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最新版 雑記 書籍感想文
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---2016-12月まで
■ 藤木秀郎監訳 飯岡詩郎・板倉史明・北野圭介・北村洋・笹川慶子訳
デヴィド・ポールソン+クリスティン・トンプソン「フィルム・アート 映画芸術入門」
■ 堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳 ルイス・ジアネティ 「映画技法のリテラシーI」
■ 堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳 ルイス・ジアネティ 「映画技法のリテラシーII」
■ 日高敏隆訳 デズモンド・モリス「年齢の本」
■ 長谷川真理子・長谷川寿一訳 ジャレド・ダイアモンド 「人間はどこまでチンパンジーか?」
■ 高木伸二訳 ジョージ・H・モリス「ハンターシート馬術」
■ 東山安子訳 デズモンド・モリス 「ボディートーク -世界の身ぶり辞典」
■ 藤田統訳 デズモンド・モリス 「ボディウォッチング 続マンウォッチング」
■ 横田一久訳 デズモンド・モリス 「「裸のサル」の幸福論」
■ 幸田敦子訳 デズモンド・モリス 「赤ん坊はなぜかわいい? -ベイビー・ウォッチング12か月」
■ 屋代通子訳 デズモンド・モリス 「クリスマス・ウォッチング」
■ デズモンド・モリス 「さるとごりら」 「とらとらいおん」
■ 石川弘義訳 デズモンド・モリス「ふれあい 愛のコミュニケーション」
■ デズモンド・モリス・石田かおり 対談「「裸のサル」は化粧好き」
■ 中村保男訳 デズモンド・モリス「舞い上がったサル」
■ 渡名政隆訳 デズモンド・モリス 「動物との契約 人間と自然の共生のために」
■ 多田道太郎、奥野卓司訳 デズモンド・モリス他 「ジェスチュア しぐさの西洋文化」
■ 小原秀雄 監修 藤野邦夫訳 R&D・モリス 「人間とヘビ かくも不思議な関係」
■ 小原秀雄 監修 鶴田公江訳 デズモンド・モリス 「モリスと動物人生 ナポレオンとひきがえる」
■ 根津真幸 訳 デズモンド・モリス+ラナ・モリス「パンダ(自然選書)」
■ 小原秀雄 訳 デズモンド・モリス+ラナ・モリス 「人間とサル」
■ 小野嘉明 訳 デズモンド・モリス 「美術の発生 類人猿の画かき行動」
■ 伊藤淳 訳 デズモンド・モリス 「フクロウ その歴史・文化・生態」
■ 藤井留美 訳 デズモンド・モリス+スティーブパーカー「ビジュアル類人猿」
■ 別宮貞徳 訳 デズモンド・モリス「マンウオッチングの旅 裸の眼」
■ 日高敏隆 訳 デズモンド・モリス 「動物学的人間像 裸のサル」
■ 鏡リュウジ監訳 デズモンド・モリス 「ビジュアル版世界のお守り大全」
■ 白井尚之訳 デズモンド・モリス 「サッカー人間学 マンウォッチングII」
■ 林望訳 デズモンド・モリス+ケイト・フォックス 「イギリスPubウォッチング」
■ 日高敏隆・今福道夫 デズモンド・モリス 「赤ちゃんの心と体の図鑑」
■ 日高敏隆 監修 羽田節子 訳 D・モリス 「セックスウォッチング 男と女の自然史」
■ 藤田統 訳 D・モリス 「マンウォッチング」
■ 日高敏隆・今福道夫 デズモンド・モリス 「子供の心と体の図鑑」
■ 藤代幸一・工藤康弘訳 ノルベルト・ビショッフ「エディプスの謎 近親相姦回避のメカニズム 上下」
---2016-9月まで
■ 古武彌正訳 イタール 「アヴェロンの野生児」
■ 中野義達・福田廣訳 ロバート・M・ジング「野生児の記録2 野生児の世界35例の検討」
■ 中野義達・生和秀敏訳 A.V.フォイエルバッハ「野生児の記録3 カスパー・ハウザー地下牢の17年」
■ 中野義達・南直樹訳 ルシアン・マンソン 「野生児の記録5 野生児その神話と真実」
■ 富田真紀・清水康夫・鈴木玲子訳 ウタ・フリス「新訂 自閉症の謎を解き明かす」
■ 黒丸尚訳 K・W・ジーター 「ドクター・アダー」
■ 五島勉 「ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月 人類滅亡の日」
■ 木幡和江、村田恵子、中野恵津子訳 ライアル・ワトソン 「生命潮流 来たるべきものの予感」
■ 「ニューサイエンス 科学と神秘主義」
■ 畠瀬直子訳 カール・ロジャーズ 「人間尊重の心理学 :新版 わが人生と思想を語る」
■ 鍛腹多恵子訳 スティーヴン・L.マクニック/スサナ・マルティネス=コンデ/サンドラ・ブレイクスリー
■ 「脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議」
■ 上山春平責任編集 「日本の名著 47 西田幾多郎」
■ 岩男武雄責任編集 「世界の名著 44 ヘーゲル」
■ 小松左京 「首都消失 上下」
■ 友成 純一 「狂鬼降臨」
■ 波多野完二・関計夫 ルドルフ・アインハイム「美術と視覚 美と想像の心理学 上下」
■ 小田亮訳 デビット.C.キアリー 「心の起源 脳・認知・一般知能の進化」
■ 小崎敬・小崎愛子・辻敬一郎・村瀬旻 訳 ジェームズ・J・ギブソン 「生態学的視覚論 ヒトの知覚世界を探る」
■ 田中二郎「ブッシュマン 生態学的人類研究」
■ 飯田裕三・山川宏訳 ワイルダー・ペンフィールド 「脳と心の神秘」
■ 長谷川眞理子「クジャクの雄はなぜ美しい?」
■ 浅羽莢子訳 マーヴィン・ピーク 「タイタス・グローン+ゴーメンガースト」
■ 熊崎 保訳 マーガレット・フィート 監修 スチュアート・ヘンリ
「アメリカ・インディアンの世界 生活と知恵」
■ 原ひろ子 「ヘヤー・インディアンとその世界」
■ 羽田節子+山下恵子訳 ダイアン・フォッシー 「霧のなかののゴリラ」
■ 江口清訳 ジュール・ベルヌ 「八十日間世界一周」
■ 今西錦司 「増補版 今西錦司全集第六巻 (常緑広葉樹林・御崎馬の社会調査・都井岬のウマ・村と人間)」
■ 日高敏隆 「人間についての寓話」
■ 垂水雄二訳 リチャード・ドーキンス
■ 「悪魔に仕える牧師 なぜ科学は「神」を必要としないのか」
■ 山口泰司監訳 石川幹人+大崎博+久保田俊彦+斎藤考訳 ダニエル・C・デネット
■ 「ダーウィンの危険な思想 生命の意味と進化」
■ 坂下昇訳 ハーマン・メルヴィル 「メルヴィル全集 7・8 白鯨 上下」
■ 「世界の文学 44 ヘミングウェイ」
■ 武器よさらば 大橋 健三郎/訳 p3-300.老人と海 福田 恒存/訳 他、短編六本
■ 田中西次郎・村上啓夫訳 ダシール・ハメット「世界名作推理小説大系 14」
■ 清水俊二訳 「世界ミステリ全集 5 レイモンド・チャンドラー」さらば愛しき女よ、長いお別れ、プレイバック
■ 中田耕治・小笠原豊樹・小鷹信彦訳 「世界ミステリ全集 6 ロス・マクドナルド」人の死に行く道、アーチャー家の女、一瞬の敵
■ 中村能三、稲葉明雄訳 コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)
■ 「世界ミステリ全集 4 コーネル・ウールリッチ」死者との結婚、913号室の謎、幻の女
■ 井上一夫・平井イサク訳「世界ミステリ全集 13 イァン・フレミング イ*ン・フ*ミ*グ アリステア・マクリーン」
サンダーボール作戦、アリゲーター、ナヴァロンの要塞
■ ジャック・ヒギンズ 「鷲は舞い降りた:完全版」
■ 篠原慎訳 フレデリック・フォーサイス 「ジャッカルの日」
■ 「世界ミステリ全集 1 アガサ・クリスティー」
そして誰もいなくなった 清水 俊二/訳、愛国殺人 加島 祥造/訳、フランクフルトへの乗客 永井 淳/訳
■ アガサ・クリスティ 「アクロイド殺害事件 :新版」
■ 宇野利泰訳 エラリイ・クイーン 「Yの悲劇」
■ 阿部知二訳 「世界文学全集 76 コナン・ドイル 1 ホームズの冒険 回想のホームズ」
■ 加賀山卓郎訳 ジョン・ディクスン・カー 「三つの棺 :新訳版」
■ 宇野利泰、田西西二郎訳 「世界推理名作全集 4 フィルポッツ/チェスタートン」
■ 小泉喜美子訳 ジョセフィン・テイ 「時の娘」
■ 天野隆司訳 サマセット・モーム 「昔も今も」
■ 鷲見洋一訳 フランソワーズ・サガン原作 「ボルジア家の黄金の血」
■ 松本清張 「原武史オリジナルセレクション 松本清張傑作選3 時刻表を殺意が走る」
■ 横溝正史 「横溝正史自選集 2 獄門島」
■ 小栗 虫太郎 「黒死館殺人事件」
■ 中井英夫(塔 晶夫) 「虚無への供物」
■ 綾辻 行人 「十角館の殺人」
■ 柴田錬三郎 「われら九人の戦鬼」
■ 江戸川 乱歩 「探偵小説の「謎」:新版」
■ 森谷俊二訳 ボワロー 「詩法」
■ 別宮貞徳+柴田裕之訳 ギルバート・ケイス・チェスタートン
「G・K・チェスタトン著作集ロバート・ルイス・スティーヴンソン 〈評伝篇〉5巻」
■ 小谷真理 「ファンタジーの冒険」
■ 石堂藍 「ファンタジー・ガイドブック」
■ 山口 昌男 「笑いと逸脱」
■ 両角克夫訳 J.M.マリイ 「小説と詩の文体(現代小説作法)」
■ 谷長茂訳 H.マシス 「小説の伝統(現代小説作法)」
■ 米川良夫、和田忠彦訳 イタロ・カルヴィーノ 「アメリカ講義 新たな千年紀のための六つのメモ」
■ 和田忠彦訳 ウンベルト・エーコ 「エーコの文学講義 小説の森散策」
■ 和田忠彦訳 ウンベルト・エーコ「ウンベルト・エーコの文体練習」
■ 小宮曠三訳 ブレヒト 「演劇論:[改訂増補版]」
■ 明田芳久・萩野美佐子・道又爾訳 カーラ・フラナガン 「ワークブック心理学」
■ シカ・マッケンジー訳 K.M.ワイランド 「アウトラインから書く小説再入門 -なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?」
■ シカ・マッケンジー訳 K.M.ワイランド 「ストラクチャーから書く小説再入門 -個性は「型」にはめればより生きる」
■ 浅井雅志訳 ブレンダ・ウェランド 「本当の自分を見つける文章術」
■ 沢田 昭夫 「論文の書き方」
■ 杉野俊子+中西千春+河野哲也訳 T.W.クルーシアス+C・E・チャネル 「大学で学ぶ議論の技法」
■ 瀬戸 賢一 「日本語のレトリック 文章表現の技法」
■ 河野 哲也 「レポート・論文の書き方入門 :第3版」
■ 石黒 圭 「「うまい!」と言わせる文章の裏ワザ」
■ 木下是雄「理科系の作文技術」
■ 木下 是雄 「日本語の思考法」
■ 阿部 紘久「文章力の基本 -簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック」
■ 丹羽 文雄 「小説作法」
■ 佐伯彰一訳 P.ラボック 「小説の技術(現代小説作法)」
■ 白井浩司訳 A.チボーデ 「小説の読者(現代小説作法)」
■ 佐伯彰一訳 E.ミュア 「小説の構造(現代小説作法))」
■ 川口篤訳 F.モーリヤック 「小説家と作中人物(現代小説作法))」
■ 沢崎順之助訳 エズラ・パウンド 「詩学入門」
■ 中桐雅夫訳 W・H・オーデン「染物屋の手」
■ 小林宏明「歴史図解マスター銃」
■ 大大出健訳 ディーン・R・クーンツ 「ベストセラー小説の書き方」
■ 出健訳 アメリカ探偵作家クラブ 「ミステリーの書き方」
■ 中野好夫訳 ディケンズ「河出世界文学全集 二都物語/クリスマス・キャロル/他」
■ 「世界文学全集 26 スティヴンスン ワイルド」
■ 中村能三訳 「宝島」、田中西二郎訳 「ジィキル博士とハイド氏」、西村孝次訳 「ドリアン・グレイの画像」、西村孝次訳 「完本獄中記」
■ 百々祐利子訳 レ・ファニュ 「子どものための世界文学の森 35 吸血鬼カーミラ」
■ 懸田克躬訳 「世界の名著 49 フロイト」
■ 寺田和夫・友枝啓泰訳 ライヘル・ドルマトフ 「デサナ アマゾンの性と宗教のシンボリズム」
■ 深町眞理子訳 ロジャー・ゼラズニイ 「光の王」
■ 浅倉久志・峰岸久訳 ロジャー・ゼラズニイ 「伝道の書に捧げる薔薇」
■ 日高敏隆・岸由二・羽田節子訳 リチャード・ドーキンス 「生物=生存機械論 利己主義と利他主義の生物学」
■ 長谷川眞理子「動物の生存戦略 行動から探る生き物の不思議」
■ 西山賢一 「勝つためのゲーム理論 適応戦略とは何か」
■ 銀林浩・橋本和美・宮本敏雄 監訳 阿部修一・橋本和美訳
■ J・フォン・ノイマン O・モルゲン・シュルテン「ゲームの理論と経済行動I・II・III」
■ 「世界文学大系 68 アラビア・ペルシア集」
■ 黒柳恒男訳 ハーフィズ 「ハーフィズ詩集」
■ 森道子+島津展子+新野緑訳 メアリ・シェリー 「最後のひとり」
■ 桑原武夫訳 ジャン=ジャック・ルソー 「世界古典文学全集 49 ルソー 告白」
■ 松田祐之訳 ロバート・アクセルロッド
■ 「つきあい方の科学 バクテリアから国際問題まで」
■ 大久保庸子訳 リサ・モートン 「ハロウィーンの文化誌」
■ 今村 安 「増補改訂版 今村馬術」
■ 国沢清典訳 ダレル・ハフ 「確立の世界 チャンスを計算する法」
---2016-6月まで
■ 新妻昭彦+丹治愛訳 ブラム・ストーカー 「ドラキュラ 完訳詳注版」
■ 鈴江樟子+掛橋和嘉子+有木恭子訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 12+13 エデンの東 上下」
■ 中田裕二+八淵龍成+川田郁子訳
ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 17 『怒りのぶどう』+『エデンの東』創作日誌」
■ 多賀谷悟+橋口保夫訳 ジョン・スタインベック
「スタインベック全集 20 アーサー王と気高い騎士たちの行伝」
■ 中山喜代市訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 6 怒りのぶどう」
■ 高村博正訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 4 はつかねずみと人間(小説・戯曲)」
■ 樽井近義、佐原進訳 ロージャー・マンヴェル、ハインリヒ・フレンケル 「第三帝国と宣伝 ゲッベルスの生涯」
■ 池田 浩士/編訳 「ドイツ・ナチズム文学集成 1 ドイツの運命」
■ 「少年小説大系 第3巻 山中峯太郎集」
■ 「少年小説大系 第10巻 戦時下少年小説集」
■ 「少年小説大系 第14巻 大正少年小説集」
■ 「少年小説大系 第1巻 明治少年小説集」
■ 「少年小説大系 第12巻 明治大正冒険小説集」
■ 「少年小説大系 第4巻 大仏次郎集」
■ 「少年小説大系 第15巻 吉川英治集」
■ 島田啓三 「冒険ダン吉漫画全集」
■ 大沸次郎訳 コナン・ドイル「世界大衆小説全集 1 失われた世界 豪勇ジェラール」
■ 植田敏郎訳 ハンス・ハインツ・エーヴェルス「世界大ロマン全集 33 吸血鬼」
■ 麻井倫具+平田達治訳 ハンス・ハインツ・エーヴェルス 「世界幻想文学大系 27-A+27-B アルラウネ 上下」
■ 松本勤訳 ジャン=ジャック・ルソー 「ルソー全集 第9・10巻 新エロイーズ」
■ 田中孝顕監訳 アンドリュー・カーネギー 「富の福音」
■ 責任編集関嘉彦 「世界の名著 38 ベンサム J.S.ミル」
■ 高橋徹責任編集 「世界の名著 56 マンハイム オルテガ」
■ 宮崎義一、伊藤光晴責任編集 「世界の名著 57 ケインズ ハロッド」
■ 責任編集竹内オサム 「少年小説大系 別巻 1 少年漫画集」
■ 責任編集松本零士 「少年小説大系 別巻 3 少年漫画傑作集 1」
■ 責任編集松本零士 「少年小説大系 別巻 4 少年漫画傑作集 2」
■ 立間祥介訳 文康「中国古典文学大系 47 児女英雄伝(抄)」
■ 小野忍、千田九一訳 笑笑生訳 「中国古典文学大系 34-36 金瓶梅 上中下」
■ 伊藤漱平訳 曹霑 「中国古典文学大系 44-46 紅楼夢 上中下」
■ 福井芳夫他訳 フェヌロン他 「世界文学大系 96 文学論集」
■ 織田小星+樺島 勝一 「正チャンの冒険」
■ 宍戸左行 「少年小説大系 資料篇 1 スピード太郎」
■ 鈴木圭介訳 アルフレッド・ヒッチコック 「ヒッチコック映画自身」
■ 長谷川 町子 「長谷川町子全集 32 サザエさんうちあけ話 サザエさん旅あるき」
■ 梅谷献二 「虫を食べる文化誌」
■ 埴原和郎 編 「日本新起源論」
■ 田河水泡「滑稽の研究」
■ 田河水泡 [のらくろ総攻撃/のらくろ決死隊長/のらくろ武勇談」
■ 田河水泡 [のらくろ召集令/のらくろ中隊長/のらくろ放浪記/のらくろ捕物帳/のらくろ喫茶店]
■ 山下正男 「論理的に考えること」
■ 高木秀玄訳 ダレル・ハフ 「統計でウソをつく法」
■ 田河水泡/高見澤潤子 「のらくろ一代記 田河水泡自叙伝」
■ 田河水泡 「のらくろ漫画全集」
■ 丘直通・日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「動物行動学 I・II」
■ 「平井呈一訳 シェリダン・レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」
■ 「立川文庫傑作集」 全四巻
■ 足立 巻一 「立川文庫の英雄たち」
■ 生和秀敏+生和禎子訳 G・ヘネンホッファー+K・D・ハイル 「不安の克服」
■ 笠井勝子監修 高山宏訳 ステファニー・ラヴェット・ストッフル
「不思議の国のアリス」の誕生(「知の再発見」双書 73)」
■ 遠藤秀紀 「アニマルサイエンス2 ウシの動物学」
■ 菊池淑子 イブナ・ル・ムカッファイ 「カリーラとディムナ アラビアの寓話」
■ 責任編集山本一郎 「世界の名著 70 ラッセル ウィトゲンシュタイン ホワイトヘッド」
■ 木村博恵訳 エリザベス・M・トーマス「犬たちの礼節ある社会生活」
■ 木村博江 訳 エリザベス・M・トーマス 「猫たちの隠された生活」
■ 責任編集 田中美知太郎 「世界の名著 プラトン 1・2」
■ 深町眞理子 E・M・トーマス「犬たちの隠された生活」
■ 石山禎一・牧幸一訳 「シーボルト日記」
■ 斉藤 信訳 東洋文庫 「シーボルト 江戸参府紀行」
■ 高橋康也訳 ルイス・キャロル 「スナーク狩り」
---2016-3月まで
■ 松林要樹 「馬喰」
■ バクシーシ山下「私も女優にしてください」
■ バクシーシ山下「セックス障害者たち」
■ バクシーシ山下「ひとはみなハダカになる」
■ 中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話」全六巻
■ 柳瀬尚紀訳 ルイス・キャロル 「シルヴィーとブルーノ」
■ 渡瀬 夏彦 「銀の夢 -オグリキャップに賭けた人々」
■ 安藤喬志訳 ジム・ホーン 「眠りの科学への旅」
■ 桜井清彦 監修・清水雄次郎 訳 Jクラックトン=ブロック「図説 馬と人の文化史」
■ 多田道太郎 「しぐさの日本文化」
■ 日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「ソロモンの指輪 動物行動学入門」
■ 岩崎 徹 「馬産地80話 日高から見た日本競馬」
■ 奥井一満・柴崎篤洋 訳 ローレンツ他 「ヒトと動物」
■ 小林保治 全訳注 「唐物語」
■ 渡辺一夫責任編集 「世界の名著 17 エラスムス、トマス・モア」
■ 藤田博史+片山文保訳 ジャック・ラカン「テレヴィジオン」
■ 小出浩之・鈴木國文・菅原誠一訳 ジャック・アラン・ミレール編 ジャック・ラカン「対象関係」
■ 武藤禎夫訳 東洋文庫 「昨日は今日の物語」
■ 小池藤五郎 「人物叢書 山東京伝」
■ 鈴木棠三 「日本語のしゃれ」
■ 荒木雄豪・高津彦太郎編 遊佐幸平 「遊佐馬術」
■ 長島信弘「新・競馬の人類学」
■ 厳島行雄+横田正夫+斎藤雅英訳 S.O.リリエンフェルド+S・J・リン+J・M・ロー/編「臨床心理学における科学と疑似科学」
■ 山口博訳 デール・カーネギー 「人を動かす:全訳版」
■ 新島洋訳 デール・カーネギー 「道は開ける:全訳版」
■ 林一訳 デヴィド・J・チャーマーズ「意識する心 脳と精神の根本理論を求めて」
■ 荒木雄豪編訳 ジャック・ド・サンファール 「サンファール大尉の馬術」
■ 遊佐幸平 他訳 フランソア・ボーシェー他 「ボーシェー氏の馬術 他」
■ 花井 正和「表現力豊かに、気の利いた文章が書ける 文章力に自信がなくても」
■ 本多勝一 「本多勝一集 19 日本語の作文技術」
■ 後藤 明生「小説 -いかに読み、いかに書くか」
■ 谷川 俊太郎「詩を書く なぜ私は詩をつくるか」+吉野弘「現代詩入門」
■ 篠田勝英訳 ギヨーム・ド・ロリス 「薔薇物語 上下」
■ 沢田瑞穂 訳 「劉向+葛洪 列仙伝・神仙伝」
■ 山田侑平 訳 陳友琴 「白居易」
■ 津谷裕司訳 スティーブ・D・キャッツ 「映画監督術2」
■ 小峯 龍男 「製図のキホン見ながら理解する!ものづくりのための機械製図のルール」
■ パワー社出版部 「図形・シンボル記号の描き方」
■ 小堀憲 「大数学者」
■ 小林智明・小林保治・増古和子 校注・訳 「宇治拾遺物語」
■ 清水 芳見 「イスラームを知ろう」
■ 藤田真利子訳 タハール・ベン・ジェルーン 「子どもたちと話すイスラームってなに?」
■ 栗原福也 編訳 「シーボルトの日本報告」
■ A.H.キャッチャー+A・M・ベック編 コンパニオン・アニマル研究会訳「コンパニオン・アニマル 人と動物のきずなを求めて」
■ 若島 孔文/編著 「犬と家族の心理学 ドッグ・セラピー入門」
■ 池原止戈夫・彌永昌吉・室賀三郎・戸田巌 共役 ノーバード=ウィーナー「サイバネティックス 動物と機械における制御と通信 第二版」
■ 藤木秀郎監訳 飯岡詩郎・板倉史明・北野圭介・北村洋・笹川慶子訳
デヴィド・ポールソン+クリスティン・トンプソン「フィルム・アート 映画芸術入門」
■ 堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳 ルイス・ジアネティ 「映画技法のリテラシーI」
■ 堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳 ルイス・ジアネティ 「映画技法のリテラシーII」
▲ ▼
Vol 3144(2016-12-22)
[13-08-23]
図鑑みたいな本で分厚く読むのは大変。だが図版と例を多数使用し内容も濃く読み応えあり
藤木秀郎監訳 飯岡詩郎・板倉史明・北野圭介・北村洋・笹川慶子訳
デヴィド・ポールソン+クリスティン・トンプソン「フィルム・アート 映画芸術入門」を読んだ
.
権威ある教科書の一つで参考図書案内も豊富。2004年の本で最近の映画もフォローしてる
技術論の所から読み始めた。何を好評価とするかは時代・場所・状況・個人により違うみたい
文章の書き方のレクチャーもあり有益。映像表現効果は認識学関連も調べる必要ありそう
.
最初の形式や配給・形式等の話も便利。売店の話や普通はジャンルで映画選ぶ事も新発見
小津や北野はともかく海外の権威ある資料が、常にうろつき童子に触れるのにはいつも驚く
[13-08-17]
サイトで毎回感想あげてる以上諦めて勉強した。読む前は重い気持ちだったが変わる
堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳 ルイス・ジアネティ 「映画技法のリテラシーI」を読んだ
.
技術的な部分に関する基礎的な講座。参考用の映画も図版と共に多数紹介されてる
構図と与える影響・写真や絵画の構成にも繋がるので、「ああそうだったのか」と新発見が多数
単なる娯楽ではなく表現の一種。何を表現したいのかで、その方法に注目が出来るのだなと
.
あくまで一説で偉い人でも評価点が違ってくるのも発見。何が正解かまでは流石に載ってはいない
漠然と把握してた事の理論的な説明が知れたのは収穫。写真撮影にも応用出来そうで意識変わった
-
[13-08-30]
二巻が見つからないと思ってたが無事返却されて確保。一巻に目次もありだいたいは掴んでた
堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳 ルイス・ジアネティ 「映画技法のリテラシーII」を読んだ
.
技術的な事も少しあるが、本筋はスタイルやイデオロギーなど映画の内容そのものに関する事
結局どう感じるかは人それぞれで理論もいろいろある。なので、これは別ジャンルに属すともいえる
時代性や国なんかもあるんでここは参考のみ。構造主義での分析紹介もあるのは興味深い
.
最後にサンプルで外国の人の好きな市民ケーンの分析。この書籍は図版多いのが良い
向こうの評論家の本なんかも読んでるが、結局最終的にどう思うかの判断は人で違うの結論となる
■ 日高敏隆訳 デズモンド・モリス「年齢の本」
■ 長谷川真理子・長谷川寿一訳 ジャレド・ダイアモンド 「人間はどこまでチンパンジーか?」
■ 高木伸二訳 ジョージ・H・モリス「ハンターシート馬術」
▲ ▼
Vol 3142(2016-12-13)
[14-01-16]
モリスに関してはあと一点犬の百科辞典がある。それは持ち出し禁なので、一応手に入る本はこれでほぼコンプ
日高敏隆訳 デズモンド・モリス「年齢の本」を読んだ
.
年齢ごとの著名人の業績を全てリストにして傾向抜き出した書籍。ほぼ図鑑並みの内容量で読み応えある
幼少にエロい乳母に手ほどき受けた話などもあり。モリスらしく若年から老年に渡るエロの記録も豊富に載ってる
他の図鑑系と同じで、索引が原書のままで機能しないや、資料不備の間違いはある。それでも大著で頑張った翻訳
.
結論に関しては序とまとめが全て。[むさぼるように人生を使い果たせ]・[絶対もう遅過ぎると思うな]の二点
傾向はあるが例外も当然ある。年とって絵・写真を始めて成功した婆さんの話など教訓に溢れ、読みやすかった
[2016-03]
原書1991。訳者の一人は分子生物学でも有名な人で信頼できる。この人自もピューリツァー賞を後にとる
長谷川真理子・長谷川寿一訳 ジャレド・ダイアモンド 「人間はどこまでチンパンジーか?」を読んだ
.
モリスの裸のサルが67年なんでそこらも参照。この時点での最新学説や思想を反映した科学エッセイ、と言うのが正しい
巻末に訳本も含めた詳細な引用文献リストあるのも便利。人間と猿の行動の類似点や、動物の面白い生態例を挙げてる
ここらの実際の所は今も研究中の分野。なおかつ学者の論争もあるのでわからないが正解。ただ意見の一覧としては見れる
.
作者のその時代の思想が色濃く出てしまうのはある意味欠点とも言える。他書も然り。これもそれで読み難い箇所がある
また事前に異常に詳しいホイジンガを読んでたせいで説得力薄いと思う点もあった。それはさておき単純に軽いエッセイとして読めば面白い
[2014-08-29]
つの丸扱ってる関連から、原書は71から版を重ねたもので訳は10と新しい本
高木伸二訳 ジョージ・H・モリス「ハンターシート馬術」を読んだ
.
アメリカ式の訓練法。何のための訓練で、何を鍛えるかもはっきり提示して合理的
技術的な事が中心だが、騎手の訓練に関しては心理面までフォローしてスポーツ医学的
他本と混同してるかもだが、乗馬訓練に関連するスポーツとしてサーフィン挙げてる。バランスのスポーツと納得
.
指導者に関しての訓練法もあり。努力とは具体的にどうすべきかがわかるので実践的ともいえる
心理面や運動に関しては馬術関係なく応用幅が広い、なんでも訓練が大切なんだと再確認
-
[追記-2016-12-12]
本書でメンタルトレーニング知った。そこから派生し、発想法・学習法・コーチング・管理法にも進めたので自分には重要な本
■ 東山安子訳 デズモンド・モリス 「ボディートーク -世界の身ぶり辞典」
■ 藤田統訳 デズモンド・モリス 「ボディウォッチング 続マンウォッチング」
■ 横田一久訳 デズモンド・モリス 「「裸のサル」の幸福論」
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Vol 3140(2016-12-08)
[13-07-03]
英語の辞書とかも出してる三省堂出版。絵入りで順番に並んでて完全に辞書
東山安子訳 デズモンド・モリス 「ボディートーク -世界の身ぶり辞典」を読んだ
.
著作ではたびたび身振りについて触れられるが、これは一覧で見れるから便利
政治家・外国要人なんかは身振りがはっきり出るので、本心見破るのに役立つ
間逆の意味になる身振りや、地域限定身振りなんかは、実際の使用思うと驚く
.
起源が軍隊のも結構あって、ああコレの本来の意味や成り立ちはこうかと納得
扇マネた否定・片手でスマン・輪で銭など。日本も島国で特殊な身振り多い事を再発見
[13-07-06]
ビジュアル図鑑で図版豊富。体の各部位の象徴や実際の機能を中心に解説していく
藤田統訳 デズモンド・モリス 「ボディウォッチング 続マンウォッチング」を読んだ
.
体の部位がどういう印象与えるの分析なんで、そこを強調するなど応用が効きやすい
好印象から悪印象など雑学も豊富。注目されやすい部位は逆意味の反転も発生しやすい
他の本で扱ったジェスチャアや生理学機能も含め各種。エロに関してもやっぱり強い
.
部族・ピグミーの巨チン・全裸の男女。図版資料なんで丸出しの乳やチンポも多数収録
それぞれ特化したビジュアル図鑑も各種出てるが、これもその走りで面白い
[13-07-06]
原題直訳だと自然の幸福、訳の加減で多少堅苦しくなってる所がある
横田一久訳 デズモンド・モリス 「「裸のサル」の幸福論」を読んだ
.
人間が歴史の中で幸福になる為に何をしたかの一覧。いつものモリスの体裁の本
序文の「これをしないと幸せになれないと言われると不幸になる」は内容的確に現してる
マゾに関する項や、目的が大きくなりすぎて幸せになれない協力の項が面白い
.
宗教関連に関する西洋人的見解も良い。エロネタだと元気になるのもいつも通り
ゴーギャンのロリ好き筆頭に、小ネタも多数。人によって幸福は変わると言う話
■ 幸田敦子訳 デズモンド・モリス 「赤ん坊はなぜかわいい? -ベイビー・ウォッチング12か月」
■ 屋代通子訳 デズモンド・モリス 「クリスマス・ウォッチング」
■ デズモンド・モリス 「さるとごりら」 「とらとらいおん」
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Vol 3138(2016-12-01)
[13-07-03]
先にビジュアル版の厚い本読んでるが、これはQ&Aのエッセイ形式で読み易い
幸田敦子訳 デズモンド・モリス 「赤ん坊はなぜかわいい? -ベイビー・ウォッチング12か月」を読んだ
.
前述の厚い本からすると重複や写真が無いなどの部分もある。だが重要事項は網羅してる
この人の出産に関する意見も色濃く出ててる。故に解説の先生が疑問視してる部分もあり
出産ってのは偏見とも結び付きやすいんだなと、その歴史に感心は出来る
.
赤ん坊自体の能力面にも触れてる。厳しい躾と犯罪者になる例なんかは改めて面白い
雑学小ネタもあり。ベイビー語源や服色起源は厚い本にもない事項で勉強になった
[13-07-03]
現在廃れてる風習はカット。外国圏限定で馴染み浅いのもあるがなかなか面白い
屋代通子訳 デズモンド・モリス 「クリスマス・ウォッチング」を読んだ
.
建前上はキリスト教の祭だが、実際はもっと古く各国の元の風習取り込んでる事がわかる
以前も読んだがサンタ服の赤白起源が、20世紀のコーラの広告が元など最近の風習もある
クラッカーや紙飾りが中国由来の可能性もあるなど、西洋圏では珍しく自由度が高い
.
戦争がクリスマスで平和になった逸話・トナカイの由来にスレイプニルもあるなど豊富な雑学
日本のXマスが恋人のものなのも、昔の村の祭の乱交とかが由来なのかもしれんネ
[13-07-03]
かなり古い時期に出てる本で絵本。モリスは文章担当になる
デズモンド・モリス 「さるとごりら」 「とらとらいおん」を読んだ
.
図書館で読んできた。時間取られて前に止めた自転車が回収されるなんてトンデモない事に
自転車駐車場が狭くて常時満車はなんとかならんものか。それはともかく本自体は読めた
古い本なんで情報自体は新しい本でもいいが、動物保護の主張は後期とだいたい変わらない
.
大型ネコ化動物に関する詳しい図鑑はこの人から今の所出てないが、興味はあったとわかる
サルの絵の件などこの人昔の研究テーマなども、児童向けの本らしくわかりやすいと思う
[2016-11-29]
自分で書いた文で思い出す。野火の映画みて原作調べてる間の事だったなあと。人喰ったより自分にはショック
失敗からは学ぶ。現在は早く行って自転車は早く止めるで対応してる。京都なんかの自転車撤去は更に過激とも聞く
■ 石川弘義訳 デズモンド・モリス「ふれあい 愛のコミュニケーション」
■ デズモンド・モリス・石田かおり 対談「「裸のサル」は化粧好き」
■ 中村保男訳 デズモンド・モリス「舞い上がったサル」
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Vol 3136(2016-11-24)
[13-06-22]
原題直訳だと親密行動。1971の作で人間動物園の次で初期めの一本
石川弘義訳 デズモンド・モリス「ふれあい 愛のコミュニケーション」を読んだ
.
先に読んだ後年の本と内容被る部分もあるが、前半は性的な話中心でエロイ
後年と比較すると感情が直接に出すぎて読み難い部分もある。だが主張は一貫してる
後半の代替物の話が興味深い。動物園のトラ男など内容共通してる部分もあり
.
握手・タバコ・ペット・肩たたきなど、サル研究などとの比較もあり。説得力も高いだろう
普通の価値観とは反する結論。実践は難しく悪用例もあるが、意識してもいい分野
[13-06-30]
前知識無く借りてきたら対談集だったので驚き。モリスの本来の姿が知れると思ったが
デズモンド・モリス・石田かおり 対談「「裸のサル」は化粧好き」を読んだ
.
結論から書くとあまり良くない。対談者は資生堂の社員で大学の非常勤講師になる
社員の化粧の必要性の話と、なぜ化粧をするのかその理由は何なのかで、ズレてる
テーマを絞りすぎたせいもあり、お互いに考えを述べるだけで、噛みあってない感じ
.
書かれた本と重複する部分や、誇張されて伝えられた部分、資料の解説不十分なども
ただモリス邸の写真や趣味の絵の写真や、資料蔵書の実際など得られる部分も大きい
[13-06-30]
94年の作品でテレビ番組の関連本として出版されたもの。原題直訳だと人間という動物
中村保男訳 デズモンド・モリス「舞い上がったサル」を読んだ
.
この人の本は重複する部分が多いが今回も然り。常に最新の研究を組み込んでるとわかる
嘘付く時の身体行動・攻撃性の理由・初期類人猿の美術が、今回の中では印象強かった
初期人類水棲生活説と精子競争に関しては最新の研究に近い。だがこれもまだこれから
.
宗教など権威嫌ってる人だが、その原因ともいえる裸のサル出した後の論争の実際も書かれてる
性関係に関してはあいかわらずノリノリ。権力闘争になり破綻したハーレムの例なんかは面白い
■ 渡名政隆訳 デズモンド・モリス 「動物との契約 人間と自然の共生のために」
■ 多田道太郎、奥野卓司訳 デズモンド・モリス他 「ジェスチュア しぐさの西洋文化」
■ 小原秀雄 監修 藤野邦夫訳 R&D・モリス 「人間とヘビ かくも不思議な関係」
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Vol 3134(2016-11-17)
[13-06-18]
過去の取りあつかい例を挙げながら推移を紹介していく。他の本でもお馴染みの手法
渡名政隆訳 デズモンド・モリス 「動物との契約 人間と自然の共生のために」を読んだ
.
結構過激な主張する部分もあるんだなと驚いてる。だが極力公正な立場で文章は書いてる
その公正さの中で菜食主義なんかの極端な例への批判もあるので、それも参考に出来る
海外の例は知らない事も多いので、米の狩猟用の人工的な繁殖牧場の話など驚く部分ばかり
.
この問題突き詰めていくと、人口の問題なんかにぶち当たるので、かなり怖い分野ではある
ありがちな愛護の本では無いんで面白いし、世界レベルでの人と動物の歴史推移がわかる
[13-06-18]
先に読んだ本でも取り上げられてたが、2年の調査で多数のサンプルを集めた苦労の書
多田道太郎、奥野卓司訳 デズモンド・モリス他 「ジェスチュア しぐさの西洋文化」を読んだ
.
ヨーロッパ中心で日本では馴染み無い手振りも多いが、日常で使う様なのも含まれる
古い文献も参考にして、元々はどういう意味かと過程での推移の考察と、お馴染みの手法
本当に使ってるのかと驚く様なのや、場所で意味が180度ひっくり返ってしまう物など多様な広がり
.
最後のお別れと人呼ぶ手振りの分布なんかは、日本でも使うので比較としてもわかりやすい
日本も島だが、海に囲まれてる地域は特殊な場合多い。世界の常識は広いなと感心出来る
[13-06-12]
初期の本になるが翻訳がなかなか出てなかった一冊。それもヘビとの関係を考察させる
小原秀雄 監修 藤野邦夫訳 R&D・モリス 「人間とヘビ かくも不思議な関係」を読んだ
.
同時期のパンダやサルの本と同じで、人間文化でのヘビの受容のされ方の歴史と実際
キリスト教で完全に悪となるが、それ以前も崇拝と嫌悪と特殊な位置を占めてたとわかる
図版は無いが蛇の信仰は世界中に渡る。なので各地の古い神話を一望出来るのも面白い
.
自伝とも比較し、ヘビを怖がるサルなど実際の生態。臆病な所やトカゲに近い所・毒とこれも特殊
カエルに食べられたりする場合もあるのは発見。ヘビの偏見取り除くのはなかなか難しそう
■ ■ 小原秀雄 監修 鶴田公江訳 デズモンド・モリス 「モリスと動物人生 ナポレオンとひきがえる」
■ 根津真幸 訳 デズモンド・モリス+ラナ・モリス「パンダ(自然選書)」
■ 小原秀雄 訳 デズモンド・モリス+ラナ・モリス 「人間とサル」
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Vol 3132(2016-11-10)
[13-06-12]
先祖がナポレオンに片腕飛ばされて、実家が新聞屋・図書館だったのが始まり
小原秀雄 監修 鶴田公江訳 デズモンド・モリス 「モリスと動物人生 ナポレオンとひきがえる」を読んだ
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モリスの自伝。裸のサルで有名になる前の青年・学者・動物番組・園長時代の話
兵役やソ連などの海外の仕事など。ユーモアあるが、それもTV司会で培われた事がわかる
Kローレンツ・昭仁天皇・ミロ・野生のエルザ著者との交流談。動物実験の寝取られた鳥など裏話も豊富
.
仕事の遍歴も過去の映画制作や、嫌々だった仕事が後の研究に繋がっていたりで特異
後期のエッセイになると更にユーモア増す。だがこれも、全編普通じゃ体験し難い話で面白かった
[補足]
モリス自伝のタイトルで出てる書籍も改題で中身は同じ、なのでそれに関しては省略します
[13-06-05]
信頼出来る歴史文献でのパンダ(白熊 名義)初登場が日本書紀なのは驚き
根津真幸 訳 デズモンド・モリス+ラナ・モリス「パンダ(自然選書)」を読んだ
.
20世紀初頭に知られてパンダ狩り。捕獲後あまりの可愛さに、動物狩り全般禁止と凄い
夫の意思ついだ素人の夫人の捕獲や、可愛くなくて廃れた英のパンダなど逸話も豊富
進化系統もこの時点では不明。白黒は警戒色、アソコの画像つきで男女比較の困難さなど
.
付録で動物園の人のパンダの飼育や生態のレポもあり。パンダに関して詳しい
中国では当初は珍しくなく、この時点での生息数は200。発見も新しく貴重なんだなと感心
[13-06-04]
ビジュアル類人猿以前の書籍だが、歴史でのサルの扱いなど詳しい
小原秀雄 訳 デズモンド・モリス+ラナ・モリス 「人間とサル」を読んだ
.
昔の人は偏見が常につきまとうので、悪魔・見世物扱いでヒドい扱いを散々受けてる
ヒヒの嫁なんて話もあるが、特に性的な偏見 他にも確立されてない飼育法なども
詳しく研究が進んだのは20世紀入ってから、ここでヒトの研究にも大きく貢献しだす
.
この人自身の絵の研究の項も、先の本と比較して、猿が丸描いてチョンまでは進展したみたい
興味ある怪絡みでも、ソロモン王の動物園の件や、人魚のミイラがインド由来だった事など
■ 小野嘉明 訳 デズモンド・モリス 「美術の発生 類人猿の画かき行動」
■ 伊藤淳 訳 デズモンド・モリス 「フクロウ その歴史・文化・生態」
■ 藤井留美 訳 デズモンド・モリス+スティーブパーカー「ビジュアル類人猿」
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Vol 3130(2016-11-3)
[13-06-01]
霊長類研究とテレビ出演はしてるが、初期代表作「裸のサル」以前の書籍
小野嘉明 訳 デズモンド・モリス 「美術の発生 類人猿の画かき行動」を読んだ
.
TVの企画との連動でチンパンジーに絵を描かせる本。論文に近く文もまだお堅い
展覧会も開くほど。しかし、指示点を中心にして余白埋めたりと線の塊が中心になる
餌無しでも熱中するが集中が続かない。放物線までいくが、形をつくるまでにはいかない
.
最後に美術の発生に関する考察もあるが、線の塊からどう発展するかが分かれ目となる
ゾウなんかも最近は絵を描くが、人間と動物ではどこか一線で別物なんだなとは思った
[13-05-30]
あまり日本ではお馴染みじゃないが、世界ではモチーフとして多種多様に使われてる
伊藤淳 訳 デズモンド・モリス 「フクロウ その歴史・文化・生態」を読んだ
.
中国の可愛らしい像が良い。世界でのフクロウの捉えられ方を一望出来る
特異な風貌なんで、尊敬されてるか嫌われてるかと、真逆な捉えられ方をしてる
昼間も活動可能とは知らなかった。実際の動物としての生態も詳しく解説
.
小さい鳥に総攻撃のモビングや、鳴き声も多岐に渡るなど発見も多かった
よく知ると顔にも愛嬌あり好感度も上昇。図版も豊富で読み物として面白い
[13-05-30]
人間との遺伝子一致は96%。一部能力はヒトより優れ行動見てると人間も研究出来る
藤井留美 訳 デズモンド・モリス+スティーブパーカー「ビジュアル類人猿」を読んだ
.
ゴリラなど大型哺乳類も完備。もはや絶滅寸前の希少動物なのも知らなかった
メス同士で性器を合わせるボノボなど、コミュニケーション手段の項が面白い
道具を作って使うなど頭も良い。ぼんやりしてると時も脳が動いて、何か考えてるのも意味深
.
大型の種がイメージしてたより温厚なのも発見。捉え方の変化の歴史も載ってる
紛争地域などで暮らしてて保護の問題も重く扱われ、解決案も提示され考えさせられる
■ 別宮貞徳 訳 デズモンド・モリス「マンウオッチングの旅 裸の眼」
■ 日高敏隆 訳 デズモンド・モリス 「動物学的人間像 裸のサル」
■ 鏡リュウジ監訳 デズモンド・モリス 「ビジュアル版世界のお守り大全」
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Vol 3128(2016-10-27)
[13-03-07]
著書完成・TV等の仕事での世界旅行の記録の雑多なエッセイ。ユーモアに溢れてる
別宮貞徳 訳 デズモンド・モリス「マンウオッチングの旅 裸の眼」を読んだ
.
過酷な自然・危険動物・ギャングなどなど、世界各地での貴重な体験を動物学者の眼でみれる
冒頭カラーで半裸の娘が互いに乳に色塗りつけてて、もう期待が出来きる。エロい話もアリ
ローマ教皇・キューブリック・マーロン・ブランド・D・アッテンボロー、著名人との遭遇も多々
.
クルーズの付き添い・調査、上にペコペコし過ぎの評価と、外人目線での日本人も見られる
何度も噴き出してしまう楽しい経験の数々。馬の話も少しあるし肩凝らず読んでで楽しかった
[13-02-21]
筆者の名前を知らしめる事となった一冊。翻訳してる人も後の動物行動学ではお馴染み
日高敏隆 訳 デズモンド・モリス 「動物学的人間像 裸のサル」を読んだ
.
古い本なんで後の著作では修正入った所も多く、今これを鵜呑みにする事は一応危険
後に著作まるまる一冊分に発展していく各項目。この時点で既に開花してる所が見て取れる
人間も動物の一種と捕らえて動物学的に人間の行動を分析していく。世界が目を開いた古典
.
やっぱり性絡みの話が一番面白い。動物の行動を基盤にしてるので説得力もある
古い本で新しいのと情報が混濁しそうで敬遠してたが、考えの基盤や履歴も知れて良かった
[13-05-27]
デザインやジェスチャアとしての残ってるのも沢山ある。なので、それの資料にもなる
鏡リュウジ監訳 デズモンド・モリス 「ビジュアル版世界のお守り大全」を読んだ
.
邪眼の考えが日本では馴染み薄いので、性器など外国のお守りの真意がユニーク
90年代入ってからのお守りなど、結構根強く形を変えての残るもんだなと感心する
馬に関するお守りが多いのも西洋ならでは、日本の招き猫なども紹介されてる
.
古代協会の女性器やせむし・胎児など奇怪物や、マンドラゴラなど植物の図版も発見
プラシーボ効果があるとはいえ、こうまとめて見せられると迷信だとはっきり理解出来る
■ 白井尚之訳 デズモンド・モリス 「サッカー人間学 マンウォッチングII」
■ 林望訳 デズモンド・モリス+ケイト・フォックス 「イギリスPubウォッチング」
■ 日高敏隆・今福道夫 デズモンド・モリス 「赤ちゃんの心と体の図鑑」
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Vol 3126(2016-10-20)
[13-02-16]
軽いエッセイかと思いきや、書庫から分厚い図鑑が出てきて驚き
白井尚之訳 デズモンド・モリス 「サッカー人間学 マンウォッチングII」を読んだ
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太古から人類の行ってきた部族間戦争と同意味を持つ。置き換えて多方面に応用可能
ルール・作戦・各選手傾向・歴史・祝賀・英雄・敵地戦・装飾・上部・ファンの全てを網羅
自分は関西の人。なのでタイガース信仰に当て嵌めると、そういう事かと理解して納得出来る
.
人間の基本は原始時代から変わっておらず、こんな形でそれが残ってる事に感心する
特にサッカーファンという訳では無かったが、考えてる事がわかって今後観察するのが楽しみ
[13-02-16]
マスターはみんなの人気物。そういうのを目指してる人が読んでも勉強になる
林望訳 デズモンド・モリス+ケイト・フォックス 「イギリスPubウォッチング」を読んだ
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映画でお馴染み英国のパブ。全ての人々のニーズに合わせ多種類ある事がわかる
プロレス的な会話例。お互い似たもの同士で尊敬しあってるから成り立つ遊びだろう
社交と人付き合いの全ても凝縮されていて、言葉以外の動作などでの交流例も豊富
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人間は基本お喋り好きなんだろうなと、音楽でその人がわかるってのにも納得出来る
気遣い・観察力・厄介事の処理、みんなの人気者も影では大変な努力をしてる
[13-02-07]
著名な動物学者による、誕生から二歳までの人間の成長と秘密
日高敏隆・今福道夫 デズモンド・モリス 「赤ちゃんの心と体の図鑑」を読んだ
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くたーっとしてる赤ん坊も二歳までには立って喋って人間になる。これが凄い成長なのがわかる
匂いで親子は判別など、まだ生まれ立ての頃は、親も含め動物にも近い反応や特殊能力が残ってる
認知・歩行・発音その全ても、一度にでは無く失敗や過程を経て獲得される。その道のりが面白い
.
ほほえみは産まれ付きつき習得済み。自我が目覚めるなど動物とヒトの違いも見えてくる
豆知識で面白かったのは、乳首は吸うものでなくしぼるもの。知らない事が沢山あり感心
■ 日高敏隆 監修 羽田節子 訳 D・モリス 「セックスウォッチング 男と女の自然史」
■ 藤田統 訳 D・モリス 「マンウォッチング」
■ 日高敏隆・今福道夫 デズモンド・モリス 「子供の心と体の図鑑」
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Vol 3124(2016-10-13)
[11-11-04]
大型図書。性の区別の意味のSexで、男女平等問題の棚にあった
日高敏隆 監修 羽田節子 訳 D・モリス 「セックスウォッチング 男と女の自然史」を読んだ
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男は集中力・視覚力・勇気。女は他方向思考・言語力・常識的慎重さ
太古は能力差で分業がはっきりしてたが、それが宗教や文化で崩れる
性や愛・通過儀礼の考察。ハレム・貞操帯など想像と実際の違いも知れる
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男女運動での過激な例。ジミヘンのチンチン石膏の存在とか初めて知った
現代社会では難しいが、得意分野で分業するのがベストなんだと感じた
[11-01-24]
表紙がおどけた外人の写真。誰かと思えばジローラモ
藤田統 訳 D・モリス 「マンウォッチング」を読んだ
.
無意識に出してる体のサインや、ジェスチャーの意味を再発見
読んだ後に討論番組を見ると、実際に本心が体に出てて面白かった
瞳孔反応から、女性が男性の裸に興奮するというのも驚き
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宗教の人は、子供の様に介護を求める服従行動だったんだなと、新発見
本心を読みとるという意味で、人の見方がガラッと変わる名著
[13-02-07]
著名な動物学者による赤ちゃん編の続編。自我が目覚めて他人との関わりをどう憶えていくか
日高敏隆・今福道夫 デズモンド・モリス 「子供の心と体の図鑑」を読んだ
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他人との社会生活をどう習得するかの過程なので、大人の交流の勉強にも応用できる
性格がいかに決まるかの実例。兄弟がいても異なり、自分に当てはめて考えると当たってて面白い
まだ身体・自我・共感能力も不完全。習得過程でおこる反応は、大人にも見る事が出来る
.
発明や創作・想像・遊びの効果や過程、それを伸ばす為の指南など。これも大人にも応用可能
意識の変化や普遍文法による交流の欲求・協調の本能・規則の確立・正義・笑いなど知識の宝庫
■ 藤代幸一・工藤康弘訳 ノルベルト・ビショッフ「エディプスの謎 近親相姦回避のメカニズム 上下」
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Vol 3122(2016-10-06)
[2014-07-21]
85年出版92日本語版出版だが、この時点でもかなり古い考えになる。ただ現状に至るまで、どういう論争だったかわかる
藤代幸一・工藤康弘訳 ノルベルト・ビショッフ「エディプスの謎 近親相姦回避のメカニズム 上」を読んだ
.
タイトルは近親相姦だが、当時の動物行動学全般を扱ってる。引用含む事例が沢山載ってて、その部分は今も面白い
K・ローレンツの弟子筋で研究所の科長。全般に渡って批判展開し、歴史的にもそれほど有名な人では無いのもわかる
レヴィ・ストロースにも触れてるが、歪曲して受け止めてる部分も多い。参照した引用も古い資料で、首かしげる部分も
.
例え話のせいで、逆にわかり難くなってる部分も多いが、知識は広い。今の新しい資料や主流の考えと比較して読むのが良い
当時は近親相姦は、生理的か文化的かの議論。資料も出てるが生理的な部分が先。動物は近親相姦を回避する
-
これも上と同じで、古い考えだが興味深い事例や推測がある。これらは発展して今の主流の考えに繋がってる
井本(日向[機種依存])二・川原美江訳 ノルベルト・ビショッフ「エディプスの謎 近親相姦回避のメカニズム 下」を読んだ
.
台湾の小花嫁の話が面白い。子供の頃から養育し結婚する話だが浮気が多い。近親で無くとも近いとアウトになる
まだ現状でもデータ不十分だが、結婚生活が上手くいかない推測の、退屈に耐えられない話なんかも興味深い所
今主流の動物を擬人化する観察を批判してるのが昔の人。遺伝子が優先される考えを扱ってないのも古い
.
批判の多い書籍だが、それらが全てこの人自身の鏡にもなってる。聖書を例に出す所なんかも外国らしい
全体で読むと古い、しより道で退屈な部分の方が多い本。だが、膨大な例と現在に至るまでの流れを確認出来た面で収穫多い
■ 古武彌正訳 イタール 「アヴェロンの野生児」
■ 中野義達・福田廣訳 ロバート・M・ジング「野生児の記録2 野生児の世界35例の検討」
■ 中野義達・生和秀敏訳 A.V.フォイエルバッハ「野生児の記録3 カスパー・ハウザー地下牢の17年」
■ 中野義達・南直樹訳 ルシアン・マンソン 「野生児の記録5 野生児その神話と真実」
■ 富田真紀・清水康夫・鈴木玲子訳 ウタ・フリス「新訂 自閉症の謎を解き明かす」
■ 黒丸尚訳 K・W・ジーター 「ドクター・アダー」
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Vol 3120(2016-09-22)
[2015-11]
つの丸扱ってる関連から。1799年に発見された有名な野生児。17・18Cはこういう人も多かったとある
古武彌正訳 イタール 「アヴェロンの野生児」を読んだ
.
まだ野生児に幻想あった人々を、粉々に打ち砕いた話。同時に教育学・心理学・心身障害児童教育の古典
前述通り、これ系資料は障害ある子供の心理とも直結する。子が親に捨てられると歪むのは、理屈としてもわかる筈
教育課程の報告も入るので読み物としても面白いと思う。断絶が最終的に心通じ合う所とかはかなり泣ける話
.
これ読んだ時期の少し前に、野犬な囲まれる経験したので、そういうのも含めて、人も接触は動物同様に大事とわかる
日本に昔いた、森で暮らす貧しい人と同じ類。ルソーが18C半ばで、ここらとも関連はある。今はこういうのも研究進んでる
[13-08-30]
1942年の人類学者の書籍。後年になってわかった事もあるので、資料しとては古め
中野義達・福田廣訳
ロバート・M・ジング「野生児の記録2 野生児の世界35例の検討」を読んだ
.
タイトル通りに動物に育てられた・孤立して育った等の、野生児の記録のまとめ
過去の事例が中心で当時の伝聞情報等が主体となる。そこを考慮して読む必要ある
豚の中で生活していた女性など、どことなく犯罪や、作った話感が漂う場合もある
.
最近の人なんで冷静に判断してる。神秘的に捉えがちだが、実際は精神の発達障害の話
現在でも犯罪等で似た事例はある。社会復帰してく過程なども描かれ、比較しやすいと思う
[13-08-30]
別書籍で目を引いた野生児、実際に本人に合った事もある人で、一次資料といえる
中野義達・生和秀敏訳
A.V.フォイエルバッハ「野生児の記録3 カスパー・ハウザー地下牢の17年」を読んだ
.
詩の題材にも選ばれ、数奇な運命で神秘的だが、実際は犯罪に絡んだ話らしい
能力が過大評価されてるが、実際は間違いや別の証言もある。なので検討は必要
社会復帰の過程はドラマがある。精神がじょじょに回復してく様は貴重な記録といえる
.
乗馬や木馬の話など、馬との関わりが強い。乗馬の件は控えめだが、木馬を巡る一連の話は面白い
最後が可愛そうな事になってる。昔話にも近い19世紀初頭の話なんで、いろいろややこしいなと
[13-08-28]
つの丸作品関連。だが心理学の発展や、生態行動学との関連もあり、その部分も大きい
中野義達・南直樹訳 ルシアン・マンソン 「野生児の記録5 野生児その神話と真実」を読んだ
.
64年の本でレヴィ・ストロースの本も参考にしてる。後の研究でわかった事もあり古くなった部分もある
だが野生児の実際はどうで、人間の本性は何かと知るきっかけとしては適切。後は生態行動学等を追えば良い
つの丸関連として、ジャガーに育てられた子はインド中心に三人。主は狼や熊や羊 豚なんかの特例もある
.
注目点は孤児に近く、馬に親近感を見せるカスパー・ハウザー。王族の子でワケありというのが実態
幻想を抱きやすい分野ではある。幼児教育や人間の特性等を考えて調べてくと、発見もあると思う
[2014-07-27]
タイトル通り子供の病気の棚にあった。脳科学関連の本としても参照されやすい重要書籍。同時に研究の古典でもある
富田真紀・清水康夫・鈴木玲子訳 ウタ・フリス「新訂 自閉症の謎を解き明かす」を読んだ
.
改訂版で最新研究にも対応。それだけでなく、古典や文学等に登場する自閉症児に近いキャラに関しても言及してる
結果は白だが馬関連で調べてたカスパー・ハウザーも扱ってて驚き。他にホームズやスポックなども、理解難しいのでサンプルとして適切
聖人ジネプロの話も面白い。言葉通りに行動して最終的に改心させたり、ひたすらシーソーに夢中になったり、理解は出来ずとも魅力は多い
.
実際の症例報告や本人の記述もある。サヴァンとも関連し、社会生活に困難は伴うが、適切な所に配置されると大成果をあげる
脳科学から観察で、脳の回線が混乱し、一部で密になりすぎ、脳が重くなってる点も興味深い。我々とは別種の思考で、世界の認識広まる
[2016-09]
サイトで浅井ラボ扱った関連から。ふと思い返して、読み直そうと思ったら本棚から消えてて、図書館で借りてきた
黒丸尚訳 K・W・ジーター 「ドクター・アダー」を読んだ
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原書1984。但し執筆は1972で原サイバーパンクともいえる作。ディックが序文で絶賛。この時期にはニューウェーブ作家は既に活躍
肉体改造・片腕兵器・性の問題・回線接続等アイデアは光るが、筋は整理が甘い。出版拒否は単純に出来に問題があった点もあると思う
自分はスランや人間以上を連想する部分あった。ニューウェーブ作家も出てる以上、冒頭のディックの出版界批判も筋違いな所あるかも
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噛みつくアソコがチンポを切断。前述通り、光ってる部分は多い。後にデイック映像化作+ST、SWも含む、ノベライズでも活躍も面白い
翻訳もギブスンとかの人でなるほどって思う点はある。スチームパンクって単語を最初に作った人でもあるんで、他作も気になる所ある
■ 五島勉 「ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月 人類滅亡の日」
■ 木幡和江、村田恵子、中野恵津子訳 ライアル・ワトソン 「生命潮流 来たるべきものの予感」
■ 「ニューサイエンス 科学と神秘主義」
■ 畠瀬直子訳 カール・ロジャーズ 「人間尊重の心理学 :新版 わが人生と思想を語る」
■ 鍛腹多恵子訳 スティーヴン・L.マクニック/スサナ・マルティネス=コンデ/サンドラ・ブレイクスリー
■ 「脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議」
■ 上山春平責任編集 「日本の名著 47 西田幾多郎」
■ 岩男武雄責任編集 「世界の名著 44 ヘーゲル」
■ 小松左京 「首都消失 上下」
■ 友成 純一 「狂鬼降臨」
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Vol 3118(2016-09-15)
[2016-09]
1973刊。21Cになって完全に忘れられた一冊。現状だと当時の風潮や、詐欺の実例として読める
五島勉 「ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月 人類滅亡の日」を読んだ
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勘違いされても困るから書くと、本書はノンフィクション風のフィクション。作者は作家として失敗した経緯ある
日本沈没が73年、ゴジラ対ヘドラ・スペクトルマンが71年。当時の人が何を怖れていたの資料。思想を反映した内容となる
今でも中華なんかだとリアリティある話になるかも。現状では古くなった主義主張も含み、ある意味日本人が見える
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娯楽作として見るとフックのかけ方や、当時の問題と合わせた置き換えも興味深い。ノストラ自身も当時の風潮の資料になりそう
森村誠一、落合恵子が推薦文を書き、最後に百行の感想企画あるのも面白い。今は風俗資料になる一冊
[2016-09]
原書1979。ノストラダムスの大予言に関連して。勘違いされると困るから書くが、これもノンフィクション風のフィクション
木幡和江、村田恵子、中野恵津子訳 ライアル・ワトソン 「生命潮流 来たるべきものの予感」を読んだ
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ノストラダムスと違い、こちらは持ちも良かった。偉い学者も騙されてる。ニューサイエンスと言う名のオカルト
根底に使ってる学説がちゃんとした物なのもポイント。全て単なる仮説だが、ぶっ飛ばし方が半端無いのが興味引く
宇宙起源説・土の記憶など当時の理想を反映した嘘になってる。娯楽作なんかの元ネタ探しとして見ても面白い
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ぶっ飛ばし方の凄さの一例がヒーラ細胞。この人が書くとホラー風。百匹目の猿もさぞ本当の話の様に上手く盛ってる
イルカなんかとも話す。後半になると理論もぶっ飛ばしまくっててキテる。これも現状だと、当時の風潮や娯楽作として読める
[2016-09]
1987年刊。また勘違いされると困るから書くが、ニューサイエンスを冷静に判断した本では無く、思想の宣伝本
「ニューサイエンス 科学と神秘主義」を読んだ
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前述の意図で借り出したが、書いてる事がおかしくて、闘争なんて言葉が出て、最後に初出が赤旗となり、ああと納得する
現状でもニューサイエンスは詐欺に使われるんで、評価は難しい。トンデモ本の研究書籍あたるのが結局早い
当時どういう勢力が反発を示したかがわかる。また、まだソ連が生きてた頃で何を心の支えにしてたかもわかる
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ニューサイエンスをまとめると、結局仮説という事になる。違いましたでも都合のいい書き方してるので詐欺に使われる
これに影響受けた層がどうなったかも今ならわかる。詐欺だがノストラダムスと共にブームになった物で、当時の風俗資料
[2016-06]
別の人のを借りようとして間違って借りて来た可能性もある。原書1977。カウンセラーの基礎を組んだ重要な人ではある
畠瀬直子訳 カール・ロジャーズ 「人間尊重の心理学 :新版 わが人生と思想を語る」を読んだ
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勉強目的なんで、熱意もって、さあ読むぞとなってた。だが中盤からあれあれな発言が増えだして、後半は完全に冷めてた
一言でいうと、オカルトが少し入ってなさる。真顔で超能力の話されると、ドン引く。扱う対象が曖昧なんで、そうなったんかなと
姿勢自体は面白い観点ある。本人も洗脳になりかねない時もあると考えたのは、曖昧な文を重視する文化圏と似てる所もある
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人間の反応に関する実地の経験論は面白い所がある。取り扱う対象は特殊だが、相手の言いたい事を理解すると効果あるは転用可能
ニューエイジが流行する80年代に至る前なんで、その時期の文化人の姿勢としても参考になる。使用は注意してといった所
[2016-09]
マジックの種を一括して知りたいなで借りてきた。ちょうどノストラダムスなんかの詐欺も調べてた頃で良い機会。最初の目的も果たせる
鍛腹多恵子訳 スティーヴン・L.マクニック/スサナ・マルティネス=コンデ/サンドラ・ブレイクスリー
「脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議」を読んだ
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マジックの種明かしの他、詐欺の手口なんかもばっちり紹介してる。これにプラスして最近の脳の研究からの分析までついてくる
バスケするゴリラの例なんかがわかりやすい。手品は見てる人の注意や選択を巧みに誘導してて、実際は技術的な部分が大きい
話聞くとなーんだなんだが、わからんもんだなあと。確立の計算なんかもわかりやすくく書いてて、ヤギと車の話なんかは驚いた
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上に昇るロープがネタだった話も初耳で驚き。次々と出るコインや、銃弾を受け止めるもやっとネタわかった。こんなバラしていいのかしら
身体的及び、話術等の技術で鍛えられた技だとよくわかった。上手い人は失敗しても構わず続けて成功させるは、他の分野でも参考になる
[2016-09]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。その日本版。明治の頃の人になる。日本独自の哲学としても尊重されてる
上山春平責任編集 「日本の名著 47 西田幾多郎」を読んだ
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主観と客観は一緒に考えるべきみたいな論説だが、自分は主観を信じすぎてない部分もあって、うーんってなる部分も多い
ヘーゲルからの影響とあるが、神学的な部分ではスピノザなんかの影響もあると思う。講演なんかだとこの人自体も迷ってる感じ
簡単に書いたエッセイ風の文はまとまりよく、善の研究の突き詰めてく過程も良い。だだ自分はやっぱ納得いかん所はある
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ニーチェなんかに近い所もあるかもしれない。他にもその後の思想なんかとの類似が頭に出て、こっちの主観で受け取りが狂ったかも
自分の好みはわかりやすい合理的な哲学なんで、そこらでもちょっと違うかなあと。ただ立ち位置的に日本人らしい考えとは思う
[2016-09]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。難しいと聞いてたので避けてた。19C前半でゲーテとも同時代の人
岩男武雄責任編集 「世界の名著 44 ヘーゲル」を読んだ
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世界の名著は解説が充実してるのでそこからも考えられる。反対意見や派生した意見に関してもチェック済
本文としてはアリストテレス的な物事の解釈を試みた人なんかなと。これが前述通り、説明の下手な文になってる
派生した人と似た点もあると思う。ただ国の御用哲学者で暴徒制御に使われたり、危険な思想も含む点で難しい所ある
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時代背景は重要。今から読むなら、派生したプラグマティズムや、西田幾太郎から攻めた方がわかりやすいかも
ゲーテとかの段階だと独思想はわかりやすいので、複雑化の起点はこの人とも思う。自分も参考程度で読んだ所はある
[2016-09]
パニック小説調査から。1983連載。後年作だが日本SF大賞受賞や映画化など、当時の状況が見えてしまう作品
小松左京 「首都消失 上下」を読んだ
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東京の雲隠れは単なるきっかけ。今作は日本から東京が消えたらのシミュレーションで、SFというより風刺・寓話に近いかも
そんな訳で事件解決で無く外国も含む政治劇が延々と展開する。あとがきの清水義範はそれ褒めてるので通向けの作品ともいえる
作者の思想はよく反映されてる。写真もつくがソ連の船中心で、まあそういう話。人物みたいのもあまり出ない
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映画も含めて自分はぼちぼちだった。作家の人物像から、本来は文学とかそっちいきたかった作家なんかなと
今の高齢SFファンの思想の原点や、昔の戦争引きずってた時代の人の思想の研究資料といった雰囲気
[2016-09]
サイトで浅井ラボ扱った関連から。別の調べ物とも被り良い機会。この筆者最高傑作と言われる表題作含む短編集
友成 純一 「狂鬼降臨」を読んだ
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評論出身。85年から98年の短編。当時の風潮や、原稿用紙に一気書きなど80年代当時の空気が強く出てる点も注目
一言で言うとエロ・グロ・バイオレンス。良い意味で実際に吐き気がする内容。だが文は読み易く、最後は解放感もある
後書きから乱歩の存在の意義も再確認。景気が良い頃は、こういう作風が出版界に溢れてた事も当時の空気わかり面白い
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現在も映画評論してるが良い文。表題作が凄すぎて他が霞む部分はあるが、良い意味で悪趣味なパロディで感心する
日本の作品の系譜から考えても現在に繋がる部分ある。キツイ内容で薦めにくいが、グロ系OKな人なら大変面白い作品
■ 波多野完二・関計夫 ルドルフ・アインハイム「美術と視覚 美と想像の心理学 上下」
■ 小田亮訳 デビット.C.キアリー 「心の起源 脳・認知・一般知能の進化」
■ 小崎敬・小崎愛子・辻敬一郎・村瀬旻 訳 ジェームズ・J・ギブソン 「生態学的視覚論 ヒトの知覚世界を探る」
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Vol 3116(2016-09-8)
[13-09-08]
1954(訳1963)の本。脳科学が発展する前。なので古くなってる部分も多いが、体系化されてる
波多野完二・関計夫 ルドルフ・アインハイム
「美術と視覚 美と想像の心理学 上」を読んだ
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上巻はバランス・形・形式・成長。現状だと、最新の脳科学の本と合わせて読むと良い
著者は元々ゲシュタルト心理学の人。後の脳科学に発展する元段階としても読める
図版も豊富だが、全て作者の模写と特殊。それでも説明としては十分。理解の助けとなる
.
病気の人の絵も扱ってるのが心理学的。これも視覚と脳の関連として重要
また心理学らしく子供の絵の発展も扱ってる。視覚がどう発展していくかの資料としても便利
[13-09-08]
下巻は空間・光・色彩・運動・緊張・表現の取り扱い。現在でもわかってない項目も含む
波多野完二・関計夫 ルドルフ・アインハイム
「美術と視覚 美と想像の心理学 下」を読んだ
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今の、脳と視覚を結びつけた本でもお馴染みの、だまし絵が扱われてる。意識での視覚の変化
注目している問題が、最近の脳科学の本と共通してるのも、発展の基礎段階として、わかり易い
ゲーテの色彩論など、現状では違うので読んでなかったが、脳の認識として再評価出来る事は発見
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人によって注目する点が違う事などは、最近の研究にも繋がる。美術とは何かを再確認出来る
昔の本で古い部分が多いと思っていたが、例も多く、研究の基礎ともなり、応用も利くので役に立った
[13-08-25]
難しいがめちゃくちゃ面白かった。90〜00年代の行動生態学と一致した知識を総披露
小田亮訳 デビット.C.キアリー 「心の起源 脳・認知・一般知能の進化」を読んだ
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07年の本。参考図書で訳書あるの物はちゃんと記述。副題に関する項目が、取り扱いの範囲
脳科学とも連動し、根拠も強い。コントロールへの動機は「ああそうだったのか!」と大納得
未開地での人類学とも関連させて認知。見知らぬモノと脳の活発な領域の関連にも感心
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頭が良いのがどういう事かの定義と、昔より減った脳容量や、進化のきっかけの話にも興奮
受け入れがたい所もあると思うが根拠は強い。この知識をどう活用するか、利用範囲は広い
[13-09-08]
宇宙人に「物が見えるとはどういう事ですか」と説明する様な本。前半は難しいが、後半は刺激的
小崎敬・小崎愛子・辻敬一郎・村瀬旻 訳 ジェームズ・J・ギブソン
「生態学的視覚論 ヒトの知覚世界を探る」を読んだ
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1979(訳1983)出版で脳科学の発展でも重要な位置づけの一冊。しかし、著者はこれが遺作となった
人間をとりまく環境を意味するアフォーダンス。環境からの影響のアフォーの使用はこの本からとなる
自分はゲームのスーパーマリオが面白いのは、これを再発見するからだと思いながら読んでた
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後半が刺激的。知覚全般は脳への電気的な刺激で物を見て、カメラみたいな感覚では無いの所
また映画の記述と、カメラ移動・一人称視点の意味も描かれてる。モノの考え方が変わる興味深い一冊
■ 田中二郎「ブッシュマン 生態学的人類研究」
■ 飯田裕三・山川宏訳 ワイルダー・ペンフィールド 「脳と心の神秘」
■ 長谷川眞理子「クジャクの雄はなぜ美しい?」
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Vol 3114(2016-09-02)
[13-09-10]
文化人類学の興味の他にも、サイトでつの丸扱ってる加減で、裸で暮らしてる人の実際が知りたかった
田中二郎「ブッシュマン 生態学的人類研究」を読んだ
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最初の図版で乳丸出しボーン。映画でコイサンマンあるがあの人たち。近隣にはホッテントットも在住
同じ人間だが身体的特徴も我々とは異なる。身長小さく、男は巨チンで常に水平。女性はビラビラがビラビラ
砂漠のど真ん中でさぞ苦しい暮らし、と思いきや、労働時間は短く、日陰で休憩してる時間も長く、スローライフ
.
交易品で鉄ナベもあるが、狩猟は困難で肉は少し。水も果実で補給。ただ住民はそれでも幸せに暮らす不思議
ダンスで失神する程遊んだり、ユーモア溢れ争いを嫌ったり、神概念も薄かったりと、比較して学べる所多そう
[13-09-10]
脳のなかの小人でお馴染みのペンフィールド。難しいと聴いてずっと敬遠してた所ある
飯田裕三・山川宏訳 ワイルダー・ペンフィールド 「脳と心の神秘」を読んだ
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1975年の遺作となった本。昔の本で古くなってる所や、学者でも見解割れてる部分もあり
これ書いたのが死ぬ直前の80代というのが凄まじい。元々哲学なんかも少しやってた人
そんなに難しい文では無く読みやすかった。元お医者さんなんで、実際の事例も扱ってる
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当時で西洋の人なんで、この人は精神は二元論の立場。ここは今も学者間で割れてるテーマ
最近の研究も考慮して、そこだけは自分は少し合わないが、それ以外は刺激に溢れる良い本
追記[13-09-13]
「脳と心の正体」も借りて来た。これは名称変更前で内容は同じ。原文訳では新版の方が近い
[2014-08-18]
日本の学者で一般向けという事もあって物凄く読み易い。表題どおりに動物の男女の違いの何故に迫る
長谷川眞理子「クジャクの雄はなぜ美しい?」を読んだ
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生殖を巡る男女の攻防が姿まで変えていった話。現在研究されてる話で信頼出来るものを全て扱ってる
実際の変わった例も沢山のってて面白い。一見すると意味のない行動も、その背後には理由がある
特に昆虫ではドギツイ方式とる者もいるが、個体で無く遺伝子を残すという方式も、実際の例を見ると感心する
.
筆者自身シャボン公園でクジャクの観察を十年もしてる。その結果定説と違う発見があり、その困惑も伝わる
上記とも関連し、最後にあげられる、本書で伝えたかった事も印象的。動物の研究の定説は覆りやすい
■ 浅羽莢子訳 マーヴィン・ピーク 「タイタス・グローン+ゴーメンガースト」
■ 熊崎 保訳 マーガレット・フィート 監修 スチュアート・ヘンリ
「アメリカ・インディアンの世界 生活と知恵」
■ 原ひろ子 「ヘヤー・インディアンとその世界」
■ 羽田節子+山下恵子訳 ダイアン・フォッシー 「霧のなかののゴリラ」
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Vol 3112(2016-08-25)
[2015-07]
ファンタジーからの派生、46から開始で本来は四作ある 浅羽莢子訳 マーヴィン・ピーク 「タイタス・グローン+ゴーメンガースト」を読んだ
これも荒俣宏の解説あり。一言でいうとド暗い。ジャンル的にはゴシックファンタジー。逃げ場の無い世界感。人も希望なく死にまくる。姉ちゃんの死は切ない
元々絵の人で文も特殊、陰鬱な表現も強い。また心の内面など陰謀劇的な所もある。主役のタイタスが決起するという熱い展開は良い
[13-08-08]
インディアンの一部族の変遷の歴史。実際に使われた実用技術の図版付き記録
熊崎 保訳 マーガレット・フィート 監修 スチュアート・ヘンリ
「アメリカ・インディアンの世界 生活と知恵」
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資料でインディアンの神話出てくる。実際の生活環境を知ると理解も広がる
何も無い地域。だが初めて発見された時は、住民は太り幸福そうにしてた謎
歴史のおさらいになる。男女とも半裸で生活してたが、外人の侵入で崩壊する
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現状では技術は消滅寸前状態。昔の何も無い所から道具を作る技術の記録
素材も無い状態なので高い技術力。こういうのを残すと、後世に役立つ場合もある
[13-08-17]
インディアンとあるが北方。イヌイットやエスキモーみたいな暮らしを想像するとわかりやすい
原ひろ子 「ヘヤー・インディアンとその世界」を読んだ
.
思い出話等は別著。60年代に女一人で北極圏線付近に研究で乗り込んだ調査の記録
眠ると死ぬが当たり前の厳しい環境。完全な狩猟民族。我々とは価値観等もまったく違う
三歳から超がつく程の個人主義の世界。分け合うのが当たり前の生活など詳しい話が多数
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人間関係の話が面白い。男女ともに7人ぐらいと関係持つのが普通。トラブルは上手く避けてる
世の中均一化辿ってるが、世の諸問題の解決案は、こういう独自すぎる文化にヒントあるかもしれない
[13-08-10]
現在のゴリラ研究でも、この人は研究の始祖であり根幹。それほどわからない事が多い動物
羽田節子+山下恵子訳 ダイアン・フォッシー 「霧のなかののゴリラ」を読んだ
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前人未到の密林・糞の解体・密猟者とのやりとり・資金不足など、大変な仕事
生の生物相手なんで、共食いや闘争など凄い場面もある。しかし、人類初の体験
交流の仕方も手探り。最後は心を通わせる事が出来る。苦労に見合う報酬
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飼い犬の拉致・密漁の罠解体・観光客に学生。人との戦いでもあるので、怖い話も多い
この人も最終的に謎の死を遂げてる。先行きも暗く動物研究や保護は大変な仕事
■ 江口清訳 ジュール・ベルヌ 「八十日間世界一周」
■ 今西錦司 「増補版 今西錦司全集第六巻 (常緑広葉樹林・御崎馬の社会調査・都井岬のウマ・村と人間)」
■ 日高敏隆 「人間についての寓話」
■ 垂水雄二訳 リチャード・ドーキンス
■ 「悪魔に仕える牧師 なぜ科学は「神」を必要としないのか」
■ 山口泰司監訳 石川幹人+大崎博+久保田俊彦+斎藤考訳 ダニエル・C・デネット
■ 「ダーウィンの危険な思想 生命の意味と進化」
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Vol 3110(2016-08-18)
[2015-09]
ファンタジーからの派生。角川文庫のものから原書1873。最も有名な作品
江口清訳 ジュール・ベルヌ 「八十日間世界一周」を読んだ
.
設定的に古い所あって大丈夫かなと思ったが、手馴れた頃の作品でちゃんと波を作ってる
当時としては最新情報。今見ると当時の風俗がどうだったかで楽しめる。展開的にも面白い
泥棒と疑われての追跡・英国領でのアクション。日本の描写にも結構尺とってて、興味深い
.
先行する紀行文の影響もあると思う。最後の間に合わなかったが実は、のオチにも微笑んでしまう
人物も抜けた所あるキャラを配置するなどこなれてる。古い作品ではあるが楽しめた。今も残った事に納得
[2014-07-27]
つの丸扱ってる関連から。馬関連が目当てだがどうせならと全集。ただし写真等は載ってないので失敗だったかも
今西錦司 「増補版 今西錦司全集第六巻 (常緑広葉樹林・御崎馬の社会調査・都井岬のウマ・村と人間)」を読んだ
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過去サラブレットと交配させてしまい、純血種ではないが半野生馬の観察。繁殖増加も目的にあり、牝が牡に寄って来るハーレムの実態
小グループが季節毎に二回に移動形式。モンゴルとも重なるなと。筆者自体先にモンゴルで小調査し、これの研究が猿調査に繋がってく
結果的に雄の数が不足してる事がわかり改良。種馬は食事で調教受けた馬だが、しばらく暮らしてると馴染み、利点が消えてしまう事なども
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牡馬の喧嘩も確認。後ろ向きでの蹴り合い。またいななきでの仲間呼びなど。他調査・解説でも一般向けとの比較や、筆者思考が見えてくる
村と人間は47年の農村調査。ほんの70年前だが、村間の闘争や貧相な食事、十分に行き届かない教育など、今との比較で驚く点多い
[13-08-17]
動物学関連の訳者でお馴染みだが、この人自体もチョウの研究してる学者さん
日高敏隆 「人間についての寓話」を読んだ
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50-70年代に書かれた評論まとめ。何回も版を変えて出版されてる、地味なベストセラー
あとがきにもある通り古くなってる部分もあると思う。だが、学者さんの本にしては読み易く良い
ローレンツとも面識あり、岸田秀も知り合いであとがき書いてる。確定事項の入門書にもなる
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蝶に興味なかったけど実験の実際や不思議が書かれて、あぁなるほど面白いと、感心する
元々シデムシに興味あったり、採集時の面白い逸話やコラムもあって、読んで損が無かった
[13-08-08]
表題は科学を信望してる自身に対する皮肉、エッセイ集だが難しい部分も多い
垂水雄二訳 リチャード・ドーキンス
「悪魔に仕える牧師 なぜ科学は「神」を必要としないのか」を読んだ
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生物行動学学ぶ上での重要人物。論争好きな所あり、苛烈すぎる面も多々あり
研究内容が宗教権威強い外国で、反感産む部分もある。それらへの断固たる批判の展開
テロ事件に関した記事など、宗教や権威・お告げ・疑似科学に関して、怒りもあらわ
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一方で、死亡した同学問の学者に対する弔辞のエッセイなど、ユーモアや人間味ある部分も
自分の好きな本の書評に関してはデレまくってたりと、読みやすく、面白い部分も多い
[13-08-17]
書庫から怖ろしく分厚い本が出てきた。過去履歴から哲学者の本と思い出し途方に暮れる
山口泰司監訳 石川幹人+大崎博+久保田俊彦+斎藤考訳 ダニエル・C・デネット
「ダーウィンの危険な思想 生命の意味と進化」を読んだ
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最近の論争の概要まとめ。読んだ本で比較すると、一次資料直にあたる方が手早いかも
参考図書案内あるが英語。翻訳出てないの多数そう。自分で調べてともあり、参考にしにくい
いきなり神の話から始まる。作者の主張は最初と最後にまとまってるが、思想的に偏りもある
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ドーキンスと友。他書籍から、思想上で対立してる学者は、実は裏で仲良かったりもする
結局ダーウィンとウォーレスの対立の延長じゃ無いのかなと思う。向こうの人は神が弱み
■ 坂下昇訳 ハーマン・メルヴィル 「メルヴィル全集 7・8 白鯨 上下」
■ 「世界の文学 44 ヘミングウェイ」
■ 武器よさらば 大橋 健三郎/訳 p3-300.老人と海 福田 恒存/訳 他、短編六本
■ 田中西次郎・村上啓夫訳 ダシール・ハメット「世界名作推理小説大系 14」
■ 清水俊二訳 「世界ミステリ全集 5 レイモンド・チャンドラー」さらば愛しき女よ、長いお別れ、プレイバック
■ 中田耕治・小笠原豊樹・小鷹信彦訳 「世界ミステリ全集 6 ロス・マクドナルド」人の死に行く道、アーチャー家の女、一瞬の敵
■ 中村能三、稲葉明雄訳 コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)
■ 「世界ミステリ全集 4 コーネル・ウールリッチ」死者との結婚、913号室の謎、幻の女
■ 井上一夫・平井イサク訳「世界ミステリ全集 13 イァン・フレミング イ*ン・フ*ミ*グ アリステア・マクリーン」
サンダーボール作戦、アリゲーター、ナヴァロンの要塞
■ ジャック・ヒギンズ 「鷲は舞い降りた:完全版」
■ 篠原慎訳 フレデリック・フォーサイス 「ジャッカルの日」
■ 「世界ミステリ全集 1 アガサ・クリスティー」
そして誰もいなくなった 清水 俊二/訳、愛国殺人 加島 祥造/訳、フランクフルトへの乗客 永井 淳/訳
■ アガサ・クリスティ 「アクロイド殺害事件 :新版」
■ 宇野利泰訳 エラリイ・クイーン 「Yの悲劇」
■ 阿部知二訳 「世界文学全集 76 コナン・ドイル 1 ホームズの冒険 回想のホームズ」
■ 加賀山卓郎訳 ジョン・ディクスン・カー 「三つの棺 :新訳版」
■ 宇野利泰、田西西二郎訳 「世界推理名作全集 4 フィルポッツ/チェスタートン」
■ 小泉喜美子訳 ジョセフィン・テイ 「時の娘」
■ 天野隆司訳 サマセット・モーム 「昔も今も」
■ 鷲見洋一訳 フランソワーズ・サガン原作 「ボルジア家の黄金の血」
■ 松本清張 「原武史オリジナルセレクション 松本清張傑作選3 時刻表を殺意が走る」
■ 横溝正史 「横溝正史自選集 2 獄門島」
■ 小栗 虫太郎 「黒死館殺人事件」
■ 中井英夫(塔 晶夫) 「虚無への供物」
■ 綾辻 行人 「十角館の殺人」
■ 柴田錬三郎 「われら九人の戦鬼」
■ 江戸川 乱歩 「探偵小説の「謎」:新版」
■ 森谷俊二訳 ボワロー 「詩法」
■ 別宮貞徳+柴田裕之訳 ギルバート・ケイス・チェスタートン
「G・K・チェスタトン著作集ロバート・ルイス・スティーヴンソン 〈評伝篇〉5巻」
■ 小谷真理 「ファンタジーの冒険」
■ 石堂藍 「ファンタジー・ガイドブック」
■ 山口 昌男 「笑いと逸脱」
■ 両角克夫訳 J.M.マリイ 「小説と詩の文体(現代小説作法)」
■ 谷長茂訳 H.マシス 「小説の伝統(現代小説作法)」
■ 米川良夫、和田忠彦訳 イタロ・カルヴィーノ 「アメリカ講義 新たな千年紀のための六つのメモ」
■ 和田忠彦訳 ウンベルト・エーコ 「エーコの文学講義 小説の森散策」
■ 和田忠彦訳 ウンベルト・エーコ「ウンベルト・エーコの文体練習」
■ 小宮曠三訳 ブレヒト 「演劇論:[改訂増補版]」
■ 明田芳久・萩野美佐子・道又爾訳 カーラ・フラナガン 「ワークブック心理学」
■ シカ・マッケンジー訳 K.M.ワイランド 「アウトラインから書く小説再入門 -なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?」
■ シカ・マッケンジー訳 K.M.ワイランド 「ストラクチャーから書く小説再入門 -個性は「型」にはめればより生きる」
■ 浅井雅志訳 ブレンダ・ウェランド 「本当の自分を見つける文章術」
■ 沢田 昭夫 「論文の書き方」
■ 杉野俊子+中西千春+河野哲也訳 T.W.クルーシアス+C・E・チャネル 「大学で学ぶ議論の技法」
■ 瀬戸 賢一 「日本語のレトリック 文章表現の技法」
■ 河野 哲也 「レポート・論文の書き方入門 :第3版」
■ 石黒 圭 「「うまい!」と言わせる文章の裏ワザ」
■ 木下是雄「理科系の作文技術」
■ 木下 是雄 「日本語の思考法」
■ 阿部 紘久「文章力の基本 -簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック」
■ 丹羽 文雄 「小説作法」
■ 佐伯彰一訳 P.ラボック 「小説の技術(現代小説作法)」
■ 白井浩司訳 A.チボーデ 「小説の読者(現代小説作法)」
■ 佐伯彰一訳 E.ミュア 「小説の構造(現代小説作法))」
■ 川口篤訳 F.モーリヤック 「小説家と作中人物(現代小説作法))」
■ 沢崎順之助訳 エズラ・パウンド 「詩学入門」
■ 中桐雅夫訳 W・H・オーデン「染物屋の手」
■ 小林宏明「歴史図解マスター銃」
■ 大大出健訳 ディーン・R・クーンツ 「ベストセラー小説の書き方」
■ 出健訳 アメリカ探偵作家クラブ 「ミステリーの書き方」
■ 中野好夫訳 ディケンズ「河出世界文学全集 二都物語/クリスマス・キャロル/他」
■ 「世界文学全集 26 スティヴンスン ワイルド」
■ 中村能三訳 「宝島」、田中西二郎訳 「ジィキル博士とハイド氏」、西村孝次訳 「ドリアン・グレイの画像」、西村孝次訳 「完本獄中記」
■ 百々祐利子訳 レ・ファニュ 「子どものための世界文学の森 35 吸血鬼カーミラ」
■ 懸田克躬訳 「世界の名著 49 フロイト」
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Vol 3108(2016-08-11)
[2016-03]
ファンタジー扱ってる関連からの派生。原書1851。アメリカ文学研究から。有名処で読まねばとは思ってた
坂下昇訳 ハーマン・メルヴィル 「メルヴィル全集 7・8 白鯨 上下」を読んだ
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結論から書くと辛い所は多い。本筋が飛ぶぐらい説明入る・文がクドイ・視点がコロコロ変わる・白鯨もなかなか出ない
だが上記を差し置いても、やはり魅力はある。遠洋の鯨取りの話。実際に船上生活してるような現実感が出てくる
キャラも良い。この訳ではエイハブがアハブ表記で読み難い所もある・友達になるクィークェグとの数々の逸話は心温まる
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膨大なクドイ文の合間に、光る様に良い台詞も入る。竜涎香を握り手を繋ぎ合う所なんかは、そこだけで一級品
自然や神なんかの壮大なテーマ。結局最後は敵わないのも好感もてる。読み難い本だがやっぱり何かはある作品
[2016-06]
ラノベ扱ってる関連から。原書1929、1952、他は1920-30年代作品。ハードボイルドを比較する必要あり、辞書調べたらこの人の名前が載ってた所から
「世界の文学 44 ヘミングウェイ」
武器よさらば 大橋 健三郎/訳 p3-300.老人と海 福田 恒存/訳 他、短編六本
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有名な作家だが難しそうで敬遠してた。だから逆に驚いた点ある。クドい所はあるが文は簡潔で読み易い。老人と海に至っては鮫バトル物でええっ!?となる
武器よさらばは、筋がもやもやとした所あり少し難しい。だがサルトルなんかと比較すると読み易いし、戦争物でのサバイバルとして考えると面白いとも思う
馬や競馬のシーンがやたら書き込ん出て、もしやと思ったら、やっぱりの競馬好き。闘牛が好きな話なんかも含めて、実際は肉食でバトル大好き系作家とも思う
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世界の思想なんかと同じ型の本。解説も少しついてる。従軍経験・父子で自殺・記者経験・当時の文芸の人に鍛えられた話なんかも文体的に興味深い
短編の名手だったらしくそこらも面白い。文と思想に関しても日本への視線など時期的に目をひく。ちゃんと読んで、ああこんな人かと考え変わった作家
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書血の収穫1929、マルタの鷹1930。この人もハードボイルド代表格の一人。年代的には古い世代
田中西次郎・村上啓夫訳 ダシール・ハメット「世界名作推理小説大系 14」を読んだ
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古典だが、乱歩に退屈といわれてしまった作品。推理小説というよりはアクション物に近いかも。ミステリも実際はジャンルの幅が広い
ヘミングウェイも肉食傾向あるが、今作も同様。ハードボイルドを規定するとリアリズムなのかも。戦争文学なんかと合うのもわかる
陳腐化がしやすいジャンルでもある。実際は人間の内面が重視されない傾向もあると思う。ただジャンルの違いといってしまえば問題は無い
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本作は古い作と言う事で問題点も多い。これ系の話なら全員悪党にした方が合ってる。面子が邪魔して女への気持ちに葛藤起きる最終局面は見所
乱歩は酷評だが、マルタの鷹の歴史の部分や、裏をかき合う人間関係など、面白い点はある。同時期のSFなんかと比較しても発見ある一冊
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。さらば愛しき女よ1940、長いお別れ1954、プレイバック1958。巻末には座談会やエッセイも収録
清水俊二訳 「世界ミステリ全集 5 レイモンド・チャンドラー」を読んだ
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ラノベの十文字青絡みともなる。ヘミングウェイも読んで比較が利く。座談からハードボイルド小説の他の作品もわかる
文体は特徴ある。一人称だが作者の主張も出る文。そして1933デビューだが、近い時期のSFに近い所もある文体と思った
主人公は座談にもある様に超人的な所ある。社会で裁けない犯罪を探り、結果には悲劇も待ってる。展開もシンプルな追跡型
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セリフの冴えが全般で良く、形容も個性ある。相手のセリフに対する対応なんかはタフネス。おっさんが夢中になるのもわかる
なんで人気あるかわかった所ある。ミステリー系でもこういう切り口で個性出せるのねえと。良い機会でちゃんと読めて良かった
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書人の死に行く道1951、アーチャー家の女1961、一瞬の敵1968。ハードボイルド代表格の一人
中田耕治・小笠原豊樹・小鷹信彦訳 「世界ミステリ全集 6 ロス・マクドナルド」を読んだ
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比較対象が存在する状態でのチェックになる。謎は解けても悲劇や皮肉な結果もあるのが、これ系の基本。探偵が謎を追ってく形なのも特徴
社会全体に対する不信なんかも共通要素。遅筆の作家。本人が嫁さんや母親など、女性の世話になりがちも共通項。今作は理屈の部分も強い
精神分析的な考察もこの作家の特徴といえる。発生した事件というより、その背後に何があるかを探っていくという感じかも。ここらは対極な作家もいる
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事件よりも心情の部分に重点を置いて、キャラも大量に出すので短所長所の部分はある。キャラが作り込まれてるかの判断も難しい所がある
他作家と比較しての自分の感想ではぼちぼちといった所。ただ推理小説でもこういう社会風刺に流せるのは面白いと思う。色々と種類もある
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書 死者との結婚1948、913号室の謎1960年代、幻の女1964。訳者が座談で昔の抄訳や翻案に触れてる
中村能三、稲葉明雄訳 コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)
「世界ミステリ全集 4 コーネル・ウールリッチ」を読んだ
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複雑な話。ミステリの型としては特殊ともいえる。死者との〜はゴシック小説にも近い。話が見えてくるのも後半。謎が解けて悲劇と謎が産まれる
913号室はスタンダードとも言える。そうなると逆に物足りなくもある。ホテル探偵と言うのは面白い存在。解説で同一型の使用が触れられてる
幻の女は乱歩が絶賛し、ミステリファン以外にも受けた作。座談から初出の抄訳掲載とダンサーの口絵の話がある。絵の印象も小説では大事
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幻の女本編。謎の女の存在もさる事ながら、主人公の存在や、処刑のカウントダウンと緊迫感ある。そして最後の複数でのオチが待ってる
無駄な部分も多いが、台詞のキレ味・社会・人間に関する考察も鋭い所はある。死者の〜も含めミステリはこういう話も含むんだなと感心した一冊
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書サンダーボール作戦1961、アリゲーター1962、ナヴァロンの要塞1957。座談も収録
井上一夫・平井イサク訳「世界ミステリ全集 13 イァン・フレミング イ*ン・フ*ミ*グ アリステア・マクリーン」を読んだ
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ご存じ007を含む。どれも映画で有名。どう日本で普及したかや、評価も座談でわかる。当初はインテリに受けた作品らしい
今の作と比較すると、ゴルゴなんかが一番近いと思う。難しい所だが、時代が出過ぎて古くなってる他、クドい所もあるなと感じた
型が徹底してるという点もある。故に突っ込みも込みで、パロディのアリゲーターも成立する。話全体の作りは今でも通ずるという事
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ナヴァロンの要塞の方も今読むと辛い所はある。戦争も込みで時代の共通の単語を含む。ただこちらも話自体の作りは参考になる
古く感じると言う事は、時代がちゃんと先に進んでるともいう事。今も読めると言う事は型は固定という事。資料としても残る作品と思う
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1975、完全版は82。直前に読んだスパイアクションが面白かったんで期待も高まる
ジャック・ヒギンズ 「鷲は舞い降りた:完全版」を読んだ
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一応元ネタになった事件はあるらしい。予備知識を必要とする点で難易度高くなる。戦争の話でもあるんでタイプ的には古い所ある
戦争も絡むのと、作戦自体に無謀な所あるんで、厳しい部分は多い。軍事系の人なら好きそうだが、そうで無い自分には興味も薄い
台詞の冴えは凄く良い。解説にもあるがキャラも作戦を疑問視するなど等身大に描いてる。敵中での道中物としても伝統ある型
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最後のオチの部分も一ひねりある。スパイ物もどこに比重を置くかで変わってくる。冒険小説としても考えられる話もあり納得
スパイ物として読んだので、見方が少しズレた所あるかも。戦争を背景にして、こういう話も作れると言う点で良い参考になった
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1971。読みだしたら止まらないとかのコピーは自分は信じないが、今作は違った。予定変えて読みこんでしまった
篠原慎訳 フレデリック・フォーサイス 「ジャッカルの日」を読んだ
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暗殺を巡る攻防戦の話。直前に古い型のスパイアクション読んでたので圧倒されてしまった。リアリティはいかに出すかの教科書にもなる
キャラの作り込みも抜群。行為は悪なんだが、そこに至るまでの経緯や行動をしっかり提示。犯人の素性も詳しい所は上手く謎にして面白い
準備段階も面白いが、攻防戦に発展してからも良い。それぞれのキャラの行動原理みたいな形で、作者の考えも上手く出せてる
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スパイ物の隠密作戦とハードボイルドの思想が上手く融合したのが、この段階でのスパイアクション。時代性なんかも古い作と比較できた
同時に政治へのアプローチなど共通項もある。読者を引っ張ると言う点でも上手さを体感。最後のオチの倫理観も含め、本当に感心した一冊
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1939、1940、1970。構成の巧みさを考えるにはミステリーだろうと考えた所もある。ネットでお勧め作家調べてチェック
「世界ミステリ全集 1 アガサ・クリスティー」
そして誰もいなくなった 清水 俊二/訳、愛国殺人 加島 祥造/訳、フランクフルトへの乗客 永井 淳/訳
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自分がミステリー苦手という事もあった。有名な作品も含むが読むの初。完全にミステリーに対する評価が覆った。面白く感心
1920からデビューと長く活動してる事も驚きの一つ。有名処だと名探偵ポアロなど。巻末に対談がつき、小林信彦が乱歩の高評価と共に絶賛してる
表題作は、今だとパターンとして定着してる所もあるが、実際に今読んでもビビる。伏線やミスリードの張り方が秀逸で、思わず二度見してしまう出来
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愛国殺人はポアロ物、最後のは80才の頃の作品。叙述トリックなんて変則攻撃も使う作家で、最後の作は前書きの創作逸話までもが作品に組み込まれてる
思想的な事までも組み込める。TVなんかで映像化するとヌルくならざるを得ない所もあるが、ミステリ作家が得意な自分で場所で戦ってると凄いんだなと
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1926。別名アクロイド殺し。推理小説でも有名なトリックを最初に使った作とされてる
アガサ・クリスティ 「アクロイド殺害事件 :新版」を読んだ
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案内から読んだので、トリックも犯人もわかってるという惜しい見方になってしまった。結果的に攻防戦として読んだ
ポワロ物。ポワロはホームズやマーロウみたく押してくタイプで無く、焦れる所ある。ここらが自分がミステリー苦手な理由かも
最後の謎解きに至ってから落としてく所は、知ってはいたけど感心。何気に書き方なんかも意図して変えてたりする
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前書きにもあるが作家的にも連発は出来ない奇襲攻撃的なトリック。今だと類型も多い。書き方が特殊なだけで、充分アリな手
類型で幻想系やSFまでも話の広がる面白い一本。前述通りでこっちが見る上で不備な点はあったが、読んで良かったと言える一作
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[2016-06-19追記]絶妙のタイミング。TVシリーズポワロの本作映像化版を見れた。ポワロが残された手記を読んでいく、という形で展開する
一時間四十五分で原作とは異なる展開も含む。小説ならではの手法で難しい所。だが、手記が誰の物かわからないので、伏線にはなってる
最後はアクション。犯人がバレた後、暴れ出す展開だとアクションにも出来るのねえと。変則だが型はしっかりしてるので、変換例の参考になった
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1932。20半ばに活躍したタッグ推理小説家になる。内容と共に当時の状況もわかるのも面白い
宇野利泰訳 エラリイ・クイーン 「Yの悲劇」を読んだ
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解説にもあるが海外で評価が低く、日本で評価が高い作品。故にこれは辛いなあという部分もかなりあった
それはともかくアイデアは面白い。終盤近くのアレが出て来てからの結末も驚き。作家がタッグを組んでる事とも関連してるかも
継承の要素がある所が日本読者を引き付けるんかなと。これも解説からだが、動機の部分をどう取るかで評価も変わる
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家族内での事件なんでミニマム。だが、他国にも置き換えしやすい話と思う。自分は入り組ませ過ぎた部分も多く感じぼちぼち
国内と海外で評価が違ってくるという点でも参考になった。Xの悲劇からの引き継ぎ要素もあるらしいので、また機会あれば
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1986連載から1892、1894。お馴染みホームズだが、原作ちゃんと読むのは今回初
阿部知二訳 「世界文学全集 76 コナン・ドイル 1 ホームズの冒険 回想のホームズ」を読んだ
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大昔の話と、作家の特性でクドイ部分もあり、今読むと辛い所はある。それを差し引いても感心する所の多い名作
一人称形式ながらワトソン視点なのも注目点。超人ホームズの無敵ぶりと共に、作家自体の冴えた名言も光る
アイデアも今となっては古い所あるが冴えてる。バラつきがあるとは言え、そういう事かと驚かせるラストに持っていく
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うちのサイト的には銀星号事件。他にも当時の馬丁などの様子が記録されてるのも良い。兄のマイクロフトとかも知らんかった
ホームズのキャラとしての魅力も十分。探偵物の初期にこういうのを発明出来た業績はデカい。ちゃんと今でも面白い作品
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1935。伝説級の作品は噂ほどじゃない場合もあるが、今作は噂に違わぬ面白さ
加賀山卓郎訳 ジョン・ディクスン・カー 「三つの棺 :新訳版」を読んだ
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話自体は物凄く入り組んでる所もある。つまりこちらを様々な情報で振り回し、最後に一気に収束させる様が凄まじい
解説にもあるが白眉は密室講義の項。今作は推理小説としても少し変わってる。メタ的な部分も理屈通ってる。こういう事も出来ると驚き
話が一気に収束に向かうのも講義後。実際は無茶な所もある話なんだが、前フリを徹底させてるので、ありうると納得してしまう
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話的には密室殺人になる。全編にわたる、全然関係なさそうな要素まで、しっかり最後にまとまる所はまさにパーフェクト
物語全体で見ると弱い部分や、辛い部分もあるが、一点集中でずば抜けてると凄いと思えると感心。読んで良かった一冊
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書赤毛のレドメイン家1922、ブラウン神父物語1911〜1935の短編群。月報で訳者紹介附属
宇野利泰、田西西二郎訳 「世界推理名作全集 4 フィルポッツ/チェスタートン」を読んだ
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チェスタートンは以前に評論でお目にかかってる。解説から両者共に文学出身のお方。後者は短編集という事もあり、共に微妙
文学・古典の中にもミステリ風味なのは見つけてた。それゆえ、今作を読んだ事でミステリが実際は幅の広い作品群と発見した
内容的には微妙ではあるが、視点を変えると面白い。前者は思想的な部分、後者は人間の観察の部分で優れている部分がある
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同時に何がミステリ単体で見た時に障害となるかもわかる。一言でいうと両者とも話以前に、自分が前に出過ぎてる。参考になる
発表時期が探偵小説勃興期という事も関連。他の作品との比較も面白い。今では古いが、極端な分どう発展したかの点でわかりやすい
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1951。海外では大絶賛。日本だと割とよくある形の話。中華の歴史書なども連想。悪い方向に日も影響うけてる
小泉喜美子訳 ジョセフィン・テイ 「時の娘」を読んだ
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悪とされるリチャード三世の無実を晴らす話。ミステリはこういう幅の広い話出来るんだと感心。日本だとこれ系は歴史小説でお馴染みの手法
遠回しに教科書の嘘を見破ってる。中華は伝統的に、歴史は後世勝手に作っていいもの。中華に近い日本だと割と当たり前気味な話になってしまう
乱歩が絶賛。ずっとベッドで動かない。探偵としても特殊。一枚の絵の直感から、証拠を集めて解読してくのは面白い所ある
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向こうだとこういう視点の作品はあんまないんかなと。かわりに陰謀説とかは大好きねと。視点が未来に向いてるか、過去に向いてるかの違い
キャラも結構印象に残る。単独の小説としても、飽きを感じさせず良い出来と思う。ミステリ調べていくと特殊なの作も含まれるとわかり面白い
[2016-03]
原書1946。これが初めての翻訳仕事にになる人の作品。モーム作でも低評価と暗雲立ち込める
天野隆司訳 サマセット・モーム 「昔も今も」を読んだ
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ルネサンス期の伊を調べるという目的から。勉強してる作者とあるが難しい
主役はマキャベリィ。それがチェーザレの所に特使に行く内容。しかし、本筋は散らかった所ある
登場人物に関連するネタはあるが、浮気の話が主。この状況設定でやる話かと疑問
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歴史ネタは難しいなと言う印象。史実と絡めた小ネタはあるが、大きく何かが動く話では無い
モームこれが初だが当たりが悪すぎ。もういいかなと言う印象。落語の人が参考にするのは少しわかる作風
[2016-03]
原書1977。TVドラマ用の脚本をサガンが書いて、それをノベライズ化したのが本書
鷲見洋一訳 フランソワーズ・サガン原作 「ボルジア家の黄金の血」を読んだ
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チェーザレ・ボルチアに関する資料から。妹のルクレツィアが裏で糸をひいてたな内容
マキャベリィからこの人知って調べた。創作の題材にもよくなってて魅力あるのねと
事前に概要がわかってたら良かったが、知らないとわかり難いかなという点はある
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シーンが次々と入れ替わる作り。TVドラマらしい。天下をとりそこねる人の話でそこらも良いのかなと
無茶苦茶脚色はしてないが、そのせいで普通すぎる所もある。まあ参考資料の一つとして
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。1958点と線 1956顔等を収録。有名な作家だがちゃんと読むのは今回初。作者履歴含め発見多い
松本清張 「原武史オリジナルセレクション 松本清張傑作選3 時刻表を殺意が走る」を読んだ
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原武史は思想関係の人。清張自体朝日の記者出身で、直木賞候補、芥川賞受賞者。後に政治・思想系に流れ、実際は特殊系作家
ちょうどハードボイルド調べてた事とも一致する。自分の見解では、表題作観る限り、この人の作風はそれに近い。新聞記事の様に事実を強調
解説もつく。点と線は発表時は人気が出ず、作者も納得いってない作。実際、凝り過ぎな所あるし、凝り過ぎた分、細かい部分の粗も目立ってしまう
.
思想系の人とは思わなかったんで、そこらは発見。評価基準も時代地域でズレるんで難しい所はあるが、文体的には面白い作家と思う
電車ネタとかも含めて、時代性考えると新しい事は沢山してる。評価が固まってる大御所系の作家は扱いも難しいなと
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。1947発表。別メディアへの置き換えが多いが原作は今回初。資料からジュブナイルもしてたのは面白いなと
横溝正史 「横溝正史自選集 2 獄門島」を読んだ
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[そして誰も〜]を読んでた時期なのも好都合。映像化が多い作家だが、それもわかる所ある。ホラー風味だがご飯食べられたとか変に笑える所もある
孤島で殺人物だが、連絡つく状況に持ち込んだのは今見ても感心。金田一は狂言回し的な立ち位置なんで、あれあれ?と思う所が無くも無い
予告通りに展開が進むのは元ネタにもあるが、その後の作でも使用。言葉の置き換えもトリックだが、この人は言語センスなんかも結構イカしてる
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前述通りで殺しがユニーク。その部分で滑稽と思える部分もある。コントとかユーモアへの評価もあるらしく、なるほどなあと
対談付き。ディクスン・カーが小説スタイルを変えた事への感心や、嫁さんのアイデアにツッコみ、後に採用も、人となり出た面白い話
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。1934刊。1956の版で読んだが、当時の文章そのままで、内容とも合わせて読み難い
小栗 虫太郎 「黒死館殺人事件」を読んだ
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日本探偵小説史上の三大奇書の曰く付きの作品。読んでみて、ああそりゃそうだと。もし、最初にこれ読んだら、以後ミステリは二度と読まんと思う
芸術系の人には受けが良いのもある意味わかる。哲学書系列のアカン奴に近い所もある。頭の良い人がやってしまいそうな小説
ルー大柴を彷彿とさせる横文字連発のルビ群。本文とほぼ意味も関係も無い謎知識の披露。変な勢いだけはある
.
横溝正史なんかは関係あるとしてる。これもそういう系のネタは多く、わかる所はある。ボケで無く真性であっちの世界へいってるお方
変な方向に振りきってるという意味では、見本として面白いとも思う。それなりに意味が通じてる点でも、頭がアレなお方の作品と異なっている
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。1964刊。日本探偵小説史上の三大奇書の曰く付きの作品。直前に黒死館読んだので、ある意味楽に読めた
中井英夫(塔 晶夫) 「虚無への供物」を読んだ
.
乱歩賞に送ってボツ食らった作品。そりゃそうだ。ただ、黒死館に比べるとまだ作品になってる。これ系は類似作もあるので、系統としては難しいが無くも無い
最初にどういう方向を目指そうとしたかも、おおまかには見えてくる。ミスリードを誘うネタもミステリファンなら楽しいと思う。そこから盛大にぶん投げた話
元々は詩の人みたい。詩の人はやっぱ駄目。分野を広げSFまで持ち込むと、似た作品はあると思う。また、これ系の現実と幻想がごっちゃ系も、キャロル等である
.
やっぱりミステリとしてはアウトかなとも思う。真面目なお客さんだとキレられても仕方ない。特殊作家だが、その作風を後に上手く活かせたのも面白い
読者にトリックを仕掛けると言う点で、ミステリーはヘンテコなのも出やすいのねえと感心。アウトなのはわかるが、近年の作で伝説になったのも偉い所
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。1991刊。これがデビュー作。ちょうど、そして誰もいなくなったを読んだ頃でグッドタイミング
綾辻 行人 「十角館の殺人」を読んだ
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有名なんで知ってると思うけどネタバレは避ける。元ネタと同じ展開になった所で、更にもう一撃加える所でなるほどと
本人のあとがきもあるが、確かに上手く作用してない箇所もある。それでもラノベ並みに読み易い文や、過去名作リスペクトと個性出せてる
ミステリの構成を研究する意味でも読んでた。手札を見せつつも隠し、最後にもう一度確認させたくなる方法は上手いなあと
.
ずっと携帯は使えんのと思ってたが、発表が91年の普及前でなるほどと。ミステリも技術の発展で古くなる所はあるのねえと
解説なんかも含めて、当時のミステリ業界の状況もわかる。全体で見ると難しい所もあるが、大変面白かった
[2016-06]
1965刊。野田昌宏が大絶賛の本。但し、流石に古典の域に入る作品なんで、いま読むと辛い所も多いかも。一応娯楽作
柴田錬三郎 「われら九人の戦鬼」を読んだ
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十三人の刺客を思い出した。あれは1963。更に七人の侍は1954。伝統として水滸伝・忠臣蔵・真田十勇士等もある。これ系としては後発
更に思い出したのが史記等の中華文芸。各人の逸話で構成されてる加減。今の作品と比べると、整理されきらず印象ぼやけてる所もある
最後の敵がパッとしないのも惜しい所。これも前述の先行作と似通った所がある。敵や悪は誰なのかという、観念の発達は最近からとわかる
.
自分は日本の本はあんま読まない。それが情報密度の違いからとわかった。これは欠点では無い。今作も今のラノベの様に読み易い文章
台詞も輝く所がある。また個人逸話に関しても、短く印象に残る話になってる。!多用やバトル描写もそれ以前の作との比較で、参考になる
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1951。手塚先生も物の考え方や説明が天才的だが、この人も同じ。読み易いし納得いく説明
江戸川 乱歩 「探偵小説の「謎」:新版」を読んだ
.
大量の作品を読みこんでの類別トリック集成。本書はそれにまつわるエッセイも付属して、よりわかりやすく個別に解説したものになる
推理小説の舞台裏の話にもなる。同時に推理小説がどう発展していったか。分類の形になるが、読みこみと区分けも抜群に上手い
作者自身の性格もよく反映。こんなに面白い物なのかと共感できる。また推理小説と言えば動機も付き物。これも人間心理の研究になってる
.
作品作りの背景もうかがえる。それが何故なのかまでは進んでないが、例は具体的。今読んでも魅力あるし、充分発展の余地ある良い資料
怪奇な事やバカバカしい事が大好きとわかるのも面白い。乱歩は凄いし、面白い人なんだなあと感心。探偵小説に興味なくても楽しい一冊
[2016-03]
文の書き方勉強する為に+ファンタジーからの派生。原書1674。古代から今を繋ぐ技術論
森谷俊二訳 ボワロー 「詩法」を読んだ
.
イタリア伝統演劇の三単一の法則等に触れた本。今は俯瞰で見れる。単に歴史の一コマでしかなかった理論
批判から入ってる。その理由もペローの兄貴に手術を失敗された恨みと、ズレた所ある
廃れた理論だが、当時の風潮、及び今もある批判なんかの類似から、人が変わらない事はわかる
.
今も三単一の劇はある。芸術寄りの人が参考にするには問題無い。今から見ると単なる理論のバリエーションの一つ
理論で伝統化して批判合戦と、あんま芸術っぽく無いなとも思う。昔の作品の作りの参考にはなる
[2016-03]
アメリカ文芸調査からの派生。原書1927。スティーヴンソンの検索候補でこれが出てきた
別宮貞徳+柴田裕之訳 ギルバート・ケイス・チェスタートン
「G・K・チェスタトン著作集ロバート・ルイス・スティーヴンソン 〈評伝篇〉5巻」を読んだ
.
スティーヴンソンの評価サンプルとして読んだ。ただ同世代の人間で、視野が限られる所はある
チェスタトン自体が誰なんだという所ある。調べるとミステリーで有名な人らしい。海外で映像化作あり
スティーヴンソンを擁護はしてる。どっちかというと大衆的な作品群なんで、当時としても批判はあったみたい
.
最後にそのチェスタートン自体に対する批判がある。こっちはエリオットやショーと有名。そっちの方が説得力ある
ショーの批判も踏まえ、思想的な違いでの対立かなあという所はある。当時の評価の参考材料
[2015-10]
ファンタジー扱ってる関連から。98年刊。90年代のザ・スニーカー・SFマガジン・ユリイカ等の文が元になってる
小谷真理 「ファンタジーの冒険」を読んだ
.
大森望と30年以上の裁判沙汰含む闘争を展開。日本SF作家クラブの内部闘争をおこした人物。印象は悪い
下記の人に比べると公正かつ綿密。海外と日本のファンタジーの歴史を19C後半から追い、流れが一目瞭然
上記の闘争とも絡む。フェミニズムと自勢力のシンパ作品への偏重がある。研究者として公正欠き問題ある
.
ラノベ・ゲーム等は専門外で扱っていない。20C後半からの許容や発展と代表作も各種挙げられてる。歴史問題は難しい例
表を作ったとの事で、それも見てみたい所ではある。ファンタジーは範囲広い。日本は公正な資料は少ないが参考になる
[2015-09]
ファンタジーからの派生。03年刊。とりあつかってる作品量は多いがそれだけ。正直お勧めは出来ない
石堂藍 「ファンタジー・ガイドブック」を読んだ
.
個人の主観が入り過ぎている。公正とは言い難く、日本の文芸批評は馴れ合いと自己顕示が目的かと頭が痛くなる
人気作と派生して漫画の批判がある。主張に正当性は感じられなかった。歴史的な分類や年代での評価も出来ない批評家
季刊幻想文学の編集長。他ジャンルの営業妨害とも思える。東雅夫とも関連があり、怪談文芸と共に不信感を感じる
.
感想文レベルで考察等は無い。日本では大学等での研究も無いと思う。公正な評価はそもそも出来ない風土なのかなと
上記SFの抗争と共に考えが変わった。現状や過去資料でも、実例は目立つ。色々と不信感持つ原因になった一冊
[2015-06-24]
山口 昌男は過去レヴィ=ストロースから辿ってる。妖怪の小松先生の師匠筋にもあたる
山口 昌男 「笑いと逸脱」を読んだ
.
怪連載の小松先生のエッセイも参照。この人の民族学での立ち位置はどこか掴み兼ねてる点ある
相撲をしたと言って怪で批判されてる。権威に近い存在との論戦もある。つまり中心から外れた人といえる
そこで、研究が道化に至る事に納得。エッセイ集。だが、この人の思想は全体でもよく出ている
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笑いが権威の外にいるという話。また前述の相撲への興味。十二夜等の演劇への関心も書かれてる
思想的にもレヴィ=ストロースに近い点ある。視点が違う人。なので、切り口は今でも刺激がある
[2015-05-23]
ちゃんと文の書き方勉強する為。日本語の現代の文と比較し、外国とは違う事の認識も必要
両角克夫訳 J.M.マリイ 「小説と詩の文体(現代小説作法)」を読んだ
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シェイクスピアとかもサンプルに挙がってて話にもついてける。だが、昔の訳で日本と状況違う事も頭にいる
感性の人のワーズワスが後年理論にとりつかれた事の批判が印象的。詩と文章は違うんだなと
シェイクスピアに関しては暗喩と繋がり物の見方が違うという見解を最近の本で見たが、それとも一致する
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同じものを見ててもわかる方法での別の言い方に置き換えを重視するが、日本の文だと通用するかは難しい
だいたい日本だと訳になるから意味合いや語呂合わせも異なると思う。ウィット利いた会話はどこでも利口にみえる
[2015-05-23]
ちゃんと文の書き方勉強する為。第二次大戦が終わった頃の話。古い部分もあるが今に通じる所もある
谷長茂訳 H.マシス 「小説の伝統(現代小説作法)」を読んだ
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古い作品の重視と当時の新しい作品の賞賛と今ともかわらん。悪い作はけなすがそういうのも人気は出てるので難しい
私小説をボロカスに書いてるのも面白い。ここらも東西で違いはある。一方でラディゲへの絶賛は読みたくなってしまう程
だいたい状況的にも批判傾向ある仏の本で、芸術よりの人だから大衆向け作品は批判がちという所も検討する必要ある
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批判してる部分にかんしては逆に冷静な分析。褒めてる所に関しては、芸術より作品の分析といった所で受けとりも難しい
こういう問題に関してもあたらしい事いってる様で実は繰り返してる部分もありそうなんで、離れてみたら面白いかもしれない
[2016-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。原書1988。エーコの講義にも、敬意を持ってあげられてる。イタリアの国民的作家
米川良夫、和田忠彦訳 イタロ・カルヴィーノ 「アメリカ講義 新たな千年紀のための六つのメモ」を読んだ
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講義草稿途中の文も含む。文学の人に属するかもしれないけど、ちゃんと読み易い文。最近の人であるのも良い
ジャンルが広く、SFなんかもこなす。民話と神話からの分析もあり。他書籍の分析とも比較して読むと、更にわかりやすい
軽さ・速さ・正確さ・視覚性・多様性を重要とする。視覚性でわかるが現代を意識。子供の頃の漫画を使った、遊びの逸話も出てる
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例外はある。だが、文の方のベストとされる技術は、わりとどこでも共通してる。小説の中でのリアルに関しては、エーコも述べてる
定義を最初にしっかりしとくのは、科学の方法にも近い。基本のベストの方法はあるし、訓練でも身に付くが、そこから抜きんでるのが難しい感じ
[2016-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。原書1995。先にこの人の本も読んでる。今作大学の講義用なので読み易い。更に分析もしっかりしてる
和田忠彦訳 ウンベルト・エーコ 「エーコの文学講義 小説の森散策」を読んだ
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今作は特殊な作品をサンプルに構成に関する研究もあり。調べたかったので納得。作者が読者にどんな風に読ませたかってるかわかる
ヒット・カルト作の条件分析もあり。これも構成が関わってくる。物語が現実に対してどういう存在になるかや、何故、人は物語を読むのかの話
更にナチス調べてた所とも関連。物語が現実に浸食する良い例と悪い例。複雑な現実に筋道を与えるのが物語の効用の一つ、という事になる
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扱ってる作品例に俗なの含むのも良い。物語の中のリアルの話なんかは今の作品にも繋がる。ここは最初のターゲット層は誰かの話と関連
外国の人なんで、日本の作品群と比較するのも面白かった。言われると納得する話だが、それをちゃんと説明できるというのは凄い事
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為、のはずだったが これ文体パロディ小説となる
和田忠彦訳 ウンベルト・エーコ「ウンベルト・エーコの文体練習」を読んだ
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論文の書き方というちゃんとした本もある。普通の文も書ける人が作ったおふざけ文
レヴィ=ストロースのパロディは自分は納得。西洋を未開として逆転させたギャグの話
向こうの文化圏で知られた本が対象でむずかしい点もあるが、バカバカしさは伝わる
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有名本のパロディ批評なんかはわかりやすいし面白い。ひとつの物を別視点でみる内容
別書も見てるが、頭よい人が捻って作った内容。名声ともあわせてこの人ならではになってる
[2015-05-23]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。かの有名な異化効果の話。日本の作品はそれが出来てるとも書いてて難しい
小宮曠三訳 ブレヒト 「演劇論:[改訂増補版]」を読んだ
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20世紀初頭から中盤に活躍した人。今は古く、海外に憧憬もある人で、現状も通じるかは疑問
異化効果を簡単に説明してる。具体的なテクニックも扱い。見慣れたものを異化する
そのための演技方法や演出プランにも触れてる、当時の一般的な演劇が前提のバリエーションとも見れる
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同時にその当時の演劇に関する批判もある。他方、それに対する憧れも出てる文で複雑な所あるお人
三文オペラだけ読んでる。あれの突然ミュージカルになる所も いま考えると狙ってやってたのかなと
[2015-12]
原書1998。心理学の勉強してる学生の為の本。実例も上げた手引書。レポートの書き方例も付属
明田芳久・萩野美佐子・道又爾訳 カーラ・フラナガン 「ワークブック心理学」を読んだ
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最初が依存症の治療の実例で興味深い。後は統計や実験の取り方など。実践的な心理学の勉強法
実際はどういう勉強してるかわかる。また、どういう手順をとり、どう発表するか等の手の内までわかる
他の人も試せる内容で客観性とるという事。古い本も読んでた加減で、ちゃんと科学してる印象
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参考文献もちゃんと補足。訳あるのに抜けてるのもあるが、こういうのは勉強に役立つ
附属のレポートの書き方と推敲チェックリストも違う分野に適用させれる。薄い本だが発見多かった
[2015-07]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。ちょうど図書館で学生の感想文特集。そこで目につき借りてきた
シカ・マッケンジー訳 K.M.ワイランド
「アウトラインから書く小説再入門 -なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?」
「ストラクチャーから書く小説再入門 -個性は「型」にはめればより生きる」を読んだ
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映画技法のフィルムアート社の原書13年の本で新しめ。ただ筆者はベストセラー等の実績はなし
これ系の本はまとめて読んでるが、どうも考えが固定されつつある。これは日本だと危険な兆候
現にこれに当てはめて自分も評価はじめてて危険。ただ、まとめとして読むと読み易く良いと思う
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あくまで米の方法論。他書との比較で太古の考え継承してるとも思うし、映画と小説は別とも思う
アウトラインの組み立ては普通の文にも使えてしまう。型にはまりやすい人は注意いるが、型の文書くには適切
[2015-07]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。ビジネス関連の企業家愛読書から発見。凄く特殊なタイプ
浅井雅志訳 ブレンダ・ウェランド 「本当の自分を見つける文章術」を読んだ
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最初に書くとこれは金儲け用の文を書く方法では無い。筆者も無名で高名な弟子もいない。有名作家の引用はあり
普通の文章術とは真逆の考え。かといって一笑する内容では無い。非常に考えさせられる所ある
この人の方法論で、それまで文を書いた事ない人・自信を無くした人・形式にこだわる人が書ける様になってる
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自己啓発本に近いのかもしれない。ただ文章術は、それで飯食ってる人が書くのが基本なんで、斬新
人に見せる必要ない日記や、誠意が必要な親しい人への手紙には有効的。視点が普通と違う事含め、何かはある
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。77年の本で今も通じる部分がある。作者の主張が強い所もあり
沢田 昭夫 「論文の書き方」を読んだ
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論文は海外の文法ルールに従った方が良いという話。どういう手順で書くかで、文体自体には触れない
海外の議論の方法の本も読んでる 論文はそれにも近い。何を言いたいかや、その根拠をはっきりさせる
資料調べに関してカード方式のアイデアも出してる。資料をどう調べるか、引用するかも論文では重要
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西洋的な考えの文章法ともいえる 相手に明確に意志をつたえる。同時にどう読むか等にもふれる
文章の具体的な作り方は、別の本の方が詳しいと思う。だが全域の話題を幅広く扱ってるので一望に便利
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。議論ははっきりと主張する海外が優れてる 日本人の議論は問題多いと思う
杉野俊子+中西千春+河野哲也訳 T.W.クルーシアス+C・E・チャネル 「大学で学ぶ議論の技法」を読んだ
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具体例をあげながら、議論をどう扱うか分解。これは相手の話をよく聴く事につながる その点でも発見は多い
まずは読む事から、それもどう読めばいいかわかる。そして主張する事だが、これは論文の作成法にも繋がる
相手をいい負かす技術では無い。新しい発見や合意点を探すのが目的。その種類に関しても最初に分析
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議論は暴力を拒否する物という考えも良い話で納得。自分が何を考えてるか、はっきりさせる事にもつながる
キング牧師の説得の分析他、サンプルも難しい話を刺激的に扱う。Mrスポックが訳でスポック博士だったのが個人的に面白かった
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。これ系はわかりやすさの対極にあり、難しい所もある
瀬戸 賢一 「日本語のレトリック 文章表現の技法」を読んだ
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海外でもレトリックというのは当然ある。具体的には意味をぼかしたり、別の物におきかえた暗喩など
30ものパターン例を出して紹介。こんなに多いとは思わなかった。若い人向けの本で文も読み易い
ただ、使いこなすのは難しいというのも自分の意見。同時期に論文の文章法の本を読んでたせいもある
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西洋の文は起承転結でなくて起承展結だという話も納得がいく。意味を強めるが、わかりにくくするものも多い
だがここは日本なんで効果的に使えば威力はバツグンとわかる。例文は小説からでそれも上手く選んでる
[補足-2016-08-11]
こういう分類は実はタネ本ある。日本の技術論は他の資料を少し変えて写したのも多い。難しくなるのも多く、駄目だなあと
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。薄い本。上手くまとまってるので入門にはいい
河野 哲也 「レポート・論文の書き方入門 :第3版」を読んだ
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先に読んだ海外の議論の方法を訳した人の本。既出の本の内容をまとめなおしたといった所
こういうのは一次資料読む方が良いと自分は思う。巻末に参考文献のリストあり
大学で初めてレポート書く人が対象。そこでの問題点は論文の書き方を学ぶ機会がないという話
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論文ははっきり物いう海外の考えに近い。今は海外も近いし、何より自分の意見ちゃんというのは大事
資料の調べ方など、具体的な方法論ものってる。ネットの使い方なんかも載ってるのが最近の本らしい
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。真剣に考えてくと凄く難しい問題
石黒 圭 「「うまい!」と言わせる文章の裏ワザ」を読んだ
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定石とそれを崩した裏ワザの例を章ごとで記載。定石は論文、裏ワザは小説などで使われる方法
言いたい事をきちんと伝えようとすると定石が良い、だがそれを越えようとすると裏ワザになってくる
自分もどの頻度で使いこなせば良いか結論は出せない。しかし、例がたくさんのって実用性は高い本
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内容的には先行して出てる文章法で見られるのもある。ただ「てにおは」やカナ表記と基礎や、新発見もあった
文章論は学問の一ジャンルでむずかしい。すべてが適用できるわけではないが勉強にはなる
[2015-05-20]
ちゃんと文の書き方勉強する為。アマゾンのこれ系書籍で上位に入ってたので借りてきた
木下是雄「理科系の作文技術」を読んだ
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論文を書くための文章の書き方。具体的にわかりやすく、はっきり書く事が要求されてる
参考にしたのは海外の本。方法論確立されてる。勉強法の違いもわかる。雑多な資料をまとめるレポートにも役立つ
元々日本人がもってる、あいまいにしたがる部分は、論文では駄目なんだなと。考えをはっきり持つ必要がある
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その考えをまとめていくメモの取り方や文章の組み立て方を紹介。説得力ある文の作りが何かがわかる
[である]やひらがなの変換など、文章作成の具体例もあり。考えをはっきりと持つのは普段の生活でも大事
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。これは先によんだ 理科系の作文技術の人の本になる
木下 是雄 「日本語の思考法」を読んだ
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内容的にはエッセイにも近い。ロドリゲストでの文も読んでる。それと重複した部分もだいぶある
この人の考えは一貫してる。だが、これは後年に出た本。なので和式と洋式の中間位置を目指してる
ロドリゲストでの文系の考えの発展版もある、これは文を押さえた上で、より納得する内容になってる
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ロドリゲストは誰が書いたか不明の文中心だった。しかし本棚の整理の話など、やっぱこの人かと
最初に書いた様にエッセイではある、しかし新しい見解や、単純に読み物として面白い点あり読んで良かった
[2015-05-20]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。アマゾンのこれ系書籍で、上位に入ってたので借りてきた
阿部 紘久「文章力の基本 -簡単だけど、だれも教えてくれない77のテクニック」を読んだ
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国際的なビジネスやってた人の書いた本。タイトル通りに具体例を示して文の書き方を示してく
他所とも共通するが話し言葉と文は別物。海外の影響を感じる。文法を意識するも、外国語を思い出した
簡単・簡潔・簡略が軍隊でのモットーであったと思うが、結論から先に言う事など含め、これも同じ
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大事なのはどう正確に伝えるか。ここらは日本的な価値観とは異なる。ただ表現としては効果的
何を言わんとして結果的にどうしたいのか考えとく事も大事なんだなと。句点も以前の本と比べ、具体的だった
[2015-05-18]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。58年刊で凄く古い本。だが今と共通する点も多く、凄く良い
丹羽 文雄 「小説作法」を読んだ
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自作をサンプルにいかに小説を作ってるかの話。文学系の人なんで全てが適用出来るかは難しい
ただ、自分の心の奥をどこまでも見つめて晒していく姿勢や、細かい作業手順を整理して書いてる
書き出しや終わりなど他の人の例もひく。最近の本とも比較し、迷う所はいつの時代も一緒と感心
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未だ小説を書いた事の無い人の為の、投書に答えて添削する形での実践編も存在。これも実に良い
相談の何で迷うのかが、その人の習作より面白い。それに誠実に読み易い文で対応する所も好感持てる
[2015-05-19]
ちゃんと文の書き方勉強する為。原書はいつかわからんが訳は57と古い。しかし内容は濃い
佐伯彰一訳 P.ラボック 「小説の技術(現代小説作法)」を読んだ
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内容で無く技術的な事に焦点しぼり分析。扱う本は古いが各所比較しいかに発展していったかを記す
芸術寄りの書籍を上等とする考えだが、過程でそれ以外の本も分析。一人称の発生と使い方等にも触れる
主題がいかに扱われるかにも意味を置いている。優れた本は世界・心理共に、本文以上の広がりを想像させる
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手厳しい意見もあるが、登場人物の心理描写の優れた作は何故かを、作品の技法的な部分からも分析する
評価自体が他の芸術と比較しても難しいが、絵画との比較など刺激に溢れている一冊
[2015-05-19]
ちゃんと文の書き方勉強する為。1957刊だが20世紀初頭の仏の評論に影響与えた本と書かれてる
白井浩司訳 A.チボーデ 「小説の読者(現代小説作法)」を読んだ
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表題以外の話にもふれ小説に関する論文と言える。古い本の感想になってる部分もあるのでぼちぼちな点も
評論を専門とする人なのでそれが実際はどうなのかと、批評家はどうあるべきなのかも示してる
内容に関する感想と、技術的な所がまだ混合してる様な所や、国による評価と文芸の変化などもとりあげてる
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表題の論文は興味深い。実際の読者が女性や少年である事を示して、冒険小説はどういう作りなのかの分析もある
扱ってる作品が古いという点はある、が今でも発見できる所や共通してると思える所は多い。参考になった
[2015-05-19]
ちゃんと文の書き方勉強する為。先のP.ラボックの本を受けての書籍となる
佐伯彰一訳 E.ミュア 「小説の構造(現代小説作法))」を読んだ
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今として見ると分析としては手緩いと思える点もあるが、ジャンル毎に作品をわけてその作りを分析している
読者の願望との一致・合理性の無視・安全な冒険・欲望や犯罪を犯しその責めからは免れたい願望など
芸術に位置する人。なので大衆的な作品は否定してる分析は説得力はある。同時に重視する性格小説の分析も良い
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冒険が出世に変換された話や構成に関する話など。扱う品は古いが現代の作品と通ずる要素は昔の作にもある
何もおらない様な作品の内部で働く心理的な話なども参考にもなる。だが、現状だとそれより上は目指さんとなぁと
[2015-05-19]
ちゃんと文の書き方勉強する為。これも古い作だがノーベル賞作家の作で説得力高い
川口篤訳 F.モーリヤック 「小説家と作中人物(現代小説作法))」を読んだ
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作者がいかに自分を作品に反映しているかが分かる。同時に一つの主題を追う事の難しさと意義も説いている
自己を投げだし・生贄にし打算せず自分を労わらず・読者も金も名誉も考えない、趣旨の文の異常な説得力
同時に作者が本心から思ってる事を書いた文は説得力があるんだなと納得。作品と作家の関係に関しても触れる
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あとがきから、この人自体は宗教の人でありながら堕落した人々を好んで書き、批判も受けた話も意志の強さがわかる
自分に嘘ついていては良い作品作れんのだなと感心し納得もした。単発的なコラムにも近いが、読んだかいあった
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1934。ヘミングウェイがこの人に鍛えられたという解説から。教科書用に作られた一冊
沢崎順之助訳 エズラ・パウンド 「詩学入門」を読んだ
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理念の部分は科学的な方法で詩も考えようとか、曖昧模糊な評論は避けようとか良い。しかし、全部あんたどうなのよになってる悲劇
そんなわけで読み難く、とても入門や教科書とは云えない内容になってしまってる。解説でフォローは付くがそれでもヒドイ内容
英語圏からの接近と言うのも普遍性が無い。中華の詩は評価してるが、その他の文化圏はほぼ無い。当時の文芸の対立まで含む
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昔の哲学者が一行で要約した名言とかの方が意味が深いのも皮肉。専門でやってる人の知識は限られてしまうなあという印象
前述の理念の部分だけはヘミングウェイに影響与えたのはわかる。政治的にもフラフラしてるが、裏方としては意味のある人
[2015-07]
ちゃんと文の書き方勉強する為に、C・S・ルイスの本で挙がってた所から。米の人で63年刊
中桐雅夫訳 W・H・オーデン「染物屋の手」を読んだ
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謙遜して詩より評論が売れたと書いてその目線で読んだ。実際は詩人としても高名な人になる
前述の印象から芸術優先の姿勢がある。時期的に精神分析と構造主義等の間らしい発想
評論として真摯な態度で引用も多い。好き嫌いも自覚してる他、探偵小説等珍しいものも扱ってる
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昔の世代で詩人でバラバラのまとめという事もあるが、実績出した人の創作論で興味深い
現状の芸術や創作技法に至る前で逆に発見も多いと思う。こういうのは正解無いので難しい
[2016-04-27]
10年刊。正直ミリタリー関係に関しては、嫌いとか以前に興味ない。なので調査目的
小林宏明「歴史図解マスター銃」を読んだ
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図解とある様に超読み易い。同時に銃の歴史や、どういう仕組みで機能してるかもバッチリわかる
創作側にせよ、見る側にせよ、異常にリアリティを気にするジャンル。科学の要素もあるからかなと
創作では設定に位置する部分。現実に存在する物で扱い難しい。日常では使わん道具に異常に凝るのもどうかと
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サイレンサーの仕組みなど詳細は不明扱いの項目もあり。種類が色々あるのはこれで確認が出来た
歴史の積み重ね。発明の歴史でもあるが、人物伝みたいな訳は何故か少ない。概要はわかる
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1981。ちょうど文学系の人の文章論よんでたので好都合。完全に娯楽に振った方法論
大出健訳 ディーン・R・クーンツ 「ベストセラー小説の書き方」を読んだ
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映画化作品もあるし、ベストセラーでも常連。デビューがSFの人と言うのも面白い。こういう人でも順風満帆とはいかない
最近の文学系の人の創作論と重なる所もある。ちゃんと伝わるや、そのための文章の技術の部分は共通。娯楽と芸術で違う部分もある
基本から先の話になる。作品作り以外の部分でも、人間関係や売り込み方・作風で凄く苦しんでるとわかる。文芸も進化発展してる
.
究極的に突き詰めると、基本から先は人それぞれとなってくる。文から、本来はSFで大成したかったんだろうなって感じもうける
自分自身を作例にしてわかりやすく説明。こういう技術は説明も難しいとわかる。ただ発展してるの見ると、手はあるんだろうとは思う
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1976。手品の種明かし聞くのにも近い。日のこれ系の本の元ネタでもある
大出健訳 アメリカ探偵作家クラブ 「ミステリーの書き方」を読んだ
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各章ごとで名手の作家に分担して紹介。謎解きが第一になるのでミステリは構成が重視。構成は習練で伸びる分野
謎は隠すもの。大まかな筋になるプロットも重視される分野。ただ発想段階では、人物や設定から入る人の方が多い
犯人も結末も決まってる。なので習練で伸びる技術的な演出も重視される分野。これも米らしく具体的に解説してる
.
究極に突き詰めると人によって方法は違うという話になる。今作は多数の人が参加してるので、意見が偏る事も無い
どうやって面白がらせてるから見てくと作品の新たな魅力も発見できる。ミステリー調べてみたのは大正解だった
[2016-03-26]
文の上手い作家で挙げられてた筈。だが、資料がどっかにいき、名前だけ憶えてたんで借りてきた
中野好夫訳 ディケンズ「河出世界文学全集 二都物語/クリスマス・キャロル/他」を読んだ
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構成の名手と記憶してたら逆で、構成最悪・描写力最高の作家らしい。あとが読んで、そんな事無いでしょと思ったが実際悪い
具体的に言うとバラバラのレポみたい。主役不在で革命の各地の様子を描写。酷いが描写力は高くこれでも読ませる
クリスマスキャロルをちゃんと読むのは今回初。こっちは都合よすぎると思う点もある。だが、わりと順番通りの話になってる。
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芝居に興味あった人らしく、構成の下手さはその影響かなと。極端で逆に参考になる。メルヴィルなんかもこの人に近い文体と思う
嫁さんの姉妹とも良い仲で、女優とも浮気と結構良い境遇。時代性もあるが、SF小説なんかはこの人っぽい作りなんだろなと
[2016-03]
アメリカ文芸調査から。19C末の作品群。名前は知ってても読んだ事ない様な作家たち
「世界文学全集 26 スティヴンスン ワイルド」を読んだ
.
スティーブンソンは構成が世界最強格と言われてる。今の感覚で読むとミステリー風。ドイルと同期
対してワイルドは耽美主義の代表格。本質は詩や劇作家の人。この人は構成に関しては難しい所ある
最強格とは云われてはいる。だが今の感性で行くと辛い部分も多々。何が一番かは難しい所
.
この前後の小説調べてるんで、構成は英的な感覚で、戯曲作家は下手な人多いなと。耽美が仏由来も納得
以下各巻感想。どれも翻案、映像媒体等で変換されてる。原作で読むとこうなのかと感心した
-
中村能三訳 「宝島」原書1883 船内に潜む犯罪者たち
児童向け翻案も有名。その印象も強いのが厄介。自分はこの当時ミステリーは苦手で難しかった。本筋は宝探しで簡単
密室ミステリーみたいな所はある。これ系は[ロビンソン〜]でも導入に使われ先例はありそう。シルバーに関しても、二転三転ある
.
田中西二郎訳 「ジィキル博士とハイド氏」原書1886 悪の人格に乗っ取られる
フロイトも例で挙げてたと思う。これもミステリー調で犯人が二重人格の話。種明かしは最後の独白の部分に集中
最後の部分の心理の動きも面白い。先例でアンデルセンはあるが上手い。犯罪小説ってジャンルは人間心理も上手くかけるんだなと
.
西村孝次訳 「ドリアン・グレイの画像」原書1890 飽きた女の影に怯える
当時のシェークスピアの上演形式の記録にもなる。基本金持ちののボンボンで、クズ書かせたら天下一品
悪意しかない描写や、台詞のキレ味など残る作家になった事は納得。展開自体はちょっと納得いかん所もあるが、個性は掴めた
.
西村孝次訳 「完本獄中記」原書執筆1897刊行1905・1949 金と芸術
人間関係でモメて、ぶちこまれた時の恋人への手紙。金絡みの愚痴と不幸だかどうだかな芸術の話。本人の人格はよく反映されてる
親も金使い荒く放蕩で、嘘つき傾向あったらしく、詐欺師の家系だなと。芸術の人はそういうの多い。今は否定されてるが、昔はクズほど芸術出来るって感覚
[2016-03-24]
十文字青をサイトで扱った。三作吸血鬼ネタがあり、それに合わせて三作ネタ出せる様に追加で借り出し
百々祐利子訳 レ・ファニュ 「子どものための世界文学の森 35 吸血鬼カーミラ」を読んだ
.
先に原作通りの訳は読んでる。こっちは児童向け版。バローズなんかも児童向けはかなり違ってて面白かった
95年刊。もうスレイヤーズとかも出てる時代。絵は当然多めだが、当時から考えても古臭く、うーんな所はある
原作結構入り組んだ話だったと再確認。カーミラは印象としてはヤンデレ萌えな所あるが、台詞拾ったうえで好印象にしてる
.
主役の女の子が友情を感じてる風に脚色。巻末に読書感想の例文までついてる。そこでも友情で攻めると良いとの指南
入り組んだ話を簡略化し、逆に難しい所はある。ただカーミラを悲劇キャラにして、友情感じさせるのは日本人好みなアレンジ
[2016-02]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。20C初頭の人。みんな知ってる変態さん
懸田克躬訳 「世界の名著 49 フロイト」を読んだ
.
以前も読んで久々の再読。解説も付く。反対意見や発展、日本の受容もわかる。
それ以前と以後の流れも意識すると、再発見多い。詩人の引用や以後の考えと同意見の所あり
今では違うとされてる所もある。だが、これだけ無意識を図式・理論化した業績はやはり天才的
.
泣き所は変態な所。今書でも夢に関して、嬉々としておチンポな話したりとキテる。むしろ微笑ましい
逸話の数々もエロい所ある。今の理論の基礎であり、探偵にも近い分析に治療と再読して良かった
■ 寺田和夫・友枝啓泰訳 ライヘル・ドルマトフ 「デサナ アマゾンの性と宗教のシンボリズム」
■ 深町眞理子訳 ロジャー・ゼラズニイ 「光の王」
■ 浅倉久志・峰岸久訳 ロジャー・ゼラズニイ 「伝道の書に捧げる薔薇」
■ 日高敏隆・岸由二・羽田節子訳 リチャード・ドーキンス 「生物=生存機械論 利己主義と利他主義の生物学」
■ 長谷川眞理子「動物の生存戦略 行動から探る生き物の不思議」
▲ ▼
Vol 3106(2016-08-04)
[2014-10-05]
つの丸扱ってる関連から。ブラジルのアマゾン川周辺熱帯雨林で暮らす人々の60年代の記録。写真わずかだが、すっぽんぽん人種
寺田和夫・友枝啓泰訳 ライヘル・ドルマトフ 「デサナ アマゾンの性と宗教のシンボリズム」を読んだ
.
あとがきでフロイトを意識したつもりは無いとある。だがこの地域の部族は、日常や神話を性と結び付け、統一した世界観を持つ
戦争前に紀行した仏のレヴィ・ストロースも手紙を送り業績評価。起源神話は太陽とその娘の近親相姦など。各所に性にまつわる話
交合するが語源がイェエーリ。現地語でジャガーはイェエまたパイエとも言い、シャーマンとも同語。狩りは性行と関連づけられてる
.
性の活動を表すジャガーと対の不活発な男根・黒い鉄棒。飽く事無き女性の性欲から川の流産の意味でディアー・オレローで、これはアナコンダの事
南米の珍しいお化けの名前や、話も載ってる。これも性と関連し回避法もそれを利用する、凄く分かり易い関連付けで、神話として特殊
[2015-08]
ファンタジーからの派生。原書67年 深町眞理子訳 ロジャー・ゼラズニイ 「光の王」を読んだ
まあ難しい!60年代ニューウェーブの作家で、それがどういう運動かよくわかる程に難しい。要素がバラバラな所あり難解
さらに日本読者なんで、引用のインド神話の本来の意味浮かび辛い。個人の意見で、近作だと「ささみさん」は近いのかなと思う所もある
[2015-08]
ファンタジーからの派生。原書71年初期作の短編集 浅倉久志・峰岸久訳 ロジャー・ゼラズニイ 「伝道の書に捧げる薔薇」を読んだ
解説にもあるが、本人も難しい作出してると自覚して発表。頭の中の流れが重視されてたり、ワザと変な単語を使ったりしてる
2Pの短編もあるが、それも難しい。芸術に近い位置の作家と思う。変遷や作品差もあるが、ニューウェーブと評価されたのもうなづける
[13-07-31]
ゲーム理論の参考書で借りてきた。先に調べてた行動生態とリンク
日高敏隆・岸由二・羽田節子訳 リチャード・ドーキンス
「生物=生存機械論 利己主義と利他主義の生物学」を読んだ
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なんか読んだ事ある論説と思ったら、利己的な遺伝子のドーキンスと同作者
76年の一番最初の本。この段階で基礎的な部分は出来てる。最近発達した学問
ミームもこの段階で紹介されてる。宗教の権威強い外国では、当然賛否呼んだみたい
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一言で説明すると、人の為にやってる事も、結局は自分(の遺伝子)の為という話
ゲーム理論は適応戦略と関連。サイバネティックスのフィードバックの考えも基盤にある
[2014-08-18]
放送大学の講義テキスト用の書籍。そんな訳で内容も凝縮され難しめ
長谷川眞理子「動物の生存戦略 行動から探る生き物の不思議」を読んだ
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一般向けの「クジャクの雄は〜」と内容的には近い。だが、実際の過程や追加で書かれてる部分も多い
文化人類学の過程で、ゲーム理論も調べてた。ここでも適用されてる事に驚き。話は常に繋がってる
上記も含め、種類によって率がそれぞれ違う事も面白い。状況によって、とるべき道も違ってくる
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他書等と被る所もあるが新しい学問。なので、少し古い学派の常識が、変化してく様も感心する
データや計算式の部分が多く、一般的とは言い難い点もある。だが扱ってる範囲は広く参考になる
■ 西山賢一 「勝つためのゲーム理論 適応戦略とは何か」
■ 銀林浩・橋本和美・宮本敏雄 監訳 阿部修一・橋本和美訳
■ J・フォン・ノイマン O・モルゲン・シュルテン「ゲームの理論と経済行動I・II・III」
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Vol 3104(2016-07-28)
[13-07-31]
ゲーム理論の参考図書から。薬学をやった後に、経済学にいった人の本
西山賢一 「勝つためのゲーム理論 適応戦略とは何か」を読んだ
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自分の読んだ事ある資料は、上手くまとめてるとわかる。だが、読んでない本に関しては難しめ
81年の本。だが、当時はまだ翻訳出てない本や、当時の最新学説はのこらず紹介されてる
実例の増える三人以上になった時の定和ゲームの研究。やっぱりしっぺ返しが有効に感心
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適用した社会のジレンマを実際に実験した項は見所。心理要因が大幅に絡み上手くいかない
最後の情報化社会とホロンも面白い。経済もしてる人ならではの視点で、読んだ甲斐はあった
[13-07-13]
TRPGからファンタジーの歴史とも絡む。勉強する必要あると思ったので、一次資料に挑む
銀林浩・橋本和美・宮本敏雄 監訳 阿部修一・橋本和美訳
J・フォン・ノイマン O・モルゲン・シュルテン「ゲームの理論と経済行動I」を読んだ
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この巻は定義立てと、参加者二人対象のゲーム。参加者多い方が統計を使えわかりやすくなるとある
勝率高い方が勝ちやすいや、二人対戦は通常とはったりを混ぜると勝率上がるなど。そういう話
結論部分中心に読むと、わかりやすい単語と具体例が出てるのでわかる。はったりも日常使う言葉
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定義の段階で、数式がズラズラーッと並ぶ。だが数式が使えるという事で、数学が応用出来る
数学の部分は初歩レベルで無く難しい。著者と訳者解説も難しいと言ってる。そこがネック
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[13-07-13]
一巻内容は解説書も出て理解されてる。だが、この巻以後はそれも少なく難しいと、解説にある
銀林浩・橋本和美・宮本敏雄 監役 銀林浩・下島英忠訳
J・フォン・ノイマン O・モルゲン・シュルテン「ゲームの理論と経済行動II」を読んだ
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三人以上を対象としたゲームを扱ってる。わかりやすい結論部も無し。大筋で理解するしかない
全体もほぼ数式。定義と何が勝率高いかの話となる。要は結託されてしまうと勝てないという話
これも四人・五人と人数が増えるとややこしくなる。結託間や結託内での取り分の話は心理学の領域
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主導プレイヤーが勝利目指す時、その同盟者は対抗勢力の不遇メンバーという所は、記憶に残った
解説も肝になる部分。だが専門の学者でも難しいとある。わからん部分も多いが実例では思い当たる
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[13-07-14]
今までは参加者の一方がある額を得ると、他の参加者がその分失うゲームを扱ってきた
銀林浩・橋本和美・宮本敏雄 監修 銀林浩・宮本敏雄訳
J・フォン・ノイマン O・モルゲン・シュルテン「ゲームの理論と経済行動III」を読んだ
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ここからそうで無い場合が扱われる。全員が勝つ場合も、負ける場合もあるというゲーム
これは現実的で応用範囲が広い。だが、この本の時点では研究が進んでなく、後に発展してく
資料から、その延長に囚人のジレンマの問題が出てくる。そういう所にも繋がるのかと納得
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一人勝ちしたいか、皆と共存したいかの問題なんじゃないかなと。応用分野や他分野も参考になる
最初の段階で理解は難しいが、今は他資料もある。単純にゲームや人間関係など応用できる所は多い
■ 「世界文学大系 68 アラビア・ペルシア集」
■ 黒柳恒男訳 ハーフィズ 「ハーフィズ詩集」
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Vol 3102(2016-07-21)
[2015-12-25]
コーラン再読した事から。それにプラスしてファンタジーの資料にもなる。時代から考え騎士道系列は中東文学影響ありそう
「世界文学大系 68 アラビア・ペルシア集」を読んだ
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全部そろいの訳は存在しないのも多い。故に全て抄訳の形になる。だが、貴重な翻訳で読めるだけありがたい
まあカッコいい事。王者や戦士の冒険が実直な文で書かれてる。教訓の話にしても、実際的でズバリと本質つく
ルーミーなんかの神秘主義の本も含む。これは読み難い。だが文の裏を読もうとするなど、文化背景がよくわかる
.
研究書もあり。西洋哲学を取り入れた上で、神をどう捉えるかは興味深所。文化の源流辿る上で、この地域は重要
以下各章の簡単な解説。全てが抄訳の形だが、アラビア系で有名な人の訳や、解説も付く。そこも面白い所
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マホメット伝 イブン・イスハーク著 嶋田襄平訳. 8C中成立 預言者の一生
コーランにせよハディースにせよ、預言者の一生と逸話は詳しく載ってる訳では無い。なので、通しのこういうのは役に立つ
逸話中心。イスラーム以前の風俗も含む当時の情報が記録されてる点でも目をひく。一貫して物静かな人であるのはわかる
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けちんぼども ジャーヒズ著 前嶋信次訳. 9C前成立 ケチの役得
巻末の解説でもこの人に関しては詳しく乗ってる。黒人の専業詩人。そういう訳でも無いだろうがウィット利いた楽しい文章
みんな大好き金の話。イスラームは他宗教と違い、金に関する事も詳しく載ってるのでそういう意味でもこういう文も残ってくる
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誤りからの救い ガッザーリー著 藤本勝次訳.12C前成立 当時の神学と哲学
西洋からの知識がしっかり入ってるんだなあと感心する。アリストテレスなんかは当時の誰しもが参考にしてるともわかる
哲学寄りの文になるが比較的読み易く、当時の宗派や思想的な違いなんかもわかりやすく記録されてる。歴史しる上で参考になる
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古詩抄 牧野信也訳. 6C-7Cまで 古い詩
イスラーム以前の闘争に明け暮れてた時代の詩となる。アラビアの詩の生々しさは他書でも触れられてるがこれもそれがわかる
戦いの詩はもちろん、ロマンスの詩なんかもある。ここらは西洋の騎士道文学からロマン主義につながる源泉としてかなり興味ある
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薔薇園+果樹園 シラーズのサアディー著 蒲生礼一訳 13C 人生訓
天才詩人と言われた人の作品で人間の徹底した観察と、簡潔な表現で凄い面白い仕上がりになってる。この地域ならではともいえる
お話形式や詩形式になってるが、例えが実際的で良い。馬の話やそれを称える詩なんかも出てくるのもポイント。哲学よりの軽いエッセイ
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カーブースの書 ケイ・カーウース著 黒柳恒男訳 11C後成立 父から息子への人生訓
王が息子の為に残した人生訓。背景考えても人間は変らんなあと思えるし、書いてる事も普遍的だし、今でもしっかり通用する内容
ここらの地域は実際的でたとえ話も上手いのは、なんでもあいまいな所ある東洋と違って良い所。これも哲学よりの軽いエッセイと言える
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王書 フェルドゥスィー著 黒柳恒男訳.11C前成立 イランの歴史
有名な本だがこれは1/30の抄訳版。神話も含むイラン王朝の成立と書くと堅苦しいが、実際は王者の冒険と栄光譚と今も受けそうなお話
ファンタジーで中東で馬も活躍する話はけっこうあるが、ここらが元っぽい。馬もラクシュと名前付きで大活躍し悪魔や野獣・女騎士と戦ったりする
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ルバイヤート オマル・ハイヤーム著 黒柳恒男訳. 11Cごろ成立 酒と人生
日本で戦後に訳が出たらしく有名とある。場所が違うという事もあるがイスラームで否定されてる酒を肯定し、現世的で刹那的な詩になってる
イスラーム以前あるいは実存主義的な考え方に近いかも。思想は出たり消えたりを繰り返し、なおかつイランで成立と考えると興味深い点ある
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精神的マスナヴィー ルーミー著 蒲生礼一訳 13C中成立 神秘主義聖典
文の裏を読むのが神秘主義という事らしく、頁の都合で解説がないのでわかり難くなってる。ただ具体的な話なんかも含んでいる
イスラーム以前の信仰が帰ってきたとも云える。実際はこれを唱えながら踊り陶酔状態に入るのが本質らしい。文化知る上で興味ある資料
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抒情詩 シラーズのハーフィズ著 蒲生礼一訳 14C成立 ペルシャの詩
時代が下ってエリアも違ってくるのでアラビアの古い詩とは少し違った趣となってくる。千夜一夜も恋愛系は多いがこれもそれが多い印象
隣がインドや中国な訳でここらは文化の流れも面白い地域ではある。一方で今も含めて戦争になりやすいのは不幸な地域でもあるなあと
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アラブ文学史 嶋田襄平著. 近世ペルシア文学史 黒柳恒男著
これが資料編となる。歴史があるエリアではあるがずっと闘争してたり、戦争に巻き込まれたりが多い地域で古い記録は残ってないという事になる
詩の形にすると一族の歴史も覚えやすいという事で残ったのがある。西洋中心で考えがちだが、ここらは物語の発生辿る上で重要な地域と思いはじめてる
[2016-01]
ファンタジー扱ってる関連からの派生。14C後半のイランの詩。ゲーテに影響。当地では知らぬ人はいないともある
黒柳恒男訳 ハーフィズ 「ハーフィズ詩集」を読んだ
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イランは神秘主義がある。別書読んだ時はわかり難かったが、これは解説先に読んでたせいで驚く所あった
酌人よ酒を与えよ=師よ私に神の愛を授けよ。言葉がまるで暗号の様になってて、意味が何重にもとれる形になってる
表面上はイスラームで禁止の酒や享楽の話だが、裏を返し暗号がわかると神への信仰を歌った詩になる
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酒と人生を歌った表面上の意味でも中国の詩人に繋がり、裏返して享楽の部分はインド的な所があり面白い所
訳が分析して工夫してるのもあるが、この地域の詩はけっこう面白く良い。恋や酒の話となると普遍性もある
■ 森道子+島津展子+新野緑訳 メアリ・シェリー 「最後のひとり」
■ 桑原武夫訳 ジャン=ジャック・ルソー 「世界古典文学全集 49 ルソー 告白」
■ 松田祐之訳 ロバート・アクセルロッド
■ 「つきあい方の科学 バクテリアから国際問題まで」
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Vol 3100(2016-07-14)
[2016-02]
ファンタジー扱ってる関連から。原書1826。訳07。読みたいと思ってた作品。訳出てると知り飛びついた
森道子+島津展子+新野緑訳 メアリ・シェリー 「最後のひとり」を読んだ
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十字軍でヴィクトリア朝的だが、設定は2092年。最初は貴族物だが、戦争から疫病と来て、人類絶滅のディストピア物
同時流行したテーマらしい。注でどういう作品に影響受けたかもわかる。ゾンビ物に至る前段階としても興味深い
作者の履歴もチェックして驚き。略奪愛や子供・知人バイロンの死。本職の旦那より伝説的になったりと、面白い一生
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どん底の頃で本作はその人生観が反映されてる。引用も多いが。台詞の切れ味は鋭い。救いの無い展開とも云える
テーマは継承されるんだなと言う発見や、何を意図してるかも原点は掴み易い。前半は冗長だが、後半は大変面白い
[2016-06]
感想でルソーに触れ、人物に興味もった事から。原書1770。ルソー=偉人の印象が完全崩壊。良い意味で変態なお方
桑原武夫訳 ジャン=ジャック・ルソー 「世界古典文学全集 49 ルソー 告白」を読んだ
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音楽もしてるが、今でいうロックな人生。放浪癖・嘘つく・盗む・SM気質・露出歴あり・女好き・子供捨てる・被害妄想とハチャメチャ
女に縁ある人生。常に年上か年下の恋人がいる。愛人にしてもらって、ママン大好きはとまらない。露出事件もそこから
大ポカも包み隠さず記述。それがいちいち面白い逸話になってる。性格的にもダメな人で、失敗は多いが全部ユーモアになってる
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堅苦しい所も無く、失敗からの格言もあり読み易い。当時の娼婦や男二人で幼女囲う話等もあり。18C当時の風俗の記録でもある
波もあり、俗っぽい話しか無い。ルソーの中でも一番面白い本と思う。後に偉人も実際は変人多い。昔はそこが能力の源でもあるんだろうなと
[13-07-19]
ゲーム理論の応用になる。囚人ジレンマゲーム選手権の結果、そして範囲の拡大まで
松田祐之訳 ロバート・アクセルロッド
「つきあい方の科学 バクテリアから国際問題まで」を読んだ
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一人勝ちか皆と共存かが疑問だった。正解は諸条件つきで、皆と共存になる
ポイントも絞られて、実生活でどう使えば良いかも書かれてる。なので、即活用可能
共存の実際あった例も書かれてる。戦争中に一時的に平和になった話に和む
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但し条件付き。つまり、ぼんやりしてるだけだと、平和にならない これは念頭に入れとく必要ある
実際問題は色々ある。だが、結局みんな平和求めてて、それが現実でもベストなのは励まされる
■ 大久保庸子訳 リサ・モートン 「ハロウィーンの文化誌」
■ 今村 安 「増補改訂版 今村馬術」
■ 国沢清典訳 ダレル・ハフ 「確立の世界 チャンスを計算する法」
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Vol 3098(2016-07-07)
[2016-04]
アメリカ文芸調査から派生。原書2012。起源は諸説あるが正解。だが、日の盆の様に死者の帰還の考えはどこにでもある
大久保庸子訳 リサ・モートン 「ハロウィーンの文化誌」を読んだ
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初期のケルトの考えが面白い。妖精の国の侵攻と考えてる。キリスト的には異教徒の祭、だが取り込まれて現状に至る
古くから似たのは各国である。今のカボチャなんかの形式は、19Cからと新しい。由来も民間伝承なんかを元にしてる
爆発的に受け入られる様になったのも最近。大戦後の企業との結びつきから。ここらは日本の妖怪と似てる所もある
.
現在は米や日が力入れてるのは、既成宗教の否定という側面もあるのかなと。最近の映画の話も多数扱い、軽さがあり面白い
妖精プーカは馬の形で出て、水辺で捕まえると良い戦馬になり、後に変形してパックになるなど、お化け豆知識も豊富。楽しい読み物
[12-11-07]
馬術は古代馬術から仏式→独式と進んだ。この段階での主流は伊式になってる
今村 安 「増補改訂版 今村馬術」を読んだ
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戦前の馬術の偉い人。日本の馬術と馬文化の基礎を作った関西の人
技術論で実際の経験が無いと難解。だが、後半は一般向け講義で読み易い
調教の実際の方針の他、現在主流の伊式馬術の解説。日本導入経緯も詳しくわかる
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「無理・困難・束縛を排す」 「単純と繰り返し」 ここらは馬術以外にも通ずる
戦争と伊式・殿下のケツ・ウラヌス・手紙など、講義での逸話も面白いものが多い
[13-07-19]
詐欺被害に関連しての勉強。数字は確実そうだが、実際は目を眩まされやすい
国沢清典訳 ダレル・ハフ 「確立の世界 チャンスを計算する法」を読んだ
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ゲーム理論にも触れてる。だが、事前に読んだ一次資料と比較すると、難しくなってる所もある
それはともかく、実際の計算例と組み立て方が書いてるので便利。更に例が的確だと良かった
パスカルの三角形・マーチンゲール・期待値は初めて知った。これは今後も活用出来そう
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二択でツキに惑わされる例などもあり。これは分かってても、実例だとついつい騙されてしまいやすい
現実ではインチキなど、それ以外の要因も絡んで難しい。バクチは胴元しか儲からんの話は納得
■ 新妻昭彦+丹治愛訳 ブラム・ストーカー 「ドラキュラ 完訳詳注版」
■ 鈴江樟子+掛橋和嘉子+有木恭子訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 12+13 エデンの東 上下」
■ 中田裕二+八淵龍成+川田郁子訳
ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 17 『怒りのぶどう』+『エデンの東』創作日誌」
■ 多賀谷悟+橋口保夫訳 ジョン・スタインベック
「スタインベック全集 20 アーサー王と気高い騎士たちの行伝」
■ 中山喜代市訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 6 怒りのぶどう」
■ 高村博正訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 4 はつかねずみと人間(小説・戯曲)」
■ 樽井近義、佐原進訳 ロージャー・マンヴェル、ハインリヒ・フレンケル 「第三帝国と宣伝 ゲッベルスの生涯」
■ 池田 浩士/編訳 「ドイツ・ナチズム文学集成 1 ドイツの運命」
■ 「少年小説大系 第3巻 山中峯太郎集」
■ 「少年小説大系 第10巻 戦時下少年小説集」
■ 「少年小説大系 第14巻 大正少年小説集」
■ 「少年小説大系 第1巻 明治少年小説集」
■ 「少年小説大系 第12巻 明治大正冒険小説集」
■ 「少年小説大系 第4巻 大仏次郎集」
■ 「少年小説大系 第15巻 吉川英治集」
■ 島田啓三 「冒険ダン吉漫画全集」
■ 大沸次郎訳 コナン・ドイル「世界大衆小説全集 1 失われた世界 豪勇ジェラール」
■ 植田敏郎訳 ハンス・ハインツ・エーヴェルス「世界大ロマン全集 33 吸血鬼」
■ 麻井倫具+平田達治訳 ハンス・ハインツ・エーヴェルス 「世界幻想文学大系 27-A+27-B アルラウネ 上下」
■ 松本勤訳 ジャン=ジャック・ルソー 「ルソー全集 第9・10巻 新エロイーズ」
■ 田中孝顕監訳 アンドリュー・カーネギー 「富の福音」
■ 責任編集関嘉彦 「世界の名著 38 ベンサム J.S.ミル」
■ 高橋徹責任編集 「世界の名著 56 マンハイム オルテガ」
■ 宮崎義一、伊藤光晴責任編集 「世界の名著 57 ケインズ ハロッド」
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Vol 3095(2016-06-23)
[2016-02]
ファンタジー扱ってる関連から。原書1897。同時期作も調べてたので、交流も含め発見多数
新妻昭彦+丹治愛訳 ブラム・ストーカー 「ドラキュラ 完訳詳注版」を読んだ
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有名な吸血鬼。ただ詳注が大量に付くのが本書のミソ。娯楽作でもドラキュラは研究がよくされてる作品
19Cヴィクトリア朝期の人の考え方が網羅。当然今の人と違う。そこらも意識すると筆者の意図もよくわかる
作品が産まれるまでの作家のメモなんかも付属。引用してる部分もあり。また当時は偏見多いのもポイント
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本文自体も面白い。当時流行の日記方式。後半はアクション。今作から定番化した設定も多数ある
本来は不死者。また今の文芸との比較も出来る。元ネタジョセフのジョナサンは、ジョジョも連想し納得
[2016-04]
米文芸の調査から。原書1952。これも有名作。構成が上手い作家と言う枠で読んだ。考え直す所もあった
鈴江樟子+掛橋和嘉子+有木恭子訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 12+13 エデンの東 上下」を読んだ
.
創作日記の批判にもあるが、単純に長い。ゴッドファーザー思い浮かべてしまった。歴史と一家の呪いみたいな所もある話
内容的には大変刺激ある。人物は悪も含め、非常に作り込まれてる。台詞も思惑に富む。肝はカインとアベルの話の解釈
そこが最後の肝になるわけだが、その加減で脇役のリーが主役みたい。人物も多く、全てを描くので、焦点がぶれてる所ある
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大作家だが、芸術家的な所もある。先に商業的な成功もある。故に、提示する過程で作家の迷いまで出てしまったと思う所ある
物語として読むと[怒り〜]より複雑で難しめ。長くなったのもその加減と思う。ただ、大作家が全力を出し切った作品としては面白い筈
[2016-04]
米文芸の調査から。記録を残そうとつけたノートと、ウォーミングアップ図る為に編集に出した手紙。創作論にもなってる
中田裕二+八淵龍成+川田郁子訳
ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 17 『怒りのぶどう』+『エデンの東』創作日誌」を読んだ
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よくぞ残してくれたといった所。大作家でも才能が無い・世間とズレてる・周囲からのツッコミ・言葉が出ないと、迷いまくり
商業的に成功など、そういう資質もある。だが芸術家の面もあり、そこが迷いになる。本人自身、自国で全集は出ないと諦めてる
実際の作品との比較も出来る。また愚痴ってる内容は、現代の作家と似た所ある。人間とその社会は、変わらない所も面白い
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エデンの東は癖強いと思う面もあった。なので、その過程や、何故そうなったかを辿る上で、納得する点は多かった
小説内の文のキレも良いが、それは普通の文でも同じ。鋭い考察が所々にある。芸術肌の物作る人は、どう転んでも苦しむと言う話
[2016-04]
米文芸の調査から。原書1955執筆で未完、出版は76。創作日誌付き。作者はT・H・ホワイトのアーサー王も読んでる
多賀谷悟+橋口保夫訳
ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 20 アーサー王と気高い騎士たちの行伝」を読んだ
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マロリーのアーサー王を、文はそのままに読み易くする意図。だが、途中で乗って来て、作者の加筆部分が増える。あげく未完
アーサー王は型ある話。故に比較もしやすい。本来は子供の頃の興奮をもう一度の筈が、結局芸術家肌の色が濃く出てしまった
話の整理も着きかねてる所がある。元ネタと比べても、うーんな所も多いかも。ただ思惑的な部分が強く出てる。作家のファンだと面白い
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英雄伝説は時代を超えて、何回も繰り返してる。創作日記の、過去の伝説をどう捉えるかについての考えも、興味深い
悪もかける人。だが、直接的に向き合うのを避けてるとも思う。他にも未完作は多いらしく、これも完結してないのが惜しい
[2016-03]
米文芸の調査から。原書1939。日本人だと分かり難い題名だが、聖書・本編内容とかけた良い題名
中山喜代市訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 6 怒りのぶどう」を読んだ
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家族が出て、昔は良かった系の話に近いと思う。ただちゃんと現実に寄せた作りして、説得力ある
仕事と幸福求めて旅する一家の話が軸。台詞や考察の切れ味は鋭く、普遍性と深みのある内容
皆が幸福求めてるのに、そう上手くいかない話。ストレスを与えつつ、救いも用意してる展開
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大参事に至る所を、タイトルともかけて処理する所は感心。幸福を得るのは、難しい話になるなあと
事前に宗教系列及び、これ以前の米記録調べてたのも理解に役たった。ちゃんと面白くて読んだ甲斐あった
[2016-03]
米文芸の調査から。原書1937。映像化作品も多く、更にノーベル賞作家。構成を調べたかった所もある
高村博正訳 ジョン・スタインベック 「スタインベック全集 4 はつかねずみと人間(小説・戯曲)」を読んだ
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最初に読むには少し選択ミスかもだったかも。戯曲小説を目指した実験的な所もある作。農家の人間関係の話
この人の話は基本暗い。これも結果的には、犠牲を出した上で、欲しい物を手に入れる。苦みある話になってる
解説の、戯曲の読み方に対する、本人の談が面白い。意識してなかったが、小説とは違うジャンルなのねえと
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小説の方は、逆にテンポが狂ってると思う所ある。構成という面で見ると、戯曲前提でちょっと辛い所もあるかも
映画にもなってるが、戯曲の方も成功したみたい。台詞なんかは、流石にノーベル賞でキレキレ。文芸的な作品
[2016-06]
原書1960。サイトでH.H.エーヴェルス扱った関連から。宣伝大臣ゲッベルスの研究書。同時にナチスがいかに滅んだかの概略にもなる
樽井近義、佐原進訳 ロージャー・マンヴェル、ハインリヒ・フレンケル 「第三帝国と宣伝 ゲッベルスの生涯」を読んだ
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身体障害持ち・元共産党員・元作家志望・芸術家肌と特殊な経緯の人。ヒトラーも元画家志望だが、後の業績と共に、両者共に変な方向に才能が開花した
ナチスは変に才能がある人は多い。そういう人が世に出られない社会だったのも、発生経緯ともいえる。共に人への興味は薄いのに、人の心を捉えたのは皮肉
両者共に性格に難もある。特に終盤、ヒトラー自身がナチスの足を引っ張った話も載ってる。独裁で成功してしまった連中もいるので、それと比較しても興味深い
.
瓦解するナチスで最後まで従ったのもこの人。ナチス内部の暗殺計画の話も載ってる。この人自体もヒトラーと意志疎通で失敗したり、ヘスに嫌がらせしたりしてる
独裁に成功した奴はスルーされて、失敗したナチスは叩いても良い風潮に疑問も感じてる。仮に暗殺が成功したとしても、逆に悪い結果になった可能性もある
[2016-05]
日本の文芸調査から派生。宣伝大臣ゲッベルズの日記型作品。もう一作は幻想系からちょうど調べてたアルラウネ作者でタイミング良すぎて驚き
池田 浩士/編訳 「ドイツ・ナチズム文学集成 1 ドイツの運命」を読んだ
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ナチスの形成は経緯が少し特殊な所ある。見てる側としても主観が入ってしまうが、別の思想的な物も違う形で吸収してる所がある
集成全13巻の予定がこの一冊で終了。単純に内容が面白くないというのもあると思う。ドイツは文芸でもぼちぼちな作品を評価したりとズレた所ある
ゲッベルズのは作品になってない。近いと思ったのはヴィトゲンシュタインなんかの哲学書。本人の思想を伝える文とも云える。威勢が異常に良い
.
H.H.エーヴェルスも他作品も見た上で言うと、やっぱり技法的な部分で問題はあるかなと。両作ともに激しい感情に訴える所のある展開
良い悪いは別。民族的な気質はそれ以前の文学と比較しても、継承されてると思う。単純化しないなら、ナチス発生経緯と内部事情はややこしい
[2016-05-28]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。当時の大人気作、敵中横断三百里収録。戦後の児童向けホームズ小説の訳など重要作家
「少年小説大系 第3巻 山中峯太郎集」を読んだ
.
横田順彌が月報でベタ褒めしてる。1930年代前半の作品群で、超人的ヒーロー本郷義昭にSF的秘密兵器も出る、超熱いスパイアクション
ソ連相手に中国とタッグ組み戦ってたり、幼少期のスパルタや後年の宗教への道など経歴が本当に特殊な人。故に作品からも強い意志が良く出てる
まだ軍馬使ってた時期なんで、敵中横断の馬への愛情なども興味深い。細かい部分に当時なりのリアリティあり、団子二等兵もそこが強い
.
戦中でイメージする本の雰囲気ながら、実際は戦前時期なのも発見。子供の活躍も絡めたスパイ物なのも注目点。主張の強さが逆に面白い
時期がマズイだけで娯楽作として見るとかなり水準は高く、同時期海外作とも近い所ある。面白いだけにその後の歴史も考えると本当に難しい作品群
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。タイトルからしてヤバげだが実際は穏やかな作品も多い
「少年小説大系 第10巻 戦時下少年小説集」を読んだ
.
解説が詳しい。開戦が1941で国が方針出したのが1938。判断の狂いやすい分野だが、単純に物資不足で紙がなかった事等も考慮いる
国の方針は娯楽排除して教育的な作を作れといった所。ここで芸術系作品が発達し、岸田國士等の有名作家の国への協力あるのも注目点
そういう政策下なんで従軍中のちょっと良い話物や、開拓地の日常・史実重視の歴史物などウェットで変に穏やか。ハリマオのマライの虎は少し異質
.
今の芸術系の作品作ってる人との類似点も少し感じてる所ある。上記の作家の協力にしても、縄張り争いや人間関係の問題もありそう
方針に関しても際どい所で、突き詰めると行き過ぎは何でも危険という結論になる。煽る内容の作が幅利かせてたと思ってたので意外
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。タイトル通り1920年代周辺の作品群
「少年小説大系 第14巻 大正少年小説集」を読んだ
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疑われるけど最後は相手が改心するとか、ミステリーなど真面目気味な話が目立つ。娯楽作の一方で真面目な文芸も流行してたのも注目点
それはそれとして日米戦争勃発で秘密の白い潜水艦で大逆転なんてわかりやすいのもある。熱血小説の異名で文体も「!」や大文字使用
元ネタがあっての話だが、当時日本がどういう風に米を見てたかや、戦力的に不足してると既に気づいてたともわかる。時代性も出た資料
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真面目ではあるが西洋ファンタジー風の作品もある。和風時代モノから変形ともとれる。海外からの影響を受けて作られた和風ファンタジー
モンゴルに渡って馬賊に加わり、女装もしつつ活躍する少年の話など。戦後の作家でモンゴルに興味持つ人も多いが、そこらの発端でもありそう
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。1890-1910年代までの作品群。20年代に吉川栄治・30年代にのらくろで、まさに前段階と言える
「少年小説大系 第1巻 明治少年小説集」を読んだ
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泉鏡花や与謝野鉄幹なんかも出てくる。この時代の重要人物は黒岩涙香。現状でも有名なデュマ作の他、有名でない作品も含め翻訳小説が目立つ
カナ表記・名前「セリフ」など文体も完成系に至ってない所ある。訳も同様でこなれるまでは無国籍風。また翻訳と言うよりも翻案的なアレンジをされてる
純日本小説も外国の影響とそれ以前の文化の融合で不思議。巖谷小波の新八犬伝なんかが顕著。雪の国の張り子の犬の相棒で桃太郎をする話
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特殊な所で当時の軍隊生活わかるルポ風の近衛新兵。翻訳ながら謎の博士に女海賊とキャラ立ってる魔法医者。冒険小説というべき作品も翻訳風で出てる
SFもあり火星の戦争に少年が巻き込まれる空中旅行など。当時の海外の人気小説を積極的にとりいれてたとわかる。海外文化の混入はまさに明治ならでは
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。1890-1910年代までの作品群。紀田順一郎・横田順彌が月報でこの世代が研究してる分野
「少年小説大系 第12巻 明治大正冒険小説集」を読んだ
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今読んでもOKな作品群に、今にも繋がるキャラなど発見の数々。今回も黒岩涙香の翻訳作含み同時期からの無名にも近い海外小説の影響がわかる
南洋王に暴れ大怪獣。もうタイトルからして面白そう。虎を家来にする少年に、ロボットの戦車。少年の国際的大活躍で昔の少年探偵物連想して間違いない
日本が世界進出しつつも、渡航禁止も出てる時期でそこらが反映されてるとわかる。野生児は海外風だし、スパイとくれば忍者で見事に和洋折衷してる
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ハーフの女の子と協力して悪の国とスーパーメカで戦えなんて、まんま今の作品じゃないノ。当時の時代性が強すぎるだけで、ちゃんと継承されてるんだなと
少年向けを対象にしてる作品もあって、文体まで今に近いと思う所あった。時代性と共に当時の興味が娯楽作には素直に反映されて面白い
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。まとめた体系の中に名前見つけて驚き。いい機会なんでチェック
「少年小説大系 第4巻 大仏次郎集」を読んだ
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1920〜1940年代の戦中も含む作品収録。掲載紙が少年向けだったり、娯楽作志向だったりと今のラノベ作家とも実際は近い
代表作は鞍馬天狗。古すぎてノーマークになってたが児童とのペア要素やんをンに表記など、小池先生なんかに影響与えてる筈
児童向けかつ娯楽作と言う事もあって今でもOK。読み易いし言わんとしてる事も真っすぐ。猫が好きだとかの個人の話も面白い
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上記も踏まえて問題作気味なのが戦中連載の楠木正成。これも実質は子供が主役で真っすぐな話だが、時期が戦中でうーんとなる
なにくそって単語も多用するが、これも戦中的な思想なんだなあと。今だと戦後どうなるかわかってるので考え込んでしまう所もある
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。まとめた体系の中に名前見つけて驚き。この人も児童向け作品作ってる
「少年小説大系 第15巻 吉川英治集」を読んだ
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個人逸話で昔は騎手になりたかったとか、お金が欲しかったとか面白い。1920年代後半の児童誌。少女向けで書き直したのも並べて収録
真面目な大人向け作家の印象だったんで、真田物で忍者バトルの竜虎八天狗とか驚き。擬音多用で改行も多く、下も空いてて今のラノベに近い
擬音の使用で「しーん」を既に使用。内容に関しても理屈不明の忍法や、技名だけの技と今の娯楽作にちかい。最後も忍者の大凧空中バトル
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書き直した作も男装の女忍者風キャラとメチャ娯楽でびっくり。権威ついて面白さが後世に伝わらなかった面もある作家なんじゃないかと思う
文体もそれぞれで違う所あり書き分けてた可能性もある。思想の継承含め今の上の世代の更に上なんで深読みし出すと興味深い所もあるねと
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。1933-1939連載。のらくろと同期で戦争直前まで連載
島田啓三 「冒険ダン吉漫画全集」を読んだ
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漫画と思ったら全編絵物語。巻末に手塚治虫の賛辞の文があり、見所もわかる。漫画の台詞の参考にしたとある
今見るとヤバイ部分だらけ。だが、満州事変勃発も話にとりこんだりと時代性はよく出てる。当時の状況よくわかる資料
ヤバくはあるが悪意はあまり無い。子供の持ってる王様になりたいと言う気持ちが純粋に出てる。読み易く今でも楽しめる
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知恵者ネズミキャラは最後ミッキーぽくなる。他の戦前作品もそうだが、敵対してるが海外からの影響や憧れは強いと思う点はある
カナでの擬音の活用など現漫画に繋がる点もある。漫画発生の起点としても興味ある。戦前文化はわかりにくいが西洋的でモダン
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1912、1896。このシリーズの別書で存在知って驚いた一冊。有名作家の奇跡のコラボ
大沸次郎訳 コナン・ドイル「世界大衆小説全集 1 失われた世界 豪勇ジェラール」を読んだ
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期待値が凄まじい事にならざるを得ない組み合わせ。だが、内容はうーん。昔の小説で説明がクドく、盛り上げ所を誤り、訳も原書に引きずられてる
内容は歴史価値ある。未開の地で恐竜を発見するチャレンジャー教授物。今の感覚だとVS恐竜だが、当時はVS原人。ロンドンの翼竜など面白い点もある
もう一本は知らない作品だったので逆に良かった。三銃士等にも近いノリの、竜騎兵大活躍の回想話。こっちは訳者的にも作風に近く、短編で読み易い
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最後に恐竜と竜騎兵を説明する図版なんかもついてる。今だと古いが、跳躍しながら襲い来る恐竜など、後の作品の原型的な部分は多数含んでる
同期に近い、後一歩が弾けきれてないヴェルヌや、荒唐無稽気味だが弾けてるウェルズ・デュマなど、同期作や後の作と比較するのも面白い。歴史の古典
[2016-05]
日本の文芸調査から派生。原書1920。ファンタジーの調査でもこの作家の名前は挙がってて思い出した。タイトル的に吸血鬼の話とも思った
植田敏郎訳 ハンス・ハインツ・エーヴェルス「世界大ロマン全集 33 吸血鬼」を読んだ
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作家がかなり特殊な人。耽美主義的な面が強く、時代的にヒトラーとも親交があった。最終的に裏切られる様な形となり、米に亡命してる
近いと思ったのもサルトルとかの作品で、タイトルとは違い娯楽小説というより文芸なんかに近い出来と思う。ただちゃんと吸血鬼要素はある
あとがきでも困惑してるが、明確に結論を出す話では無い。作家自体のドイツへの信念も交差しつつ、頭がおかしくなってく過程を幻想と共に描写
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あらすじ自体を見ると、六十の爺さんが若い娘にモテモテなんて馬鹿みたいな話ではある。薬もやって幻想の世界にも遊ぶし、最後も結構調子良い所ある
不思議な小説ではあるけど幻想文学として見るとユニークで他作よりも読み易いと思う。当時ヒットもしてるなど、ドイツ文芸が持ってる側面がよく出た一作
[2016-05]
ファンタジーからの派生。原書1911。日本の文芸調査の過程で調べ忘れてた事を思い出し再浮上。詳しい人物や時代解説もついていい感じ
麻井倫具+平田達治訳 ハンス・ハインツ・エーヴェルス 「世界幻想文学大系 27-A+27-B アルラウネ 上下」を読んだ
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吸血鬼にも出る自分を重ねたキャラがここでも出てくる。そしてまたもモテモテ。幻想文学の人でありながら、どっか俗っぽいのもこの人の魅力
話自体もわかりやすい所がある。人工的に作り出された幸運と不幸を同時に呼び込む女の子の話。運命の流転みたいなのを次々と見れる
アルラウネというか、マンドラゴラを積極的に小説に取り込んだのは今作が初とされる。同時に紹介の形で、それ以前の使用もまとめた作品
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魔性の女に犯罪絡みと言う題材で、面白さも確約されてる様な所ある。ただ幻想文学系に入るので、全体で不思議で怪しい雰囲気が漂ってる
今は廃れた小便をかけるなどのマンドラゴラの設定の部分も興味深かった。後年の吸血鬼と比べると少し読み難めだが歴史的に意味あるとわかる一作
[2016-06]
別書感想でルソーに触れた事から。原書1761。90までに72刷の大ヒット作。同時期だとゲーテ処女作など。レヴィ=ストロースも影響の本に挙げてる
松本勤訳 ジャン=ジャック・ルソー 「ルソー全集 第9・10巻 新エロイーズ」を読んだ
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ルソー自体の生涯も確認。この時期は恋愛でもブイブイ言わせてた頃。児童期の変態ぶりや、晩年の被害妄想など、実際は結構ロックなお方
一言でいうと不倫の話になる。書簡形式という文体のせいで読み難いが、仏文学に重大な影響与えてる。内容と共に仏的。エミールは同時期の作
序盤は週刊誌的な展開だが、中盤以降は主張の部分が前に出て本来のルソーじみてくる。実際の本人も考えると、反映しつつ反面教師的な所ある
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ルソー視点で偏りあるが、当時の仏の様子と理想が垣間見える。ゲーテの作もシチュ的に似た所はある。それ以前にもこういう間男物は俗な形で流行
時代の転換期の作として見ても面白いと思う。服従という言葉が度々出るのも本人反映されてる。影響はもちろん、本人の思想と共に興味深い一冊
[2016-06]
原書1889。D・カーネギーの方と混同してた。内容的には似た所もある。世界恐慌も第一次大戦もまだ。元々は鉄鋼王なんだなあと改めて納得する
田中孝顕監訳 アンドリュー・カーネギー 「富の福音」を読んだ
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最初に断っとくが本書は古く今は通じず、自己啓発本的な意味合いも持たされてしまってる。故に原書に無い変な宣伝等も付くが、これは無視の事
資本論が1867。結果的に両方に問題あった事になるが、こっちは当時の資本家側の言い分になる。そういう意味で歴史的にも意味合いある
金儲けの話としては取られてる文量は少ない。それらは別書参考。自伝と手に入れた大金をいかに使うかの話。憎しみ合う双方は似てくる場合もある
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社会主義もそうだが、人が飛びつきたくなる見解は出してる。どっちもいきすぎるとロクな事にならんのが結果なんで、適当に距離取って読むと良い
どう評価するかは難しい所だとは思う。それはそれとして能力はずば抜けて高い人とも思う。米の歴史知る上での参考になる一冊
[2016-03]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。共に19Cの人。ベンサムと仲良かった友達の息子がミルとなる
責任編集関嘉彦 「世界の名著 38 ベンサム J.S.ミル」を読んだ
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ベンサムは法律・ミルは政治の仕組みを整備した人となる。哲学で何が正しいかを基本に組んでいってる
[最大多数の最大幸福]及び[満足した豚より〜]の言葉もある。実際はベンサムは精神的な幸福を重んじてる
幸福の分類は他哲学とも通ずる。あと一歩進めば仏教までいける。昔の人は基本キリスト教で考えを固めてる
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共産主義に叩かれたり、繋がる面も持つ人。同時期哲学の摂理と運命の関係から、ここらも思想の背景が見えてくる
生涯の解説でイメージも変わる。共に哲学から現実の問題に踏み込んでる人。純粋な哲学から一歩進んで現実的な所ある
[2016-06]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。1893-1955の人。解説でいきなりベトナム戦争からの自分語り始まって、ああこりゃダメだと
高橋徹責任編集 「世界の名著 56 マンハイム オルテガ」を読んだ
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直前にケインズ読んでたので、本当にダメな人達だなあと。悲観主義的で問題定義も反対・否定意見ばかり。建設的な事は何一つ出来ない
マンハイムは独の人。独哲学にありがちな自己完結した文。解説の研究者も同様。オルテガがわからないと書いてるが、思想的な部分もありそう
オルテガは新聞で論評を出してたので読み易い。大衆の反逆と刺激あるタイトルだが、大衆と暴徒が一緒になってるみたい。思想で意見に歪みが出てる
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インテリに属する人達。これ系は結局は、自分たちが権力とりたい様にも見える。そこから離脱した人なので、共産主義に対する反対意見も出てくる
暴徒の発生原因をもっと理性的に広い眼で見れなかったのが失敗。似た様な思想も過去にある。これ系がどういう思想原理で動いてるかの資料
[2016-06]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ケインズは1883-1946の人。ハロッドはお弟子さん。経済学で実際に大功績残した人。解説もわかりやすい
宮崎義一、伊藤光晴責任編集 「世界の名著 57 ケインズ ハロッド」を読んだ
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今では当たり前の政策も含む。不況の原因が不明で対策も打てず、十年に一度、恐慌のある世界。この人登場以前も考えると業績は大きい
ナチス発生の具体的な理由もわかる。当時でも回避策は提案されてたのに、却下しての感情的・妥協的対応。原因も実際は、内外で発生している
当時の派閥闘争の話もある。そこからの反対論。インテリが実際は社会の足を引っ張る場合も多い。本文は具体的にデータを示して説得力ある
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結果としてインフレが発生する社会になった。ここが現在の経済学者が考える問題。それ以前や、現実的でない主義と比べると発展的とわかる
経済の人は自分にはわかるのかなと思ってたので感心した。気付きにくいだけで社会は改良されてるのねえと。実際的で現実に即してるのも魅力
■ 責任編集竹内オサム 「少年小説大系 別巻 1 少年漫画集」
■ 責任編集松本零士 「少年小説大系 別巻 3 少年漫画傑作集 1」
■ 責任編集松本零士 「少年小説大系 別巻 4 少年漫画傑作集 2」
■ 立間祥介訳 文康「中国古典文学大系 47 児女英雄伝(抄)」
■ 小野忍、千田九一訳 笑笑生訳 「中国古典文学大系 34-36 金瓶梅 上中下」
■ 伊藤漱平訳 曹霑 「中国古典文学大系 44-46 紅楼夢 上中下」
■ 福井芳夫他訳 フェヌロン他 「世界文学大系 96 文学論集」
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Vol 3093(2016-06-16)
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。のらくろ以前および同期の作品群。ダン吉作者の別作や正チャン03刊未収録作も収録
責任編集竹内オサム 「少年小説大系 別巻 1 少年漫画集」を読んだ
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それ以前の江戸の絵草子的なのもあるし、童話からの絵物語的なのもあるし、海外のアニメから影響受けてそうなのまで発見多い
個人的にタイトルでペコポンポンが気になってたが、これが原住民モノ。昔のコメディ映画をそのまま使用したロイドの冒険も目を引く
海外の連続して状況を見せてく銅版画も前提にある筈。明治・大正はモダンと話に聞いてたが、海外や新発明の影響を積極的に取り入れたからと納得
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発明モノや日常の中の異人的なキャラが活躍する作品も当然含まれる。面白くないと思ってたんで結構読めるのも驚き
当時の人のインタビューなんかも収録してるが、ちょっと幻滅する所もある。学研の学習漫画みたいのもこの時期に既に存在
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。のらくろと同時期の作品群。どこから影響受けたかモロにわかる物ばかり
責任編集松本零士 「少年小説大系 別巻 3 少年漫画傑作集 1」を読んだ
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資料が見つからないと思ったら、松本零士がコレクターらしく資料を提供。そんな訳で責任編集。影響がどこかと考えても面白い
これはアカンレベルで流用してる。のらくろと同期だがのらくろキャラがそのまま登場。しかも悪キャラ使用もあり、ますますヤバイ
後は原始生活物と月世界旅行モノ。ここらも何から影響受けたか一発でわかる内容。展開自体は意外と凝ってて今でも読める出来
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解説の松本零士は、まあいつも通り。それはそうとして戦前でも結構高いレベルと、そうじゃないのが存在してたのは面白い所
戦争で中断を挟んだのと、手塚治虫の業績が大きすぎる点で、目を眩まされてた点はあるんだなと。水木サンの影響がどこかでも発見
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。戦後の作品も挟むが、ちょっと意図的な物も感じさせる作品はある
責任編集松本零士 「少年小説大系 別巻 4 少年漫画傑作集 2」を読んだ
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象さん豆日記(1939)・仲よし日記帳(1943)新関青花。戦争が1941なんで戦中の作品。内容と反して激ヤバな雰囲気が漂う
タイトルそのままに近い。可愛い動物や、家族が出て来て、みんな仲良しな話。でも戦中。のらくろアウトでこれはOKなのが怖い
コグモの冒険(1948)・でっぷり船長の冒険(1949)花野原芳明。戦後だがオサムシという名の敵が出て、これもちょっと怖い感ある
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作者は後に小学生の学年漫画や教育映画に移行してったみたい。コグモの冒険がモロにハッチっぽくここらもちょっと面白い
バケツリレー・空襲警報の話もあるのが時代出てる。戦中は漫画・米の偉人の話は完全アウトと思ってたので発見。色々と考えさせられる一本
[2016-05]
日本の文芸調査から派生。先行する講談等がある可能性あるが、1850年頃成立と割と最近の作
立間祥介訳 文康「中国古典文学大系 47 児女英雄伝(抄)」を読んだ
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強い女傑物が昔にもあると話に聞いてたの思い出した。気になってた作だがやっと読んだ。講談調で読み易い
ポン刀担いだ女傑がためらいなく強盗殲滅。凄そうな感じだがそれは前半。実際は言いくるめられて嫁になりと文系な話
あとがきにもある様に物語自体はわりとどうでもいい話だが、会話の筋が異常に通ってて、過去の名言の引用などもあり学者的
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そっくりで姉妹扱いの美人嫁・科挙で合格して安泰・爺になって嫁妊娠・別作品とは違うアピールなど作者の考えや願望も良く出てる
おしっこネタに対する変な情熱も可笑しい。ルソーも晩年エロに目覚めるが近いとも思う。英雄の出る話でも変わった型で興味深い
[2016-06-02]
日本の文芸調査から派生。原書1573-1620頃成立。四大奇書で、エロイという話も聞いてたので読んでみたかった
小野忍、千田九一訳 笑笑生訳 「中国古典文学大系 34-36 金瓶梅 上中下」を読んだ
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本国での評価も変遷あるみたいだが、確かに迷ってしまう内容。裁きは下されるが基本は悪が栄え、それが肯定もされてしまう話
当時の流行から、水滸伝から派生する形の作りになってる。英雄の話では無く、英雄に殺される悪の毒婦と間男が栄華を極める
型としては大奥物や昼メロ・源氏物語なんかにも近いかも。但し敵対者は徹底的に謀殺される。ちょっと感情移入しにくいキャラではある
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リアリズムという評価もあるが芸術系の話にも近いのかもしれない。エロイといっても権力等への欲望含め、動物的な所のあるエロさ
小気味の良い話では無いので各巻感想も控えようとは思った。だが総覧して考えると書くべき所もありそうで以下各巻感想
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「金瓶梅 上」最初の数回は水滸伝の間男と毒婦の謀殺イベントをそのままなぞる。悪が勝利し、その後の栄華を引き延ばしたのが本書
全裸での謝罪の要求など、ある意味で中華の本質の部分を反映してると思う。プライドの高い人物が思い通りにならない物を排除してく話
絶対的な権力者がいて、その裏をかいたり威光にすがって権力をふるう。宦官の宮廷劇みたいな部分。権力の強い中華ならではとも
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「金瓶梅 中」ハーレムの中で産まれた子供が謀殺されるイベントの発生する中巻。悪が悪の為に栄え、その為に自壊してく話でもある
占い師が人物評定を下す話なんかもあるんだが、権力や情愛への欲望が特に理由がないというのも特徴。リアルといえばリアルではある
その割には仏教による救済なんか願ったり、子供っぽい遊びの行為を楽しんでたりする。西洋の様に強烈な信仰を持たないのも中華系の特色かなと
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「金瓶梅 下」遂に裁きが下される。豪傑による最初の悪事の復讐が引き延ばされていた形で、しかも殺害による決着だが、正直ザマアという気にはなる
賢婦の立ち位置のキャラは救われるので、作者も常識はあったとは思う。ただ全巻通してみると書きたかったのは、悪の繁栄の部分だよなあと
一神教の様な絶対的な価値観が無い文化だと、こういう欲望をむき出しにした文芸も出やすいのかなと。四代奇書の中でも問題作傾向は最も強いと思う
[2016-06]
日本の文芸調査から派生。原書1791。お化け絡みある恋愛譚という事で貸出だが、実態はだいぶ違う
伊藤漱平訳 曹霑 「中国古典文学大系 44-46 紅楼夢 上中下」を読んだ
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序盤に奇譚からの出生話はあるが、本質は大河的な家族ドラマというのが本当の所。死別に至るまでも長い
直前に読んだのが悪の限りの金瓶梅という事もあって穏やか。葛藤はあっても善人が多く、お行儀が良い
リアリズムという点では良く出来てる。また故事で他人を諭すなど中国が持ってる善性の部分も発揮されてる
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話の波は人間の心理劇の部分になるので、派手さにはかける。近代の文学なんかに近い。面白さも控えめ
説教臭さやむき出しの願望が無く淡々と進むのは短所長所はある。中国古典はこういう作品もあると知り感心
[2016-06]
良い作品とは何ぞやのヒントになるかなと。今では古い意見も多い。結局時代が出てる内容という判断になる。31本の論評を収録
福井芳夫他訳 フェヌロン他 「世界文学大系 96 文学論集」を読んだ
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作家や評論家が中心になる。大半が古く忘れ去られた人たち。結局の所、勢力争いで、自勢力の作品がいかに素晴らしいかの宣伝
共産圏のリアリズム絶賛などでわかるが、これは政治の世界。面白さは主観で変わるとか言い出すと、もう収拾つかない
大半が論文としての体をなさず説得力無い文。故に光るのがフロイト。おチンポの人ではあるが、ロジックは通ってる
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また自分がいかに作品を作ったか系の話は、説得力は無くても胸を打つ。これはゲーテ。他にも今も名を残す人の文はちゃんと面白い
その時代の現実と理想を捉えつつ、普遍的な真実を描くのが正解といった所だろうか。創作してる人なら作品で勝負してもらいたいとは思う
■ 織田小星+樺島 勝一 「正チャンの冒険」
■ 宍戸左行 「少年小説大系 資料篇 1 スピード太郎」
■ 鈴木圭介訳 アルフレッド・ヒッチコック 「ヒッチコック映画自身」
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Vol 3091(2016-06-09)
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。2003刊。1923-24・1926の作品
織田小星+樺島 勝一 「正チャンの冒険」を読んだ
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手塚先生がダン吉の解説の中で挙げてて思い出した。水木サンの幼児の図像で正チャン帽を被ってる
カラー収録。未収録作も他本で確認。解説も充実。アールヌーボーと言われて納得したが、先行して多色の浮世絵もある
解説のタンタンより先行して〜はほめ過ぎとも思うが、すごくお洒落。その絵で天狗とか和服とか出るのもギャップあり良い
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アリスっぽい様な、童話っぽい様な、旅物っぽい様な、和風お伽噺っぽい様な。とにかく当時読めたであろう文芸の影響わかる
外国からの影響の指摘と共に文と吹き出しのまさに絵物語と漫画の中間系。時代と共に洋風のお洒落っぽさでナウさにびっくり
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。88刊。1930の作品。戦争が1941、のろくろが1931-1941が参考になる
宍戸左行 「少年小説大系 資料篇 1 スピード太郎」を読んだ
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手塚以前に映画手法を取り込んだ作として漫画好きには有名な作品。全編カラーで内容的には少年探偵が世界で大活躍といった話
荒い所もあるけど実際に主観ショットなんかも使ってて驚き。作家自体も外国で修行。外国及び映画から日本の漫画出発してると納得
他の戦前作もこういう昔の海外アニメに近いのはある。自分は水木サンや竹内版鬼太郎も連想。手塚とは別ラインでの海外影響伝統もありそう
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そこまでは見抜けなかったけど当時の世界情勢も反映してると解説にあり。また内村鑑三と縁者で金とられてペテン師という月報も付属
正チャンの冒険なんかもそうだが動物キャラも戦前作は多い。手塚から漫画が始まった訳でなく、手塚影響下以外の線も繋がってると納得
[13-02-22]
感想を書く加減で、映画の勉強をちゃんとしたかった。やっぱり基本はこの人だろうと
鈴木圭介訳 アルフレッド・ヒッチコック 「ヒッチコック映画自身」を読んだ
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短い文中心・各解説豊富・本人が喋った書いた物中心で、大変読みやすかった
撮影と役者の思い出話・映画制作の方針・実際の技術など、資料として充分
面倒な議論のかわし方も巧み。他にも見る人を常に意識した製作態度で見習える
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特撮的な分野の裏話の他、各種映画での演出意図など、技術面での知識も豊富
文章はゴースト使ってるのが多いのは知らなかったが、自身をも演出してて技量の高さが伺える
■ 長谷川 町子 「長谷川町子全集 32 サザエさんうちあけ話 サザエさん旅あるき」
■ 梅谷献二 「虫を食べる文化誌」
■ 埴原和郎 編 「日本新起源論」
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Vol 3089(2016-06-02)
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。田河水泡の弟子筋。アニメは国民的だが原作はノーチェックでもあった
長谷川 町子 「長谷川町子全集 32 サザエさんうちあけ話 サザエさん旅あるき」を読んだ
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今作は漫画での自伝やエッセイという形。田河先生の件もあり、特に指示はなかった・アイデアは起点を設定した・お笑いの理論を話した等の話
本人の生活の話の他、アイデアの悩みの話もある。探偵小説が好きな事や、本人に内緒で癌だった為、半年ぐらい辞めても逆に周囲はそれを薦めた事など
戦前の生活も書かれてる。紙が無くて漫画の書きようが無かった話は、田河先生ののろくろ中断理由とも一致する。正直な記録が多いと思う
.
お母さんのキャラが濃い。田河先生に引きあわせたのもお母さん。やっぱ戦争体験してる人はしぶとさと楽観さが凄い。面白い逸話多数収録
寵愛を巡る、犬の話なんかも印象に残った。漫画本編も少し調べたが、結構破壊的な所はあると思う。手塚系列とは別ラインの面白い作家
[13-02-07]
昔、虫の缶詰を食べた事ある。甲殻類系の味でなかなかイケた。虫食べる文化は世界に多数ある
梅谷献二 「虫を食べる文化誌」を読んだ
.
虫とヒトの関わりの章もあり読み易い。虫を飼って愛でる文化や精神は、日本と中国独自なのが発見
一番章をとってるのは世界の虫食。タンパク質も豊富だが、その文化圏外だと流石に珍食揃いで珍しい
少女がクモを旨そうに食べる図が衝撃 但し味は問題無いみたい。英国では昔、ゴキブリすら食べたらしい
.
中国が食・医療・娯楽と文化的に多彩。更に釣具の虫も紹介。専門家でも驚く程、多数が流通してる
衛生や調理の加減で、そこらの虫を食べるのは薦めない。だが、食文化としては、なかなか可能性がある
[13-05-16]
1990年の京大での一般も参加のセミナーの全記録。内容も新しく信頼出来そう
埴原和郎 編 「日本新起源論」を読んだ
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怪異関連と同じで、普段共同研究しない、各方面の教授が参加。内容もわかりやすい
タヌキ顔の縄文型にキツネ顔の弥生型。ここらは実際の生活でも見られるので面白い
今に繋がる部分も多いし、文化的な面でも興味深い。昔の人のヌードなんてお楽しみ図版もあり
.
日本神話絡みで借りてきたので、比較も出来る。また、それ以前の狩猟生活の事もワカル
犬は縄文型中心なのも興味深い。環境や生活スタイルで、人の体型が変化するのも納得
■ 田河水泡「滑稽の研究」
■ 田河水泡 [のらくろ総攻撃/のらくろ決死隊長/のらくろ武勇談」
■ 田河水泡 [のらくろ召集令/のらくろ中隊長/のらくろ放浪記/のらくろ捕物帳/のらくろ喫茶店]
■ 山下正男 「論理的に考えること」
■ 高木秀玄訳 ダレル・ハフ 「統計でウソをつく法」
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Vol 3087(2016-05-26)
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。87刊。後年情熱の全てを注いだとされる研究
田河水泡「滑稽の研究」を読んだ
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自伝で激推し。のらくろからのロジック研究も期待したがほぼ無し。筆者本人の作品も、戦後は勢いが消えてる感ある
哲学書からの笑いの研究推移、及び美術からの漫画推移研究。前者は直接文献に当たってない雰囲気
今読むと、単なるまとめレベル。本人の言葉の部分が薄く、理解不足も感じさせる。ただ自分と弟子筋で漫画からの例は出してる
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今の比喩分類の元ネタが明治の本とかはしらんかった。美術からの漫画研究に関しては先進的。これは今でも評価できる
海外でこれ系の科学的な研究が今はある。故に現代だと辛い部分も多い本。ただ見るべき所は無い、と言う訳でも無い
[2016-05]
いい機会でコンプ目指す戦前単行本発表作 田河水泡 [のらくろ総攻撃/のらくろ決死隊長/のらくろ武勇談」を読んだ
単行本の形で出た厚い全集では未収録の作品群。一冊丸々ひとつの内容で、大陸での大戦争を描いた作品。蛸の八ちゃんの慰問団などのクロスオーバーもあり
とにかくのらくろを大冒険させて、みてる人を楽しませてやろうという意図が全面に出て、凄く意気込みが伝わる。当時の状況がわかる点でも興味深い
[2016-05]
いい機会でコンプ目指す戦後発表作 田河水泡 [のらくろ召集令/のらくろ中隊長/のらくろ放浪記/のらくろ捕物帳/のらくろ喫茶店]を読んだ
正直な感想として読むんじゃ無かった。暗い。のらくろが失敗する所は昔と同じだが、自業自得に近くクズに近い性格で、ただウジウジ悩んでばかり
絵も等身上がり、背景増えたが逆に勢い無く、今の少年漫画上がりの青年漫画作品そのもの。サブではレスラーで成功したデカなど良い所もあるのに
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喫茶店で慰問した孤児院で自分そっくりの子供キャラを邪険にしたり。戦後作まえがきで作者でもなかなか幸せにしてやれない話等と共に思う所ある
補足として未見の旧ドラと声が被るのらくろと、おぼろに記憶あるのらくろくんと二作のアニメ版ある。ただ自伝ではこれらは年表から消してる所あり不穏
[13-05-16]
詐欺被害の予防用の本に、参考として載ってたので借りて来た
山下正男 「論理的に考えること」を読んだ
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数学の人で無くて哲学の人の書いた本。なので、ユーモアもなく、例もマズく読み難い
ただ、図を随所に使ってるので整理はされてる。また、哲学の基礎の考え方もフォロー
怠け者の理論の他、最初の前提がズレてると、後も全部ズレてくる事がよくわかる
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占いなど日常生活でも出てくる、どこかおかしい理論など。やっぱりおかしかったんだなと納得
最後の四分割で考える方法が、図もついてて面白い。詐欺対策なんで、活用出来るといいんだが
[13-05-16]
詐欺被害の予防用の本に、参考として載ってたので借りて来た
高木秀玄訳 ダレル・ハフ 「統計でウソをつく法」を読んだ
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社会心理学の人の本。なので、実例や絵も豊富でユーモアもありわかりやすく面白い
日常生活でも数字を使った例は見かけるが、ああいうのインチキなんだと、改めて納得
まともに資料に使うとしても、前提条件がズレてると、大失敗につながるという例
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ダマシ方にしても、説明されるとわかりやすいが、実際は被害に会う人も多いんだろうと深刻
活用できるかどうかはわからないが、ダマしの例は実生活にもたくさんあるんだなと、勉強になった
■ 田河水泡/高見澤潤子 「のらくろ一代記 田河水泡自叙伝」
■ 田河水泡 「のらくろ漫画全集」
■ 丘直通・日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「動物行動学 I・II」
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Vol 3085(2016-05-19)
[2016-04-29]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。もういっそ本当の原点も振り返ってみようという趣向
田河水泡/高見澤潤子 「のらくろ一代記 田河水泡自叙伝」を読んだ
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91年刊。1899から1990年までの生涯。亡くなられてるので途中から奥さん執筆。これに合わせ作品もチェック
漫画本編もそうだが、戦前の生活や軍隊生活。竹久夢二に資料売った当時のアバンギャルド芸術家時代の話もあり
兵隊クビになろうと画策するも、健康になったり出世したり。滑稽な話題が多く、本当にのらくろそのままな所ある
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昔の人だがユーモアあり、五万部全部にサインしたり、グッズ展開でお金入ってこなくてもOK出したりと優しい所が目立つ
蛸の八ちゃん命名話や全員有名なお弟子さんの逸話もあり。漫画本編とも合わせて、昔の人だか凄いなと評価高まった
[2016-04-29]
付記と言う形で簡単に [のらくろ漫画全集]を読んだ。戦前の連載を一本にまとめた物。当時の風俗や理想・思想が詰まって資料としても一級
作品としてもこれが意外と楽しい。愉快な軍隊生活で成功して出世。軍隊生活物、教養小説系とも言える。キャラも個性あり愛着わき、カエルなど絵も可愛い
教育を受ける所など学園物・訓練物の先駆。戦争・日常物要素あり。軍隊で「〜であります」。なにくそ精神など最近の作と似た所も意外に多く発見多数
[12-01-08]
古典的な書籍ではあるが、異様に分厚く敬遠してた。今回なんとか読んだ
丘直通・日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「動物行動学 I・II」を読んだ
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一般向けのコラム書籍は読み易い筆者。本来の論文の形での集大成版
遺伝子で解明できる現在では、間違ってる所などもある。だが、それでも古典の一冊
実例も多数挙げられていて、捕虜生活開放直後の文は主張が生々しい
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後に人間行動の社会心理学や、認知の問題にも発展してく様も、順を追ってわかる
I・II巻で1000P近くあるが詳しくは以下。個人的には一般向けコラムの方を薦める
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[12-01-05]
先に読んだ一般向けコラムの元になる正式な論文。かなり読み難め
丘直通・日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「動物行動学 I」を読んだ
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本能と後天的な習得の区別が、初期の課題だったなど、順を追って読める
鳥類の飼育と観察・言語と動作の解読など。本当に動物好きだとわかる
他の人の卵転がし論文から、本能は刺激で自動発動する事も一目瞭然
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戦前の研究者なので、VTR導入の提案など、当時の研究の様子も知れる
後天習得から本能となる流れ。後の動物学の本と比較するのも興味深い
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[12-01-08]
後に人間行動の分析から、社会心理学なんかに発展してく様が見て取れる
日高敏隆・丘直通 訳 K・ローレンツ 「動物行動学 II」を読んだ
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最初に膨大な例のカモの観察のレポート。これを読むとカモの心が理解出来る
認識に対しての心の動きなど、相当難しい分野にも波及して、読むので精一杯
実例が挙げられてるので、後の研究と比較して読むと、なんとか概要は掴める
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当時の学問への批判と提案なんかは、今では何を指してるか掴みにくく、大変
古典で今では間違ってる所もあるらしい。だが、学問の流れが掴める点で有益だった
■ 「平井呈一訳 シェリダン・レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」
■ 「立川文庫傑作集」 全四巻
■ 足立 巻一 「立川文庫の英雄たち」
■ 生和秀敏+生和禎子訳 G・ヘネンホッファー+K・D・ハイル 「不安の克服」
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Vol 3083(2016-05-12)
[2016-02]
ファンタジー扱ってる関連から。1839から1872。デュマやポーと同期。それと絡め発見多かった
平井呈一訳 シェリダン・レ・ファニュ「吸血鬼カーミラ」を読んだ
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文体はデュマにも近い一人称系。またホラーでオチが無いが推理物風。心の医者の分析の形もとる
自然や神の否定がゴシック小説とするなら、近代小説の橋渡しの作品として重要。作風はポー・ラブクラフトにも近い
また分析風の事件の話も、裁判の発展やフロイト以前の分析の資料になる。掘り起こされてないだけで歴史いろいろありそう
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表題作はセリフがキレキレな所ある。しかもドラキュラ以前で原型的な物を見れる点でも重要
文芸でも時代で軽んじられたり再評価あるのも発見。これも1923に再評価。また当時も人気あり与えた影響もデカい
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。日本の近代娯楽はここから始まる。読むのもドキドキ
「立川文庫傑作集 第1巻
智謀真田幸村(加藤玉秀1911)/真田三勇士忍術名人猿飛佐助(雪花山人1912)」を読んだ
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改行と句点「。」無し。速記術で講談まとめた話。「、」で延々と文が連なるが「〜なり」と意外とテンポは良い
こういうのも向上はある筈。内容自体は今でも充分いける。お馴染みの話だが、歴史事実と違い縦横無尽
幸村は中盤まで幸村が出ない。伏線張り忘れてる等もある。地雷火の術や大久保彦左衛門など他人気キャラ登場あり
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佐助はタイトルうちが面白く、名ゼリフ。戦争前反映してか理不尽気味な修行。ただ術合戦は奇想天外
中華系の影響は強く感じる。滑稽な部分を強調気味なのも興味深い。文体は特殊だが今でもOKな出来
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。今とはイメージ違う他、忘れられ気味の英雄も出る
「立川文庫傑作集 第2巻
真田三勇士忍術名人 霧隠才蔵(雪花山人1913/真田家豪傑三好清海入道(野花山人1914)/
武士道精華塙団右衛門(野花山人1911)」を読んだ
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1914年段階で改行と「。」をやっと覚える。他書ルビでたちかわとしてる所もあり、当時からちたかわでもよかったんでは
才蔵は今のイメージだとクールだが、この時点では便所ネタ等もあり佐助と同じキャラ付けがされてる
速記だがタイトル表題や始まりなど文は工夫してる感じ。この巻では化狸退治して狸汁にするネタも登場
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講談ではあるが、これ以前の絵草子の印象も引きずってると思う。最後死ぬ人ばかりだが、そこは描写しない
戦前の他資料を見るに、本来は日本人は結構陽気なんじゃないかとも思う。だいたい人気キャラは今と同じ
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。今と違って重兵衛は発見。イメージもだいぶ違う
「立川文庫傑作集 第3巻 武士道.精華宮本武蔵(野花山人1910)/柳生重兵衛旅日記(野花散人1911)」を読んだ
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小次郎が美形キャラで無いし、櫂の木剣やおつうさんなんかもなし。戦後に改良した点もあるとわかる
剣術の具体的な解説なんかも入る。燕返しは飛び等具無効化術。忍術物の人気なんかも逆算して考えると面白い
十兵衛も片目キャラ強調なし。魔界転生は64年だが、この段階で弁慶や官兵衛を弟子にしたなどエキセントリック
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現実設定無視して面白くは物語でありだが、それで発生したイメージも、継承発展していってる感がある
ここらどうせ原点資料も無いし、完全創作の英雄に至る過程と思うと興味ある。同時に原点とも納得
[2016-05]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。共に初期ラインナップとなるが方向性は決まってたのねと
「立川文庫傑作集 第4巻 武士道.精華岩見重太郎(加藤玉秀1911)/諸国漫遊水戸黄門(加藤玉秀1911)」を読んだ
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妖怪変化を倒せば英雄。これもそれ以前の絵草子の影響なんかは考えられる。もちろん古典も含む
黄門はもう助さん格さんを連れてる。体制側の人なんで、英雄でも結構特殊ではあると思う。農民に頭下げる話も
相撲で前を出すとか、遊女を助けるとかのバカエロ系ネタもあり。ここらは日本古来の古典でもお馴染み
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重要なのは漫遊要素とも取れる。いざ戦闘場面になると途切れたりもあるので、物語の発展として見ても面白い
今や読まれず、知る人ぞ知る感ある立川文庫だが、日本娯楽の基礎になってる所や日本の価値観はよくわかった
[2016-04]
最近の漫画のアニメ作品を扱う事になった加減から。同時期に真田丸なんかもあり好都合
足立 巻一 「立川文庫の英雄たち」を読んだ
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1980刊。大正から昭和に大ヒットしたのが立川文庫。今の日本娯楽の原点。日本作家も多大な影響受けてる
大正に忍者ブーム。映画創世記に忍術映画もヒット。ただ忍者の語は1950年代半ばから。立川文庫研究もその頃より
作品傾向分析と、類似海外古典の考察あり。西遊記など中華系ベース。説話や講談が元だが、改良点も出て来てる
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今も皆が知る英雄群。一方で佐助なんかもある。姿を消したりのナンセンス型忍術合戦。歴史変化考察と共に興味深い
世相を反映してる。これらは形変え今も受ける要素。他作との比較があるので納得もいく。日本は本来は滑稽すきなのねと
[2015-09]
原書は73訳93と少し古めで他資料も参考にするといい。不安をなぜ感じてどう克服していくかの内容
生和秀敏+生和禎子訳 G・ヘネンホッファー+K・D・ハイル 「不安の克服」を読んだ
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不安が何かはっきりしてないのが自分の課題だった。それ以外にも不安全般に関しても触れている
チェックシート付き。まず不安を特定してケース毎の不安克服法がある。他資料も参考になる
身体の意識的な調整。慣れさせる形で克服。理想と創造による克服と各種種類がある
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人の例も挙がっている他、文自体もわかりやすく理解しやすい。絵も多数使用されている
回避するんでなく向き合うのが結局一番という事になる。身体的に何故そうなるかの理由もよくわかった
■ 笠井勝子監修 高山宏訳 ステファニー・ラヴェット・ストッフル
「不思議の国のアリス」の誕生(「知の再発見」双書 73)」
■ 遠藤秀紀 「アニマルサイエンス2 ウシの動物学」
■ 菊池淑子 イブナ・ル・ムカッファイ 「カリーラとディムナ アラビアの寓話」
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Vol 3081(2016-05-05)
[2015-09]
ファンタジーからの派生。異世界もので見ても、アリスは異常に早いと気付いた。で、作者紹介の本を調べる
笠井勝子監修 高山宏訳 ステファニー・ラヴェット・ストッフル
「不思議の国のアリス」の誕生(「知の再発見」双書 73)」を読んだ
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誤解も多い作者。現状の見解では、幼女好きは性的な意味で無い。求婚説も間違いとされている
本書は、そんな筆者が実際はどんな人か解説。着色した、当時の幼女の写真等も、カラーで紹介
ちょっと変わってるけど、善良な人が実際の所と思う。結婚出来なかったが、幼女や女優と女友達は多い
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舞台版アリスの存在と、それへの関与。絵が描けなかった事や、数学者としては苦労多かった事もわかる
不条理劇に先行するナンセンス作や、完全な児童の為の娯楽作を作った点など、もっと評価されて良いお人
[11-08-17]
愚鈍な印象だが、実際は大地の覇者たる能力を持つ、面白い動物
遠藤秀紀 「アニマルサイエンス2 ウシの動物学」を読んだ
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植物を反芻胃で発酵させ、微生物を吸収する。まさに、動く植物処理プラント
植物を栄養とする困難さや、温暖化原因のげっぷのメタンも、よく理解出来た
管理下でしか生きられないホルスタイン。それ以外にも種類の多さに驚き
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頭部に角を持つ生物は、巨体を武器とする事など。原種の凶暴さも発見だった
自然破壊にもなる食事スタイル・滅び行く種の存在など、いろいろ考えさせられる
[13-01-17]
元は印の説話集。これにアラビア的な、入れ子構造と追加の話が足されたもの
菊池淑子 イブナ・ル・ムカッファイ 「カリーラとディムナ アラビアの寓話」を読んだ
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表題は動物の名前。動物の寓話を元にして、教訓などの為になる話が語られる
千夜一夜と同じで、話に話が挿入される形をとる。千夜一夜に流用されてる話もある
解説が元ネタ調べも兼ねてる。追加部分も、導入されるまでや、話のオチなど興味深い
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印の説話はアジア圏全域に流布してる。なので、鼠の嫁入りなど、日本でお馴染みの話も
猫に鈴に該当する話。後の挿入・低俗の理由で、訳者が削ってしまったのが少し残念
■ 責任編集山本一郎 「世界の名著 70 ラッセル ウィトゲンシュタイン ホワイトヘッド」
■ 木村博恵訳 エリザベス・M・トーマス「犬たちの礼節ある社会生活」
■ 木村博江 訳 エリザベス・M・トーマス 「猫たちの隠された生活」
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Vol 3079(2016-04-28)
[2015-12]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。20C入ってからの人達。目に見えない観念の話で難しくなる
責任編集山本一郎 「世界の名著 70 ラッセル ウィトゲンシュタイン ホワイトヘッド」を読んだ
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解説はラッセルの扱いが多め。オッカムのかみそりの人。階層に分けての物の観方を考えた人
後の二人は弟子筋。ラッセルは強烈な人格で矛盾を含む。自己矛盾を内に秘めてたからこその思想とも云える
頭の中と現実の世界で起きる事は別という事になる。仏教的な考えも源泉に入ってる筈で似た所あると思う
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ウィトゲンシュタインがユニークで、神の尻尾を捕らえかけてそうな段階に達してると思う点ある。難しい問題
ネタの加減もあるが、全員説明に下手な所あり、わかり難いのは致命的ではある。それにしても刺激がある
[11-04-07]
一作目とは違い、訳ありの犬と筆者達人間社会との深い関わりの記録
木村博恵訳 エリザベス・M・トーマス「犬たちの礼節ある社会生活」を読んだ
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ビスケットを隠すテストや、反響に吠え続けるなど。可笑しい場面も頻出
朝ごはんの時間など、筆者が教育されてる様。犬の利口さも際立ってる
筆者の観察力は高い筆者。故に、犬同士の序列や、社会生活の記録も鋭い
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犬の人間社会への参加の起源の考察。定説とは違いも新味がある。興味深い
筆者の考えとは違うが、ヴィトゲンシュタインの動物への考察に思う所がある
[11-10-15]
原題は「虎の部族」 猫と云うより、野生の虎やライオンの調査記録
木村博江 訳 エリザベス・M・トーマス 「猫たちの隠された生活」を読んだ
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前作と次作は読んでた。だが、近場の図書館に無く、半年も読めなかった一冊
ブッシュマン研究の人。なので、間違いや推定の部分もあるが、詳しい観察力
文明が入る前、野生でのブッシュマンとライオンの、共生的な関係が印象的
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開発による急激な変化で、全てが変化した事の記録は、この人ならでは
ブッシュマンとの交流、野生の猫科からの家猫の分析など、興味深い内容
■ 責任編集 田中美知太郎 「世界の名著 プラトン 1・2」
■ 深町眞理子 E・M・トーマス「犬たちの隠された生活」
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Vol 3077(2016-04-21)
[2016-03]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ホイジンガ経由。以前読んだのすっかり忘れてた
責任編集 田中美知太郎 「世界の名著 プラトン 1」を読んだ
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プラトン1・2でまとめて扱っても良いけど、初見のゴルギアスが面白かったんで。ソクラテス一生のまとめ編
上記が入る事で、ソクラテスが良く理解出来た。言論バトル物とも見れる。ソクラテスは宗教の人に近い所もある
AC4前半の人。だが死後の裁判や、解説にある様に、輪廻の話とも取れる。ブッダがAC5で、インド哲学よりは新しい
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著者プラトンなのに、ソクラテスの話とはこれいかに。ものまねが得意な人と解説にあり、実際はどうか難しい
ただ内容に関してはソクラテスが他人を説得する話で、こっちも納得出来る。整理された思考とも言える
[2016-03-26]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。国家を丸々で無く所々省略して収録。あとは書簡など
責任編集 田中美知太郎 「世界の名著 プラトン 2」を読んだ
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解説にもあるが理想主義すぎる所。本人もマズイと思ってる筈だが、他人の言説で語り、中身も権力の欲望ともとれる
古い型の共産主義。この後ソクラテス式問答が怒りを買う形で悪用されたり、デマゴーグが国滅ぼす等の現実もある
人間の魂は永遠に続くとかは、宗教もちょっと入ってる。別系統のそれらは批判してて、灯台下暗しだなとも思う
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今回は結論が説得力欠く内容。空想も入るので、わかりやすいがうーん。洞窟のイデアや、頭だけ出た袋の例えもある
宗教的な内容含むせいかもで、結構怪物の話もある。また馬の松明リレーや、姿の消える指輪の話など、本筋以外も興味深い
[11-03-11]
離し飼いの自然に近い好条件。犬の生態の貴重な記録
深町眞理子 E・M・トーマス「犬たちの隠された生活」を読んだ
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狼観察の経験と比較し。放された犬の探検を広範囲で追っている
三世代に渡る犬の序列と、メロドラマ。犬同士での間引きなどは驚き
犬がこっそり巣穴を掘ってた話が微笑ましい。その本性が見えてくる
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四辻は危険なので動物は基本避けるなど。妖怪好き的にも興味深い
犬と人間での友情の違い。犬はぼんやりしてる事が幸せなど発見も多かった
■ 石山禎一・牧幸一訳 「シーボルト日記」<br>
■ 斉藤 信訳 東洋文庫 「シーボルト 江戸参府紀行」
■ 高橋康也訳 ルイス・キャロル 「スナーク狩り」
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Vol 3075(2016-04-14)
[2015-09]
ファンタジーからの派生。原書1876。筆者をして自分でもわからないで作ったと書く超ナンセンスな物語の詩
高橋康也訳 ルイス・キャロル 「スナーク狩り」を読んだ
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なんだかよくわからないスナークを、なんだかよくわからない人達が捕まえにいって、最後ヒドイ目に合う話
不条理劇開祖のユビュ王が1888でそれより先行してる点でも凄い。忘れられがちなのは英仏の問題もあるんだろうか
ジャバーウォックの歌も収録だが、これも新奇でモンスターを作ってるなど、この人はいろいろと凄いと思っている
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筋は掴めてなんとなくわかった気になるが実際は意味不明なのも鑑賞として正しいと思う。不条理劇とかより酷い
後続の不条理劇や筆者の他作がそれなりに理論あるのと比べても、これは意味不明の点で突き抜けてると思う
[10-06-09]
江戸時代は実際どうだったのか?意外な所でちゃんと記録がある
斉藤 信訳 「東洋文庫 シーボルト 江戸参府紀行」を読んだ
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1826年の半年がかりの大名旅。一九の膝栗毛とも24年程しか違わない
江戸城で将軍に謁見。金色の紅をさした、奥女中に覗かれたりする
弟子に特産品を集めさせたり、手術をこなしたり、17歳の色情狂の娘を診察したりする
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大都市や貧民街・色街・食べ物の描写など、当時の空気が体感出来る
大阪の過去が一番興味あった。道頓堀で妹背山の芝居も見てて驚き
[10-06-02]
再来時の記録。幕末期の日本の世情が、意外に詳しく残ってる事が驚き
石山禎一・牧幸一訳 「シーボルト日記」を読んだ
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大根の巨大さなどの植物記録。有名人も出る人物の来訪記
それだけに留まらず、斬首・芝居・政治などの当時の風聞
更に花街や公衆浴場。女性でも皆半裸など、風俗も観察してる
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通り魔や30℃近い夏の都市。カラスの害が多かった事など今と同じ所もある
解説にもあるが、娘のイネとの記録が無く残念。日本への愛がよく伝わる
■ 松林要樹 「馬喰」
■ バクシーシ山下「私も女優にしてください」
■ バクシーシ山下「セックス障害者たち」
■ バクシーシ山下「ひとはみなハダカになる」
■ 中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話」全六巻
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Vol 3072B(2016-03-31)
[2014-11-20]
つの丸扱ってる関連から。筆者の映画[祭の馬]は海外で賞とった。筆者自身、昔モンモンモン読んでましたのコメントある
松林要樹 「馬喰」を読んだ
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13年の本。情報も最新に近い。東北の地震直後の、福島の野馬馬追を中心に、原発や馬肉業界などの深い所を掘ってる
結論から書く。田舎の人間関係と政治・金等の話が出るので、重い所が多い。しかし、実際はどうなのかがよくわかる
珍しい馬肉加工所のレポもある。だが、なにより驚いたのは、業者ですら実態をよくわかってないという廃棄された馬の流れ
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金の話も出てくるが、人によって云ってる金額も違ったりする。別書で読んだ米から輸入無い話など、国の文書からの分析もある
最後は祭りからはじき出された人の話も出てくる。震災の影響も込みで、田舎の人間関係の想像以上の複雑さがわかる
[13-08-28]
他書とも並行。この監督のAV作品は未見。庵野秀明が知り合いと別書に書いてる。97年の太田出版の本。アングラ系
バクシーシ山下「私も女優にしてください」を読んだ
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女優といってもAV。事務所に常駐し、訪れた女の子の図版・プロフと共に、監督のコメント
最初の数人はともかく、全体で約80人分。難しい本ではないけれど、読んでると凄く疲れる
もの凄い子も数人いるが、大半はイメージと違い、普通っぽい子。ただ皆似てて、共通項ある
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監督コメントもあるが、主の理由はお金の為とはいっても、雑誌の高級品が欲しいなど
ぼんやりした考えの子が多い。感想として、とにかくわけのわからん疲れがどっと出る一冊
[13-08-28]
他書とも並行。監督の自作品のメイキングと、出てる人達の実際。珍しい業種の実体がわかる
バクシーシ山下「セックス障害者たち」を読んだ
.
終了後に打ち明けるなど、監督作品は未見だが、ドキュメンタリー寄りの作風といえる
密室に閉じ込めて、その反応を調査。感想も実験してる様だったという風に、特異な作品が多い
出てくる人も変わった人が多い。そういう人を選んで使ってる。批判する人も同類。肩書きと別の変わった人
.
現実や常識を疑い、真実を映したいって願望があるのと思う。だから独自な作風になってくる
他の本とも並行だが、これも読んだ後に凄く疲労感がある。一応勉強になるし、価値観も変わるかも
[13-08-28]
これは中高生向けの本。著者はかなり特異な作品をとってるAV監督。価値観は変わると思う
バクシーシ山下「ひとはみなハダカになる」を読んだ
.
以前に立ち読みで読んで凄く面白かった。今回改めて著者の他書籍と共に、まとめて借りて来た
他の本は読んでるとかなり疲れるが、これは中高生向きで読みやすく云いたい事もよく出てると思う
時代・性別・年齢・立場・状況で人の価値観は変わる。個人で考えも違う事はこれで学んだともいえる
.
人類学や社会学なんかの本読んでても、これを裏打ちする話はたくさんある。納得する点は多い
中高生向きにこの人に本書いてもらおうという出版社の姿勢や、この人の文章など。地味だが良い本
[12-11-14]
校訂のみで現代訳も解説も無し。漢文・狂歌もあるが、江戸期の作でなんとか読める
中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話 1」を読んだ
切腹の話から始まって、橋の事故や火災・武家豆知識など、ブログみたいなモノ
家康・正雪・赤穂浪士・大岡越前などの歴史逸話。福助の流行など江戸知識の宝庫
初代外郎売りの逆回し・有名狂歌・ことわざ元ネタ。怪盗話など話題も多岐に渡る
怪関連は全体で10%届くか否か程度。キツネや人魂・天火・雷獣・摩多羅神・唐屋敷幽霊
鬼・河童・天狗・凶兆・猫踊り・ろくろ首・山霊・八女津媛・ヤマチチに繋がる逸話などなど
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[12-11-28]
350話くらいのうち怪関連は10%いくか程度で少ない。だが、長めで内容も濃い話が多い
中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話 2」を読んだ
異国船の日誌の訳・祭や台風のレポ。1m20程度の馬を始めとして、虎退治など動物話も多数
大阪城開かずの間・夫婦石など怪しい話の検証。その一方で、船や山などあっさり信じてしまう面も
行列などのリストも増える。また犯罪話などもあり、全体で見ると筆者の好きな話題の傾向が見える
カマイタチ・金の精・一目連・陰火・ミズチ・足長・船幽霊・オサカベ姫(ハッテンドウ)
化石を竜骨・勝五郎再生譚など。最後の話も文福茶釜で、怪関連は今でも有名な話の宝庫
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[12-11-21]
300いくかどうかの量。だが、今回はリストみたいのが多く、実際は少なめ
中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話 3」を読んだ
最初から日光行列のリスト。以下も捕まった女芸者や宝物など、リストが多い
先に書き忘れたが、曲乗りなどの馬の記事や鷹狩の犬は白毛など、動物ネタも多数
浅間山噴火の記録や引用の引用なども。鼠小僧や乳丸出しの女傑の話もある
迷信的な治療法が効いたと書くなど、信じ込みやすい人っぽい。お化け話は3%程度
狸や狐・天狗など。引用からの、妖物の腰から下を書かない由来が興味深い
-
[12-12-05]
計算間違いでなければ600話くらい。怪異関係は4%くらいだが、内容が濃い
中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話 4」を読んだ
引用で大阪落城と朝鮮出兵の記録あり。ホトトギスの逸話は別の本が先の筈
ネコがマンマン齧ったとかネズミがチンチン齧ったとか、薬でウンコ喰うとかそっち系話も
以前の記事の追跡や言葉の出典辿り。極めつくけはヌエの出典調査と学者風
お化け屋敷は実はやらせ・駿府の記録・子供の頃見た幽霊など、お化け話も長め
さらに今回は図版も多い。タヌキの描いた絵やカッパなど、セキのウバなどなど
-
[12-12-13]
約230話ぐらいでまとまった話三本。怪関連は天狗に浚われた話など、5%もいかない
中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話 5」を読んだ
ご飯食べてる最中に火事になり家宝が消失、その目録まとめ二本が長い
後日光にお出かけして、その時の記録が一本。他にも歌会の俳句の記録など
文学の作品解析や昔の資料の引用なんかも。アシカの絵とかの記録もある
船が沈みそうになり、チンポで笑わせて士気上げる話に感心する所
焼けた家宝の狸火炉を、幼少に青狸として喜んだ話など。結構作者の人となりも出てる
-
[12-12-20]
まだ続編はあるが正編はこれで最終巻。160話ほどで怪異話は6%程度
中村幸彦・中野三敏 校訂 松浦静山 「東洋文庫 甲子夜話 6」を読んだ
最初から詩の会の目録と句のリスト。ここで100Pほど行く長丁場
他も今回は句の控えや、古書の転載が多い、まもなく終了で、宴が楽しみなども
丸はウンコなど文学分析も、怪異関連は鬼切丸の古典控えや、TS・天竺徳兵衛の転載など
最終巻に至ってようやく解説がつく。やっと作者の概要も掴めたが、博学な大名様
解説にもある様に、この人の記録のお陰で残った資料も多い。本当に立派
■ 柳瀬尚紀訳 ルイス・キャロル 「シルヴィーとブルーノ」
■ 渡瀬 夏彦 「銀の夢 -オグリキャップに賭けた人々」
■ 安藤喬志訳 ジム・ホーン 「眠りの科学への旅」
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Vol 3071(2016-03-26)
[2015-11]
ファンタジー扱ってる関連から。1889作。キャロルの一般向け小説作品と特殊
柳瀬尚紀訳 ルイス・キャロル 「シルヴィーとブルーノ」を読んだ
.
現実と脳内の幻想が交差する話。アリスの文体の延長で一人称。時には読者への呼びかけもあり
短編二本を元に追加。アリスでも見られる言葉あそびも随所にあり。その加減で話の筋追うのも難しめ
キャロルの人生観や趣向みたいのは、他作よりも色濃く出てる。恋愛物ともいえる
.
SF的な設定なので、当時の風習わかる場面あり。子供のカオスな劇作は、この人の作風にも繋がる
前文で自分が書きたい本の事等にも触れてる。かなり難しい本だが、キャロルの実際を知る上では興味深い
[2015-01-13]
つの丸扱ってる加減から。92年の馬事文化賞。当時のオグリブームを密接に記録している
渡瀬 夏彦 「銀の夢 -オグリキャップに賭けた人々」を読んだ
.
これがこの人のデビューで賞も取ったが後の活動は振るわない。そういう点から優れてない部分もある
引用の多用やレースの記事に偏重してる傾向もある。だが、その分素人に近い目線での記録になっている
結果的に初期つの丸作品に近い点もある。また時代性や意見の偏りも考慮した上での批判的な記事等もあり
.
面白かったのが、馬主が兼業もしてるオグリグッズ売上の話。当時はアニメ化も検討されてたらしい
最後のブームの他、オグリの生涯の記録と、後の種馬としての実績も今ならわかるので複雑な部分も多い
[2015-01-22]
伝染する事はわかっても、何故あくびするかなど、未だ不明の点は多い。これは06年の研究成果
安藤喬志訳 ジム・ホーン 「眠りの科学への旅」を読んだ
.
どれぐらい寝るのがいいのかなど、実用的な部分にも興味あった。更に夢・不眠・居眠り事故等全般に及ぶ
結局適度な睡眠が良いという所に行きつく。寝だめは出来ないし、寝すぎると逆に疲れるみたい
面白いのは実験も踏まえた耐眠。眠らないと精神不安定となり、幻覚に襲われ、免疫力も低下する
.
コーヒーの効用など、具体的な不眠対策や睡眠法の話もあり。以前と違う夢の最近の研究の話もある
夢見た状態での眠ったままの行動や、鉄分不足からの寝てる時のビクンの話なんかも面白い
■ 桜井清彦 監修・清水雄次郎 訳 Jクラックトン=ブロック「図説 馬と人の文化史」
■ 多田道太郎 「しぐさの日本文化」
■ 日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「ソロモンの指輪 動物行動学入門」
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Vol 3069(2016-03-21)
[13-05-14]
アジア圏も含め全域でカバーしてる。また図版資料も豊富。なので理解もしやすい
桜井清彦 監修・清水雄次郎 訳 Jクラックトン=ブロック「図説 馬と人の文化史」を読んだ
.
ロバ・シマウマ・オナガー等も扱い。雑種強勢は頭と尾が雄に似て、繁殖不可能は知らなかった
道具の発展と実際の使用。コツがいる当時のアブミ無し射撃の、再現実例が面白い
目玉はやはり戦争での馬の運用。以前読んだ本の通り、機動生かした射撃がメインになってる
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インディアンの馬導入は遅い。だが乗りこなし早かった話は驚き。だいぶイメージと違う
扱う記事が多岐に渡り、翻訳も多数の人が協力してるらしい。それだけの値打ちはあった
[13-06-20]
D・モリス経由で借りて来た。ビジュアルガイド的なもの想像してたが、実際はエッセイ
多田道太郎 「しぐさの日本文化」を読んだ
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元々は新聞の連載。筆者は美術の分野にも詳しく、そこからの考察も面白い
しぐさから日本文化を推測する。突っ込みの浅い面もあるが、エッセイなんで読み易い
廃れてるしぐさの考察もある。なので、世界や過去はそうだったと驚かされる部分も多かった
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日本の民俗学者の引用も多い。そんな中、仏文学・美術専攻でそれらの造形も広い
美術分野の模倣に関しては、同時期読んでた本とも絡め納得。専門がある学者は強い
[11-04-04]
筆者自身言うようにタイトルで損してる。読みやすく楽しい動物エッセイ
日高敏隆 訳 K・ローレンツ 「ソロモンの指輪 動物行動学入門」を読んだ
生涯睦まじい鳥の愛や人との友情。敵への知識の拡散と美しい大団円
卵の観察の筈が偶然刷り込みを発見し、鳥のパパになって大奮戦する話など
鳥言語を人間も話せる事に驚愕。キ印手前の行動をするはめになる章も笑える
魅力的なアクアリウムの話。草食動物の残忍さも知らなかったので驚き
自分は鳥は意識してなかったが、それが180度変わり、面白く思うようになった
■ 岩崎 徹 「馬産地80話 日高から見た日本競馬」
■ 奥井一満・柴崎篤洋 訳 ローレンツ他 「ヒトと動物」
■ 小林保治 全訳注 「唐物語」
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Vol 3067(2016-03-14)
[2015-01-21]
つの丸扱ってる加減から。06年の馬事文化賞。知りたかった生産の実態を詳しく解説
岩崎 徹 「馬産地80話 日高から見た日本競馬」を読んだ
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80回のコラム方式で読み易い。生産だけでなく、それにまつわる流通・売買の実際も書かれてる
06年情報だが、種付け成功率から登録・出走出来るまでのハードルの高さ。馬が売れてないという実態
生産地の二極化からの成功例。更に度々云われる、地方競馬が無くなると、どんな恐ろしい事になるかの話
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酪農とも関連するので、馬喰や生産者の意識の他、どういう人達かの話。育成・調教も含めた馬の流れ
そんな詳しい本にも関わらず、廃馬になった馬の事はよくわからないとある。馬産業は少し怖い所もある
[12-08-31]
ローレンツで検索かけて借りたが、複数の学者の論文の編集本
奥井一満・柴崎篤洋 訳 ローレンツ他 「ヒトと動物」を読んだ
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まえがきで難しい事を宣言しだして、大丈夫かなと思ったが、問題無かった
難しい論文もあるが、動物の食事や飛行機との関係など、エッセイ的なものも
気になったのは「ウマの心」の論文。利き手の実験結果はこれが多分初出
.
オットー・ケーラーの、無意識になす行動の論文はおそらく重要な筈
今の行動学や、遺伝子関連・脳の研究との関連も見えて、無駄にはならない
[12-09-05]
成立は平安末期と遅め、漢籍を元に編集し、翻案した作品
小林保治 全訳注 「唐物語」を読んだ
.
本編の訳自体はそんな量では無いが、評説が長い。それメインの印象
平安末期で漢籍がどう許容されてた、どれがメジャーだったかがわかる
白楽天の楊貴妃の話が山場。解説で中華最新知識がすぐ輸入されたとわかる
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男女の愛情の話が多いが、暗いオチも多い。翻案らしく和歌とかも入る
最後の話は本性が出たのか、ワンワンとの獣姦モノ。解説も心なしか引き気味
■ 渡辺一夫責任編集 「世界の名著 17 エラスムス、トマス・モア」
■ 藤田博史+片山文保訳 ジャック・ラカン「テレヴィジオン」
■ 小出浩之・鈴木國文・菅原誠一訳 ジャック・アラン・ミレール編 ジャック・ラカン「対象関係」
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Vol 3065(2016-03-07)
[2015-10]
偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。ファンタジー扱ってる関連から。古典クラスだと名著入り
渡辺一夫責任編集 「世界の名著 17 エラスムス、トマス・モア」を読んだ
.
ラブレーの師匠とSF・共産系資料でも出てくる人。共にルネサンスの人で友達同士。宗教改革とも関連
エラスムスは訳が無いが、格言のまとめなど文化的に重要。バカからの人間観察。哲学と違う切り口での鋭さ
トマスモアはエラスムスと友達が信じられん理想主義。ユートピアは批判から。そりゃ無理だろな理想の国
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考えて、意図くみ取りながら読む必要はある。だが、哲学系の本は理想の話から入るので、エラスムスの率直さは新鮮
お笑いはリアリズム、ファンタジーは空想とわかる。どちらも当時の批判からだが、後の結果などの差の出方も面白い
[14-01-02]
TV番組用の文章。なので一般向けでわかり易いかなと思ったが、大ハズレだった
藤田博史+片山文保訳 ジャック・ラカン「テレヴィジオン」を読んだ
.
巻末に弟子の作った架空の対話風文章がついてる。そこでのキャラがぶち切れる程に意味不明
TV番組用ではあるが一般向けの配慮は無い。後に挙げる専門の講義記録の方がまだわかりやすい
レヴィ・ストロースの構造主義の影響下にある。だが、あれとは違いこれは難解度が異様に増している
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そんな訳で何を言いたいかわからなかった。そして、自分がこれに何を求めてるかすらわからなくなった
ただ論争引き起こした構造主義の、その後がわかる気はする。この人は別書で改めて調べていく
[14-01-06]
レヴィ=ストロースを延々と勉強してたので、構造主義に属する人の資料を読みたいと思ってた
小出浩之・鈴木國文・菅原誠一訳 ジャック・アラン・ミレール編 ジャック・ラカン「対象関係」を読んだ
.
もう大昔の人なんでぶっちゃけてしまうが、どー考えてもフロイトはおチンポ大好きっ子の変態さん
そんなフロイトの資料を、構造分析使い再解析したのが、ジャック・ラカン。専門書籍だが一般向けより読み易い
ただ構造分析も初期の考えで完成してない頃からの参照。なので、難しくなってしまってる部分はある
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脳科学発展した今では、精神分析自体も古い感じ。フロイトが創設者のおチンポ主神の新宗教と思う事もある
とはいえ、人間の意識解明に大きく貢献した分野で尊重は出来る、以下各巻の簡単な解説
[2016-03-04追記]
昔の自分の文見てフロイトが可愛そうになってきた。あの人の変態さは当時の文化が異常に性の抑圧強かった面からもある
業績も実際はデカい。レヴィ=ストロースもそこからの変形ともとれる。それはそれとして、やっぱ変態かなーな感もあるけどネ
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[14-01-02]
先に読んだTV番組用の書籍は意味不明だったが、難しそうなこっちの方はまだ解り易かった
小出浩之・鈴木國文・菅原誠一訳 ジャック・アラン・ミレール編
ジャック・ラカン「対象関係 上」を読んだ
.
最初にフロイトの研究と後続者に関して挑発的な発言してる。この人の研究はフロイトの新解釈にも近い
先にある症例を分析してく方式。なのでわかりやすい。症例自体も面白い例が多く、そこでも結構読める
フロイトにまかしとくと、チンポとアナルに終始してしまう。この人は三角系の図式でファルスを重視してる
.
これは親族の基本構造の頃のレヴィ・ストロースを参考にしてる。交流もあったので、その話もある
ファルス(陰茎)は理想化された願望ぐらいの意味と思う。例でゲーテのミニヨン挙げてたのも目に止まった
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[14-01-06]
上巻は他学者への挑発的な見解と各種症例。だが、下巻はハンス少年分析に費やし読み易い
小出浩之・鈴木國文・菅原誠一訳 ジャック・アラン・ミレール編
ジャック・ラカン「対象関係 下」を読んだ
.
フロイトの分析が昔のトーテム分析と関連ある事から、こういのも時代性関与するんだなとわかった
この人は構造主義。昔の学問で、初期研究参照と更に古い面はある。だが、上手く活用してる
計算式に関しては、レヴィ・ストロースも後期は使ってない。置き換え分析に関しては上手くいってる
.
フロイト経由で、「ぼくのおちんちん触ってヨ」「ママは馬より大きいチンコ」系のイカレた発言の症例
フロイトは真面目な話してたと思ったら、突然おチンポおケツ連呼する変態さん。なので、意図せず可笑しい所多い
■ 武藤禎夫訳 東洋文庫 「昨日は今日の物語」
■ 小池藤五郎 「人物叢書 山東京伝」
■ 鈴木棠三 「日本語のしゃれ」
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Vol 3063(2016-02-29)
[09-09-24]
醒酔笑と同期で江戸初期の笑話。だがエロ度はこちらが上
武藤禎夫訳 東洋文庫 「昨日は今日の物語」を読んだ
.
今はもう無い言葉の話も多く、解説無しでは難しい所もある
だが長らく発禁、とあっただけあって、とにかくバカエロ話が豊富
坊主の姦淫・男色・女陰が匂う話が、これでもかと収録されてる
.
更に古い例もあるが、ケツ出して作業してたら、修験者にホラれた話が一番印象に残った
戦国の暗い世を抜けた先にあったのが、明るいバカエロの世界だった事が素敵
[09-11-27]
山東京伝作の黄表紙が面白かったので、より知るために
小池藤五郎 「人物叢書 山東京伝」を読んだ
.
京伝の生い立ちの資料はほぼ焼失。唯一残ったのは馬琴のもの
しかし馬琴の資料は偏向気味。筆者もこれにおとらずに偏り気味
正直、愚痴や京伝を持ち上げる為の批難が多く、読みにくかった
.
作品解説も少ない。だが、京伝がデザイナーとは知れたのは良かった
当時の人は資料少ないから、妄想気味の考察も多く大変だなと思った
[09-07-12]
醒酔笑の訳者の本。気になったので借りてきた
鈴木棠三 「日本語のしゃれ」を読んだ
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現代以前の洒落の解説。今は通じないのも多い
昔は俳句も洒落気が多い。社会的な地位も高かった事が驚き
昔の洒落は異様に凝ったのも多い。笑いより感心してしまう
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語源説や迷信の話までいくと、少し洒落になってないとも思う
昔の妖怪モノの感性の理解にも繋がるので、勉強になった
■ 荒木雄豪・高津彦太郎編 遊佐幸平 「遊佐馬術」
■ 長島信弘「新・競馬の人類学」
■ 厳島行雄+横田正夫+斎藤雅英訳 S.O.リリエンフェルド+S・J・リン+J・M・ロー/編「臨床心理学における科学と疑似科学」
■ 山口博訳 デール・カーネギー 「人を動かす:全訳版」
■ 新島洋訳 デール・カーネギー 「道は開ける:全訳版」
■ 林一訳 デヴィド・J・チャーマーズ「意識する心 脳と精神の根本理論を求めて」
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Vol 3061(2016-02-22)
[2014-08-25]
つの丸扱ってる関連から。これは20世紀初頭の日本の人。日本馬術の重要人物
荒木雄豪・高津彦太郎編 遊佐幸平 「遊佐馬術」を読んだ
.
有名なフィリス氏の馬術の解説をしながら、馬術技術を説明していく本。前書見てなくても問題無い
技術書は読み難いもの。だが、この人は大量の逸話と共に紹介してく形なので、興味なくとも面白い
逸話の中には当時のロシア地域に近いモンゴル人の調教の様子も含まれる。これは資料としても興味深い
.
他にも燕の様にやってきて、馬を調教していく男の話。細君と子供に絡めての、調教の話なんかもある
昔の人なんで最後の修行の項なんかはらしい。馬以外の事に対しても参考になり、全般で面白い本
[2015-01-26]
つの丸扱ってる加減から。88年の馬事文化賞。同時期に学者の文化研究が盛んだった事は、他書からもわかる
長島信弘「新・競馬の人類学」を読んだ
.
もともとは文化人類学の人。この版は02年の新版。初版に無かったオグリブームの分析など大幅追加
他の研究者もそうだが、ちゃんと研究してる学者の分析は説得力がある。かといって机上の学者でも無い
この人自体が海外の競馬場の観察記録や、市井の人々の観察とフィールドワークしてる。人類学らしい
.
ギャンブルや遊びに関して、考察を広げてる部分もあり。競馬をテーマにして、広げられる話の大きさがわかる
海外の研究者と比べると硬い部分もある。だが、日本でもこの人も含め、教養高い文化人も競馬好きなのは驚く所
[2015-12]
03年刊。詐欺に警戒してるので、こういう本は凄く好き。ただ、この時は宗教書もいろいろ読んでたので考える所ある
厳島行雄+横田正夫+斎藤雅英訳 S.O.リリエンフェルド+S・J・リン+J・M・ロー/編
「臨床心理学における科学と疑似科学」を読んだ
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この時点での怪しい学説が網羅されてる。ACや多重人格・針治療は知ってたが、酒の自助団体も疑問視されてるのねと
自己啓発本の扱いがある。自分はああいうのは宗教の代わりとも思ってる。問題はそこに変な科学がつく事にある
宗教と哲学と科学はそれぞれ別の問題となる。救い無い人の信仰まで否定すると問題が出てくる。そこに答えは無い
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要はこの手のは、詐欺や救い無い人を更に谷底に突き落とす事になるのが問題。それしか無いと思わせて苦しめる
理解した上でデータが出て研究された信頼できる方法との併用は良いとも思う。理屈だけで動いてないのが人間でなかなか難しい
[2015-06]
自己啓発書に分類されて抵抗感がある。ただ社会心理学の本なんかで扱われて権威はある
山口博訳 デール・カーネギー 「人を動かす:全訳版」を読んだ
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啓発書の元祖に近いともいわれてる。それ系の本はみな同じで読む気無い。これ一冊読めば十分とおもう
わかりやすい文。そして、具体例が書かれてるので実践しやすい。善い結婚の事もかかれてるのがなんとも
原題は友を作り人を動かす法とド直球。一言でいうと「相手の立場で考えろ」 昔から言われてる事とおなじ
.
とはいえ、社会学や心理学の研究と比較するとあたってる所も多い。人間なんて答えは決まってるのかもしれない
実践するとなるとこれが難しい。昔から言われてることながら、それが浸透してないのが人間の限界ともいえる
[2015-06]
自己啓発書に分類されて抵抗感がある。人を動かすは36年で今書は48年となる
新島洋訳 デール・カーネギー 「道は開ける:全訳版」を読んだ
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資料として読んだ本になる。この手の本は、はっきりいうと宗教の焼き直しに近く毒性が強い
悩みをどう解決するかの本。宗教も同問題。そこで、解決法も自然それと似たかたちとなる
引用を多数ひいて真実はひとつとする論法。不幸は去るが現実と適応しない場合もあり注意
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社会学等の実験でとられたデータと合致する話もある。有効に使うのならば他書との比較も必要
古来の宗教が現代問題と一致せず、出てきた本かなという感じ。以降の啓発書もほぼこれと同類
[2014-08-07]
辞典みたいな分厚さに哲学絡みの難しい話。もう回避しようとも思ったが、参考図書として常に挙げられ覚悟決めた
林一訳 デヴィド・J・チャーマーズ「意識する心 脳と精神の根本理論を求めて」を読んだ
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まえがきで作者自体難しいと書いてるが、同時に読み飛ばしていい所のマークや、読み方の指南もあるので親切
内容はわからずとも概要はわかる。意識の定義・既成の意識の推論への反論と結論としての二元論・その応用となる
あとがきで二元論の精神物理法則が明白にされてない、とあり実際それで少し弱い点はある。新しい問題定義としては良い
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難しい話は多いが、ゾンビの話やシリコン脳・サーモスタットの意識・引用の漫画など、例の出し方は上手い
96年の本でこの手の議論は科学技術の発展等とも合わせて結論出るまで時間もかかる。なので無理に最新知識追う必要も無いかも
■ 荒木雄豪編訳 ジャック・ド・サンファール 「サンファール大尉の馬術」
■ 遊佐幸平 他訳 フランソア・ボーシェー他 「ボーシェー氏の馬術 他」
■ 花井 正和「表現力豊かに、気の利いた文章が書ける 文章力に自信がなくても」
■ 本多勝一 「本多勝一集 19 日本語の作文技術」
■ 後藤 明生「小説 -いかに読み、いかに書くか」
■ 谷川 俊太郎「詩を書く なぜ私は詩をつくるか」+吉野弘「現代詩入門」
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Vol 3059(2016-02-15)
[2014-08-25]
つの丸扱ってる関連から、18世紀半ばごろの人で、若くして病死。歴史の片隅に隠れがちな馬術家
荒木雄豪編訳 ジャック・ド・サンファール 「サンファール大尉の馬術」を読んだ
.
これも技術論と、伝記が附属。逸話も挟みながらの解説。技術書ながらも読み易い
附属の伝記は面白い。最初の馬との出会いは暴れがちな雌馬。それをものにする事で、技術を発展させた
それが問題ある馬の取り扱いや、馬との交流の部分に反映される。馬の好きな馬術家とわかる
.
この人も不遇。認められて馬の調教中に病気。無理を押しての調教がたたり、病死の結末となってる
有名なフィリス氏の影に、隠れながらも評価されてる人。馬に対する愛情の面でも好感が持てる
[2014-08-25]
つの丸扱ってる関連から、乗馬の服をナポレオン時代の服から、軍服に変えた重要人物ではある
遊佐幸平 他訳 フランソア・ボーシェー他 「ボーシェー氏の馬術 他」を読んだ
.
19世紀の人。ナポレオン3世やゲーテと同時代。本文+弟子の書籍3冊+補足資料付きの内容
レモンにラムネと、お腹すく単語も出てくる。だが、はっきりいって本文は古い+技術の話+説明不足で読み難い
批判にさらされ改を繰り返してる。馬の本能を破棄し、騎手の伝達に変える等がこの人の主張
.
弟子をしても難解で、付属も解釈の本。一冊は伝記だが、性格の難や不遇、事故・病気などでとことん不幸
同じく有名なフィリス氏と、比較して読んだ本。技術そのものや・説明する事の難しさが、よくわかる
[2015-06]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。朝日新聞社勤務の人。いろいろと不安な点は多い
花井 正和「表現力豊かに、気の利いた文章が書ける 文章力に自信がなくても」を読んだ
.
平坦な文で、トピックごとに記載。いろいろとあげられてるが、根拠が弱いと思う所もあった
天声人語は海外では訳出不能で、意味不明の悪文らしい。これも論文と小説向き文がゴッチャな印象
漢字でニュアンスが異なるなど、新しく発見する所もある。ただ全面的に賛成はしかねる所も多い
.
他にも、朝日の人の文の書き方の本はある それも主張つよい所ある。これも同様
良い文を書くのは難しい。これはタイトルからして表現力重視。その点でも偏っている
[2015-05-18]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。ラノベ作家が推薦してる一冊ではある
本多勝一 「本多勝一集 19 日本語の作文技術」を読んだ
.
手持ちの国語資料とは別の見解。その点でも興味深い。「、」「。」の打ち方など、ロジカルにちゃんと解説
内容的に他の文の添削になるので、高慢な部分もある。だが、大江とかの文は下手と認識しちゃうのかと納得
全集なんで、文に関するコラムも附属。ああ朝日新聞の人だなと思う所ある。現代と正反対の思想にも近い
.
モンゴル絡みで調べた梅禎忠夫が、間接的師匠。同時に、いかに文を読ますかのコツも書いてる
他資料見ても、文がどうすれば良くなるかの見解はおのおの違う。だが、一つの指針としては充分に説得力ある
[2015-05-18]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。野田昌宏の本で取り上げられてて、書き方の為の本と思っていたが
後藤 明生「小説 -いかに読み、いかに書くか」を読んだ
.
一言で云うとハズレ。文をいかに書くかの部分はほとんど無い。古い本の読書感想文になってしまってる
83年刊で扱ってる本も古く普遍性無い。国際的な評価までいかなかった作家。日本だけの文学系の人は仕方ない
自分はこれ以後の、思想の流れからの解析、海外の考えを重視してる。それと比較すると、説得力薄め
.
研究一筋になって、汎用性も利く理論を構築出来れば良かったんだが。本人の評価も含め、限界はある
文自体も、読み易いとは言い難い。本の感想書く時は、こういう風に書くと現状で説得力を得られないサンプルにはなる
[2016-01]
ちゃんと文の書き方勉強する為に。海外の詩や音楽の分析は、伝統やロジカルな所がある。日本は無理だろなと思いつつ
谷川 俊太郎「詩を書く なぜ私は詩をつくるか」+吉野弘「現代詩入門」を読んだ
.
やっぱり駄目だった。自分でも何を考えて作ってるのかわかっていない様。具体的で無く、感じだけで伝えようとしている
エッセイもあるが、日本的な曖昧模糊とした文。国内では通用しても、これでは国外や普遍性としては、通用しないとも思った
谷川 俊太郎の方は、英訳仕事もあり、コンピューター的な所もある事に気づいてる部分ある。だが、理論構築までは至ってない
.
最近の脳の研究や、海外の研究などで、自分は芸術も法則性があると思ってる。絵画や音楽は、その分析もしてる
古い資料で日本のものでもあるが立ち遅れ・停滞・現状維持のみという評価にしかならない。国内視野だけならそれが限界
■ 篠田勝英訳 ギヨーム・ド・ロリス 「薔薇物語 上下」
■ 沢田瑞穂 訳 「劉向+葛洪 列仙伝・神仙伝」
■ 山田侑平 訳 陳友琴 「白居易」
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Vol 3057(2016-02-08)
[2015-10]
ファンタジー扱ってる関連から。13C成立参照も多い古典。物語とあるが詩のコーナーにあり、内容は両者とも異なる
篠田勝英訳 ギヨーム・ド・ロリス 「薔薇物語 上下」を読んだ
.
風俗資料としても読んだが、解説も読み易い位置で充実し、参考文献やトリビアなど本編以外も面白い
哲学・思想系の作りにも近い、擬人化した観念が登場。愛の薔薇を若者がどう摘むかといった話
前編は真面目だが後編は別作者で変化。理性のきんたま発言に突っ込んでおチンポな言い訳から本領発揮
.
実践恋愛マニュアルでもある。但し内容があまりに正直すぎて14Cより論争が始まってしまう程の刺激ある内容
薔薇を摘む為に戦記物みたいな作りにもなりだし、節々の挿入話や観念的な話など身もつまって充実してた
[10-10-07]
健康食品の通販番組見てると、健康への欲望は不変と感じる
沢田瑞穂 訳 「劉向+葛洪 列仙伝・神仙伝」を読んだ
.
来世の幸福より、現世での長寿と平安を求めるのが中国らしい
老子はあるが、張角などの宗教指導者が入って無くて意外
毛だらけの女や、四角の目 長い耳など奇人っぽい人も多い
.
盗んだ仙術で若い男の精気を絞りとり、若さを保っていた女几
村中の一本足の化物を殲滅した、欒巴なんかが印象に残った
[12-08-10]
唐の時代の詩人の概要、作品が平安期の必読書で影響が強い
山田侑平 訳 陳友琴 「白居易」を読んだ
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三国志とかもそうだが、中国の人の人物伝は筆者の主張が強く出てる
長恨歌で民間伝承の楊貴妃の話をまとめ、後の楊貴妃像を確立させた
民衆詩人といわれるが、若い頃は役所勤めして詩で世の中変えようとした
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病気や政治に疲れ、その苦しみが結果として良い詩を残す結果となった
作者のまとめは中国の政治思想が強く出てる、日本での評価の方が高い感じ
■ 津谷裕司訳 スティーブ・D・キャッツ 「映画監督術2」
■ 小峯 龍男 「製図のキホン見ながら理解する!ものづくりのための機械製図のルール」
■ パワー社出版部 「図形・シンボル記号の描き方」
■ 小堀憲 「大数学者」
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Vol 3055(2016-02-1)
[13-08-25]
移動カメラに関する技術論とインタビュー中心、カメラ設置箇所なんて注意してなかった
津谷裕司訳 スティーブ・D・キャッツ 「映画監督術2」を読んだ
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普段見慣れた撮影技術。現実だと、どこにカメラ・照明置けるか、から始まる事に感心した
役者のウォーミングアップに合わせた撮影や、現実の撮影で発生する問題にも納得
最初にだんどりつけとく、って考え方にも唸った。T2の撮影で模型使ったテストにもなるほど
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以前にドリフのコントで学んだが、映ってる所だけ重視も、予算の使い方から考えて理解出来た
広い場所での空間を有効に使う演出にも感心。現実ではまず予算・日程・技術ありきなんだなぁと
[2014-10-17]
趣味のプラモで分かり易い図を描く必要や、難しい立体の平面確認する必要があり応用できんかと借りてきた
小峯 龍男 「製図のキホン見ながら理解する!ものづくりのための機械製図のルール」及び
パワー社出版部 「図形・シンボル記号の描き方」を読んだ
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これ以前に幾何学の資料なんかも借りてきたが、正直難しすぎてついていけなかった。昔習った事もこういう所で必要になる
これらも共通ルールの解説や、基本的な道具の使用法など。用途が限定されすぎたりと、難しい所は多かった
問題は立体を平面に図面にうつす方法。だが求めてるのと用途は少し違ってしまった、攻め方としては間違ってないとは思うが
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模型趣味にしてる人で、これ系を本職にしてる人もいるの。それらの人が3Dデータ作ったり出来る事に納得
とにかく使える範囲でこれ系の資料はまだ探してみる。最初の寸法書くのがスイスイ行くと、楽になるとは思ってる
[11-11-26]
伝記は聖人君主的に書かれがちだが、これはわりと正直
小堀憲 「大数学者」を読んだ
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計算式とかは分からないが、人物伝中心なので特に問題は無い
一般化した定理も出来るまでには長い苦労があった事をしれる
先生が時間稼ぎに作ったなど、受験問題の元ネタエピソードもある
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悪妻・権力への追従・貧困・長い下積み・殺害と、不幸な人も多い
天才なら人生楽しいという訳でも無く、苦労も逆に多いと考えさせられる
■ 小林智明・小林保治・増古和子 校注・訳 「宇治拾遺物語」
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Vol 3053(2016-01-25)
[09-09-10]
今昔物語の後発で、被った話も多く敬遠してた所がある
小林智明・小林保治・増古和子 校注・訳 「宇治拾遺物語」を読んだ
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最後に関連説話の表があったが、やはり重複した話も多い
解説が原文と一緒で別ページにあり、少し読みにくい所もあった
日本の古典説話らしく、エロ・お下品・お化け話が目を引き面白い
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清水寺など、今も残ってる寺の話などはぐっと親近感がわく
関連説話の表にあったものはなるべく読んで、違いを確めていきたい。以下各巻感想
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[09-09-10]
全197話これで一応読んだ、後3話で200話と区切りいいのに惜しい
小林智明・小林保治・増古和子 校注・訳 「宇治拾遺物語 2」を読んだ
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最初の解説に信貴山の旅行記があるが、今回の目玉はそれ
漫画の原点とも云われる信貴山縁起絵巻、ただの怠け者ともとれる
他にもクソ撒き散らした高僧の話など、聖人らしからぬ坊主が多い
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生贄の風習が動物相手に変わらず続いた大猿退治の話も引っかかる
面白い歌を読み救われる話など、千夜一夜っぽくもある
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続けて似た話が出たりと、意識しなかった構成を思わず意識してしまう
最後は孔子が悪党に言いくるめられる話と、微妙におさまりが悪い
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[09-09-05]
今昔物語の後発で、被った話も多く敬遠してた所がある
小林智明・小林保治・増古和子 校注・訳 「宇治拾遺物語 1」を読んだ
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抜粋本でいくつかは読んでたか、ちゃんと全編読むのは初めて
エロ・お下品ネタ満載でよく教科書に載ったなと思う、だが面白い
「僧伽多羅刹国に行く」が千夜一夜物語っぽい話で気になった
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チンコを袋に隠した坊主が少年に撫でられて、凄く元気になる話
鮭を盗んで見つかって、女性を裸にしたら裂けめはあるとトボケた話
デブの坊さんの話で少年を寝床に入れて、後は知らないで終わる話
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こぶとり爺や藁しべ長者の話も既に入ってて、その歴史に感心
江戸初期の流布本の挿絵で、サメが怪物みたいになってるのも目を引く
■ 清水 芳見 「イスラームを知ろう」
■ 藤田真利子訳 タハール・ベン・ジェルーン 「子どもたちと話すイスラームってなに?」
■ 栗原福也 編訳 「シーボルトの日本報告」
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Vol 3051(2016-01-18)
[2015-11]
コーラン再読した事から。今はいろいろと大変なイスラーム。元から偏見を被せられた点もある
清水 芳見 「イスラームを知ろう」を読んだ
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03年の本で、更にイスラームは地域差も大きいので少し古い点はある。ただ岩波ジュニア新書で読み易い
社会人類学の人で別文化との接触考える点でも面白い。日本と違う所もあるが、似た点もあるのがイスラーム文化
イスラーム・マッカ・ムハンマドなど名称に関しても外国からの情報が元で日本は歪んでる。モンゴル理解時と同じ
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地域差がある事からブルネイの産女風お化けポンティアナゥ。異文化の取り込み・保存がされたのも寛容さの成せる業
隣の芝生は青いの面もあるが、若く結婚出来るなど羨ましい所もある。実際調べると、面白いのがイスラーム
[2015-11]
コーラン再読した事から。02年刊でモロッコの人の本。この時期も同時テロでややこしい時期ではあった
藤田真利子訳 タハール・ベン・ジェルーン 「子どもたちと話すイスラームってなに?」を読んだ
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これは教化書にも近い。ただ一般のイスラームの人がどういう思考回路を持ってるかを知る上ではわかりやすい
児童用なんでもちろん読み易い。イスラーム資料も色々読むと地域差の発生よくわかり、これも絶対では無い
イスラームからの歴史認識と文芸等の先行も扱ってる。ここらで歪みが出るのはモンゴルの悪評などと同じ
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興味あるのはロビンソン=クルーソーに500年先行したハイ・イブン・ヤクダンの話。何故文化衰退したのか、考察もあり
当然、時期的にテロへの見解もある。イスラームといっても色々あって過激なのは極一部は認識してもらいたい所
[09-10-03]
手早く読めそうだった事と、当時の日本への興味から読んだ
栗原福也 編訳 「シーボルトの日本報告」を読んだ
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オランダ宛の書簡や、送った物品リストなどの業務報告
商館長との対立、病気、外出制限など苦労の後が見れる
当時の蘭学者などが集結していた事と、その優秀さもわかる
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アイヌの情報への興味や、生きたクマを送ろうとした事が驚き
シーボルト事件で帰化しようとした事など、日本への情熱に感心
■ A.H.キャッチャー+A・M・ベック編 コンパニオン・アニマル研究会訳「コンパニオン・アニマル 人と動物のきずなを求めて」
■ 若島 孔文/編著 「犬と家族の心理学 ドッグ・セラピー入門」
■ 池原止戈夫・彌永昌吉・室賀三郎・戸田巌 共役 ノーバード=ウィーナー「サイバネティックス 動物と機械における制御と通信 第二版」
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Vol 3049(2016-01-10)
[2015-12]
原書1983。TVなんかでも取り上げるアニマルセラピーの本。ただ600頁の原書を短縮した内容になってる
A.H.キャッチャー+A・M・ベック編 コンパニオン・アニマル研究会訳
「コンパニオン・アニマル 人と動物のきずなを求めて」を読んだ
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科学はオカルトじゃないんで誰がやっても同等の結果が出せないといけない。そういう面でこれは実績ある話
研究は70年代より開始されてる。訳本は94年刊でまだ若い学問とも云える。参考図書も英語の本ばかり
今の日本の研究書読む方がベストだが扱う範囲は広い。動物虐待なんかにも触れてて動物全般と人の付きあい
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動物全般の話なので熱帯魚を眺めてリラックスの話なんかもある。病気からの回復過程も含む複合的な話
仮説はあっても研究途上の話なんかもある。抜粋の上古くなり薄くなってしまってる点はあるが参考になる
[2015-12]
07年刊で日本の本。心理学系出してる出版社から出てる本で読み易いが専門書には近い
若島 孔文/編著 「犬と家族の心理学 ドッグ・セラピー入門」を読んだ
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専門書ではあっても一般の人が読んでも問題無い内容。参考図書も網羅されてるので発展させる事も可能
動物導入で良くなった事例がいろいろと紹介されている。心身の健康の他に、媒介として人間関係の潤滑油にもなる
実際問題、犬を飼う事はリスクもある。なのでこれから犬を飼う、あるいは犬が死亡した人が参考として読んでも良い
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犬が死亡後の話は人間の死去の乗り越え。犬を飼うは目的意識の話にも繋がり多方面の学問の複合
犬が好きな人なら問題なく楽しめる内容に思う。こういう動物研究はまだ歴も浅いのでこれから発展・発見も多い筈
[13-07-11]
レヴィ=ストロースが絶賛してた本、大半が数式と難しいが面白い部分もある
池原止戈夫・彌永昌吉・室賀三郎・戸田巌 共役 ノーバード=ウィーナー
「サイバネティックス 動物と機械における制御と通信 第二版」を読んだ
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戦争中に防空用の飛行機の進路予測を研究してた人で1947の本。その経験がベース
今では結果に伴い循環したり、事前の統計で結果の予測等してる。だが当時は運と経験に頼ってた
応用の範囲が広い。工学・生理・心理・社会学・人類学と、最近ではお馴染みのフィードバックの話
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この人の専門分野の文は難解だが、専門外の応用に関しては文や例も読みやすく面白い
勉強しようと思ってたゲーム理論もこれの延長にあるらしく、そのまとめもあり。事前に読めて幸運
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