化もわかる
    お客へのサービス精神が強く面白いけど、カーク船長だからこそどこか今一歩欠けると本書も含め制作物は地が出る

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1997。ヒューゴー・ネビュラ・ジョンWキャンベル賞受賞
    中原尚哉訳 ジョー・ホールドマン 「終わりなき平和」を読んだ
    .
    無人機もテロもまだだが、今作は同時代的でわかる。イスラム圏への空爆やネット普及の時期でもある
    SFなんで物語として見ると収まりは悪い。アイデアは前述通りで現代反映して良い。無線戦闘兵の話
    そこから拡大して、最近でもよくあるネット共有的な話と、どうとでもとれる終わりなき平和の話へと繋がっていく
    .
    世界観的には終わりなき戦いと繋がってるかもしれない。ただ単体でも大丈夫。戦争物と言うよりスパイ物
    先例はあるとは言え、ベトナム帰りのテロやゲリラに関する見解なんかは作者らしい。SFは物語よりアイデア勝負な所ある

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1974。ヒューゴー・ネビュラ賞受賞。作者はベトナム帰りで学士号持ちのガチなお方
    風見潤訳 ジョー・ホールドマン「終りなき戦い」を読んだ
    .
    STの閉鎖世界チャタリアの人というのも驚き。トップをねらえが88だが、だいたいあれ+宇宙の戦士を連想するとわかりやすい
    本人も気づかぬままベトナム帰りの感想がモロに反映されたのも見所。これは約千年に渡って終わりなく戦い続ける
    最後らへんは恋愛要素で泣かす要素も入ってる。戦闘場面自体はそれほど無いが、設定描写はわりと細かめでSFな人
    .
    肝は戦ってる間に文化がどんどん進んで、浦島太郎みたいになってく所。価値観は実際はコロコロと変わる物
    政治的な色はたいして無いし、本人も娯楽志向なんで気楽にも読める。戦闘こそ無いが壮大な設定で面白かった

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。58年刊。ヒューゴ賞重賞。ハードSF分類に入る作品とされる
    井上一夫訳 ジェームズ・ブリッシュ 「悪魔の星」を読んだ
    .
    ブリッシュ=宇宙大作戦ノベライズの人。それは金の為に仕事で、オリジナル作品の方が評価は高いとされる
    だが、宇宙大作戦と近い点もありちゃんと連続性の中にある。異文化との接触と侵略、それの逆パターンともとれる
    最初らへんは何を書くべきかでまよってる感あり、文に反映されてしまってる。異文化からの宇宙人出てからが本領
    .
    原題は良心の事例といった所だが、そこで神と悪魔の話題になりこのタイトル。オリジナルのST本とも近い考え方
    STも探検と人類学的な話なんでやっぱり近い。当時はこれでハードSFかなど。会話部はこの人の思想もよく出てる

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1959。世界崩壊後の文化描いてる。早い時代なのが注目点
    吉田誠一訳 ウォルター・ミラー 「黙示録3174年」を読んだ
    .
    わりと最近でもお馴染みの設定。前書きに当時の戦争から影響の話ある。核シェルターとかの世代の人
    宗教の話題も扱ってる。よくわからない遺物をありがたがり、それが戦争前の単なるメモだったりとユーモア
    戦争扱ってる話なんでメッセージ性が強くなるが、当時の時代性の話。宗教の話ならオールタイムでいける
    .
    三部構成。最後は宇宙船で地球脱出と飛ばし過ぎな感もある。50年代に雑誌に分けて発表された作品
    こういう設定も継承や時代の空気から発生してる事に感心。まだ型も出来上がる前で模索してる部分も興味深い

    ■ 那波 かおり訳 ナオミ・ノヴィク 「ドラゴンの塔」
    ■ 井辻朱美訳 テリー・ブルックス「魔法の王国売ります!ランドオーヴァー1」
    ■ 山田順子訳 ピアズ・アンソニイ 「カメレオンの呪文(魔法の国ザンス)」
    ■ 増田まもる イアン・バンクス 「フィアサム・エンジン」
    ■ 伊藤典夫訳 カート・ヴォネガット 「スローターハウス5」
    ■ 浅倉久志訳 カート・ヴォネガット・ジュニア 「タイタンの妖女」
    ■ 浜口稔訳 オラフ・ステープルドン 「スターメイカー」
    ■ 矢野徹訳 ジョン・W・キャンベル 「月は地獄だ!」
    ■ 矢野徹/川村哲郎訳 ジョン・W・キャンベル 「影が行く」
    ■ 川村哲郎訳 ヒューゴ・ガーンズバック「ラルフ124C41+」

    Vol 3444(2019-08-23)
    [2018-07-28]
    原15。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。直前に読んだ賞系がダメで大丈夫かなだったが問題無し
    那波 かおり訳 ナオミ・ノヴィク 「ドラゴンの塔」を読んだ
    .
    最初らへんから魔法使いの嫁かなと思いつつ読んでたが、ガンガン話が広がっていってそりゃ賞取って当然だわとなる
    戦争もあるし、モンスターも出るし、恋愛要素もあるし、友情もあるし、宮廷ネタもあるし、ヒーローだしとほぼ隙が無い
    長いと設定に溺れてしまいがちな所もあるけど、ヘンテコな魔法の詠唱も魅力になってしまう程に上手く整理されている
    .
    同じく長さのせいで散漫さもあるけどそれを繋ぎ止めるキャラ魅力も高く、こいつダメからダメさが強さ秘訣と納得できる
    タイトルがありきたりで地味すぎるなど欠点もあるんだけど大変良く出来ていて、読んで良かったと納得できた一冊

    [2016-11]
    ファンタジーからの派生。原書1986。本国での評価は不明だが日の作家の推薦から。あとがきと共に複雑な部分もある
    井辻朱美訳 テリー・ブルックス「魔法の王国売ります!ランドオーヴァー1」を読んだ
    .
    ルグインのエッセイで顕著だが、ファンタジー業界は日にしろ米にしろ、作家・ファンの間で作品巡り対立ある雰囲気
    あとがきでもその傾向が感じられ、今作評価はリアルに振ったから良い。しかしどれがいいかは読者の決める事
    印象操作しようとする背景考え渋々読んだ感もあるが、中盤の主人公が幻想を見た後に決意を固める場面はとても良い
    .
    逆に言うとそれ以外は迷いみたいのも強す。指輪に近い作品も代表作で、作家が現実も含めた作を作るのは意味ある
    先行例及び別ジャンルまで考えると難しい。ただこれを推そうとする作家の意向は読み取れる。面倒な業界だなと

    [2016-10]
    ファンタジーからの派生。原書1977。ファンタジー調査で間が空いたのと近作で忘れてたが作家の呟きで思い出した
    山田順子訳 ピアズ・アンソニイ 「カメレオンの呪文(魔法の国ザンス)」を読んだ
    .
    海外系のガイド本でも、最近の人に相当し扱われて無かった筈。シリーズ全作の訳も出てなくて、評価が不明な所ある
    なんではやく教えてくれなかったんだと思う程に面白かった。魔法ある理屈をちゃんと説明し、なおかつそれが話にも絡む
    一人称形式で冒険感強く、可愛い女の子もしっかり出て、ちゃんと書けてる悪役も出て。日作家が喜ぶのも納得
    .
    解説は安田均。ロジックをしっかり説明してる点でSF的とも感じた。細かい部分で哲学的な謎にも答えてて、ここらも深み
    何故、日本の作家がこういうのを喜ぶかで考察しても面白い。代替えと主役替えでシリーズ続行させたらしく世界観広い

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1994訳1997。原書95の海外SF大百科でイチオシの作品
    増田まもる イアン・バンクス 「フィアサム・エンジン」を読んだ
    .
    はっきり言うと今では古くなってる所ある。ただマトリックスが99年なんで、時代性考えると面白い所ある作品
    異世界描写は冴えわたってる。それを紹介する為の手法も気が利いてる。懐かしの紀行文的なSFでもある
    原書段階ではどうなのか不明だが、あとがきで落とすタイプ。難しいとされるがあとがきのおかげで明瞭
    .
    アイデアの一つ一つは先行する作から影響も受けてる。尖った所も抑えられてて、ある意味読み易いとも云える
    物語構成が今ひとつなのはSFの宿命とも云える。時代性考えた上だと、その後の発展含め興味深い立ち位置

    [2018-08]
    原69。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。図書館の魔法で上がっていて読んでなくて気にもなってた
    伊藤典夫訳 カート・ヴォネガット 「スローターハウス5」を読んだ
    .
    ヴォネガットは先にタイタインの妖女読んでいてどんな話だっかなと思い出しながら。設定的に共通させた部分もある
    名作で未見の映画も有名なんだけどちょっと困ってしまう所もあって、褒めて良いのか迷う散らばった点も多すぎる作品
    主人公が設定されているので一貫性はあるし、各逸話は短くまとめているし、文もそれぞれキレが良いので本当に迷う
    .
    面白いけどかなりの飛び道具に近い。意識の流れみたいなのを描いている作品とも言えるし、背景の事情もある
    提出する方も覚悟は必要で、万人が試して成功できるかは難しい作とは思うけど、読んだ意味や後世に残る価値はある

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1959。同期が黙示録1959・宇宙の戦士など。時期見ると凄いなと
    浅倉久志訳 カート・ヴォネガット・ジュニア 「タイタンの妖女」を読んだ
    .
    相当に難しい。時間軸が混線した展開で、中盤で謎が見えて、最後まで読んでなるほどとなる話
    だが面白い。扱ってる問題は神に近い存在や、異星人との接触など。現代のセイレーンにもなるほど
    難しいと書いた様に小説としては問題あると思う点もある。だが、ディックなんかに先行してと思うと価値高い
    .
    セリフのキレも所々で鋭い。内容的に人物名も混線させてるが、異星人の描写なんかも感心する所ある
    徴兵戦士の問題で宇宙の戦士と同期なのも、あとがきの指摘と共に時代出てる。この作家初めて読んだが感心

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1935日初完訳1990。ガイドにしてるSF大百科事典でも大きく扱われてた本
    浜口稔訳 オラフ・ステープルドン 「スターメイカー」を読んだ
    .
    筆者は哲学者とも紹介されてる。物語としては問題あり哲学書として物語すぎる、境界的な作品
    銀河の盛衰を描き、未来史物でも古い。ただスケールが異常。普通のそれ系の更に枠の外まで至る
    内容も特異で様々な星の文明を紹介してく。歴史の本にも近く、思想の紹介の面から哲学にも近くなる
    .
    記載されてる文明も相当に特異で、提出されたアイデアも冴えてる。思想的な面で神の問題にも触れてる
    作品として異質すぎるし、読み難いが読んでると意識が遠くなってくる奇書。大きく扱われてるのもよくわかる

    [2015-09]
    間違って借りてきた所もあるが、これはタイトルが有名で読んでなかったんで良い機会
    矢野徹訳 ジョン・W・キャンベル 「月は地獄だ!」を読んだ
    .
    1950の作。結論から書くと凄く面白かった。月で置き去り、空気も食料も無い!どうする?な話
    短編集でも閉鎖状況や絶望的な話を書いてるが、長編でもその傾向はいかんなく発揮されてる
    日記形式の変わった文体。どうなるのかでも引きが強いし、文体の面白さもあってグイグイ読ませる
    .
    最初は暗いが中盤からの大逆転も楽しい。また食料が盗まれてるなど心理的な所も充実
    無かったら作ればいいんだの発想も楽しいし、地獄が最終的に天国に至る道なのも面白い

    [2015-09]
    読みだしたらどう考えてもSFで「なんで?」と思ったが、ファンタジーで似た名前の人と混同してたみたい
    矢野徹/川村哲郎訳 ジョン・W・キャンベル 「影が行く」を読んだ
    .
    それはそれとして映画でも有名な一本も含む短編集。表題作は1937、他は1931から1967の作
    映画だと人面犬が有名だが、今作の怪物はアメーバ状で何にでも変身可能とスライム系怪物として興味深い
    展開もそこから、密閉空間で自身暗鬼に陥る話と時代を先んじている。イメージも気持ち悪くて良い
    .
    他短編は未来を覗くと悲惨だったや、征服された人類の反逆。時代に取り残された男と絶望的な話も含む
    作家としてより編集者としての仕事が有名な所もある。他にわかりやすいスペオペなんか書いてるみたい

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。原書1910年刊。SF系の歴史資料では必ず挙げられる作品
    川村哲郎訳 ヒューゴ・ガーンズバック「ラルフ124C41+」を読んだ
    .
    前評判どおり、物語の部分は本当にヒドイ。仕方なくやったんじゃないかと思うぐらい。だが本筋は別
    だが未来を予測した数々のアイデアと共に、未来の生活描写がずば抜けてる。サイバーパンクっぽくも感じた
    TV・輸送システム・空飛ぶ車・反重力装置など今は実用化されているの含むが、アイデアの宝庫
    .
    未来生活は実現してるのもあり今は恵まれてるとも思えた。サーカスや馬車廃止など馬の描写もある
    未来を見通す人のオチも小粋で作品評価と一致。何が面白いのかを考えて本読んでた時期で思う所も多かった

    ■ 岡部宏之訳 アイザック・アシモフ 「ファウンデーション+ファウンデーション対帝国+第二ファウンデーション」
    ■ 平井イサク+福島正美訳 「世界SF全集 14 アシモフ(宇宙気流+鋼鉄都市)」
    ■ 矢野 徹訳 フレデリック・ポール 「マン・プラス」
    ■ 池央耿、高見浩訳 カール・セーガン 「コンタクト」
    ■ 酒井昭伸訳 ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル 「降伏の儀式」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「太陽系辺境空域」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「地球からの贈り物」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「中性子星」
    ■ 中上守訳 ラリー・ニーヴン 「プロテクター」
    ■ 小隅黎訳 ラリー・ニーヴン+ジェリー・パネル 「インフェルノ SF地獄篇」
    ■ 冬川恒訳 ラリー・ニーヴン+ジョン・エリック・ホームズ 「パッチワーク・ガール(イラストレイテッドSF)」

    Vol 3442(2019-08-16)
    [2018-08]
    原51-53。作家の代表作で気になってた。体調が夏バテ気味もあるが読む予定時間を超過し難しい所があったも感想
    岡部宏之訳 アイザック・アシモフ 「ファウンデーション+ファウンデーション対帝国+第二ファウンデーション」を読んだ
    .
    元も特殊で短編まとめかつアイデアが出ず自由連想法で制作。故に一貫性の無さや手馴れるまで時間かかるがある
    上記で面白いと完全に言い切れない部分もあるんだが、超人類出現以降は謎を設定して完全に物にしてるのが凄い点
    アイデア的にも今見ても新しい。タイムパトロール物が一番近いが、リアルタイムで世界改変可能の理屈もちゃんと通じる
    .
    アシモフ自体が予言者と言われた事と一致した作風。前述の弱点はあるとはいえ超人類の誤算など心理面も充実
    以後も続き変わってないと解説の微妙なコメントもあるがここまで。作家でもアイデアを活かすまで過程必要とわかる

    [2016-03]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1952+1954。アシモフは昔何冊か読んだ。これは読んでない筈
    平井イサク+福島正美訳 「世界SF全集 14 アシモフ(宇宙気流+鋼鉄都市)」を読んだ
    .
    構成が優れているとい所で再注目。ニーヴンの評価で挙がってたと思うが、ミステリーっぽくあるなあとも思う
    宇宙気流で惑星爆発する話。ロボット刑事の話。SFでもアクションが無し。ロジックで結論まで詰めてくタイプ
    ロボット三原則が有名だが、自分の意見を反映させてく所ある。正統派文学等と比較すると感情に訴えず弱い点はある
    .
    ネタは豊富。ただ面白そうなネタが背景で使われてて、話の展開と絡んでないと思う所はある。SFらしくはある
    キャラも難しい所はあるが、ロボット刑事ネタなんかは先んじてる所ある。純粋SF系作家らしい作りとは思う

    [2018-08]
    原79。昔にカバーを見て気になっていて何十年も経てやっと。解説微妙だが作家ではゲイトウエイも過去に読んでた筈
    矢野 徹訳 フレデリック・ポール 「マン・プラス」を読んだ
    .
    最初の日刊はハードカバーと知らなかった。実際文庫だと仮面ライダーみたいなカバーだし作中でも蝙蝠男呼ばわり
    そんな訳で改造人間物。水木サンの原作あり漫画でも改造人間の悲哀はあるが、ジャンルとしてある筈でホラー風味
    どんどん取り返しがつかなくなってく様が怖くて良い。一方でチンコ取れたり嫁の事で悩んだり、口笛吹けて明るくと波ある
    .
    暗い話一辺倒ではないし、本来の目的である火星に到達しバローズを上げてからの幻覚など展開的にもテンポ良い
    周辺環境の種明かしや、最後も計画や未来を匂わせているのは一捻り。ただの悲しい話で終わって無くて発展的

    [2016-09]
    パニック小説調査から派生。原書1985。パニック物を突き詰めると、意外とファーストコンタクト物にも近いという発見
    池央耿、高見浩訳 カール・セーガン 「コンタクト 上下」を読んだ
    .
    映画をずっと見たいと思いつつ未見で、原作借りてきた。当時の日本の作と比較しても、ハードSFとして最強だなあという感想
    この短い巻数で何と身の詰まっておる事か。導入も主人公の過去から入って、それがちゃんと終盤に繋がりよく出来てる
    メッセージからの混乱に当時や著者の思想も出てるが冷静に思う。難しい神の問題に、正面から向き合ってるのも好印象
    .
    駆け足になってる弱点もあるが、スカシで終わらず全てを書いてるのも偉い。設定の細かさに関しても何段も上位な作品
    話として見て面白くて引きつけられ、カシコくなった気分になれて、興味が出るのも凄い所。傑作と言って良い作品だと思う

    [2016-09]
    パニック小説調査から。原書1985。破滅とは少し違うが、由緒正しき宇宙からの侵略者
    酒井昭伸訳 ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル 「降伏の儀式 上下」を読んだ
    .
    ニーブン共作品なのもポイント。物語はスタンダード、設定は細かくといった所。文量が多く冗長な所あり
    侵略者視点での展開があるのがミソ。極悪宇宙人では無く、戸惑ってる所や表題の儀式なんかも面白い
    ハリウッド映画的な展開なんで読み易い話。前述どおり冗長だがプロセスを踏んで侵略作戦が展開される
    .
    秘密兵器や技術も沢山出て来て楽しい。SF作家に独自の位置与えたり、ひねたユーモアあるのは作家らしい
    前述通り娯楽作の作りなんで深みに欠ける所はある。だが設定面での面白さは流石といった作品

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1975。1964のデビュー作から1975ヒューゴー中篇賞作品の短編集
    小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「太陽系辺境空域」を読んだ
    .
    アイデアの一発勝負みたいな所あり、話で見せるより設定で見せる感あり、ああハードSFの人はこうなのかと
    現実知識からのフィードバックで話作るのはヴェルヌやヒューゴー以来伝統。ただ時代の変化に対応出来ない
    処女作も上記理由で古くなったと嘆いている。人物の妙で見せる面が弱いので、なおさら今読むと辛い出来
    .
    他作での他作家に対する葛藤も理解出来る。今中篇は一連のノウンスペース物。更に年表と種明かし付き
    設定に縛られるという悪害も出てしまってる。小説本編より設定だけ見てる方が面白いという、興味ある作

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1968。ノウンスペース物としては初期にも近い。設定的にも古いの使用
    小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「地球からの贈り物」を読んだ
    .
    この手のシリーズ物は一本読むと他のも見たくなるのは上手いが、設定で混乱が生じる短所も伴う
    パズル的な物を作ろうとしてるのは他のハードSF作家とも共通。故にミステリー的な作りが合うと思う
    今作は要素を入れ過ぎて混乱してる部分もある。表題よりも人工臓器とそれを巡る対立が主の部分
    .
    筋も混乱し、途中で長々と法律の文まで入り、作者も苦戦したとある。きっちり煮詰めないと話作れないのが弱点
    単発物として見ると、少し苦しい点も多い。ただ、ノウンスペース物として見ると設定の開示はあり目は引く

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1968。66から67の短編を収録。これもノウンスペース物
    小隅黎訳 ラリー・ニーヴン 「中性子星」を読んだ
    .
    これが読むの三作目だが、やっと造語の具体的な説明出てきた。読む順番が面倒な所はある
    共通設定で通してるのや、他作でミステリーやってる事からわかる様にパズル的な所がある
    作家紹介だとこの人は油田持ちの息子の坊ちゃん。SFファンという事は作品内の単語でもわかる
    .
    設定はアイデアの塊とも云える。ただ小説の内容自体はうーんな所多い。キャラ等は共通で使用
    大昔にリングワールドは読んでるので、共通単語でると納得する。共通設定に引きずられ過ぎな感はある

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1973。ノウンスペース物の一作で時間軸も古い
    中上守訳 ラリー・ニーヴン 「プロテクター」を読んだ
    .
    本来は最初に出たプダウの世界から読むのが正解と思う。図書館に無く調査不可能
    共通設定で実質シリーズ物に近いとも云える。故に単語の説明不足も目立つ内容になる
    ミステリーに近い。ファーストコンタクトを巡り、それが実は異星の人類で、その起源はといった話
    .
    本編自体も時間軸を交差させる内容で、プロテクターが何者かわかるのも頁だいぶ進んでから
    微妙な点は多いが、設定的に凝ってて、他作のE・E・スミスの例えも納得。設定の人といった印象

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1976。SF大百科事典ガイドにしてるが、この人は表記ないが共作が多い
    小隅黎訳 ラリー・ニーヴン+ジェリー・パネル 「インフェルノ SF地獄篇」を読んだ
    .
    たまたまカート・ヴォネガット・ジュニア読んでたが、それにまつわるパロもあり。ダンテ神曲のパロディ
    ニーヴン自身は設定屋という立ち位置なのかも知れない。神曲の地獄の世界観に設定をつけてった感じ
    上記のカート・ヴォネガットに比べると神や地獄の問題は扱ってるが、あくまで娯楽作の範囲でやはり設定屋的
    .
    基本的に陽気な人格と思う。故にピクニックみたいな雰囲気の話になる。長所とも短所とも云える
    問題定義の仕方も娯楽作の範囲内で抑制が利いてる。扱ってる内容からすると薄味だが読み易くはある

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1980。訳1981。創元だがイラストレイテッドSFなんて変わったタイトル
    冬川恒訳 ラリー・ニーヴン+ジョン・エリック・ホームズ 「パッチワーク・ガール(イラストレイテッドSF)」を読んだ
    .
    今のラノベの挿絵の使用から考えても面白い立ち位置。このシリーズは挿絵が100〜50と大量に使われてる
    海外からの使用みたい。ただ、訳しはしたが挿絵画家の詳細は不明と黎明期らしさがよく出てる。ペン画風の絵
    当時の日本SF作品の挿絵の影響や継承を考えても興味深い。これはノウンスペースシリーズに含まれる一作
    .
    当時としてはSFミステリは画期的なのかもしれないが、流石に今だと特異さは無い。発展の歴史の一資料にはなる
    ノウンスペース物調べる為の資料だが単品でも問題無い。挿絵が大量に付いてるのはやっぱり面白い

    ■ ユートピア旅行記叢書 1 17世紀フランス編
       シラノ・ド・ベルジュラック 『別世界または日月両世界の諸帝国 月の諸国諸帝国・太陽の諸国諸帝国』 赤木昭三訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 2 17世紀イギリス編
       フランシス・ゴドウィン『月の男』 大西洋一訳
       マーガレット・キャヴェンディッシュ『新世界誌 光り輝く世界』 川田潤訳」
    ■ ユートピア旅行記叢書 3 ヨーロッパ精神の危機の時代編
       フォワニー『アウステル大陸漂流記』 倉田信子
       ヴェラス『セヴァランプ物語』鈴木康司訳」
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 4 ヨーロッパ精神の危機の時代編
       フォントネル『哲学者の国またはアジャオ人物語』 赤木昭三訳    フェヌロン『テレマコスの冒険』 二宮フサ訳
       ラオンタン『未開人との対話』 川合清隆訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 5 ヨーロッパ精神の危機の時代編
       ジルベール『カレジャヴァ物語』 永瀬春男訳
       ティソ・ド・パソ『ジャック・マセの航海と冒険』 小西嘉幸訳
       ティソ・ド・パト『ピエール・ド・メザンジュの生涯と冒険とグリーンランド旅行』 鈴木田研二訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 7 18世紀イギリス編
       ポルトック『ピーター・ウィルキンズの生涯と冒険』高橋和久訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 8 18世紀ドイツ編
       ヴェーツェル『ベルフェゴール』桑原ヒサ子・轡田収訳
       ハラー『ウーゾング』木村高明・轡田収訳
       ヴィーラント『黄金の鏡』新井皓士訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 9「東欧・ロシア編」
       クラシツキ『ミコワイ・ドシフィヤトチンスキの冒険』沼野充義訳
       シチェルバートフ『オフィル国旅行記』井桁貞義・草野慶子訳
       スマローコフ『<幸福な社会>の夢』 井桁貞義訳
       リョーフシン『ベリョフ市民の月世界旅行』井桁貞義訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 10「啓蒙の時代初期編」
       テラソン『セトス』 永見文雄訳
       リュスタン・ド・サン=ジョリ 『女戦士』永見文雄訳
       コワイエ 『軽薄島の発見』永見文雄訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 11「哲学者たちのユートピア フランス・ドイツ編」
       シャルル・ド・モンテスキュー『トログロディット人の寓話』 井田進也訳
       ヴォルテール『エルドラド』 佐々木康之訳
       アベ・プレヴォー『ブリッジの物語』 永見文雄訳
       ジャン・ジャック・ルソー『クララン共同体』佐々木康之訳
       ブリケール・ド・ラ・ディスメリー『タヒチの野生人からフランス人へ』中川久定訳
       ドニ・ディドロ『ブーガンヴィル航海記 補遺』 中川久定訳
       クニッゲ『クリストフ・ハインリヒ・ブリックの手稿』 轡田収・鷲巣由美子 訳
       ハインゼ『アルディンジェロと至福の島々』 轡田収・鷲巣由美子訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 12「海底の国と地底の国編」
       ホルベリ 『ニコラス・クリミウスの地下世界への旅』多賀茂訳
       マイエ 『テリアメド』多賀茂・中川久定訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 14「奇想と転倒のユートピア編」
       マリヴォー『奴隷の島』佐藤実枝訳、マリヴォー『理性の島』鈴木康司訳、マリヴォー『新天地』井村順一訳
       カサノーヴァ『イコザメロン』川端香男里訳
    ■ 「ユートピア旅行記叢書 15「18世紀末編」
       レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ポルノグラフ』 植田祐次訳
       ル・メルシエ・ド・ラ・リヴィエール『幸福な国民またはフェリシー人の政体』 増田真訳

    Vol 3440(2019-08-9)
    [2016-03]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1648+1650頃執筆。劇で有名なシラノその人。当時のリバリタンの思想も関連
    ユートピア旅行記叢書 1 17世紀フランス編
    シラノ・ド・ベルジュラック 『別世界または日月両世界の諸帝国 月の諸国諸帝国・太陽の諸国諸帝国』 赤木昭三訳
    .
    実際の科学の発見。キリスト教的人間中心主義の否定など。思想的な部分や当時の風潮なんかもよくわかる
    あくまで当時の理屈だが、筋が通っていて話自体も良く出来てる。理想を示しつつ、現状を批判するという形
    シラノ自身の履歴も出てるが、ぶらぶらした後に軍隊生活し、暇で執筆始めたなど、当時の時代背景が良く出てる
    .
    現代の異世界物も含め何らかの共通項はあると思う。また同時に今は読み取れないだけで、過去作の様に現実を反映してる筈
    原点を辿る事で発展も辿り易い。頭の中身はそのまま、技術の発展で外側が変わってるだけを再確認してる

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1620+1666。異世界物調査で古典は是非調べたかった
    「ユートピア旅行記叢書 2 17世紀イギリス編
    フランシス・ゴドウィン『月の男』 大西洋一訳
    マーガレット・キャヴェンディッシュ『新世界誌 光り輝く世界』 川田潤訳」を読んだ
    .
    前提として15Cのトマス・モア。これも新世界の発見からの派生。またコペルニクス天文学は1543からとなる
    解説も面白い。前者はテレパシーネタも考えてる。またこの時期は世界の複数説なんてのも流行してる
    今の異世界物に至るまでに、紀行文→現実批判からの異世界→異世界紀行文→娯楽異世界と発展がわかる
    .
    異世界物発展の原点から現状で追うと、文の変化も一目瞭然。この時点では主張と説明が前面に出る
    後者が女性作家で、その混然とした描写も評価がある点。また前者の挿絵付きでの鳥の飛行手段と発見多数

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1676+1678。この当時は世界の全貌も未だ不明な点も注目点
    ユートピア旅行記叢書 3 ヨーロッパ精神の危機の時代編
    フォワニー『アウステル大陸漂流記』 倉田信子
    ヴェラス『セヴァランプ物語』鈴木康司訳」を読んだ
    .
    18Cに異世界旅行物は大ヒットして、前者はその一つ。実際これはただの説明だけで無く今読んでもイケる
    現実の批判と理想の世界も描写してるので、時代性が出る事も後世から見ると異世界物では重要点となる
    この時期はバロック小説の理論が完成した頃。また小説の地位も未だ低い。前者はふたなりや独自言語も取扱い
    .
    実際に大航海時代で世界各国の新情報が入ってる事も反映されてる。描写が古いだけで今のSFとたいして変わらない
    解説も付くが深読みでクローンの話にもなる。また独自文字もあり。後者はロックとも友達

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1682(執筆)+1693+1703。異世界物も変化あるとわかるセレクト
    「ユートピア旅行記叢書 4 ヨーロッパ精神の危機の時代編
    フォントネル『哲学者の国またはアジャオ人物語』 赤木昭三訳 
    フェヌロン『テレマコスの冒険』 二宮フサ訳
    ラオンタン『未開人との対話』 川合清隆訳 を読んだ
    .
    この時期はまだ哲学書や政治批判に近い。当時の思想が良く出てる。17C頃からマキャベリ影響で宗教批判
    同時期作品で死者と対話で思想を主張する物が1711。テレマコスはオデュッセウスの続編として発表してる
    今と重なる部分もあるが、時代も離れて客観視出来るので、必死の政治主張もどうでも良い感は強い
    .
    作りとして王からの忠告はイスラム系の騎士道物でもよく見られる型。主張通そうとする部分が目だってしまう
    理想化した物との比較での現状批判。あるいは死者や神を騙っての主張。今も昔も人間のする事は同じ

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1700+1710+1720。これも政治的な主張の強い作品
    「ユートピア旅行記叢書 5 ヨーロッパ精神の危機の時代編
    ジルベール『カレジャヴァ物語』 永瀬春男訳
    ティソ・ド・パソ『ジャック・マセの航海と冒険』 小西嘉幸訳
    ティソ・ド・パト『ピエール・ド・メザンジュの生涯と冒険とグリーンランド旅行』 鈴木田研二訳 を読んだ
    .
    当時は小説はまだ市民権得てない。故にユートピア物は上位の詩・演劇では使われてないと解説にある
    男女入れ替え、理想を表現して現状を批判するお馴染みの手法。世間に不満ある層はいつの時代もいる
    思想の根拠もだいたい昔の考えの焼き直し。これらは今の時代も似た様なのあり、いつの時代も一緒
    .
    解説や描写で当時の新技術なんかが出てくるのは時代出てる。政治=権力闘争でここらはいつも似た様な物
    当時の人にとっては重大問題も、後世からすると割とどうでも良い。歴史資料ぐらいにはなる

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1751。一本収録でわかる様に画期的な作で、当時も大流行
    「ユートピア旅行記叢書 7 18世紀イギリス編
    ポルトック『ピーター・ウィルキンズの生涯と冒険』高橋和久訳 を読んだ
    .
    地下世界の空飛ぶ女と結婚して、大砲で無双。アクションも豊富で今の時代に近づき読んでても面白かった
    巻末に地下世界の用語集もあり。先例は当然あるが、異世界での独自用語の使用はこの時点で既にされてる
    挿絵も収録、女性は裸。当時の現実の新大陸への理想も入った情景から架空世界での娯楽作と見事に進化してる
    .
    今はオミットされるが、後の異世界物でも描かれる、最後の悲惨まで書ききるのもこの時点からやってる
    海洋紀行文+ユートピア小説+娯楽要素で、この後現状まで発展するが、基本の型の完成系とも言える

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1776+1771+1772。哲学よりの部分があるが異世界物で凄く重要な観念登場
    「ユートピア旅行記叢書 8 18世紀ドイツ編
    ヴェーツェル『ベルフェゴール』桑原ヒサ子・轡田収訳
    ハラー『ウーゾング』木村高明・轡田収訳
    ヴィーラント『黄金の鏡』新井皓士訳 を読んだ
    .
    世界はゲーム+世界は人工機械と言う今の作品でも使われる観念登場でビックリ。哲学から派生した思想みたい
    内容的にも陰鬱な作品ではあるが面白い。別世界への転移は竜巻に襲われて気がついたらいたと言う形となる
    観念を擬人化する方法は薔薇物語や天路歴程にも近い。1961にラジオドラマ化されこれも再評価されたらしい
    .
    ドイツは訳の都合でユートピアの観念が上手く伝わらなかったらしく、ユートピア小説は無いと解説にある
    訳自体が混乱してるのもあり黄金の鏡は何重もの重訳と困った事になってる。当時の異文化への印象資料にもなる

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1776+1760年代執筆+1759+1784。ロシアは1824に預言的なSFもあるみたい
    「ユートピア旅行記叢書 9「東欧・ロシア編」
    クラシツキ『ミコワイ・ドシフィヤトチンスキの冒険』沼野充義訳
    シチェルバートフ『オフィル国旅行記』井桁貞義・草野慶子訳
    スマローコフ『<幸福な社会>の夢』 井桁貞義訳
    リョーフシン『ベリョフ市民の月世界旅行』 井桁貞義訳
    .
    当時のポーランド反映した内容で解説が細かい。同時に当時の風俗や心象もよく反映されてる
    旅行記の形をとり波もあるので内容的にも結構イケる。最後は飽きちゃったのかぶん投げてる
    18C半ばにクックの南極探検があったらしく、当時の最新ネタ。故にオフィル国は南極方面の楽園
    .
    社会の夢は最初に明かしての夢ネタ。ここらは後代19Cの小説でも結構とられる手法で開花が見れる
    月世界旅行は飛行機械なんかを用いる。昔の作品と今の作品の中間。時代で開発された物が創作にも反映される

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1731+1735+1748。これは解説でユートピアの分類もあり
    「ユートピア旅行記叢書 10「啓蒙の時代初期編」
    テラソン『セトス』 永見文雄訳
    リュスタン・ド・サン=ジョリ 『女戦士』永見文雄訳
    コワイエ 『軽薄島の発見』永見文雄訳
    .
    18C初頭から半ばにかけて、現状批判から現実改変の啓蒙的な話に変化したとわかる内容
    ただ空想的で現実的な話ではねえなあと言う感はある。主張が前に出過ぎて面白くも無い
    女戦士とかタイトル的には面白そうではあるが、アマゾネスネタのリメイクであらあらと期待外れ
    .
    セトスは歴史の流れの中で異世界が出る話。実際の違う文化の情報が刺激になってる事もわかる
    解説から18Cの気球実験まで飛行型が道具に使われてたとある。現実の話も反映してるのがユートピア物

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。だいたい18Cの哲学者が中心となる。哲学者とユートピアネタは伝統
    「ユートピア旅行記叢書 11「哲学者たちのユートピア フランス・ドイツ編」
    シャルル・ド・モンテスキュー『トログロディット人の寓話』 井田進也訳
    ヴォルテール『エルドラド』 佐々木康之訳
    アベ・プレヴォー『ブリッジの物語』 永見文雄訳
    ジャン・ジャック・ルソー『クララン共同体』佐々木康之訳
    ブリケール・ド・ラ・ディスメリー『タヒチの野生人からフランス人へ』中川久定訳
    ドニ・ディドロ『ブーガンヴィル航海記 補遺』 中川久定訳
    クニッゲ『クリストフ・ハインリヒ・ブリックの手稿』 轡田収・鷲巣由美子 訳
    ハインゼ『アルディンジェロと至福の島々』 轡田収・鷲巣由美子訳
    .
    ルソーがレヴィ=ストロースの間接師匠で興味あったが、略歴の後年に考え変えて奔放になる話で笑ってしまった
    隣の芝生は青い方式。西欧がタヒチの自由な生活を発見するのもこの頃。異文化からの影響は大きい
    文化状況の変化からの不満ある層の出現や、異文化のまったく違う文化混入がトリガーになってるのかなと
    .
    全体に現実的な話では無いなあという感もある。ただそこらが目標で文化進めた面もあるなあと
    他の巻であるが、異界の人から見た自分たちの文化のおかしい点の指摘なんかは新しい見解を産むとも思う

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1741+1787+1720。これの次巻が科学のユートピアと興味深いが図書館に無い罠
    「ユートピア旅行記叢書 12「海底の国と地底の国編」
    ホルベリ 『ニコラス・クリミウスの地下世界への旅』多賀茂訳
    マイエ 『テリアメド』多賀茂・中川久定訳
    .
    これは単純に面白かった。スタンダードな異文化紹介物の面あるが、最近の作に近い程オリジナリティある
    遡ると大航海時代の想像上の人種あるが描写が細かい。地下世界の図式なんかはダイソンの天球思い出した
    文章に関してもウィットがよく利いてて良い。異世界人から見た自文化の批判なんかは凄く新しい視点とも思う
    .
    海底探検なんかも描写が細かく、なおかつ現実的に仕上げてて、なんとなく出来そうな気にもなってくる
    後者は主張が前に出すぎてる感はあるが、後者はデンマーク演劇の父と言われた人の作らしく流石

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1725+1727+1750+1788。喜劇の形だが戯曲作品が登場
    「ユートピア旅行記叢書 14「奇想と転倒のユートピア編」 マリヴォー『奴隷の島』佐藤実枝訳
    マリヴォー『理性の島』鈴木康司訳
    マリヴォー『新天地』井村順一訳
    カサノーヴァ『イコザメロン』川端香男里訳
    .
    劇として成功したのは最初の一本だけ。当時からして演出が難しく、なおかつ既出で飽きられたと客は正直
    台詞のキレなんかは良い所もある。後世の劇でも異世界で男女の力関係逆転物はあるがその走りとも言える
    一つの場所でやったり、ベルト着用で姿が見えない設定など。民衆向けという事も含め昔の劇の様子もよくわかる
    .
    イコザメロンは別巻で褒められてた作品。こういう系統立て続けで読んでてアレだが、文化設定しっかりしてる
    後年の作と言う事もあり様式が固まって面白くなってきた感はある。独自言語感覚なんかもポイントになってくる

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1767+1792。こんなタイトルで相当期待したわけだが上手くイカンのが現実
    「ユートピア旅行記叢書 15「18世紀末編」 レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ポルノグラフ』 植田祐次訳
    ル・メルシエ・ド・ラ・リヴィエール『幸福な国民またはフェリシー人の政体』 増田真訳
    .
    革命に巻き込まれて苦労した作家らしい。故に主張の部分が異常に強くなる。不満が多いと声がデカくなる
    全然ポルノの話で無いと思ったら、当時のこの後はポルノ問題を語る作家の事。現実の売春婦問題の話
    自分で独自に法律なんかを制定して、披露して小説では無い。その内容もちょっと女性に夢見過ぎじゃないと思う内容
    .
    現実に期待し過ぎると、不満も大きくなるんかなあと。梅毒流行した時期らしく、当時の風俗の様子がわかるのは良い
    後者も独自に法律制定しちゃった系。あくまで作者個人の幸福であって万人の幸福ではねえよなと

    ■ 鬼澤忍訳 ウィリアム・バーンスタイン 「華麗なる交易 貿易は世界をどう変えたか」
    ■ 株式会社オフィス宮崎訳 ジェリー・ブロットン「地図の世界史大図鑑」
    ■ 巽考之+大槻敦子訳 ジュディス・A.マクラウド 「世界伝説歴史地図 ヴィジュアル版」
    ■ 金原端人訳 シルヴィア・ジョンソン 「世界を変えた野菜読本 トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ」
    ■ 松村剛訳 クードレット 「西洋中世奇譚集成 妖精メリュジーヌ物語」
    ■ 中野好夫・中村妙子訳 シオドーラ・クローバー 「イシ 二つの世界に生きたインディアンの物語」
    ■ 中村妙子訳 ジョン・バニヤン 「危険な旅 天路歴程物語」
    ■ 矢野徹訳 「デューン砂の惑星」
    ■ 矢野徹訳 ロバート・A・ハインライン 「栄光の道」
    ■ 金原端人訳 ピーター・S.ビーグル 「最後のユニコーン 完全版」

    Vol 3438(2019-08-1)
    [2019-04]
    原08。直前に集団が拡大する本も読んでいたし、昔の搾取に近い酷い貿易例も現状の犯罪と比較できる
    鬼澤忍訳 ウィリアム・バーンスタイン 「華麗なる交易 貿易は世界をどう変えたか」を読んだ
    .
    歴史では無く貿易の棚にあったが実情は歴史に近い。倭寇は全て日本人など逸話・主張に不明確さもあり
    経済系の人で歴史と絡めるは歴史経済学でわりと伝統ある。貿易拡大の話と同時に伝染病等拡大の歴史でも
    英国のお茶は一時密輸品だらけで、関税が高いと密輸がはびこり価格崩壊も起きるなど逸話はどれも面白い
    .
    奴隷研究もあり現地人が捕まえ布と交換してたや、わからん商品は価値での詐欺、高くする為現地破壊と犯罪絡みも
    囲い込んで奪う汚い貿易と派生しての戦争や、この時点での筆者も考えがバラけてる自由・保護貿易見解も目を惹く

    [2017-10]
    原14。伊能忠敬も含めた歴史上の重要な地図の一覧。わからない状態の空想から変化してく様がわかる
    株式会社オフィス宮崎訳 ジェリー・ブロットン「地図の世界史大図鑑」を読んだ
    .
    単純に道筋のルートもあるが、今も領土問題ある様に政治的な思惑や民族の世界観も絡んでくる
    よくわからなくて空想の世界とごっちゃになってる地図は可愛らしい。またアート作品としての地図もあり
    折り畳むと立体の出来る地図など見慣れない地図は視野も変わる。日の人口密度多すぎの地図なんかも
    .
    統計情報の地図は19Cくらいから。まばらになったロンドン貧困地や発生源突き止めた病気地図など
    どう読むかわからなかったんで潮の流れチャート海図も納得。路線図など使いやすくなるまでに経緯もある

    [2017-08]
    原09。地球が平らと思ってた頃の地図だが、世界の反対に何故人立ってるのとか言われると誤認も理解出来る
    巽考之+大槻敦子訳 ジュディス・A.マクラウド 「世界伝説歴史地図 ヴィジュアル版」を読んだ
    .
    行った事が無い土地はわからない+報告が曖昧+座標をしる手段も無いなど間違った地図に至る理由はわかる
    ただロマンが無駄にある。想像で埋めるも本当にあると思い込んで、それが未知への冒険契機になったりもする
    実際に冒険する方はたまったもんじゃなく、現地人を動物間隔で捕獲もしているが、想像部分は夢が詰まっている
    .
    子供の頃の記憶の鉱脈探し・理屈の合わない正確すぎる地図・謎の水中遺跡・幻の到達点など逸話も多数
    真意を確かめる為の昔の地図の生成過程と材料、そこから来る劣化の話や誤認の宝さがしも理屈が通っている

    [2016-03]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書97。ちょっと特殊な扱い。読んだ前後にジャガイモ警察なんてのが話題になった
    金原端人訳 シルヴィア・ジョンソン 「世界を変えた野菜読本 トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、トウガラシ」を読んだ
    .
    ファンタジーにジャガイモはアリかが論争になる。アメリカ大陸の発見で食べられる様に食事に関する記録
    トマトなんかは毒があると思われて、発見後もしばらく食べられてない。ジャガイモも今よりゴツゴツしてる
    全然知らない状態で、昼と夜ほどの違いがあるとコロンブスも報告してる。チョコなカカオなんかもコロンブス以後
    .
    トウガラシやピーナッツなど白人は食べず輸出して、食べ方が発展して、逆輸入みたいなケースも多々ある
    バニラやパインなんかも新大陸原産。新しい食べ物の発見は歴史の変化とも絡み難しい。これは読み易い良書

    [2016-03]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1401頃+再考のきっかけの1971の論文も収録。モン娘の頃に本書存在に気付きたかった
    松村剛訳 クードレット 「西洋中世奇譚集成 妖精メリュジーヌ物語」を読んだ
    .
    嫁さんがラミアだった話。昔の文体なんで詩。巨人ゲドンとのバトルもあり。血統証明の為の部分もあると書かれてる
    それ以前に短い文の形が12Cから存在。それは同時収録の論文で詳しくわかる。神話と物語の中間にある作品
    話も込み入ってる所あるし、詩なんで読み難い。だが当時のイラストも着く。さよならとさらば連呼の別れの所とかメチャ良い
    .
    蛇が竜と関係してるのもポイント。後に民話化していった過程なんかも論文にはある。その延長戦にモン娘もあるという話
    鶴の恩返しとかだと日本では分かり易い。昔のミステリーは謎を解くと失敗する話。歴史変換で見ても原点の話は興味深い

    [2018-07-28]
    原64。資料として探していたけど検索で出てこなくて、記憶の片隅にあったのが別件で児童の棚に行って見つけて驚いた
    中野好夫・中村妙子訳 シオドーラ・クローバー 「イシ 二つの世界に生きたインディアンの物語」を読んだ
    .
    資料を調べて著者がルグィンのパパとママ知って更に驚く。そらこんなの両親と接していたらああいう作風になるわと
    先住民族の話。生活の様子の記録にも近く、事件は起きるけどあまり盛り上げず軽く処理されるレポ風と癖はある
    戦うとか以前にほぼ何も出来ないまま中盤で投了になってしまう。恨み節みたいにならずにその後の人生まで描く
    .
    そんな訳で実在人物の記録。上記があるので見てる方も感情が動かず、友好的で憎む敵がいないのも現実的と言える
    負けてるけど正当化して納得していく様は屁理屈ながらよく出来ている。実際に記録を多数残した人で意義ある人生

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1676。薔薇物語13Cで神曲14C初頭でだいぶ後。プロトSFにも分類
    中村妙子訳 ジョン・バニヤン 「危険な旅 天路歴程物語」を読んだ
    .
    書庫から絵本が出てきて予想とは違った。これは1985のアニメ版のフィルムブックに近い。ただ文の量は多い
    最初に挙げた作と類似点ある。遍歴して敵と戦いつつ天の国目指す。作者の夢発言の後、人物の家族の話と変わった構成
    作家が戦争・投獄経験ある民衆作家なのもポイント。後世の影響では若草物語、また海外ではメジャーな話にもなる
    .
    これが児童向けな点もあるが、前述書に比べると読み易い。またわかりやすい冒険の形で後半は女子供守る騎士出るのも注目点
    もっと古い作と思ってたので、そこも意外だった。騎士道物の系譜の一作。ガリバーよりは早く、近世児童向けの先駆けともとれる

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。65年刊。歴史の流れから考えたり、ファンタジーとして見ても面白い
    矢野徹訳 「デューン砂の惑星 1」を読んだ
    .
    巻末に造語の辞典がついちゃってる系の話。そんな訳で砂の惑星の設定描写はとても頑張ってる
    ただ話自体はファンタジーの延長線というか、現実の事件や政治劇の置き換えと言うべきかで地味な所ある
    印象としてはゴーメンガーストとかにも近い。閉鎖された世界の中でぐるぐると人間の話が展開する
    .
    ただ造語作っちゃうぐらいなんで世界はよく作られてるし、人間の話として見ると地味だが適切な作り
    解説の作者コメントで新聞出身な所や人物を徹底的に作リこむタイプなのも特筆。65年作なら充分に新しい

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。まとめて扱う。原書65年。作りとしては暗殺から逃れ王に即位し対決と王が流転するアレ
    矢野徹訳 フランク・ハーバート デューン 砂の惑星2-4」を読んだ
    .
    序盤が政治劇調だったが、以後は砂漠でのサバイバルや指導者としての覚醒などわりとわかりやすく活劇もある展開
    台詞の下の余白や改行など、今のラノベにも近い文体。70年代の旧版で石ノ森章太郎の挿絵も沢山王蟲みたいな絵もあり
    設定が凝ってるが、独自単語で読み難くなってる所もある。ルビで対応の他巻末に辞典。当時の流行がよくわかる
    .
    SFではあるが設定や筋立てはファンタジーにも近い。この時期にこれと思うと流れもわかりやすい
    美術に凝った映画は不評だったが、原作から他作への影響は強いと思う。この版だと石ノ森点描挿絵もわかりやすくて良い

    [2015-12-25]
    ファンタジー扱ってる関連から。63刊。世にも珍しいハインラインの書いたファンタジー小説となる
    矢野徹訳 ロバート・A・ハインライン 「栄光の道」を読んだ
    .
    こんなもん自分も知らんかったし、SF作家として紹介される時もハブられるので珍品な仕事
    正直なところ面白くは無い。ダラダラしてるし、なんか嫌々やってる感はあるし、やっぱハインラインはSFの人
    ただ見所は多い。SFの人がファンタジーを捉えるとどうなるかで、ドラゴンや異世界の理屈あった説明がつく
    .
    更には勇者と姫が成功した後どうなるか、その前はどうなのかまで書かれてる。凄く暗く、ある意味らしいとも云える
    はっきりとSFに属する人の書いたファンタジーとして読んでみて損は無い。面白いかどうかまでは知らない

    [2015-09]
    ファンタジー扱ってる関連から、68年のものに06年の続編の短編をくわえた09年訳の作品
    金原端人訳 ピーター・S.ビーグル 「最後のユニコーン 完全版」を読んだ
    .
    タイトルや冒頭展開で児童文学ぽいのかなと思ったら大間違い。物凄く好みな内容だった
    ユニコーンと魔法使えない魔術師・夢見る中年女性・英雄の運命を持つ王子の自分探しの話
    解説にあるメタ的な台詞の他にも全体で意味深い台詞多い。展開も王道の裏をかいてなおかつ王道
    .
    続編は王となった王子の話。本編の切ない終わり方と共にこっちも情緒に訴える良い話
    現実に足のついた部分もあるファンタジーだし、作家の精神状態が反映されてる部分もあると思う

    ■ 田中秀央・前田敬作訳 オウィディウス 「転身物語(変身物語)」
    ■ 浅倉久志訳 世界SF全集 17 ヴォクト(スラン・宇宙船ビーグル号)」
    ■ 浅倉久志・伊藤典夫訳 A・E・ヴァン・ヴォクト 地球最後の砦」
    ■ 高橋弘美訳 ドミニック・ラティ 「お風呂の歴史」
    ■ 芝修身、芝絋子訳 マリア・テレサ・ロペス・ベルトラン 「近世初期スペインの売春」
    ■ 吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説笑いの中世史」
    ■ 田口孝夫監訳 リチャード・バーバー 「図説騎士道物語」
    ■ 佐野俊彦・林寛治訳 レオナルド・ベネーヴォロ 「図説・都市の世界史 3 近世」
    ■ 吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説夜の中世史」
    ■ アンドリュー・ラングリー 「中世ヨーロッパ入門(「知」のビジュアル百科 25)」

    Vol 3436(2019-07-26)
    [2015-11]
    原7C。ファンタジー扱ってる関連から。名前だけは知ってたが実際読むと圧倒的
    田中秀央・前田敬作訳 オウィディウス 「転身物語(変身物語)」を読んだ
    .
    有名神話系統から天地創造・トロイ戦争・カエサルと扱う範囲広大、それにプラスして注で短くまとめた神話も膨大
    話の中に話が入れ子方式で、同一キャラ別表記・細かい説明省略・血縁関係ややこしいで正直読み難い。だが面白い
    注の充実で当時の風習もわかり、作品内で他国神の認識もわかる。表記もローマ風でユピテルなど一風変わってる
    .
    知らなかった神話情報が大充実。同時に恋愛詩を得意とした作者でそこも鋭く、TSや近親相姦など際どいネタも大量
    解説にある通り百科事典レベルで想像した以上の収穫。原典に近い所をあたると大正解だなと満足

    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連から。40と39-50の短編を集めて一本にした物。明確にファンタジーではないがSF古典名作の一つ
    浅倉久志訳 世界SF全集 17 ヴォクト(スラン・宇宙船ビーグル号)」を読んだ
    .
    スラン。テレパスの超人類狩りの世界での成長と反逆、意外な結末。ディストピア系列の変形ともいえる
    宇宙船ビーグル号。宇宙探検隊を次々と襲う怪生物、船内の闘争も少々。共に後期は変になる作家のまともな初期作
    まだ原爆投下前だが原子力扱った作品としても有名、同時にテレパスの設定を有効に使い強くなる事に説得力持たせてる
    .
    解説や筒井康隆などのオマケエッセイも付属。この人が変になるのはオカルト全盛の44ロスで影響受けた為とある
    14歳より執筆。創作方式とも一致するビーグル号など、昔の作で散漫さもあるがアクション主体で読み易くもある
    -
    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連ら。消されし時を求めても含め中編2本。浅倉久志・伊藤典夫訳 A・E・ヴァン・ヴォクト 地球最後の砦」を読んだ
    SFの人なんだが、ファンタジーのガイド本に扱われ読んだ。時間誘拐物と心は別にある系の話。解説から未来からの資源奪取は27よりとある
    ディックが影響うけたにも納得、ただ後期はおかしな方向に行く人。恋愛要素の混入と主役が目立たないは他作と共通する点もあり

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。最初に図版の別資料読んでるので、これは確認作業に近い
    高橋弘美訳 ドミニック・ラティ 「お風呂の歴史」を読んだ
    .
    薄い本だがよくまとまってて読み易い。最初に資料読んでて、図版は少ないが薄いのは良い
    図書の分類でお風呂の項があるのも発見。日本の風呂の本が多かったが、これは海外の話
    その時代の生活様式に合わせた作りや入浴法となる。西洋は風呂入って無かった時期も長い
    .
    海外は今でもバスタブ小さいなとか、開放的な浴場や施設もあるなで、今と繋がる点もあるのかも
    別所の米が顕著だが、下水道繋がったのも発展に大きい。時代は繰り返すが不潔の時代はもう良い

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。14Cから、特に17C初頭は詳しい。こういう所から当時の雰囲気を読み取る
    芝修身、芝絋子訳 マリア・テレサ・ロペス・ベルトラン 「近世初期スペインの売春」を読んだ
    .
    街の様子や売春宿の位置と間取り、システム。当時の飲食状況や生活様式と、資料から引いて詳しく書かれてる
    女性問題から入ってるので、売春宿のお父さんのピンハネから娼婦が訴えて改善された話なんかも載ってる
    現在の風俗資料詳しかったら、もっと情報引き出せたが娼婦の名前なんか面白い、出身地や体の特徴からの源氏名
    .
    当時の処女の考えとそれにまつわる逸話も入ってる。犯罪を思わせる様な話もあり、今と一緒な所もある
    公認の娼館の他にモグリもいて、客の取り方も今や江戸と比較すると面白い。当時の木版図版もあり

    [2015-10-18]
    ファンタジー扱ってる関連から。ラブレー読んだ直後で好都合。ルネサンス以降は開放的
    吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説笑いの中世史」を読んだ
    .
    祭や道化など広域に渡り、笑いの意味や、笑いの分析もあり、現在に至るお笑いのルーツを辿れる
    今と同じ様な所は多い、外国でも昔は落語みたいのがある。更に演劇の話題なんかも扱っている
    今も精神衛生と絡めた笑いの研究が海外で盛んだが、当時も医者は肯定的。機知は良い価値観でもある
    .
    ネタの分析は当たり前だが今と同じ様なのも多い。人間の実態を描き出すので、リアリズムにもなる
    図説で図版豊富、グロテスクにも触れる。当時の細かい生活様式や思想もわかり、接近法として適格だった

    [2015-10-18]
    ファンタジー扱ってる関連から。これ系は散々調べて、確認だけかと思ったが、思想や文学にも触れ大収穫
    田口孝夫監訳 リチャード・バーバー 「図説騎士道物語」を読んだ
    .
    19Cに騎士道文学は大ブーム。ただ、そこに至るまでの道筋で、価値観変化してる事が実例挙げてわかる
    騎士のシステムや十字軍の実態など、実際的な事も記述。しかし、具体的な思想はわからなかったので今書は重宝
    貴族の退屈や、若武者の閉塞と願望からの文芸。更に後年に至り、紳士という新しい価値観が出るまで
    .
    理想を扱ってるので自動的に思想的な話となる。19Cのジョスト復活の様子など、技術と資金面の実際もわかる
    騎士道文学に関しては現状の文芸と似た点もあるし、歴史的に繋がってく所もあり、今と昔と人間はかわらない

    [2015-10-18]
    ファンタジー扱ってる関連から。大判で持ち運び厄介だが各シリーズある。ルネサンス以後の近世
    佐野俊彦・林寛治訳 レオナルド・ベネーヴォロ 「図説・都市の世界史 3 近世」を読んだ
    .
    建築の歴史的な変換と発展を図版と解説で紹介。建築してる人向きだが、図面あるのでファンタジー好きにもいい
    なにしろ、ルネサンス。画期的な建築様式や都市の整備。南米が当時の面影残してる事も、改めて納得
    お城や街、教会。図面だけでなく、当時の装飾なども含む写真も多数。宮殿と厩舎の位置関係もばっちり確認
    .
    同時に調べてた、当時に風呂はあったかかも確認。建築や歴史に詳しかったら、もっと情報引き出せたとも思う
    それでも図版は多いので、眺めてるだけでも想像が広がって楽しい。図面や地図は想像も広がる

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。13-16Cぐらいの中世後期。引用からの推察。図版も豊富
    吉田春美訳 ジャン・ヴェルドン 「図説夜の中世史」を読んだ
    .
    この時代の実際はわからない所もあるらしいが、当時の文芸資料等から、思想まで含め解説
    都市生活の実際がわかる他、あまり取り上げられない裁判記録からの犯罪の実際なんかもわかる
    当時の建物の様子も、詳しく書かれイメージ描きやすい。夜はいい仕事出来ないから就寝と手工業社会
    .
    娯楽も無いのでバクチだが、これも夜はイカサマ防止で禁止。学生の暴動など現代に近い点もある
    歓楽もふくめ日本と比較しながら読んだ。夜警等にしても柔軟で、人間の住んでた社会だなと改めて納得

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。こういうのはやっぱり図版で見るのか早い。ただ資料が無い場合も多い
    アンドリュー・ラングリー 「中世ヨーロッパ入門(「知」のビジュアル百科 25)」を読んだ
    .
    封建制度から資本重視の転換など歴史の大まかな流れも紹介。庶民以外の実際も文章つきでわかる
    角で作ったプラスチック代用品なんかも発見。教会のステンドグラスなど昔の人は絵や劇でも物を知る
    区分的には15Cぐらいから切り替わってて、そこまで。文芸でもそうだが考え方の転換はあるなあと思う
    .
    農民の生活はだいたい同じ。当時の傭兵の装備なんかも掲載。後は楽器など娯楽の為の道具など
    なにしろ資料がないので、実際どうかはこれらから想像するしかないが、今と繋がってる部分もあると思う

    ■ 橋口久子訳 サビーヌ・メルシオール=ボネ 「図説 不倫の歴史」
    ■ 河原 温、堀越宏一 「図説中世ヨーロッパの暮らし(ふくろうの本)」
    ■ ジョゼフ・ギース+フランシス・ギース 「中世ヨーロッパの城の生活」
    ■ 永野藤夫、井本シュウ二、今田理枝 フェルディナント・ザイプト 「図説中世の光と影」
    ■ コリン・プラット 「図説 中世の世界」
    ■ 荒俣宏訳 ジョージ・マクドナルド 「リリス」
    ■ 柿崎亮訳 ウォルター・デ・ラ・メア 「デ・ラ・メア幻想短篇集」
    ■ 宇野利泰+多田雄二+ H・G・ウェルズ
       「世界SF全集 2 ウェルズ(タイム・マシン+透明人間+宇宙戦争)」
    ■ 中村融訳 H・G・ウェルズ 「モロー博士の島 完全版」
    ■ 宇野利泰訳 H・G・ウェルズ 「透明人間」

    Vol 3434(2019-07-19)
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。古代から現代まで全域にわたる。昔は娯楽も少なく、それは重要
    橋口久子訳 サビーヌ・メルシオール=ボネ 「図説 不倫の歴史」を読んだ
    .
    嫁貸し借りOKとかスパルタ凄いねーなど、昔の人は想像以上に乱れていらっしゃる
    宮廷の実態と、恋も階級。そこから低い身分の理想化された騎士道物語とそのパロディの流れに納得
    近世にいたるまでの意識の変化も同時に追う。現実と文芸では理想と現実で差があり面白い所
    .
    図説で不倫なんで、そんな感じの図版も多数収録。庶子や愛人の実際なんかも参考になる
    今の文芸でも寝取られあるけど、ちゃんとした文学でも扱われ、古代からのテーマなのねえと感心

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。以前も騎士や魔女で便利だったふくろうの本
    河原 温、堀越宏一 「図説中世ヨーロッパの暮らし(ふくろうの本)」を読んだ
    .
    だいたい13〜14C頃の話を扱ってる。農民の暮らしは以降も同じなんで庶民に関してはよくわかる
    図説なんで全編ほぼカラーで図版豊富。農民と都市生活。資料から食生活や職業などわかってる事
    調べたかったのはこれより少し後だが、街並みに関しては広場など今もその痕跡残してる所ある
    .
    手工業の重視、多い祭と市場の賑わい。子供の観念がまだ無いもあるが、貧富差など今と同じ場面も
    農民の数の多さは日本と重なる所もある。今の方が当然いいが、昔もそれなりにしっかりやってたんだなぁと

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。先に調べた資料が農民中心なので貴族はどうなのかという所でこれ
    ジョゼフ・ギース+フランシス・ギース 「中世ヨーロッパの城の生活」を読んだ
    .
    時代区分的には11〜13Cと古め。城はあくまで戦争用で、以後は兵器変化や17Cは生活に適さず牢になる場合も
    ファンタジーはもちろん、騎士道文学とかとは違う。実際は権威示す為の見栄など、そうとう乱れてた事がわかる
    生活の様子はわかり、退屈の対策が社交なら誇示消費もよくわかるが、今の価値観から見ても良い領主もいる
    .
    森が重視され狩猟してた話は馬の話とも重なる。当時の若い結婚や子供ぽんぽん産んで若く引退も時代
    日本と重なる所もあるが昔。城の様子や食事、ほか幻滅する所もあるかもだが実際の様子がよくわかった

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。中世の文化全般を図版を使って取り上げながら解説してく本
    永野藤夫、井本シュウ二、今田理枝 フェルディナント・ザイプト 「図説中世の光と影 上・下」を読んだ
    .
    資料がないらしくて今でもわからない所は多いが、各種資料に基づいての考察してる原書1987の本
    宗教→封建→資本と移り変わってく様子がわかる。また、それと技術変換にもまつわる考え方の変化など
    主に11〜15Cくらいまでを紹介。文は教科書でなくわかり難い点あるが、実際に写真見ながら読めるのは良い
    .
    当時の民衆生活や文化も扱い。時代劇と同じで、文芸とは違う過酷な世界。だが、今と繋がる部分も多い
    思想的な事での対立や貧富の問題など抱えてる事が今と同じの部分もあれば、医療や情報と違う点もある

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。西洋の図版みたいのを期待したら11〜15C世界全般を扱う書籍
    コリン・プラット 「図説 中世の世界」を読んだ
    .
    大判なんで持ちにくく、全域を扱ってるせいでおおまかになる。だが、各地の様子を並行して見れるのは良い
    大判らしく図版も豊富。地図表示して各国の芸術を紹介してる図なんかは地域性が出て面白かった
    外国の本だが日本の紹介も多くとられてる。外人視点で見ると日本の文化・芸術の特殊な点がよくわかる
    .
    教科書の様な取り扱いなので軽くはあるが文は読み易い。異民族の侵入がどう文化に影響するかの話
    各国の有名な芸術品を見れるのでその分野でも興味は深い。軽くはあるがなかなか良かった

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。鏡を使って異世界移動だが1895年作と年代的に惜しい
    荒俣宏訳 ジョージ・マクドナルド 「リリス 上下」を読んだ
    .
    幻想文学に近いのかもしれないが、読んでるとこっちの価値観がグラグラ崩れる程に良い
    展開的にも最初は異世界移動して旅する内容から、生死の意味を問う深い内容に変化
    リリスは聖書の悪魔の母だが、そこらも含め狙ってる。イメージの展開も少ない頁数ながら広い
    .
    台詞のキレもよく残ってるのが納得の出来栄え。SFと幻想文学中間の作とも云える
    作者がルイス・キャロルと親交有り、息子の励ましがアリス出版につながった事メモしとく

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。1903〜1955の短編を収録。特殊な名前だが英国の人
    柿崎亮訳 ウォルター・デ・ラ・メア 「デ・ラ・メア幻想短篇集」を読んだ
    .
    結論から書くと少し難しめ。今だとホラーに近い作りかもでオチや展開がうやむやな所ある
    初期はポーとかの雰囲気あり、後半は会話中心で戯曲的。時代や環境の影響が強く出てる
    文芸の人に近いかも。他資料から英国のとりとめない会話で展開する小説の典型としても見れる
    .
    現代ファンジーと比較でとりとめない会話と似た点はあるが、事件が表面に出ないは違うとも思う
    これ以前の文芸や同時期のファンタジー・文芸作とは似た点がある。微妙ではあるが資料にはなった

    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。大昔に読んでるし映画なんかも見てるけど内容は当然忘れてる
    宇野利泰+多田雄二+ H・G・ウェルズ
    「世界SF全集 2 ウェルズ(タイム・マシン+透明人間+宇宙戦争)」を読んだ
    .
    タイムマシンの二種族と宇宙戦争の混乱化の分断なんか見てると、テーマの一貫がわかってなるほどとなる
    透明人間は先に読んでるがこれもそれはらむ。1895-98の作で別書の解説から当時の社会状況も反映
    宇宙戦争も改めて見るとバトル・パニック・サバイバルと要素多い。中盤の兵士の主張なんかは魂こもってる
    .
    タイム・マシンでも宇宙戦争でも怪生物は海の物。先行の海洋冒険や後のラブクラフト怪物思うと線も繋がる
    当時の時代性反映してるんで馬車出てるのも面白い。飛行機信じられなかった人だったとかの逸話もある

    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。1896。昔の作家は抄訳とかあるがこれは完全版。映画版公開に合わせた96刊
    中村融訳 H・G・ウェルズ 「モロー博士の島 完全版」を読んだ
    .
    解説が充実してて他書読む点でも参考になった。当時の情勢と進化論の悪解釈とか整理して理解出来た
    説明不足な点も感じるが面白い。以前にも読んでるが、展開がよく考えると蠅の王(54)にも近く原型ここかと納得
    人間性とは何ぞやがこの人のテーマになってる事がよくわかる。暗いヴィジョンの持ち主だが本人は豪快系なお人
    .
    来る人拒まずの性生活してた人。これ以前の女性観なんかも含めて、実際は冷めた目も持ってたんだろうなと
    この頃の公開時タイトルはDNA。人工生命の悲哀なんかも扱ってる事になる。昔の作だが今も冴えわたるアイデア

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。原書1897。有名作ながら意外と完全な形では読んでない作品。今回も発見あった
    宇野利泰訳 H・G・ウェルズ 「透明人間」を読んだ
    .
    透明薬を開発してやりたい放題する筈が全裸で腹も減って辛いという内容。それだけで一冊書くってのもスゴい
    犯罪に関わる話。解説が荒俣宏で同期に読んでた本も含め、指輪物語の透明で凶暴化の原点もあるなぁと思った
    狂科学者モノでもある。その割には透明化でやろうとした事のセコさや、間抜けすぎる経緯でヌケた所も多く滑稽
    .
    設定的によく考えるとアラや矛盾もあるが、そういうのを抜きにしても結構面白く娯楽作してる所も注目点だと思う
    目的が腹減った・寒い・金欲しいな透明人間と人物が面白いからなのかなとも、今読んでも大丈夫な一世紀前の作品

    ■ 荒川浩充訳 ジュール・ヴェルヌ 「十五少年漂流記(創元SF文庫)」
    ■ 高山宏訳 W・J・ミラー注 ジュール・ヴェルヌ 「月世界旅行 詳注版」
    ■ 高木進訳 ジュール・ヴェルヌ 「ヴェルヌ全集 15 月世界探検」
    ■ 石川湧訳 ジュール・ベルヌ 「地底旅行」
    ■ 清水正和訳 ジュール・ベルヌ 「海底二万海里」
    ■ 山田和子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「夜の言葉」
    ■ 岩原明子訳 キャサリン・カーツ 「グヴィネド王国年代記 獅子王の宝冠・反逆者の影」
    ■ 仁賀 克雄/訳 C・L・ムーア 「暗黒神のくちづけ 処女戦士ジレル」
    ■ 仁賀克雄訳 C・L・ムーア 「シャンブロウ」
    ■ 黒丸尚訳 ロジャー・ゼラズニイ 「地獄に堕ちた者ディルヴィシュ」

    Vol 3432(2019-07-12)
    [2015-09]
    原1888。ファンタジーからの派生。これは大昔児童版のを見て途中でキレてほっぽり出した記憶がある
    荒川浩充訳 ジュール・ヴェルヌ 「十五少年漂流記(創元SF文庫)」を読んだ
    .
    まずヴェルヌ作だった事しって驚いた。これは完全版で前段階やヴェルヌ傾向もわかり今なら読める
    人物描写は後期は上手くなってる。サバイバル物か冒険物として読むかで印象も変わってくると思う
    明確に悪意ある蠅の王等と比較すると薄いが、前段階のロビンソン〜やヴェルヌ初期作と比較すると良い対立
    .
    後半にはロビンソンみたいな対決もある他、現実と小説を一緒にするなという教訓もヴェルヌらしいと思う
    生き残る秘訣や意志の問題もロビンソン〜と比較すると具体的で、以後の娯楽作品にも継承されてる部分ある

    [2015-09]
    原1869。ファンタジーからの派生。本作は二部構成で、まとまって読むには出版社またぐ必要がある
    高山宏訳 W・J・ミラー注 ジュール・ヴェルヌ 「月世界旅行 詳注版」
    高木進訳 ジュール・ヴェルヌ 「ヴェルヌ全集 15 月世界探検」を読んだ
    .
    詳注版は78年出版でSF作家に大歓迎された。解説にあるがヴェルヌは原型の形で出版されない場合もある
    そして当時の時代背景の考慮も必要。この詳注版ではそこを完全カバーし、当時の最新技術を反映した本とわかる
    執筆時期的にもこなれ始めた頃で内容的にも興味深い。ロケット発射物の原点ともいえる内容
    .
    説明が長い点は他作と同じだが、発射を巡る狂乱や発射後の酸素騒ぎやよく食べる生活も印象深い
    映画創世記の作の印象強かったので、実際はこんな作かと納得。現実に足がよくついてる

    [2015-09]
    原書1863。ファンタジーからの派生。角川文庫版だが初期の作になる
    石川湧訳 ジュール・ベルヌ 「地底旅行」を読んだ
    .
    ヴェルヌの訳は複数存在するのでどれが正確なのか図り難い所ある。これは映画作の表紙
    地底行くまでで1/3・降りてく過程で1/3・やっと地下探検はじまって1/3と初期作でマズイ所はある
    技術解説が中心になるのは他作と同じ。人物描写は少ないがやたら優秀なガイドは記憶に残る
    .
    冒険記といった所で後の娯楽作の様なアクションは少ない。だが地底で恐竜の対決は見学する
    古代ロマンからの探索や冒険が成功するかの興奮なども見所。今の基準だと物足りないが興味は深い

    [2015-09]
    原書1870。ファンタジーからの派生。19C文芸は扱う予定なかったが流れの把握に必要で仕方なく
    清水正和訳 ジュール・ベルヌ 「海底二万海里」を読んだ
    .
    時代背景の把握が昔の作は重要。実際の実用的な潜水艦はこの前後1864から開始され20C初頭に完成してる
    上記で当時なら最新技術の話。世代的にナディア連想するが深海探検して世界一周。状況や設定描写も多い
    白鯨は1851。バトルのシーンも多くクジラはもちろん、海外娯楽作向きのサメやタコとわざわざ白兵戦をしてる
    .
    前述通り物語として見ると説明多くネモ船長の身元も謎のままだが、気が利いてユーモラスなカナダ人の会話等もある
    退屈な部分も多いが時代性考えるとナウい。当時の風俗や考え方が出てる点でも興味深い小説

    [2015-09]
    原79。ファンタジーからの派生。訳は85年サンリオ文庫で出たあと、92に岩波より出直したエッセイ
    山田和子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「夜の言葉」を読んだ
    .
    ゲド戦記の前書きも気骨にあふれてて気になってた。本書も志の高い面白い内容になってる
    キャサリン・カーツの批判があるとして気になってた。これはファンタジーでの文体の事を挙げてる
    完全に芸術肌の人。どういう信条で作品書いてるかも一発でわかる。真摯な人柄とSFの辞典にも書いてる
    .
    ただ作品でも尖った部分は結構おさえて書いてるとも思うので、そこらへんのバランスもいい
    他の人の作品分析も変わった視点で気づく所あった。文芸界でも言いたい事言えて海外はいいなぁと

    [2015-09]
    原書70。ファンタジー扱ってる関連から。指輪以降は三部作作品が出始めてその元祖らしい
    岩原明子訳 キャサリン・カーツ 「グヴィネド王国年代記 獅子王の宝冠・反逆者の影」を読んだ
    .
    ル・グィンが酷評という前評判つきの作品だが、憎み合う者は似た所もあるで近いと思う部分もある
    超能力種族の血を引く14歳の王子が王となる話。たしかに宮廷劇とか軍記物とかそっち系に近い
    作者が研究者や教材作成と多種の職業こなしてるのも特徴。そこから細かい設定も付録につく
    .
    年表もつくが、超能力に近い魔法を使える種族が差別された話でキリストなんかの話も出てくる
    ファンタジーとしては確かに変わってた所ある。音楽のメタルは細分化されたがファンタジーもそうなのかも

    [2018-07-15]
    原34。延々と貸出中でどうなってるんだと思いながら放置していた一冊。久々に見たら返却されていてやっと
    仁賀 克雄/訳 C・L・ムーア 「暗黒神のくちづけ 処女戦士ジレル」を読んだ
    .
    時代性を考慮に入れる必要がある。現状でも読めば面白いけど、人には薦められるほどの出来にはなっていない
    雑誌連載していた作品で処女戦士は後につけられた名称。そういう楽しい展開は無いし現在ほどキャラも立ってない
    歴史資料として見ると面白い系。解説がSF関係者も考慮いるか、ファンタジーがまだ現実の歴史影響から抜け出せてない
    .
    暗黒神の方が要素としては重要。女戦士も含め現実ではないので、少しずつ架空要素ありに発展したとわかる
    当時のファンタジー感に従いながら、髪が緑の精霊など架空をどう入れたかも見所。日挿絵松本零士も現在だと資料

    [2015-09]
    原08。ファンタジー扱ってる関連から。訳も08年だが、先に訳もあり1933-40の短編のまとめ本
    仁賀克雄訳 C・L・ムーア 「シャンブロウ」を読んだ
    .
    女性作家。他に処女戦士ジレルがあるがこれは図書館で延々貸し出し中で三年後にやっと。C・W・スミスのSF物
    謎の女性の魔の誘惑。先に訳で大宇宙の魔女などとして出てる。セイレーンやメドゥーサ的な話、クロスオーバーもあり
    人類文明は宇宙由来の設定も元は創作からと納得。妖しい女性怪物の誘惑はは女性ならでは
    .
    コナンなんかと同期で怪物描写に優れているが、襲われてから展開と受け身でホラーな点もある
    ちょっと読み難いと思う点もあるがとにかくセクシー。気の利いた皮肉もありSF史に名を残すのも納得

    [2015-09]
    原82。ファンタジー扱ってる関連から、64年からの短編をまとめていった内容になる
    黒丸尚訳 ロジャー・ゼラズニイ 「地獄に堕ちた者ディルヴィシュ」を読んだ
    .
    作者履歴でドン底の頃に作家デビュー成功の逸話。先に読んだ本は難解だったが、こっちは幾分読み易い
    最初からファンタジー志向で、途中で終わる短編中心は注目点。短編を再構成する作り方も作風と関連すると思う
    内容も地獄から復活した英雄と鋼鉄の馬ブラックのコンビ物。82年執筆作では今のファンタジーらしい魔法も使用
    .
    悲劇と諦めの雰囲気もある点は筆者のドン底精神状態と関連あるかも。読み易いが特殊な文と思う
    訳で[ッ]等の小文字の多用や漢字の内容変えたルビ、太字フォントでの魔法なんかも資料としてメモしときたい

    ■ 大久保博訳 マーク・トウェイン 「マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク」
    ■ 加島祥造訳 マーク・トウェイン 「完訳 ハックルベリ・フィンの冒険」
    ■ 小倉多加志訳 マーク・トウェイン 「アーサー王宮廷のヤンキー」
    ■ 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エレコーゼ1・2」
    ■ 井辻朱美訳 マイクル・ムアコック 「永遠の戦士エルリック[全]」
    ■ 林克己訳 ポール・アンダースン 「脳波」
    ■ 榎林哲訳 ポール・アンダースン 「処女惑星」
    ■ 豊田有恒訳 ポール・アンダースン 「銀河よ永遠なれ」
    ■ 三田村裕訳 ポール・アンダースン 「天翔ける十字軍」
    ■ 深町真理子+稲葉明雄訳 ポール・アンダースン 「タイム・パトロール」
    ■ 世界SF全集 21 ポール コーンブルース アンダースン ファーマー
       加島祥造訳 フレデリック・ポール+シリル・マイケル・コーンブルース 宇宙商人 原書1953
       深町真理子+稲葉明雄訳 ポール・アンダースン タイム・パトロール 原書1960
    ■ 伊藤典夫訳 フィリップ・ホセ・ファーマー 恋人たち 原書1961
    ■ 関口幸男訳 ポール・アンダースン「折れた魔剣」
    ■ 豊田有恒訳 ポール・アンダースン「魔界の紋章」
    ■ 浅倉久志訳 ジャック・ヴァンス 「大いなる惑星」

    Vol 3430(2019-07-04)
    [2016-03]
    原書1895。ほら話から今の作の流れ掴むため。トウェインもジャンヌネタしてるとは知らず驚いて借り出し
    大久保博訳 マーク・トウェイン 「マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク」を読んだ
    .
    解説から、ヒットしすぎて何言っても笑われる辛い状態になったとわかる。そんな訳で今作は初掲載は別名義
    ハック読んで作者傾向は掴んでる。今作はアーサー王以後だが、作者一番のお気に入りでストレートな部分も多々
    大ボラ傾向のパラディンはトムソーヤとも類似。嘘を前提とする作りや、嘘つく事への複雑な心情もハックと似てる
    .
    信仰が無いようだが、単に教会を嫌ってるだけで真の神に近づこうとしてる。それが妖精や、ジャンヌの話に繋がる
    意志を曲げないテーマはハックとも共通。真面目に偉大な魂とは何かに取り組み、全課程を筋も通し書き読み応えある

    [2016-03]
    原書1885。ほら話から今の作の流れ掴むため。ヴェルヌ・ウェルズと同期。アーサー宮廷は既読
    加島祥造訳 マーク・トウェイン 「完訳 ハックルベリ・フィンの冒険」を読んだ
    .
    転々と環境を変える作りは教養小説にも近い。一人称・方言+会話重視なんかも同時期の作と類似
    テーマ的には嘘つく事が重大事になってる。アーサー宮廷も悲劇エンドだが、わりと正直な所も感じる
    前半はひどい親爺を騙くらかし、中盤はペテン師二人組と悪事を働き葛藤もある所が良い。共に嘘とも繋がる
    .
    解説にもあるが黒人助ける為に正直になる所は熱い。それ以後も作者が本来書きたそうな伸び伸びした所はある
    台詞のキレも嘘に関する葛藤の部分が凄く良い。米文学の重要作品であると同時に国民性も出てると思う

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。原書1889年。これもSFやファンタジーの歴史で必ず挙がる作
    小倉多加志訳 マーク・トウェイン 「アーサー王宮廷のヤンキー」を読んだ
    .
    異世界で俺Tueeeモノと説明すると早い。当時の最新技術や、偏っているが思想も出てる
    終始イケイケではあるが作者の事も念頭にいる。ただ物語としては超強気なんで面白い
    やはり時代は随所に出てるなあとおもう。その反面で当時の米国人の負けん気はよく出てる
    .
    パロディともいえるがアーサー王の話には敬意持ってるし、面白い出来事も上手く拾ってる
    終盤の展開は作者の良心や本心ともいえる。今作念頭に置くと後の異世界系ファンタジーもわかる

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。 原書1970訳07刊の新装版 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エレコーゼ」を読んだ
    多次元設定補足も。旧邦題永遠のチャンヒオン。作者履歴で十代の編集長から60年代ニューウェーブ引率と経緯も確認
    エルリックと同時読みで最初のナチス登場や黒の剣設定に納得。再編集が各作で重なり多く何をしたいか意図もわかる
    .
    ファンタジー派生。 原書1986世界重なり印象ボヤけも 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エレコーゼ2」を読んだ
    鏡明解説で魔道士の語を開発した荒俣宏のファンタジー貢献。近作と旧作で違い明確で自作全体に統一感を持たせてる
    セリフや思想的でも近作の方がキレキレだが、そこで単純展開は違和感も。他作品間の統一は日本の漫画でも見られる

    [2015-08]
    ファンタジーから派生。面白かったので全冊借り出し 井辻朱美訳 マイクル・ムアコック 「永遠の戦士エルリック1」を読んだ
    原書1972&1989。二冊分収録で作品年代順の新訳版。旧約版はイラストも多く、薄くて読み易くもあるので悩ましい所
    最初皇子だったのかと驚き。親族闘争と他次元設定活きる話。破滅願望や意味深い問答などやっぱり自分好みな作品
    [2015-08]
    ファンタジーから派生。 解説で原書と新版経緯もわかる 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エルリック2」を読んだ
    原書76&77。作中の年代順構成だが発表年異なり各作で違和感。後期でシリーズ全体統一と他相棒ムーングラム登場
    地図が付属でメルニボネが島国に驚く。内容的には拷問されかかり弱すぎで逆に心配やムーングラムの明るさが印象的
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。 原書77だが発表は60年代後半 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エルリック3」を読んだ
    当時の他作と比較すると標準的な作り、全体で見ると作り込んだ話を安易に決着つけていいのかなと違和感がおこる
    古い時期の作多く、迷った末にロクな目に合わないを堪能できる。初期と後期でそれぞれ持ち味あるが初期作は短く読み易い
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。間違って4から 井辻朱美訳 マイクル・ムアコック 「エルリックサーガ4 暁の女王マイシェラ」を読んだ
    途中からでどうかなと思って読み始めたらメチャ好み。矛盾はらむ魔法剣士に呪われた剣・報われない展開と超好み
    原書70年だが設定的にも転生と記憶やカオス・ロウの観念など一味違う。薄く文も読み易く挿絵も良くて思わぬ拾い物
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。 原書01以降の最新版 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エルリック5」を読んだ
    4巻解説ひかわ玲子にある通り昔のファンの知らない新作。エレコーゼ継承でナチスの他、展開も初期作をなぞってる
    秩序と混沌設定から中庸を定める作家なのでそれを反映した作り。死んだエルリックがいかにして話に絡むとかも面白い
    .
    ファンタジーからの派生。 三分割で主人公わけた内容 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エルリック6」を読んだ
    多次元設定を活かした作り。500Pぐらいだが濃密で複雑な筋。似た傾向の光の王なんかと比べると断然読み易いと思う
    古い神話や現実の話も取り込み立ち位置が難しい。今作では敵のひとりが味方に近い立ち位置にありここらは混乱した
    .
    ファンタジーからの派生。 最終巻は子供でファンタジー伝統 井辻朱美訳 マイケル・ムアコック「永遠の戦士エルリック7」を読んだ
    この立ち位置や思想で話を進めるなら敵が安易すぎる。中庸非暴力で話を進めようとすると難しい事がわかる
    内容的は話の連続や重ね合わせである程度わかりやすく凄い所ある。近作と過去作で違いあるのは作者が成長してる証拠

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1954。先にファンタジーでも読んでるがタイムパトロールの人
    林克己訳 ポール・アンダースン 「脳波」を読んだ
    日本のSF好きの源流みたいな所はある作家。地球の生命の全て知能向上して巻き起こる騒乱の話
    内容的にも扱ってる幅が広く、宇宙探査と帰還、妻の異常は凄く良い。この人の中でも主張性も強い一品
    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1959。直前に同作家の脳波読んだ後で、良い意味で吹き出してしまう
    榎林哲訳 ポール・アンダースン 「処女惑星」を読んだ
    ドキッ!美女だらけの星に男一人。良い意味でおバカな話。微笑ましくて終始ニヤニヤして読んでしまった
    細かい部分が地味に作り込んてるのも変で笑える。展開的にもモテモテ。こういう話も好きなのねで親近感わく
    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。原書1957。カラー見開き。豊田有恒訳 ポール・アンダースン 「銀河よ永遠なれ」を読んだ
    先行はこっちで、スペオペの流れの作品ではある。だが印象としてはスタートレック風。異文化と規則の話
    短編も多く散ってる所もあるが、文化の描写は常に細かい。また全裸の女性部族とか嫁と宇宙旅行とかの俗っぽさも好き
    [2016-01]
    ファンタジーから。原書1960。同系のシリーズもあるみたい。三田村裕訳 ポール・アンダースン 「天翔ける十字軍」を読んだ
    良い意味で凄く馬鹿馬鹿しい。13Cの英国人が侵略宇宙人を逆に倒して、宇宙帝国を作っちゃう話。強すぎた異世界人の話
    ひとまわりする構成や記録書風と技法も工夫。展開的にもパワープレイながら納得行き爽快感。娯楽作家として手馴れてる
    [2016-01]
    ファンタジーから。原書1960。再読 深町真理子+稲葉明雄訳 ポール・アンダースン 「タイム・パトロール」を読んだ
    パラドックスの問題を扱い、別の宇宙史と凝ってる。それでいて引きつける。F先生にもTP物あるが影響かなり受けてそう
    短編。それ以前の時間問題に一石投じつつ受け継いでる部分も。未来史ものもあり納得。ロマンスネタも作家の個性

    [2016-11]
    まとめられてる全集が読むのにてっとり速い。被ったり大昔に読んだ本もあるがどうせ忘れてるし、これには解説もつく
    世界SF全集 21 ポール コーンブルース アンダースン ファーマー
    加島祥造訳 フレデリック・ポール+シリル・マイケル・コーンブルース 宇宙商人 原書1953
    深町真理子+稲葉明雄訳 ポール・アンダースン タイム・パトロール 原書1960
    伊藤典夫訳 フィリップ・ホセ・ファーマー 恋人たち 原書1961
    .
    同時期の他ジャンル小説を調べた加減や、その前後の流れもわかってるので読み方変わる。解説にも移行期と書かれてる
    名作だがまだ洗練されてなく面白くない部分も。設定はどれも非常に面白い。これもジャンルが定まってないからと思う
    解説も当時の思考を反映してる。問題も多い福本見解だが異世界物と捉えず時間物の亜流と解説してるのは面白い見解
    .
    設定が前に出過ぎはハードSF。キャラを前に押し出すはスペオペ。ハードボイルドの流れも。作家の本業が反映された作も
    昔のSFが設定的な部分に評価が集中した点もこれ系を名作と捉えてたと思うと納得。今も残り発展した作は純粋に面白い

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。タイムパトロールで有名な人の作。発表時期も内容も特殊で文増やして扱う
    関口幸男訳 ポール・アンダースン「折れた魔剣」を読んだ
    .
    指輪物語一巻と同年の作。エルフとトロールの戦争に混血児が絡む内容。エルフイメージが固まる前と貴重な作品
    取り換え子の話で近親相姦など性の話も大きくある。サーガに題材とるので内容多く、過去の伝承を上手く引き継いでる
    この時期のエルフは全て黒目で同族婚で反映、トロールとの間にも子を作れる。悪いイメージで描写されてる場面もある
    .
    カセイを中国と訳しそこの蛮族の他、チパングの鬼族の存在も注目点。トロールはバイキング風の描写もされている
    1954の作、結果的に指輪が主流となったが、流れとしてこの時期に過去の伝承を作品に継承させるのが定着したとも見れる

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。評価は折れた魔剣よりこっちが上との事。豊田有恒訳 ポール・アンダースン「魔界の紋章」を読んだ
    原書61年、作家による訳。異世界ビュン型の話だが並行世界の設定が出る。モーガンの他、ケルト系の伝承も使用
    内容的には訳文にも工夫で鳥の乙女アリアノラは可愛いく、中盤で疑惑も良い。その後の流れと比較すると面白い一作

    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。原書52年で内容的にはSFになる 浅倉久志訳 ジャック・ヴァンス 「大いなる惑星」を読んだ
    時期的に言うとファンタジーでの異世界を細かく描写する走り。内容は異文化の中を横断してく話で読みやすいともいえる
    明確な結論を出せないのも先の作と同じで特徴といえる。また当時は心理描写を削った版が出てた事も解説からわかる

    ■ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語 1 タランと角の王ほか[全五巻]」
    ■榎林哲+厚木淳訳 アンドレ・ノートン 「魔法の世界エストカープ ウイッチワールド既刊四巻」
    ■浅倉久志訳 ジャック・ヴァンス 竜を駆る種族」
    ■森下弓子訳 T・H・ホワイト「永遠の王 アーサーの書上下」
    ■荒俣宏訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン 「ナイトランド」
    ■団精二(荒又宏)訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン 「異次元を覗く家」
    ■荒俣宏訳 ロード・ダンセイニ 「魔法の国の旅人」
    ■浅倉久志訳 フリッツ・ライバー「魔の都の二剣士+死神と二剣士」を
    ■山崎淳訳 エリック・ラッカー・エディスン 「ウロボロス(1922)」
    ■川口正吉訳 エイブラハム・メリット「ムーン・プール(1919)」
    ■川口正吉訳 エイブラハム・メリット「イシュタルの船(1924)」
    ■団精二(荒又宏)訳 エイブラハム・メリット「黄金郷の蛇母神(1937)」
    ■杉山洋子訳 ジェイムス・ブランチ・キャベル 「世界幻想文学大系 29 夢想の秘密」
    ■荒俣宏訳 ロード・ダンセイニ「ペガーナの神々」
    ■原葵訳 ロード・ダンセイニ「エルフランドの女王」
    ■松村みねこ訳 ロード・ダンセイニ「ダンセイニ戯曲集」
    ■団精二(荒俣宏)訳 ロバート・E.ハワード 「征服王コナン」
    ■宇野利秦・中村融訳 ロバート・E.ハワード 「新訂版コナン全集2 魔女誕生」
    ■宇野利秦・中村融訳 ロバート・E.ハワード 「新訂版コナン全集3 黒い予言者」
    ■中村融訳 「新訂版コナン全集5 真紅の城壁」
    ■夏来健次訳 ロバート・E・ハワード 「黒の碑 クトゥルー神話譚」

    Vol 3426(2019-06-14)
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生、原書1964年 ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語 1 タランと角の王」を読んだ
    子供向けなんで油断してたがエラく面白い。特に一番の肝はヒロインのエイロヌイが可愛すぎる点。非常にラノベ的
    成長物語のジャンルだが台詞が気が利いてて説教臭さも少ない。応援したくなる登場人物という点でも学ぶ所多かった
    [2015-09]
    ファンタジーからの派生、面白く続巻も借り当たり 神宮輝夫訳 ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語2」を読んだ
    憎い人間・死・善悪不明の魔女・捨てる決意・裏切り、前書きに成長には苦しみが伴うとあるが追いこみもキツく納得
    全巻通して容赦なく鋭く、それだけに主人公やエイロヌイ姫含めキャラは魅力的。死も重たく受け止められる
    .
    ファンタジーからの派生、コメディ調にするよと前書き 神宮輝夫訳 ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語3」を読んだ
    猫の本も書いていて反映させた内容。児童文学だが主人公の姫への恋心や行動もはっきりでのめり込める
    人物描写も悪人じゃないけどダメな人の描写がグンバツ。ユーモアやロマンスも入れられて意味もふかいのは幅が広い
    .
    ファンタジーからの派生、自分探しの旅に出る話 神宮輝夫訳 ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語4」を読んだ
    未熟な豚飼育補佐からスタートが話の中で苦しみ成長してく様がはっきりわかる。今巻は親や仕事の意義に関して扱う
    芸術の扱いなんかもあるし、どんな生き方でも尊重してるのも偉い。児童文学だが先の先まで見据えた凄くいい内容
    .
    ファンタジーからの派生、今巻は大戦争にして総決算 神宮輝夫訳 ロイド・アリグザンダー 「プリデイン物語5」を読んだ
    今までの冒険であった人間がちゃんと集約し死も扱う。全編バトルでタランの行動も成長した人間のそれになってる
    最後もよく、ちゃんと積み重ねた上の決断で納得。同時に姫の決断など現実に向かっていくようないい内容になってる

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。63年刊で当初は一巻だけ予定 厚木淳訳 アンドレ・ノートン 「魔法の世界エストカープ」を読んだ
    展開的には異世界ビュン型だが、立ち位置はSFとファンタジーを融合作。実際女王側の設定は作り込んでる
    目玉は科学VS魔法・異世界人同士の抗争だが後半からと勿体ない。この時期の日挿絵は武部本一郎多いのもチェック
    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連からで追加 榎林哲訳 アンドレ・ノートン 「ウイッチワールド2 魔法の世界の凱歌」を読んだ
    3・4が一人称だが2は三人称。1は明確にバローズ影響だが今作より持ち味出て後半に至る。話自体は主人公がいまいち
    SF寄りの部分が強くバローズ後のファンタジー系列橋渡し。女性作家もポイントで後半含め馬の描写も細かい
    [2015-11]
    ファンタジー扱ってる関連から。1が微妙で保留にしてたが
    榎林哲訳 アンドレ・ノートン 「ウイッチワールド3 魔法の世界の三兄妹」
    榎林哲訳 アンドレ・ノートン 「ウイッチワールド4 魔法の世界の幻術」を読んだ
    貸出ミスで2が後。バローズ系統の延長だが今作など後期はファンタジー寄りで、作家立ち位置もわかる
    一人称形式で会話も少なく、巻ごとに主役も変わると正直読み難い。だがバローズからファンタジー移行で重要作

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。原書1962でエストカープ等と同期 浅倉久志訳 ジャック・ヴァンス 竜を駆る種族」を読んだ
    この時期から過去の流用で無い異世界描写。60年代後半のルグィン・マキャフリィ辺りで完成の流れが読めた
    併せて60年代後半に漢字ルビ訳流行も確認。東洋的世界観だが日本人なんでヤンキー的で混乱したままの話も注目

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。上下二巻で原書1939より 森下弓子訳 T・H・ホワイト「永遠の王 アーサーの書上下」を読んだ
    現代の例えや時代違う人物を出すので読み難い。アーサー王のアレンジで時間逆行して生きるマーリンのアイデアも
    中盤以降は規制のアーサー王の話を掘り下げてく。映画化はキャメロットで終盤は現実の問題ともあわせ考え出てる

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。原書1912。先に読んだ異次元〜が異常に良かったので借り出し
    荒俣宏訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン 「ナイトランド」を読んだ
    .
    作者履歴調べたが、ムキムキでジム経営とか面白い。これ書いた年には結婚もしてる
    荒俣宏解説も充実。話どおり設定が凄まじい。未来の異界を怪生物もふくめ圧倒的に描写してる
    だが本書の肝は延々と続く一人称の恋愛描写。省略しても300P近くあり違う意味でオカシイ
    .
    荒俣宏でも苦痛な程。だが今のラノベを基準にするとアリと思える点もあり、伝統の騎士物語の文脈も残す
    発表年から考えても異常な作品。恋愛描写は確かに退屈だが、時代性も含め興味深く面白く読めた

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、ラブクラフトより早い1908年刊 団精二(荒又宏)訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン 「異次元を覗く家」
    発表年の早さから見ると凄い。最初は奇怪な生物相手の籠城戦で中盤は宇宙崩壊のコズミックホラーとしか言いようがない
    荒川宏も解説で幻の作家とし、幻で海の男で最後は戦死と凄まじい経歴。20Cの科学と結びついた完全に新しい作家

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、既読分が圧倒的でそれ以外もで 荒俣宏訳 ロード・ダンセイニ 「魔法の国の旅人」を読んだ
    1931年ごろからの短編集で解説も詳しい。こういう系統が他にも大量にあるらしい。嘘か真かのまさにホラ話といえる
    見せ物や狂気をはらむ旅と荒俣宏が好むの納得かつ、話も次はどう?で引き強い。先の本の印象つよく多芸さに驚く

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。剣と魔法命名の筆者 浅倉久志訳 フリッツ・ライバー「魔の都の二剣士+死神と二剣士」を読んだ
    短編で39-80の長期間。ダブルヒーロー物で特筆点は犯罪都市ランクマーの存在。コナンに近いが設定に一貫性ある
    昔の作はアクション・近作だと心理描写や生い立ち重視。カッコいいヒーロー像で今見ても結構イケル出来。続刊もあり

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、舞台は水星だが正統派 山崎淳訳 エリック・ラッカー・エディスン 「ウロボロス(1922)」を読んだ
    設定はSF風味だが国を設定した戦記。同時期他作と比べて論理だち、文体も昔の騎士物語風。トールキンと対立も逸話
    趣味じゃないがトールキンのバトルと比較すると面白く昔の戦記の継承者。同時期娯楽バトル作上位版的で特殊訳部あり

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、三作分をまとめて。経歴特殊でマヤ経験探検あり編集が本業。ラブクラフトへの影響もあり
    川口正吉訳 エイブラハム・メリット「ムーン・プール(1919)」
    川口正吉訳 エイブラハム・メリット「イシュタルの船(1924)」
    団精二(荒又宏)訳 エイブラハム・メリット「黄金郷の蛇母神(1937)」を読んだ
    .
    一言でいうと冒険ものだが理論が優先。感想も印象残る所とそうでない所がばらける。面白い場面は突飛してる
    面白いのはイシュタル、理論だってるのはムーンプール、こなれてるのは黄金郷。どれも古代神話を上手く設定に組み込み
    イシュタルの現実と幻想が交差する展開は秀逸で台詞もキレキレ。当時の他作比較で無理な設定に理論与えようとしてる
    .
    前述通り散漫な点もあるが、サービスを入れようとしてる点と娯楽作とわかってるが傾向としては哲学よりの人っぽい
    アートの人の賞賛もわかるイメージ展開。所々に入る秘境とその神の詳しい描写は特徴。現実に足もちゃんとついてる

    [2015-07-17]
    ファンタジーからの派生、難しめ。杉山洋子訳 ジェイムス・ブランチ・キャベル 「世界幻想文学大系 29 夢想の秘密」を読んだ
    1917年発表。他の代表作の訳でジャーゲンあるが図書館に無し。知名度は低いがファンタジー誌で重要でノーベル賞候補
    作家が主役で現実と幻想の世界を夢見るメタ的な話ともいえる。これは書籍のデザインも相当凝ってて上級者向け

    [2015-07-17]
    ファンタジーからの派生、荒俣宏の過去ペンネームは団精二。リスペクトぶりは解説でも書かれてる
    荒俣宏訳 ロード・ダンセイニ「ペガーナの神々」を読んだ
    .
    ラブクラフトの他日本でも演劇の流れで影響大きい作家。原書1904年。51本の短編も収録
    既成品からの影響なく独自に創生神話を作ってしまった話。まさに20Cならではの作家といえる
    かといって頭おかしい人でなく現実にも足ついた作風。それらが後半収録の短編でわかる
    .
    台詞や考えも鋭い。荒俣宏が夢中になるのも納得。クトゥルー的にも預言者ユグやアルヒレト=ホテップの単語
    別作でもあるが現実を見据えた上で希望出したり、ぶっ飛ばしたりする。こんな凄い人いたのかと驚き

    ファンタジーからの派生、長編1924発表 原葵訳 ロード・ダンセイニ「エルフランドの女王」を見た
    現実に足ついてますとコメントあるがその通り。消えたエルフの嫁を探す話。なんだが現実世界での進行が大半
    夢と現実をみすえた展開で思わぬ落とし穴も多数ある話。結末もふくめ怖いともいえる。異常なほど密度ある内容で凄い

    ファンタジーからの派生、1909年からの戯曲 松村みねこ訳 ロード・ダンセイニ「ダンセイニ戯曲集」を読んだ
    日本では1921年訳。当時の文壇や演劇業界に影響。小説と比べると読み難い点はあるが現実と夢想の交差は変らず
    イエイツからの流れで少し納得。難しい話の方が多いが20Cに向けて宗教感が変化してく様を先取りして、相変わらず凄い

    [2015-07]
    ファンタジー絡みからだがハヤカワSF文庫2でもある 団精二(荒俣宏)訳 ロバート・E.ハワード 「征服王コナン」を読んだ
    50年刊ヒロイックファンタジー重要作 初の日本訳は70年代。原書も複数で加筆多いと長編小説の作り
    映画有名だが同じく娯楽王道。最初の感想として手触りは抜群で戦闘描写やキャラの魅力は他作より抜きんでている
    [補足]後の資料調査でこれは長編作という記事もみつけてるので実際の所は不明、今入手可能かどうかわかららんが補足
    .
    調査目的から切り替え創元版 宇野利秦・中村融訳 ロバート・E.ハワード 「新訂版コナン全集2 魔女誕生」を読んだ
    原書でも別版から訳。本来は短編形式。型決まった展開。一貫して書かれてなく、逆に言うと定型はなにかが掴み易い
    巻末にラブクラフトの追想文で20年差で親交。早くに自殺。神名としてヨグ・ダゴンとの対決あり、そこらも驚きの点となる
    .
    訳で全集刊行予定は続かなかった、まだあるが三冊分 宇野利秦・中村融訳 ロバート・E.ハワード 「新訂版コナン全集3 黒い予言者」を読んだ
    最初の印象は良いが続けて読むと同じ展開で飽きる。だ者も意識し今巻ではコナンがサブの実験作で草稿+途中までも
    解説付属。コナンに至るまでの試行錯誤など単純に娯楽作の人でも無い。大ヒットで文化影響も強く、研究すべき点はある
    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、初発表の1932の不死鳥の剣収録 中村融訳 「新訂版コナン全集5 真紅の城壁」を読んだ
    初期作がどういう内容かの確認の為。コナン系列は基本バトル中心で展開も似ている。だが初期は光る台詞もありそう
    民族と歴史のメモと草稿収録。この全集は解説が面白い。本来は考え込む所あったと思う他、自殺や他人との関係も特異

    [2015-07]
    ファンタジーから派生、ラブクラフトとも親交あった作者 夏来健次訳 ロバート・E・ハワード 「黒の碑 クトゥルー神話譚」を読んだ
    コナンのそれ系と解説から派生。これ自体も意識交錯型コナン登場話あり。恐怖に圧倒される伝統展開から相討ち・征伐型
    秘境の探検や秘族の話が目立ちコナン作家。異形怪物描写や戦闘も作家個性。派生作品で今のクロスオーバーや似た作家と比較

    ■瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり)ほか全七冊」
    ■中村妙子+西村徹訳 C.S.ルイス「別世界物語1-3(全)」
    ■中村妙子訳 C.S.ルイス 「別世界にて エッセー/物語/手紙」
    ■上田真而子+佐藤真理子訳 ミヒャエル・エンデ 「はてしない物語」
    ■大島かおり訳 ミヒャエル・エンデ 「モモ」
    ■川西芙紗訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 6 いたずらっ子の本」

    Vol 3424(2019-06-7)
    [2015-07]
    自分がファンタジー苦手で期待低く逆に良い 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり 1)」を読んだ
    最後が夢オチに近くアカン点もあるが、それを差し引く魔女のキャラ良さ。敵役だがライオン毛刈りなど活躍シーンが良い
    児童向けで設定もほどほどは読み易い。異形軍団登場率の高さも魅力。動物と子供で牧歌的だが、バトルもあるのも良い
    [2015-07]
    まとめ読みで想像以上に面白い 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「カスピアン王子のつのぶえ(ナルニア国ものがたり 2)」を読んだ
    動物レジスタンス。通しで読むと作者が手馴れていくのがわかるし、作り込んでなくても想像力広げやすい世界観
    キャラも強く、後に出るネズミ騎士はお気に入り。通しで読んでるので伏線処理やキャラが厚みましてく様もよくわかる
    .
    世界観の中でキャラ追加と立ち位置変化 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「朝びらき丸東の海へ(ナルニア国ものがたり 3)」を読んだ
    大成長遂げるキャラ登場。その傍の最初ダメで成長した奴も説得力。それ意外でも今巻は失敗キャラの話をよく拾ってる
    言葉えらびセンスも良さ。ライオンが今巻から神秘性増すが、同時に現実と関連付けたほのめかしと単巻で良くまとまってる
    .
    好みはあり今巻はボチボチ 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「銀のいす(ナルニア国ものがたり 4)」を読んだ
    一巻魔女を違う意味で拾い。後の巻も魔女は出て気に入ったんだなと。他巻もそうだが悪役やダメキャラ描写が良い
    地の国へ下る。最終巻に繋がる設定の試し運転的だが今巻は作者主張がやたらデカい、これは今だとかなり古いかも
    .
    ナルニア住人が主役と異色 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「馬と少年(ナルニア国ものがたり 5)」を読んだ
    セントールの多用もあり、作者の馬好きが良く出てる。喋る馬との逃避行でアラビアンナイトあたりの影響も感じられる
    過去の主役の間を埋める成長後。キャラ成長を描く一方、展開で逆に人間味を見せる馬も。馬好きも楽しい内容
    .
    今巻も馬はもちろんペガサス登場 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「魔術師のおい(ナルニア国ものがたり 6)」を読んだ
    現実に侵入する一巻の魔女の他、国の成り立ちや子供たちがくる事になった理由と、伏線を処理の濃い内容
    現実と空想世界リンクは55年作だが時代に先んじる。SF小説もある筆者らしく、そこらで理論的な面もあるんだなあと
    .
    全て終わりで 一角獣も登場 最後の全員集合は瞳潤む 瀬田貞二訳 C.S.ルイス 「さいごの戦い(ナルニア国ものがたり 7)」を読んだ
    時が進む設定を活かし伏線も拾う内容。キリスト教的と云われる作者だが、作中のプラトンの例えもありそれだけではない
    バトルと共に壮大感もあり、『違う』の声が上がるのもわかり凄い所に持ってきた。全体で通してみると大変面白かった

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。ナルニアのCSルイスの書いたSF。ファンタジーの人らしさ出てる
    中村妙子+西村徹訳 C.S.ルイス「別世界物語1-3」を読んだ
    .
    ルイスは聖人認定も受けてると知り驚き。なので、そういう展開もある完全に本気出してしまった作品
    設定は年代的に見ても古いが、それが天国や神を象徴してるので濃くなる。メッセージ性も強い
    ルイス自体は設定が先でそこに主張いれたとある。結果、神やイデア的な考えがよく反映された内容となった
    .
    最初はまだ迷ってて、それが作品に反映されてるのも面白い。物語性みたいのは少し薄め
    以下各巻感想。軽く読むつもりだったがだいぶメモ取りたくなる内容で読んだ甲斐もあった
    -
    「沈黙の惑星を離れて-マラカンドラ火星編」
    原書1938。火星に行く系の話だが、もうバローズも出てるので設定的には古め。クラシカルな趣がある
    解説にも有る様に主人公の迷いは作者自身の迷いも反映してそう。神に近い存在との遭遇の話もある
    .
    「ヴィーナスへの旅-ペレランドラ金星編」
    原書1943。時期的にはスペオペが出たくらい。裸の美女と敵役とで三角関係と俗な所もあるが、神の話でもある
    ここらから作者らしさも発揮され始める。敵の主張はこの人が悪も書ける事の証明。主人公の戦いも信仰にも近い
    .
    「いまわしき砦の戦い-サルカンドラ地球編」
    原書1945。舞台は地球でほぼ悪側の描写。それにとりこまれるか迷う主役の話。これの悪の描写は非常に秀逸
    神話的な内容も扱う一方で敵が悪魔でなく、マーリンなども登場。SF系列への批判もありそうで、個性が良く出てる

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、作品に関する記述多い著者。それら含むまとめ。別書から存在しり貸出
    中村妙子訳 C.S.ルイス 「別世界にて エッセー/物語/手紙」を読んだ
    .
    作品論、なにを考えて作品作ってるか。20C初頭で当時のファンタジーの世間の評価。今と変わらん所あり
    SFも書いてる事からわかるとおり理屈ぽく説教くさい面ある性格。ただSFは当時でも古いのしか読んでないぽい
    STノベライズの筆者も挙げてて最近の人だと驚いた。批判も含むがこれも当時のSFの傾向との比較必要
    .
    物語数編収録。古い世代の人のSFでミステリ調。完全に理論の人では無い。そこが20C前半の人の限界
    手紙へのお返しがあり、作家志望者への助言ある。これはこの人の創作技術と直結してて面白い

    [2018-12]
    原79。別件で読んで面白く掘り下げ調査。全集だと二巻分で一冊版。全集はナチスに良い人もいたよのインタビュー
    上田真而子+佐藤真理子訳 ミヒャエル・エンデ 「はてしない物語」を読んだ
    .
    犬顔ドラゴンと歌の映画版でも有名。SW以後な事や映画は前半中心な事なども含めて内容量と共に発見多い
    ファンタジー冒険部は実はそれほどだけど次々とキャラ出す所はよく工夫してるし、メタ的な展開ともベストマッチ
    上記SWやST含むSF関係で向こうに行っちゃった例は見れるんで、ホラー風から皇帝化してオチに至るも面白く読めた
    .
    量もラノベ3巻程度とは言え詰まって多いし、タイトルも凄そうと感じてしまうが、オチ読むと納得いって上手い
    結論から言うと凄く面白かった。技量的にも順に読んでいるんで、わかりやすくかつ面白くは向上わかり流石と思う

    [2018-12]
    原73。別件で読んで面白く掘り下げ調査。全集が無かったんで文庫版。大昔に読んでいて再読になる
    大島かおり訳 ミヒャエル・エンデ 「モモ」を読んだ
    .
    なんかの番組で大学教授が引くレベルで嬉々として語っていて、技量おいつかなく観念的だとそういうの呼ぶなあと
    てな訳で本文。上記で初期作にも近くまだ練れるんだけど、作者の考えなんかは随所に出ていて濃さもあり面白い
    共産主義いじりは子供じゃ分からんヨで、人形付属品ネタ含め、昔と違い意図がわかりゲラゲラ笑える所も多かった
    .
    先行してジム・ボタンの話も知ったので自身よく反映したんだなもあるし、上記などよくわからん怠け者は肯定するわなと
    後期作と比較出来て荒もわかるけど、着眼点や考えてる事はずっと深いんだなと感心して作家の遍歴としても価値ある

    [2019-01]
    原69。別件で読んで面白く掘り下げ調査。全集は出版年が分かり難くいと判明して訂正。最後日翻訳者と結婚も驚き
    川西芙紗訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 6 いたずらっ子の本」を読んだ
    .
    子供向けの小さな話なんだけど、文と内容が研ぎ澄まされていてかなりレベルが高く、興味深い
    月報でアキレスと亀は縮むと解釈していて、他にも亀のカシオペヤなどちょっと影響で気になる部分
    鉄道模型やお人形で遊んでいる気の若い子で笑ってしまった。全方位に狙って受け文を書いた所もあるかなと
    .
    なんでも手に入って最終的に何も願わなくなった話や、欠点が無いと好かれないでオチる話など短編で高レベル
    同じく月報でナチス分析かつ当時の演出を紹介していて、ここらも無かった事にされた資料として面白い

    ■矢川澄子、岩淵達治訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 7 サーカス物語・ゴッゴローリ伝説」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 8 鏡のなかの鏡、迷宮」
    ■佐藤真理子+子安美知子+岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ
      「エンデ全集 10 夢のボロ市+ハーメルンの死の舞踏」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 11 スナーク狩り」
    ■川西芙紗訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 12 魔法のカクテル」
    ■田村都志夫訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 13 自由の牢獄」
    ■佐々木田鶴子、虎頭恵美子、矢川澄子、池内紀、桶口純明訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 14 メルヒェン集」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 15 オリーブの森で語りあう ファンタジー・文化・政治」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 16 芸術と政治をめぐる対話」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 17 闇の考古学 画家エドガー・エンデを語る」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 18+19 エンデのメモ箱 上下」

    Vol 3422(2019-05-30)
    [2019-01]
    原82。別件で読んで面白く掘り下げ調査。共に戯曲になるが演劇関係者になりたいはこだわってたんだなあと
    矢川澄子、岩淵達治訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 7 サーカス物語・ゴッゴローリ伝説」を読んだ
    .
    別視点でのはてしない〜とも言える内容になっているし、この人が好きなサーカスネタもよく反映している
    事前に遺産相続〜も読んでいるけど、小説ではありの状況の分かり難さや悲劇エンド展開は払拭できないみたい
    はてしない〜の補完や短編小説として読むと面白いかもだが、金出して見る戯曲の一本ならうーんかも
    .
    ゴッゴローリも上記と類似点あるが綺麗にオチてない印象はある。別世界の死ねない人間というテーマは面白い
    演劇に関わっていたという点でこの人は狙った所とか、妙にこだわって未練がましい所はあったと思う部分はある

    [2019-01]
    原84。別件で読んで面白く掘り下げ調査。後年になって出した短編集だが章区切りが無い基礎的な部分で少し混乱
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 8 鏡のなかの鏡、迷宮」を読んだ
    .
    ほっとくとだいたいボルヘスみたいになってくる。立ち位置的にも特殊な文体を試すと言う見解があり面白いかも
    先行作が存在していて、類似のテーマを何度も取り扱う部分はあるので器用ではないなって印象はある
    時間かけないと駄目って部分も多いが、今作に関して概念的な部分もあるとは言えなかなか面白い話も入っている
    .
    悪に関する興味と言う点でも半分ぐらいは本気じゃないかなって部分あり、そこも含め世界が別の話はなかなか良い
    大人向けに値するが作者の暗めな心情も上手い事作品に取り込んで、読後もあんまヤナ気分にならないなかなかの小品

    [2018-12]
    原86+93。別件で読んで面白く掘り下げ調査。全集にはインタビューが付属。今作は詩に近い文章と戯曲
    佐藤真理子+子安美知子+岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ
    「エンデ全集 10 夢のボロ市+ハーメルンの死の舞踏」を読んだ
    .
    自伝みたいのが無く、子供の頃にサーカスの芸人が自宅に逗留して色々と教わったが原体験は面白い記事
    あとジム・ボタンを30代前に書いて出版社から拒否されたり、その前に演劇をやって散々な結果になった話など
    モモ以後だがモモで提出した共産主義への皮肉も再録。この人は政治的発言も多いが読み手で複雑さもでる
    .
    そんな訳で死の舞踏はより整理され、よりわかりやすくなったモモとも言える。金を充分に持ってるので金を嫌う
    その金礼拝が悪側になるだけど、皮肉が効きすぎて逆に面白くなって肯定みたいになるのも複雑さが良く出ている

    [2018-12]
    原87。別件で読んで面白く掘り下げ調査。元ネタありの戯曲だが、はてしないでやったメタ的な事の延長にもなる
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 11 スナーク狩り」を読んだ
    .
    解釈論にも近いし、エンデなりに理解するとどうなるかにもなる。この人は実際は複雑で両方の側面に立つ所ある
    そんな訳であえて矛盾を発生させつつも、答えは最初の方に出していたりもする。より整理されたスナーク狩りだとも
    ジョークのセンスが秀逸すぎる所があって、可愛いビーバー娘の説明描写は、それだけでエロさと厄介さが出ている
    .
    作品の中に取り込まれ、かつペンネームとケンカになるキャロルも出てくる。ここらははてしない〜的で面白い
    対談でちょっとオカルトが入っていて、しかも聞き手含めて冗談ですまないレベルなのはやっぱりなぁな所もある

    [2018-12]
    原89。別件で読んで面白く掘り下げ調査。児童向けの分類だが、あえていうと猫&カラスのスーパースパイ物で驚き
    川西芙紗訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 12 魔法のカクテル」を読んだ
    .
    話の広がりが小さすぎて他作と比べると地味なんだけど、キャラは立っているし設定も良いしで面白い
    エンデの皮肉成分が効きすぎな部分もあるが、現状だとズレた所もあるのが逆にエコ等の偽り見抜いてたのでは感ある
    対談の元ネタありから広げていった語り部の話や、当人がそういう作品を目指そうとした所なんかも興味深い点
    .
    色々と当人は言ってるけどヒット作も含む事や、流行思想取り入れや、娯楽入れてしまう部分で娯楽作家とも思う
    本作も特異な魔女・科学者の最後の願い場面や、ネコとカラスの楽しい会話などが印象的。会話はやっぱり深みもある

    [2018-12]
    原92。別件で読んで面白く掘り下げ調査。カッコいいタイトルだが一派向けの短編集になる。エッセイ風の文体ぽいかも
    田村都志夫訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 13 自由の牢獄」を読んだ
    .
    月報ははてしない〜の制作過程にもなってる。初期バスチアンは不良風で帰還しないタイプでデブちゃんにした話など
    作風とも相まってない土地を探してそのまま消えちゃった人の話や、ホラー風の建築話・捻りのある独裁世界の話になる
    エンデは解釈は嫌ったらしいが、そういうのを引き寄せて、政治解釈まで受けるのは実は本人がそういう人だからとも思う
    .
    有名作でもそうだがメタ的な話を一般でも書く。文体がエツセイ風になってしまうのもその加減の筈。読み難い訳ではない
    設定面はディストピア的とも言えるが地味に面白いし凝っている。失敗も含むがそれもふくめて成功ははてしない〜と同じ

    [2018-12]
    原94。別件で読んで面白く掘り下げ調査。70〜90までのジム・ボタン以前も含めた児童向け作品を集めた物になる
    佐々木田鶴子、虎頭恵美子、矢川澄子、池内紀、桶口純明訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 14 メルヒェン集」読んだ
    .
    他作もそうだがなんのために生きているんだ?とか哲学的な題材も扱う。それでいてちゃんと面白いのは流石の部分
    他も同様で最強目指したサイの話など皮肉が効いていておかしい。上記含め色々とキャラ出て見解多数も凝った部分
    現実よりのはてしない物語風もあるし、狸が人を化かす話なんかもあるしで、失敗の末に結論だす話は好きな雰囲気
    .
    魔法の学校なんかも夢あるし、考えが良く出ているし、単純に面白いしで想像が広がって面白い話になっていてハズレない
    ちょっとした仕事でも才能や個性が出てしまう所は、エンデが個性的かつ特徴のある作家と言う点で抜きん出ているとわかる

    [2018-12]
    原82。別件で読んで面白く掘り下げ調査。こんなもんあったのかで、中道左派の政治家なんかとの対談になる
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 15 オリーブの森で語りあう ファンタジー・文化・政治」を読んだ
    .
    月報もジムボタンの後でのサイン会でやる気失くした話や、演劇でブーイングまで出たのがジムボタン後と面白い
    エンデの政治思想に関しては特殊な点もあり、反ナチス・反共産のわかりやすい人でも無く、中道左派は妥当とも思う
    もうあんた喋らなくて良いヨっていうよくわからん人も対談参加者だが、反対意見も含めてエンデの意志は良く出ている
    .
    反対者と似た様になった部分もあり、ブーメランじゃないのかって部分もあるのが面白い点だが、そこらがエンデらしさ
    思想に関しては疑いも持ちつつを薦めるが、普通の書き物よりわかりやすく意見が表明もされているので理解しやすい

    [2018-12]
    原89。別件で読んで面白く掘り下げ調査。こんなもんあったのかで、聴衆を入れての対談の記録になる
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 16 芸術と政治をめぐる対話」を読んだ
    .
    対談相手は誰?で読んだが、後で調べてヨーゼフ・ボイス。有名な人らしいが緑の党関係者の一語でも説明できる
    上記でもわかる様にとにかく主張が激しく、エンデは受けに回ってもいるけど何を考えているかは簡潔にわかる
    緑の党の一語で表現できるもそうだが、エンデにしても解釈が違う事や、解釈の違いで見解が変わる事を述べる
    .
    芸術家なんでアクが強いのも当然で日も視野で電子音楽は全否定。一方エンデは日概念違いでの見解違いを紹介
    芸術について語ると言っても結局は自分が何を考えているかを語るにも近い。こういう仕事もしてた資料になる

    [2019-01]
    原85。別件で読んで面白く掘り下げ調査。画家の調査をしてた人が探り当てた子がエンデだったと言うインタビュー
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 17 闇の考古学 画家エドガー・エンデを語る」を読んだ
    .
    解説は大層に書いているがエンデの作風からすると不思議じゃないし、エンデ自身が過去に語る正当化もある筈
    軽いインタビューの筈が芸術論の表明にもなったし、お父さんを語る事で幼少の記録や何が目的かも見えてくる
    天使や悪魔の実在を疑わなかったで神秘主義に該当する。奇人ではあるけどファンが怒るぐらい円満な人格をしていた
    .
    記録に間違いが多く、作品の70%も火災で焼失した幻の画家だが、エンデのお蔭で無事にどういう人や創作法も明らかに
    完全に影響を受けたし、継承もしている。生活の為もあるんだけどメモや媚びない姿勢など具体的な事がわかる

    [2019-01]
    原94。別件で読んで面白く掘り下げ調査。95に死亡していて、当人も許可を出している没原稿集になる
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 18+19 エンデのメモ箱 上下」を読んだ
    .
    画家のパパと同じでアイデアや掌編をメモして溜めて使っていたので沢山あり、論文や手紙形式もある
    だいたい読んで掴めたけど意識してキャラ作ってたり、逆に意識なく評論家めいた事してたんじゃないかはある
    手紙があって面白いけどこれも創作と違うのかな所はあるし、本来はもっとメモあって良さそうなのを選んだ気も
    .
    推敲されない感じで逆に面白い。はてしない〜の意味うすい文と同じで無駄に長く、ユーモア入れる余裕も少ない
    ロマン主義や神秘主義なんかの掲げた看板の正当化や、当人以降も反映したブラックジョーク的な悪見解も面白さ

    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 9 遺産相続ゲーム 地獄の喜劇」
    ■上田真而子訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 1 ジム・ボタンの機関車大旅行」
    ■上田 真而子訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集2 ジム・ボタンと13人の海賊」
    ■岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ/編 「M・エンデが読んだ本」
    ■田村都志夫+ミヒャエル・エンデ 「ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと」
    ■西川隆範訳 ルドルフ・シュタイナー 「神秘学概論」
    ■高橋巌訳 ルドルフ・シュタイナー 「自由の哲学」
    ■田中美知太郎責任編集 「世界の名著〈続2〉 プロティノス/ポルピュリオス/プロクロス
      プロティノス「善なるもの一なるもの」(田中美知太郎訳)、ポルピュリオス「イサゴーゲー」(水地宗明訳)
      プロクロス「神学綱要」(田之頭安彦訳)」
    ■吉田八岑監訳 ジェームズ・テーラー+ウォーレン・ショー 「ナチス第三帝国事典」

    Vol 3420(2019-05-24)
    [2019-01]
    原67。別件で読んで面白く掘り下げ調査。ジム・ボタン後にやって大ブーイング喰らって人生観にも影響与えたいわく作
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 9 遺産相続ゲーム 地獄の喜劇」を読んだ
    .
    失敗の一語で片付けるのはもったいない部分ある。確かに酷いんだけど改良で良くなるし、後の要素も大量に含む
    なにが駄目かで学べる部分も多い。実際的にはホラーに近く、人物造形のメモに関しては相当に鋭い部分も含む
    別解説から演劇の派閥闘争に巻き込まれた説もある。今解説もよほど人いなかったんだなで本人も何故かと言ってる
    .
    台詞的な部分で凝った所はあるが、状況がわかり難い所もある。上記でホラーならアリだが演劇の人は限界もある
    これを上手くまとめるとモモやその他の作品に至るとわかり、単純に技術不足や状況の悪さも関係していると見えてくる

    [2019-01]
    原60。別件で読んで面白く掘り下げ調査。今作が出世作になり、3年20社に断られたのち出版して大成功と数奇な作
    上田真而子訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集 1 ジム・ボタンの機関車大旅行」を読んだ
    .
    後年のエンデと比べると明らかに出来が悪く、その一方で素で作品を出すとどういうのが好みかと言うか点でも面白い
    解説が外国の批評でどう解釈されたかもわかるし、どう読み違えてしまったかもわかる。本作主役はジムじゃないとも思う
    新規キャラが入って危機に至るという題材は後に戯曲に継作ある。長々とした冒険部ははてしない〜の挿話に近い
    .
    設定でやたら手を変え品を変え色々とだしたり、名前の付け方が良い所なんかは今作でも既に発揮されている
    長々とした部分が多くここらが後に改良されていく過程としても面白いし、エンデがどうしたいかも素直に出ている筈

    [2018-12-09]
    原62。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    上田 真而子訳 ミヒャエル・エンデ 「エンデ全集2 ジム・ボタンと13人の海賊」を読んだ
    .
    上記でタイトルが目に留まり、あのエンデかつ、最初の対談でヒット後に活動停止し別作出した等の逸話にも驚いた
    ヒット作の続編物になる。初期の作品かつ志も高くないと言う事で大名作では無いが、基本は抑え面白い物になってる
    上記対談で悲劇・喜劇まじりの戯曲を出して失敗しそこから学んだ話なんかも面白く、やっぱり鋭さが常にある
    .
    本書に関しても頻繁にでは無いが所々に鋭い台詞ある。また解説なんかで児童文学の人が異常に評価してる点も注目
    作家の遍歴と言う点でも面白いし、エンデの凄みと幅も対談の形だが分かったんで、機会あれば全作読んでみたくなった

    [2019-01]
    原83。別件で読んで面白く掘り下げ調査。派生資料かつ、引用かつ、全ては無理と書いていて本当に参考資料
    岡沢静也訳 ミヒャエル・エンデ/編 「M・エンデが読んだ本」を読んだ
    .
    また大審問官かヨ!で小説の抜き出しは流石に無理あるが、短編とかピカソのインタビューなんかは読めると思う
    読んだ奴も含むし、そうでないのも含む。オイゲン・ヘリゲルなんかは知らなかったけど短編かつ日ネタで面白い
    入れなかった物でニーチェやキルケゴールなんかも含むとあり、前者はともかく後者は陽性の人なのにで驚きある
    .
    自己見解の正当化の為と言う側面もあると思うし、本当にしている陶酔しているシュタイナーは当然ふくまれる
    解説にもある様に、独訳だと蝶と人間は同じでは無く越えるになっているなど意味合いが違う事も注目点

    [2019-01]
    刊00。別件で読んで面白く掘り下げ調査。派生資料で全集にある対談の抜き出し+追加分ありになっている
    田村都志夫+ミヒャエル・エンデ 「ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと」を読んだ
    .
    95年に死んでいるが死ぬ直前まで見舞いに行って、死ぬ前日にもう話せないとコメント残したりと凄まじい部分もある
    追加分では夢どろぼうという新作構想も語られていて、かなり具体的かつ遂行待ち段階と完遂前に死亡が惜しまれる
    全集読み直しと抜け分補完になり便利だった。ナチス時代の少年下部組織の存在と、実際はクラブ活動も興味深い
    .
    上記から元サーカス団教師からの具体的な乗馬体験の話や、収録分の良いナチス将校の話なんかは面白いと思う
    夜に音は寝られないからの呼吸の深い爺さんの話や、一人でしか寝られない話は英雄の寝室を覗くとも関連して良い

    [2019-01]
    原1925。エンデからの補足資料。誰なんだと思うかもが、最初にアカシックレコードとか言った人となるとわかりやすい
    西川隆範訳 ルドルフ・シュタイナー 「神秘学概論」を読んだ
    .
    電波だぞーで読んでた側面もある。別書も読んでるんで、実際は哲学者の一人かつ少し時代とズレた人が近いかも
    アストラル体がどうしたや、デュメナスやエクシアがとうしたで、途中からアニメの設定みたいなもんと思って読んでた
    同じく別書からで個人主義的な側面の強いお方。故に影響されず直感だとなって、上記の房二病世界住人となった
    .
    現状でも設定面で影響はデカいと思うし、別に直感じゃ無く観察でもわかるだろだが、現状の精神治療と似た側面もある
    劇薬系だし意味不明でもあるんで信じ込まん方が良いと思うが、エンデが好んで後ろ盾にしたや神秘学概要は掴めた

    [2019-01]
    原1894、1918。エンデからの補足資料。先に読んだ神秘学は電波系だが、こっちはある程度理屈ある主張かも
    高橋巌訳 ルドルフ・シュタイナー 「自由の哲学」を読んだ
    .
    電波系だしオカルトの棚かなと思ったら思想の棚。また出版もちくまでそれなりの立場はある哲学者と思う
    人の話は聞かん系。ゲーテ読み過ぎとか、自由主義の行きつく先って意味でヘンテコな理屈に行きついたんかなと
    解説も現代は孤立無援なんだ!で、そっち系の思い違いなお方が喜んでお読みになって自分を正当化する本
    .
    テロリストぽくはあるがそこに電波な設定が付与された感ある。転生とか上下認識とか好みそうな理屈も多い
    設定として見た時に理屈が通っているのが、後に設定で引用されやすくて面白い点と思う。でも基本は電波さん

    [2019-01]
    原3C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。新プラトン学派に属し、エンデ扱ってた時期には好都合の神秘主義者
    田中美知太郎責任編集 「世界の名著〈続2〉 プロティノス/ポルピュリオス/プロクロス
    プロティノス「善なるもの一なるもの」(田中美知太郎訳)、ポルピュリオス「イサゴーゲー」(水地宗明訳)
    プロクロス「神学綱要」(田之頭安彦訳) 」を読んだ
    .
    融合を目指すのが新プラトン学派とも言え、ここらはエンデとも共通だが結果的に理論整然と意味不明結論にも至り易い
    解説の神秘主義説明が的確。現世で神を見ようとする主義で神学にも該当し、どういう生き方が正しいか考えてる点もある
    上記で良さそうではあるんだけど読むとお花畑な印象が強い。理想論だし扇動術的だし当人も最後はろくな死に方してない
    .
    アニメの設定みたいなもんと思えばありなんだが、見たかのように神を語り、こうであってこうでないも意味不明な所はある
    グノーシス派と対立して善悪二元論で考える中東宗教影響の指摘もある。理想主義を考えると対比で悪も発生するわなと

    [2019-02]
    原87。ずっと調べてた独裁者系列の追加調査にも近い。発行は古いが事典の名にふさわしい出来栄え
    吉田八岑監訳 ジェームズ・テーラー+ウォーレン・ショー 「ナチス第三帝国事典」を読んだ
    .
    発行が古くて情報が古くなってる可能性や、ジャンル的にも記録者の主観で歪み易いはあるが網羅している
    エンデがナチスの表現は大げさと言っていた筈だが、実際にやたらと勇ましい名称が多くその点も参考になる
    ナチス以前のワイマール時代から記録している。戦争負けて落ち込んでいる時に上手く盛り上げたとわかる
    .
    年表や語録も付いているし、個人や戦争に関してもちょっとした物語風の記録なので読み物としても面白い
    写真が付属し初期ヒトラーの演劇的大げさ演説は笑ってしまった。後に他で成功したパイロットやスパイ存在も納得

    ■古沢嘉通訳 ケン・リュウ 「紙の動物園」
    ■小川隆訳 グレッグ・ベア 「ブラッド・ミュージック」
    ■斎藤伯好訳 グレッグ・ベア 「宇宙大作戦 コロナ」
    ■福島 正実+高橋 泰邦訳 アーサー・C・クラーク 「世界SF全集 15 クラーク 幼年期の終り 海底牧場」
    ■南山宏訳 アーサー・C・クラーク 「宇宙のランデヴー」
    ■大森望訳 コニー・ウィリス 「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」
    ■大森望訳 コニー・ウィリス 「ドゥームズディブック」
    ■毎日新聞社訳 ウィンストン・チャーチル「第二次大戦回顧録抄(中公文庫)」
    ■徳川夢声 「夢声戦争日記 抄−敗戦の記」
    ■大泉 実成 「ではまた、あの世で 回想の水木しげる」

    Vol 3418(2019-05-17)
    [2018-07-28]
    原15。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。話題のSF作家だが在米中華で色々もあった
    古沢嘉通訳 ケン・リュウ 「紙の動物園」を読んだ
    .
    日本でまとめた物で原表示はおかしいかもしれない。表題作以上に面白い物をと編集段階で操作も可能と分かる
    文自体が変更される例もあって、中華そのものでも人気作家だが翻訳無しや削除もあり政治的な理由になる
    だいたいわかったと思うけどそこらが上記の色々になる。SFなのかが怪しい作もある一方、SFな短編も収録
    .
    在米で日の話を書くんでズレもある他、SW小説作品にも参加していて表題作でも小ネタ。象徴的にならざるを得ない
    受け良いネタもあって反米的・民族主義的と言っても良いかもしれないが、人間を書いていてちゃんと面白い作家

    [2018-03-10]
    原85。SWからの派生になる。手持ち資料で昔読んだ時は面白いと思ったが、今は流石に違ってくる
    小川隆訳 グレッグ・ベア 「ブラッド・ミュージック」を読んだ
    .
    ベア小説アイデアがNJOに大幅混入があるんで再確認の為にも。他作もあるが以後はそれほど華やかとは言い難い
    一言で言うとパニック物。とはいえ30年前の作品になりSFと言う事にもなるんで今は改良点の方が目に行ってしまう
    超生命体との接触ネタがこの人の中で大きいというのはわかる。その部分での対話なんかは他作も含め面白い点
    .
    段階に分けられているが短編的の詰め合わせという感あり、設定的な理屈の部分に重点あり博士の大発明ネタ
    変化してく世界での人間みたいな話は面白いんだが、SF作家はやっぱり設定の話したい方が前に出てしまうんかなと

    原84。SWからの派生になる。手持ち資料でほぼ内容も覚えてなくて、感想にしても今は流石に違ってくる
    斎藤伯好訳 グレッグ・ベア 「宇宙大作戦 コロナ」を読んだ
    .
    宇宙誕生以前からいた星雲生命体のもたらす危機と言ったネタ。ブラッド・ミュージック以前でベアが絵も描く人も注目点
    筆者も含めて本当に昔の作品になってしまうんで、事件の起こる中盤から開始すればいいのにと言った荒も目立つ
    同時にブラッド・ミュージックから持ってた興味がこの段階から発生している事や、転送機問題やマッコイの心理も目立つ
    .
    現状だとDS9のワームホール生命体もあり比較対象も出来てしまう。またSWと比較でスポック等の超能力も違いとなる
    アイデアは面白いのに話が微妙はSF全般に言える部分。SFがなんで売れないかも含めて考察材料になる作品

    [2019-04]
    原53、57。幼年期の終わりを再チェックしたくて借り出し。今読むと鎧武とかモモンガさんとか連想しちゃう
    福島 正実+高橋 泰邦訳 アーサー・C・クラーク 「世界SF全集 15 クラーク 幼年期の終り 海底牧場」を読んだ
    .
    大昔に読んでる。今読みかえすとこんなふわっとした話だったっけとか、こんな壮絶エンドだったっけで逆に驚く
    解説が出た当時の訳状況を反映して、ハードSFだ未来予知だと褒めてるけど事件が地味で退屈な所はある
    同種の作品が後続で出ているもあるし、悪魔の立ち位置とか宗教的な意味合いも背後関係で考える必要はある
    .
    子供が怖いネタにもなるし、超文明に制圧された結果ネタにもなるしで褒めてる人も含めて暗い部分は強い
    前述の超文明や各人の反応などの細かい小ネタの部分や、物語として見るとちょっと異質な部分も再発見

    [2018-07-15]
    原73。有名な作品で続刊も出ているが読んでなかった作。内容に反してすらすらと読めて力量ある事もわかる
    南山宏訳 アーサー・C・クラーク 「宇宙のランデヴー」を読んだ
    .
    プロットが無いとの評価まで受けてしまったが、実際は謎の円柱接近や事故などとあり、波が薄すぎる事もわかる
    SF関係者が大好きなセンスオブワンダーも、実際に体現した作読むと、探検ものや謎解き要素だと解釈できる
    人類が壊滅的になった後からの話で、広大な状況設定を地の分だけで素早く組み立てる様なんかも面白い
    .
    原題や作者傾向から考えて神にも近い超生命と遭遇したらどうなるかの話。故にオチなく終わってしまうともいえる
    上記通りで山場もないし、もっと酷に言うと意味も無いが、大発見のニュース報道の様に最後まで楽しく読めて興味ある

    [2018-08]
    原98。ピンポイントで面白いの選びたかったんで賞を取った作。ドゥームズディブックの作者かつ設定も共通
    大森望訳 コニー・ウィリス 「犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」を読んだ
    .
    最高傑作は褒め過ぎと思う。無駄に長く意味薄い部分多いし、犬もキーにならないし、文学への偏りも衒学的かつ媚び
    ただ褒められる点は多いし、上記で好む層もわかるし、解説が指摘してる様にSF読み慣れてないミステリファンは驚く筈
    副題のままで時空間を横断しての犯人探しになる。最後に色々と飛ぶ場面はボカン系最終回のドタバタも感じさせる
    .
    犬と言うよりネコの話とも言えるかも。ちゃんと犯人も想定されて考察していけば深いし、テンペスト系箱庭の進化系とも
    カオス系なんて新規付きが飛びつきたくなる要素も持っているしキーにもなる。最初の点を除くともっと面白い筈

    [2018-07-15]
    原92。ヒューゴー賞ネビュラ賞ローカス賞の三冠王。何十年も保留にしてたが読もうと決めて読んで実際に面白かった
    大森 望/訳 コニー・ウィリス 「ドゥームズディブック」を読んだ
    .
    長かったりタイトルが意味不明気味なのは長所短所の部分だと思う。タイトルから想像しにくいが時間旅行物になる
    行き先は黒死病が流行ってた中世で、分離した現代の展開と交互だがちゃんとタイトル通りの展開にもなってくる
    通じる筈の言葉が通じないなどの問題や、病気になったまま時間旅行しているの予想など注意の引きつけが上手い
    .
    SF関係者は泣いたとあるが年寄りがどういう好みを持つかの資料にもなり、中世部での暮らしも本物らしさある
    上記を押さえた上での対処不能から出来る対処の後半と、円がグルッと一回りするオチへの繋がりもとても綺麗

    [2017-11]
    原48-53。戦争の英雄だがノーベル文学賞受賞者でもあり、本書にしても一級品の資料になる
    毎日新聞社訳 ウィンストン・チャーチル「第二次大戦回顧録抄(中公文庫)」を読んだ
    .
    抄とある様に本来は全二十四巻の大著。その中の第二次大戦と日本に関わる部分を抜き出した物
    オーバーロード作戦なんかの第二次大戦ハイライト。ヒトラーやルーズベルト・ロンメルへの見解もある
    やっぱ日絡みが気になるでしょだが、この人は鋭くなんで敗北したかや、どんな心境なのか分析もしてる
    .
    原爆投下に関しての見解も面白く、下手すると日国民総自決もあり、名誉を救う口実がいると考えていた
    投下に際しビラなんかを配ってた事も記録すべき点。憐れに思える程の戦い方してて難しい時代だったのねと

    [2018-05]
    刊1960。以前も特攻隊や原爆投下までの手記・日記読んでるが、今作もイメージしてるものとはだいぶ違う
    徳川夢声 「夢声戦争日記 抄−敗戦の記」を読んだ
    .
    解説が水木しげる。終戦時南国で本国の様子がわからなかったので今書は感心したし価値あると推奨している
    実際に当時の様子が直にわかって貴い。切羽詰まった所もあるが基本はほがらかで、それでいて終末観ある
    玉音放送や終戦に関し自分は今までは何も感じはしなかったが、本書に関しては筆者と同じく虚しさや悲しさを感じた
    .
    ソ連の裏切りや原爆投下で何を感じたかや、判断で出る悲壮さと人情味は実感があるし、それでいて愛嬌もある
    空襲見学や物価高騰・娯楽や仕事など当時の実際の生活も体感できる。作り話とは違って淡々としていても胸に迫る

    [2016-06]
    2015年に水木サンが亡くなられてる。人物評は記録者の主張で歪む場合もあり、読む時には注意も
    大泉 実成 「ではまた、あの世で 回想の水木しげる」を読んだ
    .
    過去のインタビュー記事と論評で構成。過去掲載時に疑問だった水木山脈は修正で、著者はまだ公正を保ってる方
    筆者主張が強く出過ぎた箇所や、論拠の心理学・時代知識が最新でなく疑問点もあるが、大げさな荒俣宏と比べるとマシ
    現状入手しにくい雑誌対談を一望。死後に矛盾を指摘し水木サン発言の真意は難しい点もあるが、人柄を記録している
    .
    水木サンは作家としても特殊で執筆姿勢は参考になる筈。加筆部分は多く、お別れ会での出席者リストも掲載
    95年から10年代の記録で晩年水木サン思想で面白いと思う。水木サンは一貫した部分も多いので、今後の研究も課題

    ■山口 広(民事法研究会) 「宗教トラブル110番 :全訂増補版 Q&A-(110番シリーズ 14) 」
    ■中沢新一「大阪アースダイバー」
    ■荒俣 宏+小松和彦 「妖怪草紙 あやしきものたちの消息」
    ■松田幸雄訳 ローズマリ・E・グィリー 「妖怪と精霊の事典」
    ■水木 しげる 「水木サンと妖怪たち 見えないけれど、そこにいる」
    ■水木しげる 「小説ゲゲゲの鬼太郎 1」
    ■水木しげる 「小説ゲゲゲの鬼太郎 上下」
    ■水木しげる 1980 「ブルートレインおばけ号 <水木しげるのおばけ学校(3)>」
    ■水木しげる 1980 「おばけ宇宙大戦争 <水木しげるのおばけ学校(4)>」
    ■水木しげる 1981 「吸血鬼チャランポラン <水木しげるのおばけ学校(5)>」
    ■水木しげる 1981 「3年A組おばけ教室 <水木しげるのおばけ学校(6)>」
    ■水木しげる 1983 「おばけレストラン <水木しげるのおばけ学校(10)>」
    ■水木しげる 1983 「おばけマイコンじゅく <水木しげるのおばけ学校(11)>」
    ■水木しげる 1983 「ラジコン大海獣 <水木しげるのおばけ学校(12)>」
    ■水木しげる 1987 「水木しげるの妖怪101ばなし」
    ■水木しげる 1987 「ようかいキャンデー <ゲゲゲの鬼太郎おばけのくに(4)>」
    ■水木しげる 1988 「火のたま大がっせん <ゲゲゲの鬼太郎おばけのくに(6)>」((
    ■水木しげる 2008 「ゲゲゲの鬼太郎とゆうれいテレビ局 <水木しげるのふしぎ妖怪ばなし(3)>」
    ■水木しげる 2009 「ゲゲゲの鬼太郎と妖怪ドライブ <水木しげるのふしぎ妖怪ばなし(8)>」
    ■湯本 豪一編 「帝都妖怪新聞」

    Vol 3416(2019-05-10)
    [2019-05]
    刊03。簡単な冊子と思ったし実際そうだが書籍ガイドも含めとても充実。事例と答えで紹介していく
    山口 広(民事法研究会) 「宗教トラブル110番 :全訂増補版 Q&A-(110番シリーズ 14) 」を読んだ
    .
    危険視されている団体はだいたい固定だし、手口もマニュアル化されているし、主婦などかかりやすい人も特定済み
    だいたいは手口の目星はつけてたんただけど、実際にどうしてるかや簡潔にまとめられると復習としてもとても役立つ
    どう元に戻すかや説得するかの解説でもあるし、お金を取り戻せるかや、どういう心境でそんな事をするかの資料にも
    .
    オウムが有名だが怪の荒俣宏や中沢新一も利用されてた事や、権威自体が金でどうにも出来る事も発見だった
    所属団体がカルトかのチェックリストもつくんで、他の危険な団体と比較してヤバいなら逃げるの判断もつけやすい

    [2014-03-26]
    吉本興行がちゃんと研究してくれた事を喜んでる記事があり興味持った。怪関連の書籍でもお馴染み中沢新一
    中沢新一「大阪アースダイバー」を読んだ
    .
    政治的な部分や現在の大阪の実感に関しては違うと思う所もあるが、それを差し引いても見事な歴史と土地からの分析
    レヴィ=ストロースの影響下にある人なので、地域が元々持ってるものが現在にどう出現してるかという方向で読める
    また過去の上手くいった例から現状の解決策を考察する手法。一見解で他資料も見て研究せん事にはでまだまだ
    .
    大阪が水没してた事や古墳の本来の姿・商人の物のとらえ方など、大阪外部に近い人からの考察で目が開かれる
    巻末参考資料が更に充実なら良かったが、読む動機の吉本論も死の世界の来訪者で古典芸能から推察し面白かった

    [2018-07-29]
    刊87。怪で創刊前から活動していて、当時水木サンは積極的でなかったとした上でとして挙げていた一冊
    荒俣 宏+小松和彦 「妖怪草紙 あやしきものたちの消息」を読んだ
    .
    水木サン死亡後とそれ以前の細かい動きに関しては気になる点もあり、本書でも研究きっかけに水木サンは否定的
    学術的な部分での妖怪研究だが、現状では逆に範囲が広がり創作の研究とも取れる。妖怪とする時点で限界は出る
    あくまで当時見解で荒俣 宏自体も研究者では無い前提も必要だが、調査幅の広げ方も最近の発言と共に不審はある
    .
    当時の風潮として精神世界への傾倒があるが、これは後にオウムとテロに繋がるのでこの点に関しても疑問はある
    夢枕獏も軽く見ているはやっぱりなとも思った。ホラー的に妖怪を捕らえたいらしく、これも後のホラー狩りを連想させ危険

    [2018-05]
    原92。タイトルはこうだが近代オカルト事典と言うのが正しくて、交霊会や霊媒の話が沢山載ってる
    松田幸雄訳 ローズマリ・E・グィリー 「妖怪と精霊の事典」を読んだ
    .
    当然自分はこんなもんネタとして思ってないが、古くてガタガタ言う家で夜中に一人で読むのは嫌過ぎて日程変更した
    ガタガタと言う事で向こうはポルターガイストネタが多い。経緯と顛末まで記録していてネタでしたでオチる場合も多い
    上記の加減でエクトプラズムがおっぱいやまんこから出たり、紙やらゲロやら卵の白身と意図せずお笑いになってる時も
    .
    日本との違いも比較点。何するでもなく幻が暮らしているなど妖怪的や、理由がわからんから話が追加や大きくもある
    ドイル筆頭に有名人の話もありリンカーンは意外。豆知識で推察も広がり、3や17C記録で交霊会がサロン的ともわかる

    [2016-07]
    亡くなられた翌年の16年刊。90年から96年のエッセイ・対談を収録。解説含む収集物写真もあり
    水木 しげる 「水木サンと妖怪たち 見えないけれど、そこにいる」を読んだ
    .
    自伝とも比較。死後は創作をいかにしてたかも注目点になる。編者および京極インタビューで原作式とわかる
    何も無い所に団子の思い出話も興味ある。妖怪はコーフンして描けたや、たいして能力も無いのが勝つのが面白い等
    自問自答の癖が話作りに役だった話や、他書も参考の宮田雪の感想と、偶然性と妖怪を結びつけてた思想など
    .
    本人による旅行記はキレあり、当人の興味ある造形を絞って集めた話。妖怪協会発足直前でギラギラしてる
    造形の価値を計るセンスなどやはり絵でも一流で、感性も表現力も高い。収集物解説は当人しか出来ず、亡くなったのは惜しい

    [2016-01-22]
    1985刊。続刊もありで08年に上下で再販あり。ノーマークにしてたが相当に興味深い部分が多い
    水木しげる 「小説ゲゲゲの鬼太郎 1」を読んだ
    .
    エッセイや妖怪図鑑もある様に水木サンは実は文筆でも優れてる。また児童向けの文での鬼太郎などもあり
    各種自伝もこの時期で、これは本人の筆。仕事が減ってた時期の筈。既出の鬼太郎の話を文章化してる
    故に改良が加えられ、鬼太郎の誕生から妖怪たちの出会いなど、後の設定との整合性が取られた部分がある
    .
    鬼太郎はリベンジ戦が強いが、文だと怖さが増すのも面白い。また本来の物語順に収録されてるのもポイント
    お化けナイターのお化けの設定など、漫画で書かれて無い所も補完。漫画以上に意図が読み易くなってると思う
    [2018-05-12]
    刊08 図書館では上記は一だけだが後に再販出てるんで資料用に図書館直読み「小説ゲゲゲの鬼太郎 上」を読んだ
    下だけ貸出中と面倒な事になってしまった。六期に関連して資料面からの再読み込みしてたんで補完あるのは興味深い
    元が85刊で三期ごろ。手直し補完で当時の意図や、同系列絵物語も含めバリエーション幅が広い事を再確認出来た
    [2018-07-28]
    刊08 ずっと貸出中でどうなってんだと思いつつ、やっと返却でやっと補足 「水木しげる 小説ゲゲゲの鬼太郎 下」を読んだ
    児童書版のチェックも途中で挟んでいるんで、定番の演目やバリエーション幅など比較して読める結果になった
    順序入れ替えや追加と元知ってても変化を楽しめる。あっさり化もあるが行動動機など設定の補完としても興味深い
    -
    [2018-06-28]
    現状だと全集で読むのがてっとり早いが初出で読む事も出来るので、新規に作られた作品を中心に参考も込みで何冊か
    水木しげる 1980 「ブルートレインおばけ号 <水木しげるのおばけ学校(3)>」
    水木しげる 1980 「おばけ宇宙大戦争 <水木しげるのおばけ学校(4)>」
    水木しげる 1981 「吸血鬼チャランポラン <水木しげるのおばけ学校(5)>」
    水木しげる 1981 「3年A組おばけ教室 <水木しげるのおばけ学校(6)>」
    水木しげる 1983 「おばけレストラン <水木しげるのおばけ学校(10)>」
    水木しげる 1983 「おばけマイコンじゅく <水木しげるのおばけ学校(11)>」
    水木しげる 1983 「ラジコン大海獣 <水木しげるのおばけ学校(12)>」
    水木しげる 1987 「水木しげるの妖怪101ばなし」
    水木しげる 1987 「ようかいキャンデー <ゲゲゲの鬼太郎おばけのくに(4)>」
    水木しげる 1988 「火のたま大がっせん <ゲゲゲの鬼太郎おばけのくに(6)>」((
    水木しげる 2008 「ゲゲゲの鬼太郎とゆうれいテレビ局 <水木しげるのふしぎ妖怪ばなし(3)>」
    水木しげる 2009 「ゲゲゲの鬼太郎と妖怪ドライブ <水木しげるのふしぎ妖怪ばなし(8)>」 を読んだ
    .
    図書館にある物で適当に目星をつけて読んだが当然一部に過ぎないし、全集でしか載ってないのもあるし上記
    小説鬼太郎を起点に前後で文筆仕事があるのがわかる他、作画も後期はネコ娘が四期時期基準と変化ある
    基本は発表作のリライトだが変更点は多いし、絵物語だけに登場している新しい話も存在しチェックの上で穴になる
    .
    妖怪図鑑系も一冊入れているがこれも絵と文に差異がある事わかる。これも現状だと全集で比較が出来る
    昔は調べるのも困難で抜けや価値を見つけにくいもあったと思うが、全集刊行で仕事の多彩さの全貌も見えて来た

    [2015-09]
    怪でお馴染みの執筆者となる。同著者の明治期のニュースの記録の本は他にも出てる
    湯本 豪一編 「帝都妖怪新聞」を読んだ
    .
    どれが定本かわからないので、新しめで現代語訳あるこれを借りてきた。明治期はまだ瓦版に近いと概要はわかる
    アマヒコなど当時の有名系妖怪の話は収録。図版と解説つきで各項目ごとに紹介しわかりやすい作りになってる
    海外のお化け記事の流用など解説と一緒に読むとなおわかりやすい。井上円了に聞いたとある話なんか面白い
    .
    怪で定期的に記事読んでるので確認的な所もある。時代が少し下ると読み物風になってちょっと雰囲気も変わる
    よくよく考えると今も動物が面白い事すると新聞に載るので継承してる所はあり、昔の人はバカだったとだけも言えない

    ■岩井宏実監修 近藤雅樹編 「図説日本の妖怪(ふくろうの本)」
    ■小松 和彦「百鬼夜行絵巻の謎」
    ■安村 敏信/監修「妖怪図譜 江戸の化物大集合(別冊太陽)」
    ■小松 和彦/監修「妖怪絵巻 -日本の異界をのぞく-(別冊太陽)」
    ■荒俣宏解説 水木 しげる 「戦争と読書 水木しげる出征前手記」
    ■水木 しげる「水木しげるの妖怪人類学」
    ■水木しげる 「水木しげる妖怪大百科」
    ■水木しげる 「水木しげるのんのん人生 ぼくはこんなふうに生きてきた」
    ■「水木しげる妖怪大画報 少年マガジン巻頭口絵の世界」
    ■宮本幸枝 「図説日本の妖怪百科」
    ■佐藤 有文 原刊72 「日本妖怪図鑑 -いちばんくわしい-(ジャガーバックス)」
    ■佐藤 有文 原刊73 「世界妖怪図鑑 -いちばんくわしい-(ジャガーバックス)」
    ■水木 しげるほか 「別冊怪 追悼・水木しげる世界妖怪協会全仕事」

    Vol 3414(2019-05-03)
    [2018-08]
    刊00。水木サン絡みの追加資料で簡単に読めそう+ふくろうの本ならで借りてきたが時期的な物もある
    岩井宏実監修 近藤雅樹編 「図説日本の妖怪(ふくろうの本)」を読んだ
    .
    流行もあるんで、妖怪関係者が時期によって変化したり一貫性を保っていたりといった風にも見る事も出来る
    小松先生も載っているが水木サンの妖怪をベースにされると困るなど、ここらも一貫性が保たれている部分
    近年になってからの発見もあるので新しい本の方が揃いも良い。同時に当時の解釈はどうだったかでも見れる
    .
    全般で扱っているので広く浅くになるが、前述で水木サン=妖怪と思っているならこんな図版もあるで発見多い筈
    貸出資料の出元一覧が載っているが大阪城が結構持っているのも驚き。小松先生は呪いのわら人形も所持

    [2018-07-24]
    刊08。国からお化けで勲章貰った小松先生。百鬼夜行絵巻は有名だが類本が多く、07に新しく出た資料からの考察
    小松 和彦「百鬼夜行絵巻の謎」を読んだ
    .
    この手の研究は価値が見定め難くどういう意味を持つかの説明もあると良かったが、平安から江戸までの図像変化考察
    妖怪の概念が時代によって違っている。現状の研究でも新発見で意味づけが変化し、他研究者の一貫性なさも指摘してる
    昔の絵巻はコピーで成立しているが、新発見が有名な物より古く載っているお化けを比較する事で更に古い資料と関連付け
    .
    平安〜江戸間のお化け図像変化に興味があるみたい。器物関係から動物変化を経てオリジナルに近い図像へと変わる
    発展余地として中華資料との類似性も指摘している。更に研究を広げるなら海外図像研究も必要と難しい点は多い

    [2018-07-24]
    刊14。同系統のお化け絡み別冊太陽も読んでいるが、誰が解説を書いて選ぶかで視点も違ってくる
    安村 敏信/監修「妖怪図譜 江戸の化物大集合(別冊太陽)」を読んだ
    .
    タイトル通りで江戸時代の図版を中心に絵画的な側面からお化けに接近している
    近年になってから発見も多いらしく、妖怪ブーム様々な所もあるが定期的に流行し、怪獣なんかとも被るかも
    どう捉えるかも見方は色々とあるが、今作の扱いや自分の現状の考えもあって特撮物の怪獣と同じかなはある
    .
    北斎や暁斎・邦芳など有名絵師も分類して紹介している他、ゆるい絵も沢山載っていて可愛らしい
    幽霊も扱っているがこっちは気持ち悪い。題材に何を選ぶかや選ばれたかは文化考察にもなる

    [2018-07-24]
    刊10。同系統のお化け絡み別冊太陽も読んでいるが、誰が解説を書いて選ぶかで視点も違ってくる
    小松 和彦/監修「妖怪絵巻 -日本の異界をのぞく-(別冊太陽)」を読んだ
    .
    絵巻物を中心に扱っていて、同時期の小松先生の興味が新発見の異本なのでそこへの言及もある
    京極夏彦の寄稿も含むが、お化けを題材にして自分の意見を通すみたいな所もお化けはあるかもしれない
    妖怪展なんかの開設も最近は多いが、異本の発見と同じで近年のブームで需要でて予算確保も出来てとわかる
    .
    天狗の解説もあるが他の宗教系と同じで魔女狩りにも近い印象操作のプロパガンダもあると思い難しい
    現状の自分の考えだと資料が揃い過ぎて逆にこれは特撮の怪獣なんかと同じネタと違うの感は強い

    [2016-03-09]
    全集刊行の倉庫整理で発見。雑誌で公開。今作。その後、水木サン逝去とリアルタイムになる
    荒俣宏解説 水木 しげる 「戦争と読書 水木しげる出征前手記」を読んだ
    .
    年代順の置き換え。追加で故郷に送った手紙二通。本文の半分以上を占める荒俣宏の解説がつく
    ネタ的に難しい。生前から水木サンの戦争体験を利用しようとする動きもある。呉智明の見解が適切
    荒俣宏は作家でもあるので、主観的な面も少し強い。ただ、当時の状況の解説は詳しい。他資料も合わせ読むと良い
    .
    内容に関しては雑誌公開時よりサイトでも書いてる。後の水木サンの一級資料で、迷える青年の話で普遍性ある
    整理された事と資料の追加で、後に発揮される呑気な面も垣間見える。水木サンの多面性わかる良い資料

    [2018-07-24]
    刊16。全集で妖怪画の変遷が紹介されて今書が96〜01までの連載分と分かって借り出してきた
    水木 しげる「水木しげるの妖怪人類学」を読んだ
    .
    妖怪画は色々あるが近年追加分もあって今書になる。妖怪は水木サンに書かれてないと定着が難しい
    水木サンは海外への注目が増えるが、絵巻関係の発見は近年で名無しのお化けも色々と出てきている
    重複するので大頭小僧や、ちゃんと作法にのっとってるけどネタ的なキンタマ妖怪など定番化も難しい
    .
    まだ発見から資料として追加できるけど水木サンじゃないと難しいし、逆に作り物臭も強くなり始めている
    水木サン自体の妖怪画も全網羅は全集系かつ高額で普及させにくいと混乱しつつあり、今後はお化けも大変

    [2018-05-04]
    刊04。鬼太郎六期に絡んで再確認。旧名は1974の小学館入門シリーズから妖怪なんでも入門
    水木しげる 「水木しげる妖怪大百科」を読んだ
    .
    厚い表紙の旧版はたいてい図書館にあって読んでる。これも2015で13刷と今でも普及しているとわかる
    友達が持ってて子供の時の思い出なんかもあって、単純に読み物としても面白いが今回は資料として読む
    京極夏彦も妖怪や水木サン研究では参考にする。出版年も74で鬼太郎が実話系列に行く谷間の頃とわかる
    .
    水木サン観点での妖怪論でもあるし、設定的な定義づけでもある。妖怪の設定固めがこの頃なのも興味ある
    文章的な発達経緯としても興味がある。分類やこの後の水木サン妖怪論の集約としても見る事が出来る
    [2018-05-19]
    刊04。鬼太郎六期は保留だが資料調査で気になり「水木しげるのんのん人生 ぼくはこんなふうに生きてきた」を読んだ
    児童向けで後年刊だが、絵物語系の完成形かつ水木サン人生の総まとめかつオールカラーで全集ラストにきたの納得
    逸話としては既出中心だが後年の物も含めた上、全項目が簡潔にまとまっているのも総決算感あり、円熟した出来
    [2018-05-19]
    刊07。鬼太郎六期は保留だが資料調査で気になり「水木しげる妖怪大画報 少年マガジン巻頭口絵の世界」を読んだ
    昔は収録されてる事が無かった少年マガジン巻頭口絵。年代順で大伴昌司関与の初期から変遷、悪魔くんと流れわかる
    さり気無く自分を空想世界の中に入れているのもブレないなあとも。妖怪の技は修行式・誤表記や別ver妖怪も見所

    [2017-12]
    刊17。出版は学研プラス。角川の怪系列では無くムーで書いてるライター
    宮本幸枝 「図説日本の妖怪百科」を読んだ
    .
    参考図書もちゃんと載せてるし、基礎的な項目も押さえているんで普通に良い仕上がり
    驚きなのが価格600円な事。権利切れているとはいえ図版がこれだけ豊富でこの低価格は偉い
    オールカラーで取扱い妖怪も196点と豊富。やっぱり図版付きの方が理解もし易いと思う
    .
    尻目なんかも扱っている。上記で基礎的な連中や現状での定説はちゃんと踏襲した作り
    現状は整理され過ぎてる感もあるでは無いが、簡単な図鑑を一冊と言う点なら手軽で良いと思う

    [2017-09]
    刊16。共に復刻版でびろーんの初出など文化的には重要な本。怪の唐沢なをきのコラムで気になっていた
    佐藤 有文 原刊72 「日本妖怪図鑑 -いちばんくわしい-(ジャガーバックス)」
    佐藤 有文 原刊73 「世界妖怪図鑑 -いちばんくわしい-(ジャガーバックス)」を読んだ
    .
    こどもの棚だが共に五千円近くし研究者用とも言える。ただ内容的には当時の状況わかるし面白い
    00年代にSF界隈が批判対象にしてたのは知らなかった。但し京極夏彦は評価で文学的闘争も背景にありそう
    石原豪人筆頭に気合いの入った図版や、水木サン系列とオリジナルをチャンポンした独自絵が多数
    .
    収集量と分類も充実している。また映画の図版も紹介。原書が70年代と少し遅いのも再発見の部分
    現状だと比較も出来るので図版としてもどうアレンジしたかで楽しめる。復刻されて良かったな本

    [2017-02]
    16刊。亡くなられた後に急ぎ出されたムック。タイトル通りで怪での水木サンの仕事を網羅
    水木 しげる 「別冊怪 追悼・水木しげる世界妖怪協会全仕事」を読んだ
    .
    未収録の漫画等の内容かなと思ったが違う。文章やレポ・対談多数。更に怪で書いた妖怪画を多数収録してる
    重複になるが一覧で見れるので便利。同時に水木サンが怪でも多方面に大量の仕事してた事を再発見できる
    未収録の対談や寄稿文も収録し新しい面もある。京極先生の近作小説構想が対談の中で既に出てるなども確認
    .
    当然水木イズムを全面で確認出来る。同時に荒俣・京極の姿勢もわかる。スランプとビジュアル本・コレクター話は興味深い
    一覧で見るとやっぱりわかりやすく変遷も確認出来る。最初は再録本かと思ったが、読み込んで良い編集本と考え直した

    ■竹村牧男監修 井上 円了 「妖怪玄談」
    ■中村元責任編集 「日本の名著2 聖徳太子
      勝鬘経義疏(早島鏡正訳)、維摩経義疏(抄)(中村元訳)、法華義疏(抄)(早島鏡正・滝藤尊教訳)
      十七条憲法(中村元・滝藤尊教訳)、上宮聖徳法王帝説(田村晃祐訳)、唐大和上東征伝(田村晃祐訳)
      婆羅門僧正碑文(中村元訳) 」
    ■永原慶二責任編集 「日本の名著9 慈円/北畠親房
      慈円(愚管抄(大隅和雄訳))。北畠親房(神皇正統記(永原慶二・笠松宏至訳)、書簡(笠松宏至訳))」
    ■貝塚茂樹責任編集訳 「日本の名著13 伊藤仁斎(論語古義、童子問―巻の上)」
    ■芳賀 徹責任編集 「日本の名著 22 杉田玄白.平賀源内.司馬江漢
      蘭学事始 和蘭医事問答 ほか 芳賀 徹 訳
      後見草 野叟独語 楢林忠男 訳/形影夜話 緒方富雄 訳
      放屁論 楢林忠男 訳/痿陰逸伝 野坂昭如 訳
      春波楼筆記(抄) 西洋画談 芳賀 徹 訳/独笑妄言 楢林忠男 訳」
    ■松本三之介責任編集訳 「日本の名著31 吉田松陰
      講孟余話(抄)(松本三之介訳)、武教全書講録(松永昌三訳)、異賊防禦の策(田中彰訳)将及私言(田中彰訳)
      幽囚録(田中彰訳)、回顧録(田中彰訳)、野山獄文稿(抄)(松永昌三訳)、丙辰幽室文稿(抄)(松永昌三訳)
      戊午幽室文稿(抄)(田中彰訳)、要駕策主意(田中彰訳)、留魂録(松永昌三訳)、書簡」
    ■隅谷三喜男責任編集 「日本の名著40 徳富蘇峰/山路愛山
      徳富蘇峰、将来の日本、吉田松陰。山路愛山、現代日本教会史論、評論 」
    ■橋本峰雄 責任編集・訳「日本の名著43 清沢満之/鈴木大拙
      清沢満之(宗教哲学骸骨、在床懺悔録、教界時言(抄)、精神主義、精神講話(抄)鈴木大拙(日本的霊性)」
    ■近藤秀樹責任編集 「日本の名著45 宮崎滔天/北一輝
      宮崎滔天(三十三年の夢(抄)、狂人譚(抄)、炬燵の中より、書簡)
      北一輝(国体論及び純正社会主義(抄)、国民対皇室の歴史的観察、自殺と暗殺、支那革命外史(抄)、書簡)
    ■三谷太一郎責任編集 「日本の名著48 吉野作造 民本主義論、中国革命と朝鮮問題、明治文化研究 ほか」

    Vol 3412(2019-04-25)
    [2018-11]
    刊11、原刊1890〜1919。話には度々上がるけど読んだ事無かったので。妖怪絡みと主要な部分をまとめた一冊
    竹村牧男監修 井上 円了 「妖怪玄談」を読んだ
    .
    水木サンなんかも妖怪の話は多いけどいないと言うから嫌みたいに書いてた筈。実際、引用も含め非常に詳しい
    柳田国男が民間信仰の形で擁護し批判した側になるが、無い前提なんで書籍も調査範囲に入り引用が幅広い
    無い前提ゆえに分析も鋭いし、京極夏彦にも通じる、この現実自体が不思議という更に一段進んだ見解にも至る
    .
    小松先生なんかの民俗学系がなにに対してムキになってるかもわかるが、観察者としては一段上の態度とも思う
    哲学者として伝統のユートピア論や、当時なりの思考整理した論文も含まれ立ち位置的にももっと重視されて良い人

    [2018-11]
    原7C頃。偉人書籍ベスト版の日本版。お札だった頃は世代じゃないけど、教科書出るし四天王寺もあるから知ってる
    中村元責任編集 「日本の名著2 聖徳太子
    勝鬘経義疏(早島鏡正訳)、維摩経義疏(抄)(中村元訳)、法華義疏(抄)(早島鏡正・滝藤尊教訳)
    十七条憲法(中村元・滝藤尊教訳)、上宮聖徳法王帝説(田村晃祐訳)、唐大和上東征伝(田村晃祐訳)
    婆羅門僧正碑文(中村元訳) 」を読んだ
    .
    中村元が全部訳をしていてなんで?と思ったけど、ほぼ全編仏教のまとめに近いんであってる
    仏教は原点に遡るほど分かり易いんでまとめとして秀逸。火宅の教えなんかの有名逸話も拾っている
    鑑真の伝記も拾っているが、当時としては仏典が最高の学問なんで際どい出生での天才ぶりもわかる
    .
    十七条の憲法なんかは今見てもわかりやすいし教えとしても良い。ただし太子自体が皇族殺しの反乱者はある
    天才ぶりが元ネタありは幻滅する点もあるが、方便での正当化など日本思想の源流の点でも興味深い

    [2018-11]
    原12C+14C頃。偉人書籍ベスト版の日本版。宗教の人かなと思ったけど違い歴史家と武士。ただし当時の価値観で特殊
    永原慶二責任編集 「日本の名著9 慈円/北畠親房
    慈円(愚管抄(大隅和雄訳))。北畠親房(神皇正統記(永原慶二・笠松宏至訳)、書簡(笠松宏至訳))」を読んだ
    .
    平家合戦と南北朝動乱のリアルタイム世代。当時の価値観で読んでると混乱もするが、上記に書いた様に当時の視線
    慈円は物事が発生する前後の理屈を解こうとしていて、御霊信仰の具体的な説明や実感としての感じ方がわかる
    現代に日本は神国の一言で一時騒ぎがあり自分はよく理解出来なかったが、これも昔の価値観で偏見が理解を妨げる
    .
    南朝に所属を持ちあげたり警戒する感情もよくわからない所はあるんだが、三種の神器所有で正当化する理屈も分かる
    当時の途中で挿入を繰り返す文体なんかも現状だと資料。解説にある簡潔な具体的描写で感情を感じさせる所も見所

    [2018-11]
    原17C頃。偉人書籍ベスト版の日本版。日本人の心性で紹介されていて、その部分は無かったけど大筋はわかった
    貝塚茂樹責任編集訳 「日本の名著13 伊藤仁斎(論語古義、童子問―巻の上)」を読んだ
    .
    当時は儒教が常にベースでこれもそうなんだが、解説の形で独自解釈をしていてその部分が個性になる
    海外も過去はキリスト教ベース哲学で問題無いが借り物感はある。孔子がわかりやすく書かんからいかん
    苦労している。現在だとパニック障害やニートなんかに近い面もあり、20代で病気になって30代で講師になった
    .
    儒教はあくまて文でしかないのに真面目に考えすぎ、結果的に現実から人間や社会や哲学を観察考察へと至る
    アリストテレスとか入っていたらなあと思いながら読んだが、現在にも通じる鋭さがあり読み応えあった

    [2018-11]
    原刊18C中〜19C初。源内を調べたかったんだけど、玄白をエッセイも含めて大量に拾っていて読み応えあった
    芳賀 徹責任編集 「日本の名著 22 杉田玄白.平賀源内.司馬江漢
    蘭学事始 和蘭医事問答 ほか 芳賀 徹 訳
    後見草 野叟独語 楢林忠男 訳/形影夜話 緒方富雄 訳
    放屁論 楢林忠男 訳/痿陰逸伝 野坂昭如 訳
    春波楼筆記(抄) 西洋画談 芳賀 徹 訳/独笑妄言 楢林忠男 訳」を読んだ
    .
    源内が早くに死んで、玄白がエッセイのネタに書くほど長生きし、江漢が少し遅れるので蘭学を巡る順々の展開
    いま伝わってる源内の逸話は江漢が拾っている、また下の句に金のほしさをよを考えたのも源内だとわかる
    玄白は以前に読んでいるが、今回はエお医者さんとしての経験を元にしたッセイも多く、文が上手いと再発見
    .
    人の心は変わりやすい物なんかは鋭い考察だし、当時としては革新的な蘭学なんで旧体制への的確な意見にもなる
    かみきりや物の怪事件など当時おきた不思議な事件も拾っているし、心の迷いから出ていると見抜いてるのも近代的

    [2018-11]
    原19C頃。偉人書籍ベスト版の日本版。みなもと先生の漫画やドラマでお馴染みだが、死刑は30歳で若かったんだなあと
    松本三之介責任編集訳 「日本の名著31 吉田松陰
    講孟余話(抄)(松本三之介訳)、武教全書講録(松永昌三訳)、異賊防禦の策(田中彰訳)将及私言(田中彰訳)
    幽囚録(田中彰訳)、回顧録(田中彰訳)、野山獄文稿(抄)(松永昌三訳)、丙辰幽室文稿(抄)(松永昌三訳)
    戊午幽室文稿(抄)(田中彰訳)、要駕策主意(田中彰訳)、留魂録(松永昌三訳)、書簡」を読んだ
    .
    歴史人物はイメージの変遷あるらしいんだけど、この人は昔から全然変わらないらしく、とてもわかりやすい性格している
    戦中は英雄だが悪い人では無いんだけど困った人。本人も怒りっぽいと書いているが激情家で思い込みが激しい所ある
    頭は良くて戦術論なんかは読み応えある。要は子供の頃から英才教育を受けすぎガチガチな洗脳調教済み闘志になった
    .
    日本全土がこの人化すると太平洋戦争になる。信念が強すぎて最後も漫画の悪役の様にベラベラ計画を喋っちゃって死刑
    あちこちヌケてる米密航計画の記録も面白い。文だと寝るのが好きや大にいなんて個人的な部分も出て面白い人ではある

    [2019-02]
    原20初頃。偉人書籍ベスト版の日本版。日本の名著は誰だお前?系は結構多い。明治大正期が影に隠れているとも
    隅谷三喜男責任編集 日本の名著40 徳富蘇峰/山路愛山
    徳富蘇峰、将来の日本、吉田松陰。山路愛山、現代日本教会史論、評論 」を読んだ
    .
    共にジャーナリストとして活動したんで啓蒙主義に近いかも。おかしくなっていく日本を先導で扇動的ともいえる
    どういう考えの果てに狂ったかがわかるともいえる。歴史家とも言えて、解釈して英雄を作ってそこに導いたとも言える
    日本の名著は思想的な偏りがあるなとも感じている。逆に言うとそれ故に革命を熱望し無茶な行動に出たとも
    .
    後者は宗教家になるがこの人も似た様な者で英雄崇拝の気はある。カルトと英雄崇拝がひっつくとそりゃそうなる
    当時の日本が世界を見て自分もこうしておけば良かった、今からでもと焦ってたのはわかる。歴史を描いた歴史資料

    [2018-11]
    原19C+20C頃。偉人書籍ベスト版の日本版。一方はともかく、もう一人は誰?あるが編集でも誰?が出たマイナー偉人
    橋本峰雄 責任編集・訳「日本の名著43 清沢満之/鈴木大拙
    清沢満之(宗教哲学骸骨、在床懺悔録、教界時言(抄)、精神主義、精神講話(抄)鈴木大拙(日本的霊性)」を読んだ
    .
    浄土宗と禅を筆頭に古代の仏教を解釈し直し、現代や世界で復活させた人と言うのが正しい所になる
    逆に言うと宗教は昔からある様でも、実際は時代に適応して変えられているとわかるし、日本の根本を探るにもなる
    近代化直後で哲学も取り入れたが、日本の哲学は色々な物が混ざりすぎ、哲学読むと眠くなる意見がでる理由わかった
    .
    こんがらがった所や、新しく言葉を作ってる様な所もあって読み難さもあるけど宗教とは何かを一生懸命考えている
    大拙さんの方は流石に文が上手くて、例の引き方や結論の出し方などエッセイ感覚で読んでも面白いと思う

    [2018-11]
    原19〜20C初頃。偉人書籍ベスト版の日本版。なんで調べたかは怪経由になり、怪の尊敬する人物がコイツも興味
    近藤秀樹責任編集 「日本の名著45 宮崎滔天/北一輝
    宮崎滔天(三十三年の夢(抄)、狂人譚(抄)、炬燵の中より、書簡)
    北一輝(国体論及び純正社会主義(抄)、国民対皇室の歴史的観察、自殺と暗殺、支那革命外史(抄)、書簡)を読んだ
    .
    滔天とか誰なんだ?といった感じだが中華の教科書には出る人で、共に革命を扇動した活動家になる
    日本の名著は編集方針に疑問点あり、やたらと共産主義を持ちあげてる。ただし本書の解説は皮肉気
    バカじゃねえの?や、自覚無いサギ師じゃねえの?が自分の見解。カリスマは両者あり研究材料にはなる
    .
    二人ともおかしい所ある。滔天は嫁が露出狂気味で、ルンペンありがたがって、最後は宗教に狂う
    221の一輝は怪に取り上げるぐらいで電波気味。悪文で類神人とセックスを語り、死刑推奨で自分が死刑

    [2019-02]
    原20C初頃。偉人書籍ベスト版の日本版。日本の名著は誰だお前?系は結構多く、教科書には出ているが知らなかった人
    三谷太一郎責任編集 「日本の名著48 吉野作造 民本主義論、中国革命と朝鮮問題、明治文化研究 ほか」を読んだ
    .
    大正デモクラシーとあるがデモクラシーは民主主義で、結果的に日本に民主主義を広げて、象徴にまでなった人
    実際の所は何してた人となると政治学兼歴史家で、歴史を解釈して扇動したとも言える。あと書籍収集家の面を持つ
    キリスト教に改宗していて、アメリカの楽天主義を受け継いでもいる。民主主義者であっても暴動には批判的
    .
    当時の日本植民地への態度や、どう受け取っていたかもわかる。朝鮮は自治支配させれば良かったも今だとそうかもねと
    戦争直前や転落前の情勢を見る上で面白いし、社会主義に批判的など穏健的で刺激は少ないがそこが良さにもなっている

    ■蝋山芳郎責任編集 世界の名著63 ガンジー/ネルー
      ガンジー「自叙伝」(蝋山芳郎訳)、ネルー「自叙伝」(蝋山芳郎訳)」
    ■金谷治責任編集 「世界の名著10 諸子百家 「墨子」(金谷治訳)、「孫子」(町田三郎訳)
      「荀子」(沢田多喜男・小野四平訳)、「韓非子」(金谷治・町田三郎訳)」
    ■荒木見悟責任編集 「世界の名著〈続4〉 朱子/王陽明
      朱子「朱子文集・語類抄」(荒木見悟訳)、王陽明「伝習録」(溝口雄三訳) 」
    ■川本隆史+福間聡+神島裕子 ジョン・ロールズ 「正義論 改訂版」
    ■鬼澤忍訳 マイケル・サンデル
      「これからの「正義」の話をしよう -いまを生き延びるための哲学」
      「それをお金で買いますか 市場主義の限界」
    ■山田登代子訳 ミシェル・ド・セルトー 「文化の政治学(複数の文化)」
    ■田中角栄「日本列島改造論」
    ■加藤周一責任編集訳 「日本の名著18 富永仲基/石田梅岩
      富永仲基(翁の文(楢林忠男訳)、出定後語(石田瑞麿訳)。石田梅岩(都鄙問答、付録(加藤周一訳)、石田先生語録)
      柴田実著「『石田先生語録』解題」 」
    ■尾藤正英責任編集 「日本の名著16 荻生徂徠
      学則(前野直彬訳)、弁道(前野直彬訳)、弁名(抄)(前野直彬訳)、徂徠集(抄)(前野直彬訳)
      答問書(中野三敏訳)、政談(抄)(尾藤正英訳) 」
    ■片瀬一男+高橋征仁訳 ローレンス・コールバーグ+A・ヒューアー+C・レバイン
      「道徳性の発達段階―コールバーグ理論をめぐる論争への回答」
    ■真継伸彦責任編集 「日本の名著42 夏目漱石/森鴎外
      夏目漱石(『文学論』序、文の哲学的基礎、道楽と職業、現代日本の開化、文芸と道徳、文展と芸術、素人と黒人
      私の個人主義、思い出す事など
      森鴎外(大学の自由を論ず、同感と慈悲と、慈善、鴎外漁史とは誰ぞ、潦休録、戦時糧餉談、北清事件の一面の観察
      仮名遺意見、混沌、文芸の主義、礼儀小言、古い手帳から、智恵袋、心頭語、慧語)」

    Vol 3410(2019-04-19)
    [2019-02]
    原20C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ガンジーは以前も読んでるけど解説付きだとまた違う
    蝋山芳郎責任編集 世界の名著63 ガンジー/ネルー
    ガンジー「自叙伝」(蝋山芳郎訳)、ネルー「自叙伝」(蝋山芳郎訳)」を読んだ
    .
    哲学の主観客観の分類に注目していてガンジーはバリバリの主観だが、目的は客観の肯定なのが面白い点
    宗教の人ではある。分類するならモリスなんかの原始共産主義に近いと思う。カリスマで人が服従と他者見解あり
    ネルーは同志に近いが感情も複雑。ガンジーの掲げたスクラジが誰にもわからず、ただ行動だけが転がっている
    .
    ガンジーの自伝解釈も言われると筋が無い。途中まででガンジー個人の発言をネルーが拾って補完もしている
    非暴力主義も死より大義が優先される抵抗だから厳しい所はある。偉人だけど癖が強いが実態かなあと

    [2019-02]
    原前4〜2C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。重複を含むけど孫子とか読み直すと面白かった
    金谷治責任編集 「世界の名著10 諸子百家 「墨子」(金谷治訳)、「孫子」(町田三郎訳)
    「荀子」(沢田多喜男・小野四平訳)、「韓非子」(金谷治・町田三郎訳)」を読んだ
    .
    本文にも解説が先行し過ぎてちょっと癖のある訳文になるが、中華古典は後世解釈で編集・再解釈ある解説とも一致
    正義がたくさんあるとケンカになるとあるがそれを地で言ってもいる。また冷静に考えるとヤバイ考えが多いのも中華
    西洋は根拠を聖典や神に求めやすいが中華は仁とかの倫理に至った。アジア全域を含めた現状とも重なり面白い点
    .
    経験や実用重視になり易いのもアジア全域。米も似てるが先住民はモンゴロイド系よねで、類似も面白い部分
    処世術とか即統治に役立つとかはマニュアル本っぽくもある。性悪説は努力重視傾向とか今と比較しても興味ある

    [2018-11]
    原12C+15C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。儒学は問題もある学問なんで影響強いが後回しにしていた
    荒木見悟責任編集 「世界の名著〈続4〉 朱子/王陽明
    朱子「朱子文集・語類抄」(荒木見悟訳)、王陽明「伝習録」(溝口雄三訳) 」を読んだ
    .
    ともに孔子がベースになっていて反宗教・反主観主義的な立場でありながら、敵対者と同類の思考をしている
    真実は一つと考える人たち。どうやってその真実に辿り着くのかと言うと考えれば自ずとわかるで危うさある
    孔子の頃から仁を第一とするが冷たさはある。また出世できない事から世間への憎しみもあり、同類を引き寄せる
    .
    真実は一つなんで考え方も極端に至り易く性善・性悪説に浸り易い。また義を重んじ正義への固執しやすさもある
    礼を重んじる点から管理者向き。だいたいは引用で論拠をかため成立。個人への処方など当人たちにも自覚はある

    [2018-02]
    原71→99。別書で扱われた倫理問題の重要書籍。軍務反対の作者履歴と政治ややこしい時期に出た点も重要
    川本隆史+福間聡+神島裕子 ジョン・ロールズ 「正義論 改訂版」を読んだ
    .
    善い・正しいとは何ぞやを事例と過去研究参照し考えた本。理想論的だし答えも出てないし疑問定義だけの部分もある
    作者は後半の論考部を注目して貰いたかったみたいだが、上記理由だどの勢力にせよ正当化の手段になった所ある
    実際面白いのは後半の論考部。ただこれも現状研究を参照していないので理想モデルで終わっている部分ある
    .
    論考部は人間心理を分析しているとも言える。また自由や平和はどの範囲までを良しとするで公正に考えてもいる
    歴史的書籍になり後も発展研究はあるが基本の考えは分かった。しっとなどの感情が軽視出来ない点にも着目している

    [2018-02]
    原09+12。読むリストには入れてなかった作家だが目について借り出し。なんで自分がリストから外していたかわかった
    鬼澤忍訳 マイケル・サンデル
    「これからの「正義」の話をしよう -いまを生き延びるための哲学」
    「それをお金で買いますか 市場主義の限界」を読んだ
    .
    大学はもちろんNHKで講義もしていた。同時に思想がかったラノベ作家が批判していた所も目にしている
    良く言えば啓蒙的、悪く言えば週刊誌的。ベースになった本を読んでいるので引用の多い本と言う見解になる
    自分はあまり評価はしてない。出版社に関しても同じで参考文献で日訳あるのを伏せていてフェアと言い難い
    .
    他人のアイデアを自分で考えたみたいに発表して、あげくにその相手を貶すとかどうよといった所
    入門書としては便利だと思うし、なぜベストセラーになったかの研究としては役立つと思うが自分はもういい

    [2018-11]
    原80。放送大学の歴史学から辿った筈。1968に仏でパロール革命なる意図不明瞭の暴動が起き、後に五月革命と称する
    山田登代子訳 ミシェル・ド・セルトー 「文化の政治学(複数の文化)」を読んだ
    .
    宗教学からスタートした歴史学者で、上記革命にも関わろうとした。資料見ると他の文化人も便乗して暴力好きとわかる
    結果的に失望する事になるが、意図はなんだったかを歴史も参考に考察した本になり、大衆文化も含んだ意味を考える
    大学の暴動からなので現在と過去の比較。大学が昔は抵抗運動の拠点になってた事や、今はクラブ活動延長的ともわかる
    .
    メディアへの不満のまとめにもなり、暴動正当化もそこで成されて意味づけられている。実際は暴力に酔っていただけとも
    反対の立場に立つんで全般への問題定義としても面白いし、テレビ等の大衆文化が何を提供しているかの具体化にもなる

    [2018-11]
    刊1972。滅茶苦茶かいてるゾって以前聞いたんだけど一部の話で、その発言者がそもそも胡散臭かったとも思い出した
    田中角栄「日本列島改造論」を読んだ
    .
    地方都会の格差是正と輸出入・情報交通網強化案で、今この主張で選挙でてもイイ線行くんじゃないかってぐらいまとも
    米の重化学・精密機械撤収計画阻止や、生産財の重点生産や朝鮮戦争特需など、戦後どう立ち直ったかの資料でもある
    昔は水道料金は国が払っていたとか、ガソリン税を導入したとか、財政中心主義だったとかも当時の資料として面白い
    .
    滅茶苦茶な部分はダム増産の話などだか無茶かどうかは際どいと思う。四国を日本の表玄関案はV3の作戦思い出した
    公害問題を主題に改造を訴える所は弁論術としても巧みだし、外交で雰囲気を作ろうとするは日本外交の分析にもなる

    [2018-11]
    原18C頃。偉人書籍ベスト版の日本版。誰なんだ一体?だが実際に影響をほぼ与えてない人とひの対極と両極端の二人
    加藤周一責任編集訳 「日本の名著18 富永仲基/石田梅岩
    富永仲基(翁の文(楢林忠男訳)、出定後語(石田瑞麿訳)。石田梅岩(都鄙問答、付録(加藤周一訳)、石田先生語録)
    柴田実著「『石田先生語録』解題」 」を読んだ
    .
    解説も時代性が部拭いてレーニンや毛に興味のある東大教授。昔の人は情報不足で暴力革命を肯定していた節ある
    そんなわけで全宗教否定と金も服も無くしちまえの、ひたすらにロックすぎる江戸の原理主義者。ネタとして面白すぎる
    死刑はされてないけどあまり出回ってないから影響も無く塾からも追放。ただとてもよく調べ理屈だってウソだろと言ってる
    .
    対する梅岩は文からも穏やかさが染み出る田舎の先生と言った雰囲気。なんでも勉強すんのや働かない人への人生相談
    良さげだが儒教に基づくカースト制肯定と違う意味で危険思想。当時の様子や商業の理屈ある肯定など読み甲斐はある

    [2019-02]
    原17C後頃。偉人書籍ベスト版の日本版。別件で挙げられていて新井白石のライバルかつ、伊藤仁斎の弟子筋になる
    尾藤正英責任編集 日本の名著16 荻生徂徠
    学則(前野直彬訳)、弁道(前野直彬訳)、弁名(抄)(前野直彬訳)、徂徠集(抄)(前野直彬訳)
    答問書(中野三敏訳)、政談(抄)(尾藤正英訳) 」を読んだ
    .
    現実主義・客観主義というのに近いと思う。適材適所を奨励し良さげだが、突き詰めていくと理想は警察国家
    師匠と似ているが儒教に疑問を抱いていて、結果的に道徳にも疑問を抱いている点で異なった視点として興味深い
    先行する中華思想の解読でも一言を持っていて、これも上記の疑問や独自見解の発達に一役を買っている
    .
    完全に現実的な政策への提言なんで江戸の実際がリアルにも見えてくる。でも理想は警察国家で突き詰めるとの例
    どういう風に人を雇えばいいかや、勉強はどうすべきかや、本はどう読むと言いかを書いているんで実際的ともいえる

    [2019-01]
    原86。道徳性となっているけど倫理学の本と思えば良い。何故こだわるかや反対者が人類学者とフェミなのも注目点
    片瀬一男+高橋征仁訳 ローレンス・コールバーグ+A・ヒューアー+C・レバイン
    「道徳性の発達段階―コールバーグ理論をめぐる論争への回答」を読んだ
    .
    ちょうどロマン主義の本も読んでいた。個人主観と全体客観のどっちが正しいかで、自由主義者も喰いつく話題になる
    現状だと倫理学の分野で研究進み、葛藤を産む状況試案はそっちの方がわかりやすく的を得ていると古い点もある
    批判意見が出ている点で発達段階が決めつけに近いや、なんでも正しいで答えを失くしてしまう相対主義の問題など
    .
    動機を重視もロマン主義的だが、突き詰めて考えると好き勝手やりたい連中が後ろ盾に利用している所もあるかなあと
    結局状況で変わるし、正しい選択しても良い結果にはなりえないなんて自分は考えてしまうが、なぜ問題にするかはわかった

    [2018-11]
    原19C末〜20C初頃。偉人書籍ベスト版の日本版。教科書に載りお札でもあった人。本業の小説ではなくエッセイ系を収録
    真継伸彦「日本の名著42 夏目漱石/森鴎外
    夏目漱石(『文学論』序、文の哲学的基礎、道楽と職業、現代日本の開化、文芸と道徳、文展と芸術、素人と黒人
    私の個人主義、思い出す事など
    森鴎外(大学の自由を論ず、同感と慈悲と、慈善、鴎外漁史とは誰ぞ、潦休録、戦時糧餉談、北清事件の一面の観察
    仮名遺意見、混沌、文芸の主義、礼儀小言、古い手帳から、智恵袋、心頭語、慧語)」を読んだ
    .
    面白い人たちではあるんだけど、ありがたがる存在ではないって感想はある。芸術がどうこうの人たちは面倒くさい
    闘病記みたいのも載っているし、講演でも個性は良く出ているが基本的に空気読まないし、発言と言動も一致しえない
    作家は仕事だけしてりゃ良い。同類あい憐れむで引き寄せられるかもしれないが、治らず悪化もありえるとは書いとく
    .
    皮肉交じりの分析は鋭いが難もある。鴎外はそこらを見抜いてる感はあるが、鴎外にしても所々に性格が覗いている
    現状のエッセイほどには洗練されていなくて、講演の記録と言う所も含めて歴史的な変遷資料になりえるかも

    ■阿部知二+三宅幾三郎訳 「河出世界文学全集 8 ジェイン・エア+嵐が丘」
     「世界文学大系 25 シャトーブリアン・ヴィニー・ユゴー
      辻昶訳 フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン 原1801 アタラ+ルネ
      松下和則訳 アルフレッド・ド・ヴィニー 原1835 軍隊の屈辱と偉大
      今日出海 ヴィクトル・ユーゴー 原1874 九十三年」
    ■辻昶+松下和則訳 ヴィクトル・ユゴー 「ヴィクトル・ユゴー文学館 第5巻 ノートル=ダム・ド・パリ」
    ■柏木隆雄訳 オノレ・ド・バルザック「人間喜劇」セレクション 第13巻 従兄ポンス」
    ■岸田理生訳 フリードリヒ・フーケ 「ウンディーネ」
    ■平岡昇+中村真太郎+三宅徳嘉+山上正太郎 「アンドレ・モロワ フランス史 上下」
    ■田中 治男訳 アイザイア・バーリン 「バーリンロマン主義講義」
    ■松田智雄責任編集 「世界の名著18 ルター 「キリスト者の自由」(塩谷饒訳)、
      「キリスト教界の改善についてドイツ国民のキリスト教貴族に与う」(成瀬治訳)、「奴隷的意志」(山内宣訳)
      「農民戦争文書」(渡辺茂・魚住昌良訳)、「商業と高利」(魚住昌良訳)、「詩篇講義」(笠利尚訳)、
      「ローマ書講義」(笠利尚訳)、「ガラテア書講義」(徳善義和訳)、「卓上語録」(塩谷饒訳)」
    ■登張正実責任編集 世界の名著〈続7〉 ヘルダー/ゲーテ
      ヘルダー「人間性形成のための歴史哲学異説」(小栗浩・七字慶紀訳)、ヘルダー「シェイクスピア」(登張正実訳)
      ヘルダー「彫塑」(登張正実訳)、ゲーテ「文学論・美術論」(小栗浩訳)」
    ■岩崎武雄責任編集 「世界の名著〈続9〉 フィヒテ/シェリング
      フィヒテ「知識学への第一序論」(岩崎武雄訳)、フィヒテ「人間の使命」(量義治訳)、シェリング「ブルーノ」(茅野良男訳)
      シェリング「人間的自由の本質」(渡辺二郎訳)、シェリング「哲学的経験論の叙述」(岩崎武雄訳) 」
    ■山本信責任編集 「世界の名著〈続13〉 ヤスパース/マルセル
      ヤスパース「哲学」(小倉志祥ほか訳)、マルセル「存在と所有」(山本信訳) 」
    ■原佑責任編集 「世界の名著62 ハイデガー「存在と時間」(原佑・渡辺二郎訳)」

    Vol 3408(2019-04-12)
    [2018-05]
    原1847。大枠はロマン主義でヴィクトリア朝の女性拡張論とゴシック小説に属する。ハーレクインで抄訳版も納得
    阿部知二+三宅幾三郎訳 「河出世界文学全集 8 ジェイン・エア+嵐が丘」を読んだ
    .
    大雑把に言うと恋愛小説ともホラーとも取れる。故にこれで正しかったんだろうかとか、もっと特化すればが感想に出る
    共に狂気一歩手前の激し過ぎる感情もった人物が出てくる。ヴィクトリア朝に限らず妥協がないと苦しむ事になる
    当初は嵐が丘は評価なかったがそれは前述。現状ホラーとも比較出来るんで閉鎖空間や抑圧なんかの共通点もわかる
    .
    ジョイン・エアは仰々しい主張がつくが普通に小説として見ても面白いし、圧迫と親切で波やキャラに愛着も持てる出来
    めっちゃ苦労してる人かなと思ったら履歴見るとそうでもない。共に短い期間の話だが心理的に波は濃く少女漫画的とも

    [2017-08]
    ワクフ扱う加減から。文学から入る方が面白いし、読んでみたくもあった。全員ロマン主義といえる
    「世界文学大系 25 シャトーブリアン・ヴィニー・ユゴー
    辻昶訳 フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン 原1801 アタラ+ルネ
    松下和則訳 アルフレッド・ド・ヴィニー 原1835 軍隊の屈辱と偉大
    今日出海 ヴィクトル・ユーゴー 原1874 九十三年」を読んだ
    .
    アタラ+ルネはインディアンの話なんだがターザンな印象。モヒカン族の最後が26で流行も含め興味深い
    ヴィニーは忘れ去られた作家とも言えるが、のらくろにも似た理想の軍隊生活ともいえる作で情熱的
    ユーゴーは有名でノートルダムを先に読んでたのも良かった。有名作ではないが一番分量も多かった
    .
    九十三年は1793で革命直後の仏のスケッチとも言えるが、人物を白黒兼ね備えさせているのが流石
    人間はどう考えるかを上手く切り出している。独が有名なんで時代も含め仏ロマン主義有名作読めたのは良かった

    [2017-07-26]
    原1832。ロマン主義の代表作家と言って良い筈。ゲーテなど発表時に賛否も巻き起こしていたと思う
    辻昶+松下和則訳 ヴィクトル・ユゴー 「ヴィクトル・ユゴー文学館 第5巻 ノートル=ダム・ド・パリ」を読んだ
    .
    ディズニー版とかが頭に浮かぶ。実際は犯罪や暴力や、神も仏も無い話とも。人物は多少は理想入っているかも
    設定が1482。話が動くまでがトロいが、下層市民や犯罪者・暴徒など、かなりリアルに書いている事も特徴
    風俗を見ると言う点でも面白いが、キャラの過去や因縁が語られ、暴動発生からは急転直下の展開
    .
    反教会・市民の面もあり激しい。因縁が絡む所は悲劇的であり、差別と心情なんかも面白く描かれている
    序盤が風俗見せる事に特化して、後半が人物と型の違いや退屈さもあるが、後半の面白さは残るだけの価値ある

    [2017-08]
    原47。ワクフ扱う加減から。レヴィ=ストロースが好きと言った本で読んでみたかった。ちょうど良い機会
    柏木隆雄訳 オノレ・ド・バルザック「人間喜劇」セレクション 第13巻 従兄ポンス」を読んだ
    .
    資料の破天荒な人生模様と共に、交流や実際の作も含め、ロマン主義・写実主義にまたがるのは納得
    人間に対し不信・信頼が両方あるけど、最後はどこか幸せなど、レヴィ=ストロースが好むのもわかる
    コレクターの話。良い人悪い人が交互に出る作劇や、人物がよく書け筋もどうなるがあり有名なのも納得
    .
    刊が99。巻末に福田和也と鹿島茂の対談附属。大概な所あると思ったら履歴も大概で文学の実際はこうかと
    本書自体も最後は認められるとかある意味ユートピアな所はあるかも。そういう人たちの為の本

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。1811年刊。書庫から、絵本みたいな大判の本が出て驚いたが挿絵付き
    岸田理生訳 フリードリヒ・フーケ 「ウンディーネ」を読んだ
    .
    訳は天井桟敷で活動してた人で、劇もある加減で解説も舞台系の人。ゲームでもお馴染み水の精霊の話
    ロマン主義の代表作とされる。おそらく中世騎士道文学の系譜もある。だが個人的な感想では今の萌えラノベそのもの
    展開的には三角関係の末の死と悲劇なんだが、そこに至るまでの異世界の女の子の可愛さ重視はラノベ的
    .
    文学は系譜はあると思うが、ここらの本は大衆の人気も獲得してる事も含め興味深い。悲劇結末のラノベだってある
    昔の本で筋が複雑化してる部分も一部あるが、女の子の背景設定の形で既成神の否定や異界への視点もあり興味深い

    [2017-08]
    原47。ワクフ扱う加減から。先にフランス人論・また別書のフランス人歴史書を読んでて確認作業にも近い
    平岡昇+中村真太郎+三宅徳嘉+山上正太郎 「アンドレ・モロワ フランス史 上下」を読んだ
    .
    今書の方が早く作家と言う事もあり、章題もいかにしてXXか?だったり観点が統一されていて面白くしている
    偉人の名言の数々を拾っている点も面白い。同時に仏に偉人が多い事も再確認できる。基本褒めの姿勢
    中世の大学がどういう事を教えていたかも興味があったので、神学・哲学・医学系とやっと答えも見つけられた
    .
    思想や政治の変換も激しい国で、そこでの大衆の見解変遷や、ロマン主義の移り変わりを眺められるのも良い
    筆者の見解が強い本は辛い場合も多いが、合理主義も入ってる国なんで嫌味にならず興味になるのも上手い所

    [2019-01]
    原65。別件で借りてきたけどちょうどエンデでロマン主義を扱っていたのでグットタイミングになった
    田中 治男訳 アイザイア・バーリン 「バーリンロマン主義講義」を読んだ
    .
    ロマン主義とは何ぞやの定義は諸説に割れているのでまとめたり、元はドイツ敬虔派のちは実存主義と経緯を説明
    初期ゲーテも上げてるが基本的にバッドエンドも多く、重要視するのが客観より主観や、結果より動機になる
    どういう人が作ったで鬱屈した人の恨み、あるいはノスタルジアとパラノイア傾向。要は敵が外にいて不幸はそのせい
    .
    反文化・反知性・外国人嫌悪やなんかの言葉を含み、後期ゲーテに至ると調和を望む事から解決を含むにもなる
    ジャンル分けで答えありきみたいな所はあるが、解決伴わず学習だけしたの教養小説も含み初期は現行比較にも使える

    [2019-02]
    原16C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ルター単体で成立するのん?と思ったがロマン主義源流でもある
    松田智雄責任編集 「世界の名著18 ルター 「キリスト者の自由」(塩谷饒訳)、
    「キリスト教界の改善についてドイツ国民のキリスト教貴族に与う」(成瀬治訳)、「奴隷的意志」(山内宣訳)
    「農民戦争文書」(渡辺茂・魚住昌良訳)、「商業と高利」(魚住昌良訳)、「詩篇講義」(笠利尚訳)、
    「ローマ書講義」(笠利尚訳)、「ガラテア書講義」(徳善義和訳)、「卓上語録」(塩谷饒訳)」を読んだ
    .
    波乱生涯まとめは当時の風潮まとめにもなる。解説で優しいお仕置きが狐の尻尾・ライン河が燃えているとトリビアも
    過程は経ているが結果的に大戦争を引き起こしてもいるんで扇動者とも言える。アリストテレス研究し反発したで納得
    厳し過ぎる苦行を経験しているや、金を嫌ってるなんかも面白い点。とうぜんマルクスは反応していてやっぱりなぁと
    .
    当時の正当性根拠は聖書で今読むとお花畑感はある。世界の良い分より俺が正しい、根拠は内なる神だは実存主義的
    人文主義と対立したり、最終的に残虐肯定し始めたり、聖典注釈で自分の夢を加えがブーメランだったりと今と変わらん

    [2019-02]
    原18C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ゲーテのコレは読んでなかったで読み、以前とは見解も変わる
    登張正実責任編集 世界の名著〈続7〉 ヘルダー/ゲーテ
    ヘルダー「人間性形成のための歴史哲学異説」(小栗浩・七字慶紀訳)、ヘルダー「シェイクスピア」(登張正実訳)
    ヘルダー「彫塑」(登張正実訳)、ゲーテ「文学論・美術論」(小栗浩訳)」を読んだ
    .
    ヘルダーって誰?がまず来るが実際にほぼ無名の人。歴史家だが批評家みたいな事をして性格悪さが文にも出ている
    ゲーテがシェイクスピア解釈で影響を受けたとされる。解説もゲーテ研究の人だが呑気とか散々な見解出している所ある
    ゲーテの中でも芸術考察に近い物をまとめている。ロマン主義を調べてた所で丁度良く、ゲーテの矛盾した見解がわかる
    .
    ニュートンの客観を批判しているのも面白い点。ゲーテ自身は出ているが間違っているし、最後を汚しちゃった所はある
    人妻に十年1781通手紙を出したとか、点描に批判的とか、個人逸話も解説。ゲーテは出て面白いが、単に思想よねと

    [2019-01]
    原18C頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。自分が一番嫌なドイツ観念論になるが定義しなおす点でも参考になった
    岩崎武雄責任編集 「世界の名著〈続9〉 フィヒテ/シェリング
    フィヒテ「知識学への第一序論」(岩崎武雄訳)、フィヒテ「人間の使命」(量義治訳)、シェリング「ブルーノ」(茅野良男訳)
    シェリング「人間的自由の本質」(渡辺二郎訳)、シェリング「哲学的経験論の叙述」(岩崎武雄訳) 」を読んだ
    .
    ヘーゲルが代表でそのヘーゲル前段階だが、観念論に反対する形で思想が広がるので流れの上では重要になる
    前期と後期で考えが変わってくる二者でもある。フィヒテの異常な向上心は最終的にナチスに行きつくで駄目っぽい
    まだ文章をどう書くか定まってない感じで対話方式になっているが、急に霊と話しだして自己解決に至ると狂気も感じる
    .
    自分の興味が強すぎる人とも言える。つまる所は何を正当とするかで美を最高とするシェリングは唯美主義につながるかも
    別件だったかもだが単に言葉の置き換えじゃない?はそうだとも思うし、自分で問題も答えも出して延々と悩んで喜んでるみたい

    [2019-01]
    原20C前頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。共にロマン主義後継実存主義と好都合。行きつく先の考察にもなる
    山本信責任編集 「世界の名著〈続13〉 ヤスパース/マルセル
    ヤスパース「哲学」(小倉志祥ほか訳)、マルセル「存在と所有」(山本信訳) 」を読んだ
    .
    主観重視で言い訳じみた実存主義を読んでいると、だいたい自分が迷ってる時に哲学書読みだすと気付けた
    批判されていてその指摘の引用に適切さがある。倫理にこだわるのも自分の正義正当化の為でテロとかに近いかなと
    上記で自分のうちに絶対の真実があるとか言い出すと、行きつく先が神秘主義や神の問題に行きつくのも納得は出来る
    .
    キルケゴールも流れに入り、反対者が共産になるのもわかったが、絶望やら死やら考え出すのはうつ傾向あるんかもなと
    自己反省も高みに立ちたいとも、不安消したいだけとも。マルセルは日記なんだけど色々と考えていて意外と面白かった

    [2019-01]
    原1927。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ドイツ観念系は面倒そうで避けてたが、近年の殺人鬼愛読書で参照
    原佑責任編集 「世界の名著62 ハイデガー「存在と時間」(原佑・渡辺二郎訳)」を読んだ
    .
    ちょうどロマン主義から実存主義の流れを確認していたし、どうやらヒトラーを崇拝もしていたらしいしで発見する所はあった
    上記への疑問でもあるが、これ系特有のなんでそんな事で悩むん?が前提の疑問で、更にこの人なに言いたいん?に至る
    和辻哲郎に影響が指摘されているが、解説は都合よく利用とあり、本文も利用の意識あり利用されたりしたりある人かなと
    .
    実存は主観と客観どっちが重いかで主観の分野だが、融合案とか、客観軽視とか正当化いいわけをずっと聴いてる感ある
    自分は実存してないようなクラクラ感は味わえるが、しばらくすると本当に?は出る。長い時間かけ人は死ぬと言ってるみたい

    ■新田邦夫訳 カール・シュミット 「パルチザンの理論」
    ■海輪由香子ほか訳 ノーム・チョムスキー 「テロの帝国アメリカ 海賊と帝王」
    ■伊藤 富雄訳 デートレフ・ポイカート「エーデルワイス海賊団―ナチスと闘った青少年労働者」
    ■村田陽一訳 カール・マルクス+フリードリヒ・エンゲルス 「マルクス・フォー・ビギナー 1 共産党宣言」
    ■大津真作訳 カルロス・エステベス編 「反グローバリゼーションの声」
    ■後藤 政子編訳 フィデル・カストロ 「カストロ 革命を語る」
    ■柳原孝敦訳 フィデル・カストロ 「少年フィデル」
    ■伊高浩昭訳 イグナシオ・ラモネ+フィデル・カストロ 「みずから語る革命家人生」
    ■高橋勝之訳 フィデル・カストロ 「カストロ演説集」
    ■刀江書院編訳 フィデル・カストロ 「祖国か死か(カストロ選集 1)+勝利への確信(カストロ選集 2) 」
    ■池上幹徳訳 フィデル・カストロ 「わがキューバ革命(新しい人間双書)」
    ■柳原孝敦監訳 フィデル・カストロ 「チェ・ゲバラの記憶」
    ■山岡加奈子+田中高+工藤多香子+富田君子訳
      フィデル・カストロ 「フィデル・カストロ自伝 -勝利のための戦略」
      フィデル・カストロ 「キューバ革命勝利への道 -フィデル・カストロ自伝」
    ■新庄哲夫編+高沢 明良訳 タッド シュルツ「フィデル・カストロ―カリブ海のアンチヒーロー」
    ■渡辺 邦男ほか訳+デイビッド ドイッチマン編 フィデル・カストロ
      「フィデル・カストロ 20世紀最後の提言―グローバリゼーションと国際政治の現況」
    ■越川芳明訳 「カストロは語る」

    Vol 3406(2019-04-05)
    [2019-01]
    原62。リストアップした中から選び、誰だっけと思いながら読んで、ナチス正当化根拠を与えたで納得となる
    新田邦夫訳 カール・シュミット 「パルチザンの理論」を読んだ
    .
    上記で批判されまくって落ち込んでいる時の本。題材がゲリラかつ、憂国で批判された先人に同情も当人らしさ
    けっきょく共産主義がゲリラの本場なんで、いかに地域的抵抗が世界革命にすり替えられたかを解読していく
    歴史での抵抗運動の流れや、どう正当化されたかを解読もしている。ジャンヌダルクが旧世代のゲリラになる
    .
    レーニン、スターリン、毛と危険性を見抜いているが時期も立場も悪かった。応用して現在のテロへの適用も可
    上部組織とくっ付くもんなんで問題になる。共産の正当化みたいに本人たちは自分をナチスみたく正義と感じている

    [2018-12]
    原86〜02。昔読んだ時は拒絶反応示して読めなかったけど、今読むと自分や状況が変わったのか凄く面白かった
    海輪由香子ほか訳 ノーム・チョムスキー 「テロの帝国アメリカ 海賊と帝王」を読んだ
    .
    立ち位置的には自由至上主義的社会主義・またはアナーキスト、本人への評価では過激な反シオニズム主義者
    頭おかしい奴と思って間違いない。明確に打ち出している意見では反米。ただし右も左も全攻撃の超過激派になる
    古い論文も含むので反米主義者の典型にもなる。曰く米国は国絡みで全世界を暴力支配するテロリストなんて意見
    .
    全勢力攻撃って点で驚く見解も出やすく、ブッシュ叩きはわかるが、根本はケネディで言葉は変わっただけと容赦ない
    読む際に注意はいるが普通とは違う見解と言う意味でも面白いし、徹底した容赦のなさはいい刺激にもなる

    [2018-12-15]
    原80。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    伊藤 富雄訳 デートレフ・ポイカート「エーデルワイス海賊団―ナチスと闘った青少年労働者」を読んだ
    .
    延々とナチスも調べてたんで、さぞスゴい反抗なんだろうなと思ってたけど単にどの国でも発生する不良グループだった
    不良と言っても大小があり単に批判的な歌を歌うレベルもある。当時からヒッピーいたんだなあとのんびりした気になる
    要はその程度で反抗だと異常に持ち上げてる事のうさん臭さ。ちょぅどテロの本も読んでいて危険分子の母体にもなる
    .
    ナチスの反応も人種に問題無いなら普通の政府レベルに近い。こういうのを英雄と持ち上げるのはちょっと違う気もする
    文学関係の人が訳して煽っているが都合が良いんだろうなと。ヒッピーが過剰に持ち上げられる理由も見えてくる一冊

    [2019-02]
    原1848。世界の名著が二巻分も使って資本論しか入って無かったんで読みそびれてた。多分重要なのはこっち
    村田陽一訳 カール・マルクス+フリードリヒ・エンゲルス 「マルクス・フォー・ビギナー 1 共産党宣言」を読んだ
    .
    パンフレットというのに近い。ヒトラーなんかもパンフレット読んで自分の考えを固めているんで当時は重要な資料
    20Cに猛威を振るう事になるんだけど出版は古いんだなと。当時の秘密結社の正義者同盟こと義人同盟の解説付き
    ヒトラーと並んで歴史上もっとも有名な議論・説得文献かつ扇動・洗脳資料。どういう論説かで研究対象にもなる
    .
    日刊09年分を使ってるんだけど一橋大学教授はいまだがっつり調教済みで、妖怪が抜けきってない感はある
    宣戦布告に近く、金の意味を変え世界をやろうと釣り、自分たちは歴史の必然で正当化。信じると地獄化の大予言

    [2019-02]
    原08。保護主義反対って叫んでるけど、言ってる国が保護主義だったり、少し前は保護主義賛成だったり滅茶苦茶
    大津真作訳 カルロス・エステベス編 「反グローバリゼーションの声」を読んだ
    .
    今はどうかしらんけど、カストロ議長とチョムスキーが反対意見を出していてむかしの反米は反グローバル主義者だった
    スペインのTV企画でそっち系。少し前に悪魔みたいな名前の奴が独立の陰謀いだいて失敗してるがそういう国かと
    ノーベル学者もいるし、カストロ議長もそうのうさんくさいエコとも絡んでるし、日で訳ある本は朝日新聞刊だったり色々
    .
    直前に共産主義アジ読んでるが似た様な物で敵は多国籍企業。真実はともかく正当化はなんにでも出来るんだなと
    イスラムの人の見解が凄く特殊。移民は先祖の飛び地破壊・ネットカフェで世界に仕事を作るシンドバットになれと明るい

    [2019-02]
    原87・91。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    後藤 政子編訳 フィデル・カストロ 「カストロ 革命を語る」を読んだ
    .
    訳者がカストロに陶酔しているのも面白い点。国語学かつラテンアメリカ史の学者でどこから手先化の資料
    重複している物もあるが訳者によって表現が変わる事も分かる。陶酔しているとやたらと熱血な訳となる
    他書との比較で言ってる事がコロコロ変わる事や、状況で敵や味方を上手く利用している事もよく見えてきた
    .
    議論でカリスマを確保したとされるが服も含めて役者みたくキャラ作ってると思う。何を話題にするかが注目点
    上記から現代にあった正しい事を言う必要もあるので、そこで発生する矛盾が滑稽でもある

    [2019-02]
    原05。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    柳原孝敦訳 フィデル・カストロ 「少年フィデル」を読んだ
    .
    インタビューなどで少年時代に関する事をまとめて編集した物。裕福だった事がカストロキャラ作りの弊害になっている
    先に他所を見ていたので一貫性の無さも気になったし、人前に出る時のカストロはキャラ作ってる気もしてきた
    いかに自分を賛辞するかという点で参考になる。国が国だけに反抗者カストロのイメージを強調している
    .
    逸話を広げるという点でも興味深いが、あくまで話主にあわせて選択・編集しているみたいで本当の姿は見え難い
    キャラを作ってるって疑って見ると裏まで見えてきて更に面白くなってきた。引用や影響には一貫性あり

    [2019-02]
    原04・07。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    伊高浩昭訳 イグナシオ・ラモネ+フィデル・カストロ 「みずから語る革命家人生」を読んだ
    .
    計百数時間、03〜05までかかったインタビューになる。全て録画されNHKでも短縮版が放送されたらしい
    ケネディが敵になるがキューバ危機の頃の話や、あった事のある著名人の回想・日常事なんかも記録している
    掘り下げられると確実にヤバい事がキューバはあるみたいで、話題を交わして自分の有利に持ち込む様も記録
    .
    アメリカを敵にして被害者ぶる形で正当性を確保する手口もわかったし、キューバ視点での各種作戦も載っている
    ヤバい事がヤバい事で言論規制を正当化する理屈は興味深い。他書とも併せカストロのキャラがよくわかる

    [2019-02]
    原1953〜64ごろ。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    高橋勝之訳 フィデル・カストロ 「カストロ演説集」を読んだ
    .
    掴まってぶちこまれていた時期や、キューバ危機の頃の演説を拾っていて扇動資料としても面白いと思う
    ケネディは名大統領と言われているけどカストロにとっては敵以外の何物でもない。でも裏では手を組んでた事実もあり
    後年のなんでも反対系の議論も直前に読んでいるが、そっち系の人の議論の進め方はある程度パターンがある
    .
    どうやって戦意高揚させるかって点でも面白いし、現状だと実際はどうかもわかっている点でも笑える所がある
    答弁でカリスマを獲得した人なんで、言葉の選び方や盛り上げ方は秀逸。駐留は侵略など正当化根拠も確認できる

    [2019-02]
    原63〜65ごろ。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    刀江書院編訳 フィデル・カストロ 「祖国か死か(カストロ選集 1)+勝利への確信(カストロ選集 2) 」を読んだ
    .
    キューバ危機やソ連訪問、中華への見解変更、出ていく前のゲバラのお手紙なんかも載って歴史資料価値も高い
    ゲバラはカストロは信用できないと思っていたが、フルシチョフにおべっか使ってる演説読むと政治家ねえと思う
    昔の人は敵対勢力を帝国主義で一くくりしていたのも思い出した。上記で持ち上げる時の論説も確認できる
    .
    直前に根本の扇動を読んでいて歴史の必然なんかの見解を継承させ、当時の現状に合う特産品持ち上げを決行
    どう見てたかと言うより敵味方含めどう見せたかったも資料になる。現状だと実際はどうかもわかるのも面白い点

    [2019-02]
    原53〜60ごろ。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    池上幹徳訳 フィデル・カストロ 「わがキューバ革命(新しい人間双書)」を読んだ
    .
    後年に出た自伝みたいなもんかと思ったが違い、演説を拾って解説をつけ、序文をもらった日刊60の独自編集
    有名どころは確定されていて歴史は私を無罪と宣言するなど重複あり。私は神では無いとかは別件と比較できる
    いかに不満を煽り、正当性を主張し、敵を指定して欲しい物を手に入れるかで結局のところは扇動になってくる
    .
    暖たかい地域だけど自尊心に訴えたり、現地の人間まで巻き込んだりは感情や現状とも似ていて興味深い
    見開きの世界の若者に向かって呼びかけるも、今や老人闘士な様を見ると当時から頭がゆるかったんだなあと

    [2019-01-10]
    原06。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    柳原孝敦監訳 フィデル・カストロ 「チェ・ゲバラの記憶」を読んだ
    .
    注意しとくがゲバラは単なるテロリスト。ゲバラ死亡未定から死亡確認、後にどう神格化していったかの資料にもなる
    日記みたいなのはつけていたが個人情報は知らなかったんでぜんそく持ちは発見。そりゃ世界を恨みかねなくもある
    ゲバラ自体はカストロを胡散臭いと感じて信じていなかった。カストロも死後どう絡めて利用するかで現テロと同じ
    .
    カストロは演説の名手なんで奴らはウソばかりだ、我々は真実で正しい、写真証拠もあるしゲバラは聖人といつも通り
    解説が陶酔して有難がっているのもどういう反応を引き出したいか資料として面白い。少ないゲバラ資料の一つとして

    [2018-12]
    原10。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    山岡加奈子+田中高+工藤多香子+富田君子訳
    フィデル・カストロ 「フィデル・カストロ自伝 -勝利のための戦略」
    フィデル・カストロ 「キューバ革命勝利への道 -フィデル・カストロ自伝」を読んだ
    .
    キューバ国家評議会が出していて、カストロ自身が筆を取っていて、写真も豊富でキューバ資料にもなる一冊
    二冊同時に扱うが作戦指令も含む手紙と本人の回想の二種になり、証拠として文書を載せてここも注目点
    74日間しか戦っていないけど、塩を生産面でも重要と考えたり暗号があったりと成功した革命軍戦いの見本になる
    .
    当時の時点からどう情報操作して、どう指示を出したかの点でも興味深い。派手な戦いと言うよりは世論を集める
    弾薬が厳しく管理うるさかった事もわかるし、自作銃で戦ったり、音楽含む放送や演説を流したなどゲリラ戦の資料

    [2018-12]
    原87+87日編。自伝も別件で借りてきているが最初に概要を掴みたかったし、海賊を調べてた時期もあり読んで来た
    新庄哲夫編+高沢 明良訳 タッド シュルツ「フィデル・カストロ―カリブ海のアンチヒーロー」を読んだ
    .
    日刊が98で編者はオーウェルの訳もある新庄哲夫。もう共産も崩壊だがカストロを解決赤頭巾と思ってたなど正直さある
    解説にもある様にカストロは完全に独裁者だが、立ち位置の独自すぎる視点や、見事な扇動術で自分も一目置いている
    実際はどうかという点でも面白い。内政面では実は無能だし、ソ連貿易では侮られてるし、ゲバラは信用できないと言う
    .
    更に解説にもあるが、この人は実際はかなり巧妙な立ち位置を保持し続けていて、CIA支援や反共圏への信愛もある
    頭おかしい部類で読む際に注意はいるが、巧妙で面白い奴だし、反米と言う点で視点も独自かつ異常に口も上手い

    [2018-12]
    原98〜00編。先にネガティブな意味でカストロ読んでみたらなんか意外に面白かったので更に掘り下げ調査
    渡辺 邦男ほか訳+デイビッド ドイッチマン編 フィデル・カストロ
    「フィデル・カストロ 20世紀最後の提言―グローバリゼーションと国際政治の現況」を読んだ
    .
    上記でここ最近の演説集になる。カストロは独裁者という前提はいるが、カリスマが演説力依存で名答弁になってる
    プロパガンダ手法としても凄く参考になり、物凄くいいレトリックで権力剥奪や間違った意見を正当化して刺激ある
    立ち位置的に正当にアメリカや世界をぶん殴れる人で、結果的に世間的に良いとされる事への反対意見を出せもする
    .
    共産圏が自由主義貿易に賛成する筈がない。一昔前は文化侵略と言っていたが、今は保護貿易反対と世間も嘘ある
    よくよく読むと主張が双方に媚び打売った形になっていて、他にも口当たりの良い意見など、巧妙な八方美人ぶりを見せる

    [2018-11]
    刊10。原08〜10までのコラムを訳して日で編集。WBCの話題や原爆関係者と交友しているので日の記事も豊富になる
    越川芳明訳 「カストロは語る」を読んだ
    .
    違う世界の見解を見ると言う点では適切だし、ボロを出さずに行きぬいた御方なので扇動論説としてもピカ一な所がある
    世界で唯一公式的にオバマをぶん殴り放題できる御方。北朝鮮は韓国のせいだし、イランは可哀想な被害者になる
    オバマの嘘つきぶりを徹底批判。原爆投下への見解も独自。面白いけど読んでると頭がクラクラしてきて実に良い
    .
    意外な情報として原爆投下後に日本のジャーナリストが映像を記録し、現実の様子の記録が米に保管されているらしい
    現被爆者が事実では無く証言を元に論説を広げているとか、共産主義国家と親しく交友しているとかも興味深い情報

    ■ 竹岡啓訳 リン・カーター 「クトゥルー神話全書」
    ■ 多田雄二訳 リン・カーター 「ゾンガ-と魔道師の王+ゾンガーと竜の都+邪神と闘うゾンガー」
    ■ 関口幸男訳 リン・カーター 「海賊と闘うゾンガー」
    ■ 浅羽莢子訳 ジョン・ベレアーズ 「霜のなかの顔」
    ■ 小宮卓訳 ハネス・ボク 「魔法つかいの船」
    ■ 井辻朱美訳 C・A・スミス 「イルーニュの巨人」
    ■ H・P・ラヴクラフト他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 1〜8(全)」

    Vol 3401(2019-03-15)
    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。ファンタジーの解説でも安定のリン・カーター。本業は編集者よりの人みたい
    竹岡啓訳 リン・カーター 「クトゥルー神話全書」を読んだ
    .
    御大は本国でもカルトで、ホラー自体もニッチが前提。1972の本だがファンタジーと同じでこの人が盛り上げた
    批評眼は鋭い。御大は神格化してしまいたくなるが、実際は未完の大器が正解。アマの悪い面も発揮してしまった作家
    作品解説はもちろん、御大がどう自分を形成していったかや、クトゥルー神話がどう形成されたかの実際がわかる内容
    .
    実際に調べると神話より周辺の人間関係に興味いく。御大も本来は編集とかの裏方にいった方が良かったのかも
    御大みたいな未完の大器は多いんだろうなあと思う。元の人柄もあるが、そこが御大が今も人気ある原因かもしれない

    [2015-09]
    原書1969-1967 訳1973-1974。ファンタジーからの派生。ガイド本の著者でどんな作風か確認したかった
    多田雄二訳 リン・カーター 「ゾンガ-と魔道師の王+ゾンガーと竜の都+邪神と闘うゾンガー」を読んだ
    .
    鏡明の解説そのままに発表時期にはもう懐かしの展開。野性的な王でスペオペ風の娯楽作
    乳丸出しな武部本一郎の表紙。この時期はカラー口絵で挿絵多す訳書が出てた事もメモ
    台詞のキレは普通の小説クラスだが、古い作風ながらも飽きは無い。この後も訳書が刊行されてる
    .
    解説が当時の日本SFの状況も説明してくれてる。後に論争を展開する人で批判的な上から目線に近い
    同時期よんだ日本ファンタジー解説本とも比較。日本は新奇な作風が発生しにくい環境なのかも
    -
    [2019-02-02]
    原70。海賊調査から。関口幸男訳 リン・カーター 「海賊と闘うゾンガー」を読んだ
    上記でポイント読みだが五年目に出たシリーズ最終作。事前に自分が四冊読んでるの確認して驚いた
    ファンタジーだけど光線銃が出てそんなんだったかぁと。流石に終盤なんで息切れ感あるが最後の以後年譜は面白い

    [2015-09]
    原書1969。ファンタジー扱ってる関連から。ファンタジーの中でも推理物に近い特殊作
    浅羽莢子訳 ジョン・ベレアーズ 「霜のなかの顔」を読んだ
    .
    リン・カーターとル・グィンが絶賛。ただかなり変わった部類に入るので掴みにくかった
    何かに追われる魔法使いの爺さん。タッグで逃げながら謎を解き明かしてく展開
    魔法の描写が細かめで、オカルト知識をベースにした魔法や妖精みたいなのが次々出てくる
    .
    本来は児童書でギャグ無しのミステリーな作品を書いてる作家らしい。所々でユーモアある
    ラブクラフトの魔道書のギャグや、ウィット利いた会話など米の人だが英国的な物を感じる

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。絵の方で名前聞いてたが同じ人。小宮卓訳 ハネス・ボク 「魔法つかいの船」を読んだ
    42年刊で忘れられた作家。貧乏のまま50で死に再評価。話はバランス悪いが、絵の人らしくイメージの展開は秀逸
    当時の思想がモロに出てる。魚人魔法使いの大活躍と個性は見所。異世界ビュンに理屈を与えようとしてる所も興味深い

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。主に1930年代の短編収録。井辻朱美訳 C・A・スミス 「イルーニュの巨人」を読んだ
    詩人出身。短編でどれも捻りきかせつつ読み易い。邪神ヨグソートスやエイボンの書などの興味深い単語流用
    ホラー・SFも含み、後年に再評価。想像力を刺激するという意味では、表題の死体でつないだ巨人などが面白い

    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。毒を食らわば皿まで食らえ。良い機会なんでクトゥルーちゃんと調べる
    H・P・ラヴクラフト他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 1」を読んだ
    .
    82年の訳本から御大作成分と評論を抜いて年代分に並べた物。今回は嫁さん作のも含む22-31の他作家作品収録
    御大が大幅に添削した物をその作家名で公開など成立が特殊。同時に神話として成立前は幅が結構広い
    御大自身も含め、本来は同人的な内輪ノリのジャンル。御大の決定打となるクトゥルーの呼び声は28年発表
    .
    なんのかんのいってアイデア良く、結構読める。この時期のパルプSFが駄作揃いという定説も再評価必要かも
    82年はホラーという言葉が読書界に普及してない話も興味ある。嫁さんのが面白く、別れなければと思う所ある
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。31-37年の作品集。御大は37年に死亡。ダーレス・ブロック等も登場開始
    H・P・ラヴクラフト他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 2」を読んだ
    .
    御大死亡後に弟子の間で内部抗争が発生。結果それが後世まで引きずる+神格化に繋がったといった所
    解説がガイムなんかの鋼屋ジン。日本国内でもどこまでを後継作とするかで、文芸界の抗争も思わせる嫌な雰囲気ある
    ダーレスの神話初期作の羅ゴウ星魔洞はかなりズバ抜けてる。御大自身、初期と後期でスタイルが違う
    .
    全体の印象としてはやっぱり同人っぽい。友達みんなでネタを共有しキャッキャと盛り上がってる感じ
    C・L・ムーアもそうだが、当時の渾然一体の執筆スタイルやパクリ上等のスタイルも同人と比較すると考える点が多い
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。37-41年の作品集。御大が作中に登場し、皆でクトゥルーの幻想を共有し始める過程
    A・ダーレス他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 3」を読んだ
    .
    日本人の山田博士が登場する。初期は御大も含めなんでもありな所あるが、だんだん設定が固まり始める雰囲気
    本来はロマンスをやりたく御大とも袂をわかったが、歴史的には御大のおかげて作品残った作家なんかも出てくる
    同人業界として見ると、今でもありそうな問題が発生してる。御大自身が文芸論好きでそういう系統の人が集まる
    .
    同一系統の話が中心になり、創作幅も体系づけられて狭くなった所はあり、難しい
    御大影響下作家は趣向も引き継いでる筈で、そう考えると今の文芸界の対立も思い浮かんで嫌になる所もある
    -
    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。42-67の短編。ダーレスの本領発揮で今に繋がる神話の形成
    H・P・ラヴクラフト+A・ダーレス他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 4」を読んだ
    .
    芸術肌の御大と、ビジネスマンのダーレスで方向性の違いが発端。ただダーレスの功績は超重要
    訳が出てない御大の手紙などで、御大は芸術家らしい面倒な部分も多かったとわかる。ただカリスマ的なのは事実
    ダーレス以降のラヴクラフト怪物は体系づけられ、状況しだいでは倒せる。二人の合作では文体の違いもはっきり
    .
    R・キャンベルほかSF風味の作品が増えるのも、御大がR・E・ハワードと激論しつつも認めていたで難しい所
    御大自身の思想や作風の変化・弟子や愛好者の傾向もあり、なかなか背後関係も難しいのがクトゥルー神話
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。68-72の短編。但しR・E・ハワードみたく30年代作家が60年代で評価と執筆時期ズレあり
    H・P・ラヴクラフト+A・ダーレス他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 5」を読んだ
    .
    巻末に黒史郎と山下昇平の対談。日本のラブクラフト普及の段階や現状での対立なんかも見えてくる
    解説も御大派とダーレス派の対立の話、。筆陣に御大が否定してたE・R・バローズ直系の人でたりと発展段階わかる
    御大評価は難しい。上記ハワードもファン再評価から、ファンタジー発掘したリン・カーターもいるが、実際はややこしい世界
    .
    定型句の「ここで終わっている」などが本文中に登場し、時代背景を意識したモダンな作品も増え始める
    御大は可能性を秘めたまま成功や完成を迎える事無く終えた不遇の作家で、評価も難しい所あるんだなあと
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。80年のアンソロ。ダーレスは71年に死亡で因縁はある意味切れたとも思いたいが
    Rキャンベル編S・キング他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 6」を読んだ
    .
    解説にパタリロの魔夜峰央インタビュー。創作の秘密なんかも話し、正直本文よりこっちの方が興味ある
    ダーレス功績は大きいが、過去の対立を引きずり続けてファンも複雑な気持ちを抱き続けているとわかる
    御大影響力も難しい。ダーレスいないと消えていただろうし、S・キングは参加してるが絶大的影響とも言い切れない
    .
    ニャル様がギャングの話など本文は最近の作品らしい作り。ただクトゥルー系は設定以外は独自性は薄いと思う所も
    7もアンソロ収録で、執筆陣もS・キング以外は本職作家では無く功績も特に無い。判断の難しいジャンル
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。6と同じ80年のアンソロ。朝松健の80年代のクトゥルー普及状況の解説つき
    Rキャンベル編T・E・D・クライン他 「新編真ク・リトル・リトル神話大系 7」を読んだ
    .
    上記解説で御大は本国でも単なるカルト。更に日本人への差別感情あるのになぜと問うカナダのホラー専門誌の意見も
    扱ってるのが邪神崇拝で実際のカルトに近く、行動様式も似た点はある。日本の普及も実際はたかが知れてるとも思う
    実際の影響力を考えてもかなり辛い。御大本人やダーレステコ入れも含め、他の所からとったり問題点ある部分もある筈
    .
    後の影響やそこに起因する対立など色々と思う所はあるが、かなり独自な存在で今も魅力ある点は認める
    最初の版の評論文も調べる予定だが、クトゥルー神話を調べるよりその周辺の人間関係と影響を調べる事になった
    -
    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。新編版で省略された各種評論編。1975+1980刊とある
    「真ク・リトル・リトル神話大系 7+8」を読んだ
    .
    御大を巡る評論が多数収録。先に資料読んだ事からもわかる様に御大は同人世界的なゴダゴタある
    当時の情報で今読むと混乱する部分もあると思う。自分は見解としてリン・カーターの観方を支持してる
    新情報として御大の収入源が、教科書や一般小説も含む添削だった事。やっぱり商業ですべき人で無かったかも
    .
    嫁さんに関しても悪くかかれてるが、離婚は双方の問題とも思う。嫁さんと一緒で笑顔の御大写真等も収録
    架空図書はラブレーが先行。C・Aスミスの詩・御大自身のキリストに関する論文・向こうの各種資料なんかも収録

    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと賢者の石」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと死の秘宝」 
    ■ 石井桃子訳 エリザベス・グージ 「まぼろしの白馬」 
    ■ 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッター裏話」 
    ■ 田辺千幸訳 シャロン・ムーア 「大好き!ハリー・ポッター そのわけを教えてあげる」 
    ■ 岡田 好惠訳 エミリー・ロッダ 「デルトラクエスト1-3」 
    ■ さくま ゆみこ訳 エミリー・ロッダ 「ローワンと魔法の地図」 
    ■ さくま ゆみこ訳 エミリー・ロッダ 「ふしぎの国のレイチェル」 
    ■ 佐藤高子訳 ライマン・フランク・ボーム 「オズの魔法使い+オズの虹の国+オズのオズマ姫」 
    ■ 金子司他訳 ナンシー・クレイス 「ベガーズ・イン・スペイン」 

    Vol 3399(2019-03-08)
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。99から07まで分。20Cまでと区切って調査予定だったが、有名作かつ重要作で調べた
    松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリーポッターシリーズ」を読んだ
    .
    映画はほぼ未見。先入観無しで読めた。間違いなく借り出し最重量で書庫から出てきたアホみたいな量でうわぁーとなった
    後世に間違いなく残るだろうが、全部読む人は大変だろうなという量。特に中盤はだれてる所もあるんで大変と思う
    現実世界に近いファンタジーとしても異色。学園での勉強の他、ミステリーやスパイ物の要素がかなり強い
    .
    見えない敵の世界陰謀に巻き込まれるなど、同時期ラノベとの比較も含め、現実の戦争も反映した時代性要素ある
    ファンタジーでも日常の範囲内に近い話。全体で見ると欠点もあるが、それ以前のと比べるとやっぱり特殊
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。99年から開始 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと賢者の石」を読んだ
    借り出し経緯は後でまとめるが一巻目。映画未見で自分で想像利かせて読めて良い。ハーマイオニー原作でも可愛い
    ラノベでお馴染み異世界系だが良く出来てる。既成設定使用も後期は改善。最初はギャグのキレもぼちぼちな所ある
    .
    21世紀に跨って歴史に残るのも確定作 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を読んだ
    最初や見かけ倒しのロックハートなど2巻はギャグも強化。ファンタジーでも一巻と同じく謎解きや観光案内要素あり
    キャラ的にハーマイオニー可愛いだけでも読める。順々に読んでるので世界観をどこまで広げれるかも注目点
    [2015-08]
    解説にある通りシリーズ最高傑作と思う 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」を読んだ
    ミステリー要素は意外性。モンスターも幅広げ、勉強しすぎでキレるハーマイオニーも可愛いし、ギミックも納得で凄く良い
    ミステリが下地かなとか、教師経験が反映された内容とかいろいろ考えさせられる。この後の作品は少し考え所も増える
    .
    2巻組で千頁近くあるのは困る点 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を読んだ
    増量で面白くなれば良いが無駄ね多く、話も詰め過ぎでバラバラ感はある。新キャラも増えるが使いこなせてない感
    あの方復活だがベラベラ喋って展開進める所多く、ハリーも動きが弱い。長さやスパイ風展開は英国的と言えるかも
    [2015-08]
    00年代の作で意図が読めた。 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」を読んだ
    今作も変化あり同時期のラノベと比較すると納得。見えない世界の戦争と個人の話なので受け身な的かなあと
    学園系はそれ以前にも。参考資料は既成ファンタジーでなく黒魔術等オカルト系資料かなとも。時代・場所の影響下もある筈
    .
    今巻からまた持ち直し面白い。松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」を読んだ
    前巻でハリー父の悪意を描き、今巻はヴォルデモート過去編。べらべら相手が喋るのを聞かせる方法からも脱して進展
    展開上も受けから攻めに転じ、主要キャラも消えて動きある。国際的な陰謀も含むスパイ物として見るが正解かも
    [2015-08]
    07年で完結。以後も続くがこれはリアルタイム 松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッターと死の秘宝」を読んだ
    親玉倒せば解決は安易だが、支配体制確立してから逆転に至るのが珍しい。今巻もスパイ物要素の強い展開
    最後に学園に戻って抵抗やスネイプはやりたかった事とわかる。ファンタジーより学園とミステリー要素強い印象

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。1946刊。児童文学でファンタジーとは少し異なるが、かなり興味深い
    石井桃子訳 エリザベス・グージ 「まぼろしの白馬」を読んだ
    .
    ハリポッターの作者が影響受けた事を明言してる書籍。タイトルどおりでちゃんと馬も出る
    筋は相当に複雑で複数の話が挿話。なので一冊でもお得感があり、千夜一夜とかにも近いかも
    複数の話をヒントにした上で女の子が過去から続く呪いを解く話なので、探偵小説でもある
    .
    作者は演劇志望で芽が出ず、作家転向で成功。複雑すぎる所もある筋立てはそこにも関係するかも
    ハリーポッターとの類似から。魔法学園はギミックに過ぎず、過去の呪いを解くこそがテーマかもなあと

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。作家本人のインタビュー。3作目まで書き終え、既に大金持ちになってる段階
    松岡佑子訳 J・K・ローリング 「ハリー・ポッター裏話」を読んだ
    .
    ファンタジー読みでは無く、経歴もそれ以前に一作と浅い。構想は一気に浮かび設定と、どうしての帰納法型
    一作目で金持ちとなり自分の為に書いてるとある。一方でプレッツシャーが辛いとあり、どうなっても苦労するのが作家
    インタビュー自体は短い。ハリーポッターが何故大ヒットは研究余地ある課題。同時に何故この人に書けたのかも考察点
    .
    指輪の一文から設定が広がったなんかにも近いかも。指輪と同じく、設定的な部分もハリポタでは面白い要素
    影響受けた書籍やアイデア法など。勉強家・理論家ながら成功出来なかったラブクラフト等と比較しても面白い

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。99年刊人気絶頂の頃の子供の感想を集めた書籍で、リアルタイムの熱気が伝わる
    田辺千幸訳 シャロン・ムーア 「大好き!ハリー・ポッター そのわけを教えてあげる」を読んだ
    .
    大人の書評もあるが当初は批判もされたらしい。確実に後世に残る作も、その時点では批判されるとわかる
    子ども感想は微笑ましく素直で面白い。好きなキャラは大好きで嫌なキャラは嫌い。自分も魔法学園に行きたい等
    何故成功を著者が手紙を元に分析する部分ある。作家自身の為に書かれた部分もあるが、子供に寄り添った部分も
    .
    人気の拡大は口コミだった事など。交流手段に使われ、ごっこ遊びで気持ちが出た子供の文も本当に可愛い
    作家の学校の先生の経験や思想的に言いたい部分など、なぜヒットしたかで考える部分は大きくヒントになる

    [2018-08]
    原00。大人気な作品なのは知っているがボンボン消滅元凶なので自分のイメージは悪い
    岡田 好惠訳 エミリー・ロッダ 「デルトラクエスト1-3」を読んだ
    .
    最初に出た児童文学系と後に出た岩波版で挿絵が違う。後者は吉成曜・吉成鋼とアニメ・ゲーム系の今風採用
    ただし一昔前の挿絵みたいな雰囲気になっているし、内容的にも児童文学の延長レベルで予想を下回る点ある
    向こうの推薦文がありまだSWや指輪をスタンダードとしてる。ハリーポッターと同期で向こうの画期的さもわかる
    .
    児童文学の延長や作者他作の延長線として考えると頑張ってる。具体的なパズルみたいなのを入れるのは工夫ある
    キャラ等は先行作と比べると落ち込んでる所はある。前述の日本先入観もあり、大人が喜ぶ子供向けの一冊

    [2018-08]
    原93。デルトラクエストの著者が先行して評価されていたシリーズになり、デルトラは微妙だったがこっちは良い感じ
    さくま ゆみこ訳 エミリー・ロッダ 「ローワンと魔法の地図」を読んだ
    .
    この著者は児童文学の枠内で考えると派手だし適度なスリルだし工夫も凝らしているしでギリギリセーフなレベルになる
    元々が編集だったらしく、自分の子供に聞かせるで始め手配も自分でしたなど、豪出身も含めてそこらの補正もあるかも
    豪と言うとマッドマックスや音楽の印象もあるが、そこらも児童文学内で適度なワイルドさある作風に繋がってる可能性ある
    .
    ローリングと一緒でミステリーなんかも書いてるらしい。子供向け対象だとミステリーで引っ張っていくのは手としても良い
    冒険前段階の怖がらせる部分も良いし、主人公の無力さは勇気を見せる部分で聞いてくるしで、なかなか読める本

    [2018-08]
    原86。デルトラクエストの著者が先行して最初に賞をとった作になり、デルトラは微妙だったがこっちも良い感じ
    さくま ゆみこ訳 エミリー・ロッダ 「ふしぎの国のレイチェル」を読んだ
    .
    歳を取ってからロジックを固める作風に移行していったとも、最初は才気があってぶっ飛ばした展開も出来たとも言える
    ブタ嵐って単語自体が面白いし、それを最初に持ってきて驚かせた上で一気に不思議な世界に飛ばすのは上手い
    ブタ嵐を調べる過程も架空書籍の引用が並ぶなど、かなり危なっかしい展開ながら、ヘンテコで面白くて魅力的な内容
    .
    オズとどう違うという点もあるが。飛ばされた後の困惑も真に迫っていて面白いし、風刺が利いている部分もあると思う
    デルトラが困ってしまう所もあった作なので、遡って調べていくと作者なりに転換があるとわかって見えてくる部分は多い

    [2018-09-18]
    原1900・1904・1907。ファンタジー扱ってる関連からの派生。SFも少し入るかも。映画は知ってても原作未見でさらに続く
    佐藤高子訳 ライマン・フランク・ボーム 「オズの魔法使い+オズの虹の国+オズのオズマ姫」を読んだ
    .
    子供向けかつ挿絵重視かつ娯楽狙いとラノベ連想させる。名称は違うけど原語メカニカルマンでロボット出てくるのも驚き
    追加あるが一作目はほぼ映画どおり。二作目以降は未知の世界で驚きになるし、技量も上がってきて楽しくもなってくる
    二作目はドロシー出ず世界を書きたかった感あるが読者はドロシーを御所望で、三作目は曲者のサンタ風敵と盛り上がる
    .
    驚かす為やトリックの為だがTSネタまである。凄く考え方にキレがある訳ではないけど最初の作など印象に残る主張もあり
    女性による革命や人間家具化、車人間とか特許品はインチキ臭い、他にも鋳造大巨人などアイデア含め当時空気も出てる

    [2016-02]
    ファンタジー扱ってる関連から。日本編集版09。短編集で81から07の作品を収録
    金子司他訳 ナンシー・クレイス 「ベガーズ・イン・スペイン」を読んだ
    .
    ヒューゴー・ネビュラ・スタージョン・アシモフ読者賞受賞と堂々たる戦歴。だが教職経験ある非学者系作家
    ハリーポッターの人も連想させるが、内容的にもSFでありながら、同時期読んでた学習障害ある子を連想させた
    テーマ的には古くからある遺伝子改良の超人間物。だが前述通り現代世界を反映させた内容になってる
    .
    SFで仮説も出すが読み易かった。海外で話題になったのは90年代で雑誌で訳も先行してるが、入ってくるの遅い
    普遍的な娯楽作と比べるとやっぱりSFは技術的な話が前に出てくる。作者の経歴が良く出た話

    ■ 「定本 ラヴクラフト全集 1-10(全)」

    Vol 3397(2019-03-01)
    [2016-01-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。やっと図書館から返却されてきた。1917〜21の短編。オマケで青年期・幼年期の作も収録
    「定本 ラヴクラフト全集 1 小説篇 1」を読んだ
    .
    短編で大量にあり読み応えある。まだ神話体系は完成して無いし、文も読み難い分類だが、御大らしさは充分に発揮
    独特の造語・夢への傾倒・猫の愛好など後の要素が満載。初期作は面白くないと言われて覚悟してたので、意外な収穫だった
    解説も御大の現文書の問題と、知人の証言と興味深いものになってる。御大以上に読み難いC・A・スミスの文なんかも発見
    .
    同時期に学習障害等の資料を調べてた関係もあるが、逸話も考えると、御大はかなりその気質が強いんではと思う部分もある
    幼少期の文体はかなり面白い。当時からホラーや冒険モノ・最後にオチをやってる。三つ子の魂百までってのも真実よねーと

    [2016-01]
    ファンタジー扱ってる関連から。やっと図書館から返却されてきた。間が空いたが1921-24の作品群となる
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 2 小説篇 2」を読んだ
    .
    未だクトゥルー神話として完成系を見ず、読み難い文のホラー作品を作ってた頃の作品。ただネクロノミコンの単語は登場
    今とは事情も違っている。御大の発達過程も理解済みなんで、御大の筆が大量に入っている他人の文も興味深く読める
    モンスター的な生物を登場させる発想や夢の重視。また猫への偏愛など、さらに先に先鋭化されてく要素も既に登場してる
    .
    作家友達の回想記も収録。御大はホラーの人ではあるが、日常生活ではご存じのとおり社交好きの楽しい性格をしている
    嫁さんとの失敗の経緯も紹介されてるが、嫁さんにベタぼれされてた事もわかる。いろいろな部分で御大は損してしまった作家

    [2015-12]
    ファンタジー扱ってる関連から。断片的には読んでたが覚悟決めて全作読んだが、結論から書くと意外と楽チン
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 3 小説篇 3」を読んだ
    .
    貸出都合で国書刊行会版及び3から、入手しやすい創元文庫版でもOK。こっちの利点は年代順に収録してる所
    1920年代から30年代に活動で、今作は1925-27の作。体系を決定的づけるクトゥルーの呼び声を収録
    それ以前の作・及び次巻との比較で御大も向上発展してる事がわかる。あと御大本人と会った人のエッセイも収録
    .
    クトゥルー神話以前の作や決定づける前の作も興味深い。また収録の幻夢境カダスが御大の中ではまだの状態もポイント
    評論や合作も収録。小説以外のクトゥルー以前の鬱屈した作風と、本人の実際のサービス精神と面白い発見多い

    ファンタジー扱ってる関連から。御大は詩から入ってるので読み難い点もあるが、詩と思うとその表現の特異さも納得
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 4 小説篇 4」を読んだ
    .
    1927-28の作。前期と神話的な体系づけの中間的な作が多い。今も皆が好きな偽書を巡る御大らしい作品も登場
    後期はSF色も強くなるが異次元の色彩などはまさにそれ。狂人狂騒曲なんかはこれ以前の作風と後期の橋渡しとなる
    ダンウイッチの怪もこの頃。後期はアクションもこなすが、後期作へ発展してく過程が作品の中でも反映されてる
    .
    楽しいエッセイ犬と猫も収録。これは御大の理論的な所と猫大好きな所が反映されてらしい文になってると思う
    御大の長所であり短所の部分は理論性が強すぎる所とも思う。本来は評論とかが向いてた部分もあるんじゃないかなと

    ファンタジー扱ってる関連から。1930-31の作品。今回は闇に囁くもの・狂気山脈・インズマスの影と中編三本となる
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 5 小説篇 5」を読んだ
    .
    初期は読み難く微妙なのも多いが、このあたりに来ると安心して人にも薦められる作品になってくる。御大も向上してる
    作品を一つの背景の元に成立させてる点から急上昇にもつながる闇に〜。内容的にも盛りだくさんの狂気山脈
    初期作品の発展形で完成系のインズマス。狂気山脈が発表時に自信あったのに、不採用でショック受けてたのも発見
    .
    体が弱いなんかも影響して、御大が発展の可能性を残したまま死んでしまったのは本当にもったいない話だと思う
    今回は制作の為に残したノートも収録してて、どういう風に作品が形成されるかの点でも面白い資料が残ってる

    ファンタジー扱ってる関連から。32-37の作で小説はこれが最後となる。面白いの分類に入る作品も中心となる
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 6 小説篇 6」を読んだ
    .
    自分が御大で最初に読んだのが超時間の影で、そのイメージから御大は面白いと思ってたので初期作読むのも発見
    解説も充実、1933に魔女屋敷で見た夢のラジオドラマ化の話あったのに蹴り、御大は最後まで芸術気質が抜けなかった
    ダーレス他、他作家との交流で自分の設定作る能力の高さを発見し応用・展開させた感じ。元が詩人的でありながら皮肉
    .
    理論型の作家は設定が上手いし、そこを活かすべきというサンプルにもなる。今巻収録はまた短編の量も増えてる
    御大は全体で見ると作家ではない方面に才能があったんじゃと思う点もある。それでも偉大な創設者である事はかわりない

    ファンタジー扱ってる関連から。量が多すぎて分冊になってしまったある作品。図書館資料だが前書きの月報も付属してた
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 7-1 評論篇+定本 ラヴクラフト全集 7-2 詩篇」を読んだ
    .
    御大の特異な文体は詩人志望の発展形という事がわかる。初期の習作は街並みの描写など人より風景に興味ある感じ
    御大の人格形成や読んでた本・他人への評価なんかも記録が残って丸わかり。詩がスタートで本領は小説以外かもなあと
    生存時に不遇で、死後に発展という事も念頭に置いて読むと、いろいろと見えてくる所も多いと思う。未完の大器といった所
    .
    クトゥルー神話と関連ある誌に関しては、興味ある人にも面白いと思う。ニャル様の詩なんかあったんだなあと再確認
    外国の詩は訳の加減以外にも、こっちが見る器量備わって無く難しい点はある。キャロル等も含め昔は詩人からの人も多い

    ファンタジー扱ってる関連から。御大は小説以外の部分での活動もたくさんある。何を考えてたが掴み易い作家
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 8 エッセイ篇」を読んだ
    .
    創作技法なんかも残してるのが興味深い点と思う。作家がするアイデアのメモなんかも、こういう物かと感心する
    他作家との比較で完全に理論型の作家だとわかる。故に小説以外の文章でもその側面がよく発揮されている
    あくまで生涯売れなかった人という前提ではあるが、当時の流行作家を批判する芸術家気質の丸出しぶりがわかる
    .
    当時の米国人の思想のひとつや、何が許容されてたかを知る資料にもなる。唯物論的な所があるとの指摘もあり
    作品と思想で矛盾した点もあるのが人間としても面白い所。ただ、本人に直接会った話だと実際は良い人だともわかる

    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。1830-37の書簡。ただ実際は全集収録分の十倍以上の書簡がある
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 9 書簡篇 1」を読んだ
    .
    あんま大きな声では言えないが、正直小説より面白い。文芸論・裏設定・ゴシップ・食べ物の好みと超多彩
    今でも本業よりサロン的な活動に夢中になる作家はいるが、この人も本来は小説家以外の方が向いてたのかもしれん
    他人の悪口も言ってるが、こういうのが実は本人の事になってるのは今と同じ。初期のこの頃はまだ鼻息も荒い
    .
    当時流行の風俗や思想もモロに出てる。当時の流行及び、後に有名になる作家にも出しててうわーと驚く
    初期はまだカッコつけてる所があるけど、これが2になると作品の面白さと比例して正直になってくる所もポイント

    ファンタジー扱ってる関連から。1930-37の書簡。文も砕けて正直さも増して、御大の面白い人柄が存分に発揮
    H・P・ラヴクラフト 「定本 ラヴクラフト全集 10 書簡篇 2」を読んだ
    .
    創作法に関しての記述は書簡の方がストレート。現代的な創作法の原点もひょっとすると御大が元祖かもしれない
    詩も人にあげる様は大変面白い。御大が若い人に対し凄く協力的だったなど、実は人柄が良かったとわかる
    おかしいでしょうと本人も書いてるが、食べ物や猫に対する好みを書いた文なんかも親しみあり良い文章
    .
    売れず、ハワードも急死し、死に向かう時期でもあるので、痛々しい程に弱気ながらも、正直な手紙もある
    御大に対する興味が小説以上に増して大収穫。生前は不遇な作家だったが、指導者としては超一流だったと思う

    ■ 沢田博訳 イアン・マルコーズ/ほか 「経営学大図鑑」
    ■ 大前研一訳 トム・ピーターズ+ロバート・ウォーターマン 「エクセレントカンパニー」
    ■ 山形浩生訳 ジョージ・A・アカロフ 「アニマルスピリット 人間の心理がマクロ経済を動かす」
    ■ 高遠裕子訳 タイラー・コーエン 「インセンティブ 自分と世界をうまく動かす」
    ■ 田中成明訳 ジョン・ロールズ 「公正としての正義」
    ■ 池本幸成訳 アマルティア・セン 「正義のアイデア」
    ■ 嶋津格ほか訳 マイケル・オークショット 「政治における合理主義 :増補版」
    ■ 三島憲一訳 ユルゲン・ハーバーマス 「真理と正当化 哲学論文集」
    ■ 村井章子訳 ソースタイン・ヴェブレン 「有閑階級の理論 :新版」
    ■ 高哲夫訳 アダム・スミス 「道徳感情論
      人間がまず隣人の、次に自分自身の行為や特徴を、自然に判断する際の原動力を分析するための論考」

    Vol 3395(2019-02-22)
    [2017-11]
    原15。企業で成功した社長の偉い話録。自己啓発系は蔓延してるのでポイントだけ知るのに丁度いい
    沢田博訳 イアン・マルコーズ/ほか 「経営学大図鑑」を読んだ
    .
    成功例でも実行された時代あるし現実に使えるのかも大いに疑問だが、青写真としては便利
    現在の経営が何を計画表の第一に置いて仕事しているか。裏側がわかれば相手の手の内も読める
    成功と失敗の例を挙げている。ここで反対意見や定説を覆す例も出るので中立の視点に立てる
    .
    怪しくはあっても無計画で失敗するよりはマシ。日発祥の改善の手順なんかも現実的に使える方法
    他の分野と合わせてみると理屈に合ってる方法もある。訳も定義も読み易いんで概要探るのには役立つ

    [2018-06]
    原82。経営関係ではかなり有名な本。一方で現在は批判も出ていて、色々と考慮した上で読む必要ある一冊
    大前研一訳 トム・ピーターズ+ロバート・ウォーターマン 「エクセレントカンパニー」を読んだ
    .
    労働環境をいかに改善し士気を高めるかの指南書で、書いてる事はそれほど間違っていなく当時の理想とも読める
    批判点は結論ありきで事例を集めた事に尽きると思う。同時に有名企業を持ち上げてもいるので反発産むのもわかる
    持ち上げ対象には日本企業も含み、反対者の指示政党も考えるとと複雑になってくる。だが名言集としては優秀とも思う
    .
    読んでると自己啓発本らしく気分が高揚するが、これも上記で後付けに過ぎないとの指摘ある。理想モデル提示に近い
    合理的すぎる事を批判もしているので、批判と不一致な要因もある他、経営学の重要事項は網羅して良い本とも思う

    [2018-05]
    原09。解説からIS-LMを知らないなら語るなと手厳しい。IS-IMは不況時に政府支出介入で景気回復を予測できる式
    山形浩生訳 ジョージ・A・アカロフ 「アニマルスピリット 人間の心理がマクロ経済を動かす」を読んだ
    .
    本文自体は具体的だし日常でも利用可能な事も含むのでわかりやすい。要は人間は常に合理的では無い話
    上記が古典経済学の考えと違うので対立を招くが、現状の研究では非合理性も込みで考えるが主流になってる
    人は何に価値を見出すかと言う話で物語なんかも範疇に入るし、そのせいで認識に歪みが出る事も上げられている
    .
    何に価値あるかがわかって、資本主義が何を提供してくれるかわかれば、無駄を減らし買い物上手にもなれるという物
    不況がなぜ起きるかの何故にも答えつつ、主観が人や集団によって違う事にも触れて疑問に答えてくれる内容

    [2018-05]
    原07。経済学の分類にも入る本でインセンティヴは誘因なんかとも訳される。要は働く動機の給料なんかの話
    高遠裕子訳 タイラー・コーエン 「インセンティブ 自分と世界をうまく動かす」を読んだ
    .
    わかってると思うが人は金だけで動くわけじゃない。その何故に答えていて、過程の中で何が動機となるかにも答える
    人間の不合理性も考慮する新しい経済学の過程といった所。別書なんかも参考にすると金目的はズルも起きるとわかる
    本自体はエッセイにも近く、それまでの研究のまとめ。具体的な逸話や方法を出しながらで日常にも適用できる話
    .
    研究過程で筆者の主観も入るので重複やややこしくなっている部分もあるが、読み難いと言う訳じゃない
    説得とかウソとか見栄にも触れるので下世話かつ具体的とも言える。相手がなに考えなに目的か考えるのにも役立つ

    [2017-11]
    原57。同筆者の正義論が重要書籍ながら貸出中でこっち選んだが今書も参照多い重要書
    田中成明訳 ジョン・ロールズ 「公正としての正義」を読んだ
    .
    こういうの研究しているのは経済学者になる。要は最大多数の最大幸福での線引きはどこかの話
    自由と平等は両立が難しい。正義論以降に議題の的が絞られるが、それ以前の停滞状況も解説でわかる
    経済的な部分だけで考えてた事や、思想的な事が絡んで感情的になるのも要因でここら近年の経済社会学参照
    .
    ベストな手や人間の行動予測はゲーム理論。そう上手くいかんのが上記。この時点ではベストな手の考察
    ケーキ切って余ったら切った奴がもらうの例は分かり易い。また正義=公正と見抜いたのが今書の意義

    [2017-11]
    原09。先行するロールズの問題定義に対する回答の一例になり、筆者はノーベル経済学賞も取った人
    池本幸成訳 アマルティア・セン 「正義のアイデア」を読んだ
    .
    ここらの研究は近年ブームなんで原書09ながら少し古くなってる点もあり。筆者も哲学者で分野越境の必要ある
    三人の子供と一つの笛など例が凄くわかりやすく、ポルノ規制もパレート的リベラルの不確定性原理なて用語あり
    完全を目指さず比較で改善が趣旨。同時に皆が自分と同じ考えをしてないを重大発見の様に扱ってるのも驚く
    .
    ベストな手は出てるが上記の様にそうは動いてくれないのが人間。ここから先の考察は別書参考と共にまだ研究課題
    引用も多く哲学でもよく出るクリシュナの問いへのツッコミ等があり考えさせる。名言や例題集としても面白いかも

    [2018-03]
    原62。元々は対独裁で理論を固めた人。立場固定では無いし、当人も分類分けに否定的だが保守の思想
    嶋津格ほか訳 マイケル・オークショット 「政治における合理主義 :増補版」を読んだ
    .
    単純に人間や文化の研究分析で見ても面白い。対立者は似てくるが合理主義万能論に疑問を呈している
    競馬大好きで必勝法にも参加と面白い人。競馬の話にするとわかるが予測に確実性を求めるのが合理主義
    結果的に理論偏重になるが仕事や作業の実例を挙げて、習練と教条での技術の違いを見抜いている
    .
    慣習の重要性や急激な改革の問題点も上げつつ現実的な事を重視。大衆批判や言葉の置き換えでのごまかしも攻撃
    上記競馬もそうだがブルマの起源と意味にも触れている。論文集だが読み易く観察も鋭い

    [2018-04]
    原99。マルクス主義から民主社会主義賛成かつポストモダニズム批判という立場になる
    三島憲一訳 ユルゲン・ハーバーマス 「真理と正当化 哲学論文集」を読んだ
    .
    立ち位置的に新左翼になり、解説も日でどういう人間がこれを支持し、何を批判しているかを明確にしている
    なんで自分はこんなもん読んだんだと言う部分あるが、説得力ある反論読みたいの部分があったからかなあと
    解説も含めドイツ観念主義の延長線上にある。はっきりいって読み難くてもっと理屈を整理してから書けば感はある
    .
    内容も否定ばっかり引用ばっかりとがっかり。現実に適応できなくて理屈こねて無理矢理ひっつけようとしてるみたい
    表題にある真理と正当化が一番マシだが批判対象は当人の見解にも当てはまり、現状分析の役には立った

    [2018-04]
    原1899。1973版からの訳出でケネディのアドバイザーかつ一般書で人気出たガルブレイス序文附属
    村井章子訳 ソースタイン・ヴェブレン 「有閑階級の理論 :新版」を読んだ
    .
    解説にあるようにガルブレイスの序文でも概要掴めるが、誇示消費の存在を見抜いてまとめた人
    様は見栄張っていらん物を買う事。人間的な行動なんで経済の本と言うより社会観察と考察にも近い
    欠点も指摘され引用のなさやただの推論に過ぎない部分もあるが、現実に存在もわかり参考になる
    .
    なぜ発生したかで金持ち有閑階級考察になる。批判も含むが結果的にフェミニズム発生起源も分析
    存在してるがわかるだけで無駄づかいを意識できる他、当時の風俗や何が消費されやすいかもわかる

    [2018-02]
    原1759。国富論読んでなかったのが自分でも以外。古いから読むリストから外したのかなだがこっちは古く新しい
    高哲夫訳 アダム・スミス 「道徳感情論
    人間がまず隣人の、次に自分自身の行為や特徴を、自然に判断する際の原動力を分析するための論考」を読んだ
    .
    最近の倫理の本で挙げられて読んだ。読み難い部分も多いんだが人間の心理や正しい事の鋭い観察
    アリストテレスにも近いがする側・見る側で印象は違う事の分類やその理由を筋道立てて考えていく
    アカン行動の考察もある。感情が高ぶってる時は危険だったり、当人関係無く周囲がやっちまえと言う状況
    .
    流行や物の語分析も含む。立場や状況によって徳が違う事があり、悪者の大偉業は正しく間違いで混乱を呼ぶ
    長所も含むが恨みやしっとは人類にとって危険ともわかる。存在に矛盾をはらむので人間は苦労してしまう

    ■ 大河内一男責任編集 「世界の名著 37 アダム・スミス」
    ■ 山形浩生+守岡桜+森本正史訳 トマ・ピケティ 「21世紀の資本」
    ■ 山形浩生訳 ポール・クルーグマン 「さっさと不況を終わらせろ」
    ■ 山形浩生+森本正史訳 アンソニー・B・アトキンソン 「21世紀の不平等」
    ■ 山形浩生訳+解説 ハリー・G・フランクファート 「不平等論 格差は悪なのか?」
    ■ 山形浩生訳/解説 ハリー・G・フランクファート 「ウンコな議論」
    ■ 山形浩生訳 キャス・サンスティーン 「命の価値 -規制国家に人間味を」
    ■ 山形浩生訳 キャス・R・サンスティーン「スターウォーズによる世界」
    ■ 山形浩生訳 イアン・エアーズ 「ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣」
    ■ 尾高邦雄責任編集 「世界の名著50 ウェーバー)
      「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(梶山力・大塚久雄訳)
      「経済行為の社会学的基礎範疇」(富永健一訳)、「経済と社会集団」(厚東洋輔訳)、「都市」(倉沢進訳)」

    Vol 3393(2019-02-15)
    [2018-03]
    原1776国富論。道徳感情論からと不規則な流れで、偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著
    大河内一男責任編集 「世界の名著 37 アダム・スミス」を読んだ
    .
    自分の事もあるがどういう経緯で読むかは個人で違い、解説でも日の戦前状況や社会主義がわかる
    経済学の古典でもあるが道徳感情論でもわかる様に時代や社会状況のリアルタイム分析の部分ある
    呑気に暮らしたいなど人間味溢れる記述もあり、幼少の癖話はあるが個人としても好かれた人に納得
    .
    当時から分業あって画期的だった事や組合や独占の記録もある。職業選択や交戦理由の分析もあり
    現状では当てはまらない点も出たが、景気の存在や自動調整される慣習を見抜いた点は変わらず鋭い

    [2018-05]
    原13。ノーベル経済学賞もとってたと思うし経済書にしたら異例のヒットとテレビで頻繁に取り上げられもした
    山形浩生+守岡桜+森本正史訳 トマ・ピケティ 「21世紀の資本」を読んだ
    .
    社会主義の影響下には無いしアホかとも思っている。経済の分野でも論争ある事や新しい本らしい主張
    社会学みたいねと思って読んでたが、本人も最後の方で政治歴史経済学と言う単語を出して新ジャンルと言ってる
    社会学や経済学でも実際から主張はある。本書は文芸も資料に上げながら、細かくグラフ等のデータも記載
    .
    先にクルーグマン読んでたので概要も掴める。富の分配がテーマで国がどこまで介入し、どこまで効果を出せるか
    この人は収入に応じて税率を変える累進資本税の肯定。インフレや貯金の話など身近な問題もある

    [2018-05]
    原12。ノーベル経済学賞受賞者と実績あるのに、解説にある通りなんでこんな挑発的なの?はある
    山形浩生訳 ポール・クルーグマン 「さっさと不況を終わらせろ」を読んだ
    .
    ピケティを追う形で出た本。直後にピケティ読んだので予習としても完璧かつ、文としても読み易かった
    主張はあるんだが主観が強く出てしまっていて上記。陰謀論みたいのまで展開し出すと駄目だこりゃ
    他人への批判は当人自身を反映しているとも思う。人間や社会を例出して分析していくような内容
    .
    失業者擁護と国による経済介入が趣旨。過程の中でそれまでの経済政策批判とスケープゴートがある
    他人の儲けは自分の損失・自分の儲けは他人の損失と言う話で上記ピケティと被る部分もあり

    [2018-11]
    原15。ピケティが売れた事で便乗して翻訳も出来た側面はありそう。ピケティも太鼓判を押すちゃんとした経済学者
    山形浩生+森本正史訳 アンソニー・B・アトキンソン 「21世紀の不平等」を読んだ
    .
    不平等の原因を探ると言うよりは解決策を提示したに近い。趣旨としては子供全員に金を渡すなど再分配の話
    ピケティの褒めている点はデータをよく参照している事。日本がどのデータでも常に中間に位置しているのもわかる
    ピケティの批判点は英国でしか使えないとの事。自分も特効薬と言うよりは一案で本当に大丈夫ですか?感は感じた
    .
    現状までの議論も載っていて、有名な魚を与えるより取り方を云々が悪害を出している事なんかを指摘している
    上記とも関係するがただで金を渡す心理的な影響の軽視も目立ったし、サーファーに金は渡すななど判断の問題もある

    [2018-05]
    原15。解説でウンコな議論の筆者ですとあってああとなり、同様に半分が解説の本になる
    山形浩生訳+解説 ハリー・G・フランクファート 「不平等論 格差は悪なのか?」を読んだ
    .
    際どい部分で理解を取り違える事も可能と解釈が難しくなるが、平等論の悪害もそこに単を発する
    基準設定を取り違える扇動あるが概要になる。他人と比較すると嫌でも劣っている様に見えてくる
    同時に金持ってても極端に多いと使いようがないでしょの話でもあり、物の価値の話題にも触れる
    .
    どういう形で扇動しているかから、無視や敬意を欠くがどういう形で怒りを発生させるかも分析
    平等論は絶対的に正しい訳では無く、根底から取り違えてる部分がある話。差別容認ではない

    [2018-02]
    原05。ヤバいシリーズでの推薦からの流れ。水洗で流れだがウンコの話では無い
    山形浩生訳/解説 ハリー・G・フランクファート 「ウンコな議論」を読んだ
    .
    半分が山形浩生のエッセイ的な解説で薄い本。内容もエッセイ的で読み易い
    やっと使えるが出す頃には流行遅れかもなで、聞いてるとマジ卍!となる屁理屈ある議論
    なぜウソつくのかにも関わってる。ウソよりはマシであってもウソよりも罪が重い話
    .
    デマなんかとも近い。現実とは合ってはいないがあいまいでどうとでも取れる議論の分析
    定義が難しいとも感じたし、そういうの得意としてる例も多々見る。汚いという事は憶えとくべき

    [2018-08]
    原14。解説で命に価値なんてとあるがそういう風に感情的な判断に至るのがこの問題の難しい点
    山形浩生訳 キャス・サンスティーン 「命の価値 -規制国家に人間味を」を読んだ
    .
    実際には医療現場でよくある優先順位の問題を扱っている。筆者は国家予算関係者で予算優先順位をどう決めるか
    保健に幾らぐらいまでならかけられるかなど、実際は命の価値は自分でつけてるもんだなと思いながらも読んでいた
    リスクが低い所に大量投資し、リスクが高い所に回っていないなら誰だって怒る。そういう問題になる
    .
    筆者はSWの本なんかも書いてるらしいが文は上手じゃ無い方かも、それでも価値判断がブレるのは人間共通の誤信
    危険を煽られると無い事も高くリスクを感じるは丁度災害の直後かつ、保険CM流れる番組傾向で納得できた

    [2018-09-18]
    原16。同筆者の本扱いからしぶしぶの所あるんで、SW関連だがSW書籍の棚には入れない。だいたい想像通りの本
    山形浩生訳 キャス・R・サンスティーン「スターウォーズによる世界」を読んだ
    .
    下手すると本文より長い事がある山形浩生の解説キレも流石に悪く、訳でてる筈の参考文献紹介も不十分な所ある
    その解説でも、本文中でも触れられるが、日でもよくある学者が人気作に乗っかってネームバリューで自分の意見いう本
    中途半端に好きって言うのが正しいと思う。それゆえに内容もSW優先でも自分の主張優先でもない微妙なものになってる
    .
    訳の加減もあるかもだが扱った本も誤解をまねく表現があり、今作も内容段階で同様の事をしてて文あまり上手くない人かも
    言わなくて良い事もいってしまってるし、EP8以降を考慮してなくて悲惨な部分も多いが、EP7時の一般客反応資料にはなる

    [2015-07]
    心理状態がそういう風だったので借り出し。10年の本で新しい。行動経済学なんて語も初耳
    山形浩生訳 イアン・エアーズ 「ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣」を読んだ
    .
    心理の棚にあり、筆者も賞取った人で、作中の知り合いもチャルディーニなんかのちゃんとした本
    最近の訳出てない研究もよく参照。ただし、まだ研究中といった所で決定打といえる内容ではない
    事例は多い、文もまとめあり読み易い。一言で云うと自分に誓いや契約を立てて目的達成する話
    .
    前述通り副作用ある例もある。興味深い引用でスポックの例えと日本のバーチャル嫁というのが出る
    考えてた件案でガイドラインたったのは役だった。ただ、実践となると難しい。効果は保留といった所

    [2016-11]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。今は経済の方で有名だが歴史を扱う社会学者。マックスって名前がカッコいい
    責任編集尾田邦雄 「世界の名著 50 ウエーバー」を読んたせ
    .
    19C後半の人で歴史から労働や貨幣の意味を定義しようとした人。資本主義の根本はプロテスタントと指摘した
    経済に関する書籍を収録してるが守備範囲は広い。支配と国家の形態は構成の社会学者を先取りしてる
    法と権力の意味と各種問題もかなり鋭く分析。宗教の形態を分析した点でもこの時代にならないと登場しえなかった人
    .
    解説も含め文はまとまってない印象もあるが鋭い。小さな集団に感じる違和感や反抗勢力の実際がわかる
    思想なんかも辿ってくと似た形態が過去に見られるので面白い。金儲けや労働を神聖な物と見がちな理由もばっちり
    [2018-11]
    原19C末頃。偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。名前はよく聞くけど読んでなかった人。立ち位置がまだあいまい
    尾高邦雄責任編集 「世界の名著50 ウェーバー)「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(梶山力・大塚久雄訳)
    「経済行為の社会学的基礎範疇」(富永健一訳)、「経済と社会集団」(厚東洋輔訳)、「都市」(倉沢進訳)」を読んだ
    .
    宗教分析を基盤に経済を考えるで、昔は歴史学や経済学や神学やその他もろもろが一体化してたとわかる
    解説でも指摘されているが、話の途中で関連事項をぶっ込んでいく方式で読み難い。また信者の痛さも指摘ある
    どうして集団が形成されるかは不明など当時の限界の部分もあり、逆に言うと当時の価値観のベースもわかる
    .
    本書の歴史サイクルや経済の考え方を基準とすると共産系の誤認も分かると思う。仮定で結論を急ぐべきじゃない
    宗教分析が同時にピューリタンの働く事や金儲けを良しとする価値観分析ともなり、なぜ働くかに興味あったのかも
    [2019-01-30]
    読んでる途中になんか読んだようなが出て、半分ぐらい読んでやっと既読重複と確認。ウエーバーで検索してミス
    前回と違い歴史学者系を読んだあとなんで類似に気付いた事と、直後に影響を与えたヤスパース読めたのは好都合
    当時の経済観念だから人間は合理的と考えていたり、共産を合理経済扱いにしているなんかも再読で発見した部分
    [2019-02-15]
    載せようとして、なんと三回も間違えて読んでいると発覚した。大昔の歴史経済の話なんで今では意義が薄すぎる
    こっちの考えも他書読んでいくと変わってくんで初見時から印象が細かく変わるのも発見。現状だとやっぱり古い

    ■ 日高八郎訳 「世界の文学セレクション36 15 ディケンズ 大いなる遺産」
    ■ 菊池光訳 セシル・スコット・フォレスター 「燃える戦列艦」
    ■ 高橋泰邦訳 セシル・スコット・フォレスター 「海軍士官候補生」
    ■ 高橋泰邦訳 セシル・スコット・フォレスター 「スペイン要塞を撃滅せよ」
    ■ 神宮 輝夫訳 アーサー・ランサム 「ツバメとアマゾン号」
    ■ 神宮輝夫訳 アーサー・ランサム 「女海賊の島」
    ■ 相良倫子・陶浪亜希訳 クレシッダ・コーウェル 「ヒックとドラゴン1-3」
    ■ 最所 篤子訳 ジェーン・ジョンソン 「海賊と刺繍女」
    ■ 朝比奈一郎訳 フィリップ・ゴス 「海賊の世界史」
    ■ 千代浦昌道訳 ジャン=ミシェル・バロー 「貧困と憎悪の海のギャングたち: 現代海賊事情」
    ■ 朝比奈一郎訳 リチャード・プラット 「海賊事典(「知」のビジュアル百科 26)」
    ■ 村井章子訳 ダニエル・カーネマン 「ファスト&スロー -あなたの意思はどのように決まるか?- 上下」

    Vol 3391(2019-02-8)
    [2018-05]
    原1860。連続物小説に属する。ディケンズは構成が上手いとされているけど経緯も含めて解説で良く分かった
    日高八郎訳 「世界の文学セレクション36 15 ディケンズ 大いなる遺産」を読んだ
    .
    連続小説は今の週刊漫画と同じ。それ故に長くて必要のない箇所が多くて冗漫な所がある
    その退屈さを補う工夫が構成になる。悪く言うと引き延ばしなんだが、ポイントの部分やテーマは秀逸で記憶に残る作
    ディケンズでは暗いとされているが、短編なんかにも共通した金と人間関係は今作でも扱われている
    .
    伏線張って放置とかは無い。印象強く残したのに引きのばしで曖昧もあるが、理屈の通るオチやサスペンスもある
    突然不安定なまま遺産を渡され状況が強制変化する話。終盤の古い友達の一件は心に迫る

    [2016-12]
    原1938。訳のシリーズとしては六作目になるが発行順で行くと第一作。なぜこれから翻訳しなかったのかの印象
    菊池光訳 セシル・スコット・フォレスター 「燃える戦列艦」を読んだ
    .
    後半に落ち込む部分はあるが予想した通りで面白い。大ヒットしたのは本作。用語連発も無しで立ち位置も艦長とこれが基本
    カークの如く艦長自ら上陸任務の先頭を切る。STのモデルになった話も納得いった。行動力や思考も人間臭さとヒーロー性が両立
    構想がどうだったかは不明だがバックグラウンドの描写もあり奥行きがある。後続シリーズはそれを補完したが正解といえる
    .
    理想のリーダーや指導はどうあるべきかのモデルにもなりえる。ここで海軍やチャーチルが読んでいた意見にも納得がいった
    司令官の立場なので三銃士とも差別化されてる。主人公の魅力も際立ち今作は単純に面白い。追加調査して良かった
    [2016-11]
    原書1950・1952。STの元ネタ、米海軍の推薦図書と有名なホーンブロワーシリーズ。遂に読む決心ついた
    高橋泰邦訳 セシル・スコット・フォレスター 「海軍士官候補生」
    高橋泰邦訳 セシル・スコット・フォレスター 「スペイン要塞を撃滅せよ」を読んだ
    .
    結論から言うとアカン。ただこれは理由あり、気を利かして時空列順にシリーズを並べた出版社に難がある
    本作は正確には前後刊行の六・七作目になる。大ヒットしたのは戦前の作で、そこでは主人公は艦長から始まる
    結果的に時代背景が掴めない結果になり、大盛り上がりにも欠け、専門用語連発の難解な本になってしまう
    .
    感想としては海版の三銃士。STのカークが得意としたはったり作戦も得意でカードに強くもてるなど007の様でもある
    娯楽の歴史の系譜上重要作なのはわかる。向こうの歴史とも絡み最初の作が戦争前など事前知識も必要な作

    [2019-01-10]
    原41。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    神宮輝夫訳 「アーサー・ランサム 女海賊の島」を読んだ
    .
    シリーズ物を抜き出して読むはフェアではないが、ランサムサーガという形でずっと続いてその中の一冊になる
    解説を女性船乗りが担当している。ランサム物の本質は海洋冒険で、海賊と遭遇する本書はちょっと独自かも
    元船乗りじゃないかと思うぐらいにテクノバブル的な描写が細かく、内容的にも中華海賊を歴史と絡めてになる
    .
    先行作で上澄みがあると納得だろうが、子供だけど技術高いは現実味を欠く所があり、途中まで夢の話?と思ってた
    原題はミセス・リー。漫画的な海賊を描けないのは上記もあるんだろうなと思うし、現実の海賊的な部分も含む

    [2018-12-15]
    原1930。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    神宮 輝夫訳 アーサー・ランサム 「ツバメとアマゾン号」を読んだ
    .
    岩波の児童文学全集に入っていて、自分も作者名にはなんとなく見覚えがあったんで結構有名な本になる
    海賊と言うより楽しい海賊ごっこをするサマーキャンプに近い。知らない人と仲良くなったりは理想論的な所もある
    先行している筈の十五少年や宝島やピーターパンなんかと類似しているとも感じたし、毒の無い話にもなっている
    .
    世間とズレた爺さんの存在も注目点になる。大人と子供で見解が違ってくるだろうし、そこが高評価にも繋がってる筈
    宝を奪う話から継承の話にもなっているし、記憶が虚ろいやすい事も提示している。理想や夢の淡い雰囲気も良さ

    [2018-07-28]
    原88→03。映画の方を先に見てるがまったくの別物。ただ原作も魅力があってどちらも面白い
    相良倫子・陶浪亜希訳 クレシッダ・コーウェル 「ヒックとドラゴン1-3」を読んだ
    .
    最初にあるクレジットが88になっていて本来どの時期刊行かは不明。作者が絵まで描いてる作なのも注目点
    ドラゴンは沢山出てくるし、原題もドラゴンをどう訓練するかで、内容自体もメタさある色々と仕掛けある本になる
    映画との違いに注目が行き、主人公の能力はドラゴンとお話が出来る事。そこを活かしてヒーローになっていく
    .
    扱いは三巻までだがローマと戦うなんて話もありバイキング物の側面も強く、キャラも多数でて魅力ある話
    別物の映画の方も成功で作者は複雑とも思うが、バリエーションある作品を見れて原作の良さも際立つ

    [2019-01-10]
    原08。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    最所 篤子訳 ジェーン・ジョンソン 「海賊と刺繍女」を読んだ
    .
    そんな有名な作家でもないし、海賊物として見ても後年作。海賊物は女性作家に意外と多いんだが訳は出てない
    集英社の翻訳本は珍しいと思った。キチキチ詰め詰めの文で500Pぐらいあって、読む前から戦意を削いでくれる
    酷くはないけど凄く面白くはないの感想。現代と過去の同時進行型で、海洋小説の先例継承した意味の薄い細かさ
    .
    テロ後なのも含めてイスラム海賊を同情的視点で扱っているのもポイント。筆者実生活とリンクしているらしい
    ややこしい作りの効果はぼちぼちだし、興味は恋愛の印象はある。削ったり更に密接に絡めたら良くなると思う

    [2018-12]
    原1934。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    朝比奈一郎訳 フィリップ・ゴス 「海賊の世界史」を読んだ
    .
    凄く古い本になるがこの時点までの海賊文献を総まとめして、海賊研究する上では避けて通れない価値ある一冊
    掴まったカエサルなど逸話中心になるし、何度も脱獄を試みて失敗したセルバンテスや現状の人質ビジネスと比較可
    全域で調べていて発生の経緯や数少ないながらも英雄化した海賊も扱っている。要は私掠船で権力に味方すると英雄
    .
    公正に書いているが単なるゴロツキの集まりや倭寇は全て日本人の誤解は、今書の誤読結果から生じたとも考えられる
    当時のテロリズムではあるんだけど、英雄視される連中がどういう価値観で集まり、どういう暮らしだったかがわかる

    [2018-12]
    原07+10。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    千代浦昌道訳 ジャン=ミシェル・バロー 「貧困と憎悪の海のギャングたち: 現代海賊事情」を読んだ
    .
    表紙がヤバげ海賊でなぜヤバげと感じるかでも面白い。また筆者は海専門の文筆家で多彩さや賞持ちも面白さ
    現代海賊を扱い、対策の情報網や戦艦が追跡では領海侵犯可の話もある。また個人での装備や行動対策も完備
    多発地帯が無政府かつ警察の無力や不在、そこからの貧困・飢餓や、弱小海賊の貧しさの考察も鋭さある
    .
    問題は大手海賊。国策でやる中華や中華マフィアの存在。またテロと結託し、更に国際支援を利用した動きなども
    刃向かい海の英雄即死など事件記事的に多数を紹介。命の価値が地域で違い、価値観が違うなんかも興味深い

    [2018-12]
    原95。海賊調査から。自分でもなんで急にと思ったがこの時期の肉が対海賊キャラ戦でその加減みたい
    朝比奈一郎訳 リチャード・プラット 「海賊事典(「知」のビジュアル百科 26)」を読んだ
    .
    安定の「知」のビジュアル百科。事前に大まかに調べていた話とも一致し、わかりやすくまとめた良い出来
    バイキングやギリシャなんかの初期海賊も扱っていて、背景の宗教や異民族への差別感情わかると動機も納得
    意識した極悪さなんで見た目的にも面白い。海賊イメージで連想するお馴染みのアイテムも図版と解説付きで見れる
    .
    娯楽作の海賊や派生した宝探し・ロビンソンクルーソーの話も載っている。パイレーツオブ〜前なのが惜しい所
    今書一冊でも概要が掴めるんじゃないかと言う出来で大変良く出来ていて、だいたいイメージ通りであってるともわかる

    [2018-05]
    原11。状況が色々とあってメモしないで読む羽目になって今回は覚えた事をメモするみたいな書き方
    村井章子訳 ダニエル・カーネマン 「ファスト&スロー -あなたの意思はどのように決まるか?- 上下」を読んだ
    .
    筆者の本自体は過去にも読んでて、扱われてる題材も人間の誤認に関する有名所で復習みたいな側面ある
    金の話すると個人主義・死の話で権力志向、赤と青は印象強く中間色は弱い、終盤と短文好印象など新研究は覚えた
    発展して調べてく分野なんで参考図書をメモれないのは厳しい。ただ訳出てるかで重複している所もある
    .
    今書自体影響力が強いのでビジネス書や自己啓発本は後付けも復習。これは実例も見ていて日常でも即利用可能
    ただ自分は全面的には信用はしてない。システム1・2の初出もわかったが、状況に併せて使い分けるで合ってるとも思う

    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ
      「合本版火星シリーズ第一集 火星のプリンセス・火星の女神イサス・火星の大元帥カーター」
      「合本版火星シリーズ第二集 火星の幻兵団・火星のチェス人間・火星の交換頭脳」
      「合本版火星シリーズ第三集 火星の秘密兵器・火星の透明人間・火星の合成人間」
      「合本版火星シリーズ第四集 火星の古代帝国・火星の巨人ジョーク・付モンスター13号」
    ■ 高橋豊訳 エドガー・ライス・バローズ「類猿人ターザン」
    ■ 野上彰訳 エドガー・ライス・バローズ 「ターザンの逆襲(ターザン物語 2)」
    ■ 高橋豊訳 エドガー・ライス・バローズ 「ターザンの復讐」
    ■ 佐藤高子訳 エドガー・ライス・バローズ「地底世界ペルシダー」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「翼竜の世界ペルシダー」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「海賊の世界ペルシダー」
    ■ 佐藤高子訳 エドガー・ライス・バローズ 「地底世界のターザン」
    ■ 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「月のプリンセス+月からの侵略」
    ■ 国原吉之助訳 「世界古典文学全集 22 タキトゥス
      (原前109 年代記、原前98 アゴリアラ、原前109 ゲルマーニア)」
    ■ 國原吉之助訳 タキトゥス 「同時代史」
    ■ 松平千秋訳 「世界古典文学全集 10 ヘロドトス 歴史」
    ■ 野口定男+頼推勤+近藤光男+吉田光邦訳 司馬遷 「中国古典文学大系 10 史記」
    ■ 赤塚忠訳 「中国古典文学大系 1 書経 易経(抄)」

    Vol 3389(2019-02-1)
    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、合本を見つけた。これだと四巻で全話読める。内容的にも軽いので全部読んでみた
    厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ
    「合本版火星シリーズ第一集 火星のプリンセス・火星の女神イサス・火星の大元帥カーター」
    「合本版火星シリーズ第二集 火星の幻兵団・火星のチェス人間・火星の交換頭脳」
    「合本版火星シリーズ第三集 火星の秘密兵器・火星の透明人間・火星の合成人間」
    「合本版火星シリーズ第四集 火星の古代帝国・火星の巨人ジョーク・付モンスター13号」を読んだ
    .
    発表年が1917からスタートなのが驚く。百年まえの作、だがこれが結構イケる。今のラノベに通じる要素も多数あり
    全体で見るとそれぞれ利点はある。大量キャラや固有名詞でわかり難い所もあるが、没入度は高く構成も感心する
    一巻は凄く良い。今の米娯楽映画の原液ともいえる。同時に台詞や思想も何気に良く、米の思想辿る上でも有益
    .
    今作だけだと火星にビュンで無理な展開だが、他作や終盤は理由づけもある。出来なくてやってる人ではない
    以下各巻を簡単に扱い。今だと辛い所も多いが書きたいと思う所もあるのが今シリーズの凄い所
    -
    「火星のプリンセス」1917 一巻はキャラの個性が強力。以降の巻では登場しないのが残念だが時代性も考慮
    「火星の女神イサス」1918 死と人肉食の問題を扱う。娯楽作っぽい作りだが所々で深い部分見せるのが筆者の凄い所
    「火星の大元帥カーター」1919 キャラが大量に出て、そろそろわけわからなくなってくる。大将軍に近い大元帥は名訳
    「火星の幻兵団」1920 SF関係者の評価高い。主役交代やテレパス設定を活かした幻兵団など今のホログラム系作にも通じる
    「火星のチェス人間」1922 はしがきの三人称にするで今作がラノベに近い一人称だったと知る。アイデア含め所々で驚く
    「火星の交換頭脳」1928 SF色が強くなる 精神の問題はシリーズ通じてあるほか、今作の博士は後の作品でも登場する
    「火星の秘密兵器」1931 当時のスペオペの基本パターンが学べる、各種アイデアにしても最近の作でも近いのが多い
    「火星の透明人間」1936 スパイ小説風味。全体で見ると話が意外とパターン化せずいろいろ工夫してる事に気づく
    「火星の合成人間」1940 これも増殖する肉体というアイデアがある。今も形変えて使われてるのみるとこういうのも形あるのかなと
    「火星の古代帝国」1929 全巻を統一して理論づけてるともいえる。設定のとっぴさへの理由づけは何気に考えてた節もある
    「火星の巨人ジョーク」1948 息子の筆とされてるアイデアは良い。比較して見ると単純な娯楽作だけではなかったともわかり良い資料
    「木星の骸骨人間」1941 最後の作で短編。他作でも見られるが強い意志や理由付けの部分などバロースは意外と凄い所がある
    「付野田昌宏解説」 これは面白い所を上手く解説してて資料として抜群。古い作なんで当時の他作や歴史への考慮も必要
    「付モンスター13号」1964 フランケンシュタインやモロー博士の当時の影響がわかる一本、資料扱いだが全体で見ると今でも楽しめるのは凄い

    [2015-07]
    映画のイメージ強いが原作は少し違う 高橋豊訳 エドガー・ライス・バローズ「類猿人ターザン」を読んだ
    解説でも違うところが述べられてる。たくさんあり資料目的なので追加で読むか検討中だが、後半はどんどん意外な展開へと発展する
    18Cごろのロマン主義の理想を推し進めた所ある。ただ前半の行動は凄く野生。映画は後半の人と出会って以後だか、単品でも凄くまとまりがいい
    [2015-07]
    貸出間違い児童版となる 野上彰訳 エドガー・ライス・バローズ 「ターザンの逆襲(ターザン物語 2)」を読んだ
    二巻で一応の完結するらしく貸出。まちがえて児童版。だが比較出来る事となった。おきた事件のみを書きたててく方式
    子供向けと大人向けの差がわかる。具体的にいうと思索的な台詞が無い。火星の巨人も含め、バローズの真の魅力がわかった
    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、間違って児童用借りたので借り直し 高橋豊訳 エドガー・ライス・バローズ 「ターザンの復讐」を読んだ
    ちょっと間をおいてバローズ読むとやっぱ面白い。娯楽に徹底してる様で、所々にでる思想的な所は児童向けでは味わえない
    読み易いと面白さとは何かの比較も出来て間違った借り出しも正解。1913年刊で古い所は当然あるが思想は全然古びず面白い作品

    [2015-07]
    これもシリーズ多くとりあえず一巻のみ 佐藤高子訳 エドガー・ライス・バローズ「地底世界ペルシダー」を読んだ
    14年刊だが日本紹介は71年とおそめ。これも他の人への影響から、当時の地底世界説への興味や地底世界の魅力ある描写と見所ある
    アイデアは古くみえるが形変えて今でも使われてる。この作者の特徴として娯楽作でありながら意味深い点があるのもポイントの高い所
    [2015-07]
    二巻で一応の完結するらしく貸出。表紙は乳首丸出し美女。厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「翼竜の世界ペルシダー」を読んだ
    原書1914で表紙は乳丸出し美女。ペルシダー世界への帰還。今回は文明の利器もたっふり用意、原始世界で科学で乗り切る面白さ
    前作のペリー博士のうっかりぶりと共に作者の思索的な台詞は良い。冒険物としても楽しい他、女性の扱いのナウさや動物慣らす所も注目点
    [2019-02-02]
    原1925。海賊調査から。厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「海賊の世界ペルシダー」を読んだ
    上記でポイント読みかつ、既に出したあとなんでひっそり追加しとく。何十年も経って出た続刊でターザン登場の前段階
    見る側の気持ちもあるが久々で筆が鈍っている感はある。地底世界に海賊?とかアイデアの持ち込み方は面白い
    [2015-07]
    1930年刊の4作目だが単巻でも大丈夫 佐藤高子訳 エドガー・ライス・バローズ 「地底世界のターザン」を読んだ
    この時代で既にクロスオーバー物が存在してる事の驚き。原始世界で相変わらずのサバイバル能力をみせるターザン。怪獣とも戦う
    解説が野田宏一郎名義の野田昌宏なのも面白い。今回は飛行船での侵入でターザン本伝ともリンク。気の利いた台詞も相変わらず
    [2015-07]
    三部作が二巻で全部読める 厚木淳訳 エドガー・ライス・バローズ 「月のプリンセス+月からの侵略」を読んだ
    19年のを26年に三部作にしたいわくつき。当時の編集が怖れる内容だが傑作とされる。実際 二部はディストピアでバットエンドと特殊
    日本人サクも出て西部劇ゲリラ戦の結末。米人好きの評と共に燃える話。思想的な部分が他作より強く、短めな事もあり面白かった

    [2018-02]
    ギボンからの派生の同時代一次資料になる。損失部もあるがSW調査記および赤王Fateやってた時で好都合
    国原吉之助訳 「世界古典文学全集 22 タキトゥス
    (原前109 年代記、原前98 アゴリアラ、原前109 ゲルマーニア)」を読んだ
    .
    ハイランダーの時代、今なら宇宙人的とも言える。ゲルマーニアはモロだが当時の風俗や信仰の資料にもなる
    SW風に言うならフォースの予言。筆者もその職を務めているが、当時は神・夢・宣託の影響強く異世界的でもある
    歴史書は主観や誤認も入り易く本書もその傾向はあるが、それでも正確性の強さや人物伝の物語的面白さは充分
    .
    ネロの歴史は散逸している。後年資料使った補完も付くが、実際はどうなんだろうと言う点で見ると人間的な皇帝が見えてくる
    陰謀と戦争の世界。とはいえ教訓を引き出す事も目的としているので風俗状況と共に善性や良い価値観もわかる

    原105。原題は歴史だが一年で皇帝四人変更と帝国が一番混乱した時期に議員だった事での反省も含んでいる
    國原吉之助訳 タキトゥス 「同時代史」を読んだ
    .
    先に別のを読んで余裕ある状態だったんで、所々の本質を突いた切れのいい言葉に感心する
    上記通りだが人物評価でもある。混乱には内戦も含むので略奪など具体的に書き迫真に迫る物がある
    実際には創作の部分も大きいがそこも前述で、タキトゥス自身の技術や思い入れがあって心を動かす
    .
    資料性も高い。特に当時のユダヤが豚を食べないなど後に繋がる要素あり、その理由も含め納得がいく
    後悔の話なんで酷い状況下でどうあるべきかや、悪い手口はどう進められたかも参考に出来る

    [2018-02]
    原前430くらい。ミイラの作り方の初出これかと納得。ローマ帝国調査から派生だがペルシア戦争と戦争も扱い
    松平千秋訳 「世界古典文学全集 10 ヘロドトス 歴史」を読んだ
    .
    遊牧民が長く留守にしてたら処置した奴隷と嫁が子供作って反乱など、神話と伝説と絡め想像が広がる
    当時なりに理屈が通った儀式も説明。神託や夢が力を持っていた事や実際に出た聖獣の詳細記録もある
    戦争も絡むので名言も宝庫。運命を絶対とする世界観だが、非道な事に関しては非道だとわかる様にもなっている
    .
    神託での戦争正当化。当然やらせもありそれも記録。商人が通じ合って嫁を連れて行ったなど交戦理由もわかる
    脱線は多く読み難いし、当時の思想だが公平に努めようとしているし、サラッとした書き方と内容自体の面白さも良い

    [2018-01]
    原紀元前91頃。三国志以降読みたいと思ってたが保留にしてた物。やっぱ自分で目を通すと発見多い
    野口定男+頼推勤+近藤光男+吉田光邦訳 司馬遷 「中国古典文学大系 10 史記 上」を読んだ
    .
    中華の始祖は男ラミアにミノタウロス。別の人の追加も含め神話の前3000以前から前87の前漢武帝まで
    元々が神事から外された父の意匠継ぎで、前記にもある通りお化け話多く、不老不死目指した始皇帝など有名処もあり
    上は皇帝伝だが扱う範囲が意外と狭いのも発見。面白い人物逸話で構成は三国志とも同じ
    .
    三国志と違う点で祭事等の扱いもありここが発見。アリストテレスにも似た人間の心の動きの分析と実用法が書いてる
    解説にもある様に恨みこもった面もある一方で、悪と思われる皇帝の善政にも触れたりと意外と公正

    原紀元前91頃。三国志と同じで人物伝に入る。偉い人が中心だが孔子とその弟子や駄目大臣・暗殺者も入る
    野口定男訳 司馬遷 「中国古典文学大系 10 史記 中」を読んだ
    .
    事件をどう捉えるかの問題だが成功するか否かでもあるので道義の話にもなる。悪い奴は失敗しやすい
    でも悪い奴も生き残るよねと記録したりと冷静さも兼ね備えていて、ここらが偏りがあっても本書の公正な点
    疑問視は実績を上げていない孔子やその弟子にも及ぶ。自分も感じていた事なんで正直だなあと感心する
    .
    あいまいに誤魔化す事象の明確化も良い。これに逸話が加わると理解も増し教化する本みたいな所もある
    名言や逸話にも事欠かない。宗教系と似た点もあるがロジカルで実践に適用出来そうな事多く感心してる

    原紀元前91頃。やはり人物伝。どの職業や誰を選ぶかと言う点で注目あり、微妙な人も含む
    野口定男訳 司馬遷 「中国古典文学大系 10 史記 下」を読んだ
    .
    ヤクザ物・道化師を含んでいる。更には男色で権力を得た人物と当時は男色ありともわかってしまう
    当然微妙なんだが判定が難しくなる。本書は何を正しい選択とするをテーマとする模範例集でもある
    冷静・公平さは保たれ過去の偉人も評価する。その一方で祭事関係者で強い信仰あるりも面白い点
    .
    風土と国民の性格を分析した項も含む。比較に他世界の歴史書も思い浮かび本書価値もわかる
    当人の意図で締め。上記の微妙な人物の選定理由もわかる。当時がわかる資料としても価値は高い

    [2018-02]
    原前8C以前。孔子邸の壁から発見されたなんて逸話付き。成立に不明な点はあるが中華思想は体現
    赤塚忠訳 「中国古典文学大系 1 書経 易経(抄)」を読んだ
    .
    史記なんかとも似て人物伝でもあり、物事の推移観察や王の正しい統治法など哲学的でもある
    狐は過去はめでたい物、神託の卜は合意性にも近い。解説も含めて当時の思想が垣間見える
    神話的な話もあり邪神反乱から人間界の混乱、それを裁く残虐の発生から神との通路断絶などファンタジー
    .
    易の方も何を吉凶とするか。気や五行概念の他、中華は運命は予兆を読む事で運命を操作できると考える
    月報はおみくじの話だが易経が元になってると分かり諺集とも取れる。正しい事をするのが吉が結論

    ■ 吉村忠典+後藤篤子訳 ローズマリー・ウィリアムズ編 エドワード・ギボン 「図説ローマ帝国衰亡史」
    ■ 中野好夫+朱牟田夏雄+中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 全十巻」

    Vol 3387(2019-01-25)
    [2018-01]
    原1776、編1979。ギボンは調べにゃならんと思っていて、まずは概要を掴もうとこれから読んだ
    吉村忠典+後藤篤子訳 ローズマリー・ウィリアムズ編 エドワード・ギボン 「図説ローマ帝国衰亡史」を読んだ
    .
    全巻分を抜粋し関連コラムと図版を載せたまとめになる。解説から原文重視の抜粋ともわかる
    二次資料ながら資料として信頼性が高い事も、各種史料参考の解説と各人の公正な評価でわかる
    ローマ=良かったのは最初だけの印象があったので、その後の繁栄中心に扱った内容でよくわかった
    .
    経緯や業績の詳しい説明で各皇帝や侵入者への評価も良くなったし、女性への愛憎など人間的な面も見れた
    SW調べてた時期で比較も出来た他、崩壊が突然では無く過程をとり、文化継承がちゃんとされている事もわかった

    [2018-02-05]
    原1776。全巻読んだので改めてまとめの文も残しておく。前から読みたいとは思っていた
    中野好夫+朱牟田夏雄+中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 全十巻」を読んだ
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    契機と言うのも必要だがSWを調べていたからが強い。皇帝出るしフォースも宗教みたいなもの
    当たり前だが読んで損は無い。向こうのファンタジーは当然ローマ等が起源なんで背景がわかる
    ローマ帝国の印象も変わって、意外に安定して長く続いた事や崩壊では無く譲渡されたともわかった
    .
    奇跡も魔法もあるぶっとんだ世界観も楽しい。各所にある考察も神や戦争の何故を考える要因
    英雄や楽しい逸話が満載で単純に読み物として面白いのもポイント。不可能な話だがもっと昔に読んどきたかった
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    [2018-01]
    原1776。最初に概要本を読んだ上での全巻となる。貸出都合で今巻は文庫じゃない版。見開きに写真が付属
    中野好夫訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 1」を読んだ
    .
    まだ多神教崇拝かつ軍が強かった頃のローマ。専制体制の実際がどうかも詳しく書かれている
    奴隷など今だと印象の悪い語も時代によって扱いが違う点も注目で、この時代は直ぐに自由にもなれた
    奴隷と共に皇帝がいかに振る舞ったかも注目点で、先に調べた通り善政を敷いた人間も多い
    .
    周辺人物から女性にも触れる他、オーディンなんかも現実の事件に材をとって考察している
    概要本のかなりの部分が進み、後の巻も含めてどこがよく読まれているかがわかる

    原1776。今巻は何故キリスト教が天下を取ってしまったのかを順をおって考察していく項も含む
    中野好夫訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 2 第11-16章」を読んだ
    .
    昔の名前の附属地図や敵対者テトクリス・ゴート征服者クラウディアス・女傑ゼノビアとファンタジーな世界
    魔法も奇跡もあるんだよで、当時の人の考え方からして中二病が天下取ってしまった世界が以後の中世世界とも言える
    ローマ的にも大変な時代になる。見方にもよるが蛮族王の天下統一・あるいは蛮族の侵略時期
    .
    後の巻を見ても始終攻め込まれ、更には取り込みもあるんで衰亡と言うより征服と見る事も出来る
    キリスト教の発展はオカルトの台頭とも言える。今のカルトとだいたい同じ経緯を辿っている

    原1776。最初に読んだ概要本の主要事項が早々に終わってどうなるのかと思えば東西融合展開とも言える
    中野好夫訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 3 第17-23章」を読んだ
    .
    首都遷都はこの巻。ローマは衰退に見えるが実際は侵入した蛮族と東方への移動で繋がる部分が多い
    同じ王様でも建造物など権威の示し方が違い、文化的な違いは色濃く出ている。ただローマでも宦官が幅を利かせる
    死の象徴など十字架などの捉え方も違い、それを政治・宗教でも利用。聖遺物はこの時期に偽造されている
    .
    宦官など中華由来と思ったらもうこの時期には存在しているのもあり、キュベレイ神も絡む逸話もある
    前巻の様にこの時代は魔法も奇跡もあるんだよ世界なんで、今の目で見ると狂気かつ上手く使ってると思う点多い

    原1776。訳者が九割訳して校訂を残した所で亡くなられバトンタッチ。校訂の実際課程逸話も興味深い
    中野好夫+朱牟田夏雄訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 4 第24-30章」を読んだ
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    ゴートの英雄アラリック大進撃はこの巻。またキリスト教の過程を経た完全制圧での内部崩壊も始まってる
    史実は人類が怖れるのは天変地異では無く、個人の情念・激情の方の指摘は今作全てを物語っているともいえる
    滅びるべくして滅んでいて教訓にもなる一方で、何が原因かや滅ぼした側の良い分なんかも確認できる
    .
    オカルト・同性愛侵入による内部崩壊の他、蛮族でも強制同性愛とそれが嫌ならの儀式などちょっと見方変わる
    こんな状態でも英雄は英雄をしていて、それが嫉妬と裏切りを呼ぶのは現実的な部分でもある

    原1776。概要本が後半を扱っていなかったのでこんなに長く続くもんなんだなと、但し解説通り少し変わってくる
    朱牟田夏雄訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 5 第31-38章」を読んだ
    .
    アッティラにわる西ローマ討伐完了。お痛の末に嫁になるのも失敗したサホノリアの逸話なんかも面白い
    この時期の記録が狂ってるのはわかっているので評価は難しいが、正当にローマは分割譲渡されたとも思う
    アッティラのマルスの剣などファンタジー世界。独立した王による戦いも始まるのでアーサー王の話にも触れる
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    修道院生活の考察もある。本当に魔法も奇跡もあるんだよな世界だが、実質はカルトで今もそんな変わらん所ある
    キリスト教間でも解釈巡って対立が発生。別事項としてこの時期既にイスラーム共通の七人の眠れる聖者あるのも発見

    原1776。校訂をしていた訳者も死亡して三代目。ローマ帝国も不審死や謎の出自キャラは多くファンタジー
    朱牟田夏雄+中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 6 第39-44章」を読んだ
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    ギボンの希望としてはローマと東方世界を結びつける事だったと分かり、ユスティニアス帝を上げてもいる印象
    実際本書で印象変わる人物は多い。女帝プルケリア・英雄ベリサリウス・宦官ナルセスなど面白い人物多い
    そこが歴史読み物化していく過程とも思う。寝取られをどう扱うかで東西の違いや、蚕密輸の話なんかも出てくる
    .
    ここまで来るとローマと言うよりトルコ栄光の歴史とも言える。キリスト支配から少しずつ遠ざかっていくのも良い
    変化課程で考える所多く当時の記録の方法とそのいい加減さ、印刷術を輸入できなかった事なんかも惜しい点

    原1776。東ローマ帝国という形でビザンティンの歴史に触れ、シャルルマーニョも登場
    中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 7 第45-49章」を読んだ
    .
    枯れ木の英雄バハラーム、覚醒のヘラクリウス帝、暗殺者猫のデモテウス、評価変化フイレーネ女帝にミカエル三世
    調教師から出発のバシリウス一世など、犯罪者出身や出自不明など想像広がる英雄揃い
    プレスタージョンの話も出て不況拡大もこの頃。ムハンマドの書状が届いたも時の動く気配で興奮する
    .
    聖骸布はヴェロニカ。聖遺物や奇跡・伝説の捏造話にも触れ、良い感じに頭もおかしい
    評価変化にはどの宗教だったかも絡み、当時の記録の大げさぶりも含め文明の衝突って語が浮かぶ

    原1776。なんとムハンマド。先に読んだ概要本は本当に概要本で扱う範囲の広さに感心
    中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 8 第50-55章」を読んだ
    .
    ムハンマド以前は無明時代で不明と言う事もあって、抗争と馬を使った商売の世界案内は興味深い
    最も神に近づいた人間とも言えるムハンマド。この時期はキリスト教がずたずたとまさに救世主
    圧倒的な力で頭おかしい連中を制圧していく様はかなり気持ち良い展開。思想的にも革命的と言える
    .
    死ぬ直前に罪を現世で残さない様にした逸話など、細かい点にも触れて敬意と人間性をよく評価している
    カーバ神殿が一度襲われた事や明けの明星ニケフォルスも知らんかった。当時のロードスやギリシア火も面白い

    原1776。前巻のムハンマドに続いて十字軍。先に資料も調べていたが原点に近いのはこっちかと納得
    中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 9 第56-63章」を読んだ
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    イスラーム側は完全に被害者。最初の十字軍は完全に狂気の沙汰で以降は計算もあると言う印象
    ファンタジー系列も調べていたのでシャルルマーニュのサラセン征服物語が読まれたなど時代背景わかる
    頭おかしい世界が戦争で現実を知った。だんだんと友好的になっていくのは人間も捨てたもんじゃない
    .
    サラディンはもちろん戦争の中の義心溢れる逸話と共に、両軍の電波なプロパガンダを拾っている
    治癒能力を持つ茨の冠や神殿の財宝話も面白い。戦争の前後や背景わかる点でも納得する点多い

    原1776。長かったローマ帝国衰亡史も今巻で終了。訳者あとがきも日歴史物・ファタンジー考察材料
    中野好之訳 エドワード・ギボン 「ローマ帝国衰亡史 10 第64-71章」を読んだ
    .
    チンギスハンにも触れてるが、ここは先にモンゴル視点から調べているので偏った印象はある
    今巻見所はメフメットによるコンスタンティノポリス制圧による古いローマ帝国の崩壊
    上記通りな点もあるが読み物として面白いと言うのも重要点。メフメットの良い点など公正さも高い
    .
    概要版にもあったローマ崩壊原因は今巻だが、通してみると崩壊では無く譲渡継承されたともわかる
    以後は大航海時代になって世界も広がっていくので戦争も終わる。要因は色々あるとわかる結末

    ■ 責任編集金田雄次 「世界の名著 16 マキアヴェリ」
    ■ 熊井ひろ美他訳 ジェフリー・アボット 「処刑と拷問の事典」
    ■ 植田祐次訳 ヴォルテール 「カンディード -他五篇-(岩波文庫)」
    ■ 串田孫一責任編集 「世界の名著 29 ヴォルテール ディドロ ダランベール
      (原1734 哲学書間+原1764哲学辞典+原1751 ブーオヴィル航海記補遺+原1751百科全書序論)」
    ■ 堀茂樹訳 エマニュエル・トッド 「シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧」
    ■ 石崎貴比古訳 英国陸軍 「英国陸軍式男の必修科目270」
    ■ 小林朋則訳 バリー・デイヴィス 「SAS大事典」
    ■ 渡辺博訳 リーダー・トゥー・リーダー研究所「アメリカ陸軍リーダーシップ」
    ■ 白幡憲之訳 デビッド・H.フリードマン 「アメリカ海兵隊式経営 最強のモチベーション・マネジメント」
    ■ 斎藤精一郎訳 L.R.ドニソーン「ウエスト・ポイントはリーダーシップをどう教えているかアメリカ陸軍士官学校」

    Vol 3385(2019-01-18)
    [2016-03]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。16C初の人。ルネッサンス全盛でダビンチなんかと同期
    責任編集金田雄次 「世界の名著 16 マキアヴェリ」を読んだ
    .
    解説充実。酷い共和制状態のフィレンツェで外交官してた人。性悪説と意志の重視はそこらからもわかる
    混乱の時代らしい考え方。過去の時代を顧みつつ、かなり的確な分析。後年は風刺作家になったのも面白い
    当時、及び過去の名将の軍事の話がたくさん出るのも良い。興味なくとも行為と結果で結論だして読み易い
    .
    混迷の歴史と、宗教に懐疑的にならざるを得ない立場で、そこから当時の他の思想と比較しても進んでる
    君主論自体は短いがよくまとまってる。政略論に関しても良い。共に今でも応用可能でビジネス書にも近い

    [2017-05]
    原94。図版はそれ程多くないし、手立ても限られてるともいえるが、何故か読んでると凄く疲れる
    熊井ひろ美他訳 ジェフリー・アボット 「処刑と拷問の事典」を読んだ
    .
    記録からどういう状況だったかの描写引用がある。馬ひきや火刑は時間かかり、苦しみ抜いて死んだとキツい
    昔は見世物にしてたが、実際はギロチンだけでなく絞首刑も多く、殺しや偽造などどういう罪だったかもわかる
    一瞬で殺せる方式に改良されたのはある意味良心。処刑人の家系の実際。誇りと共にストレスも多かったみたい
    .
    中華の時間をかけて苦しみ抜かせるは残虐度高い。首チョンパも地域により違い、執行後から死亡までの時間もわかる
    読んでて疲れるもある意味発見だった。拷問に何故耐えるかや切腹の理由も、後に残す人の為だと思うと納得

    [2017-10-12]
    表題作が原1759でルソーと交流もあった18C中の仏人。ワクフ扱ってた+スパイダーマン扱ってた加減+α
    植田祐次訳 ヴォルテール 「カンディード -他五篇-(岩波文庫)」を読んだ
    .
    大いなる力には大いなる責任が伴うはこの人の言葉説ある。立ち位置的には啓蒙主義
    どういう話かだとSFとも言える。短編集でガリバー系列の皮肉の利いた当時の風刺になる
    本来は思想家だが今作表題作は有名で、主要文学+仏教育でも扱われて、上記の様に諺も多数
    .
    本作は教養小説と言うのに近いが、相当苦労する。それでも扱う主題はやたらと面白い
    結論をこうだと出す話では無く自分で結論は考える必要あるが、良い台詞と気の利いた風刺の良い本

    [2018-02]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。こういうのは実際調べると印象変わる事あるが今回もそう
    串田孫一責任編集 「世界の名著 29 ヴォルテール ディドロ ダランベール
    (原1734 哲学書間+原1764哲学辞典+原1751 ブーオヴィル航海記補遺+原1751百科全書序論)」を読んだ
    .
    スパイダーマンの大いなる力には〜元ネタがヴォルテール説を耳にして、放送大学美学講師はディドロ礼賛
    期待して読んでアカンわコレとなる。啓蒙主義は対宗教も根底にあるんで、アヘ顔フォックス批判から入る
    当時の偉いなんで、一言で言うとゴシップ週刊誌にも近く、所々にひらめく文はあっても、引用がかなり多い
    .
    解説で人物伝も付くがヴォルテールはゴシップで逮捕歴あり、ディドロは働きたくないマンで美学講師含め見る目変わる
    ユートピア好きの妄想気質。ダランベールは物事に価値与え良い感じ。締め切り破りと仕事体験もら人柄でた逸話

    [2017-08]
    原15。ワクフ扱う加減から。左記関係からトッドが仏の学者と言う事や国民性も考えていた
    堀茂樹訳 エマニュエル・トッド 「シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧」を読んだ
    .
    言い難い事を日から逆輸入指摘。過去にもある伝統的な手口。また日で当てはまる例も思いつく
    歴史学者かつ、合理主義の仏らしくデータも完備。突き詰めると偏見の話でこれも過去からの引き継ぎ
    その事も指摘している。所詮は他人事の日視点なんで、敵対者と鏡合わせな所もあるとも感じた
    .
    どこの国でもだが愛国心はある。ましてやテロ直後は仕方ない。冷静になるとカッとしていたと気付く
    ゾンビカトリシズムとか造語も上手いなあとも。大衆側の視点とも言えて挑発的で面白かった

    [2016-11]
    原書08。軍隊は何でも教えてくれるで、実践的なサバイバル技術から。原題はBE THE BESTでベストの方法
    石崎貴比古訳 英国陸軍 「英国陸軍式男の必修科目270」を読んだ
    .
    騎兵隊はもちろん、獣医や看護や音楽や歯科や体育の部隊も。災害時も対応で、軍隊の幅広さがわかる
    日常で使える便利な小技満載。ガムの取り方、チューブの絞り出し方、頭の洗い方・整理整頓法と具体的
    軍務はどんな状況も想定で、ワニやサメと戦う方法や、ミミズオムレツ、サバイバル生存術の面白い記事もたくさん
    .
    体を鍛える方法や貯金の仕方、人との付き合い方や記憶増強など簡潔に具体的に沢山載っててとっても便利
    命に関わる仕事なんでデータ重視で確実性高い。日常では嫌われやすいが、平時でも頼りになる存在と改めて実感

    [2017-05]
    原98。SASというのは特殊部隊の事。先にもこの人の本は読んでるが、これは事典形式
    小林朋則訳 バリー・デイヴィス 「SAS大事典」を読んだ
    .
    作戦や武装、集団や個人の逸話や説明が大量に載っている。どういう敵を相手にしたかは興味深く紛争の歴史
    現実がテロまっ盛りで手口や思想の分析もしたかった。解放戦線などゲリラだとお馴染みの手口を使う事が多い
    具体的にどんな作戦を取ったかも。人質救出が華とも言える。スパイ映画でもよくある話が沢山載っている
    .
    イラストや写真も沢山掲載。丸い弾倉の銃が本来は飛行機用も発見。訓練でする事や重視される事も書かれている
    プロパガンダ工作をテロの常套で情報が間違って伝わり易いもわかった。現実と地続きの部分もあって面白かった

    [2016-11]
    原04。神経科学→手品→スパイ→特殊部隊→軍隊理念の順に調べた。軍人の文で簡潔明快
    渡辺博訳 リーダー・トゥー・リーダー研究所「アメリカ陸軍リーダーシップ」を読んだ
    .
    ビジネス書扱いだが、リーダー論・部下トレーニング論・価値観論・実践論と広範囲に及び、哲学書の様な趣もある
    行動の基準となり乱れるとただの悪になり、価値観重視は重要問題。昔の軍人が王や政治家だった事とも絡む
    具体的に定義してるのも良いし、昔の哲学書的でもある。現実を絶対に重視する分野なのも実際的だと思う
    .
    部下の指導法や指揮の実際も実例を出し具体的。リーダーは一番働いてお手本になれる人というのも納得いく
    全員の能力を活かすのも他民族の国の米らしいと思う。米と言う前提はあるが軍隊が実際は柔軟な組織だとわかる

    [2016-11]
    原01。海兵隊と言うとエイリアン2が浮かぶ。陸軍の価値観・方法論と少し違うのもポイント。これも表向きはビジネス書
    白幡憲之訳 デビッド・H.フリードマン 「アメリカ海兵隊式経営 最強のモチベーション・マネジメント」を読んだ
    .
    先に読んだ陸軍の本と類似で実際的・価値観重視する。ただ海兵隊は更に柔軟に対応する必要が出てくる
    機動力が強み。近いと思ったのがナポレオン戦略、さらに遡り竜騎兵も近い。当然それらより進んだ考えをしてる
    価値観や部下育成等は陸軍と共通。軍は明瞭さを良しとし文もわかりやすい。他分野にも転用可能で実際的
    .
    柔軟性・知識は常に求められ、エンダーのゲームと宇宙の戦士が好きも驚き。序文で歪みある日の古い価値観もわかる
    日本の組織と違う価値観で刺激受けるし、効率良いチームの実体もわかる。演習も含む実例も沢山のってて面白い

    [2016-11]
    原93。後年に出された書籍を先に読んでいて今は古く役に立たない。逆に言うと有言実行で軍が進化してる証拠
    斎藤精一郎訳 L.R.ドニソーン「ウエスト・ポイントはリーダーシップをどう教えているかアメリカ陸軍士官学校」を読んだ
    .
    テロとの戦い前でまだ冷戦構造と古くなるのは仕方ない。だが価値観を重視する考えは変わっていない
    ベトナム戦争の反省と、中東での戦いでなにを反省していくかの資料。平和維持活動はなるほどと感心
    他本もそうだが、映画なんかのイメージとは基本的に違う。何故それをするかも明確に示されてるのも良い点
    .
    現実主義的で実際的で明確にさせるのは軍に限らず米的。日は成果は出したけど大失敗が過去にあり、まだ問題ある
    古い資料だが発展わかり、他資料も含めて一貫性は嘘が無い。米がどういう国で価値観研究点でも勉強になった

    ■ ファミコン必勝本編集部/編 「イラストレイテッド・ファンタジー・ブック・ガイド」
    ■ 田中芳樹 「銀河英雄伝説I 黎明篇」
    ■ 田中芳樹 「アルスラーン戦記 王都炎上」
    ■ 栗本薫 「グインサーガ 豹頭の仮面」
    ■ 荒俣宏 「帝都物語 第1番」
    ■ 荒俣 宏 「帝都物語異録」
    ■ 夢枕獏「陰陽師」
    ■ 夢枕 獏 「幻獣少年キマイラ」
    ■ 菊池秀行 「吸血鬼ハンターD」

    Vol 3383(2019-01-11)
    [2017-01]
    89刊。外国のイラストの一覧みたいのを期待してたが、当時の日イラストレーターの絵と解説でのガイドブック
    ファミコン必勝本編集部/編 「イラストレイテッド・ファンタジー・ブック・ガイド」を読んだ
    .
    今読むと少し物足りないかもだが、時代性や当時の需要、何が好まれていたかを調べるにはちょうど良い
    ネットは当然ない時代で、ビンテージ品に値するラノベ作家が、どういう風に情報を収拾してたかは興味深い
    情報源が限られている以上、見る作品もある程度限定されてた筈。なので今も名作扱いなっている作が色々
    .
    こういうのも紹介者や、当人がどの勢力に属しているかで見解が変わる。後追いならそういうのも調べられる
    扱われてる本は現状ガイドに載る本が大半で歴史資料といった感じ。版元も含めて興味があるなら程度の資料

    [2018-10-02]
    刊82。加藤直之画のトクマノベルズ版を使用で、図書館資料は91刷めになっていた。ラノベ関連とも言えるかも
    田中芳樹 「銀河英雄伝説I 黎明篇」を読んだ
    .
    最初に断っとくと完全に自分の好みではない。ただ何故人気が出たとはわかるんで嫌いって訳でもない
    冒頭から20Pに及ぶギチギチ詰め詰め設定とイカス出だし。全編ギチギチ詰め詰めで、何回もあくびが出たのも事実
    設定部が完全に長所短所になっていて、退屈なんだけど魅力あるし、今作キャラ主張の強い後ろ盾にもなっている
    .
    キャラもメリハリ強く良い。現状だと疑問も出てしまうが、当時の風潮と伝統が一致し、まさに当時の人が見たい物
    全体の印象として壮大なプロのチェスゲースを見ている感ある。自分は上記だが、難しい条件でヒットし当時にあった作

    [2018-10-02]
    刊86。天野喜孝イラストの角川文庫版を使用している。ラノベ関連とも言えるし、平成アニメ版を1クール分だけ見ている
    田中芳樹 「アルスラーン戦記 王都炎上」を読んだ
    .
    先に銀英伝を見て、文章が格段に良くなってるのがわかる。自分はアニメ版は微妙だったが原作はテンポよく面白い
    つくり話が好きと言うあとがきは作者の作風をよく反映。原作を基準にするならテンポの良さから荒も目立ちにくい
    作者も断っているし、当時の資料状況もあるしで設定面は甘いが、ラノベなんかを基準にすると異世界風味は良く出てる
    .
    主人公が役立たたずは、各種の機転効いた説得も見て狙った説明。戦闘で見せるタイプだけの話にもなっていない
    現状だと弾けきってなくて、波の薄さで厳しいが、同時代先行作と比べると、歴史小説風を架空世界でやったで意義高い

    [2018-09-18]
    刊79→82。ラノベ扱ってる関連から。表現に問題が出ての改訂版だが、あとがきでもう読者にケンカ売って性格が出てる
    栗本薫 「グインサーガ 豹頭の仮面」を読んだ
    .
    乙一が色々言われそうでデビュー時に気を使った逸話あるが、元は評論で世に出た人らしく、SF関係者とも聞いて納得
    伝説的な作品扱いで、作者が死んでもまだ作者を変えてやってる。期待も高くなるし、古い作品なんで難しい所は多い
    三巻分ぐらいは読むつもりだったけど、時間が押してたし、途中であくび連発したし、資料扱いなんで一冊分でバイバイ
    .
    当人自体も含め、当時は技術的に未開拓だったんだなあと。逆に現行作と比較すると、問題点も確定しやすい
    過剰な持ち上げも上記で納得。早い時期に書かれた部分は評価できるが、伝説は伝説のままにしとくのが良いの見本

    [2016-12]
    ラノベから派生と言う形になるかも。1987刊の二冊をセットにした物で95年刊。映画の印象が強烈
    荒俣宏 「帝都物語 第1番」を読んだ
    .
    別の小説作・文筆仕事の他。イベントで生ですら見てるのに、自分は荒俣宏の代表作である今作は今回初
    特殊な文体の人だとは意識はしてたが再確認できた。普通の小説として考えるならアウトすぎる点が大量
    その弱点を完全に上回るのが、荒俣宏のキャラも混みの設定。当時から異端だったので今読んでも全然OK
    .
    日本の小説的では全く無い。これが当時ヒットし、その印税が全て本に消えたのも、やっぱ狙った人なんだなあと
    途中で終わりだし読み難いんだが、続きも読んでみたくなる出来。本人キャラで売り出しとも言え、悪くはあるが感心した

    [2017-02]
    01刊。連載十五年目に出た研究本。自分が求めてたのは、用語や人物の事典だったが違った
    荒俣 宏 「帝都物語異録」を読んだ
    .
    短編も載せた上での作者自身の制作ネタ話と、すっかり信じて真面目に研究している人のエッセイ
    帝都物語は量も多いし、世代的にもズレるんで概要を掴む上でちょうど良かった。加藤はそういう立ち位置かと
    新感線なんかの他ジャンル創作品の元ネタとしても面白い。帝都の一貫性もたせた世界観は改めて見ても工夫ある
    .
    荒俣宏が理屈の人なのも今作成立の正当化主張として面白い。水木サンとの旅行で踊った経験なんかも利用
    歴史での心理的な側面への取り込みも面白い。異世界物で考えても、それ以前の実際の歴史と上手く繋がってる

    [2018-10-02]
    刊88。連載は86のオール讀物からで、資料は91文庫版を使用。文体も含めラノベ関連とも言えるかも
    夢枕獏「陰陽師」を読んだ
    .
    映画にもなっているし、陰陽師って言葉や設定を広めたのも獏さんだとも思うで、怪的にも重要作と思う
    連載まとめで短編の構成。以前にも獏さんの初期作品は読んでいるので、改めて自分の好きな文体で感心
    削りに削った文体は個性的で、昔は好きじゃ無かったけど、七月隆文経由し現状では凄さわかり、内容的にも問題無い
    .
    テーマや設定・話の広がりに限界が出ている短所はあるが、短い文量の中で設定も提示して、魅力ある話も凄い所
    面白いと思ったのは会話のテンポの良さ。一般含めた娯楽作と類似もある。恐れ入りましたで読み易く良い娯楽作

    [2017-01]
    日本の文芸調査から。82年発表の代表作。TVで知ってる人だが作品読むのは初
    夢枕 獏 「幻獣少年キマイラ」を読んだ
    .
    格闘技への深い興味と描写で、虐められっ子が強くなる。獏さんがどういう人か一発でわかる作品
    シリーズ物一作目で小規模さはあるが魅力ある設定の学園物。あとがきではラノベに近いとも書いてる
    先行して獏さんのキャラを知ってからの調査なんで、格闘技や永井豪の傾倒など理屈が良く合っている
    .
    漫画からの影響と、それを越えようとした意志。ラノベに近い物を代表作とする人が今の文壇代表も感心
    描写に関しても戦闘場面がやっぱり際立ってた。キャラの魅力やサービスも満点で今の地位にも納得

    [2016-12]
    83刊。単純に話としても面白いが、それ以前以降の作や日本文芸の伝統から考えても興味深い一冊
    菊池秀行 「吸血鬼ハンターD」を読んだ
    .
    無敵Dかつ視点は女の子に寄ってるが鞍馬天狗の型だなと。日で歴史ある猟奇性とSF性が融合
    バトル中心は剣豪小説の型。崩壊世界でパンク風なのは、当時の同期娯楽作に近いし、戦国物の系譜
    設定の既存ネタ再解釈と説明は今作でも輝いてる。耽美系も漂う吸血鬼も同じく後続作に連なり、歴史上でも凄い
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    戦前からずっと繋がる日本娯楽の本質を突き止めたかった意味でも大収穫。海外と融合して和洋折衷している
    戦闘が次々続く展開や、謎が明かされてく展開はテンポも文も良い。大ヒットし今もフォロワーいるのも納得

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