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    最新版 雑記 書籍感想文
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    ■ 井筒 俊彦 「井筒俊彦著作集 7 コーラン」
    ■ 井筒 俊彦 「『コーラン』を読む」
    ■ 井筒 俊彦 「イスラーム生誕 :改版」
    ■ 井筒 俊彦 「イスラーム文化 その根柢にあるもの」
    ■ 鈴木棠三訳 「安楽庵策伝 醒酔笑 戦国の笑話」
    ■ 宮城秀之編 「ビギナーズ・クラシック うつほ物語」
    ■ 小泉英明編著 「脳科学と芸術 恋う・癒す・究める」
    ■ 和田美樹訳 モリーン・シーバーグ「共感覚という神秘的な世界 言葉に色を見る人・音楽に虹を見る人」
    ■ 吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集」全五巻
    ■ 責任編集西尾幹二 「世界の名著続10 ショーペンハウアー」
    ■ 手塚富雄責任編集 「世界の名著 46 ニーチェ」
    ■ 得能 文/訳註 「仏説四十二章経・仏遺教経」
    ■ 南浦邦人 「ロバのパン物語」
    ■ 泉靖一・蒲生正男・島澄 訳 マリノフスキー 「未開人の性生活」
    ■ 滝田誠一郎「ビックコミック創刊物語 ナマズの意地」
    ■ 藤子・不二雄A 藤子・F・不二雄 「二人で少年漫画ばかり描いてきた」
    ■ 米沢嘉博 「藤子不二雄論」
    ■ ドラえもんルーム編 「藤子・F・不二雄の発想術」
    ■ 中島ゆかり訳 テンプル・グランディン/キャサリン・ジョンソン
    ■ 「動物が幸せを感じるとき 新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド」
    ■ 手塚治虫「マンガの描き方」
    ■ 石ノ森章太郎「マンガ家入門」
    ■ 夏目房之助 「笑う長島」
    ■ 田中美知太郎編 「アリストテレス世界古典文学全集 16 アリストテレス」
    ■ 茂手木元蔵訳 「アリストテレス全集 14 大道徳学 エウデモス倫理学 徳と悪徳について」
    ■ 加藤信郎訳 アリストテレス「アリストテレス全集13 ニコマコス倫理学」
    ■ 竹内弘高訳 マイケル・E・ポーター 「競争戦略論1+2」
    ■ 遠藤真美訳 リチャード・セイラー+キャス・サンティーン「実践行動経済学」
    ■ 島津祐一+東田啓作訳 バリー・ネイルバフ+イアン・エアーズ
    「エール大学式4つの思考道具箱 -こんな発想しても、いいんじゃないの?」
    ■ 塚野州一+牧野美知子訳 バリー・J・ジマーマン+セバスチアン・ボナー+ロバート・コーバック
    「自己調整学習の指導」
    ■ 荒俣宏訳 リン・カーター 「ロード・オブ・ザ・リング『指輪物語』完全読本」
    ■ 江川卓訳 ドストエフスキー 「集英社 世界文学全集 19 カラマーゾフの兄弟」
    ■ 笹岡 隆甫 「いけばな 知性で愛でる日本の美」
    ■ 桜井満 「花と日本人」
    ■ 池坊専永監修 「はじめての池房いけばな入門」
    ■ 橋口 学 「初心者からわかる 花束作り基礎レッスン」
    ■ ローラン・ボーニッシュ 「ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン フレンチスタイルの花束基礎とバリエーション30」
    ■ 木村直司訳 ゲーテ「色彩論(ちくま学芸文庫 一部教示編収録)」
    ■ 南大路振・鶴田洋一郎・中島芳郎訳 ユーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 「色彩論II歴史編」
    ■ 尾登誠一 「色彩学のすすめ」
    ■ 齋藤 勝裕 「金属のふしぎ」
    ■ 脇功役 アリオスト 「狂えるオルランド上下」
    ■ 真山美保・小池章太郎編著「御浜御殿綱豊卿・巷談宵宮雨」(歌舞伎オンステージ 23)
    ■ 古井戸秀夫・今岡謙太郎編著「天衣粉上野初花」
    ■ 寺山修司 「競馬場で逢おう」全六巻
    ■ 寺山修司「旅路の果て」
    ■ 寺山修司「馬敗れて草原あり」
    ■ 寺山修司 「競馬エッセイ 競馬無宿」
    ■ 寺山修司・虫明亜呂無 「対談競馬論 この絶妙な勝負の美学 」
    ■ 山口 昌男 「宇宙の孤児 -演劇論集」
    ■ 高橋健次訳 ビル・ドゥーリトル 「ケンタッキー・ダービー バラを競うレース」
    ■ 中村融訳 リン・カーター 「ファンタジーの歴史 空想世界」
    ■ 久保絋章訳 A・H・カッツ 「セルフヘルプ・グループ」
    ■ 中村元訳 「ブッダ 神々との対話」
    ■ 中村元訳 「ブッタの真理のことば・感興のことば」
    ■ 中村和幸訳 ロジャー・ペンローズ 「心は量子で語れるか」
    ■ 星新一訳 「竹取物語」
    ■ 「谷岡ヤスジ傑作選 天才の証明」
    ■ 「知りたい!なりたい!職業ガイド 競走馬にかかわる仕事」
    ■ 渡辺一夫訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュワ物語 改版 ラブレー第一之書」
    ■ 宮下志郎訳 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 2 パンタグリュエル」
    ■ 宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 3 第三の書」
    ■ 宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 4 第四の書」
    ■ 宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー原作 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 5 第五の書」
    ■ 加茂 儀一 「家畜文化史」
    ■ 大久保登喜子訳 アンドリュー・シム「イギリスの厩舎」
    ■ 青木賢至・阿部和江訳 バック・ブラナマン「バック・ブラナマンの半生 馬と共に生きる」
    ■ 大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「アンデルセン童話集 完訳 」全六巻
    ■ 茂木健一郎 監訳 アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ローズ「脳はいかにして神を見るか」
    ■ 土井利忠(天外伺郎)/茂木健一郎 「意識は科学で解き明かせるか」
    ■ 名和広「赤塚不二夫大先生を読むbook1」
    ■ 名和 広 「「本気ふざけ」的解釈 Book2 赤塚不二夫というメディア 破戒と諧謔のギャグゲリラ伝説」
    ■ 平井正穂訳 ダニエル・デフォー 「ロビンソン・クルーソー 上・下」
    ■ 中野美代子訳 作者不明 「西遊記」全十巻
    ■ 水谷真威訳 玄奘 「大唐西域記 」全三巻
    ■ 石田端麿訳 源信 「往生要集 日本浄土教の夜明け 」全二巻
    ■ 中野 美代子 「孫悟空の誕生 サルの民話学と「西遊記」」
    ■木村肥佐生訳 ダライ・ラマ14世 「チベット わが祖国 改版 ダライ・ラマ自叙伝」
    ■山際素男訳 ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「ダライ・ラマ自伝」
    ■三浦順子訳 ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「ダライ・ラマ愛と非暴力」
    ■聖 河口慧海訳 印度大徳シャンテ・デーブ 「河口慧海全集 2 入菩薩行」
    ■長尾雅人責任編集 「世界の名著 1 バラモン教典 原始仏典」
    ■長尾雅人責任編集 「世界の名著 2 大乗仏典」
    ■牧野 信也訳 「ハディース イスラーム伝承集成」
    ■濱本武雄訳 マルコムX 「完訳マルコムX自伝」
    ■ロウ山芳郎訳 マハトマ・ガンジー「ガンジー自伝」
    ■梶原寿監訳 クレイボーン・カーソン、クリス・シェパード編 「私には夢がある M・L・キング説教・講演集」
    ■蓮見博昭訳 マーティン・ルーサー・キング 「汝の敵を愛せよ」
    ■カトリック広報室訳 マザー・テレサ 「生命あるすべてのものに」
    ■里見貞代訳 ジョゼフ・ラングフォード 「マザーテレサの秘められた炎」
    ■鈴木鴻一郎責任編集 「世界の名著 43マルクス・エンゲルスI+世界の名著 55 マルクス・エンゲルスII」
    ■江口朴郎責任編集 「世界の名著52 レーニン」
    ■小野川秀美責任編集 「世界の名著64 孫文・毛沢東」
    ■竹内実訳 毛沢東 「毛沢東語録」
    ■菊池聡+新田玲子訳 T・シック・ジュニア+L・ヴォーン「クリティカルシンキング 不思議現象篇」
    ■平野一郎・将積茂訳 アドルフ・ヒトラー「わが闘争」
    ■村瀬 興雄 「アドルフ・ヒトラー 「独裁者」出現の歴史的背景」
    ■村瀬 興雄 「ナチズムと大衆社会 民衆生活にみる順応と抵抗」
    ■日高六郎訳 エーリッヒ・フロム 「自由からの逃走」
    ■ハント・ヴェルグ訳 ジョエル・レヴィ 詐欺師ハンドブック 基礎編から応用編まで」
    ■日本戦没学生記念会編 「きけ わだつみのこえ」
    ■日本戦没学生記念会編 「きけわだつみのこえ 第2集」
    ■「筑摩世界文学大系 89 サルトル」
    ■海老坂武・澤田直訳 ジャン・ポール・サルトル 「自由への道 文庫3・4第二部」
    ■海老坂武・澤田直訳 ジャン・ポール・サルトル 「自由への道 文庫5・6第三部+未完第四部」
    ■杉山 正明 「モンゴル帝国と大元ウルス」
    ■馬事文化財団馬の博物館編 「企画展 スーホの白い馬と草原の民」
    ■芦川長三郎訳 アラン・ガーナー 「ブリジンガメンの魔法の宝石」
    ■久納泰之訳 アラン・ガーナー 「ゴムラスの月」
    ■飯塚 郎 訳 瞿佑 「剪灯新話」
    ■前野 直彬編訳 「唐代伝奇集 全二巻」
    ■森亮訳 白居易「白居易詩鈔 附・中国古詩鈔」
    ■浅野 裕一 解説訳 孫武 「孫子(講談社学術文庫 1283)」
    ■「世界の名著 4 老子・荘子」
    ■「日本の名著 3 最澄・空海」
    ■斉藤元彦訳 フィリップ・キャッチャー「南北戦争の北軍-青き精鋭たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■斉藤元彦訳 フィリップ・キャッチャー「南北戦争の南軍-灰色の勇者たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■月村辰雄・久保田勝一訳 マルコ・ポーロ 「東方見聞録」
    ■天野淑子訳 サイモン・アングリム他 「戦闘技術の歴史 1 古代編」
    ■野下祥子訳 マシュー・ベネット他「戦闘技術の歴史 2 中世編」
    ■竹内喜・徳永優子訳 クリステン・ヨルゲンセン他 「戦闘技術の歴史 3 近世編」
    ■野下祥子訳 ロバート・B・ブルース他「戦闘技術の歴史 4 ナポレオンの時代編」
    ■和辻 哲郎 「風土 人間学的考察」
    ■長谷川松治訳 ルース・ベネディクト 「定訳 菊と刀 -日本文化の型」
    ■責任編集石川淳 「日本の名著 21 本居宣長」
    ■長島孝司・今岡良子・島崎美代子・モンゴル国立教育大学SW学科編著「モンゴルのストリートチルドレン 市場経済の嵐を生きる家族と子どもたち」
    ■鈴木力衛訳 アレクサンドル・デュマ「ダルタニャン物語全十一巻」
    ■堀和子訳 マイケル・バーソープ「ウェリントンの将軍たち-ナポレオン戦争の覇者-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■安藤正勝訳 ロジェ・デュフレス 「ナポレオンの生涯」
    ■藤田昇・加藤聡史・草野英一・寺田良介「環境人間学と地域モンゴル 草原生態系ネッワークの崩壊と再生」
    ■井辻朱美訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン「夜の声」
    ■小林純子訳 リチャード・ブレジンスキー「グスタヴ・アドルフの騎兵北方の獅子と三十年戦争-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■稲葉義明訳 ルネ・シャルトラン「ルイ14世の軍隊 近代軍制への道-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■伊藤 進 「怪物のルネサンス」
    ■池上 俊一訳 「西洋中世奇譚集成 東方の驚異」
    ■平岡昇責任編集 「世界の名著 30 ルソー」
    ■鹿野治助責任編集 「世界の名著 14 キケロ エピテトス マルクス・アウレリウス」
    ■荒木正太郎訳 ミシェル・ド・モンテーニュ 「世界の名著 19 モンテーニュ」(エセー抄訳版)
    ■杉山光信訳 カルロ・ギンズブルグ 「チーズとうじ虫 :新装版 16世紀の一粉挽屋の世界像」
    ■小長谷有紀 「モンゴル万華鏡 遊牧世界の知恵とわざ」
    ■石黒勝久訳 アレッサンドロ・バルベーロ 「近世ヨーロッパ軍事史 ルネサンスからナポレオンまで」
    ■高橋均訳 ウィリアム・ハーディー・マクニール 「戦争の世界史 技術と軍隊と社会」
    ■小島 道裕編 「武士と騎士 日欧比較中近世史の研究」
    ■小長谷有紀 「モンゴル草原の生活世界」
    ■三宅修 「モンゴル紀行草原と氷河の秘境」
    ■須田武朗・斉藤潤子訳 クリストファー・グラヴェット「オスプレイ戦史シリーズ 2 イングランドの中世騎士 白銀の装甲兵たち」
    ■須田武朗訳 ダグラス・ミラー「戦場のスイス兵-1300-1500中世歩兵戦術の革新者-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■永井均訳 トマス・ネーゲル コウモリであるとはどのようなことか」
    ■井辻朱美訳 シャーロット・ゲスト英訳 「マビノギオン ケルト神話物語」
    ■東京農大モンゴル100の素顔編集委員会編 「モンゴル100の素顔」
    ■稲葉義明訳 デヴィッド・ニコルPhD「百年戦争のフランス軍 -1337-1453-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■斉藤潤子訳 テレンス・ワイズ「ばら戦争 -装甲騎士の時代-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■天羽 幸子 「ふたごの世界 双生児の二十五年間の追跡研究」
    ■詫摩 武俊・天羽幸子・安藤寿康 「ふたごの研究 これまでとこれから」
    ■長谷川眞理子編集 「ヒトの心はどこから生まれるのか」
    ■安藤 寿康 「遺伝子の不都合な真実 すべての能力は遺伝である」
    ■林家永吉訳 レシーノス校注 「ポポル・ヴフ マヤ文明の古代文書」
    ■金岡秀郎「モンゴルを知るための60章」
    ■須田武朗訳 クリストファー・グラヴェット 「馬上槍試合の騎士 トーナメントの変遷(オスプレイ戦史シリーズ 3)」
    ■馬事文化財団馬の博物館編 「中世のウィーン壮麗な騎士たち ハプスブルク家における騎馬甲冑の美」
    ■「筑摩世界文学大系 10 中世文学集」
    ■山田蘭訳 ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」
    ■平川 祐弘訳 ジョヴァンニ・ボッカッチョ 「デカメロン」
    ■桝井迪夫訳 ジェフリー・チョーサー 「完訳 カンタベリー物語 上中下」
    ■小長谷有紀・楊海英編著 「草原の遊牧文明 大モンゴル展によせて」
    ■池上俊一 「図説 騎士の世界」
    ■稲葉義明訳 S.R.ターンブル「モンゴル軍(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■牛島信明訳 ミゲル・デ・セルバンテス「新訳 ドン・キホーテ 前・後篇」
    ■倉橋健訳 ピーター・シェーファー「エクウス」
    ■NHK取材班 「モンゴルを行く」
    ■野沢延行「大草原の生活誌 モンゴルの馬と遊牧民」
    ■飯田規和訳 スタニスワフ・レム 「ソラリスの陽のもとに」
    ■平尾圭吾訳 ピーター・ベンチリー 「ジョーズ -顎-」
    ■黒川 正剛 「図説魔女狩り(ふくろうの本)」
    ■財団法人馬事文化財団 馬の博物館編「馬のシルクロード 馬と馬文化遥かなる道」
    ■財団法人馬事文化財団 馬の博物館 「春季特別展 三国志をいろどる馬たち」
    ■井上靖 「井上靖文庫 3 楼蘭・蒼き狼」
    ■松田寿男訳 アルバート・ヘルマン 「楼蘭 流砂に埋もれた王都」
    ■梅棹 忠夫編 「私の知的生産の技術」
    ■梅棹 忠夫 「知的生産の技術」
    ■司馬遼太郎「草原の記」
    ■司馬遼太郎 「街頭をゆく5モンゴル紀行」
    ■フフバートル 「私が牧童だったころ モンゴル人が語るモンゴルの世界」
    ■池田恒雄「モンゴルのスポーツ」
    ■鯉渕信一 「騎馬民族の心 モンゴルの草原から」
    ■清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 全六冊」
    ■瀬田貞二・田中明子訳 J・R・R・トールキン 「指輪物語 全三冊」
    ■ 船戸牧子訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士1 竜の戦士」
    ■ 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士2 竜の探索」
    ■ 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士3 白い竜」
    ■ 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士4 竜の歌」
    ■ 馬事文化財団 「馬の文化叢書」全十巻
    ■ 桑原透訳 デヴィッド・ニコルPhD「シャルルマーニュの時代-フランク王国の野望-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 桑原透訳 デヴィッド・ニコル「中世フランスの軍隊-1000-1300軍事大国の源流-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 桑原透訳 デヴィッド・ニコル「中世フランスの軍隊-1000-1300軍事大国の源流-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 鈴木渓訳 クリストファ・グラヴェット「中世ドイツの軍隊-1000-1300神聖ローマ帝国の苦闘-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 河本美庶q 「河本美庶q写真集 モンゴル・遊牧の民」
    ■ 椎名誠 「草の海 モンゴル奥地への旅」
    ■ 斉藤潤子訳 ピーター・ウィルコックス「ゲルマンとダキアの戦士-ローマと戦った人々-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 小牧大介訳 デヴィッド・ニコルPhD 「エル・シッドとレコンキスタ-1050-1492キリスト教とイスラム教の相克-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 吉村忠典・澤田典子訳 ハリー・サイドボトム 「ギリシャ・ローマの戦争(1冊でわかる)」
    ■ 馬事文化財団馬の博物館編 「馬のコイン 繁栄のシンボル」
    ■ 塩谷茂樹+エルデナ・プレブジャプ 「モンゴル語ことわざ 用法辞典」
    ■ 藤公之介編著 「モンゴル大草原101の教え」
    ■ 小長谷有紀 「モンゴル風物詩 ことわざに文化を読む」
    ■ 橋本 隆夫訳 「叢書アレクサンドリア図書館 アレクサンドロス大王物語 伝カリステネス」
    ■ 芳賀重徳訳 ナポリの首席司祭レオ訳他 「アレクサンデル大王の誕生と勝利」
    ■ 井本英一・岡本健一・金澤良樹 「アレクサンダー大王99の謎」
    ■ 谷栄一郎・上村健二訳 クルティウス・ルフス 「アレクサンドロス大王伝」
    ■ 山中由里子 「アレクサンドロス変相 古代から中世イスラーム」
    ■ 荒木雄豪 編 クセノポーン(クセノフォン)「クセノポーンの馬術」「ボタイスキー ヨーロッパ馬術小史」
    ■ 野沢延行 「獣医さんのモンゴル紀行」
    ■ 原山煌 「モンゴルの神話・伝説」
    ■ 佐藤俊之訳 テレンス・ワイズ「サクソン/ヴァイキング/ノルマン -ブリテンへの来寇者たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 佐藤俊之訳 デヴィッド・ニコルPhD「アーサーとアングロサクソン戦争(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ トラベルジャーナル「ワールドカルチャーガイド22 モンゴル草原の国を好きになる」
    ■ 太田千絵「モンゴルンルン」
    ■ 清水哲郎「モンゴリアンチョップ」
    ■ 稲葉義明訳 テレンス・ワイズ「聖騎士団-その光と影-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 宮本浩憲訳 ジャン・リシャール 「十字軍の精神」
    ■ 株式会社レッカ社編 「図解 十字軍武器・防具戦争大全」
    ■ 真下亨 「内蒙華北幻想紀行」
    ■ 松田忠徳訳編 「モンゴルの民話」
    ■ 今泉文子訳 ガルサン・チナグ「草原情歌」
    ■ 村川賢太郎編 プルタルコス「プルタルコス英雄伝」 上中下
    ■ 小澤重雄 訳 作者不明「元朝秘史 上下」
    ■ 本村凌二 ジェイムズ・ハーパー訳 「十字軍の遠征と宗教戦争」
    ■ 塩野 七生 フランソワ・ミシュー+ギュスターヴ・ドレ原案 「絵で見る十字軍物語」
    ■ 榊原勝・藤原房俊訳 スティーブン・ランシマン 「シチリアの晩祷 13世紀後半の地中海世界の歴史」
    ■ 池上俊一監修 ジョルジュ・タート 「十字軍 -ヨーロッパとイスラム・対立の原点」
    ■ 和田廣訳 スティーブン・ランシマン 「十字軍の歴史」
    ■ 加賀谷寛 訳 ハミルトン・A・R・ギブ「イスラム入門」
    ■ 井筒俊彦 「マホメット」
    ■ 田中於莵弥 訳 「鸚鵡七十話 インド風流譚」
    ■ 日本・モンゴル友好協会 「モンゴル入門」
    ■ 「11-12 地球の歩き方 モンゴル」
    ■ クリストファー・グラヴェット 「中世ヨーロッパ騎士事典(「知」のビジュアル百科 20)」
    ■ 馬事文化財団馬の博物館編 「特別展 戦国の城と馬」
    ■ 馬事文化財団馬の博物館編 「春季特別展 はにわうま」
    ■ ダシュドング ゲレルマ「夢と希望の大国!モンゴル」
    ■ 鯉渕信一 Sh・ナツァグドルジ「賢妃マンドハイ」
    ■ 松野谷夫 「忘れられた国外モンゴル紀行」
    ■ 梅棹忠夫 「梅棹忠夫著作集第2巻 モンゴル研究」
    ■ 市場泰男訳 バート・S・ホール 「火器の誕生とヨーロッパの戦争」
    ■ 大久保桂子訳 ジェフリ・パーカー 「長篠合戦の世界史 ヨーロッパ軍事革命の衝撃1500-1800年」
    ■ 奥村房夫・奥村大作訳 マイケル・ハワード 「ヨーロッパ史と戦争」
    ■ 松島悠佐 「戦争の教科書」
    ■ 兵頭二十八訳 カール・フォン・クラウゼヴィッツ 「新訳 戦争論」
    ■ 吉田忠正 文・写真 小谷田有紀監修「体験取材!世界の国ぐに13 モンゴル」
    ■ 石毛直道編著 加賀秀子・長谷川有紀・金世琳・カルピス株式会社基礎技術研究所 「モンゴルの白いご馳走 大草原の贈り物「酸乳」の秘密」
    ■ 蓮見治雄+杉山晃造 「図説モンゴルの遊牧民」
    ■ 川野美也子訳 フィリス・G・ジェスティス 「中世ヨーロッパの戦い」
    ■ 谷口幸男 訳 「エッダ 古代北欧歌謡集」
    ■ 管原睦・太田かおり訳 「デデ・コルクトの書」
    ■ 護雅夫訳 カルピニ・ルブルク「中央アジア・蒙古旅行記」
    ■ 磯野富士子訳 A・モスタールト「オルドス口碑集 モンゴルの民間伝承」
    ■ 「ノーベル賞文学全集 20 イェイツ ショー オニール」
    ■ ウィリアム・バトラー・イェイツ 「イェイツ戯曲集」
    ■ 中込啓子訳 エルフリーデ・イェリネク 「ピアニスト」
    ■ 熊田泰章訳 エルフリーデ・イェリネク 「トーテンアウベルク -屍かさなる緑の山野」
    ■ 谷川道子訳 エルフリーデ・イェリネク 「ドイツ現代戯曲選 9 汝、気にすることなかれ」
    ■ 熊田泰章訳 エルフリーデ・イェリネク 「レストハウスあるいは女はみんなこうしたもの」
    ■ 中込啓子訳 エルフリーデ・イェリネク 「死と乙女、プリンセスたちのドラマ」
    ■ 林立樹訳 エルフリーデ・イェリネク 「光のない。」
    ■ 淡徳三郎訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第17巻 ネクラソフ」
    ■ 白井浩司・鈴木力衛訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第33巻 トロイアの女たち」
    ■ 白井浩司・鈴木力衛訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第7巻 汚れた手・墓場なき死者」
    ■ ジャン=ポール・サルトル 「サルトル著作集 第6巻」
    ■ ジャン=ポール・サルトル 「サルトル著作集 第5巻」
    ■ 渡辺守章・鬼頭哲人訳 アルベール・カミュ 「カリギュラ・誤解」
    ■ 大久保輝臣・渡辺守章・山崎庸一郎・清水徹・鷲見洋一・松崎芳隆訳「カミュ全集 9 尼僧への鎮魂歌・オルメドの騎士・ギロチン」
    ■ 塩瀬宏・石沢秀二・滝田文彦 他訳アルベール・カミュ 「カミュ全集 7 十字架への献身・精霊たち・夏」
    ■ 大久保輝臣・白井健三郎他訳 アルベール・カミュ 「カミュ全集 5 戒厳令・正義の人びと」
    ■ 畦上司訳 ベッティーナ・シュティーケル編 「ノーベル賞受賞者にきく子どものなぜ?なに?」
    ■ 谷口ちかえ訳 デレク・ウォルコット 「オデッセイ」
    ■ 松田忠徳訳 ウォレ・ショインカ 「神話・文学・アフリカ世界」
    ■ 沼野充義訳 ヨシフ・ブロツキー「大理石」
    ■ 岩本憲児・内山一樹・杉山昭夫・宮本高晴訳 ジェイムズ・モナコ「映画の教科書 どのように映画を読むか」
    ■ 話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第1集」
    ■ 話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第2集」
    ■ 話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第3集」
    ■ 白澤定雄訳 ルイージ・ピランデッロ 「ピランデッロ戯曲集 1」
    ■ 白澤定雄訳 ルイージ・ピランデッロ 「ピランデッロ戯曲集 2」
    ■ 中本信幸訳 ニージニー 「エイゼンシュテイン映画演出法講」
    ■ 山口 昌男 「のらくろはわれらの同時代人 山口昌男・漫画論集」
    ■ 山口 昌男 「スクリーンの中の文化英雄たち」
    ■ 「ノーベル賞文学全集 19 ビョルンソン エチェガライ ハウプトマン ベナベンテ」
    ■ 江間道助・笠井鎮夫訳 「ノーベル賞文学叢書 14 主人と犬・海上を飛んだ胡蝶」
    ■ 渡辺鶴一・佐久間原・高橋正武訳 ジョゼフ・ラドヤード・キップリング、ホセ・エチェガライ・イ・アイサギレ
    「ノーベル賞文学叢書 13 印度物語・ジャングルブック・狂か聖か」
    ■ 逸見広訳 ゲアハルト・ハウプトマン 「ノーベル賞文学叢書 16 女人島の奇蹟」
    ■ 鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第4巻」
    ■ 鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第5巻」
    ■ 鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第7巻」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か1 その社会学的考察(原書版3巻)」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 2 映像言語の問題(原書版1巻)」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 4 映画と他の諸芸術(原書版2巻)」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 3 現実の美学・ネオ=リアリズム(原書版4巻)」
    ■ 清野暢一郎訳 ユージン・オニール 「夜への長い旅路」
    ■ 「世界文学全集 75 現代世界戯曲集」
    ■ 石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集1 受難像」
    ■ 石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集2 苦難に満ちた物語」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集3 ホルドゥバル」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集4 流れ星」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集5 平凡な人生」
    ■ 石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集6 外典」
    ■ 田才益夫訳 カレル・チャペック「カレル・チャペック童話全集」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック「絶対製造工場」
    ■ 栗栖継訳 カレル・チャペック「山椒魚戦争」
    ■ 安藤信也・高橋康也訳 サミュエル・ベケット「ベスト・オブ・ベケット 1 ゴドーを待ちながら」
    ■ 安藤信也・高橋康也訳 「ベスト・オブ・ベケット 2 勝負の終わり/クラップの最後のテープ」
    ■ 安藤信也・高橋康也訳 「ベスト・オブ・ベケット 3 しあわせな日々/芝居」
    ■ 貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターI」
    ■ 貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターII」
    ■ 貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターIII」
    ■ 貴志哲郎・小田島雄志・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集1」
    ■ 貴志哲郎・小田島雄志・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集2」
    ■ 貴志哲郎・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集3」
    ■ 竹内健訳 アルフレッド・ジャリ 「ユビュ王」
    ■ 宮川明子 アルフレッド・ジャリ原作フライツィシュカ・テマソン 「ユビュ王 Comic」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 1」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 2」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 3」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 4」


    Vol 3047B (2015-12-23)
    [2015-11]
    以前にも一度読んでるが、ハディースもチェックした事でもう一回。解説本もセットで読んだ
    井筒 俊彦 「井筒俊彦著作集 7 コーラン」を読んだ
    .
    時代背景や預言者の人となりも意識すると面白い。これは解説も詳しくて、そこにも注目した
    以前読んだ時わからんかった逸話も、独自性あるものや、時期が中期と意識すると納得
    文体も二人称と三人称が混合と特殊。預言者自身の人格の成長に伴い、変化してる事が分かる
    .
    人間臭い後期に以前は注目したが、詩に近い前期も良い。問題抱え、葛藤した様子が良く出てる
    解説本もセットにした事で改めて面白がって読めた。聖典の中でも、結構特殊で面白いと思う
    -
    [2015-11]
    コーランを再読したがそれとセット。コーランは何気に当時の風俗や神も記録してるのも良い
    井筒 俊彦 「『コーラン』を読む」を読んだ
    .
    講演を書き起こしたものになる。イスラム以前のアラビア文化を頭に入れると、似た点と改革点も浮かび上がる
    外国の物の考えが日本だと理解しにくいのもネック。終末感の説明とそこからの展開はなるほどと納得
    それ以前の風俗や他宗教と似た思想がある事にも納得した。神かがりの話で怪関連の資料にもなる
    .
    言語とも合わせての訳の比較の説明で、工夫と本来の意味もつかみ易い。預言者の発展もわかる
    日本から遠すぎる文化で誤解も産み易いが面白い考え方。他聖人と違いユーモアもある所が好き
    -
    [2015-12]
    コーラン再読した事から。79年刊。最初の本のマホメッドの改版含む。今なら最後に出たイスラーム文化から読むと良い
    井筒 俊彦 「イスラーム生誕 :改版」を読んだ
    .
    イスラーム以前のアラブ半島を考え、そこから預言者の革新性を考える。以前以後で変わらない所も実はある
    前も少し読んで格好良いと思ってたが無道時代の戦いの詩が抜粋されてる。イスラム以前は常時争いの恐ろしい世界
    マルコムXが改宗した話とも絡むが無道時代の価値観も真実を含んでる。故にイスラームが救いとなる事も納得いく
    .
    当時のキリスト圏の考えと対立。その後貶めにかかってる本も読んでるので、政治闘争も含む難しい問題ともわかる
    イスラームは政治と直結してたり、地域で変わる事も特徴。単純にムハンマドのリーダーとして出世話として見ても面白い
    -
    [2015-12]
    コーラン再読した事から。コーラン訳者の研究本で81年刊と後半のまとまった考えになる
    井筒 俊彦 「イスラーム文化 その根柢にあるもの」を読んだ
    .
    交渉術の本で文化的価値観の違いの意識が指摘されてるが、それを理解する上でも良い
    古い風土的な観点でのイスラームの理解にも説得力ある異論出してる。商人で過去価値観を否定
    同系統のキリスト・輪廻の仏教との違いもよくわかる。国際的な場では皆が同じ考えと思うのは危険
    .
    シーア派がどういう教義かもわかる。範囲が広く変化の幅も大きいのでイスラームは皆同じではない
    他の宗派が良しとする事がダメになるってのは文化の本質出てる。イスラーム問題考えるので背景知るのは大事

    ■ 鈴木棠三訳 「安楽庵策伝 醒酔笑 戦国の笑話」
    ■ 宮城秀之編 「ビギナーズ・クラシック うつほ物語」
    ■ 小泉英明編著 「脳科学と芸術 恋う・癒す・究める」
    ■ 和田美樹訳 モリーン・シーバーグ「共感覚という神秘的な世界 言葉に色を見る人・音楽に虹を見る人」


    Vol 3046(2015-12-20)
    [09-06-15]
    いつの時代でも、笑いと音楽のある人生は楽しい
    鈴木棠三訳 「安楽庵策伝 醒酔笑 戦国の笑話」を読んだ
    .
    信長や秀吉の名も所々で出る。戦国から江戸の笑い話集
    洒落やなぞなぞ などが多く、「上手い事言う」という話が多い
    当時は「ン」を入れるのがネタとして、格好良かったンだなど発見
    .
    豆腐小僧の「紅葉(こうよう→買うよう)」の洒落の歴史の古さに驚く
    泥田坊の話の元ネタらしきのも見つけて、妖怪的にも参考になった
    ---
    [09-10-15]
    源氏と比べて低く見られてるが、内容には見所もある
    宮城秀之編 「ビギナーズ・クラシック うつほ物語」を読んだ
    .
    話の中心になる部分が曖昧で、人物も多く、読みにくい所はある
    だが、短編と思って区切って読むと、話の展開の幅が広くて面白い
    異国での冒険と多数の求婚者など、前半は竹取物語の様でもある
    権力闘争の話は源氏物語風。音楽伝授で話を一貫させるのもユニーク
    求婚者の末路や、異様に生々しいあて宮への呪詛の言葉なども良い
    ---
    [14-01-06]
    日本の研究者のエッセイ的な文章中心で最新研究がわかる他、芸術家のエッセイも多数収録
    小泉英明編著 「脳科学と芸術 恋う・癒す・究める」を読んだ
    .
    芸能山城組や湯浅譲二・半身不随ピアニスト・能役者など芸術専門家の文も収めてるのが面白い
    関連資料もいろいろ紹介されてるが、面白そうなのは未訳多く残念。研究者経由で学ぶしか手は無い
    絵画などの美術面だけかと思ったが、上記のとおり音楽と脳の関係の記述も多く、思わぬ拾い物
    .
    共感覚の文字の色や、チンパンジーの絵・脳障害の人の絵・だまし絵など興味深い図版資料も載ってる
    半身不随や障害から復活した画家や、子供の発展など。芸術の過程や技術より、衝動ありきな事もわかる
    ---
    [2014-07-27]
    自身も共感覚持ってる人ではあるが、一介のジャーナリストで、専門の脳科学研究者ではない。そこに注意はいる
    和田美樹訳 モリーン・シーバーグ「共感覚という神秘的な世界 言葉に色を見る人・音楽に虹を見る人」を読んだ
    .
    訳者も共感覚者で周囲に理解してもらえない悩みが全般にある。この本でもそうだが特別な能力と誤認してしまう人もいるのが問題
    この本も困難より優位さの方が強調されてる。芸術家の共感覚者率は高くはあるが、必ずしもその能力が無いと芸術が出来ない訳では無い
    また別の感覚として捉えられるものも、人によって全部違う。ここらも一般に理解されない悩みと共に、共感覚者同士でも共有出来ない点はある
    .
    マイナス面として自閉症・アスペルガー障害にも共感覚者が多い事も挙げとく。共感に必要なミラーニューロンが不活発な場合が多いとある
    後はキキとブーバの例のように、実は我々一般人も共感覚は普通にある。特に漢字使ってる我々日本人は、そういう感覚は意外と普通な事かも

    ■ 吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集」全五巻


    Vol 3044(2015-12-13)
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。1812年刊。これ以前の物もあるが、出版されたのはこれが初。後に消えた話も収録
    吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集 1」を読んだ
    .
    解説でグリム童話の変遷も書かれてる。ナポレオンの時期とはいえ意外と最近。ペロー等の書籍が影響の話も多い
    この巻では、シンデレラ原型の灰かぶり・七匹の子ヤギ・ラプンツェル・ヘンゼルグレーテル・赤ずきんなどが扱われる
    収録元と後にどうなるかも解説がつく。残酷の前評判だが、それほどでも無い。ただバッドエンド系の話は後には削られる
    .
    軍人の竜騎兵から収録した話もあり、時代が出てる。調子に乗って駄目になる話や、バカの話なんかも印象に残る
    時代的にいうとやっぱり新しい。だが、事件的な話・シュール系の物喋る話もあり興味深い。どれも短くサッと読める
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。本来は範囲広がりすぎて読む予定で無かったが、19C初頭で最近と知り考え直した
    吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集 2」を読んだ
    .
    口承ではあるが元ネタがペローの本からの話もある。ここらは日本の口承文芸が本の影響で定着したのを連想させる
    同系の話や、元ネタがはっきりしすぎてる話は後に削除。原石に近い、話の前後が繋がら無いシュールな話も収録
    今巻では前述からの長靴はいた猫・いばら姫。また今知られてるのと少し違う、全裸の小人の靴屋・母が敵の白雪姫など
    .
    そうは感じなかったが、後に普及した話と比べると残酷に聞こえるのかも。千夜一夜等との関連を思わせる話も多かった
    落語の死神の元ネタ・自分がわからなくなるバカの話・九本尾の狐など。他に今巻も軍人から聞き取った話を収録している
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。今巻も後に省かれる青髭など、小説が口承に影響与えてる事もわかる
    吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集 3」を読んだ
    .
    後に省かれた作に注目すると、元が別書籍のもの・繋がりの悪い物・犯罪で成功等が抜かれる傾向強い
    星の金貨がある。これも小説が元で、版を重ねる事に修正。話し手が別に発表したのも後には省いてる
    最後は援助者を殺すほど信用しないといけない金の鳥の話も今巻。これはル=グィンがエッセイで述べてる
    .
    スイスでの口承も含まれてるなどの研究も付記。少し下るアンデルセンと比較すると、初版から手加減してる感はある
    姿を変える等はギリシャであり、親切な援助者は中東にある。範囲を広げると影響や残った話の傾向も更に増えると思う
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。これだけ貸出都合で遅れ、二百年ほど前なので、実はそれほど昔話でも無い
    吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集 4」を読んだ
    .
    序文掲載。言葉の変化に関する批判と反論がある。ここらは今とも変わらない。近作だが風俗資料にもなる
    他作との比較で既出な話もあるが、無限増殖する粥の話は興味深い。騎士道物の変形に近い話もある
    魔法の道具としての姿を消すマント。他にも呪いで姿が変化のパターンも多く、怪物側視点の話もある
    .
    初版なんで練り込みが浅い分、意味が不明瞭でオチが気持ち悪い話もある。逆にそれが原型的で良い
    蛇の恩返しと信じられなかった事からの失敗など、土着の信仰が形を変えたタイプっぽい話もありそう
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。巻末に解説。最終的には160→200に話を入れ替えて追加。提供元の情報も含む
    吉原高志+吉原素子訳 ヤーコブ・グリム+ヴィルヘルム・グリム 「初版グリム童話集 5」を読んだ
    .
    説教系の話も後には省かれてくみたい。途中で終わる話の他・悪魔や魔女の裏をかく魔法の小道具出る話なども
    後の版では飾りけ無さを補うため、会話・情景・心理が追加されていく。だが、読む分には初版が短く疲れなくて良い
    残酷・性表現は省いたとあるが、全体チェックして、それほどとも思わなかった。当時から自主規制もあるんだなと
    .
    年代的には新しい部分も出てしまう。だが、まだ伝説の影が強く、それ以前の残ってる作品と比較すると新しい
    この時期から子供の観念が出ている他、ほんの少し下るとアリスや、SF作など一気に現代小説に近くなるのも注目点

    ■ 責任編集西尾幹二 「世界の名著続10 ショーペンハウアー」
    ■ 手塚富雄責任編集 「世界の名著 46 ニーチェ」
    ■ 得能 文/訳註 「仏説四十二章経・仏遺教経」
    ■ 南浦邦人 「ロバのパン物語」
    ■ 泉靖一・蒲生正男・島澄 訳 マリノフスキー 「未開人の性生活」
    ■ 滝田誠一郎「ビックコミック創刊物語 ナマズの意地」


    Vol 3042(2015-12-06)
    [2015-09]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。水木サンが過去調べた人。ゲーテのお気に入りでニーチェ・フロイト・実存主義に影響
    責任編集西尾幹二 「世界の名著続10 ショーペンハウアー」を読んだ
    .
    このシリーズは解説が充実してる。日本での需要が暗い奴扱いだった事や、実際は俗っぽい奇人だった事もわかる
    ヘーゲルに喧嘩売り失敗・死の話するけど健康第一・ケチだが貯蓄増やす・評価されてチヤホヤで喜ぶとか本人面白すぎ
    ゲーテからの影響デカい他、歪んだ形でインド哲学を受容。ニーチェに繋がる事や日本人向きな所あるのに納得
    .
    否定してるが自殺や退屈の話する人。前段階でソクラテスの死。またこの説明課程で生と死の拮抗の話が出てここからフロイトに繋がる
    結論を途中の芸術論で出してて読み難い点はある。他からの影響が重複してる所も多いが前と後との思想の繋がりにはなってる
    ---
    [2015-10]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。冒頭の対談で三島由紀夫。解説で読み易いのコメント通り
    手塚富雄責任編集 「世界の名著 46 ニーチェ」を読んだ
    .
    ツァツストラ収録。芸人や格闘家が好むのが納得の出来。同時に哲学でよくある観念の否定で刺激的
    1935の訳では仏教書風のタイトル。確かに大乗の考え方に近い点ある。最後の笑いを肯定の酒宴も明るい
    人物像も解説でわかる。会って即結婚申し込み、三角関係の邪魔はヤンデレ気味の妹とラノベみたいな人生
    .
    最後に自分は神と思って発狂、妹に世話されて幸福と思いこむ。宗教否定して宗教みたいになるのも皮肉
    影響うけた人など周辺から考えても面白い立ち位置。西洋で発生した変則的な東洋思想とも受け取れる
    ---
    [2015-06-03]
    これを書いた時期に水木しげる出征前の手記が発見されてる、戦争行く時にこれも持っていった本の筈
    得能 文/訳註 「仏説四十二章経・仏遺教経」を読んだ
    .
    仏教の経典としては一番古いとされてる、あくまで中国に輸出された仏典で漢訳された本になる
    詳しい解説はついていないが西暦68年ごろ成立で、白馬に積んで運んで白馬寺で訳したとなってる
    初版が1936年で昔の漢字で内容も漢字で、具体性をかく表現もありわかり難いが読める所もある
    .
    特に20の難の所はなかなか納得させられた。最初にアナゴン・シダゴンとか書くと怪獣の名前みたいねとも
    今ならインドの訳との比較もできる。水木サンが若い時こういうの必死に読んでたのも性格形成に関係ありそう
    ---
    [2014-09-24]
    つの丸扱ってる関連から、最近散歩してたら営業カーをたまたま見つけてしまって気になってた
    南浦邦人 「ロバのパン物語」を読んだ
    .
    50年代後半が全盛で60年代で衰退なんで想像つき難いが、水木サンの貸本→週刊誌なんかと時代的には対応してる
    当時は全国の違う人で同様の店舗が展開したらしく、音楽も別の店舗参考に作られた曲を後から使用と複雑な経緯となってる
    ロバは頑固な生物で結局失敗して実際に使ってたのは木曽馬、これも国の改良命令で純潔種絶滅寸前が神馬で復活と面白い
    .
    主人より利口な木曽馬の逸話なんかも出てくるが、後半は人気が爆発しすぎて車で巡回と今では想像つき難い話
    筆者が京都のジュンク堂の店長なんてのも面白い、現在も関西中心に上記通り営業して運がよければ食べる事も出来る
    ---
    [13-05-25]
    タイトル的にHそうだが、実際は婚姻や葬儀など真面目な民俗学の本
    泉靖一・蒲生正男・島澄 訳 マリノフスキー 「未開人の性生活」を読んだ
    .
    水木サンが世話になった土人とも近いニューギニアの諸島、20世紀初めの記録
    若い世代がここではフリーセックス、乳丸出しの各種写真や性行為の記録等も充実
    フィールドワークなど前の世代から進んだ偉い学者だが、エロ方面重視と面白い
    .
    先の世代に繋がる交叉イトコ婚とそれに伴う贈与も観察、相続も絡むのが肝
    神話・呪術・民話・お化けの話もいくつか、実際は節度ある生活で現地の人を重視してる
    ---
    [13-08-25]
    夏目房之助が大手もやっとか と書いてたと思う68年創刊、ノンフィクション作家の取材中心
    滝田誠一郎「ビックコミック創刊物語 ナマズの意地」を読んだ
    .
    謎だったカムイ伝二部ビックコミック連載経緯のヒントになる、白土三平は創刊時体調崩してる
    手塚・石森に対抗心の水木サン聞き取りもあり、長居勝一のガロとの合併案も最初はあった様
    「黒っていうのは白だよ」名物の初代編集長 小西湧之助、作家と共に面白い逸話も多数掲載
    .
    前身にボーイズライフがある事や、後のパルへの発展など雑誌創刊はどうなされるかの資料にもなる
    現在も種類ふえて続いてるビック、その編集方針や手の内の研究として最適な一冊

    ■ 藤子・不二雄A 藤子・F・不二雄 「二人で少年漫画ばかり描いてきた」
    ■ 米沢嘉博 「藤子不二雄論」
    ■ ドラえもんルーム編 「藤子・F・不二雄の発想術」
    ■ 中島ゆかり訳 テンプル・グランディン/キャサリン・ジョンソン
    ■ 「動物が幸せを感じるとき 新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド」


    Vol 3040(2015-11-29)
    [13-04-25]
    A先生が中心に書いてる文、F先生は中がきでドラ直前の1976頃の半生記
    藤子・不二雄A 藤子・F・不二雄 「二人で少年漫画ばかり描いてきた」を読んだ
    .
    時代背景確認に水木サン年表も参照した、戦後・紙芝居・貸本時代と同期が少年期となる
    戦後すぐにまだ若い年でバリバリ仕事してた手塚先生に改めて感心、訪問の逸話も面白い
    まんが道でお馴染みテラさんにしても、二十代で年長者の考え方してたのは再発見だった
    .
    手塚先生への熱いファンレターや訪問・若い時期からの活躍と、時代背景も含め資料性高い
    A先生のマメな資料確保や話をまとめる力も如何なく発揮された内容で、まんが道と違う趣がある
    ---
    [13-04-25]
    ちょうどF先生の資料読み漁ってた頃だったが、改めて考えるとA先生も物凄いなと思った
    米沢嘉博 「藤子不二雄論」を読んだ
    .
    内容や絵・趣向も含め年代ごとの代表作が詳しく分析されている、引用画は少ないがリストがあり
    珍しい作品も扱われ読んでないのも多いが、変遷や両者の違いがだいたい分かる様になってる
    出発点が同じで一見すると似たようなテーマも扱ってるが、相当に違いがある事も発見だった
    .
    どういう漫画が普遍性を得るかって部分でも興味深い、A先生は前衛的だったんだなぁと感心
    時代性は後年になって読むと分かり難くなってしまうが、そういうのも含めて勉強になった
    ---
    [2014-10-25]
    自伝等がある訳で無いので証言集めるのが難しい漫画家ではあったが、これは大量に拾ってて便利
    ドラえもんルーム編 「藤子・F・不二雄の発想術」を読んだ
    .
    発言を内容の年代順に拾ってるので自伝の様にも見える14年の本、現在入手難の資料からも多数
    特に作品作りに関しては詳しく、この人がどういう方針で作品作ってたかもわかるし参考にもなる
    死後揉める漫画家なども多いがこの人はそういうのが少なめなのも人徳、コンビ解散の話等もある
    .
    他に関係者との証言でのセリフ等も調べてくと面白い、またインタビューからの指南書なども存在する
    矛盾点などもありどう解釈するか難しい所もあるが、発言を集めて見たいと思ってたので良い本
    ---
    [2014-10-24]
    実際の調査を重視する形で09出版11訳、畜産業者への協力もあり現実的な活動での改善の話も多い
    中島ゆかり訳 テンプル・グランディン/キャサリン・ジョンソン
    「動物が幸せを感じるとき 新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド」を読んだ
    .
    豚・鳥・牛と畜産業の話だけでなく犬や猫の思考の分析と対処法と一般でも使える、ダメな調教の改善など馬の項も
    火を吹くドラゴンへの対処の例題など実際の観察重視なのが特徴、ブタの実験での意外な観察など動物により場合も変わる
    畜産業者への協力など現実的なのも良い。また環境が劣悪だと労働者も悪くなるなど人間に関しても興味深い
    .
    馬は恐怖が情動になっているなど動物によって対処が変わるのがポイント、黒猫は飼いやすい他、犬への考えも従来とかわる
    動物行動学は観察によって見解が一気に変わる場合があるがこれはまさにそれで、観察重視の姿勢も基本に立ち返ってる

    ■ 手塚治虫「マンガの描き方」
    ■ 石ノ森章太郎「マンガ家入門」
    ■ 夏目房之助 「笑う長島」
    ■ 田中美知太郎編 「アリストテレス世界古典文学全集 16 アリストテレス」
    ■ 茂手木元蔵訳 「アリストテレス全集 14 大道徳学 エウデモス倫理学 徳と悪徳について」
    ■ 加藤信郎訳 アリストテレス「アリストテレス全集13 ニコマコス倫理学」
    ■ 竹内弘高訳 マイケル・E・ポーター 「競争戦略論1+2」
    ■ 遠藤真美訳 リチャード・セイラー+キャス・サンティーン「実践行動経済学」
    ■ 島津祐一+東田啓作訳 バリー・ネイルバフ+イアン・エアーズ
    「エール大学式4つの思考道具箱 -こんな発想しても、いいんじゃないの?」
    ■ 塚野州一+牧野美知子訳 バリー・J・ジマーマン+セバスチアン・ボナー+ロバート・コーバック
    「自己調整学習の指導」


    Vol 3038(2015-11-22)
    [2015-11]
    雑記で扱う可能性出て再読。77年の漫画の神の指南書。初心者向けだが充実内容
    手塚治虫「マンガの描き方」を読んだ
    .
    荒木飛呂彦の漫画技法書読んだ事からの再読。それ以外のジャンルの古今東西技法書との比較も今は出来る
    比較して読むと似た様な事を書いてる部分もあるし、今は定義化された問題を先行して扱ってる所もある
    漫画なんで絵の部分から入るのは当然だし、ギャグを重視し嘘を重視するなど漫画らしい独自点も多い
    .
    他分野との比較でわかりやすく説明して納得する点も多い。疑問に思ってた部分が解けた所もある
    取り組む姿勢なんかも人によって違うので面白い。作品をどう考えて作っていたかの補足にもなる
    ---
    [2015-11]
    雑記で扱う可能性出て再読。65・88の本を文庫化した98の本。解説に島本和彦でこれも基本図書の一冊
    石ノ森章太郎「マンガ家入門」を読んだ
    .
    自分の作品の竜神沼を例に挙げての詳細解説があるので有名。ギャグへの視点と重視も今回再読で再発見
    これも手塚神と同じで現状の古今東西の他ジャンル指南書と比較出来る。定義が無いだけで先行して扱ってる点多い
    ひとつの事を説明しようとするのでも説明に違いはある。その点でも本書はマンガで紹介しわかりやすいのはポイント
    .
    解説の島本和彦の実は感覚でやってると気づく所や、漫画家の変化が後の本人と重なる点もあるのも面白い
    現状の創作の人の悩みとも比べ、今も昔も変わらない。故に古い本でも学べる所が沢山ある良書のひとつ
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    [13-05-02]
    98年発行、この時期の太田出版はマンガ関連書に力入れててその一冊
    夏目房之助 「笑う長島」を読んだ
    .
    マンガ夜話でお馴染み、90年代頃のコラムで研究本とはいわず楽しい読み物
    表題のマンガの長島表現の推移もその一つ、世代的に自分はチョーさんはタレント
    後にこの作家は自分の経験と評論を結び付けるが、その開花みたいなものは見られる
    .
    自分の知らない世代の漫画やその受け取られ方を追体験出来るので、勉強になる
    昔のこれ系評論はネタにするだけも多いが、これは文自体は軽い調子だがマジメで面白い
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    [2015-06]
    ちゃんと文の書き方勉強する為に、からの派生になる。同時に向こうの議論・文章・芸術論のベース
    田中美知太郎編 「アリストテレス世界古典文学全集 16 アリストテレス」を読んだ
    .
    全集で詩学・弁論術・命題論・断片集・自然学・アテナイ人の国制、と五本収録の大ボリューム
    ここでの目的は最初の二本。残りは哲学もはらむ文で難しく。今回はさらっと読んだだけに留めてる
    目的部も定義を確定させる事から開始。そこから哲学書も定義づけに関する内容だとわかる
    .
    アテナイ人の国政は特殊で歴史の記録書に近い。タイトルに惑わされるが含む内容は多い
    以下目的の本は個別で扱い。後年の本と被る所多く、全ての分野において先んででる事は脅威
    -
    藤沢令夫訳 「詩学(創作論)」主に当時の演劇の形式に関してふれている
    単純にどういう形式の舞台だったかの資料にもなる。注目点は当時の悲劇とそのパターンを分析してる点
    昔は元ネタありで話も作られる。またこの時は喜劇がダメだった時期でそれに関する非難もはいってる
    -
    池田美恵訳 弁論術 タイトルからして弁論だけの本かと思えば大間違い。人間の特性分析も含んでる
    最近の議論の本も読んでる。怖ろしい事に一致してる部分が多い。そして、どうすればいいかで人間の分析
    これはかなり綿密。今の社会学や心理学・啓発書ともほぼ一致。実践的な優れた文の書き方も研究。ギリシャ恐るべし
    ---
    [2015-08]
    他資料も見てアリストテレスには感心したので借り出し。目的はエウデモスだけだが、よくまとめたのもある
    茂手木元蔵訳 「アリストテレス全集 14 大道徳学 エウデモス倫理学 徳と悪徳について」を読んだ
    .
    この時期迷ってたので正しいは何かを確認する為に読んだ所がある。中庸を得として物事の詳細を分析
    別の人がまとめたとの記事もあるが、エウデモスはリストもあってわかりやすい。比較で思想の変化発展も考えさせる
    得と悪徳なんかは短く上手くまとめてる。辞書の項目を確認してる様な所あるが、例もあるのでわかりやすい
    .
    怒りなどの控えめな事に関しての見解も納得がいく他、良い交友関係の考察もあるので今でも指針になる
    他の資料も確認する必要はあるが昔の人で今も共通は感心。新しくはないが自己調整の役にはたつ
    ---
    [2015-08]
    まさか自分が哲学を読むなんてと驚いてる所ある。ただ読み易いし考えが整理されてて面白いのは事実
    加藤信郎訳 アリストテレス「アリストテレス全集13 ニコマコス倫理学」を読んだ
    .
    BC3C頃の人。この人の良い所は冷静で納得出来る分析と、何が正しいかをはっきり提示してくれる所
    この本も勇気や愛や友情や正義などわかりやすい話扱ってる。中庸・合理性と後の仏教なんかに近くもある
    こういう本を必死に読んでたのでわかるが、この時期は迷ってる。迷いへの答えも哲学の意義と納得
    .
    今は思想の流れも一覧で見れるので違うと思う所もあるが、大昔から迷いと回答の例は存在するんだなと思う
    仏教と類似した部分も目を引いた、伝播したか理性での答えの限界がそこかといった所。この人の分析力は鋭い
    ---
    [2015-07]
    ネットでの企業の売上の苦労話の中で触れられて興味あって借りてきた。本国79年初出の論文集
    竹内弘高訳 マイケル・E・ポーター 「競争戦略論1+2」を読んだ
    .
    自分はビジネスメインの観方でなくなってしまう。画一化の不安や商品の発展から社会学や生物学を連想
    日本の企業への懸念と提案は人類学や芸道でおちいりやすい考えとも関わる。そういう観方になってしまう
    訳は普遍性持たせようとして読みにくめ。ただ概要は掴めて最近の企業の地方・海外狙いの意図が掴めた
    .
    日本で土壌が関連してる他、個人主義的な海外への批判等も考えると、いろいろと絡めて考えれる所多い
    この絡めて考えるも論理として取り込まれてる。問題定義だけでなく改善案あげてるのもいい。ただ古い本という自覚はいる
    ---
    [2015-08]
    原書08年。別の本を先に読んでる。それより古く比較すると難しめの点もある
    遠藤真美訳 リチャード・セイラー+キャス・サンティーン「実践行動経済学」を読んだ
    .
    前述の本から行動経済学の単語知ってそういう学問もあるのかと。社会心理学と経済学をプラスした学問
    先の本でもやってたがMrスポックの例え好きだなーと、要はスポックの様になって感情に騙されるなという話
    詐欺にあわん方法論ともいえる。この本ではその感情で動いてしまう部分でどれだけ損してるかを挙げていく
    .
    ただ同時期に別系統の本読んでた事も合わせて、スポック的な態度だけだと人生の楽しみが減る危険性もある
    しかし感情だけを優先してる人には面白い見解で気づく事多いと思う。おすすめとしては後年の本の方がまとまってる
    ---
    [2015-08]
    経済学系の本から派生して読んだと思う。エール大学の講義ではあるがそこで目がくらんでる所もあるなと
    島津祐一+東田啓作訳 バリー・ネイルバフ+イアン・エアーズ
    「エール大学式4つの思考道具箱 -こんな発想しても、いいんじゃないの?」を読んだ
    .
    一言で云うとアイデア商法の種本。なんでもビジネスなのはある意味米らしい。他の発想術とも近い
    議論技術の本がアリストテレスベースの様に、これらもなんらかの元ネタがあるのではと睨んでる
    四つの発想術はクロイソス方式・内部化・転用・対称性。これらを実例を挙げながら解説してく本
    .
    内部化の他、モルモン教徒の例挙げたり海外は今も宗教の影響ある。例はビジネス中心となる
    別のエール大学の本もそうだがスタートレックもよく例も出す。ストライキ解決案にコンピューター戦争の回挙げてる
    ---
    [2015-09]
    08年の本。児童教育の棚にあった。先に読んだクリティカルシンキングの学習法と内容的には似ている
    塚野州一+牧野美知子訳 バリー・J・ジマーマン+セバスチアン・ボナー+ロバート・コーバック
    「自己調整学習の指導」を読んだ
    .
    実際の生徒の指導でどう教えるかの例。考えた事がなかったが、勉強は詰め込みでなく内容理解の為にすること
    環境を整え、自分で覚えたかをチェックして、それらを反映させながら改良を加えていく内容となる
    ノートや文の書き方の項もあるが、これも効率的に覚える方法だけでなく更に発展し自分で考える法も書かれてる
    .
    具体例が挙がってるので進展状況もわかりやすいとある。自分で出来た感覚が強いと自信がつき成績も上がる
    他の分野にも応用は可能。フィードバックさせながら前に進んでいく方法は新しい考え方だなと思う

    ■ 荒俣宏訳 リン・カーター 「ロード・オブ・ザ・リング『指輪物語』完全読本」
    ■ 江川卓訳 ドストエフスキー 「集英社 世界文学全集 19 カラマーゾフの兄弟」
    ■ 笹岡 隆甫 「いけばな 知性で愛でる日本の美」
    ■ 桜井満 「花と日本人」
    ■ 池坊専永監修 「はじめての池房いけばな入門」
    ■ 橋口 学 「初心者からわかる 花束作り基礎レッスン」
    ■ ローラン・ボーニッシュ 「ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン フレンチスタイルの花束基礎とバリエーション30」
    ■ 木村直司訳 ゲーテ「色彩論(ちくま学芸文庫 一部教示編収録)」
    ■ 南大路振・鶴田洋一郎・中島芳郎訳 ユーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 「色彩論II歴史編」
    ■ 尾登誠一 「色彩学のすすめ」
    ■ 齋藤 勝裕 「金属のふしぎ」


    Vol 3036(2015-11-15)
    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。原書1967旧版1977訳これは01年版。古典からファンタジーに接近しようという試み
    荒俣宏訳 リン・カーター 「ロード・オブ・ザ・リング『指輪物語』完全読本」を読む
    .
    筆者が別書でも判る様にファンタジーに詳しい人で安心。古典からの影響を視点に詳しく解説していく
    日本の研究本は偏見も多い。他作で筆者が指輪物語至上主義の話挙げてるが、ここでも日本の悪害が少し見られる
    指輪本体の内容の解説などの基礎的な項もあるので、初級ガイドとしても充分。ただあくまで古典からの接近
    .
    こじつけではないかと思える程だが詳細。ガンダルフの名前の元ネタなど、かなり詳しい所まで調べてる
    古典に限定してるので現代ファンタジーまで範囲広げると筆者の他作参照。亡くなられたのが惜しい作家のひとり
    ---
    [2015-09]
    話のタネによく挙がる一冊で仕方なく読んだ部分も大きい。1880年完成で筆者最終作
    江川卓訳 ドストエフスキー 「集英社 世界文学全集 19 カラマーゾフの兄弟」を読んだ
    .
    検索すると連ドラが出てくる。実際あいそうな話。途中完結で前後で繋がってないと思う所もある
    神学論考と悩み相談と殺人事件。血まみれで金持ってて理由不明の中盤の引きは強いものがある
    ホームズは87年からだがそれ以前の推理物ともいえる。親爺や腐る長老の件ほか悪の描写も鋭い
    .
    思想的な部分とソ連が賞賛で怪しいと思う所はある。だが宗教も絡む話で引きつけられる人多いのもわかる
    長い会話や演説を聞いてる様な展開なんで辛い所もある。だが他のロシア文芸の比較も込みで深みはある
    ---
    [2014-12-31]
    武装神姫扱ってる関連で、『武装盛りはいけばなみたい』てな話聞いて応用利くんじゃないかと
    笹岡 隆甫 「いけばな 知性で愛でる日本の美」を読んだ
    .
    服なんかは西洋起源でデザインも分析されてるが、いけばなは日本的というか理論だった分析は無いみたい
    これは筆者が家元で建築の勉強してた所から理論を組み立て、更にいけばなの基礎的な知識も勉強出来る良い本
    建築との比較から西洋のフラワーアレンジメントと発想が違う所など、日本好みの趣向または日本とは何ぞやが学べる
    .
    花それぞれの意味性や陰陽五行などローカルルールと思う部分もあるが、白銀比や崩しなど納得出来る部分も多い
    美術なんかは脳の動きと関連付けた研究があるが、これも更に理論化されてると応用幅は広がるんじゃないかなと思う
    ---
    [2015-01-09]
    プラモデルの武装盛りの研究からいけばな考えてるが、参考図書に挙がってて借り出してきた
    桜井満 「花と日本人」を読んだ
    .
    要は生け花の背後には日本人のどういう心性があるかの本で、資料からそれらを辿ってく話となる
    万葉集の訳なんかを出してる人で文学畑の人となり、文が丁寧で特化もされてるが限界ある内容となる
    この手の問題をちゃんと扱おうとすると古今東西での花の扱いの研究もいり、それでも推測が中心
    .
    いけばな見てて思うのは型のデザインとしては万人共通でいけるが、花の意味となるとローカルな話になる事
    これはそのローカルの部分を掘り下げた内容となり、途中から日本人とは何ぞやの部分で読んでいった
    ---
    [2015-01-09]
    プラモデルの武装盛りの研究からいけばな考えてるが、参考図書に挙がってて借り出してきた
    池坊専永監修 「はじめての池房いけばな入門」を読んだ
    .
    日本の理論化は気がつくとナントカ道なんかの観念に陥り、厳格に手本を守るだけになりがちな所はある
    海外の宗教もその傾向あるが、高位にいる人はその限界もわかっててこれも基本を教えつつその先の考えもある
    基礎的な理論の説明は充実している、ここらが何故美しいかを考えると更に広範囲の学問へと及ぶ
    .
    先生の作品も収録されてるが素人目に見ても驚く仕上がりで、型に従いつつ型を破る発想力を発揮してる
    日本の美の基準が西洋と違い型を崩していく所にあるのも納得出来て、目に見える形で勉強になった
    ----
    [2015-01-10]
    プラモデルの武装盛りの研究からいけばな考えてるが、参考図書に挙がってて借り出してきた
    橋口 学 「初心者からわかる 花束作り基礎レッスン」を読んだ
    .
    いけばなの基礎は読んだので、ある程度理論が確立されてるらしい海外に進むがこれは独で修行した日本人
    別書でも花束の本は読んでるが、素材が花で限定される事もあり用途と素材に合わせての個別具体的対処法となる
    深く踏み込むと別の学問の領域となるが、暖色寒色が色の種類で無く明度で分かれてるとかは新発見だった
    .
    他に面白い所ではグルーピングの話など、自然の観察から理論を構築していった風な感じ
    左右非対称の物も扱っててこれは生け花なも近いが線を見せる事からの工夫、線と面での考えなど参考になる
    ---
    [2015-01-10]
    プラモデルの武装盛りの研究からいけばな考えてるが、参考図書に挙がってて借り出してきた
    ローラン・ボーニッシュ 「ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン フレンチスタイルの花束基礎とバリエーション30」
    .
    これは仏で免許皆伝した日本で営業してる人の本、これも他本と同じく状況毎の具体的対処が中心
    素材が花で限定されてる事など限られたパーツで形を作っていく事が基本と納得、そこにテーマを乗せていく
    これは何を表現しようとしたかも明確で、基礎的な組み型から応用と幅広く載せてるので比較出来て分かり易い
    .
    やっぱり素材第一なんでどう束ねていくかもブロックと同じでポイントなんだなや、色をどう組み合わせるかなど
    線を生かした生け花風や花や葉の中でも特異な形状の物を使ったりとなど、花の知識と共に奥が深い
    ---
    [2014-08-09]
    現状では間違ってる所も多いが、脳内での色の認知で見るべき所多く後年ゲーテが強く固執した話でもある
    木村直司訳 ゲーテ「色彩論(ちくま学芸文庫 一部教示編収録)」を読んだ
    .
    方法論に絡む論文風の文も収録、前半はプリズム使った実験が主だが個人のレポの形に近く読み難い点もある
    この考えからニュートンの光学全面批判したのがこの人の人生でも泣き所、実験に関してもその部分で首捻る箇所が多い
    見るべき点は現状知識で理解可能な色盲の発見や後半の色の分類など、ここは光学では無く今の脳内の色の認知に近い
    .
    色の印象論や組み合わせなど染物での使用も前提にしてて、今の色デザインの本読むと載ってる事が既に書かれてる
    二部論争編に関しては研究者をして最低とまで言われてるが、莫大な知識を元にした歴史編は良いらしいのでこれも後調べる
    [2014-08-16]
    ゲーテの色彩論は三部構成でこれは歴史編、岩波から出てる色彩論にあたる部分だが部分的らしく完全版で
    南大路振・鶴田洋一郎・中島芳郎訳 ユーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 「色彩論II歴史編」を読んだ
    .
    アホみたいに分厚い本で注も引きにくく図版資料は別書で今回貸出都合で無理と、内容と共に読み難い部分もある
    欠点に気づきつつも越えられなかった信仰や自国愛もあるが、昔の人なのに芸術の歴史は網羅し知識の豊富さは驚く
    二部論争編はヒドく扱わないがこれも半分はニュートン批判、ニュートンへの分析はそのままこの人自体にも当てはまる
    .
    後年はこれに固執するが今の漫画家も晩年おかしくなる人いるので少し納得、芸術家の部分で許せなかったんだろうなと
    欠点も多いが、デザインや実際の色の活用法として読むと現在のそれと重なりやはり天才としての資質が出てる
    ---
    [11-08-22]
    プラモの塗装対策、薄いし岩波の本で信頼出来そうだったので借りてきた
    尾登誠一 「色彩学のすすめ」を読んだ
    .
    立体にすると色相・明度・彩度がとらえやすいに納得、理解の糸口になった
    対比と調和の関係が理論化されてる事にも驚き、すぐに実戦的に使えそう
    自分の好みとサンプルの収集で、引き出し増やすと便利だとも改めて知った
    .
    デザインによって色のイメージが変わるなど、色の考えの範囲は幅広そう
    食べ物の例えなんかも解りやすく、色の考え方が一変するほど為になった
    ---
    [2015-01-25]
    プラモの塗装での金属表現はかなり難しいテーマの一つ、今回はそれの参考用に借りてきた
    齋藤 勝裕 「金属のふしぎ」を読んだ
    .
    図書館の普段行かないコーナーの専門書の並ぶ中から、絵入りで易しそうな所で借りてきた
    金属だけに限定せず原子と金属全般とその利用法と広い範囲を扱ってる、なので少し難しめ
    めっきなど、学校での基礎的な知識しかなかったのでそういう事だったのかと納得する所多数
    .
    耳にはするが実際はどういうものかわかり難かったレアアース、これも利用法と共に紹介されてる
    塗料のメタリック系は鉱物の粉末混ぜてるが塗料も同様と知ったのも感心で、いい勉強になった

    ■ 脇功役 アリオスト 「狂えるオルランド上下」
    ■ 真山美保・小池章太郎編著「御浜御殿綱豊卿・巷談宵宮雨」(歌舞伎オンステージ 23)
    ■ 古井戸秀夫・今岡謙太郎編著「天衣粉上野初花」


    Vol 3035(2015-11-08)
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。1516完成。先行作に着想得ての続編。騎士道物語の代表で後世への影響も大
    脇功役 アリオスト 「狂えるオルランド上下」を読んだ
    .
    手触りとしては三国志とかに近い。騎士が次々と出てバトルとロマンス。魔物や魔法アイテムも古典継承だが多数登場
    物語の筋は追い難く、はっきりいって読み難い。だが単発で切り取ってみると読み易く、訳も当時の形式を上手く伝えようとしてる
    オルランドが狂うのは寝取られの結果。女性への複雑な感情は全編で発揮。千夜一夜など既存文学からの影響も解説にある
    .
    この時代の有名人物への言及、欧州内だけに留まらない世界にまたがる活動など、この時代の空気を豊富に表現
    ルネサンスの著名人と同年代でそれらの絶賛のコメントも解説にあり、当時二十万部の人気作。騎士道物語の型も学べる
    ---
    [10-09-10]
    昭和に入ってからの作品、仮名手本は読んだが元禄忠臣蔵は未見
    (歌舞伎オンステージ 23)
    真山美保・小池章太郎編著「御浜御殿綱豊卿・巷談宵宮雨」を読んだ
    .
    綱豊卿、元禄忠臣蔵の一篇で忠臣蔵の外伝にあたる作品
    登場人物の葛藤がリアル、作者の言いたい事も上手く表現出来てる
    .
    巷談宵宮雨、金を巡る犯罪劇と幽霊による復讐
    悪な人々が時折見せる人情味のせいで、人物が良く描けてて面白い
    最後フッと途切れる様に終わるのも、怪談らしく気味悪くて印象に残った
    ---
    [10-09-05]
    以前読んだのは抜粋だったので、全体を知る為にもう一度
    古井戸秀夫・今岡謙太郎編著「天衣粉上野初花」を読んだ
    .
    河内山と直侍、全体見ると直次郎の話の分量の多さがわかる
    木刀の件のセコさでは損してるが、悪でありながら肝の座った宗俊
    また省略されていたが、直次郎も粋で義賊の一面を持ってる
    .
    解説から虚構の部分が多い事を知り驚き、実際は単なる小悪党
    小悪党が講談などをへて、大物へと変わってく様が興味深かった

    ■ 寺山修司 「競馬場で逢おう」全六巻
    ■ 寺山修司「旅路の果て」
    ■ 寺山修司「馬敗れて草原あり」
    ■ 寺山修司 「競馬エッセイ 競馬無宿」
    ■ 寺山修司・虫明亜呂無 「対談競馬論 この絶妙な勝負の美学 」
    ■ 山口 昌男 「宇宙の孤児 -演劇論集」
    ■ 高橋健次訳 ビル・ドゥーリトル 「ケンタッキー・ダービー バラを競うレース」


    Vol 3033(2015-11-01)
    [2014-07-03]
    つの丸扱ってる関連から、これは報知新聞の競馬予想で連載してたエッセイを死後にまとめたもの
    寺山修司「競馬場で逢おう」を読んだ
    .
    序文で芝居の公演て仏に行くと連載が休みになるから競馬の事だけ書いてればいい、と考えた記者の話もらしくて良い
    予想と実際の結果も収録してるが当たったり外れたり、なぜその馬券を買ったかにまつわる話が面白くキモになってくる
    元劇団が地元でシロシロ(百合エロ)ショーやった話等もあるが、競馬関連での主要人物はスシ屋の政やトルコの桃ちゃん
    .
    15で襲われた後に男に騙され嬢に落ち今は貯めた金を男に持ってかれと桃ちゃん幸薄、でもサービスして貰った馬券が当たる話も
    競馬マンガとかだと買う人の話はあんま触れられないのでこういう切り口もあるかと感心出来るし、買う側の心理もわかる
    ---
    [2014-07-13]
    つの丸扱ってる関連から、70年代後半から80年代前半までの報知新聞での競馬予想を収録の死後の出版物
    寺山修司 「競馬場で逢おうpart2 風の吹くまま」を読んだ
    .
    つの丸を扱ってはいるが現実の競馬には一線引いてるので、馬券を買う人がどういう課程や心境をとるかの資料にもなる
    そこで買う馬からの自己評価や女性関係、自分の過去の話や劇団・映画の田園で死すが不入りだった寺山自身の話に至る
    テンポイントなど当時活躍した馬の話や、劇団の公演と共にパリやアメリカに行った話まで広がり競馬の人としての寺山が見える
    .
    時代背景と当時の人の認識がわかるあしたのジョーが死んだ話やあがた森魚などの歌手と歌・昔の話で笛吹童子やプーサン
    新聞の予想と実際の結果も収録、ブラジルでは白馬は死神の乗るものとして嫌われる・サクラ肉は輸入肉など小ネタも含む
    ---
    [2014-07-13]
    つの丸扱ってる関連から、70年代後半から80年代前半までの報知新聞での競馬予想を収録の死後の出版物
    寺山修司 「競馬場で逢おうpart3 競馬三文オペラ」を読んだ
    .
    3歳で男どもリードしてお医者さんごっこ・初体験は15歳のレイプ・嬢歴6年25歳・三人姉妹の真ん中・苗字は人見
    競馬予想での魅力ある登場人物がスシ屋の政にトルコの桃ちゃん、競馬予想でありながら読ませるエッセイも多い
    劇団引っ越しやがきデカ・花の応援団への見解・父は水木サンと同じニューギア戦地で死亡・ロッキーのヒットなど
    .
    買うから勝つでは無く買って勝たせるなんて意見も面白い、八面サイコロや女優志願の娘の話など印象深い話も
    現在は廃止のアラブを含むありとあらゆるレースを予想してる、最終巻解説から穴を当てるのが上手い事もわかる
    ---
    [2014-07-13]
    つの丸扱ってる関連から、70年代後半から80年代前半までの報知新聞での競馬予想を収録の死後の出版物
    寺山修司 「競馬場で逢おうpart4 住所馬券必勝法」を読んだ
    .
    劇団の主力俳優 下馬二五七とも関連したタイトル、ちょっとた日常の事件から数合わせる場合もある粋な買い方
    劇団が20周年でボクサーをはじめとする映画の話にも触れる、未見だがボクサーには桃ちゃんと政もキャラとして登場
    現在も実行されてない点もあるが希望を語った競馬十大ニュースや、監修の特撮オズの魔法使い思わせる記事もあり
    .
    馬関連ネタで面白いと思ったのは私生児の馬の話、また別巻の片目の馬の話なんかも興味深い記事の一つ
    ヤクザ映画の鉄板ムショ帰りの弟分と留守守った兄貴分の対立や、ケンタッキダービーでダンサーを買い続けた話等も
    ---
    [2014-07-13]
    つの丸扱ってる関連から、70年代後半から80年代前半までの報知新聞での競馬予想を収録の死後の出版物
    寺山修司 「競馬場で逢おうpart5 ネバーセイダイ」を読んだ
    .
    予想が当たりにくくなって文が専門的になったり、病気で入院したりと本人の変遷と絡めて読んでも興味深い
    ホーケー名の馬に喰いつくモモちゃん、他巻でもそうだが結構エロ話も含み処女が全裸で走る例えなんかにも関心
    馬の趣味を反映した青髭公の城演出の話や香港競馬・テレビへの出演と共にスキャンダルが発生した話なども
    .
    ケンタッキーダービーでダンサー名の馬買った話あるが、ミオゾチスへのひいきや五月みどりが好きな話なんかもある
    やっぱりモモちゃんが魅力的でこの巻では酔ってマンホールに落ちた話が出てくる、読者もモモちゃん好きは多い
    ---
    [2014-07-13]
    つの丸扱ってる関連から、70年代後半から80年代前半までの報知新聞での競馬予想を収録の死後の出版物
    寺山修司 「競馬場で逢おうpart6 日曜の朝の酒場で」を読んだ
    .
    この巻で最終となる、競馬予想がメインではあるがそれを買う課程の話だけを追って行っても楽しめるのが良い所
    モモちゃんは船橋から嬢を開始してるのに関連した地方馬、モモちゃん杯や馬の勃起でパンツの話も頬がゆるむ
    特撮と関連するかもでETをエイティと発言する話も興味深い、寺山自身にも関連し映画の宣伝に失敗した話なども
    .
    他巻からの連続で東大受験諦めた男の話・東大の客が来てモモちゃんが気に入った話なんかも過去にはあった
    最終巻で解説も付属 理論があったんではないかの推測もあるが、そうすると登場人物も架空では?と思う所もあった
    ---
    [2014-07-03]
    つの丸扱ってる関連から、発行が1979年と古すぎて資料としては今通用しない所も多いが切り口は多彩
    寺山修司「旅路の果て」を読んだ
    .
    タイトル通り地方競馬を扱った話になってる、批判されて買った地方馬ユリシーズが後にマザー牧場に行った話なども
    昔の話とはいえ競馬関連の逸話も多く処分確定した馬を有志が匿って種付け、その孫がテンポイントなんて話も出てくる
    これも昔の話で高知へやるなら殺した方がいいや、処分のサラブレット馬肉は硬いのでコンビーフやサラミになる話など
    .
    ジルドレやカブトシローなど他のエッセイにもでる寺山の好きな馬や、元はシラー由来のメロス愛好の話も演劇的に面白いかも
    馬は見てる人が伝説をつくりあげやすいって印象は受けた、寿命が短くサイクルも早いのが人間と違って英雄記も作りやすい
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    [2014-07-03]
    つの丸扱ってる関連から、これもエッセイ中心 やはり資料としては昔のものだが周辺の人間関係は今では見れないかも
    寺山修司「馬敗れて草原あり」を読んだ
    .
    競馬関連ではスシ屋のマサや嬢の桃ちゃんなんて定番のキャラもいる、寺山周辺の当時の時代の出た人々たち
    誰がどんな馬券を買ってるかの話に関連して、タカマガハラなど地方から中央に切り込んだ馬の話も沢山出てくる
    印象としては自分と似た境遇の馬を勝ってその勝敗で自分自身の運命も占ってるといった所、馬から人が見えてくる
    .
    別に馬とその人に関連は無いと思うが、引用文で面白かったもので「人間が最後にかかるのは希望という病気である」
    訪米観戦記・芝浦屠殺場関連で馬術馬になった馬の話・暴力団絡みの八百長で以後騎手が拘束の話等も等興味深い
    ---
    [2014-06-26]
    つの丸扱ってる関連から、73年出版なんでこれも古い本になるがハイセイコーゆ欧州競馬など当時の記録資料としての価値もある
    寺山修司 「競馬エッセイ 競馬無宿」を読んだ
    .
    つの丸は走る側の話に終始してるが見てる側や買う側にもドラマはある事がわかる、見てる人がドラマを自分の中に作り出す
    今もいるかはわからないが競馬場周辺で仕事する人々や、競馬場内に潜入してのコース調査の話など時代がよく出てる
    中盤を成す話もメイン登場人物がスシヤの政とその周辺の人々が馬券を買う話になってる、結果付きでハズレ多いのも面白い
    .
    ハイセイコーが負けた事に関しての見てる側の考え方の話は馬券買う人の心理がよくわかる、ただのスポーツだけとはまた違う
    ロンシャンは正装しないと入れない事や当時からあった場外馬券の話なども記録として面白く、やっぱり昔の資料になる本
    ---
    [2014-06-26]
    つの丸扱ってる関連から、寺山修司はそんなに読んでる訳でも無いしもう死亡してる事もあり先が無いわけでもあるが
    寺山修司・虫明亜呂無 「対談競馬論 この絶妙な勝負の美学 」を読んだ
    .
    69年出版で対談相手もよく知らない人という事もあって全体に読み難い本、当時の流行書籍や思想の話されてもちんぷんかんぷん
    ただ自分は競馬関連の本は調べても競馬には一線引く姿勢なんで、馬券買う人がどこまで自分の中でドラマ作って競馬見てるかはわかる
    競馬大学も無く衰退傾向もあるがネット馬券販売は昔は無いなど、当時と今では状況が違うので今も適用出来る所は少ないかもしれない
    .
    不運な女は醜く不運な男はこれは良い、つの丸関連に近い話としてジャガーを含む馬名の話や血統に関する話は興味深かった
    寺山修司=演劇の人と思ってたんでこんな競馬に一生懸命なのは驚きだし、後に犬山イヌコとマキバオーなど演劇と競馬は繋がりがある
    ---
    [2015-06-24]
    演劇に特化した文を収録。主に海外が中心。ただ寺山他、80年代小演劇の記事もあり
    山口 昌男 「宇宙の孤児 -演劇論集」を読んだ
    .
    道化への関心が反映。トルコの黒塗りの道化芝居の話。人形劇パンチ&ジュディの話もあり
    演劇関連は詳しい。古今東西で幅広くみてる。この人自体も演劇に参加経験あり
    祭祀と演劇でらしい研究。不条理劇等への言及もあり。読書量が多く、参考資料も幅広い
    .
    演劇の歴史等も比較しないと難しい点もあり。ただ挙げられた例の説明あり、難解ではない
    80年代当時の思想も見える。先に道化の話も読んでたので、そこと絡めて理解も進んだ
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    [2014-10-16]
    つの丸扱ってる関連から、米のレース扱う事になって寺山修司のレポしか知らんので急いで勉強
    高橋健次訳 ビル・ドゥーリトル 「ケンタッキー・ダービー バラを競うレース」を読んだ
    .
    (財)競馬国際交流協会なんて所が出してて、ファンならずとも知ってる優勝馬サンデーサイレンスと絡めた序がある
    大判全ページ写真入りでツインスパイヤーズの画像はもちろん、現地のファンや名物ミントジューレップの紹介もある
    歴代の歴史も収録、ちょうど映画のセクレタリアト見た後でバッチリ 掴み合いのままの決着等の有名事項も網羅
    .
    一日かけて全規模でのお祭りになるなど流石は海外、また長距離がネックになるなどのレースの実際もわかる
    ボックス席は入手困難でそれ欲しくて無名馬出した逸話の他、歴代でも思いもがけない穴が出やすいのも面白い

    ■ 中村融訳 リン・カーター 「ファンタジーの歴史 空想世界」
    ■ 久保絋章訳 A・H・カッツ 「セルフヘルプ・グループ」
    ■ 中村元訳 「ブッダ 神々との対話」
    ■ 中村元訳 「ブッタの真理のことば・感興のことば」
    ■ 中村和幸訳 ロジャー・ペンローズ 「心は量子で語れるか」
    ■ 星新一訳 「竹取物語」
    ■ 「谷岡ヤスジ傑作選 天才の証明」
    ■ 「知りたい!なりたい!職業ガイド 競走馬にかかわる仕事」


    Vol 3031(2015-10-25)
    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、73年の本で古く作者の主観も多いらしいが、一望のガイドとして借り出し
    中村融訳 リン・カーター 「ファンタジーの歴史 空想世界」を読んだ
    .
    剣と魔法が20C入ってからの文芸とわかる。同時に今も人気のラブクラフトなど作品の流れが辿れる
    指輪物語解説の項で書かれるが、ファンタジー好きが他作読んでないのに注目。隠れた傑作の拾い集め
    いかに発展していったかが一望。SFとの関係性と共に、次に読むべき本がなにかを選んでいけた
    .
    巻末にはリストも付属。指輪物語の項でもあるが主観は強い。ただ知識量は多いので充分参考になる
    筆者自体作家で後半は作品論となる。ここらは日本と違う所もある。だが、納得する事も多く良かった
    ---
    [2015-10]
    サイトの雑記で集団硬直化を取り上げて関連書籍をと思ったが、同名なだけで関連性無かった
    久保絋章訳 A・H・カッツ 「セルフヘルプ・グループ」を読んだ
    .
    引用が多い資料も訳が無かったり、入手困難な事は多い。ただ組織に関する話で関連性が無くも無い
    要は相互援助団体。TVなんかでも取り上げられる事多いので知ってる筈。同じ境遇の人で悩みを共有する
    調べてたファンタジーの資料とも関連ある。スタートが中世の職人のギルドの助け合いからも来てる
    .
    どういう活動をして、どう成果が出てるか。回復したモデルや情報交換、情緒的に悩み云える環境と揃ってる
    つの丸絡みで調べてるメンタルトレーニングとも関連してる。そこからも比較して効果あるのは納得
    [2015-12-20/追記]
    00年代に入ってからの臨床心理学と疑似科学に関する本を読んだ事から追記。アルコールの自助団体は現場で疑問視されている
    なのでこの件に関しても実際の効果はわからない部分がある事を書いとく。困ってる人は信頼できる方法との併用も検討の事。これだけに頼らない
    ---
    [08-09-30]
    難しいので、何箇所か記憶に残ればそれで良しとする
    中村元訳 「ブッダ 神々との対話」を読んだ
    .
    神が出てくるので、教義説明の為の創作として読む
    雨と戦争、悪事は後で後悔する等の例えが記憶に残った
    しかし一番驚いたのは、子ほど可愛いものはないの問いに
    .
    ブッダが自己ほど可愛いものは存在しないと言い切る所
    他の本にもある一貫した考えだが、目からうろこだった
    ---
    [10-11-26]
    元の出典に近い資料の方が、本質を掴みやすかろう
    中村元訳 「ブッタの真理のことば・感興のことば」を読んだ
    .
    ブッタの口承を書籍にしたものの訳、漢訳よりは元に近い筈
    訳の苦労で、権威を求められた話など伝播で変化した様もわかる
    先行する作品と似た表現、韻を踏んだ言葉など作品として見れる
    .
    聖者の言葉とはいえ、尊敬しすぎるのも問題と思い注意して読んだ
    所々の対抗する勢力への皮肉ともとれる箇所は、本音が出てると思う
    ---
    [10-11-18]
    量子論で翻訳で頭良い学者の本、当然理解出来たとはいい難いが
    中村和幸訳 ロジャー・ペンローズ 「心は量子で語れるか」を読んだ
    .
    量子論の正確さから始まり、l心の秘密は量子論って話になる
    そこで三人の学者が異論を挟み、それへの答えが全体の流れ
    異論を挟む余地があるという事で、あくまでも推測の話が中心
    .
    異論を挟むS・ホーキングの簡潔な文が、問題点を上手く要約してる
    実際の脳や量子論の研究が進まん事には、我々には理解は難しい
    ---
    [09-07-10]
    ちゃんと全編読んだ事は無かったので、改めて
    星新一訳 「竹取物語」を読んだ
    .
    星新一の訳という事が驚きで、それが手にとった動機
    シニカルな文章と、いかにもなイラストのミスマッチが素敵
    原文も全部付いてて、本文自体の滑稽さも知る事が出来た
    .
    求婚者の愉快な冒険譚と、クールすぎる月の人が楽しい
    最初の物語って部分を引いても、今でも読める面白さと思う
    ---
    [08-09-01]
    ギャグは時代に沿った物なので、時が経つと理解が難しくなる
    「谷岡ヤスジ傑作選 天才の証明」を読んだ
    .
    一時代を築きつつも、今や単行本は版切れで読めない谷岡ヤスジ
    リアルタイムでは無いので、自分には理解が難しい部分も多いが
    先に読んだアギャギャーマン選に比べ、こちらは面白い話が多かった
    .
    論評を見て、ギャグが今の漫画にも継承されているを知り
    現代に感覚の近いトリビュート作品で、理解の糸口が辿れそうな気がした
    ---
    [12-09-14]
    中高生向けの職業ガイド本、なので内容もやさしく競馬裏話的な事も詳しい
    「知りたい!なりたい!職業ガイド 競走馬にかかわる仕事」を読んだ
    .
    競馬学校の騎手の体重制限は約45k、厩務員でも60kがまず驚かさせられる
    馬に乗るための営業活動も大事な仕事とか、見習いのマークの事も発見
    牧場・馬主との緊密さや、その加減で世界とも付き合うなど狭く濃い人間関係
    .
    レースに出る前の周辺の様子や、実際の施設の様子 野球場の存在もなるほど
    適正やインタビューなど、馬の好きな人が集まって形成してる社会なんだなと感心

    ■ 渡辺一夫訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュワ物語 改版 ラブレー第一之書」
    ■ 宮下志郎訳 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 2 パンタグリュエル」
    ■ 宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 3 第三の書」
    ■ 宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 4 第四の書」
    ■ 宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー原作 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 5 第五の書」
    ■ 加茂 儀一 「家畜文化史」
    ■ 大久保登喜子訳 アンドリュー・シム「イギリスの厩舎」
    ■ 青木賢至・阿部和江訳 バック・ブラナマン「バック・ブラナマンの半生 馬と共に生きる」


    Vol 3029(2015-10-17)
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。訳版が二種あるがどちらも賞とってる名訳。貸出都合で一は古い方を読む
    渡辺一夫訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュワ物語 改版 ラブレー第一之書」を読んだ
    .
    1532の仏作品。ただ刊行順は2が先になる。スカトロ文学として有名だが、実際読むと後半はきんたまの人になる
    モンテーニュなどと同期。先に騎士道物も読んでて助かった、この時代の既成文芸の凝ったパロディになってたりもする
    1は先行して年代記があり、それも踏まえてのパロディ。この巻では宗教の厳格さを風刺、時期的にもヤバく後に禁書
    .
    そういうの抜きにしてもデタラメな展開で面白い。初期はスカトロネタを重視。日本の創世神話と似た所もある
    馬ネタが豊富なのも流石仏文学。またオトマトンなんて単語も出て、この時代に出た技術を反映したギャグもある
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。ここからちくまの00年代の新訳版。旧版は漢字で新版はひらがなの言葉遊びとなる
    宮下志郎訳 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 2 パンタグリュエル」を読んだ
    .
    2の方が先なんで展開的に被ってると思う所もある。1のベースになった年代記や各巻ごとに解説も収録
    この巻でのパロディは騎士道文学。リストアップして笑いをとるギャグが後半冴えるが、それが発揮され始める
    地獄での英雄の職業・でたらめな文芸作品など。当時の風俗からの笑いなので16Cの空気感も作品に強く出てる
    .
    ちくま版は解説の配置も頁の横で読み易い。単なるでたらめでなく元ネタがあり、更に当時の情報もよくわかる
    聖史劇の悪魔や賢者の石など、当時の文化の普及具合など。今巻では後の主役のパニュルジュも登場
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。裏の解説に有名な『たまきんブラゾン』とあり何事かと思ったが読んで納得
    宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 3 第三の書」を読んだ
    .
    パニュルジュを主役にどうすれば結婚できるかのお悩み相談してく内容。巨人設定とかはもう消えてる
    規制がこの後に厳しくなるが先手売って国王の承認つき。解説が充実して博学なパロディしてる事もわかる
    当時エピグラムというのが流行。そこからのたまきんブラゾンは圧巻。延々8Pたまきんのリストが続くとか狂ってる
    .
    悪行指南とかもあるがそれもユーモアが利いてる。デカメロンとかにノリが似てて、全編で明るく陽気で楽しい
    今巻では寝取られ男(コキュ)や女性もターゲット。愚者のブラゾンなんかもあり、人間や人生を明るく笑いとばす
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。前巻からの冒険旅行。今巻は博物学をパロディにしたような航海の話
    宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 4 第四の書」を読んだ
    .
    1546刊だが1540年代より仏は不寛容の空気。作者もこれ書いた年に死亡とこれが遺作になってしまう
    お医者さんやってた人なんで序文も姿勢が良く出てる。とにかく明るく人生を笑い飛ばそうという正しい姿勢
    解説は相変わらず充実。元々語も作ったトマス・モアから影響されてるが、今巻は更に巻末に当時から付属の用語集もつく。
    .
    造語と言葉遊びの多用などは後の仏文芸とも繋がる。また今巻もブラゾンは健在で当時の食生活までわかる
    最後はクソ垂れ流しエンドと凄まじい、だが飲もうじゃないのでシメと明るい。全編ひたすら明るいので意外と自分に合い面白かった
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。作者死後の1562作。つまり草稿を元にした別作者の作品
    宮下志郎訳 フランソワ・ラブレー原作 「ガルガンチュアとパンタグリュエル 5 第五の書」を読んだ
    .
    ラブレー影響下で1530からある、お菓子の家の怠け者の天国題材品、及び120のお化け版画も収録
    本編は解説からラブレーより劣るとある。そんな事ないだろうと思って読んだが、確かに劣ってた
    逆に言うと比較対象が残った事でラブレーの傑出ぶりもわかる。こっちは普通の奇妙な冒険どまり
    .
    膨大な知識による数々のギャグを再現しようとはしてる。ただ今作も人間でのチェスなど興味深い題材はあり
    版画の方は奇怪な図像がたくさん見れて面白い。全部読んでみて意外と楽しめ、時代の空気もわかり大収穫
    ---
    [2015-02-16]
    つの丸扱ってる関連から、タイトルからして大変なのは覚悟してたので後回しにしてた一冊
    加茂 儀一 「家畜文化史」を読んだ
    .
    書庫から出て来て予想通りの1000P越えの辞典みたいな本だが、著者は一人で経済学者と特異な本
    元々は畜産の専門書の訳が出してそこから派生の戦前の本の更なる追加版で、馬だけで200P近くある
    だが内容は圧倒的、家畜とあるだけに食用だけで無く犬・猫等の項もあり文化変遷や進化過程などを網羅
    .
    メモ取る所も多くなったが伝説・伝承など怪関連のネタも豊富だし、経済からの動物も専門らしい考察がある
    図版も豊富で身近な動物の成り立ちと家畜化過程もわかり、本当に大変だったが読んだかいはあった
    ---
    [2014-09-05]
    大型本で海外の有名厩舎を写真入りで紹介したカタログの本、日本とはスケールがまるで違う
    大久保登喜子訳 アンドリュー・シム「イギリスの厩舎」を読んだ
    .
    競馬の厩舎だけでなくクロスカントリーや障害など馬術用の厩舎も多数紹介と馬文化の発展がわかる
    どこの国でもそうだが英国も資金の問題、ただ調教場は広大で地平線が見える程の緑の全天候型走路
    併設の建物のレンガ造りなど歴史ある、また厩舎の様式もオランダ様式など種類に違いある事がわかる
    .
    基本は個人が施設を所有してるが、仏のシャンティなどは調教場は統括機関が管理してるなどの話も
    こういう本が出てる事も含めて日本の馬文化とは大きな差があると感じた、英だが海外の厩舎資料にもなる
    ---
    [2014-09-05]
    アメリカで乗馬の指導をしてる人で、履歴として縄投げや放牧経験もあるカウボーイなお方
    青木賢至・阿部和江訳 バック・ブラナマン「バック・ブラナマンの半生 馬と共に生きる」を読んだ
    .
    60年代から現代に至るまでの米の馬事情の資料としても使える、半生記としても起伏に富む人生
    60年代に親から縄使いたるべく虐待されてた記録から始まりいきなり重い、当時の米の田舎の実際
    保護された後に馬の仕事に就くが、先達の人から指導受けて自分の調教の過ちを認める所が良い
    .
    その後今の主流の馬調教の考えに近い指導方式となるが、80年代は米も調教は駄目な方式が主流だったとわかる
    映画の撮影の指導での全ダメ出しの話も面白い、米国人の考え方の基盤や馬文化の実際がわかる

    ■ 大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「アンデルセン童話集 完訳 」全六巻
    ■ 茂木健一郎 監訳 アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ローズ「脳はいかにして神を見るか」
    ■ 土井利忠(天外伺郎)/茂木健一郎 「意識は科学で解き明かせるか」
    ■ 名和広「赤塚不二夫大先生を読むbook1」
    ■ 名和 広 「「本気ふざけ」的解釈 Book2 赤塚不二夫というメディア 破戒と諧謔のギャグゲリラ伝説」


    Vol 3027(2015-10-11)
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。ファンタジー扱ってる関連から。1835から1866。創作中心というのも注目点
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「完訳 アンデルセン童話集 1」を読んだ
    .
    簡訳した絵本・児童向け等でお馴染みの話がどんどん出てくる。描写細かく親指姫は蠅の羽など新発見もある
    幸運の長靴は驚き。短期間とは云えタイムトラベルと精神交換の話。当時の情報にも触れプロトSFとして興味深い
    あとは人魚姫・裸の王様・錫の兵隊など。全般に云えるがこの人の話はうんざりするほど暗いのも多い
    .
    妖精の姿が見えないのは悪い大人など現実的な意見を嫌い、詩を尊重などで芸術肌な気質。宗教への傾倒もある
    戦争中の軍人に読んでた人が多く、水木サンも絵本作ってる。暗い部分が日本では受けた所あるのかなと
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。絵本とかでは一部だが本当に暗い話も多くて読むのは結構しんどい
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「完訳 アンデルセン童話集 2」を読んだ
    .
    「話もおしまい。何もかもおしまい、お話はみんなこんなもの」バッドエンドで最後もぶん投げるモミの木とかヒドい
    みにくいアヒルの子・マッチ売りの少女。また雪の女王は原文だと長く、女性主人公の話であるのも注目点
    日本製のからくりナイチンゲールでる中国の話など、観光案内や当時の科学解説的な面ある話もある
    .
    他人や物の視点に立って作った話も多い。それも死ぬ間際や壊れる寸前などやっぱり全体で暗い
    マッチ売りが顕著だが、宗教観から死ねば幸せになるという観念もある。戦時中に受けたのも納得するような話
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。ギリシャ悲劇からの蛙の鳴き声の他、燕の鳴き声などもある
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「完訳 アンデルセン童話集 3」を読んだ
    .
    2に姿を消す力もつ妖精の娘の話ある。王の話でなく庶民や動物・植物・物の話が全体で分量多いと思う
    ゲド戦記の元ネタになる影法師の話はここに収録。また千年後の話などまたもプロトSF的な話が入ってる
    後は神的な視点からの食らい合う人間の例えや、世界全てが死に絶えたかもで終わるオチなども興味深い
    .
    解放された女性なんて単語も出てくる。女性主人公の雪の女王とも比較しSFに近い立ち位置の作家とも思う
    今巻も暗くて救いの無い話は多い。諦らめに近い感情や神の助けを願う気持ちなど過渡期の19Cらしいと思う
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。今巻は目次がついてなくて、文書く時の見直しが面倒だった
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「アンデルセン童話集 完訳 4」を読んだ
    .
    最終巻には創作動機の文がついてる。北欧神話研究したとあり今巻ではその話がある
    長いソーセージの串で作ったスープの話。向こうの格言だがそこから作った話もある
    他にも今巻はパンを踏んだ娘の話など印象深い。過去に聞いた話を膨らませたもの
    .
    暗い話も多いが上記など、暗い話を逆にハッピーエンドにしようとした結果のも多いとわかる
    賢者の石で最新技術の気球を出したり、数え歌みたいな本の話などバリエーションも豊富
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。これだけうっかり借り忘れ、いかんいかんと遅れて借り出し
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「アンデルセン童話集 完訳 5」を読んだ
    .
    古いのと新しいスタイルの話が混合してて、観光案内や長い長い恋愛譚で昼メロ風味の氷姫など
    最新技術の話から電磁石・天王星旅行の例え。またつの丸絡みで調べた1895のカスパール・ハウザーなど
    文芸論のエッセイとも云える新しい世紀のミューズなど、童話で括れない話も出てくる
    .
    新聞の普及も考えられる犯罪に関連する話。また心臓たべて飛行と透明化考えた狂人の例なども
    人形が命を得る話など、後の作品を考えると、短くはあるがかなり画期的な話は多いと思う
    [2015-10]
    ファンタジー扱ってる関連から。当時の情勢とかそれ以前の文芸の影響も出た刊
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「アンデルセン童話集 完訳 6」を読んだ
    .
    この童話集は長い期間にわたって出してるので、後半は異色に近い作品も増えてくる
    今巻では舞台風の話や戦争の話。長いロマンスの話なんかはそれ以前の騎士道物の影響かも
    童話集ではあるが、新聞の話やガス塔の話も出るのが作られた時代をよく反映している
    .
    それ以前の文芸でもあるが擬人化で特に目立つのがモノの擬人化、この人の作風とも合致
    ドイツに対する警戒が作品に反映されてる所もある。もう19C半ばで新しい作品と見た方が良い
    -
    ファンタジー扱ってる関連から。今巻は最後にいかに創作されたかの解説がつき納得する
    大畑末吉訳 ハンス・クリスチャン・アンデルセン 「アンデルセン童話集 完訳 7」を読んだ
    .
    パリ万博に実際いった人でそれを反映した話。また気球の話ほかほら話的なのも増えてくる
    ロマン主義にも属する作品ではあるが、後半は過去や子供時代への憧れも見られ始める
    作品解説は面白い。元ネタは存在するらしいが脚色、また絵から広げた話なんかもある
    .
    全体で一貫して芸術家気質みたいのは強いとも思う。影響受けた人や作品作成にも反映されてる
    暗い話が全体で多い。だがこの人なりに、宗教に救い与えようとしたんだなと。大変だが読んで損は無かった
    ---
    [10-11-12]
    オカルトの印象は悪いので、宗教とは何か?の疑問は常にある
    茂木健一郎 監訳 アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ローズ「脳はいかにして神を見るか」を読んだ
    .
    悟りの瞬間の脳の状態の解析や、神話や宗教の誕生の考察
    解説にある様に仮説で、時には推測が先走ってる感はあるが
    悟った状態はどうかを具体的にしたり、説得力はなかなかある
    ..
    脳内現象でも現実感を持つというのも、お化けなどと絡めると興味深い
    解明が進めば誰でも手軽に、悟りの境地に立てるのではと期待も出来る
    -
    [10-10-22]
    ゼーガペインに関連して、また興味ある分野でもあるので
    土井利忠(天外伺郎)/茂木健一郎 「意識は科学で解き明かせるか」を読んだ
    .
    ニューエイジ系科学ライター(補足ソニー元開発者)と、生物物理学(補足ソニー研究所職員)の先生の対談
    脳と意識の問題は難しすぎるので、解読に量子論まで必要になってくる
    量子論自体の説明はわかりやすいが、研究の未発達な脳関連はキツイ
    .
    物理の先生が、ニューエイジ系の話題にもつきあってる所はエライ
    色即是空も出てくる、本職の坊さん達の意見も聴いてみたい所
    [2015-10-11]
    補足。ここ数ヶ月の実際の言動が出てる。この人は脳科学者と云われてるが、実際はかなり疑問的な部分も多い
    現状で本職と異なるタレントや、政治的な活動も目立つ。なので、この人に関しては疑問視して資料を読む事をお勧めする
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    [2014-07-03]
    既刊の関係者の書籍を赤塚ファンが批判。その中でこの本挙げてて気になってた。資料としての側面も高め
    名和広「赤塚不二夫大先生を読むbook1」を読んだ
    .
    赤塚自身が変遷ある作家なんで、あまり語られることのない初期作品や少女漫画の詳しい解説付きと珍しい作品
    作品自体の引用が無いのでわかり難い部分も多いが、巻末には完全版に近い著作リストも付いて資料性も高い
    問題の他書籍への批判だが、赤塚が実際は恨み買ってる部分も多いと確認出来る。豪ちゃんへの圧力事件等もある
    .
    赤塚自身の作品関与の度合いも含む、当時の流行とギャグの比較。同世代の藤子Aと森田拳次へのインタビューも収録
    ギャグで後年語られる機会少ないのは無念。14年7月にこれも語られる事の少ない晩年作品扱った次巻発行予定とこれも楽しみ
    -
    [2014-11-15]
    パート1の続きで赤塚作品を解説した珍しい本。バカボン以降から晩年を経て死去までの流れを一覧出来る
    名和 広 「「本気ふざけ」的解釈 Book2 赤塚不二夫というメディア 破戒と諧謔のギャグゲリラ伝説」を読んだ
    .
    他作家を咎めて赤塚を持ち上げたり、過大に評価してる点もあるので、読み難い面もある。だが、守備範囲は広い
    芸能活動の他にも、周辺で起こった事件なども収録。作品内容から敵を作りやすい事や、内輪でのゴタゴタもある
    好意的な論考ではあるが、サブカル関係者が好むように赤塚作品が難解な点や、時代と同時代的な部分も多い事もわかる
    .
    晩年の作品の解釈と共に、漫画以外の芸能活動などで何をしようとしたかなど。実際は難しい部分の多い漫画家とも思う
    晩年はアルコール中毒になり、昏睡のまま死去など暗い部分も目立ってしまう。どうすれば良かったのかなど考える所は多い

    ■ 平井正穂訳 ダニエル・デフォー 「ロビンソン・クルーソー 上・下」
    ■ 中野美代子訳 作者不明 「西遊記」全十巻
    ■ 水谷真威訳 玄奘 「大唐西域記 」全三巻
    ■ 石田端麿訳 源信 「往生要集 日本浄土教の夜明け 」全二巻
    ■ 中野 美代子 「孫悟空の誕生 サルの民話学と「西遊記」」


    Vol 3025(2015-10-04)
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。文芸から当時の雰囲気を掴もうという話でこれは18Cの話となる
    平井正穂訳 ダニエル・デフォー 「ロビンソン・クルーソー 上・下」を読んだ
    .
    1部2部を収録。中産階級出身の作者で合理主義と資料にあるが、宗教への傾倒や当時の他民族差別も出てる
    物語的に面白いのは無人島で心理的に追い詰められつつのサバイバル。ここは完全に時代を超越した内容
    それ以外の部分はかなりうーんとなる。今よむと思いあがってる西洋人。また、実話商法が当時からあるのも注目点
    .
    人間関係での闘争や中国での貿易等もあるが宗教違うエリアは完全に野蛮人とみてる。従者フライデーへの目線もおなじ
    本来の性格としてはそのボチボチの部分が当時の主な思想なのだと思う。そこらが正直に記録されてる点は興味深い
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    [2014-10-10]
    いろんな作品の題材にもなってる有名作、だがちゃんと全部読んだ事無かったので今回改めて
    小野忍訳 作者不明 「西遊記1」を読んだ
    .
    石猿が誕生して斉天大聖になって大暴れされ封印された後、菩薩の使いが唐の王を地獄巡りさせる所まで
    講談の原本となるが作られた後に講談らしく改変が重ねられたので作者は不明、詩の場面の多さも講談上演らしい
    仙術等の入手まで細かく描写、生い立ちは小池一夫版の様な細かさでは無いが弟子が全て悟の字持つ事は再発見
    .
    お化けも当たり前だが多数登場するがこの巻では天界勢力と反乱の石猿軍の争いがある、変身しながら戦う所が面白い
    反乱の英雄の話の所や悟空の暴れ方が火を伴う辺りはお国柄や先行作品との関連性もあり面白い所
    -
    冒険の始まりと服泥棒黒大王の退治、ブタが仲間になって黄風大王手下の虎先鋒倒すまで
    小野忍訳 作者不明 「西遊記2」を読んだ
    .
    服の効力なんかの説明もあるが三蔵は馬が食べられてメソメソして弱い所がある、悟空はツッコミのキャラ
    熊山君・特処士・虎将軍・名前付きの追剥の五人集・黒大王とつるむ金池長老などが今回の敵となる
    服泥棒の辺りが今回は印象深い、悟空は早くも菩薩を呼びに行って騙し討ちと体内からの攻撃・火責めを使用
    .
    ブタが最初別名だが八戒の名を与えられ、ぼんやりしてると表現されて次の話ではもう腹へったとブレが無い
    絵もついてるがブタが悪い奴倒してる所やユーモラスな悟空などなかなか味わいがある、文は内容とも合い読み易い
    -
    [2014-10-11]
    前巻からの続きで黄風大王正体がテンの怪物と発覚・カッパ仲間入り・ブタの婿入り失敗に人参果・白骨夫人・黄袍怪まで
    小野忍訳 作者不明 「西遊記3」を読んだ
    .
    名称付きの秘術合戦の他に味方や中立勢力として霊吉菩薩・清風大仙も出る、三蔵には常に加護がありそれがブタ婿入り未遂話
    ブタが腹へったはまんまだが三蔵も腹へった言い出しなにかと泣いて悟空頼み、悟空は菩薩に頼み込むに行くと結構ダメダメ軍団
    ケンカっぱやい悟空とブタの告げ口で関係悪化して悟空バイバイ、仲間になったカッパは影薄くブタは頼りにならずもう敵に捕縛
    .
    派生作品の印象が強いので原作の三蔵以下全員がこんなダメ集団とは思わなかった、でもそのせいで会話が漫才の様で面白い
    今回もブタの突っ張った欲の皮でピンチに陥いったりとキャラ立ちまくってる、何故三蔵連れて空飛んでいかないか等の理屈説明もあり
    -
    貸出都合でここから新版となるが訳者も亡くなられた為変更、旧版はカバーが芝居の写真だが新版は文中挿絵の抜粋となる
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記4」を読んだ
    .
    前巻の捕まった三蔵からで、金角大王・銀各大王とその仲間の精細鬼・イ余俐虫・巴山虎・倚海龍・九尾の狐・狐阿七大王
    更にケチ坊主の寺からハムレット風でもある幽鬼の王と獅子王、そして今回も途中までで紅孩児・聖嬰大王出現まで
    有名なひょうたん他が太上李老君の持ち物で金角銀角も元は弟子や獅子王の前身も由来あり、牛魔王も前半悟空の仲間と繋がりある
    .
    今回も壮絶な秘術合戦がメインでブーンと転送される移山宿地の法ほか、全巻に渡り初期敵のナタ太子他の支援や魔物区分の説明もある
    金角銀角はわりと有名だが序盤に出る事や他の道具の話、また全編に渡りブタと猿の漫才の比重の多さなどにも目が行った
    [2014-10-13]
    忘れんようにメモとって早めに記録してたが今回は遅れて記憶がマズイ、前巻続きで紅孩児から
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記5」を読んだ
    .
    紅孩児配下の名前付き六健将・ダケツ・虎力/鹿力/羊力大仙・霊感大王・あいなめ姫・蝦ばあさん・一秤金など
    パターンとして悟空が天界に援軍頼んで敵の正体が発覚して勝利、その正体は天界で飼われてた動物だった等が多い
    今回は観音が敵に化けられてブチ切れたり、悟空達が敵に小便飲ましたり味方が天ぷらになる場面が印象に残ってる
    .
    悟空の援軍要請や土地神の召喚などで味方側にも名前付きキャラは多数登場、それが次巻に続く独角凹大王戦では多数
    解説も豆知識が豊富で面白い、訳が変わった事で天羅地網をコズミックネットなど解説含め個性的な言葉も随所で出始める
    -
    前巻続きで援軍を次々と退け西遊記中でもかなり強敵の独角凹大王、如意真仙・サソリの精・山賊・六耳ビ猴など
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記6」を読んだ
    .
    最終巻解説から55回ぐらいを区切りに話が編集されてる話があるが、悟空の家出や三蔵女に誑かされると過去にも似た話
    如意真仙が牛魔王の弟から、今回は有名な大力牛魔王・鉄扇公主羅刹女・玉面公主・金睛獣・老竜王と対牛魔王戦
    牛魔王が悟空の過去の仲間な事を筆頭に、火焔山も元は悟空が原因で恨みも息子の紅孩児の善財童子改心と因縁の戦い
    .
    今回は他にも実在国モデルの女人国でブタと坊主が妊娠など有名処の話も多く、真ん中の巻に当たるのにふさわしい内容
    また独角凹大王退治に使われる武器も芭蕉扇と複数存在する事も発見、金剛琢など不思議なアイテムも全編で多数登場
    -
    奔波児ハ・ハ波児奔・九頭フ馬・万聖老竜王・竜婆、前巻取り逃した牛魔王の味方で敵に化けての潜入は後の話にも類似あり
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記7」を読んだ
    .
    また中立に近い荊棘嶺の十八公・黄眉老仏、別件で水母娘娘・巨大なうわばみ・賽太歳・有来有去・猩々・虎将軍・熊元帥など
    中国で女神を意味する語が娘娘な事や、モンゴル語に語源を持つ横町のフートンなど豆知識的な部分も勉強になる
    今回はブタが臭気の稀柿どうを巨大化掃除したりと活躍の場がある、悟空が元馬の係等もあるが呼び名でスヒンが多用されてる
    .
    三蔵と仙人の歌のやりとりの場面もあるが猿の病気診断なんて場面も、本草網目基準に薬に馬の小便を使ったりしてる
    味方としても多数の仏も登場してそこから別件の妖怪の話なんかもあるが、敵も含め元は仏や仙人の縁者も多い
    -
    春嬌・金毛コウ・七匹の虫妖怪とクモ妖怪・百眼魔君多目怪・総鑽風・青毛獅子怪・黄牙老象・万里大鵬G・偽国丈と美后
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記8」を読んだ
    .
    戦闘の展開は元々似た話が多かったが、もう途中の小ネタも含めてそれは前やっただろという話が増えてくる
    編集した人自体もその事に気づいてて、悟空自身がまたこのパターンでしょと指摘する場面なんかも出てくる
    秘密道具の偽物を持ち出して雄と雌や敵に化けての侵入などが先の話と同じで、古典ですら長期連載による引き伸ばし
    .
    敵も解説に最初に名前バラしてどうするんだと突っ込まれてるが、今までの敵に比べて悟空達だけで対処も多く微妙に弱い
    ただ敵が大軍勢を配下にもってる所の新味や、こんなに騙されてるのに相変わらずの坊主にブタなど安定してる部分はある
    -
    ナタの義妹地湧夫人・南山大王・腹黒突飛・突飛腹黒・黄獅子・九霊元聖・ドウ獅・雪獅・サンゲイ・白沢・伏狸・搏象など
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記9」を読んだ
    .
    今回も似た話が多く、ブタが腹の中に入った悟空にそのまま戦えば良かったと突っ込んだり読者の意見を代弁してる
    今回はブタの坊主が死んだからもう解散も天丼としてよく使われてて印象に残る、全編通してブタは安定のお笑い要員
    もうインドに近いエリアなので現実の国モデルも多い、今回は潜入で馬喰に化け必要から王臣下全てハゲにしたりもしてる
    .
    雨乞いに協力する場面があり天界の融通利かんぶりもよく発揮、敵も大概もと天界のペットなどでもう茶番にすら思えてくる
    新版になってから減ってる気もするが挿絵が今回は面白く、多手になった悟空や雨乞いでの悟空たちのダンスなど
    -
    長かった旅も遂に完結、辟寒大王・辟暑大王・辟塵大王・玉兎・ムカデの精・盗賊など終盤でもまだ騙される坊主
    中野美代子訳 作者不明 「西遊記10」を読んだ
    .
    今回は冤罪事件の解決など別方向への発展も感じさせるがもう終わり、最後で白紙の巻物などまだ難は降りかかる
    今まで解決した戦いのリスト提示と共にまだ一難残ってたと最後の池ポチャ、これで文が少し失われたとの理由づけ
    悟空の闘戦勝仏に対しブタは浄檀使者、文句言うとメシのおこぼれ喰えるで納得させるなど最後まで扱いも揺らがない
    .
    改めて読むとまさに妖怪退治の大冒険、最後まで坊主はメソメソ・ブタは食い気・カッパは影薄いとキャラも固定されてる
    同じ話が続いたりと退屈な所もあったが全巻ちゃんと読みたかったので念願果たせた、またお化け沢山見れたのも収穫
    ---
    [2014-10-07]
    7世紀初頭の中国からインドへの大冒険、西遊記の元になった三蔵法師の実際の記録で読んでみたかった
    水谷真威訳 玄奘 「大唐西域記 1」を読んだ
    .
    現地の風土や習慣を逸話交じりで書き面白そうだが、あまりに簡潔すぎ解説をして読みづらい・退屈の意見を認めてる
    また漢語への翻訳で文意も変化し場所もどこかわかり難い点もあるが、解説も充実してるし昔の珍しい記録で価値もある
    間違ってる部分も当然多いがこれも解説がフォロー、カースト制度や馬を飼う北の易王・竜駒と気になる話も多い
    .
    怪的にも薬叉の守る塔や久米仙人にも繋がる一角仙人の話など、簡潔とはいえ古事記より前の逸話がいろいろ載ってる
    当時の名所にもだいたい行ってるし、地域もモンゴルこそ通らないがイラン・パキスタンから回るコースと興味深い
    [2014-10-07]
    地名が漢字表記でシャタドル国など実際どこかわかり難い部分はあるが、逸話と共にこの巻ではインドに到着してる
    水谷真威訳 玄奘 「大唐西域記 2」を読んだ
    .
    山海経にすら記述が無かった国を冒険してるとの記述あるが、女性が支配する東女国など地域でも面白い
    発行にあたり解説を削る羽目になり訳者が愚痴こぼしてるが、この巻は仏が死ぬ場面を中心に逸話が充実
    仏教徒以外は外道の描写で統一されてるがそれとのループする会話や、中国の人らしい仙人の逸話の収録も
    .
    注目点は身を投げ出す兎の逸話で「月に兎が〜」は中国系ではこれが初、間違った昇天の話も後の日本の説話にある
    祇園精舎も実際に訪れてる他、解説から後の西遊記の元の悟空の話や玄奘自体の逸話は宋の時代に盛って充実した事もわかる
    [2014-10-08]
    インド大陸を西から回りこむルートなんで、東インドから今のウィグル辺りを回って帰還する
    水谷真威訳 玄奘 「大唐西域記 3」を読んだ
    .
    怪関連で大地の様なマカラ魚・瑞祥の青雀と群鹿・火竜・狸(リ)に鳥の翼・天馬など仏教説話絡み
    日本に伝わる話で首を傾けた仏像やアスラとアシュラが同じなど、仏教絡みは充実で後は簡潔なのは訳あり
    他国の宣教師と同じく軍事情報としても受領され、国民の耳に入れたくない情報は国が抹消したと解説にある
    .
    貴重な当時の記録がこんな事で消滅したのが無念、他国資料から後年と人種が違う国などもある
    大流砂や食べ物のパサナの美味しさに関する話、他にも国を救った聖鼠など削られてるが珍しい話も多い
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    [2014-10-07]
    説話扱いだが仏教書といった方が近く逸話は少なめ、ただ詳しい地獄の描写などがある
    石田端麿訳 源信 「往生要集 日本浄土教の夜明け 1」を読んだ
    .
    985年と平安時代のど真ん中に作成されてるので、当時の仏教の考え方や同時代の作品への影響が強い
    特筆する部分は詳しい地獄と天国の描写、神曲でも13Cなので当然早く鬼が歌を吟じたりと当時の風俗も反映
    あくまで昔の本で間違いもある部分で人体内の描写も興味深い、江戸に西洋医学入るまでこの考えが一般的
    .
    神曲は天国に入ると描写が貧しくなるがこちらもそこは同じ、また当時の天国や仏は金銀の装飾など俗っぽい
    引用書籍も多く論の根拠はそこに頼ってる、海外でも同じだが昔の宗教家の考え方が垣間見れる
    ---
    [2014-10-07]
    説話扱いと思って逸話を期待したがやはり仏教書、下巻は実用書的な内容が占める事になる
    石田端麿訳 源信 「往生要集 日本浄土教の夜明け 2」を読んだ
    .
    あくまで当時の宗教の考え方で作者自身の思考も後に変化はあるが、浄土教の実践手順となってる
    外国の宗教も儀式の実際の執行に細かい取り決め設定してるが、ここらは西洋問わず考えが変わらんなぁと
    昔の西洋の宣教師なんかも論争で相手に勝つ事を誇りにしてるが、これも引用で細かく述べてる辺り同じ
    .
    作者自身は後年は病気になったりしてる、まぁ元から病弱だったなどが信仰に走る原因かもしれない
    細かく設定された仏教だがこれも平安末期になるとダメな僧が増えてくる、そんな簡単には悟りには至れない
    [2015-10-04]
    資料読んたので補足。地獄の描写はブッダ死亡から大乗発生の経典が参考になる。転生により現世で刑罰を受ける所
    これは当時のインドの刑罰と同じ。モンゴルでは極寒・中東は灼熱など、地獄は各国で地域にあった形で伝えられている
    ---
    [2014-10-25]
    西遊記の訳者で参考資料としても紹介してた本だが、膨大な参考資料リストも含め密度ある
    中野 美代子 「孫悟空の誕生 サルの民話学と「西遊記」」を読んだ
    .
    成立までには経緯があるので大量の過去の話を吸収してて、その中でも直系に近い本の話が詳しい
    三蔵が破戒僧気味の話が実在僧の善無畏に由来し、そこから更に現状の三蔵の話が出来る話に納得
    日本ではカッパで本来はよくわからん悟浄が元は意味深い深沙神に由来し、最後は目立たん現状になった話等
    .
    原点探しとしてもアジア全域の猿の扱いとしても面白く、また中華で壺中天系の話が少ないのも意外
    仏典と関連してる所からの守備範囲の広さや、火焔山が熱い地域指すなど話の置き替え例としても実例豊富

    ■木村肥佐生訳 ダライ・ラマ14世 「チベット わが祖国 改版 ダライ・ラマ自叙伝」
    ■山際素男訳 ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「ダライ・ラマ自伝」
    ■三浦順子訳 ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「ダライ・ラマ愛と非暴力」
    ■聖 河口慧海訳 印度大徳シャンテ・デーブ 「河口慧海全集 2 入菩薩行」
    ■長尾雅人責任編集 「世界の名著 1 バラモン教典 原始仏典」
    ■長尾雅人責任編集 「世界の名著 2 大乗仏典」
    ■牧野 信也訳 「ハディース イスラーム伝承集成」
    ■濱本武雄訳 マルコムX 「完訳マルコムX自伝」
    ■ロウ山芳郎訳 マハトマ・ガンジー「ガンジー自伝」
    ■梶原寿監訳 クレイボーン・カーソン、クリス・シェパード編 「私には夢がある M・L・キング説教・講演集」
    ■蓮見博昭訳 マーティン・ルーサー・キング 「汝の敵を愛せよ」
    ■カトリック広報室訳 マザー・テレサ 「生命あるすべてのものに」
    ■里見貞代訳 ジョゼフ・ラングフォード 「マザーテレサの秘められた炎」
    ■鈴木鴻一郎責任編集 「世界の名著 43マルクス・エンゲルスI+世界の名著 55 マルクス・エンゲルスII」
    ■江口朴郎責任編集 「世界の名著52 レーニン」
    ■小野川秀美責任編集 「世界の名著64 孫文・毛沢東」
    ■竹内実訳 毛沢東 「毛沢東語録」
    ■菊池聡+新田玲子訳 T・シック・ジュニア+L・ヴォーン「クリティカルシンキング 不思議現象篇」
    ■平野一郎・将積茂訳 アドルフ・ヒトラー「わが闘争」
    ■村瀬 興雄 「アドルフ・ヒトラー 「独裁者」出現の歴史的背景」
    ■村瀬 興雄 「ナチズムと大衆社会 民衆生活にみる順応と抵抗」
    ■日高六郎訳 エーリッヒ・フロム 「自由からの逃走」
    ■ハント・ヴェルグ訳 ジョエル・レヴィ 詐欺師ハンドブック 基礎編から応用編まで」
    ■日本戦没学生記念会編 「きけ わだつみのこえ」
    ■日本戦没学生記念会編 「きけわだつみのこえ 第2集」
    ■「筑摩世界文学大系 89 サルトル」
    ■海老坂武・澤田直訳 ジャン・ポール・サルトル 「自由への道 文庫3・4第二部」
    ■海老坂武・澤田直訳 ジャン・ポール・サルトル 「自由への道 文庫5・6第三部+未完第四部」
    ■杉山 正明 「モンゴル帝国と大元ウルス」
    ■馬事文化財団馬の博物館編 「企画展 スーホの白い馬と草原の民」


    Vol l 3023B
    [2015-04-25]
    ドキュメンタリー番組やネット上の資料なんか見て気になってた、最近の世界情勢考える上でも
    木村肥佐生訳 ダライ・ラマ14世 「チベット わが祖国 改版 ダライ・ラマ自叙伝」を読んだ
    .
    ドキュメンタリーや資料との違うと思う所もあり、本人の談なんで信頼でき自分で判断する事が出来る
    まだ最近に近い60年代に侵略や弾圧・虐殺が行われてた事や、今も世界中の見て見ぬふりと思う所は多い
    若くしてそれらの苦難や難しい決断を下す事になった人だが、徹底した非暴力と不服従の姿勢は心を打たれる
    .
    立場的に日本もチベットに近い状況に置かれる可能性あるが、そういうのも考えると先例として尊い
    訳した人も内モンゴルからチベットと数奇な運命を辿ってる、最近の話で近い問題なんで考えさせられた

    [2015-05-03]
    自叙伝は聞き取りの形になるが今回は本人筆による英語での自伝、90年刊でノーベル賞をとった翌年のもの
    山際素男訳 ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「ダライ・ラマ自伝」を読んだ
    .
    まだほんの昔の話で、理不尽な侵略にさらされてしまった武器を持たぬ平和の国の人々の話と今の日本に通じる所もある
    非暴力を貫いてる人なんでその心の強さは何故なのかを知りたかった、普段考えてる事や生活様式・そこでの失敗の話もある
    政治と絡めて扱われる事も多いが科学や現実も踏まえた偏った所の無い信仰、所々にあるユーモアも心が強いなあと感じる
    .
    侵略がいかになされそれを他国がどう無視してきたかのリアルな記録でもあり、普通なら憎む相手も冷静に分析するのは修行者の賜物
    自分の興味ある馬やモンゴルの話の他、日本を含む他国を訪れた時の感想や世界の聖人や指導者への感想も面白かった

    [2015-05-03]
    他にもこの人の本はいろいろ出てるんだが、タイトルが自伝の訳者あとがきに上がってて有名なこれを借りてきた
    三浦順子訳 ダライ・ラマ14世 テンジン・ギャツォ 「ダライ・ラマ愛と非暴力」を読んだ
    .
    後の89年のノーベル賞でのスピーチを追加した版の84年の世界各地での講演記録集、モンゴルと関連ある施設でおこなわれたのが多い
    政治的な部分より宗教的な指導者としての部分での講演で、自分の勉強した事を他人にわかりやすく伝える為の内容となっている
    宗教の極限まで極めようとしてる人なんで難しいのは当たり前だが、我々にもわかりやすい形での例をあげて説明してる部分もある
    .
    この人自体も非暴力を徹底させてる事や化学や他宗教への理解もあり偏ってる部分は少ない、変な超能力みたいのは他書でも否定してる
    宗教は難しいので自分は面白いとは思ってもそこで全面的には信用していないが、逆境にあってなおも寛容であるこの人の強い心は感心してる

    Vol [2015-05-05]
    ダライラマが講義によく使う資料の一つがこれ、しかし翻訳版は限られてるらしく専門の坊さんので
    聖 河口慧海訳 印度大徳シャンテ・デーブ 「河口慧海全集 2 入菩薩行」を読んだ
    .
    まあ内容的にも文章的にも読み難いが大意は掴める、戦争の話も含むので境遇的にダライラマが興味持つのも納得
    冒頭の苦しみ患いを避けようとしそちらへ走り、幸福を願って愚痴で敵の様にダメにする趣旨の二行が全体のテーマ
    先にブッタとかも読んでるが基本それらのバリエーション、偉い話ってのも元があってそこから発展させてった話とわかる
    .
    ただ感化されてるだけともとれるし元から人間はそう考える様に出来てるともとれる、苦しみはいつの時代も普遍
    前述の様に難しい内容なんで完全に理解出来た訳でも無いし疑問もあるが、なんでこれが好まれるかは納得出来る

    [2015-07]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。全部読むと大量になるので採用。抜粋の形となるが詳しい解説つき
    長尾雅人責任編集 「世界の名著 1 バラモン教典 原始仏典」を読んだ
    .
    迷ってた頃に読んで思う所多かった。それはそれとして神話から多種類におよぶ宗教への派生が一望できる
    こういうのも流れあると再確認。今の本の売上と同じに考えて、何故残ったかや消えた系統はどうか考えながら読んだ
    ブッダが残ったのはわかりやすいという所ありそう。それ以前の神話で乙女の浴衣を隠し戯れる楽しい話も収録
    .
    ラーマーヤーナが迷う所も再読で発見おおい。死から輪廻・そして悟りと思想の推移やブッダ修行経緯もわかる
    消えた系列の信仰に今も似た奴はある。仏教でひとくくりにされるが哲学に入るのも含み、分けて考えればいいと実感

    [2015-07]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。今普及してる仏教はこの大乗のアレンジ版。これも確認したかった
    長尾雅人責任編集 「世界の名著 2 大乗仏典」を読んだ
    .
    個人の感想になるがわかり難くなったなぁと。ただ、それが発生する敬意や目的は解説もあり理解できる
    複数収録で宝積経の例えはわりと面白い。仏教もいろいろ含むので、意図がなにか考えて読まんと実用させにくい
    いろいろ含む中でも、明確に認識に絡む哲学に近い思想も出て収録。はっきりいってわけわかめだが、そりゃそうだろう
    .
    認識論は海外の実際の研究と絡めると面白そうとは思う。中国経由の翻訳で合理化されたっていうのも注目点
    先のも含め海外で先に研究された話も興味深い。ここから派生して更に日本版仏教もあってなかなか奥深いジャンル

    [2015-09]
    イスラムは資料も調べやすい。コーランに次ぐ資料。ムハンマドの実際の言動の記録
    牧野 信也訳 「ハディース イスラーム伝承集成」を読んだ
    .
    コーランからも人柄の良さはわかり読みたかった本。聖者の中でも優しさや寛大さで人間味ある
    トイレで石頼みウンコが来て違うといった話や子供に粗相された話など、ユーモラスな逸話もあり
    犬に水やった人褒めたり、猫虐めた人注意したり、裸馬にのり波の様に速いといったり、動物の話も
    .
    戦闘もこなした人。だが、恥ずかしがり屋で怒りをおさえ、常に祈りを熱心にしたなど穏やかな所に目がいく
    一部の過激な後継ばかり目立つが、そっち版だと別の人の談の方が多いともある。そこも含め注意いる。以下簡単に各巻感想
    -
    コーランも読み易い様に編集されてるがこれも同じ、上巻では儀礼の方法を述べる 「ハディース イスラーム伝承集成 上」を読んだ
    大半を占める穏健なイスラムはこの儀礼を守る事を重視してる。コーランの段階でも融通を利かせてるがここでも同じとなる
    寛大さは重要な要因。無理は求めないし弱い者には優しいのが本来のイスラム。コーランと同じく重複してる部分もある
    .
    中巻はコーランをどう解釈するかの内容が中心となる 各文毎に見出しが打たれ読み易い 「ハディース イスラーム伝承集成 中」を読んだ
    この巻は他と比べても重複が多い。記録だが他の宗教と同じで異説あるのは全部収録してる。付録で今巻より訳者の解説の対談もつく
    対談でも預言者の優しさには触れてるが、そこは魅力。現実的に考えるとムハンマドの持つ優しさや寛大さが聖典にも反映されたんだなと思う
    .
    下巻は補足的な部分もあるが実際のムハンマドの人柄わかる他、イスラム以前の風習もわかる 「ハディース イスラーム伝承集成 下」を読んだ
    魔法にかけられた事がある他、邪眼の話もある。馬の前髪に幸運が宿るも伝統的な考えと思う。嘘や策略・誤魔化しなんかは嫌ってる所ある
    魂がふくろうになるや内臓を食い荒らす蛇のサファル・悪魔シャイターンの話なども。あと甘いものが好きだった話なんかも良いなぁと思う

    [2015-08]
    これもマルクスと同じ。正直な所は研究用に仕方なく読んだ。だったが、この人に関しては印象が完全に変わった
    濱本武雄訳 マルコムX 「完訳マルコムX自伝」を読んだ
    .
    キング牧師の対極で印象悪かった。でもちゃんと調べたら、最終的に正しい所に辿りついて偉人とわかった
    経歴は特殊で犯罪を犯し、人種差別の思想も持った。発言も口悪く読み取りは難しい。でも最後はそれらが間違いと知った
    人に恵まれてる。また収監や恩人との対立の不幸が逆にこの人の器を広げた。神と共にあったと信用出来る
    .
    思想と共に気高い心を持ってる。だから失望も多かったが、正しく生きたともいえる。死後の後続運動の評価は難しい所
    発言・思想ともに変化あり読み取りが困難な点はある。変化ある人生で当時の黒人の様子がわかる資料としても単純に面白い

    [2015-08]
    独裁者関連の資料ばかりみるのもアレなんで対極の聖人の資料。この人は政治家時代の記録は残してない
    ロウ山芳郎訳 マハトマ・ガンジー「ガンジー自伝」を読んだ
    .
    以前に映画を見てる。それ以外にも激しい人という印象はあって、はしがきも厳しい所見せてる。そんな人間臭さもあふれる自伝
    強い精神の秘密を知りたかった。極端な所があり食べ物の好き嫌いや健康に関する変な傾向もある。だが神を信じる呑気さもある
    運動のきっかけは南アで差別を受けた所から。ここでも頑固さを押し通してる。一方で世話焼きでアイデアマンの柔軟さもある
    .
    信仰を手本にしてた所が道を踏み外さなかった要因のひとつとも思う。失敗してると思う所もあるからこそ、実験だとも思う
    聖人と云うよりまさに人、故に手本にもなる。どう評価するかは難しいと感じる所もあるが、事を成した人として参考にはなる

    [2015-05-03]
    キング牧師はTVのドキュメンタリー等から興味を持ってる、この人もガンジーやダライラマと同じく非暴力を徹底した人
    梶原寿監訳 クレイボーン・カーソン、クリス・シェパード編 「私には夢がある M・L・キング説教・講演集」を読んだ
    .
    講演の記録だが(そうだ!)とかの途中で合いの手も拾ってるので結構読み難い所はある、変わった発言には(ほう)なんて声も上がる
    ダライ・ラマ読んだ時もそうだが、当たり前の話ではあるが自分が聖人とかでは無いので読んでると凄く迷いだしてしまう時なんか多い
    実際の活動や歴史と合わせて講演内容も変化していってる、スタートレック見てた人と知ってるので銀河なんて単語が出ると反応もする
    .
    後の時代に当時の事件や思想がどうなっていったかと、それをどう判断するかの部分でこれは正しかったのかが凄く読んでて苦しむ
    不買運動など気になる点もあるが、この人が目指そうとした所は間違っていないしその為の手段に非暴力を徹底させたのも間違い無く正しい

    [2015-08]
    独裁者関連の資料ばかりみるのもアレなんで対極の聖人の資料。ただ少し引っかかる所はある
    蓮見博昭訳 マーティン・ルーサー・キング 「汝の敵を愛せよ」を読んだ
    .
    原書63年訳65年でまだ在命中の書籍。ノーベル賞はとってるがマルコムXも生きてて思想変化はまだ
    説教集。本来は自伝があるがこれが見つからず止む無く。マルコムX死亡後考えが逆転した話が気になってる
    弁論術の資料にもキング牧師演説は扱われてる。タイトルのは許す事など、説明は上手いが解説ではまだまだとある
    .
    前述の思想の変化を前提にすると少し気になる激しい部分もある。また先の演説とも被るが共産主義は否定してる
    悪人とされてる人とも重なるが、聖人も一面的では無いのではないかと思いはじめてる。ただ業績は正しく評価は出来る

    [2015-08]
    独裁者関連の資料ばかりみるのもアレなんで対極の聖人の資料。この人も他の聖人と同じで引っかかる部分がある
    カトリック広報室訳 マザー・テレサ 「生命あるすべてのものに」を読んだ
    .
    多い出版書籍の中のひとつを選択。80年代の日本来日時の講演と質疑を収録したものになる
    孤立した人の救済が主目的。凝った表現ではなく体験談からの講和。単純だが説得力はあると認める
    また信仰を晩年は無くしてる所が公開されてる。また、直前にネットで批判されてる記事も見つけてる
    .
    なのでどう評価するか迷ってる点がある。貧乏な人の方が必要とされてると思うから愛しやすいとの言葉もある
    ガンジーと同じで頑なすぎる信仰は問題もあるのかなと、ただ、実践的な活動や説得力ある言葉など聖人ではある

    11年の資料で少し戸惑う点もあるので軽く 里見貞代訳 ジョゼフ・ラングフォード 「マザーテレサの秘められた炎」を読んだ
    信仰を失くしかけていた事を公表した上での資料となる。神の啓示が実際あったとして、胡散臭い部分も感じる内容になってる
    渇きがキーワード。こういうのも公表するのは公正と思うし、実際の業績も評価はしてる。迷いながらも活動をした人間としての実像がわかる

    [2015-08]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。エッセンスだけの抽出と思ったら、資本論ほぼまるまる収録
    鈴木鴻一郎責任編集 「世界の名著 43マルクス・エンゲルスI+世界の名著 55 マルクス・エンゲルスII」を読んだ
    .
    公平な判断する為に嫌々読んだが正直な所。ただ、これ単体だと最終的になぜ独裁に結びついたかわからん所はある
    時代的には19C半ばから末に刊行。南北戦争が1861ごろで恐慌も発生。労働条件が悪かった時代が前提となる
    労働に価値を置いてる。最近の経済の本も参照し比較も出来る。労働に見合う賃金が払われてないが主張部分
    .
    貨幣の流通の理屈を説明しようとしてる。そこからどうすれば恐慌回避出来るかなど。昔の本で穴は多いと思う
    金の話中心だが神聖化や箔付けで読む面あった他、マルクス自身の攻撃性など、そこらで最終的に間違いに至ったのかなと

    [2015-08]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。これもマルクスと同じ。正直な所は研究用に仕方なく読んだ
    江口朴郎責任編集 「世界の名著52 レーニン」を読んだ
    .
    研究者の解説や対談付属するが農業関係が多い。農民の解放が最初の目的でそこからかと
    全面否定はしない。労働状況改善の要求に関しては認める。問題は手段を完全に誤ってしまった点
    マルクスから格差への憎しみ・怒りのネガティブな思考を引き継ぎ、暴力による即時解決を計ってしまった
    .
    農民解放はどこにいったのか、後半は反対勢力への批判と権力闘争。結局他人を利用し暴力に大義を与えた
    最終的に独裁・停滞と前より酷い状況を産み出す。否定的な面を孕む思想はロクな結果招かない例のひとつ

    [2015-08]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。これもマルクスと同じ。正直な所は研究用に仕方なく読んだ
    小野川秀美責任編集 「世界の名著64 孫文・毛沢東」を読んだ
    .
    孫文は当時の状況がわかる文。日本の当時の立ち位置の他、中国人の自国分析や反省がわかる
    毛沢東。解説にもある通り、共産主義を取り込み、民族主義をくわえ、自国の物にしてる。読み易い
    発行年が1969年。チベットへの侵攻等は既に開始。解説にも迷いが出てる。冷静に狂っていく印象
    .
    実践を良しとするので、ゲリラ戦や国民の洗脳も具体的に書かれてる。闘争だが表面上は穏やか
    後年の説得から教育の話にふる件は怖い。歳をとって焦り、結局地が出てしまったのかもしれない

    [2015-09]
    これもマルクスと同じ。正直な所は研究用に仕方なく読んだ。扱い的には成功してしまったヒトラーといった所
    竹内実訳 毛沢東 「毛沢東語録」を読んだ
    .
    持ってる奴から奪え、その為の暴力は正義、相手はすべて悪。共産主義が実際は何かがよくわかる内容だった
    大衆を重視した点もヒトラーと同じ。じわじわとしてるだけで粛清など行動も言動も似通ってるなあと思う
    わが闘争と同じで変な魅力はある。ただ歴史見ればわかる様に最後は破滅で、支持者も後悔の結果となる
    .
    大衆操作がいかに行われたかの資料にもなる。これの逆の行動を打てば独裁者を拒めるともいう事
    中華の思想と融合した冷静な狂気。ヒトラーと同じで魅惑的でも、この方法をとると最後は破滅するのは重要な点

    [2015-09]
    04年刊。オカルト審議系の本の流行は90年代後半、昔はオウムやノストラダムスと変なの多かった
    菊池聡+新田玲子訳 T・シック・ジュニア+L・ヴォーン
    「クリティカルシンキング 不思議現象篇」を読んだ
    .
    これ系の本はマメに読んでるつもりなんで確認作業中心。新しめだが基礎的な部分は変ってない
    注意しとかないと変な詐欺に引っかかる。今は時期的に思想関連。共産主義は全て後付けだとわかる
    欄外ににそれらにまつわる偉人の言葉も収録。人は真実より信じたいものを信じてしまうという罠
    .
    合理的に考えると見抜ける。ただこれらは長く人の注意を引いてきた考えという所にも注目は出来る
    今だとだまし絵など脳科学関連での説明もある。人間の思考がそれほど正しくない事は意識しとく必要ある

    [2015-08]
    原書1925・27でナチス政権前の本。これもマルクスと同じ。正直な所は研究用に仕方なく読んだ
    平野一郎・将積茂訳 アドルフ・ヒトラー「わが闘争」を読んだ
    .
    民衆操作の天才である事は事実。その時の手段も具体的に書かれてるが、当時は見抜いて抗えなかった
    芸術家になれず貧困だった事が起点となる。時代の悪さと共に危険な政治思想に影響された事が重なる
    芸術家志望からの失敗と怒りは所々に出てる。最も危険なのが妄想にも近い「悪いのは全部ユダヤのせい」
    .
    口述のこの時点に至るまでの活動の振り返りが中心。芸術の成功やユダヤ敵視が無ければのもしも考えられる
    当時の資料と共に手段の研究にもなる。そして魅惑的でも、この方法をとると最後は破滅するのも重要な点

    [2015-08]
    資料がひとつだけでは公平ではないんで借り出し。77年の日本の研究でとりあえずの資料として借りてきた
    村瀬 興雄 「アドルフ・ヒトラー 「独裁者」出現の歴史的背景」を読んだ
    .
    やはり評価に変遷はあるとわかる。この時点での他の研究も参照し、実際ははどうだったかを考察していく
    突然に表れた独裁者という訳で無く、似た様な思想や演説方式は存在。また裕福な所もあるヒトラーの実際の人物像
    歴史は流れあるし、「ぜんぶヒトラーのせい」も何かおかしいとは思ってた。どこで道を間違えたかは難しい所
    .
    これはアイヒマン裁判で被害者にも疑惑が及ぶ所とも共通。またヒトラーの実際の絵の才能なんかにも触れてる
    収容所さえなければ少し評価も変化したと思う。その収容所にしても類似の施設がある。差別感情は危険という話

    [2015-08]
    資料がひとつだけでは公平ではないんで借り出し。こっちは87年の本、他にもナチス研究資料は多数ある
    村瀬 興雄 「ナチズムと大衆社会 民衆生活にみる順応と抵抗」を読んだ
    .
    別資料からナチス時代が良かったとする古老の証言など気になる点はあった。日本の戦中の苦しさとドイツは少し異なる
    一言で云うとけっこういい暮らしをしてる。またコーラが流行した話など文化も発達し、若者の性など解放されてた部分もある
    ナチス自体も下手に反抗されるのが嫌で、完全な独裁といった風でもない。当時の老人の反対も政治的な所がある
    .
    収容所の存在は秘密にされてた。ここらの時代をどう評価するかは難しいが単純に「ぜんぶヒトラーのせい」という訳でもない
    ただ仮にナチスが勝利したら別の方向に進んでた可能性もありなんともいえん。近年を評価するのは難しいという話

    [2015-08]
    別の本からの派生で原書1941。ドイツのナチスから逃げてきた人でその事も考慮にいる
    日高六郎訳 エーリッヒ・フロム 「自由からの逃走」を読んだ
    .
    人はなぜ服従に甘んじてしまうかの話。当時の心理学の知識でのSMの分析なんかもある
    読み難い所もあるほか、時代背景も考慮にいれて注意して読む必要はある。だが説得力はある
    96刷とか見ると凄いなと思う。まさにナチス全盛の時期であるが権力と人間の研究は後にもある
    .
    ルターの分析もあり。この人もドイツで同時期この時代も調べてたので興味深い。権力闘争の部分はあるなと
    この人自体は社会学・心理学の先生となる。自分が過去例から理想社会調べてるがなかなか難しい

    [2015-08]
    社会経済学からの派生で見つけた本だったと思う。タイトルみてなかなか面白そうと思って借りてきた
    ハント・ヴェルグ訳 ジョエル・レヴィ 詐欺師ハンドブック 基礎編から応用編まで」を読んだ
    .
    当然こんなもん実行する訳がない。どういう思想で行うかの資料。かなり実際的に手口が網羅されてる
    同時期に犯罪も犯してるマルコムXの資料読んだがそれと被る。犯人は人を信用してないというのはポイント
    なので相手の信用の部分を突く、同時に信用を無くしてる人間を狙う。詐欺みたいな商法も現実にあるなとも思う
    .
    04年の本なんでネットでの犯罪も書かれてる。社会心理学でもここらは研究されて併用して読むとなお良い
    犯罪者履歴もあるが最後はロクな目に合わんのも必定。実際的な手口があるので研究資料になる

    [2015-09]
    物々しいんかなと思ってたが、そうでもない。編集があるらしいんで岩波の88年の版借りてきた
    日本戦没学生記念会編 「きけ わだつみのこえ」を読んだ
    .
    一言で云うと遺書になる。だが戦争どうこうでなく避けられない死を前にした個人の話中心となる
    冷静な部分が多い。なのでこっちも冷静に内容の面白さにも度合いがあるなぁと思いながら読んだ
    女の子の孤児がついてきた話や馬の世話の話、当時の歌や軍隊生活の記録が資料にもなり印象も強い
    .
    選別したとあるが二集も含め思想的なものは少ない。読んだ本の話や家族への手紙など日常感じさせる
    実際は戦争は個人でどうこうできるもんでもないので、いざその時になると逆に冷静になるんかなあと
    -
    こっちは前書きで思想的な物も含めたとある。ただ読んで見るとこれも今の基準からしてもほぼ感じさせない
    日本戦没学生記念会編 「きけわだつみのこえ 第2集」を読んだ
    .
    恋人にあてた手紙とか、出征前にお互い好きだったと気づいた話とか、戦争抜きで個人の話で切なくて良いのがある
    病死した人も結構多い。一集に食べ物が一杯の絵を描いてる人やぼたもち食べたいとかの話もあってここらも良い
    背伸びしてる人や短歌書いてる人もいる。でも全体の印象としてはやはり淡々と死を受け入れてるといった所
    .
    人間魚雷の人がこっそり渡した日記もある、これも家族や軍隊生活の話。この人は結局訓練中の事故死と皮肉な所も
    水木しげるの出征日記から触発されて読んだが、戦争抜きにして死を前にした人の気持ちは何かな内容だった

    [2015-09]
    以前読んだ戯曲が良かったんで小説も読もうと借り出し。一部が貸出都合で無くまとめのコレ
    「筑摩世界文学大系 89 サルトル」を読んだ
    .
    目当ては自由への道第一部。しかし以前読んだ戯曲の他に、短編や論評・解説等も附属
    結論から書くと小説は面白くなかった。それも論評の部分でこの人の小説への考えわかり理解出来る
    読んだ時期は現実の政治ややこしかった時期。なのでこの人の共産・富裕の立ち位置の中で批判的も被る
    .
    解説がそれを更に芝居がかってると評して、小説の内容や戯曲の自分はポーズだけの話とも繋がる
    年表からまだ生きてた時期とわかり、晩年は目が悪く活動不能状態だったともわかる。以下各種感想
    -
    恋人妊娠、堕胎の為に金策しろ 佐藤 朔/訳 白井 浩司/訳 自由への道・第1部
    状況が良ければ同情もするが、仲間も恋人もいる35歳が「選択肢なくて不自由」とかいわれると、いい加減覚悟決めろやと言いたくなる
    現実を見たくない側面がこの人はあるが、かといって理想も熱狂も無いのがこの人の悩みの本質。世間の目を気にし過ぎ
    .
    主義者とか嘘くさい、そういうのでなく友達欲しい 佐藤 朔/訳 白井 浩司/訳 奇妙な友情
    未完の自由への道・第4部と解説にあるが続刊も借りてるので後で確認する。これが時期的に思い当る所が多くて興味引いた
    主義や思想に近い所にいた人だか、こういうの読むと本当に移り気な所が多すぎてポーズだけと取られても仕方ないなーと
    .
    私は周りの人に合わせてきた 中村 真一郎/訳 一指導者の幼年時代
    自伝的な回想と見ていいんだろうか。この人の問題は周囲の評判を気にし過ぎな所ではないかと思えてくる
    結果的に中身がスカスカで、他に考えが浮かぶとコロコロ変えるいい加減な印象になってしまう
    .
    伊吹 武彦/訳 出口なし 鈴木 力衛/訳 狂気と天才 先に扱った戯曲を二本、現実の認識が暗く不適応的なのも特徴 かといって理想も無い
    .
    小林 正/訳 フランソワ・モーリヤック氏と自由
    文芸評論で他の人を批判。ただこういうのはその人の創作理念や弱点も反映してる。他小説を戯曲的と批判してるがこの人は戯曲は良い
    そして小説が理論通りでぐたぐだとしてる。仏の映画が現実性を重視してる所やこの人の自由が選択を意味知る事なども参考になる
    .
    W・ギャス/著 佐藤 晋/訳 島田 太郎/訳 演劇的サルトル
    批判してる解説になるが、本作収録分を読んだ後だと納得する所も出てしまう。他にもカッコつけた小説とか結局インテリ向けなだけじゃんとか
    この人は晩年には実存主義捨てちゃうし、自分でも何がいいのかわからんような所があると思う。それでも成功してるし同情はもう感じんよなぁと
    最近気づいたのは意識高い系=サブカル=インテリ=共産主義=プロテスタント。他にもあるがこの辺りは思想も行動様式もほとんど一緒。昔から人間はおんなじ

    [2015-09]
    一部がぼちぼちとおもったが今巻は良い。ただ手法はコラージュと難しい作りになってる
    海老坂武・澤田直訳 ジャン・ポール・サルトル 「自由への道 文庫3・4第二部」を読んだ
    .
    ナチスとの戦争が始まる前。後に失敗とわかる妥協の平和条約を結ぶ数日間の記録になる
    状況が現代と似た所もあり、戦争勃発でチェコの為に戦うのかと、多数の登場人物が悩む事となる
    立場もそれぞれが違うし、自分でどうしようもない運命の中で自由を考える部分で作家らしさも出てる
    .
    内容を追う意味で見ると混乱するかもだが、同時刻でのドキュメントとして見ると面白かった
    ラジオからの音源の他、サルトルは映画から影響受けてるらしく興味深い形式と感心しても読めた

    [2015-09]
    戦争の開始。解説が付属し、この時期の仏のピクニックみたいな従軍とサルトルの呑気な軍務も興味深い
    海老坂武・澤田直訳 ジャン・ポール・サルトル 「自由への道 文庫5・6第三部+未完第四部」を読んだ
    .
    戦争の特殊状況で許されてるが、異常に濃厚な描写のホモのお誘いや銃乱射で自由だー!といい意味でヒドイ
    戦争終わって間もない頃の作だが、この人の冷めた、全てを他人事にも近い視線で当時の現実わかる話となってる
    四部未完は共産党批判なんで遠慮したとか、レジスタンスにはろくに絡んでないとか解説で歴史の実際もわかる
    .
    10年刊の文庫だが、共産主義が失敗とわかった今だと見方も変わる。サルトル自体の思想変化も参照できる
    暴力を肯定する側面もあるのは戯曲でも感づいてたが、解説で裏もとれた。それでも人間の観察としては詳しく鋭い

    [2015-09]
    04年刊で賞取ってる学者。前書きにもあるがモンゴルの過去はまだ研究中なんで保留にしてる
    杉山 正明 「モンゴル帝国と大元ウルス」を読んだ
    .
    資料が広範囲にわたり研究も大変。これは元の歴史や支配がどういう形かを史料で考察してる
    現代のモンゴルの生活からも不自然と思ってたので大都の実際は納得いった。今のソムセンターと同じ
    史料が今になって各国語で発見されて追加。中華史料で伏せられてたフビライが反逆者の話など
    .
    マルコ・ポーロが複数の資料の積み重ね扱いになってる事や、その後の国の創設者がモンゴル由来の話も
    他に国により人名表記も異なるがムーミンの語も目をひいた。牧民の意味でアラビア語のイスラム信徒とも関連

    [2014-12-25]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴル関連の資料は散々読んでるので今更な感もあったが新発見も多数あった
    馬事文化財団馬の博物館編 「企画展 スーホの白い馬と草原の民」を読んだ
    .
    最初にモンゴル関連でお馴染みの小長谷有紀の解説があってちゃんとした企画とわかる、2012最新に近い資料
    全般カラーでイラストや白黒写真でしか見た事無かった馬の去勢具など、興味深い資料が沢山載っている
    解説もわかりやすく充実して、シャガイやじゃんけんのルールなど初聞になる筈の情報も沢山あり知識の再確認も出来た
    .
    表題にあるスーホの白い馬は内モンゴルの話だが、これも日本紹介の経緯やモンゴル版の話も紹介されてる
    図版・豆知識の豊富さと情報の各種、そして巻末にはモンゴル関連の資料が載ってるので入門書としても最適

    ■ ■芦川長三郎訳 アラン・ガーナー 「ブリジンガメンの魔法の宝石」
    ■久納泰之訳 アラン・ガーナー 「ゴムラスの月」
    ■飯塚 郎 訳 瞿佑 「剪灯新話」
    ■前野 直彬編訳 「唐代伝奇集 全二巻」
    ■森亮訳 白居易「白居易詩鈔 附・中国古詩鈔」
    ■浅野 裕一 解説訳 孫武 「孫子(講談社学術文庫 1283)」
    ■「世界の名著 4 老子・荘子」
    ■「日本の名著 3 最澄・空海」
    ■斉藤元彦訳 フィリップ・キャッチャー「南北戦争の北軍-青き精鋭たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■斉藤元彦訳 フィリップ・キャッチャー「南北戦争の南軍-灰色の勇者たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■月村辰雄・久保田勝一訳 マルコ・ポーロ 「東方見聞録」


    Vol 3022(2015-09-16)
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生、原書1960。児童文学扱い 芦川長三郎訳 アラン・ガーナー 「ブリジンガメンの魔法の宝石」を読んだ
    子供の出るファンタジーでお子様ランチ的だが設定は目をひく。巻き込まれる争いの背後設定がやたら広がりがある
    詳しい世界設定はファンタジーの肝だが感心する点ある。また本の演出として見開きで驚かすのが69年に使用はチェック
    [2015-09]
    ファンタジーからの派生。原書1963 サイトで扱う為に続き借りてきた 久納泰之訳 アラン・ガーナー 「ゴムラスの月」を読んだ
    一巻で止めてたの何故か再確認できる程に辛かった。設定を見せることに注意が集中してて、何回も付属の地図を確認する事になった
    あとがきにある様に空想と現実を繋ぎ合わせる事に目的を置いている。戦記系の作りもあり、心情よりとにかく出来事を見せてく話

    [13-01-10]
    14世紀終わり頃、日本では南北朝の戦い頃の中国は明の伝奇集
    飯塚 郎 訳 瞿佑 「剪灯新話」を読んだ
    .
    正史なんかにも怪絡みな話がある。中国は意外と伝統的にお化け好きみたい
    記録風・仙人・汚職と体制の批判など、最近の文芸と同じで中国らしい内容になってる
    異界へ行く話の他、幽霊が出る話でも心優しかったりとドロドロとしてない
    .
    見所は牡丹灯篭のベースになった話、解説でも変遷の流れを追っている
    牡丹灯篭の話が目的だったが、中国的な思想が垣間見れて面白かった

    [2014-09-05]
    7〜9世紀ごろの有名な話を抜粋の形で多数収録、伝奇でわかる様に大半がお化け絡みと興味ある
    前野 直彬編訳 「唐代伝奇集 1」を読んだ
    .
    最初から霊力ある鏡で化け物を退治してく話と全体の内容を表してる、有名な話の原点も多数載せてる
    ご飯を炊いてる間に栄華を見る枕中記の実際等もあり、日本での紹介や変化も考えてくと面白い
    性に絡む話から白猿に嫁を浚われる話、日本と違いここでは孕まされた子供が後に大出世となってる
    .
    また潔白な娘がやられた先で本性目覚めて色狂いになったなど薄い本的な話もあり、その他多数収録
    量が大変たが人物評伝の形になってたり、当時の交流物語る黒人やペルシア人もありと時代と国柄出てる
    -
    これも量が大変だが日本に紹介されてる話とは別パターンのやお化け絡みの話多く面白い
    前野 直彬編訳「唐代伝奇集 2」を読んだ
    .
    運命の赤い糸や犬神を作る方法と類似した術の話や、七夕の話の別バージョンなど興味深い話が載ってる
    日本の平安貴族のお化け記録で便所や小人の話があるが、それと類似した話もありここも面白い所
    亡霊を食べる話なんかも日本に近いのがある、時代的にも日本と交流してて伝わっていった可能性は高い
    .
    同時に日本人そのものが登場する話もあり、一方は秘術を使い一方は日本の王子で碁を打つ話
    抜粋の形でそれでも量は膨大だが、元ネタを知ってると日本への伝播状況もわかり為になる

    [2014-08-18]
    別の書籍と混同してるかもしれないが、日本の文化へも影響与えてる唐の時代の詩
    森亮訳 白居易「白居易詩鈔 附・中国古詩鈔」を読んだ
    .
    楽天として知られる白居易で詩文集は白字文集、日本の平安時代の必読書となってる
    最終的に9275歳まで長生きするが、40ぐらいで白髪で年とって悲しいといった詩を書いてる
    この人も変遷ある様だが主に自然の美しさの詩も多い、もののあはれの原型ともいえなくもない
    .
    中国の古い詩もいくつか収録 戦いの歌などが多い、訳に苦心したらしく読み易くなってる
    内モンゴル辺りの詩も入ってて空が青くて綺麗だなどらしい、詩で注もあり読むのも簡単

    [2015-06]
    荒川弘の戦記物アニメに関する追加資料。基本といわれる本、ちゃんと読んでなかったので解説付きのコレ
    浅野 裕一 解説訳 孫武 「孫子(講談社学術文庫 1283)」を読んだ
    .
    だいたいBC500ごろ。西洋系の資料中心に読んでたので、どうともとれる文や策略重視が東洋的と感じた
    今と比較する面もある。本質が秘密主義なのかなと。見出しは70で、実践と政治の話。矛盾を含む場合もあり
    前述と関連し、重視されるのは臨機応変。当時の中華の地形・軍備状況の話。戦場が変化しやすい事とも絡む
    .
    相手の心理を突く戦法。応用範囲は広い。実践では地形の他、士気など。ただ、これも危険性高い策も含む
    画で竜面の馬戦車が目をひいた。中華の思想を学ぶといった所。ことわざになってるのもあり、読んで損は無い

    [2015-09]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。胡蝶の夢や朝三暮四・蟷螂の斧・大器晩成の出典もここ
    「世界の名著 4 老子・荘子」を読んだ
    .
    自然を良しとする思想はロマン主義なんかにも近い。ただ諦めが先に立ち逃避的なのが特徴と云える
    精神的に平安はもたらすが、現世的な成功や現実的な点では難しい。荘子は孔子等との対立も目立つ
    死後の世界を良しとする他、お化けの話もある。老荘思想に近いと云われる人も多いが納得がいく
    .
    元々死後の世界観を持たず・輪廻転生を喜び・永遠の命を望むなど、解説からの中国の世界観も興味引く
    現実を否定する立場が胡蝶の夢の元というのも後の文芸と絡められる。禅などその後の思想にも影響

    [2015-09]
    偉人書籍ベスト版ともいえる日本の名著。直前に老荘思想調べてたのも効いた。7C末から8C初頭の人
    「日本の名著 3 最澄・空海」を読んだ
    .
    宗教論争で徳一の存在初めて知った。最澄はほぼ論争中心で大乗の正統性を説明する文章になる
    現状で見ると資料も少ない時期によくまあといった所。こういうのも結局は、娯楽作のファン同士の対立と一緒
    半分ぐらいが出典の解説とかはどうなのか。有名ではあるが海外の文献の紹介した人で、日本はそういうの多い
    .
    空海は物語形式になってる。三種の思想を紹介してく内容だが、前フリの心や親族の悩みと文芸論は興味深い
    資料読んでると、こういうのも文芸の一種でしょって認識になる。当時の思想の伝播と変形の様子がわかる資料

    [2015-02-23]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    斉藤元彦訳 フィリップ・キャッチャー
    「南北戦争の北軍-青き精鋭たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    「南北戦争の南軍-灰色の勇者たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    前に調べた時も19C末と最近の話で驚いたが、ナポレオンもその周辺なので更に驚く事となる
    ナポレオン方式の戦闘を継承してるのに近い様で銃主体、騎兵も存在し羽飾りが流行った話がある
    今巻は共に服装の紹介がメインなんで2冊まとめて、北軍の方が良かった事や個人で改造してた話など
    .
    騎兵の使う銃が分解してタイプ変えて使えた話や、銃剣は敬遠されたが戦闘後は重視された話
    当時の家族の手紙なんかが資料として使われてる、何を食べてたかで乾燥食品なんかも出てくる

    [14-02-16]
    つの丸扱ってる関連から、前から読みたいとは思ってたのでバツグンの機会
    月村辰雄・久保田勝一訳 マルコ・ポーロ 「東方見聞録」を読んだ
    .
    馬の駅伝や紙幣制度などモンゴル関連の項目は多く、実際滞在してた人なので記録も信頼度高い
    13世紀後半の記録、以前読んだ旅行記でも感じたが安定した帝国があると旅行も広範囲に渡る
    日本の記述も思ったより多いがインド分類、後半の記録は犬の頭の民族などだんだん怪しくなってくる
    .
    元寇のモンゴル側からに近い記録が載ってるがだいぶ違う、帝国の勃興などモンゴル側記録は多い
    挿絵付だか西洋風で西洋びいきの姿勢もある、またあとがきにある様に騎士に女の子進めるなど俗な所なども

    ■天野淑子訳 サイモン・アングリム他 「戦闘技術の歴史 1 古代編」
    ■野下祥子訳 マシュー・ベネット他「戦闘技術の歴史 2 中世編」
    ■竹内喜・徳永優子訳 クリステン・ヨルゲンセン他 「戦闘技術の歴史 3 近世編」
    ■野下祥子訳 ロバート・B・ブルース他「戦闘技術の歴史 4 ナポレオンの時代編」
    ■和辻 哲郎 「風土 人間学的考察」
    ■長谷川松治訳 ルース・ベネディクト 「定訳 菊と刀 -日本文化の型」
    ■責任編集石川淳 「日本の名著 21 本居宣長」
    ■長島孝司・今岡良子・島崎美代子・モンゴル国立教育大学SW学科編著「モンゴルのストリートチルドレン 市場経済の嵐を生きる家族と子どもたち」


    Vol 3020(2015-09-13)
    [2015-02-09]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    天野淑子訳 サイモン・アングリム他 「戦闘技術の歴史 1 古代編」を読んだ
    .
    序に戦闘技術の百科事典とあるがまさにその通りで、歩兵・騎兵・指揮・功囲・海戦を段落で紹介
    古典での戦闘記録は過去に読んでるが、そこでの話題が扱われわかりやすい図版も付き実に良い
    西洋の本で概要本という事もあり、更に詳しく調べるには別書読む必要あるが上手くまとめられてる
    .
    これも別書からだが、命の関わる戦いでは技術や知識は急激に伸びその過程が一覧で見れる
    部隊系統が変化してく様や政治も変化してく様もわかり、西洋の歴史は戦争ありきな事がわかる
    [2015-02-09]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    野下祥子訳 マシュー・ベネット他「戦闘技術の歴史 2 中世編」を読んだ
    .
    馬の扱いの観点からいって騎士の出るこの時代は興味深い所ある、実際は歩兵の重要度が増す時代
    これも先に読んでいた十字軍関連資料と比較して読める、戦闘の流れのわかりやすい図式も健在
    この時代は火器や要塞が進化していった時代でもあり、他書で読んだギリシア火の実際の使用も興味深い
    .
    概要本で詳しくはまたも別書になるが、突撃が元は退却誘う為の手段の事や他民族の騎兵の有効活用など
    対抗策に対抗策の連続で兵器が変わり社会システムも急変化してく様は、軍事面からの興味深い観方となる
    [2015-02-10]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    竹内喜・徳永優子訳 クリステン・ヨルゲンセン他 「戦闘技術の歴史 3 近世編」を読んだ
    .
    16Cから18C半ばまでを扱う、火器の強化でいよいよ馬の活躍は減るが騎馬突撃対策が前提の変化
    槍と火器が主要戦力、今の国に近い権力による戦争が始まり統一された軍隊の動きや軍学も成立
    騎馬突撃対策があるとはいえ、騎兵も火器装備から再び状況による突撃が復活したりと動きもある
    .
    海外の技量からの軽騎兵も見逃せない、後の巻の話だが機動力を生かした騎馬独自の戦いも登場
    火力の発展は功囲・海戦の武器では特に顕著だが、昔は規格が統一されてないなど歴史も感じさせる
    [2015-02-10]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    野下祥子訳 ロバート・B・ブルース他「戦闘技術の歴史 4 ナポレオンの時代編」を読んだ
    .
    18C末から19C初頭と短いが濃い、この時代に馬の戦いが一時的に復活した事が歩兵・騎兵全般で書かれてる
    ナポレオンがここまで馬好きでなおかつ天才なのも納得、訓練の発展や有効活用など今も馬あるのはこの人のおかげ
    胸部装甲に身を包む命知らずの騎馬騎兵と燃える、まぁ実態は略奪上等の愚連隊の集まりでもある
    .
    今の軍隊に近い秩序あるシステムが完成した頃で、そこからの騎馬兵の運用や後のゲリラ戦の話も納得がいく
    火力も強化され今の戦争へと近づくが、ナポレオンが砲兵な事も生かして最後に馬が大活躍出来た戦争の話

    [2015-08]
    資料としてよく挙げられる一冊。1935・1943年頃に初公開。昭和初頭の考察が中心となる
    和辻 哲郎 「風土 人間学的考察」を読んだ
    .
    古典の書であって今読むと辛い部分も多々ある。また風土からの人種判断は過去に先例ある事も書かれてる
    実際に調査して書かれたかも不明。批判の話もあるが、これも共産圏よりの論者で時代性も考え疑問はある
    ただ、今でも西欧や中東圏はわかり難い部分があるので手引き程度にはなる。アジア域は客観性を欠くとは思う
    .
    現状では更に発展した考えもあると思うので参考程度。比較して調べる方法が古い時期からあるのは発見
    その民族が実際はどうかはなかなか掴み難い所もある。南洋や米大陸の研究が無いのは惜しい所

    [2015-08]
    読みそこねてた有名な本。原書1946刊、米の学者で戦争での日本人判断が当初の目的
    長谷川松治訳 ルース・ベネディクト 「定訳 菊と刀 -日本文化の型」を読んだ
    .
    時期や目的的に際どく日本で調査も出来なかった上だが客観的。今でも通用して納得する所多い
    日本の文芸を資料に使用。四十七士など現代では価値の落ちた話も含め、当時の日本の目的がわかる
    外人になったつもりで読むと矛盾に満ちて不思議な国民。終戦での変わり身の早さも驚く所がある
    .
    階級制度の重視・現実と理想の感覚の欠落・清潔とみそぎ・修身や誠の重視と思い当る所は多い
    先の四十七士とも重なり文学の傾向の比較など、現代に至る前のすこし異なる日本人で比較も面白い

    [2015-09]
    偉人書籍ベスト版ともいえる日本の名著。国学の人として有名だが詳しく調べる。書量多いのでこれがあって助かる
    責任編集石川淳 「日本の名著 21 本居宣長」を読んだ
    .
    本来は評論の人というのが正解。最初に書かれた文も創作論に近く、源氏物語を参照したので外国の否定となる
    上田秋成との論争。どうでもいいじゃないと思う所ある前半、国学に寄りすぎてそりゃ無理あるわの後半と無茶な所もある
    新古今の評定。石川淳からはこの人は歌は駄目と評価されてしまってる、ここらも好みといえばそれまで
    .
    解説が初心者向けで無い所もあり辛い部分はある。だが、結局本文を読むとどう考えを固めていったかはわかる
    源氏物語の文芸批判がベースで紫式部が漢の考え否定してる所ある。物語からの外国との比較は昔のものだが面白い考察

    [14-02-09]
    つの丸扱ってる関連から、07年発行で資料として少し古めで地域と話題も限定されたものにはなる
    長島孝司・今岡良子・島崎美代子・モンゴル国立教育大学SW学科 編著
    「モンゴルのストリートチルドレン 市場経済の嵐を生きる家族と子どもたち」を読んだ
    .
    読んでると結構暗い気分になってくるが、現状モンゴルの実体を知る上ではなかなか参考になる
    00年代初頭の雪害ソドは大打撃だった様で、社会変化も伴い貧富の差は増大してる
    家畜死亡→都市部で無職→家庭内不和→児童家出→犯罪売春と、不遇が連鎖的に発生する
    .
    ほとんどの女児は売春して学校も途中で辞めてて字も読めない、二世代目誕生も危惧されてる
    施設の取り組みも紹介されてるが暗い、モンゴル人の文でコラムも含むので読んで損は無かった

    ■鈴木力衛訳 アレクサンドル・デュマ「ダルタニャン物語全十一巻」
    ■堀和子訳 マイケル・バーソープ「ウェリントンの将軍たち-ナポレオン戦争の覇者-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■安藤正勝訳 ロジェ・デュフレス 「ナポレオンの生涯」
    ■藤田昇・加藤聡史・草野英一・寺田良介「環境人間学と地域モンゴル 草原生態系ネッワークの崩壊と再生」


    Vol 3018(2015-09-06)
    [2015-07-17]
    ファンタジーからの派生、昔に児童向けで読んだがそれと別。本来は全11巻の2巻分が三銃士
    鈴木力衛訳 アレクサンドル・デュマ
    「ダルタニャン物語 1 友を選ばば三銃士+ダルタニャン物語 2 妖婦ミレディーの秘密」を読んだ
    .
    1844年新聞掲載の本。後半は鉄仮面の話等もある。年代的にギリギリで新しとも古いともいえる
    そんな訳で期待は薄かった。だが、キャラは立ってるし、活劇にミステリー・気の利いた台詞で名作と納得
    同時代の戦争も経験してるんで竜騎兵の荒々しさもよく出てる。出世物語として感情移入度は抜群
    .
    キャラも全員一癖ある奴等ばかりで生々しく。活劇ものでありながら、ただ暴力だけの話で無いのもいい
    仏の作品なんで色恋沙汰も馬の話もあり。一旦ここまでとするが、続きも読んでみたい気はする
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。サイトで扱う必要出て、保留にしてた全巻を一気読み
    鈴木力衛訳 アレクサンドル・デュマ「ダルタニャン物語3-5」(第二部)を読んだ
    .
    戦争資料との絡みで現実の事件ベースと再確認。会話中心の作りといいシェークスピア等にも近い
    今巻は波も大きい。仲間探しに派閥の対立・牢獄破りに反乱から王の処刑・過去の子供の復讐
    次はどうなるの感は強く、対立してるけど友情に結ばれてる。結果的に目的が失敗してる部分も大きい
    .
    なれど銃士は望みは全て叶えてる。ダルタニャンの欲深さや頭の回転の速さなど俗っぽく親しみある英雄
    当時の細かい描写やことわざや名言の多い台詞も楽しい。王族への信頼など当時の大衆が面白がったのも納得
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。解説に本格歴史小説になったとあるがその通り。風俗や価格の情報も詳しい
    鈴木力衛訳 アレクサンドル・デュマ「ダルタニャン物語6-11」(第三部)を読んだ
    .
    ルイ14世が力つけてく時期の話。一巻で完結してる序盤・新キャラ中心で進む中盤・鉄仮面と野望の終盤
    歴史事実とのリンクや中盤延々続く宮廷劇と辛い所はある。しかし最後の死と派閥巡る展開は凄いもんある
    有名だが鉄仮面の描写は控えめ、それより仲間の野望と敵対に驚く。友情は維持され苦しい立場に追い込まれる
    .
    自信つけるルイ14世やアトスの息子の描写もあるが、その一方でポルトスと王の食事など楽しい場面もある
    それだけに最後も盛り上がる。昔の作品だがキャラの個性が強い点で今でも十分いけて楽しんで読めた

    [2015-02-19]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    堀和子訳 マイケル・バーソープ
    「ウェリントンの将軍たち-ナポレオン戦争の覇者-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    他の巻は歴史や武器の紹介だがこの巻は特殊で、ナポレオン戦争の将軍たちの紹介となる
    馬を有効に使ったナポレオンらしく肖像画が馬と一緒の将軍たちや、馬にまつわる逸話なんかも多い
    黄金の獅子なんて称号を持つ将軍なんかもいて、割と古くまで戦争にロマン感じる感覚は残ってる
    .
    落馬した将軍の話なんかもあり、当時の将軍が常に馬と共に戦い馬が活躍した最後の時代ともわかる
    昔の馬術は軍服だが、ここで登場する将軍たちも甲冑で無く常に軍服装備で戦争が変わる中間点

    [2015-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    安藤正勝訳 ロジェ・デュフレス 「ナポレオンの生涯」を読んだ
    .
    軍略的な部分に興味あったがそこは薄めで政治の話等も多いが、逆にナポレオンの凄さがわかる良い出来
    業績は凄いが同じ失敗を繰り返したり権力欲に支配されたりと、良い所だけで無く悪い点もしっかり書かれてる
    子沢山の貧乏家族の民衆から出た人とも云え、カエサルを尊敬する点から印象としては19Cに蘇った古代の英雄
    .
    馬を最後に最も有効活用した軍人でもあるが、軍事面での業績と戦法と共に失敗原因の分析は興味深い
    波乱の生涯で栄光の後に最後は失敗してしまう人生で考えさせる所も多く、それでも魅力溢れる人物には違いない

    [14-02-16]
    つの丸扱ってる関連から、辞書並みの分厚さで論文集の分類だが2013出版の最新情報
    藤田昇・加藤聡史・草野英一・寺田良介
    「環境人間学と地域モンゴル 草原生態系ネッワークの崩壊と再生」を読んだ
    .
    大変だったけど新規の情報でメモ沢山取れて重宝した、過放牧や過密化など現代モンゴル問題
    08年の中国レアアース輸出渋りで注目浴びたがモンゴルは資源大国、一方で土地所有問題も発生
    現状内モンゴルでは放牧は消滅、コモンズの悲劇論の実際や髪の毛の同位体比データなど面白い資料も
    .
    移動の減少など現時点での放牧の最新情報も嬉しい、砂金採集者ニンジャの名称も初耳
    内モンゴルの推移や日本との関係性が深い事など、現代情勢と絡めて考える事も多く為になった

    ■井辻朱美訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン「夜の声」
    ■小林純子訳 リチャード・ブレジンスキー「グスタヴ・アドルフの騎兵北方の獅子と三十年戦争-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■稲葉義明訳 ルネ・シャルトラン「ルイ14世の軍隊 近代軍制への道-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■伊藤 進 「怪物のルネサンス」
    ■池上 俊一訳 「西洋中世奇譚集成 東方の驚異」
    ■平岡昇責任編集 「世界の名著 30 ルソー」
    ■鹿野治助責任編集 「世界の名著 14 キケロ エピテトス マルクス・アウレリウス」
    ■荒木正太郎訳 ミシェル・ド・モンテーニュ 「世界の名著 19 モンテーニュ」(エセー抄訳版)
    ■杉山光信訳 カルロ・ギンズブルグ 「チーズとうじ虫 :新装版 16世紀の一粉挽屋の世界像」
    ■小長谷有紀 「モンゴル万華鏡 遊牧世界の知恵とわざ」


    Vol 3016(2015-08-30)
    [2015-08]
    ファンタジーからの派生1902-1914の短編 井辻朱美訳 ウィリアム・ホープ・ホジスン「夜の声」を読んだ
    マタンゴの話題も挙げようと借りてきた。これ以前の化け物も出る海洋冒険モノの流れと繋がった感じ
    ホームズ流行でそれ系小説流行ってそこからの派生も納得。それも含め怪物ホラーの描写はやはりピカイチ

    [2015-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    小林純子訳 リチャード・ブレジンスキー
    「グスタヴ・アドルフの騎兵北方の獅子と三十年戦争-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    凄惨を極めた三十年戦争には興味はあったが、そこでのスウェーデンの英雄グスタヴ・アドルフと騎兵の話
    馬の戦闘形式には変化はあるが、後のナポレオンも有効活用する二丁拳銃の突撃軽騎兵を始めたお方
    甲冑から軍服への変化もこの戦法の移り変わりからで、砲兵の有効活用と共に戦争が火器中心になっていく
    .
    グスタヴは愛馬の名前も残っててシュトライフ号、凶悪で怖れられたフィンランド騎兵ハッカペリターの話もある
    ナポレオンの戦法が凄いと思ってたが前段階でこれらを使ってた人がいた事に驚き、馬が大活躍する最後の時代

    [2015-02-22]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    稲葉義明訳 ルネ・シャルトラン
    「ルイ14世の軍隊 近代軍制への道-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    16C後半から18C前半、30年戦争からナポレオン登場までの間で大航海時代で火器が発達し内乱はおきてない時代
    30年戦争で馬の運用に変化かおき始めてるがそれを継承、銃剣や砲兵・二丁拳銃サーベル騎馬突撃の時代ともなる
    昔はパレードに見かけだけの兵隊も出てたが、表題のルイ14世は武器の変化に合わせて軍隊も整備していった人
    .
    騎馬部隊はまだ健在でこれぐらいから馬の世話も整い始めた筈、当時の騎馬士官は髭を生やす風習だった話もある
    服も甲冑から昔の貴族風のに代わりこの時代から裏打ちという単語も出てる、ボタンにメッキとかも甲冑の名残かなと

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。以前『怪』の読書案内で確認。モン娘アニメ版放送にも合わせて
    伊藤 進 「怪物のルネサンス」を読んだ
    .
    中世西洋の怪物感と変遷の話。少なそうでいて怪物多い西洋、教化のほか大航海の報告とも関連
    図版や書籍引用も多。鳥などのセイレーンのイメージ混同やシンボルなど日本と似た所もある
    関連性から教化に使うのも日本にある。18-19Cにかけ類型学で分類してくなんかは博物学的で興味深い
    .
    ルターの怪物使用と宗教観の変化、ルネサンス期の瓦版・奇形・見世物、メリジェーヌ伝説と気になる逸話もある
    日本との類似点と共に怪物の多さで発見も多数。オカルト・魔術等にまで範囲広げると向こうのお化け文化も豊か

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。以前『怪』の読書案内で確認。モン娘アニメ版放送にも合わせて
    池上 俊一訳 「西洋中世奇譚集成 東方の驚異」を読んだ
    .
    薄い本。7C・12C・13Cの三冊分収録、うちアレクサンドロス物は以前読んだのと同じになる
    十字軍の中で生まれチンギスハンと混同もされたプレスター・ジョン物が言語別で2冊分ある
    この当時の本は教化目的や読み難い文体・他書籍からのコピーもあるので面白いかは微妙
    .
    ただまとまって読めるのは資料にもなる。海外は探検の報告で世界の幅が広いのが特徴といえる
    今のお化けと同じでそこから文化を読み解くといった所。向こうはなんでもキリスト教ありき

    [2015-07]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。レヴィ=ストロースが影響受けてて読みたいと思ってた
    平岡昇責任編集 「世界の名著 30 ルソー」を読んだ
    .
    全訳で入ってるのもあり。18Cの人で同時期ファンタジー調査とも関連する他、幅ひろく「むすんでひらいて」の歌もこの人
    一言で云うと理想主義者。理想を元に社会構成考えた社会契約論など、民主主義であると同時に社会主義も少し入る
    現実とは異なる理想化された野人の人間不平等説。当時の未開地冒険書籍存在と共にレヴィ=ストロースが影響受けたの納得
    .
    理想主義なんで現実とは折り合い悪いとは思う。ただ抜粋の形だがエーミールは観察と考察が鋭く名著なのも納得
    今読むと古くて間違った面も多いが、合理的な所に立脚してるので刺激受ける点も多い。現在に至る思想の流れもわかる

    [2015-08]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。モンテーニュの引用からの派生で紀元開始周辺の人
    鹿野治助責任編集 「世界の名著 14 キケロ エピテトス マルクス・アウレリウス」を読んだ
    .
    すっかり忘れてたけどカエサルの政敵や五賢帝の人含む。別資料で読んでた事と話が繋がる
    当時の本で対話方式・アレクサンドロス伝伝えた人の記録と特徴ある。地球中心の宇宙観の話もある
    昔の哲学はお悩み相談の面もある。エピテトスは知らん人だが、その側面が強くこれも感心する所
    .
    アウレリアスの自省も確かに賢帝と納得する正しい心。なにが正しいのかは昔から人が悩む問題だなぁと
    禁欲を良しとし自然に従うストア派も後のロマン主義連想させて発見。他の思想・宗教と比較すると共通点もある

    [2015-08]
    偉人書籍ベスト版ともいえる世界の名著。モンテーニュは名言として引用多く気になってた
    荒木正太郎訳 ミシェル・ド・モンテーニュ 「世界の名著 19 モンテーニュ」(エセー抄訳版)を読んだ
    .
    16C仏ルネサンスを代表する人。理性を重視し、魔女や魔法に対する見解など合理的な面がある
    試しにのエッセイニからエセーで今のエッセイの語の原点。昔の本だが正直でたいへん読み易く面白い
    当時格言集が流行った事や外の世界の情報が入った事。また子供の頃の読書の楽しみの話もある
    .
    正直な文。自分のコンプレックス・友達の作り方・腎結石と健康など、今でも通用し納得・共感させられる話多数
    引きこもって本読んで暮らした人。解説も詳しく名言からの引用もフォローあり、まさに古びた所のない名著

    [2015-08]
    ファンタジーからの派生。中世の一般庶民はどういう考えなのかという所で異色ともいえる研究書
    杉山光信訳 カルロ・ギンズブルグ 「チーズとうじ虫 :新装版 16世紀の一粉挽屋の世界像」を読んだ
    .
    異端審問会にかけられた人。ただ今でいう電波。自分と周囲に迷惑かけた人で、キチガイ同士の論争ともいえる
    今読むとばかばかしい宗教論争。こういうのも実際は、思想でカバーかかったただの権力巡る争いと冷めて読める
    デカメロン含む当時の禁書から何に影響受けたかもわかる。コーランやルター派との接近も教会の感に触った様
    .
    自分で宗教観こさえた人。それ以前にも教皇への批判展開あり、両者ともに冷静になりなかった様が哀れでもある
    今もケンカが後引いてる所もあるが価値観なんて変わるものだとわかる。当時の文化の断絶の様子は理解できる

    [14-01-30]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴル関連書籍では御馴染みで文も読み易い学者の著作
    小長谷有紀 「モンゴル万華鏡 遊牧世界の知恵とわざ」を読んだ
    .
    いろいろ読んでると被る情報も出でくるが、本ごとに新情報や特化した部分が出てチェックの的を絞りやすくなる
    これは食べ物関連が充実してる、肉とチーズで調味料が塩だけの世界だが比較が利くほどに味覚が発達してる
    食べ物の生成行程はこの人の注目点、製法が基本一種のチーズと違いモンゴルは多様にある事がわかる
    .
    資料として気になってた所に手が届いたのが馬乳酒の精製、酸味が強いので振ってるだけで発酵してしまう
    チーズが酸っぱいってのにも関連してくる、あとは羊以外の牛・馬の繁殖は自由なんかも新情報として面白い

    ■石黒勝久訳 アレッサンドロ・バルベーロ 「近世ヨーロッパ軍事史 ルネサンスからナポレオンまで」
    ■高橋均訳 ウィリアム・ハーディー・マクニール 「戦争の世界史 技術と軍隊と社会」
    ■小島 道裕編 「武士と騎士 日欧比較中近世史の研究」
    ■小長谷有紀 「モンゴル草原の生活世界」
    ■三宅修 「モンゴル紀行草原と氷河の秘境」


    Vol 3014(2015-08-23)
    [2015-02-07]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    石黒勝久訳 アレッサンドロ・バルベーロ 「近世ヨーロッパ軍事史 ルネサンスからナポレオンまで」を読んだ
    .
    馬の運用の点から見て、清教徒革命時からサーベル突撃が一時的に使われてるので火器登場後も対象となる
    タイトル通り中世後期から近世に至る軍事変換を簡潔にまとめてる、戦いが兵器や戦術・部隊形式まで変化させる
    初期は火器も未発達の段階なので馬のカラコルなんて戦術も使うし、過去の名残からの銃剣なんかも出てくる
    .
    民族性生かした各国竜騎兵や対サーベル突撃の陣形等、火器登場後の馬の運用に関してはどう捉えるか難しい所
    戦いの変化で国主体・大部隊による規律重視の方向に向かっていって、現代の戦争になってく様がよくわかる

    [2015-02-11]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    高橋均訳 ウィリアム・ハーディー・マクニール 「戦争の世界史 技術と軍隊と社会」を読んだ
    .
    戦争の資料なので技術変遷の概要本かなと思ったが、その要素はもちろん比較文化論にまで及ぶ良書
    世界史の概要としても西欧中心とならず、モンゴルの勃興や中国文化・日本の話も存分に扱っている
    特にあとがきにもある様に日本が何故近代で成功したかも納得出来る、高い技術を持つ国は先頭に立てる
    .
    レヴィ=ストロースが人間は思考はそのまま技術は発展する主旨の話してるが、それも読んでて思い出した
    疫病の拡散から世界史を見るなんて本も出してる筆者で、戦争での民族の接触や文化発展が一望出来る

    [2015-02-13]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    小島 道裕編 「武士と騎士 日欧比較中近世史の研究」を読んだ
    .
    10年の本と新しく日欧の学者の互いの最新論文で、興味溢れる内容に富む面白い本
    普通の戦争関連本に無い騎士の日常生活の実態や、古くからいた弓騎兵の話などに触れる
    甲冑発展の研究もあり見た目以上に機能的な話や、日欧でも模した甲冑を作ってた話など
    .
    妖怪関連とも繋がる幕府のメディアでの実在武者使用禁止の話や、武士道の推移の話など
    馬関連から武者の馬使用は見てたが歴史方面でも研究してるんだなや、専門家使う資料等良かった

    [14-01-30]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴル関連書籍では御馴染みで文も読み易い学者の著作
    小長谷有紀 「モンゴル草原の生活世界」を読んだ
    .
    既に三冊本を出した状態96年の資料、まとまって読んでくとどこに興味があって重点的に調べてるかがわかる
    社会主義時代の訪問はスパイと思われてた事など、もう冷戦とか昔の話だが共産圏はホントにおかしかったんだなと
    去勢に関しての情報が詳しく馬に触れてるのも注目点、睾丸を食すかどうかも資料によって違ってくる
    .
    これだけ専門で研究してる人でも実地で見た例の無いのもあって奥深い、結婚式や葬式など特殊行事の記事もあり
    20年前の資料なんで都市部中心に変遷もしてる筈、資料は多いが最新の知識となるとなかなか難しくなってくる

    [14-01-22]
    つの丸扱ってる関連から、何故山に登るのかと聴かれたらそこに山があるからと答えるしかない
    三宅修 「モンゴル紀行草原と氷河の秘境」を読んだ
    .
    1968の社会主義時代のモンゴル行き、苦労して行く目的は山登りと登山愛好家ここに極まり
    当時は向こうの許可が無いと入国出来ず、またも旅人に不親切なソ連経由と行く前から苦労する
    到着から山までも馬での旅、その過程での食事や現地の人との交流が当時の事を知る資料になる
    .
    向こうの人との交流でここは優秀だと自慢げな所もあるが、今見ると気負ってた部分も大きそう
    山登りは無事に成功するが、こんな時期にわざわざ山登りってのも業の深い世界だなと感心した

    ■須田武朗・斉藤潤子訳 クリストファー・グラヴェット「オスプレイ戦史シリーズ 2 イングランドの中世騎士 白銀の装甲兵たち」
    ■須田武朗訳 ダグラス・ミラー「戦場のスイス兵-1300-1500中世歩兵戦術の革新者-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■永井均訳 トマス・ネーゲル コウモリであるとはどのようなことか」
    ■井辻朱美訳 シャーロット・ゲスト英訳 「マビノギオン ケルト神話物語」
    ■東京農大モンゴル100の素顔編集委員会編 「モンゴル100の素顔」


    Vol 3012(2015-08-16)
    [2015-02-13]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    須田武朗・斉藤潤子訳 クリストファー・グラヴェット
    「オスプレイ戦史シリーズ 2 イングランドの中世騎士 白銀の装甲兵たち」を読んだ
    .
    大学の先生の真面目な論文の参考資料にもこのシリーズは挙げられてて、マニア向け違うんだなと
    時代的には百年戦争とバラ戦争の頃の英国騎士、当時の鎧は白銀で美しくそれらも図版で多数紹介
    馬の話も触れられ、デストリアー・コーサー・ポールフリー・ラウンシー・ロンサン・ハックニー・サムプターなど
    .
    調教技術は低い時代だが当時の馬は噛みつき蹴りなどの訓練も受けてた様、騎士修行の話もある
    薄い本だが基礎的な事は網羅され、日本用に簡単な歴史解説も追加されてて使いやすい本

    [2015-02-19]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    須田武朗訳 ダグラス・ミラー
    「戦場のスイス兵-1300-1500中世歩兵戦術の革新者-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    傭兵として高く評価されたスイス兵、表紙の画像もその特徴であるパイク兵の絵になってる
    他資料でもスイスは国民の意識が高く、訓練が必要なパイクによる密集陣形も得意だとわかってる
    この巻ではそのスイス兵の戦いの歴史を細かく解説していってる、騎士にとっては難攻不落の陣形
    .
    スイスの歴史紹介というよりそこに重点が置かれてるので、武器の資料なんかの方が多め
    今のバズーカ的な砲兵の使う砲の紹介なんかもあり、今も永世中立国のスイスに繋がっている

    [2015-02-13]
    脳科学関連で、この人の著作が認識の参考資料として度々出るので読みたいとは思ってた
    永井均訳 トマス・ネーゲル コウモリであるとはどのようなことか」を読んだ
    .
    タイトル表題がそれだが、内容的には哲学者の論考数本を収録した難しい分類になる書籍
    解説に内に入った大人の哲学書とあるが、内に入った上で第三者の視点に立とうとする話になる
    そこらは序でも触れられてるが議論の前提そのものを疑問視し、内容も戦争など身近なもの
    .
    更に当時の最新研究から自己の話に入り、その過程でコウモリの思考の話に入ってくる
    それが脳科学の認識の話にも繋がる、知覚機能が我々と違う存在を認識するのは難しいという話

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、10C-12Cの十字軍ごろ成立。19C末に筆者に英訳され存在が一般化
    井辻朱美訳 シャーロット・ゲスト英訳 「マビノギオン ケルト神話物語」を読んだ
    .
    口承文芸の類。ゆえに物語以前の形態も含む。文体の他、話の筋が繋がってない等もあり読み難い点あり
    挿絵に指輪物語のアランリー。これで内容把握しやすい反面、イメージが固定され本来の素朴さは掴み難くい
    騎士の物語とそれ以前の魔物の物語の融合。オデュッセイア等に近い。巻末に解説もあり。神話に近いかも
    .
    これ系作品は解読も難しく、それで物語も作れる。構造主義の神話分析も参照。いまの物語と一緒と思うとダメ
    今のファンタジーに繋がる系譜の古さがわかると思う。当時の現実と幻想を結びつけたといった所。目立つ描写もある

    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、タイトル通り100の項に分かれての解説
    東京農大モンゴル100の素顔編集委員会編 「モンゴル100の素顔」を読んだ
    .
    文自体も短く読みやすく写真も素人の撮影のながら感じた事がよく場面に出せてる
    農大のまとめなんで注目点も農業の項目など特殊な所がある、写真は全てカラー
    数枚だが屠畜のカラー写真は多分見たの初、これも農大の人ならではの注目点
    .
    多資料と重複してる所も出てくるが、農業の観点から気になる所を扱ってる
    蜃気楼の実際の写真なんかも面白い、カラーで読み易い薄い本というのはポイント

    ■稲葉義明訳 デヴィッド・ニコルPhD「百年戦争のフランス軍 -1337-1453-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■斉藤潤子訳 テレンス・ワイズ「ばら戦争 -装甲騎士の時代-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■天羽 幸子 「ふたごの世界 双生児の二十五年間の追跡研究」
    ■詫摩 武俊・天羽幸子・安藤寿康 「ふたごの研究 これまでとこれから」
    ■長谷川眞理子編集 「ヒトの心はどこから生まれるのか」
    ■安藤 寿康 「遺伝子の不都合な真実 すべての能力は遺伝である」
    ■林家永吉訳 レシーノス校注 「ポポル・ヴフ マヤ文明の古代文書」
    ■金岡秀郎「モンゴルを知るための60章」


    Vol 3010[2015-08-16]
    [2015-02-23]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    稲葉義明訳 デヴィッド・ニコルPhD
    「百年戦争のフランス軍 -1337-1453-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    ジャンヌダルクの時代でジャンヌ存命時の落書きの写真もあり、技術の発展で甲冑も普及し始める
    シャルル6世の治世が無ければ仏勝利で50年早く終わっていたと厳しい話、甲冑とも関連しロングボウも活躍
    そんな訳で騎馬突撃は対策が練られたので降りての戦闘が主で、この戦争自体攻城戦が主体となる
    .
    戦争の理想と現実で苦悩する騎士が出るも騎兵は増加、当時の斬りと返し・斬り下ろしと突きの剣術の話も
    服がローブからチュニックに変化し甲冑も影響受けたり、クロスボウが攻城戦に使われた話と話題も豊富

    [2015-02-22]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    斉藤潤子訳 テレンス・ワイズ
    「ばら戦争 -装甲騎士の時代-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    シェークスピアでもお馴染みだが、赤バラは使われた記録無いなど王位継承巡る私軍の私闘が実際となる
    表紙はカッコいい装甲騎士、これも実際は矢の戦いからの乱戦で馬は後方に下げて徒歩で戦った事がわかる
    だが戦闘の一番槍では騎馬突撃、当時の甲冑は軽く動きやすいが残ってるのは時代バラバラの混合品が多いみたい
    .
    長い戦争で古兵が減り兵が未熟で緻密な戦略が使えず、クロスボウ兵を有効に使えなかった話も興味深い
    武器は近接乱戦なのでハンマーやアックスを使用、甲冑の発展とその対応策など戦争での兵器発展の実際がわかる

    [2014-10-17]
    遺伝の研究の他ミキマキをサイトで扱った事からも、双子見るのが学生時が多いのもイメージ固定に関係ありそう
    天羽 幸子 「ふたごの世界 双生児の二十五年間の追跡研究」を読んだ
    .
    そっくり同じなのは若い時で年取ると別人格になるが、一人は真面目で片方はひょうきんなんかの傾向はある
    小さい時はトイレも一緒などのシンクロはある、研究者に双子が産まれた事から密接したレポと統計が多数載ってる
    遺伝の影響がとこまで出るかの興味だが、やはり最初だけで実際は普通の兄弟とあんま変わらず影響薄いと納得
    .
    性格の違いがはっきり出た双子の面白い話もあるが、体育・図工・音楽では似た傾向で数学は別とこれも注目点
    依存傾向の他男女でも大人になってからのつきあいに変化ある様で、産まれた時から仲の良い兄弟がいるといった所

    [2014-11-10]
    以前読んだ双子研究者二人の文も含む2011の書籍、重複する所もあるが一人は読んだ事無かった人
    詫摩 武俊・天羽幸子・安藤寿康 「ふたごの研究 これまでとこれから」を読んだ
    .
    性格から始まったなど双子研究の歴史からわかる、戦前から戦中を挟むので環境からの影響も強い
    犯罪者か聖職者かで分かれた人生など数奇、派生でナチス時代が良かったと思ってる老人の証言も興味を引く
    結論から書くと双子だからといってそっくり同じな訳では無い、ただトイレなど幼少時での生体リズムは似ている
    .
    極端な場合を除き遺伝の影響もあるがそれで人生が決まる訳で無い事が実例でわかる、事例の報告は多数にわたる
    遺伝子がどう影響するかの分野でも興味あったが、戦争なんかの大事件や文化背景で人生も変わるんで一概には言い難い

    [2014-08-18]
    四人の学者の文章と対談を収録、簡単に読めてあまり知らなかった分野への興味も広がる
    長谷川眞理子編集 「ヒトの心はどこから生まれるのか」を読んだ
    .
    頁も限られてるので心に関しても同様だが、対談に関してはその当時の最新での情報で目を引く
    ミツバチなどの遺伝子を残すための戦略、一見割りが合わない様に見えるが優先されるのは遺伝子
    服の匂いで好みを判別、普段は意識してないが人間使った実験での匂いに関する反応も面白い
    .
    双子の研究が一番衝撃的、遺伝子による影響が子供の頃はこんなに大きいとは思わなかった
    悪用されやすくもあるが競走馬なんか見てても遺伝子が全てで無いとはわかる、頁は少ないが発見多い

    [2014-08-25]
    タイトルが刺激的だが最初に説明があるので、表題通りすべてが遺伝という訳でも無い
    安藤 寿康 「遺伝子の不都合な真実 すべての能力は遺伝である」を読んだ
    .
    矛盾した事を言う様だがそれでも遺伝による能力差はある、ただ人間の社会は複雑なんでマイナスでは無い
    作者は元々双子研究してる人で双子は子供のうちはかなり似てる、ただ違う点も多いし歳とると違いも大きくなる
    環境さえ良ければ皆同じ戦果を挙げれる筈だという考えへの疑問提示でもある、環境もそれほどは影響は無い
    .
    先に書いた様に社会は複雑なんで何がプラスマイナスになるかわからず、遺伝の影響は50%までもいかない
    競走馬なんかも参考になるが親の遺伝子も出方はだいぶ違うので参考にはし難い等、遺伝に関する最新の知識

    [2014-09-22]
    つの丸扱ってる関連から、現在のメキシコ辺りの神話だが制服されて全て消えた土地なので貴重な資料となる
    林家永吉訳 レシーノス校注 「ポポル・ヴフ マヤ文明の古代文書」を読んだ
    .
    創生神話と双子の英雄の冒険譚・歴代の王の記録が中心となる、ゲーム等で聴く有名神の登場は意外と少ない
    他資料ともあわせこの周辺の神話は今の物語とは組み立ても違い固有名詞も多いので、読み易いとは言い難い
    ただ敗北の後からの復活からいくつもの試練を乗り越えていく話は、日本神話の大国主の話なんかも連想させる
    .
    また世界共通のどこから来たのかに単を発する創世神話も、トウモロコシが元などやはり土地に根ざした所がある
    元々はアジアから移住していった人達なんで我々と近い感性もあるかも、現地固有の動物も多数神話に組み込まれてる

    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴル語の大学の先生の書いた本
    金岡秀郎「モンゴルを知るための60章」を読んだ
    .
    各章ごとに区切られてて読みやすく、各ジャンルで多岐に渡る考察が特徴
    特筆する点は参考資料の多さ、巻末にリストもあるのでここから辿っていくのも効果的
    歴史関連に関しても中世の時期も含め幅広くカバーしてる、文自体も読み易い
    .
    参考資料はモンゴル以外の本にも及び、未訳の部分訳もあるのでそれも面白い
    写真もモノクロだが結構ある、専門の先生の本なんで信頼性も高いだろう

    ■須田武朗訳 クリストファー・グラヴェット 「馬上槍試合の騎士 トーナメントの変遷(オスプレイ戦史シリーズ 3)」
    ■馬事文化財団馬の博物館編 「中世のウィーン壮麗な騎士たち ハプスブルク家における騎馬甲冑の美」
    ■「筑摩世界文学大系 10 中世文学集」
    ■山田蘭訳 ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」
    ■平川 祐弘訳 ジョヴァンニ・ボッカッチョ 「デカメロン」
    ■桝井迪夫訳 ジェフリー・チョーサー 「完訳 カンタベリー物語 上中下」
    ■小長谷有紀・楊海英編著 「草原の遊牧文明 大モンゴル展によせて」


    Vol 3008(2015-08-02)
    [2015-02-07]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    須田武朗訳 クリストファー・グラヴェット 「馬上槍試合の騎士 トーナメントの変遷(オスプレイ戦史シリーズ 3)」を読んだ
    .
    昔の資料でジョストの単語が統一されてないが馬上槍試合の変遷を追ってる、18・19Cまで開催記録はある
    大まかには初期の実戦訓練的なのが、乱闘・死亡者続出でルールが制定され最終的に演劇になってくまで
    鎧に関しての言及もあるが人に見せる為の競技なんで、実戦とは別に考える必要あるし娯楽の面が強い
    .
    故に資金面や世の中の変化で消えていく事となるが、最後らへんにドイツが夢中になってた話は興味深い
    絵や写真も多い資料で分かり易く鎧の変遷なんかも追えて、古く薄い点もあるが予想以上に良かった

    [2014-09-26]
    つの丸扱ってる関連から、13年頃にジョストのワルキューレロマンツェがアニメになったがそれと合わせて見ても良い
    馬事文化財団馬の博物館編 「中世のウィーン壮麗な騎士たち ハプスブルク家における騎馬甲冑の美」を読んだ
    .
    98年の展覧会のパンフで、解説の序文と展示品の大きめの図版とそれらの各解説となる 海外の美術館との共同企画
    解説から最初は流血から戦争に至る試合が後に整備され、最終的には演劇の様な舞台仕立てになった事がわかる
    それにともなう道具の改良やトーナメントがこれ起源で語源が回転・旋回の意味、発出かアーサー王物語等の話も出る
    .
    当時の鎧の他に日本の物も含む武器の展示と興味深い、一般にイメージするのと異なる兜やメイス等の実物も見れる
    騎士の具体的な所は知らなかったので感心した、また最後の舞台仕立て時での花火や割れる盾等の演出も興味深い

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、これ調べた時期は古典避ける気だったが、収録作に読みたいの多く貸出
    「筑摩世界文学大系 10 中世文学集」を読んだ
    .
    事前に中世の武器発達等の文化調べてる。なので物語の点から当時を探ろうという試み
    日本人なんで西洋人の心は完全には掴めん。ゆえに、なにをベースに価値観築いたかも調べれる
    騎士道精神という考え方の優先。同時に何に価値を置き、何を面白がったか。東洋との共通点もある
    .
    ファンタジーに対する昔の批判も参考。戦争で歴史を作ってきたので、実益重視になる傾向もわかる
    以下各種解説。事前にどんな戦争してたかわかると背景までもよく見えてくる
    -
    松谷健二訳 スノッリ・ストゥルルソン 「エッダ」
    これは以前にも読んでる。12Cごろ成立と遅いが、北欧神話を残す資料。たぶんそれ以前にも口頭伝承は存在してる
    抄訳だがオーディンの訓言は相変わらず良い。物語形式にはなってるとも改めて思う。よく資料として残っててくれた
    .
    松谷健二訳 作者不詳「グレティルのサガ」
    これははじめて読んだ。口承経て13Cごろ成立とされてる。これは結構面白い、悪に属するであろう主人公の冒険
    怪物との戦いもあり、それが致命傷となる。また当時の風俗も残してて、闘馬の場面なんかもあり。これは良く出来てる
    .
    相良守峯訳ハルトマン・フォン・アウエ 哀れなハインリヒ
    12Cから13C成立、十字軍参加経験もある騎士。王の為に身を捧げる処女。これは面白いし、当時の風俗もよく残してる
    はっきり言うとエロイ場面がある、剥かれて心臓捧げそうになる処女。後の騎士道物への派生の他、20C初頭ハウプトマン戯曲もあり
    .
    厨川文夫・厨川圭子訳 トマス・マロリー「アーサー王の死」 (抄訳)
    抄になるが大筋はつかめて問題無い。15C後半成立でアーサー王伝説をまとめたもの。これがアーサー王系列としては最も影響力ある
    元がバラバラな所もある話をよくまとめて、それでも読み難い点あるが面白い。アーサー王系列調べようとするならここからが良い
    .
    佐藤輝夫訳 「ローランの歌」
    11C成立。叙事詩の形で今の歌の歌詞みたいのが延々続いて物語になってる様なもん。なので読み難いし、ローランも途中で死ぬ
    西東の対立が背景にあり、それに準じた内容。まさに事件がおきてるその当時の品なんで、ウソも多いと思うが資料として面白い
    .
    山田爵・新倉俊一訳 「狐物語」
    12C後半ごろからまとまった話。これは動物つかった騎士もの話のパロディとも云える。当時から派生作品が出てた事がわかる
    事件もそれほどたいした事無いし、軽く読める。これ系は風刺の意味合い持つのも今と同じ、人間はあんま変わらんなあと
    .
    新倉俊一訳 「中世文学にあらわれた人間」+忍足欣四郎訳 「マロリー論」
    女性を尊敬する傾向が中世文学にある事やドンキホーテとの比較の騎士道話の意義など、向こうの人の文学発展の捉え方の話

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生、ここまで広げる予定は無かったが、戦争資料とも絡め当時の風俗知りたかった
    山田蘭訳 ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」を読んだ
    .
    1726年刊。啓蒙思想直前で植民地政策も盛んな頃。歴史資料と付きあわせると米はもう開拓開始と発見ある
    巨人国は児童向けで有名だがこれは全体の20%部分、本来は更に面白い話やドギツ過ぎる政治批判含む
    小人国は単純に面白くラピュタの机上の空論批判も粋。解説や小人国の幼女の世話等から多分この人ロリ好き
    .
    フウイヌムまで来ると嫌らしい所もあるが、当時の英の馬事情の他、啓蒙思想が後の出現も含め興味深い
    内容通りヒネてて人生も不遇といえるが、女性絡みの羨ましい話はぐぬぬとなる。単純に読み易く面白い

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。ペストや百年戦争のあった14C半ばに完成。ルネサンスの少し前
    平川 祐弘訳 ジョヴァンニ・ボッカッチョ 「デカメロン」を読んだ
    .
    一言でいうと面白い。教会や坊主はクソくらえの態度だし、好色話多いし、不謹慎だが弾けてる
    死が身近にありすぎる時代で生を楽しむ態度が全文に溢れてる。結果的に恋や愛や悪知恵の話も多い
    不謹慎で怒られた他見る人の配慮もあり、時代超えてる。構成みても悲劇もいれてバランスも良い
    .
    一番記憶に残ったのが処女が騙されて性に目覚める話。量多いが記憶に残る話も結構多い
    馬丁の話の他、当時の文化をそのまんま記録してるのも見所。この時代ならではでかつ普遍性ある

    [2015-07]
    ファンタジーからの派生。デカメロンとほぼ同時期の英国作。似たスタイルともいえる
    桝井迪夫訳 ジェフリー・チョーサー 「完訳 カンタベリー物語 上中下」を読んだ
    .
    ボッカチオが良かったので期待したが、かなり辛い内容。当時の宗教や真面目さが出過ぎてる
    聖書中心に無駄に引用多いほか、下品話がデカメロンほど弾けてない。だが話の幅はそれなりに広い
    先行で千夜一夜とかあるのも考慮いると思う。聖書と絡むのでお化けや当時の錬金術の話もあり
    .
    楽しませようより教化しようの側面強い。ただ年代的に価値観が変化しそうな頃で興味深くはある
    向こうの名文なんでかなり読み難いしオチが弱い話も多い。風俗や思想資料としては面白いとは思う

    [14-01-30]
    つの丸扱ってる関連から、これも御馴染みの学者が編集してる98年発行で比較的当たらしめ
    小長谷有紀・楊海英編著 「草原の遊牧文明 大モンゴル展によせて」を読んだ
    .
    国立民族館の特別展の関連書籍、モノを残さない残し難い文化なんで資料も意外と少ない
    以前読んだ19〜20世紀に描かれたモンゴルの一日の解説がメイン、絵は少し小さめだが解説が詳しい
    以前読んだ時には気付かなかった、ケンカする女性がマンコに手を突っ込んでるとかも指摘で再確認
    .
    井戸端でセックスしてる絵なんかも気付けなかった、今の画家に書かせた春の似た絵なんかも収録
    衣装も中華風と思ってたけどよくよく考えたらこっちが先と再確認、いろいろ読んだ上で再発見も多かった

    ■池上俊一 「図説 騎士の世界」
    ■稲葉義明訳 S.R.ターンブル「モンゴル軍(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■牛島信明訳 ミゲル・デ・セルバンテス「新訳 ドン・キホーテ 前・後篇」
    ■倉橋健訳 ピーター・シェーファー「エクウス」
    ■NHK取材班 「モンゴルを行く」
    ■野沢延行「大草原の生活誌 モンゴルの馬と遊牧民」


    Vol 3006[2015-02-07](2015-07-26)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    池上俊一 「図説 騎士の世界」を読んだ
    .
    他の資料でも便利なふくろうの本シリーズで、全編カラーの図版と詳しい解説の良い本になってる
    そもそも昔の時代は資料が無いので難しいが、騎士の成立とその思想がどうだったのかを文芸からも辿る
    西洋の騎士限定だが、ジョストの演劇で題材にもなったアーサー王の話等から民衆化の過程も扱う
    .
    馬に関しての項もありその過程での狩猟での犬の話も、ただこの時期はクセノポンの頃と比べると悪くなってる
    武器戦術の変遷も大まかに辿ってて、他書籍と重複する部分もあるが一冊でだいたいの傾向がよくわかる

    [2015-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    稲葉義明訳 S.R.ターンブル
    「モンゴル軍(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    モンゴルに関してはつの丸関連で調べてるので再確認となる、西洋の本で実際以上に悪く描かれてる点はある
    元寇も資料で重く扱われてる事に驚くが、そもそも文字が残ってない遊牧文化なんで資料そのものが少ない
    文字は無いがバカでは無い、馬を使った伝令でお馴染みの情報戦に長け西洋中華で印象悪いのはその面もある
    .
    馬を使った戦闘技術に関して歴史と世界の上でもナンバーワンにして最強、知能と共に元々の身体能力が高い
    神出鬼没ぶりも西洋の戦闘記録に残ってて改めて感心、モンゴルに関しては資料調査から自分は好感は高い

    [2015-06]
    戦記物アニメ調査からの派生。騎士物で有名でよしだみほの漫画ネタからも触発。17C初頭の作品
    牛島信明訳 ミゲル・デ・セルバンテス「新訳 ドン・キホーテ 前篇」を読んだ
    .
    一言でいうとラノベの房二病モノ。ただ前編は完全に狂気。前半部の騒動ははっきりいって痛い
    後編で構成のまずさの自覚ある。実際に読み難い。作中に関連しない別の話の小編がいくつか入る
    その小編から派生し、狂気をからかう為に皆が芝居で付き合い、温かく見守りはじめてからが真骨頂
    .
    有名な風車は約1200Pの70Pごろでさわり、他にも痛さも目立つ本焼却・縮絨機・羊突撃・裸の苦行が面白い
    後半の実在人物挙げ騎士物肯定する所や周囲のあこがれなど、作者の騎士物への葛藤が作品にも反映されてる
    -
    前巻からの続き。挿絵がついててドレっぽいが記述無し。人気作の続編らしい別物にも近い仕上がりになってる
    牛島信明訳 ミゲル・デ・セルバンテス「新訳 ドン・キホーテ 後篇」を読んだ
    .
    病状は回復に向かってる。サンチョも良い奴になってる。周囲の視線も温かい。ところが話としてはパンチが弱い
    作中で前半が発行された設定。そこで周囲も冒険を知ってて優しくなる。サンチョも領主と夢は叶うが悲劇へと向かう
    自分自身の作品の評が作中で語られる。今回は構成も意識して直したりネタに使用。だがキャラが弱くなったのは否めない
    .
    一言で云うと二部は悲劇。病気回復しない方が良かったの台詞どおり。これが現実と幸福に対する問題定義にもなってる
    全体で見るとアカン所も多い作品だが、含む意味は多い。同時に作者の境遇や心情も反映され、歴史に残ったのも納得

    [2015-06]
    馬漫画扱ってる関連から、よしだみほが馬に興味持ったのがたしかこの舞台からだったと思う
    倉橋健訳 ピーター・シェーファー「エクウス」を読んだ
    .
    馬の目をついた少年の精神鑑定。舞台装置の指定があって拳闘風というのはなるほどなと
    小説と戯曲との比較という形でみた点もある。思い出話となる会話で背後に状況見せるのは上手い
    馬自体も出てきて回想部もある。戯曲の手法から学べる点多そう。聖書から馬の引用も利いてる
    .
    凄いと思ったのが、その馬に何重もの意味を重ねている点。言葉だけだが迫力が凄まじいのよ
    テーマ自体もそこから大幅に広がる。最後の医師の独白からの問題定義も良い。馬の魅力も伝えてる

    [14-01-22]
    つの丸扱ってる関連から、昔の資料で現代モンゴルとは違うが天下のNHKのレポとなる
    NHK取材班 「モンゴルを行く」を読んだ
    .
    1982のTV取材での渡航、事前に司馬遼太郎に取材して経由のソ連が大変と感想聞いたりもしてる
    先の旅行記と同じく向こうの許可がこの時期は遅い、到着後も向こうの日程通りの社会主義時代
    向こうの日程なので工業化の様子を映して欲しいと作った感はある、他の旅行記と同じ建物なども
    .
    放牧の様子なんかもカメラにおさめて、馬に関しての簡単な解説や当時の政治状況の話等もあり
    この様子もNHKの番組で保管されてる筈、日程決まったものだが社会主義の頃の映像資料となる

    [14-01-16]
    つの丸扱ってる関連から、近場になかった本だが図書館の予約システム変更に併せ他館から取り寄せ
    野沢延行「大草原の生活誌 モンゴルの馬と遊牧民」を読んだ
    .
    雑記に使えるようにモンゴル関連はメモ取りながら読んでるが、これは大量に新情報得て大収穫
    88・89年の本で共産主義時代で限られた地域の取材だが、その後の資本主義導入の先触れも感じられる
    イラストと写真での細かい情報が豊富の他、馬にスポットを当ててるので他に無い情報もたくさん載ってる
    .
    食事やゲルの生活空間に関しても詳しい、牛馬の屠畜は延髄切る方式だったとかは知らなかった
    今とはシステム違うかも知れないがトラック野郎や放牧での現金収入と実際の賃金と物価も発見多かった

    ■飯田規和訳 スタニスワフ・レム 「ソラリスの陽のもとに」
    ■平尾圭吾訳 ピーター・ベンチリー 「ジョーズ -顎-」
    ■黒川 正剛 「図説魔女狩り(ふくろうの本)」
    ■財団法人馬事文化財団 馬の博物館編「馬のシルクロード 馬と馬文化遥かなる道」
    ■財団法人馬事文化財団 馬の博物館 「春季特別展 三国志をいろどる馬たち」
    ■井上靖 「井上靖文庫 3 楼蘭・蒼き狼」
    ■松田寿男訳 アルバート・ヘルマン 「楼蘭 流砂に埋もれた王都」
    ■梅棹 忠夫編 「私の知的生産の技術」
    ■梅棹 忠夫 「知的生産の技術」
    ■司馬遼太郎「草原の記」
    ■司馬遼太郎 「街頭をゆく5モンゴル紀行」
    ■フフバートル 「私が牧童だったころ モンゴル人が語るモンゴルの世界」


    Vol 3004(2015-07-19)[2015-07]
    難しいと聞いて敬遠してたが読む 飯田規和訳 スタニスワフ・レム 「ソラリスの陽のもとに」を読んだ
    自分の解釈だと悲恋もの、閉じ込められた状況で。共産圏のヨシフ・ブロツキーの大理石も頭に浮かんだ
    共産から発展の実存とも繋がる。共産圏ならではと思う。SF要素も凝ってるが先の悲恋の部分を強調して欲しかった
    [2015-09-20]
    ル=グィンのエッセイ読んだ。生命体の方は人間を理解してたんじゃないかと言われて、なるほどーと納得した
    そういうのも含めてやっぱ恋愛物としても読んじゃうなぁと。解釈がどうとでもとれる点でも興味深い作品だと思う

    [2015-07]
    興味あって借りてきた74年のベストセラー 平尾圭吾訳 ピーター・ベンチリー 「ジョーズ -顎-」を読んだ
    原作ありと知って驚いた。あのBGMであの映画の原作。鮫と戦うというより、刑事が罪悪感を払拭すべく戦うといった話
    嫁さんの不倫とか、その相手の学者とハンターの倫理観の話とか、こういう内容かと再確認。バトル場面は意外に少ない

    [2015-02-13]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    黒川 正剛 「図説魔女狩り(ふくろうの本)」を読んだ
    .
    厳密には馬は関係ないが戦争と宗教でなおかつ興味あった魔女狩り、実際は16-17頃多発と中世後期
    魔女観念も時代により変わり宗教が関与しだしてからおかしくなってくる、現代の魔女観念とも別物
    何故発生したかの考察もあり世情が不安定だと多発、また民衆文化との関連も語られてる
    .
    宗教と女性差別の問題も含むので現代も似た様な事はある気はする、異端からの内部抗争としても興味深い
    最終的に中央権力の強化・司法制度見直し・合理主義・化学発展で根絶するが、人間の醜さの良く出た歴史の話

    [2014-11-18]
    つの丸扱ってる関連から、シルクロード単体に収まらずユーラシア全地域に渡る馬と人間の歴史の発掘品を紹介
    財団法人馬事文化財団 馬の博物館編「馬のシルクロード 馬と馬文化遥かなる道」を読んだ
    .
    07年の博覧会で解説も馬家畜化の歴史を紹介してるのでその歴史がよくわかる、歴史もBC3000からと壮大なものとなる
    騎乗はBC3000だが普及はBC2000年の草原地域限定、BC2600のシュメールのウルのロバ・オナガー戦車と車輪と馬車が先行
    平地競馬自体はBC648にあるが、BC53のパルティアショットなど巧みな騎乗戦闘が出てからは歴史も戦車から変わる
    .
    アレキサンドロス大王で浸透した馬のコインの他、BC1000年の有翼一角獣やペルシャの頭部飾り・ガンダーラのケートスなど趣向の歴史も
    ズボンなど服の流行も馬からの場合があり歴史と馬が密接してる事を再確認、面白いデザインが多数見られてその点でも良かった

    [2014-10-30]
    つの丸扱ってる関連から、ちょうどフェイト再アニメ化してた頃で英雄と馬で見てくのも面白いかなと
    財団法人馬事文化財団 馬の博物館 「春季特別展 三国志をいろどる馬たち」を読んだ
    .
    三国志の資料を以前に調べてた事がここで利用出来る、馬の博物館だが三国志系の資料も充実してる
    赤兎馬・的盧・絶影と有名馬はいるが、射兎馬の名称など前の二つが名前で無く馬の種類を表すなど再発見もある
    今も派生作品はあるが江戸から絵画・書籍・歌舞伎などで存在、また江戸の侍の刀の装具などグッズまで出てる
    .
    漫画作品として横山三国志も載ってるのも面白い、横山センセ自体競馬好きでレッドシャーク号馬主なのも驚き
    今も変わらず大人気だが三国志の二次作品は歴史が長いなぁと、07年の特別展で馬の博物館開催なのもユニーク

    [2015-07]
    モンゴル関連資料、ただ資料とは言い難い。発表が59年で古すぎるので敬遠してた。
    井上靖 「井上靖文庫 3 楼蘭・蒼き狼」を読んだ
    .
    最初にゲルをパオと書いててこりゃダメだと。パオは侮蔑の語。この調子で全編ウソばかりと考えて欲しい
    発表が59年でこの時期は社会主義時代で資料入手しにくい。ただ梅棹忠夫の研究はもうあるので手抜き
    内容もモンゴル人の思想ではない。中華系の資料を参照したっぽい。正直、読んでてイライラする内容
    .
    話自体も元朝秘史参考にしてると思うが面白い話を拾えてない。はっきりいって退屈。昔の作品でしかたない
    実際の資料としては一切役にたたない。ただ当時の日本人がどういうメンタルかの研究資料ぐらいにはなる

    [2015-07]
    蒼き狼が気になったので借り出し。井上靖の59の小説絡み。発行は63年
    松田寿男訳 アルバート・ヘルマン 「楼蘭 流砂に埋もれた王都」を読んだ
    .
    蒼き狼の設定考証がヒドすぎたので疑問に思った。63年時点で日本の楼蘭研究は進んでた事がわかる
    先の蒼き狼も含め問題は中国資料に頼りすぎな点。この本自体も中国資料に頼りすぎて間違いが多いと指摘ある
    巻末に当時の研究からの解説がつく。今もそうだが中国資料は信頼性低い。場所的にはウィグルやチベットの辺り
    .
    前述小説は当時としては面白いかもだが、今では問題あると自分は思う。小説自体にも虚構がはいってる
    現実の発掘物としては手紙なんかが面白い。この本自体は当時の様子の再現と詩的な所ある

    [2015-07]
    梅棹 忠夫は先のモンゴル調査でも読んでる。遡っていくと怪関連の小松先生の師匠筋となる
    梅棹 忠夫 「知的生産の技術」を読んだ
    .
    京大カードの話。69年の古い本。今ではこの方法は発展して、KJ法なんかもあるのでそれ参照
    この方法論が歴史上いつからかは実ははっきりしてない。というのも海外でも似た方法使ってるため
    現在のパソコンの情報処理に近い。この当時はまだワープロ出たてで、それをどう使うかの話になってる
    .
    要は論文の書き方。ただ古い本ながら文の書き方全域に対する問題定義としては斬新
    いまはこれらを発展させた本が多数ある。世界の例を見ても人間ではこの発想法がベストとわかる
    -
    先の本を受けての続編だが軽く扱う。梅棹 忠夫編 「私の知的生産の技術」を読んだ
    88年で読者からの論文中心。自分はどうしてるかの体験談と活用術。パソコンも出たてで各所に時代を感じさせる
    料理の献立カードなど、女性の活用法が載っててこれが面白かった。やはり実戦でどう活用してるかの話が参考になる

    [13-12-11]
    つの丸扱ってる関連から、歴史の有名作家でこれも歴史の記録の側面がある
    司馬遼太郎「草原の記」を読んだ
    .
    社会主義時代に二回訪問してる、この人自体も大学はモンゴル語では専攻してる
    昔の事で訪ねれる範囲も限定されてるが、当時はソ連の影響が強かったことがわかる
    この人の得意とする歴史の講釈は全般に渡って展開する、言語からのアプローチが目をひく
    .
    当時は今と違い資料も少なかった事がわかる、中華との関係の考察など
    背表紙解説にもあるが、後半は知り合いの女性を軸においた近世の歴史の移り変わりなど

    [14-01-22]
    つの丸扱ってる関連から、日本の歴史の大作家だが大阪外国語学校蒙古語部出身でもある
    司馬遼太郎 「街頭をゆく5モンゴル紀行」を読んだ
    .
    社会主義時代時代1973年の旅行、この世代の人はモンゴルにロマン抱いてる事もわかる
    ソ連経由の不親切な旅、待ち時間でカラカサのお化けみたいな遊具に乗ってみたりと愛嬌ある
    歴史解説も流石にわかりやすく、ソ連捕虜は時代で子作り推薦か強制労働の天国と地獄にわかれる
    .
    ゴビで横断を夢見て死んでしまいますと言われたり、ズンズン進む画家を止めたり微笑む場面も
    歴史解説した後に嫁さんの尿の検分の話を持ってきたりと、ユーモアもある人なんだなぁと新発見

    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、実際のモンゴル人だが中国領土内モンゴル自治区の住人
    フフバートル 「私が牧童だったころ モンゴル人が語るモンゴルの世界」を読んだ
    .
    他資料と組み合わせて考えても、内モンゴル自治区の話は政治的な意味合いが多少出てくる
    それはともかく、共産政権下でのモンゴルの様子と歴史変遷がインタビューの形で収録されてる
    また共産政権下で作られた映画等の寸評などあり、近代の文芸なんかの資料としても使える
    .
    政治向きの話もありややこしめな所あり、積極的には進めかねるがややこしい事はわかる
    内モンゴルと外モンゴルで環境が違う事なども、エッセイとインタビュー中心で読みやすくはある

    ■池田恒雄「モンゴルのスポーツ」
    ■鯉渕信一 「騎馬民族の心 モンゴルの草原から」
    ■清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 全六冊」
    ■瀬田貞二・田中明子訳 J・R・R・トールキン 「指輪物語 全三冊」


    Vol 3002[2015-07](2015-07-11)
    荒川弘の戦記物アニメに関する追加資料。54の超基本資料だが、映画だけだったのでちゃんと読む
    瀬田貞二・田中明子訳 J・R・R・トールキン 「指輪物語 第一部 旅の仲間」を読んだ
    .
    古そうなんだがSF史参考にすると、この時点で既に凄い作品は他にも出てる。ファンタジーに理屈与えた作
    影響的な面では強烈。今も使われる名はここ初出。ただ最初が人類学風で始まり、後半はそこらが少しおざなり
    展開も序盤はトロい、ホビット基本で進めてたとわかる。映画で筋はわかってるが、一部はガンダルフの出番多い
    .
    物語として見ると弱点も多いが、世界観の構築は見るものある。先行の実在戦記や年代記などを現実をとりこんでる
    昔の作で今との比較もいい、今だと訳で和風名は使わん。映画が先なんで、複雑な所うまくまとめてたんだなと感心
    [2015-07]
    荒川弘の戦記物アニメに関する追加資料。54の超基本資料だが、映画だけだったのでちゃんと読む
    瀬田貞二・田中明子訳 J・R・R・トールキン 「指輪物語 第二部 二つの塔」を読んだ
    .
    百科事典みたいな三巻組で読んでる。文自体は読み易い。ただ大量の人物・固有名詞・地名で混乱する
    途中で一巻の地図みたりしたが、そこで思い出したのが三国志演義読んだ時の事。これも同様の作りといえる
    パーティーが分断。元々向こうは架空のアーサー王戦記作ってたりもするのでその流れ。SF作では先行。
    .
    昔の外国の作なんで一方的と思う所もある。馬はとても活躍。本巻はスメアゴル登場後のフロドの所が面白い
    映画でも脇だったサムが目立つが原作も同様。主にホビットが臆病な性質も反映し、ちゃんと人物が書けてる
    [2015-07]
    荒川弘の戦記物アニメに関する追加資料。54の超基本資料だが、映画だけだったのでちゃんと読む
    瀬田貞二・田中明子訳 J・R・R・トールキン 「指輪物語 第三部 王の帰還」を読んだ
    .
    メインは軍記風と指輪捨てる話の二本立て。あとは補足で歴史・言語を中心とした年代記風資料
    正直難しい所はある、軍記は主役不在、指輪処分もサム視線、話も上手く繋がらず終わりもだらだらしてる
    資料集や本編見ても理想郷としてのホビット世界を描きたかったんではと思う、ホビット以外はおざなりな所多い
    .
    ただ一点集中として見ると詳しく、本編では使わずだが設定は細かい。そういう意味では評価すべき点は多い
    映画は上手くまとめてたと感心。印象に残った点は心理の動きの部分、そこもホビットの設定は活きている

    [2015-07]
    荒川弘の戦記物アニメに関する追加資料。76年で少しズレた形になるがこれも基本資料
    清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 1影との戦い」を読んだ
    .
    まとめて読んでてシリーズ中盤はうぬぬって所もある。だが一作目は間違いなく傑作
    血気ある主人公・魔法や学園描写・真名の設定・気の利いた台詞・葛藤からの解決と凄く良い
    作者の別作の過去印象や、ファンタジーは苦手かもという意識が吹き飛ぶ程にのめり込めた
    .
    原題はアースシーの魔術師。ジブリ映画はボチボチだったが、戦記みたいなタイトルも失敗ではと思う
    前述の様に苦手意識があるんで、なんでこれは面白いだろうと考えながらも読めて収穫
    [2015-07]
    2以降はボチボチなんで短縮版 清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 2こわれた指輪」を読んだ
    個人の感想だが、正直面白い所は最後の30%ぐらいでアララとなった。原題はアチュアンの墓所
    冒険というより娘視点で脱出する話となる、ゲドの出番も後半以後。細かい部分も放置が多く、ぼちぼちだった
    2以降はボチボチなんで短縮版 清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 3さいはての島へ」を読んだ
    原題とも近いタイトル、1を継承してゲドが王子を育成する内容。面白いけど優等生ぞろいの話になり躍動感は薄い
    全巻通じて云えるが作者の主張は一貫してて、いい台詞はポンポン飛び出す。その部分では面白い
    2以降はボチボチなんで短縮版 清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 4帰還」を読んだ
    原題はテナー 2の主役キャラ。出版は90年で間をおいての発表。女の一生ものとも云えるし、時間おいての結婚と次世代の話
    既刊作やファンタジー期待して読むとハズレ。ただ作者の言いたいことは出てる。セックス描写もありで大人向けといった所
    [2015-07]
    短縮版だが01出版と最新作 清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 5ドラゴンフライ」を読んだ
    短編集で6より後。これは読み易く面白い。筆者の意見の良く出た前書き。前作までの疑問点をフォローする短編
    「フェミニズムが〜」と云われるが、それはあまり自分は感じなかった。結局恋の道に生きる魔法使いの話とか好きなのヨ
    .
    短縮版だが01出版と最新作 清水真砂子訳 アーシュラ・K・ル=グウィン 「ゲド戦記 6アースシーの風」を読んだ
    もう歳いってからの作品だがメチャ気骨ある内容。今までの設定を拾ったうえでぶん投げて、新しい世界の到来へとつなぐ
    ファンタジーから始まって大人読者対象のSFに変化したといった雰囲気。内容的には難しくあるがキャラ各人に決着つけてる

    [14-01-30]
    つの丸扱ってる関連から、92の書籍だが賢妃マンドハイを訳した作者で信頼性高い
    鯉渕信一 「騎馬民族の心 モンゴルの草原から」を読んだ
    .
    草原に暮らしてる人の心性がどうなってるかに焦点を当ててる、農耕民とは異なるメンタルを持ってる
    これは90年代の社会主義終了直後のレポ、いろいろ読んでると被る点もあるがどこがポイントか絞れる
    これは馬に関しての描写も多く、特に名称に関連しての馬からのモンゴルの色の具体例を挙げてるのが良い
    .
    ツァビダル(黄白)ツァイバル(白っぽい)ツァガーン(白)など、どうもツァって単語は白を意味する言葉みたい
    色の派生から馬の名称管理の実際なども、忌み名一覧で実際に使われてる例の話なんかも具体的で面白い

    [13-12-03]
    つの丸扱ってる関連から、大判の写真中心の書籍
    池田恒雄「モンゴルのスポーツ」を読んだ
    .
    図版は多いが少し古い78年の本、主に国家ナーダムを扱ってる様な雰囲気
    文の情報量は限定されて少なめだが、ルールや時間に関しては多少詳しめ
    日本とモンゴルが近くなるのは90年代入ってからなので、それ以前の資料として面白い
    .
    向こうの相撲はレスリングに近く組合いも素早い、技の一部の名称等がわかる
    馬の調教に自信がありオリンピックにも輩出とあるので、次回の馬術競技はそこもみたい

    [13-11-25]
    つの丸扱ってる関連から、2000年代の広域に渡る学術調査中心
    長沢考司+尾崎秀宏 「モンゴル遊牧社会と馬文化」を読んだ
    .
    そのものズバリな馬調教の実態や個体数調査などがあり、馬の資料としてはズバリ
    放牧の実際とも関与するが、この地域の馬飼育は単に好きだがらやってる事がわかる
    また首都のナーダムではドーピングが普通なども面白い、地域によって各種差がある
    .
    牧民や調教師目指す子供の意識調査も面白い、可愛い馬の歌や馬見せる為待たされた話も良い
    民族調査が西域中心の中、これは馬飼育が盛んな東部中心なのも貴重で読み甲斐があった

    ■ 船戸牧子訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士1 竜の戦士」
    ■ 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士2 竜の探索」
    ■ 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士3 白い竜」
    ■ 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士4 竜の歌」
    ■ 馬事文化財団 「馬の文化叢書」全十巻


    Vol 2099[2015-05-10](2015-06-27)
    ラノベ扱ってる関連から、橘ぱんが面白い本に挙げて借り出し 船戸牧子訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士1 竜の戦士」を読んだ
    原題がドラゴンフライト。竜が戦う話とばっかり思ってた。タイトルで損してると思う。68年頃中編で発表。年代の確認は必要
    SFは世界を見せる文芸と再確認。ドラマ部分がむずかしめで辛い部分もあり。大ネタの時間にまつわる所はビックリ
    .
    ラノベ扱ってる関連から、まとめて借りて一気読み 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士2 竜の探索」を読んだ
    ネタバレする。時間飛行も踏まえ、大規模年代記な内容。今回は原題がドラゴンクエスト。内容の冒険モノの要素とも一致
    世界を見せる為の話。読み難い点は変わりない。ただ、キャラに話が集中し前巻より楽。所々にある主張にもハッとする
    .
    ラノベ扱ってる関連から、ここで三部作は終わり。これが一番良い 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士3 白い竜」を読んだ
    連続で読むと、大作家も最初は上手く無いとわかる。、今巻は竜そのものとの交流と成長も主体。入り込み易い内容
    時間のネタも含め、巻末に人名辞典が付く。長い年代記で読み難さに変わりは無い。だが、アイディアは秀逸でSFの歴史知る上でも興味深かった
    [2015-05-11]
    ラノベ扱ってる関連から、本書は70年代半ばの13作目になる 刊行順で一旦ここまで 小尾芙佐訳 アン・マキャフリィ「パーンの竜騎士4 竜の歌」を読んだ
    巻末に作品年表が附属。解説も的確で、この人を捉えてる。歌う船を昔に読んでる。今作は難しい文と思ってたが、対象読者で文体変えてるみたい
    これは若年層向け。読み易いし話もはっきりしてる。世界観は竜騎士シリーズの物。だが、それらはさり気ない使用。少女の成長話で納得
    ---
    [2015-01-18]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 1 古代 埋もれた馬文化」を読んだ
    .
    一冊辺り約500P。論文で構成と難しそうな感じ。だが、一つ辺りが読み易く、短いので苦は無い
    基本日本に限定される。古墳時代ぐらいまでの馬の情報は網羅。武具等の話もあり
    馬伝来を辿る話。だが縄文時代に発掘された馬の骨など、研究者でも見解割れるところもある。
    .
    後半は騎馬民族説に関しての現在の見解。今はない事になってるので、強い否定の主張
    今は使われてない鎧の他、ケツ飾りの「寄生」の話。戦いの実態の考察など。興味深い記事多数
    [2015-01-18]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 2 古代」を読んだ
    .
    今回は古代国家の制定の話となるが、ここらは自分も興味が薄い分野なんで辛い所もある
    ただこの書籍は巻頭に何について話すかの話、巻末に全体の話をまとめた文もあり読み易い
    法律制定の過程で馬が結構重要な位置にいる事や、国がまとまる過程での地方の馬の話
    .
    特に東国武者と馬の関係なんかになると、物語になってるのもあるので興味もわいてくる
    東国武者の蹴馬の党から派生して凶族化した強盗の話など、生々しく歴史感じさせる記事も
    [2015-01-19]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 3 古代 馬と日本史2」を読んだ
    .
    源平合戦から戦国と歴史でも派手で面白い時代、武士にも変遷があるがそれらも網羅して理解できる
    怪的に興味深い所で室町末期に河童膏を思わせる小笠原氏の話があり、ここでは伝えたのが狸になってる
    他にも祇園祭と馬の関係や土地と馬の関係など馬の関連範囲の広さがわかるが、今巻の本筋は戦闘の話
    .
    信長と武田騎馬軍団の戦いが実際はどうだったのかの考察を、資料の他世界史とも関連付け研究してる
    あの戦法は実際的か気になってたので、騎馬突撃の使用と歴史も一覧で理解出来て凄く助かった
    [2015-01-19]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 4 古代 馬と日本史3」を読んだ
    .
    この巻は戦乱も終わって平和な江戸期の話が中心になる、平和すぎて興味持ち難い話も多い
    平和で交通網が整備された事からの、移動手段としての馬やその生産地の話などになる
    興味深い点は一部で外国馬を入れて馬の改良行われた地域がある事、ただ日本で馬は定着し難い
    .
    平和な侍の馬を使った遠馬や馬好き松前候の滝沢馬琴優遇の話、他でもだが馬の名は歴史でも記録少ない
    後吉宗の外国産馬使った改良作が失敗した話は知ってたが、牛は成功して酪農の始めになってる話は感心
    [2015-01-20]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 5 近代 馬と日本史 4」を読んだ
    .
    維新から戦中まで、この時代定番の競馬成り立ち等なら興味無く面白くないかなと思ったが内容多岐に渡り違った
    酪農と戦争に関する馬の導入と改良や、戦後しばらくまで主流だった馬による運輸や耕耘など知らなかった内容多数
    酪農といってもその分野だけで無くその過程での調教法の実際や、馬を使った耕し方の大会など今は見られない面白い内容
    .
    当時の思想や今でも使える 酪農及び軍馬の使用に関して当時の馬扱いの教科書も抜粋、炭鉱で働く馬も現代に繋がる
    現在でも解明されてない部分もあるらしく、日本の馬文化も含む技術等が大幅に変化した時代で変化有り面白かった
    [2015-02-02]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 6 民俗 馬の文化史」を読んだ
    .
    これだけ貸出都合で後回しになったが、民俗学系で馬の絡む物と文献目録もつく納得の出来
    元々つの丸絡みで調べた資料だが、自分の興味あるお化けにもリンクしてた事は驚いてた所
    そんな訳で柳田国男や石田栄一郎・今野円輔他の論文、しかもお化けの話大量収録の内容
    .
    これ読んでる最中は演劇も扱ってたので馬芝居の話や民具、そしてうつほ船含むオシラ様の項もあり
    河童駒引が真面目に昔のカナ文字で読み難い以外は問題無い、古め資料だが読み応えあった
    [2015-01-25]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 7 馬学 馬を科学する」を読んだ
    .
    最新研究で無く江戸や戦前の古典の馬学で、実用には耐えないが歴史的価値はある
    ターヘルアナトミアが出たのと同期の本で解剖図等もあるが、処方も含めそれ以前の価値観
    解説から昔の竜や天狗の骨とされる漢方薬が、実際は化石の象や牛・イルカの頭だった事がわかる
    .
    明治期の資料は外国からの知識の導入で現在と近い、土佐馬など現存しない馬の解説もあり
    現代の資料ではそれら巻物の分析、昔は馬の治療は寺院が行ってた事など
    [2015-01-25]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 8 馬術 近代馬術の発展」を読んだ
    .
    先の巻が歴史的資料の側面が強かったのと同じ様に、この巻も20C初頭の古い資料中心
    解説の人をして明治以後は馬術技術が海外と比べ発展してないなど、日本の馬文化の低さがわかる
    収録してる資料は、後に完全な形で出版された海外の軍人の馬術書の翻訳などになる
    .
    これらの資料は実際的な技術で難しいが、実際収録された訳の古い日本馬術書は難解で受け入れられず
    日本の馬術は仏かせ独式に変遷してるがその経緯や、馬術は海外から理論的に発展した事がわかる
    [2015-01-25]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 9 文学 馬と近代文学」を読んだ
    .
    これは凄い、馬文学の変遷の記録では無く馬文学そのものをアンソロの形で多数収録している
    自分があまり知らなかった点でも驚いたが、執筆陣も教科書に載るクラスの歴史的有名作家多数
    歴史順に収録しているので、農村等の社会の中の馬から競馬の馬へと変遷する様が実感でわかる
    .
    個人的に面白かった作品は並んで収録の小島信夫と大森光章、馬との愛憎で寝取られ的な所ある
    巻末には収録から漏れた馬文学の参考もあって、昔の馬の小説を探す時のいいガイドにもなる
    [2015-01-26]
    つの丸扱ってる加減から、96年の馬事文化賞で単巻では無く全10巻の大著になる
    馬事文化財団 「馬の文化叢書 10 競馬 揺籃期のイギリス競馬」を読んだ
    .
    日本で無く英国、有名とされるT・クックのイギリス競馬史とC・M・フライアーの血統の本の二冊分
    歴史の推移だけでなく個体名を出しての馬の紹介なんかもあるが、流石に馴染み深い話題となる
    だが過去の資料の引用にシェイクスピアを始めとする当時の戯曲もよく使われ、文化面で興味深い
    .
    更に向こうが騎士の時代でチャンバラしてた頃は競馬があった事や、アラブ馬入手後の改良の話もある
    いつの時代でも馬好きやスピード・改良への興味は変らんのだなと感心、だからこそ馬は今も生きてる

    ■ 桑原透訳 デヴィッド・ニコルPhD「シャルルマーニュの時代-フランク王国の野望-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 桑原透訳 デヴィッド・ニコル「中世フランスの軍隊-1000-1300軍事大国の源流-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 桑原透訳 デヴィッド・ニコル「中世フランスの軍隊-1000-1300軍事大国の源流-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 鈴木渓訳 クリストファ・グラヴェット「中世ドイツの軍隊-1000-1300神聖ローマ帝国の苦闘-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 河本美庶q 「河本美庶q写真集 モンゴル・遊牧の民」
    ■ 椎名誠 「草の海 モンゴル奥地への旅」


    Vol 2097[2015-02-23](2015-06-20)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    桑原透訳 デヴィッド・ニコルPhD
    「シャルルマーニュの時代-フランク王国の野望-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    ローマの時代も終わり十字軍前の8Cから11C初期、重装の騎兵の役割が重くなってくる時代と別資料でも確認
    東西の交流も活発な時期で技術が相互に行きかいする、結果、この頃から鐙や改良型の鞍が登場
    9C末には馬上で投げ槍の他、稀ではあったみたいだがランスチャージも登場 但し手の振りや両手持ち中心
    .
    弓も重要視され始める時期、イラン式の戦い方は馬上より止まっての弓、とゆっくり走っての弓だとわかる
    東ヨーロッパには昔から馬が少ない事や、普及は12Cだが10Cにクロスボウも見られるなど後の時代の架け橋
    ---
    [2015-02-19]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    桑原透訳 デヴィッド・ニコル
    「中世フランスの軍隊-1000-1300軍事大国の源流-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    騎士道精神の発生以前の騎士たちの話、いかに宗教と武力が繋がっていくかの話にもなってる
    同族へのクロスボウ禁止令は12C初頭からだが、13Cでもフランス王室はクロスボウ兵も貴重と考えてる
    図版も豊富な資料、11Cごろのアラブイスラム起源と後のジョストの中間型の鞍の絵も興味深い
    .
    この時期はスペインがイスラム圏なので文化の交流もあったとも考えられ、口を隠してる絵もある
    馬の繁殖もムスリム譲り、この時期の馬はコッブ種と云われ短脚堅強 キャンターで突撃かける馬
    ---
    [2015-02-19]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    鈴木渓訳 クリストファ・グラヴェット
    「中世ドイツの軍隊-1000-1300神聖ローマ帝国の苦闘-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    昔は今の様な国の形をなして無いがドイツは更に特殊、封建制度自体も発展しなかったとある
    土地を持たない非自由騎士ミニステアーレが存在し、各自が城を持ち土地持ちの騎士とも対立する
    更にムスリム圏に含まれるシチリアも範囲の他、今は分裂してる国も含むのでお互いの抗争が絶えない
    .
    暴力が容認される土地と云うのも興味深い、13Cにはあらゆる土地でクロスボウが使用されてる
    武器デザインの変容で、12Cの鼻を隠すT字カブトやメット型のグレートヘルムなど面白い点もある
    ---
    [13-12-18]
    つの丸扱ってる関連から、タイトルどおりモンゴルの写真集
    河本美庶q 「河本美庶q写真集 モンゴル・遊牧の民」を読んだ
    .
    専業のカメラマンでは無く写真家、しかも70から写真を始めて、この時期80歳のおばあさん
    とはいえ写真自体は各所・各季節に及び、賞もとってるので問題無い、馬の写真なんかも特に多い
    資料ではどのエリアがどの家畜飼かは把握しずらいので、首都の傍にもラグタいるのは以外だった
    .
    ゴビ砂漠にも及んでるがここで馬を飼ってる、基本ステップの砂漠だが砂地を駆ける馬は面白い
    裸で暮らしてる庶民の場面も撮影してる、2000年代の資料なので最近の様子としても良い
    ---
    [13-12-11]
    つの丸扱ってる関連から、アウトドア派の作家の印象が強い椎名誠の旅行記
    椎名誠 「草の海 モンゴル奥地への旅」を読んだ
    .
    後にモンゴルの映画を作る事にもなるが、滞在は民主化後で草原地域が中心
    写真も豊富で乗馬や食事など大概の事は経験してるので、滞在記の記録となる
    解体馬糞入りの羊鍋食べる所が妙に記憶に残った、他にも糞がらみの記事多め
    .
    資料を集中して読むので旅行記系は記憶が混同しがちだが、これは作家で文は楽しい
    モンゴルの映画撮影に出くわして戦士の格好で馬を飛ばしたりと楽しい旅行の記録

    ■ 斉藤潤子訳 ピーター・ウィルコックス「ゲルマンとダキアの戦士-ローマと戦った人々-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 小牧大介訳 デヴィッド・ニコルPhD 「エル・シッドとレコンキスタ-1050-1492キリスト教とイスラム教の相克-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 吉村忠典・澤田典子訳 ハリー・サイドボトム 「ギリシャ・ローマの戦争(1冊でわかる)」
    ■ 馬事文化財団馬の博物館編 「馬のコイン 繁栄のシンボル」
    ■ 塩谷茂樹+エルデナ・プレブジャプ 「モンゴル語ことわざ 用法辞典」
    ■ 藤公之介編著 「モンゴル大草原101の教え」
    ■ 小長谷有紀 「モンゴル風物詩 ことわざに文化を読む」


    Vol 2095 [2015-02-18](2015-06-13)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    斉藤潤子訳 ピーター・ウィルコックス
    「ゲルマンとダキアの戦士-ローマと戦った人々-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    この人達は紀元の始まりぐらいにヨーロッパで活動してる、ゲルマン民族の強さは古典でもでてくる
    酪農で暮らしてたとされる、なので馬の戦闘には適してる、完全な遊牧だと更に強い。豪華に装飾された武具使用
    当時の基本戦術は馬上で投げ槍と盾、ジャベリンの大量斉射攻撃「ゲルマン民族の激高」なんて必殺技もあり
    .
    ロシア系イランのサルマート人が重装騎兵カタフラクテスを使い始めたらしい、馬の地域特徴とも一致する
    ゴート族にいたっては長く重い槍も使用、後の西洋の騎士の装備の前段階がここらから見えてくる
    ---
    [2015-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    小牧大介訳 デヴィッド・ニコルPhD
    「エル・シッドとレコンキスタ-1050-1492キリスト教とイスラム教の相克-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    ちょうどGのレコンキスタがやってる時に読んだ、実際のレコンキスタ、十字軍前からのスペインでの戦争
    当時はイスラムが全域で支配、民族や時代と共に馬も活躍する話、スペイン自体が馬の産地でもある筈
    当地のムスリムは宗教上の理由から口をマスクで隠す独特の風体、とうぜん騎兵の扱いに優れ西洋圏も大苦戦
    .
    ただ、長い戦いなんでお互いに文化も交流し独特の文化を組み立てた、後のブラジル文化等と比較してもいい
    13Cのファルシオンもその産物、これは今のナタの原型、当地の優れた建設物もイスラム製と面白い
    ---
    [2015-02-16]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    吉村忠典・澤田典子訳 ハリー・サイドボトム 「ギリシャ・ローマの戦争(1冊でわかる)」を読んだ
    .
    一冊でわかるとあり入門書ぽいが難しい、ただ内容に偽りは無し、太古の戦争を順に追ってく
    重視されるのは当時の人が何を考えて、そして戦争に挑んだか、戦争の西洋的な流儀の話
    正々堂々たる戦いを良しとする風潮、これは異民族との戦いが中心の時代には既に存在
    .
    戦争もどう捉えるかの解釈も違ってくる、当時の部隊は後にも繋がる文化的な布陣で先進的
    それの加減で政治形態も含む内容、戦争を起点としても政治・文化が西洋では一体とわかる
    ---
    [2014-12-20]
    つの丸扱ってる関連から、10年の展覧会のパンフ しかし過去資料から度々企画される展覧会
    馬事文化財団馬の博物館編 「馬のコイン 繁栄のシンボル」を読んだ
    .
    ヨーロッパのコイン共有化は、馬に縁のあるアレキサンドロス大王の征服事業から始まる
    そんなわけで古今のコインのコレクション、馬が造形されてるのはかなり多く驚かされる
    各地のシンボルなど、もともと天馬はいろんな意味を含む、以後のコインも騎士などネタ的に豊富
    .
    最近のものでもオリンピックの記念硬貨などに馬が造形されてるのが多々ある、馬は伝統のデザイン
    別書でもメドゥーサと馬が一緒のコイン等を見た、馬の関連する伝説も多いのを再確認
    ---
    [14-01-06]
    つの丸扱ってる関連から、図書館の言語の棚から借りてきた 本来は辞典に近く用例豊富
    塩谷茂樹+エルデナ・プレブジャプ 「モンゴル語ことわざ 用法辞典」を読んだ
    .
    日本のことわざに置き換え可能なのも多い、どこの国でも人間が蓄積する知識は似てくるとわかる
    厳しい環境に対応した「苦労は短い方が良い」など、特殊なものや意味が違ってくるのもありそこが個性
    当然ながら馬や家畜に関連した語句は多い、牧畜と共に暮らす世界に馴染みの言葉に置き換えられてる
    .
    実際の使用例や意味に関する簡単な解説も付き、一見すると意味のわからない語もそこから理解できる
    200種類を掲載、辞典としての部分はモンゴル語がわからずスルーした それでも充分面白いと思う
    ---
    [14-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴルの歌手をプロデュースして日本デビューさせた筆者
    藤公之介編著 「モンゴル大草原101の教え」を読んだ
    .
    ことわざとそれに関するコラム、及び複数に渡る写真で構成、これも読み易い本
    筆者はモンゴルと交流のある人、色の数など ここで初めて分かった情報も多かった
    たまたま開いた所の「地獄の生き物は地獄でも幸せ」の項が借りる動機になった
    .
    モンゴルは天の思想はあるが無信教に近く環境も苛酷、そういう所では地獄も身近と感心
    「泣いて泣いて人になる」など他本でもよく扱われることわざの他、あまり聴かないのも多く良かった
    ---
    [13-12-11]
    つの丸扱ってる関連から、先にも扱ったモンゴル専門に研究してる人の本
    小長谷有紀 「モンゴル風物詩 ことわざに文化を読む」を読んだ
    .
    文章も少なめで写真も多いので読み易い、テーマ別に区切ってのことわざ集
    ことわざを扱った後に文化的な側面に触れる、そこからモンゴルの人の意識を解説してく
    他の本にもあるが、特殊な生活習慣と歴史上での立ち回りの広さから独自の世界観
    .
    その一方で日本のことわざと共通してるのもある、現地の自然や社会に併せた文章
    家畜に関することわざの多さも納得、文章・詩の形態なんかも日本とは違ってる

    ■ 橋本 隆夫訳 「叢書アレクサンドリア図書館 アレクサンドロス大王物語 伝カリステネス」
    ■ 芳賀重徳訳 ナポリの首席司祭レオ訳他 「アレクサンデル大王の誕生と勝利」
    ■ 井本英一・岡本健一・金澤良樹 「アレクサンダー大王99の謎」
    ■ 谷栄一郎・上村健二訳 クルティウス・ルフス 「アレクサンドロス大王伝」
    ■ 山中由里子 「アレクサンドロス変相 古代から中世イスラーム」
    ■ 荒木雄豪 編 クセノポーン(クセノフォン)「クセノポーンの馬術」「ボタイスキー ヨーロッパ馬術小史」
    ■ 野沢延行 「獣医さんのモンゴル紀行」
    ■ 原山煌 「モンゴルの神話・伝説」


    Vol 2093[2014-12-09](2015-06-06)
    大王は死後虚実を取り入れて伝説化してる、これは後2〜4世紀頃成立したその伝説化の大元になる
    橋本 隆夫訳 「叢書アレクサンドリア図書館 アレクサンドロス大王物語 伝カリステネス」を読んだ
    .
    実在のカリステネス伝となってるがこれは拍付けの為の虚構で、写本もバージョン違いが存在しそれらも収録してる
    誕生の時から別父親が関与の後、神の子として産まれ人喰い馬ブケパロスを手なずけると虚構の話っぽくなってる
    女族や女王など史実も部分的に拾い広げた他、創作で母への手紙が挿入されここでは怪物と戦った話など更に膨らます
    .
    秘密の道具で海や空を旅し暗闇の国で永遠の命を得損ねるなど、広大な範囲へ普及した話でギルガメッシュも連想させる
    史実は別として物語としての大王はこっちで最後は毒殺の他に後の大王への評価もこれに準じてる、史実・虚構両面で面白い人物
    ---
    [2014-12-09]
    表題作の他に万国史の大王の記述と後の生涯と事項を扱った書籍・楽園行きの本の計4冊分を扱ってる
    芳賀重徳訳 ナポリの首席司祭レオ訳他 「アレクサンデル大王の誕生と勝利」を読んだ
    .
    先に現存してる虚構の部分が強い伝カリステネスを翻訳したバージョンとなり、10〜13世紀頃に成立で広く普及した版
    各書それぞれに成立の詳しい解説も付くが大筋での内容は伝カリステネスに従う、ただそれぞれに違いが出てる
    翻訳の翻訳に近い形で解説にもある様、大元のレオの訳が難解で読み難い点や簡潔な訳の版などもある
    .
    変更されてる所で興味深いのはケンタロスと戦う事になってたり、空飛ぶ話がグリフォンに置き換わってる点など
    大王評価を悪くしたのが教会の思想からの影響や、未踏の地への冒険物語風に変化してく様など話の変化例として興味深い
    ---
    [2014-12-08]
    「大王は日本に来ました日本書紀に書いてます」とあって、ああこれはソッチ系で読むのやめようと思ったが
    井本英一・岡本健一・金澤良樹 「アレクサンダー大王99の謎」を読んだ
    .
    本を置いた所で背表紙の千夜一夜訳した前嶋信次の推薦文、筆者陣にはペルシャ系専門の学者もいたので結局読んだ
    1978年の本で構造主義も普及してなかった頃に思う、それ以前の書籍はこれが主流かと一言で云うと関連が飛躍しすぎてる
    それはともかく中には現実の話は別として物語の波及に関する面白い話や、想像の英雄へと変わった大王の紹介もある
    .
    王様の耳はロバの耳の原点は史実の大王から派生した創作話だが、これらが各国の物語に派生した様などを紹介してる
    マルコポーロ記述のモンゴルの馬の話にも触れてる他、当時発見されたモンゴルの英雄物語の大王の記述なんかもある
    ---
    [2014-12-07]
    紀元前で大王の一次資料は全て消失してる、これはアリアノスのと並んで挙げられてる評伝でローマ時代の物
    谷栄一郎・上村健二訳 クルティウス・ルフス 「アレクサンドロス大王伝」を読んだ
    .
    歴史上の人物をどう捉えるかは難しいが、記録者の意見が反映されるので並べて見ないと真実は見えてこない
    裏切り計画を長く描写したり終盤の自ら神の子孫豪語を重く扱ったりと、これは否定的な面も強いんではとも思う
    正確さは低いらしいが戦闘描写が他の少し違う点あり、イッソスの戦いは地の利や士気・インド戦での象の描写など
    .
    1・2巻がいきなり要約から始まり何事かと思ったが紛失してるらしく、他にも大王の死などの重要な所も消失してる
    後の伝説化した大王はこの版が元になってるとある、欠けた点も補足説明あるので大筋では同じ事もわかる
    ---
    [12-06-13]
    情報がまだ乏しく伝説・物語に近かった大王像、それが時代変化でどう変化したか
    山中由里子 「アレクサンドロス変相 古代から中世イスラーム」を読んだ

    史実と違い、偽書のアリストテレスの手紙・闇の国に命の泉を求める物語が流布した
    征服された拝火教では悪神アフリマンの使いになったり、時代情勢で捉え方も変わる
    イスカンダル名では二本角の名でコーランに登場、英雄として世界の果てに壁を作る

    教義との兼ね合いで、ダレイオスの兄弟になりアリストテレスも一神教信者と見なされる
    よく見る昔のタル潜水艦の絵、これのモデルもアレクサンドロスと知り史実との違いが面白い
    ---
    [12-05-24]
    ソクラテスの弟子で一万人撤退作戦を指揮した、歴史的人物
    荒木雄豪 編 クセノポーン(クセノフォン)「クセノポーンの馬術」
    「ボタイスキー ヨーロッパ馬術小史」を読んだ

    馬術法・騎兵指揮官戦術と心得・一万人部隊冒険概要・小史と盛り沢山
    現代馬術家が驚く程に正しく、BC400頃と兵法術も中国の兵法と同時代ぐらい
    敵地から指揮崩壊した一万人を指揮し、脱出させる大冒険概要は心躍る

    前読んだ本とは違い、欧州全体を視野に入れた馬術小史も資料として充分
    小手出来立ての時代の戦いや馬の活用など、軍人と哲学者の面を併せ持つ逸材
    ---
    [13-12-11]
    つの丸扱ってる関連から、獣医さんとはなってるがモンゴルの学界にも出席して学者より
    野沢延行 「獣医さんのモンゴル紀行」を読んだ
    .
    紀行文に属するが内容はかなり詳しく、更に社会主義と民主主義の両時代を訪問してる
    獣医さん的な部分では民間療法の強い国で薄めだが、学者の側面で当時の風潮を体験してる
    社会主義時代の話も注目出来る、適当にちょろまかして監視を潜りエリア外の事も記録してる
    .
    エリアも草原に砂漠・都市部・川で魚釣りなど多岐に渡り、モンゴルの多彩な自然がよくわかる
    腹こわしてヒドい目にあったりと文自体も面白く、訪問など向こうの庶民の実際の姿も良く見えてくる
    ---
    [13-12-11]
    つの丸扱ってる関連から、神話・伝説のおおまかな概要になるがなかなか読みやすい
    原山煌 「モンゴルの神話・伝説」を読んだ
    .
    最初のモンゴルの風土のおおまかな解説が読みやすく、まとめとしてよく出来てるとわかる
    巻末に参考文献の一覧もあるがこういうのは資料調査では超便利、ここからまたメモがとれた
    先に元朝秘史等も読んでるが、諸説分かれてるの伝説の別分野やそれ以外のも広く扱ってる
    .
    向こうの一般的な怪物は多頭のマングス、チベット仏教も関与するのでガルダの章なども
    大著の一部で読みのが厄介な資料なんかも抜粋、ポイント絞って調べるのにも便利と思う

    ■ 佐藤俊之訳 テレンス・ワイズ「サクソン/ヴァイキング/ノルマン -ブリテンへの来寇者たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 佐藤俊之訳 デヴィッド・ニコルPhD「アーサーとアングロサクソン戦争(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ トラベルジャーナル「ワールドカルチャーガイド22 モンゴル草原の国を好きになる」
    ■ 太田千絵「モンゴルンルン」
    ■ 清水哲郎「モンゴリアンチョップ」


    Vol 2091[2015-02-19](2015-05-30)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    佐藤俊之訳 テレンス・ワイズ
    「サクソン/ヴァイキング/ノルマン -ブリテンへの来寇者たち-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    イギリスに海の向こうから渡ってきた人々の話、この時代は資料も無いので正確な所は不明な点も多い
    5〜11Cの人たちで馬も使うが騎馬突撃は未だ無し、武器も槍から剣・斧と変遷し弓・槍の投擲軽視姿勢が出る
    猪デザインの兜があるが、これも後の鼻を隠す兜からフルフェイスの兜への変化と民族的な部分で興味深い
    .
    カラフルな武具の使用を好み馬の使用も好む、後の西欧全域の人達の始祖なので継承部はあると思う
    カイトシールドの使用の他、バイキングの中にベルセルクと云われる戦士たちがいたのも注目点
    ---
    [2015-02-22]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    佐藤俊之訳 デヴィッド・ニコルPhD
    「アーサーとアングロサクソン戦争(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    時代的にはBC300〜1000辺りで実在のアーサー王に近い人は6C前半頃、イギリスの古代の戦争が中心となる
    今回は馬の話の分量も多く4・5Cローマ軍の重装騎兵カタクラフト・投げ槍持ちの軽騎兵、衝撃部隊の存在も書かれてる
    アーサー軍も馬を使うが指揮官が準備が整うまで、戦う時は降りて盾を後ろの両手持ちが良しとされバーサクの起源とも
    .
    だいたい当時の馬上からの戦いは投げ槍方式だが、8Cに舌状突起を持つ騎馬戦用槍が見つかってるのも興味深い
    11C頃も投げ槍中心で騎馬突撃の記録は無いとなってる、時代・地形・意識なんかも騎馬突撃が使われたかの要因になりそう
    ---
    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、ガイドブックの一種なんで写真は多めで全般に渡り網羅
    トラベルジャーナル「ワールドカルチャーガイド22 モンゴル草原の国を好きになる」を読んだ
    .
    現地の実際の細かい様子なんかはこれ系の資料を漁ってく事になる、新規情報が出てくる
    つの丸関連では競馬場の存在なんかは資料として面白いと思う、ウランバートル空港のそば
    扱ってる範囲が全域に及ぶのでマンホールチルドレンなんかの社会問題もカバーしてる
    .
    厳しい自然と経済格差があるので必ずしも楽園では無い、そこらの事に関しても触れてる
    犯罪は多いなどの注意点など、単純に旅行のガイド本としても詳しいので役に立つと思う
    ---
    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、日蒙間を何回も往復してるモンゴル通の人の書いた本
    太田千絵「モンゴルンルン」を読んだ
    .
    ジャンル的にはガイド本の分類に入ると思う、都市部と風俗の話を中心に収録
    全編がカラーで写真豊富、実際の色合いはカラー写真なのでこれで調べると良い
    向こうのポップスやモデルの記事なんかもあり面白い、当然皆モンゴル系な顔立ち
    .
    馬のサーカス団の話なんかも面白い、共産下時代があるのでサーカスが発展してる
    まぁ軽い本なんで内容的にも読み易い、熱で尿飲むなどの面白い民間療法も載ってる
    ---
    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、タイトルがなんじゃこりゃな感じだが内容はなかなか良い
    清水哲郎「モンゴリアンチョップ」を読んだ
    .
    カメラマンの人の本なんで、ページ間のコラムに写真撮影方のコラムなんかが乗ってる
    行ってる所が写真撮影目的で砂漠や山岳など珍しい所が多く、当然写真もカラーで抜群
    さらに特筆する点は旅行者のあまり行かない冬のモンゴルを訪問してる所、雪原に骨
    .
    文自体も読み易いし、なかなか書かれない体にたかるゴビの巨大なダニの話なんかもある
    旅行の準備段階での苦労の段階から書かれ共感もしやすい、タイトルと違い収穫あった

    ■ 市川定春 訳 デヴィッド・ニコルPhD「サラディンとサラセン軍 十字軍の好敵手(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 桂令夫訳 デヴィッド・ニコルPhD「オスマン・トルコの軍隊 -1300-1774大帝国の興亡-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 佐藤 次高 「イスラームの「英雄」サラディン -十字軍と戦った男」
    ■ 川成洋一+太田直也*太田美智子訳 エリザベス・ハラム「十字軍大全 年代記で読むキリスト教とイスラームの対立」
    ■ 金岡秀郎 「モンゴルは面白い」
    ■ 藤井昭三郎 「モンゴルの青い空」


    Vol 2089 [2015-02-18](2015-05-22)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    市川定春 訳 デヴィッド・ニコルPhD
    「サラディンとサラセン軍 十字軍の好敵手(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    十字軍の西洋側の戦力はよく分析されてるが、イスラム側に関しては専門書に近い書籍で勉強となる
    アラブ種を生みだした民族で馬を上手く使いこなした人達、故に戦法の弓の使い方も優れたものがある
    十字軍が東西の交流を生みだした事とも関連し、優れた軍事教練のマムルークや14Cの騎士道重視など
    .
    馬上での斬激に適した剣で曲刀を使うがこれは中央アジア起源、東西文化の交流点らしい所も多い
    同じく馬の戦闘での投げ縄やまきびしなどトリッキーな武器も多く、異国的で面白い戦士たちと感心
    ---
    [2015-02-19]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    桂令夫訳 デヴィッド・ニコルPhD
    「オスマン・トルコの軍隊 -1300-1774大帝国の興亡-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    イスラム圏は馴染みが薄くて民族宗教の違いも一緒に考えてしまいがちだが、東西交流点の人達
    故にイスラムと古来トルコのシャーマニズムとキリスト教の混在する、トゥルクメン遊牧民の文化となる
    遊牧民だけあって馬を使った戦いはお手の物、馬の毛の旗に始まり武器も東西両方混合の多彩さ
    .
    キリスト教改宗者によるカピクル軍団や封土を持つ騎士シパーピーなど、土地独特の戦士たちがいる
    機動性と攻撃戦術から野戦陣地構築能力と戦略も変換があり、土地柄も戦闘スタイルには影響を与える
    ---
    [2015-02-06]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    佐藤 次高 「イスラームの「英雄」サラディン -十字軍と戦った男」を読んだ
    .
    日本の研究者の本になるが、イスラム側の十字軍の英雄の履歴を辿った書籍となる
    イスラムと言っても平和な人と狂信者がいるが、これは狂信者の政権を潰した英雄になる
    英雄と称えられるのも納得で知性と人格に優れ、敵であるキリスト圏からも尊敬を得る男
    .
    伝説になってる分後の狂信者に利用される場合もあるが、平和なイスラム教の良い点がわかる
    イスラムは平和な人は一貫して良い人なんで、今の国際情勢も含めそこの点は注意がいると思う
    ---
    [2015-02-03]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    川成洋一+太田直也*太田美智子訳 エリザベス・ハラム
    「十字軍大全 年代記で読むキリスト教とイスラームの対立」を読んだ
    .
    十字軍の記録は年代記なのでその抜粋、ただこの年代記は戦線に出てない僧侶が多く表現も誇張気味
    軍記物みたいなノリで読んだ方が良いとも思うが、聖槍発見話を複数載せてたりと比較も利かせやすい
    戦争が長引くにつれ宗教がゲームみたいになってく所や、それに乗せられたり利用したりの様もわかる
    .
    どっちが勝ったの戦争でも無いので読み難い点もあるが、その後の宗教的熱狂の大航海時代まで扱う
    描写は少ないが、ギリシヤ火薬が投擲武器な事や第二回十字軍に参加した女性たちの話など興味深い
    ---
    [13-12-11]
    つの丸扱ってる関連から、歴史や風土などを全域にわたって扱ってる
    金岡秀郎 「モンゴルは面白い」を読んだ
    .
    最初にモンゴルの主要な単語の辞典1/3ほどの割合で付いてて、これ見るだけでも知識が広がる
    文自体は紀行文+歴史解説、かなり長期に渡ってモンゴルと触れ合ってる学者で心情もよく理解してる
    紀行文では子供をつれてゴビを中心に現地の人と触れ合ってる、向こうの子供とのやり取りも可愛い
    .
    歴史解説もかなりわかりやすい、特にわかり難い心情的な部分からの解説はよく理解出来る様になってる
    挨拶の決まりなどの日常的な風習や、専門の言語に関しての解説も興味深いところが多かった
    ---
    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、ウランバートルより少し南のハラホリンのボランティアの話
    藤井昭三郎 「モンゴルの青い空」を読んだ
    .
    知らない状態からの観光から滞在しての仕事と、段階を追って展開するので共感しやすい
    季節も春夏と滞在、民間の中に入っての仕事なんでモンゴル人の実際がわかりやすいと思う
    ガイド本と併せてのホテルの実際の状況など、資料も組み合わせて読むと本当の所が見える
    .
    夜の小便を毎回見送ってた話など、ハゲ隠しにベレー着用の用務員のオッサンの人柄が良い
    セップク実演やサムライごっこの話など微笑ましい話も多く、専門書ではないが読み易い

    ■ 稲葉義明訳 テレンス・ワイズ「聖騎士団-その光と影-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」
    ■ 宮本浩憲訳 ジャン・リシャール 「十字軍の精神」
    ■ 株式会社レッカ社編 「図解 十字軍武器・防具戦争大全」
    ■ 真下亨 「内蒙華北幻想紀行」
    ■ 松田忠徳訳編 「モンゴルの民話」
    ■ 今泉文子訳 ガルサン・チナグ「草原情歌」


    Vol 2087[2015-03-01](2015-05-15)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    稲葉義明訳 テレンス・ワイズ
    「聖騎士団-その光と影-(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ)」を読んだ
    .
    十字軍関連は調べた時期の時勢とも関連して少し増やしてて、これは貸出都合で遅れてもういいかなの所もあった
    しかしながら実際読んでみたら、各自に紋章も違う各国の十字軍部隊の特徴書いてて借りたかいはあった
    最後は金融業者になって批判されて崩壊したテンプル騎士団など、タイトル通り影になってる様な部隊もある
    .
    その一方で赤い十字をシンボルに看護活動に従事したホスピタル騎士団など、今にも繋がる正しい部隊もある
    文章で暴力否定の原初キリスト教が権力と結びつき暴力を肯定していく過程もわかり、理想と現実の折り合いが難しい
    -
    [2015-02-05]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    宮本浩憲訳 ジャン・リシャール 「十字軍の精神」を読んだ
    .
    02年の本で最新に近く、当時従軍した一般兵や教会の演説文などの面白い資料訳も多数
    ユダヤ虐殺がねつ造だった点は重要、現在もある政治的なプロパガンダとも結びつく
    また同時に序で今十字軍を悪用する勢力に触れてる事も、読んでる最中の国際情勢と絡め興味深い
    .
    本来の十字軍精神は巡礼を目的とする高潔なもので、同時にイスラム圏への交流と敬意も重要な所
    十字軍に明確な勝敗が無い所も納得がいくし、今の戦争と昔の戦争は内容が違う事も注意する必要ある
    -
    [2015-01-30]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    株式会社レッカ社編 「図解 十字軍武器・防具戦争大全」を読んだ
    .
    最初に見易そうで選んだ書籍だが同時期に借りてきた資料でも後回しにして、逆に薄く感じる結果になった
    但し図解とあるだけあって、当時の武器・防具がゲームよろしく図版・ステータス付きで掲載と参考になる
    先の資料で読んだ中世のナパーム弾ギリシア火の話なんかは興味深い、市民のバトルフックなんかも初見
    .
    細かい逸話は省かれてるが、十字軍のおおまかな歴史や英雄も紹介されてて入門本としても良い作り
    巻末に参考図書載ってるのもこういう書籍では地味にありがたい、最初の印象通りの良い入門書
    -
    [13-12-06]
    つの丸扱ってる関連から、戦前ぐらいに坊さんの一行がモンゴルを訪問してる
    真下亨 「内蒙華北幻想紀行」を読んだ
    .
    結論から書くとこの本はかなり読み難くく、扱ってるのも内モンゴル自治区中心で限定的
    書いてる人も会社員で文作成の資料を紛失してる事が書かれてる、条件的にも悪い
    本文自体も昔の話と今の紀行がごっちゃになってて読みにくく、収穫自体も充分と言い難い
    .
    この地域は政治向きの話もありややこしめな所もあり、資料で読みたい人向け
    競馬場の話がほんの少し載ってるが、ここでも豪華な作りになってる所は資料にはなる
    -
    [14-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴル作家同盟賞受賞者だが翻訳書か自編かは不明
    松田忠徳訳編 「モンゴルの民話」を読んだ
    .
    そんなに難しい本でも無くページ数も厚くなく、起源神話なんかも扱ってるので読み易い
    動物関係の話が多く特に馬は集中してお国柄が出てる、今はいない動物の出る話もある
    いつ頃どの地域で収集したのか詳細が不明だが、ここで始めて確認出来る情報も多かった
    .
    神話や起源説等は複数種あるが、ここでの人間の創造主は仏陀になってて他文化影響がわかる
    基本どうしてそうなったかを身近な話に置き換えた話中心、ここらも他世界の民話と共通する
    -
    [14-02-09]
    つの丸扱ってる関連から、モンゴルの人が90年代にドイツ語で出版した40年代の話
    今泉文子訳 ガルサン・チナグ「草原情歌」を読んだ
    .
    補足すると、戦争が終わるかくらいの頃になるので社会主義導入以前のロシア国境の話になる筈
    向こうは苗字が親の名前なんで実際はどっちかが名前、男なのか女なのか解説がついてなくてわからん
    国境紛争と資材の無い女性の身売り生計がメイン、現在モンゴルでも浮浪少女は大半が売春で生計
    .
    他の本では触れられない細かい描写やシャマンの話なんかも含むので、資料として発見する部分もあった
    話自体は暗い日常でロシアの戯曲に近く感じた、多分日光量の少なさが性格に関与してると思う

    ■ 村川賢太郎編 プルタルコス「プルタルコス英雄伝」 上中下
    ■ 小澤重雄 訳 作者不明「元朝秘史 上下」


    Vol 2085[12-07-19](2015-05-09)
    抜粋訳、それぞれ翻訳者が違い個性の強い文なんかもある
    村川賢太郎編 プルタルコス「プルタルコス英雄伝」 上中下と読んだ
    .
    対比伝とも呼ばれる、真意があやふやな逸話も沢山載っている
    先に読んだ東征記と比較すると、整理された文で無く読み難い所もある
    業績打ち立てた人達だが、戦争ありきなんで今では参考にしにくいかも
    .
    名声・権力・才能・富を極めながら、最後は悲惨な死に方してる人も多い
    知らない人も多く読んだかいあった、各巻詳しくは以下参照
    ---
    [12-07-06]
    ちくま文庫版、抜粋で訳者もそれぞれ違い上では8人を紹介
    村川賢太郎編 プルタルコス「プルタルコス英雄伝 上」を読んだ
    .
    ミノタウロスを倒したテセウス、人が伝説化の過程で怪物化したんだろなと
    アテナの政治の変遷が主、ペルシアとの戦いでの準備や戦法もよくわかる
    ほぼ独裁で周囲に戦争ふっかけてるが初の民主政治、自滅にも似た衆愚政治
    .
    人気者への嫉妬が要因の陶辺追放の実際・スパルタの裸の処女の行列など
    男性愛が政争のきっかけ、あっちこっちを渡り歩くアルキビアテスも印象深い
    ---
    [12-07-13]
    ちくま文庫版、アレクサンドロス大王からスパルタ・ローマの政治家まで
    村川賢太郎編 プルタルコス「プルタルコス英雄伝 中」を読んだ
    .
    大王に関しては先に資料読んでたので、それと比較して読む事が出来た
    後書きにもある通り、事実かどうか疑わしいとはいえ逸話も収録してるのが貴重
    過去を重んじ優秀と思う人は独裁寄り、政治家に関しては作者の考えが強く出てる
    .
    竈からちんちん生えてきたロムルス誕生話、老いてなお性的にさかんな大カトーなど
    リンチ殺害などグラックス兄弟が悲惨、スッラとかは知らなかったので勉強になった
    ---
    [12-07-19]
    帝政に入る前、三頭政治期のローマ中心で人物同士も関連ある
    村川賢太郎編 プルタルコス 「プルタルコス英雄伝 下」を読んだ
    .
    英雄で高い業績打ち立ててるが、ほとんどがロクな死に方してない
    仲良くなった事が間違いになってしまった、カエサルとポンペイウス
    富豪で政治家的なのに戦争で死んだクラッスス、自慢が仇になったキケロ
    .
    シェークスピアも参考にした、アントニウスにはクレオパトラの逸話も多い
    海戦で逃げて敗北の原因になったり、死んだふりが悲劇になったりと苦労が多い
    ---
    [13-11-27]
    つの丸扱ってる関連から、チンギスハンの一次資料に近い書籍
    小澤重雄 訳 作者不明「元朝秘史 上下」を読んだ
    .
    チンギスハンは13世紀の人、この本も同時代の側近に近い人が書いたとされる
    経緯が特殊で文献での登場は15世紀・ちゃんとした研究は19世紀後半からとスパンある
    昔のモンゴルの言葉で不明なのも多く、文体も目録と詩と歴史記述等が一緒くたになってる
    .
    そんなワケで二巻の薄い本だが読み難い、ただ各章ごとに概要があり内容把握は出来る
    以下簡単に各巻解説、チンギスハン関連の一次資料は探してたのが別の調査過程で上手く知れた
    -
    上巻、家族の歴史と生誕から周辺部族の統一まで 戦乱発端が女の取り合い多いのも面白い
    死にかけをヂェルメが血を吸い介抱、ほぼ全裸で敵陣から食物入手する話が印象に残る
    その重傷負った宿敵ヂャムカとの十三翼の戦いは肝、信長もそうだが最初の地元統一が一番大変
    .
    下巻、漢族など外国勢力の討伐開始と四狗四傑を称える詩からその死まで
    地元勢力との苦戦に比べると外国勢力討伐は楽チン、中華が記録で軽視するほど蒙古が強かったとわかる
    いよいよ世界編に入る所であっけなく死、同世代書物なんでその後も続集二編にほんのわずかでここまで

    ■ 本村凌二 ジェイムズ・ハーパー訳 「十字軍の遠征と宗教戦争」
    ■ 塩野 七生 フランソワ・ミシュー+ギュスターヴ・ドレ原案 「絵で見る十字軍物語」
    ■ 榊原勝・藤原房俊訳 スティーブン・ランシマン 「シチリアの晩祷 13世紀後半の地中海世界の歴史」
    ■ 池上俊一監修 ジョルジュ・タート 「十字軍 -ヨーロッパとイスラム・対立の原点」
    ■ 和田廣訳 スティーブン・ランシマン 「十字軍の歴史」
    ■ 加賀谷寛 訳 ハミルトン・A・R・ギブ「イスラム入門」
    ■ 井筒俊彦 「マホメット」
    ■ 田中於莵弥 訳 「鸚鵡七十話 インド風流譚」
    ■ 日本・モンゴル友好協会 「モンゴル入門」
    ■ 「11-12 地球の歩き方 モンゴル」


    Vol2084B[2015-01-30](2015-04-28)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    本村凌二 ジェイムズ・ハーパー訳 「十字軍の遠征と宗教戦争」を読んだ
    .
    これを調べ始めた時にちょうどテロ人質事件が発生して、はからずも現代の宗教戦争を意識
    これは歴史の流れから十字軍を振り返り、その背景の思想や文化の移り変わりを追ってく本
    十字軍は時代的に11〜13世紀となり武装の変化もあるが、後の欧州内の戦争にも繋がってる
    .
    封建制の騎士が成立するのもこの頃だが、仲良かった時期もあるので東西交流も進んでる
    ただ当時の演説が演劇的だった事や芝居がかった話の数々など、戦争の中でも狂気度は高い

    [2015-02-12]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    塩野 七生 フランソワ・ミシュー+ギュスターヴ・ドレ原案 「絵で見る十字軍物語」を読んだ
    .
    現存してる絵物語の十字軍を元に再編成した話、わかりやすい言葉と地図付きで最初に読みたかった本
    挿絵のドレは神曲の挿絵でもお馴染みのお方、交渉で平和に終わった十字軍の絵は無いなど思想もわかる
    とにかく読み易く広範囲に渡りカバーしてるので、先の本で掴み難かった概要もこれ一冊で理解出来る
    .
    キリスト圏側がらの記録となるがサラディンを立派な男に描いているなど、当時の様子もよくわかる
    同時に裏での黒い陰謀等は無く宗教性も強調され、当時の流行歌が十字軍題材のシャンソン等の細かい事も

    [2015-02-11]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    榊原勝・藤原房俊訳 スティーブン・ランシマン 「シチリアの晩祷 13世紀後半の地中海世界の歴史」を読んだ
    .
    ランスチャージは十字軍の頃で読んだ時期が時勢的にそれ関連だったので、補足としてこれも借りてきた
    地中海の文化の本的なの期待したが、シタリアの反乱から始まる政変と戦争への拡大を描いた歴史小説に近い
    時期的に教会の力と王族貴族の力が拮抗し宗教がゲームともとられる時代と言え、その様がよくわかる
    .
    単なる反乱が国を巻き込こみ失脚・没落を誘う自体になった事からわかる様に、裏にいろいろな事情が存在する
    ダンテの新曲にも事件の人物は登場し全員地獄送りとなってる、十字軍で宗教が絶対真実で無いとわかり始めた頃の本

    [2015-02-06]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    池上俊一監修 ジョルジュ・タート 「十字軍 -ヨーロッパとイスラム・対立の原点」を読んだ
    .
    十字軍以前のイスラムと欧州の話も扱ってて、カラーで大量の図版が付く良い書籍
    全行程をまとめてるのでわかり難い場面もあるが、当時のイスラム軍の図版資料は良い
    馬的に興味深いのはポロが軍事訓練として使われた事や、競馬応援団体が元の8Cニカの乱など
    .
    狂信者じゃない真っ当なイスラム兵の事も書いてるが、教養あり兵法も学ぶ相手より賢い人達
    十字軍は西欧圏の資料中心になるが、そこでもイスラム兵は良く描かれる事も参考になる

    [2015-02-06]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    和田廣訳 スティーブン・ランシマン 「十字軍の歴史」を読んだ
    .
    先に読んだ本でも十字軍以前の所から始まるがこれも同様、また資料としても評価高い本
    宗教戦争と見えがちでその面もあるが、背後には巡礼や新天地探し・金・権力の話もある
    虐殺の話もねつ造された部分もありどこまで信用すべきか難しい、今も含め政治に利用され易い
    .
    最初の十字軍に割いてる割合が多いが、後期に至り状況が変わってきた部分はあると思う
    日本では理解しにくい向こうの人の信仰心なども主題となる、今の情勢も含め難しい

    [09-05-08]
    過激な連中ばかり目立つが、実際は柔軟なんだと思う
    加賀谷寛 訳 ハミルトン・A・R・ギブ「イスラム入門」を読んだ
    .
    広大な領土を持つ中で発生した、イスラム教分派の流れ
    それぞれが作用しながら現在にいたる様に、柔軟性を感じる
    シーア派が過激に走るのは、政治的な理由が大きいと思う
    .
    聖典を元にしていても、論理的に検証し法学を作った事も感心
    イスラムといっても地域によって、いろいろある事がよくわかった

    [09-05-03]
    薄い本なれど、岩波のコーラン訳者の本で信頼性が高い
    井筒俊彦 「マホメット」を読んだ
    .
    千夜一夜が厳密にはアラブ文学ではないと、改めて気づかされた
    コーラン読んだ時は人間味溢れる後期に注目したが、前期の良さ
    及び、ムハンマド以前の猛々しいアラブの詩の翻訳と血がたぎる
    .
    過去のアラブ民族の高貴さや虚無感、ムハンマドの偉大さもよく理解出来た
    解説から著者自身が凄いともわかり、ますますアラブに興味がわく

    (09-02-20)
    構成にアラビアンナイトとの関連が指摘されてたので
    田中於莵弥 訳 「鸚鵡七十話 インド風流譚」を読んだ
    .
    小話が連続して続くので、油断すると読み飛ばしそうになる
    危機をとんちで乗り切る話中心、連続した魚の笑う話が目につく
    アラビアンナイトと類似した話も、所々で見つけられた
    .
    浮気妻を引き止める為に、浮気の成功話をしていくのが面白い
    解説にもある通り、ラストのあっけなさに呆然とした

    [13-12-01]
    つの丸扱ってる関連から、辞書とか出してる三省堂出版で信頼性も高そうで借りてきた
    日本・モンゴル友好協会 「モンゴル入門」を読んだ
    .
    「草洋の国・偉大な民族そして悠久の遊牧文化-その過去と今日を知る」と副題にある
    浅い所もあるが、教科書的なノリでほぼ全域を広く扱ってるので入門書としてとっつき易い
    行事や風習の日程や気候・環境を扱ってるのが、知りたかった所なんで役に立った
    .
    動物などの写真も多め、近代の歴史の概要も大まかではあるがいろいろあった事がわかる
    巻末に書籍案内もあり、ここから辿っていって詳しく調べていくのにも便利だと思う

    [13-12-03]
    つの丸扱ってる関連から、わりと有名どころなガイドブック
    「11-12 地球の歩き方 モンゴル」を読んだ
    .
    最新版ではないが通貨や時差などの基本的な事は網羅、現代モンゴル資料として優秀
    民族資料等は描写は細かいが写真は少ない、これは描写少ない代わりに写真がカラー
    観光ガイドらしく名所・旧跡の案内もあるが、なにしろ平原の国なので石の遺跡が中心
    .
    エリアによって国境と隣接してて、警備や写真制限もあるのは外国だなぁと感じる
    歴史等の簡単な解説もあり手早く読む資料としては便利、料理のカラー写真が把握に役立った

    ■ クリストファー・グラヴェット 「中世ヨーロッパ騎士事典(「知」のビジュアル百科 20)」
    ■ 馬事文化財団馬の博物館編 「特別展 戦国の城と馬」
    ■ 馬事文化財団馬の博物館編 「春季特別展 はにわうま」
    ■ ダシュドング ゲレルマ「夢と希望の大国!モンゴル」
    ■ 鯉渕信一 Sh・ナツァグドルジ「賢妃マンドハイ」
    ■ 松野谷夫 「忘れられた国外モンゴル紀行」
    ■ 梅棹忠夫 「梅棹忠夫著作集第2巻 モンゴル研究」


    Vol 2083[2015-01-22](2015-04-25)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    クリストファー・グラヴェット 「中世ヨーロッパ騎士事典(「知」のビジュアル百科 20)」を読んだ
    .
    事前にある程度の知識は仕入れてるがこれは図版入りなので、後期の装飾重視の華麗な鎧等も見れる
    ただ全面的に信用するのは危険、日本の武者の話もあるが扱われてる鎧は19世紀と既に戦争無い時代のもの
    昔の資料に関してもどこまで信用するかは難しく、他資料との検討の必要もあると思う
    .
    それはそれとして実際使われた道具や各種鎧は見ごたえある、軽装兵の白黒鎧なんかはお洒落
    年代も入れて武器・戦術の変換に触れてるのも欲しかった情報、古すぎる資料は無いが参考になった
    ---
    [2014-11-28]
    つの丸扱ってる関連から、別件の資料としても城に興味あって一挙両得という事で借り出し
    馬事文化財団馬の博物館編 「特別展 戦国の城と馬」を読んだ
    .
    城自体の資料は結局少なかったが、戦国期の文字での資料も含む馬関連の情報が充実してる
    10年開催の特別展のパンフで、後の本でも活発にされる戦国期の馬研究と時期的にも同期してる
    それらの本読んでて被ってる部分もあるが、文字資料中心にここで初めて見るのも多く見ごたえあった
    .
    文字資料は翻刻があるが読み難いので翻訳にして欲しかった等はあるが、絵巻も当時の様子良く出てる
    興味深かったのは忍・金沢城の水底に逆さに置かれた馬の頭骨の話、儀式的な物だが詳細不明とある
    ---
    [2014-12-20]
    つの丸扱ってる関連から、05年の展覧会のパンフで図版中心となる
    馬事文化財団馬の博物館編 「春季特別展 はにわうま」を読んだ
    .
    埴輪が一生懸命作られたのは古墳時代で、地域も群馬は多いとはいえ王権あった地域と限られてはいる
    とはいえ収録された馬埴輪は多岐に渡り、装飾品の凝った馬具や変わった所で石で造られた埴輪も収録してる
    全部に言える事だがゆるーい造形が癒し系で眺めてて楽しい、期間短いせいか発達あんましなかったのも良い
    .
    日本の馬の伝来に関する簡単な説明などの基本的な部分の収録や、埴輪の作り方なんかも載ってる
    造形の加減で目と鼻が前向きのマキバオーみたいのもいるのもゆるいなぁと、まあ内容的には軽め
    ---
    [14-02-07]
    つの丸扱ってる関連から、2013年発刊で資料の中でも新しい本になる
    ダシュドング ゲレルマ「夢と希望の大国!モンゴル」を読んだ
    .
    著者の名前からわかるように現役モンゴル人の本で、絵本と観光案内の軽い本になる
    以前もモンゴルの現代の美術の絵見たがそれに近い画風、話自体も歴史書等とも異なる
    観光案内に関しても90年代頃と見所はほとんど変わってない、ここらは変化無く扱える
    .
    注目点はレアアース含む鉱物資源が見つかって資源大国になってる事、ここらは最新情報
    なので同じ出版社の他の本もそこでの投資や共生・観光を目玉にした内容になってる
    ---
    [14-01-30]
    つの丸扱ってる関連から、15世紀のモンゴル統一をなした女性の英雄で映画版もあるみたい
    鯉渕信一 Sh・ナツァグドルジ「賢妃マンドハイ」を読んだ
    .
    中国の度重なる侵略と陰謀、モンゴル視点での歴史やその心性がよくわかる内容になってる
    モンゴル側資料で作ってるが必ずしも完全無欠で無く、嫉妬や汚れ仕事もこなす現実味ある描写
    思想的な部分も多いのでチベット仏教や農耕・貿易に関する葛藤がわかる、生活描写もあり
    .
    義賊ミャンハイも魅力あるキャラ、中国陰謀による内戦がメインとなるので敵が誰かわからなくもなる
    最後は史実通りのEND、クセもあるキャラだが中央モンゴルの人の本で描写も正直で読みやすくもあった
    ---
    [14-01-22]
    つの丸扱ってる関連から、朝日新聞の記者でチベット行き断念からのモンゴル行き
    松野谷夫 「忘れられた国外モンゴル紀行」を読んだ
    .
    1958のモンゴル行きと資料の中でもかなり古い時期、当然社会主義時代で中国から渡航
    日程も厳しく52年に完成の国際列車にも乗れずじまい、日本人が入ってない時期で秘境扱い
    古い時期のレポなんで政治色も濃い報告になってるが、遊牧してる人達とも交流してる
    .
    首相とすら会談する程のVIP扱いだが日程都合で無理、この時期からモンゴルは日本に興味持ってる
    日程決まってて急かすのをグズグズしてたら、映画館で皆が待ってて冷や汗かいた話など面白い所も
    ---
    [13-11-25]
    つの丸扱ってる関連から、後の国立民族館の館長で全集で出てる超ビックネーム
    梅棹忠夫 「梅棹忠夫著作集第2巻 モンゴル研究」」を読んだ
    .
    戦前の徴兵期間から日本敗北での期間の思い出話から始まるので、少し古い話になる
    戦前の研究が過去資料軽視や伝聞の引用中心で、この人出るまで調査甘かった事もわかる
    名称研究・乳製品加工術の実際と例・草刈り風習・図版入り詳しい解説と古びない資料が豊富
    .
    決死の覚悟で持ち出した地図とスケッチや、馬乳酒の実際は牛の乳製品など面白い話沢山
    遊牧民に関する考察も的を得ている、後の民族学調査も西域が中心でこの人が道を作ってる

    ■ 市場泰男訳 バート・S・ホール 「火器の誕生とヨーロッパの戦争」
    ■ 大久保桂子訳 ジェフリ・パーカー 「長篠合戦の世界史 ヨーロッパ軍事革命の衝撃1500-1800年」
    ■ 奥村房夫・奥村大作訳 マイケル・ハワード 「ヨーロッパ史と戦争」
    ■ 松島悠佐 「戦争の教科書」
    ■ 兵頭二十八訳 カール・フォン・クラウゼヴィッツ 「新訳 戦争論」
    ■ 吉田忠正 文・写真 小谷田有紀監修「体験取材!世界の国ぐに13 モンゴル」
    ■ 石毛直道編著 加賀秀子・長谷川有紀・金世琳・カルピス株式会社基礎技術研究所
    「モンゴルの白いご馳走 大草原の贈り物「酸乳」の秘密」
    ■ 蓮見治雄+杉山晃造 「図説モンゴルの遊牧民」


    Vol 2081[2015-02-12](2015-04-18)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    市場泰男訳 バート・S・ホール 「火器の誕生とヨーロッパの戦争」を読んだ
    .
    97年の本で最近の資料から遡った形となるが、それ以前の本と比較してその立ち位置もよくわかる
    要約すると火器の出現で戦争が一変したのでなく、火器登場後も技術変化には長い期間がかかった話
    自動的に戦場での馬の役割の再確認ともなる、また実際の戦場・騎兵とのギャップがジョストを産んだ事も
    .
    スイス人の気質の問題など人類学的な話もふれるし、訓練の話など昔と今の戦争が違う事もわかる
    経験主義で扱ってた火薬も技術の改良や思想の変化で発展した事など、戦争が単純に独立した項で無い事がわかる
    ---
    [2015-02-12]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    大久保桂子訳 ジェフリ・パーカー 「長篠合戦の世界史 ヨーロッパ軍事革命の衝撃1500-1800年」を読んだ
    .
    88年の本で古い資料となり今では通用しないが変遷はわかる、昔は火器登場で戦争が一変したと考えられてた
    だが普通の本では扱ってない資料にも触れ、8Cから14Cまで普及した大型馬種の名称がデストリアだとわかる
    他にも検索ですら出てこないポニーダンディの言葉や、騎馬突撃とは異なるハイランドチャージなんて言葉も
    .
    タイトルにある長篠合戦の話も現状では否定されてて、戦術もそれ以前の軍学書や実戦で使用されてる
    しかし今ではこれも否定されてるかもだが元寇が初の海戦での火器使用など、目新しい話多く面白かった
    ---
    [2015-02-13]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    奥村房夫・奥村大作訳 マイケル・ハワード 「ヨーロッパ史と戦争」を読んだ
    .
    本国1976の本で流石に古くなってる所あるが、後の戦争から歴史を見る視点を既に出してる本
    封建社会から第一次大戦までと範囲も広く、日本語版では図版資料も追加されてる
    現在では段階的に変化したが主流だが、昔は火器の登場で戦争が一変したが主流だったとわかる
    .
    火器の話を扱うと自動的に馬の話も出るし、馬の話が出ると荘園と政治システムの話にも至る
    向こうの歴史が戦争や宗教と密接に絡み合ってる事は他資料からもわかり、日本と違いある
    ---
    [09-11-16]
    戦争と平和を考えると、昔の担任だった偏った教師の事を思い出す
    松島悠佐 「戦争の教科書」を読んだ
    .
    元自衛隊総監の本で信用出来て、自衛隊の事を頼もしくも思える
    他国に領土で居座られると、取られる可能性がある事がショックだった
    各種戦争の発端や、太平洋戦争での日本の言い分など勉強になった
    .
    平和を守る為には長期的な外交戦略等が必要など、本当に大変だと感じた
    矛盾の多い政治の中で、国の防衛の為に努力してる人がいる事は頼もしい
    ---
    [2015-02-16]
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    兵頭二十八訳 カール・フォン・クラウゼヴィッツ 「新訳 戦争論」を読んだ
    .
    19世紀初頭の人で戦争が火器中心になってく時代ぐらい、解説もあるが全般的な戦争論では無い
    訳も解説にあるとおり特殊に近く訳者の解説も所々に入るので、翻訳書としては特殊な本となる
    とはいえ概要は掴める、この人の功績としては戦争が政治の延長戦と定義した所なんかがある
    .
    あくまで隣国との戦争を想定して書かれた本で、今となっては厳しい所も多いが解説は入る
    精神論に近い所も多々あり、ドイツの人の本で日本が戦争に負けてる事とも含め考える部分は多い
    ---
    [14-01-26]
    つの丸扱ってる関連から、児童向けの書籍だが写真が豊富で情報も07の最新と優れてる
    吉田忠正 文・写真 小谷田有紀監修「体験取材!世界の国ぐに13 モンゴル」を読んだ
    .
    モンゴル関連書籍で御馴染み小谷田有紀監修、データ的な部分で同著作者の本と似た所ある
    基礎的な知識はわかりやすく網羅してるし、馬の乳が夏だけで馬乳酒が夏限定と再発見の部分も
    児童書なので他の本では触れられにくい子供の生活が詳しい、日本語勉強してるのには驚き
    .
    高知モンゴル親善協会の存在は知らなかった、相互に留学者を出してて高知の子供の作文もある
    専門書は範囲が膨大になって情報が混乱する場合もあるが、これはわかりやすくまとめて非常に良かった
    ---
    [14-01-11]
    つの丸扱ってる関連から、射程を乳製品に絞っての調査で紀行文やお馴染みの学者の論文も含む
    石毛直道編著 加賀秀子・長谷川有紀・金世琳・カルピス株式会社基礎技術研究所
    「モンゴルの白いご馳走 大草原の贈り物「酸乳」の秘密」を読んだ
    .
    カルピスの会社が研究してるが、カルピスが元々は大正に馬乳酒を参考に開発してたと知って驚いた
    本なので食べる事は出来ないが乳製品に関しては製法も含めほぼ網羅、チーズなんかとは少し違ってくる
    中央と内モンゴルで別々の紀行文も収録、ここは食べ歩きみたいなもんなので「こんな味がした」との証言もある
    .
    馬乳酒が健康に良いとのデータ部もあるがここらは話半分で、ただ同時期読んだチェーホフにも馬乳酒療法の話はある
    やっぱり本で食べられないのは惜しいが、何気に飲んでるカルピスがモンゴル起源だったと言うのは近く感じられ面白い
    ---
    [13-11-25]
    つの丸扱ってる関連から、これはそのものズバリ図版中心なんで直接に役立つ
    蓮見治雄+杉山晃造 「図説モンゴルの遊牧民」を読んだ
    .
    ラクダがいるので90年代西域エリアの資料、細かい家具等も図版で確認出来る
    更に19〜20世紀に描かれたモンゴルの一日・馬乳酒の祭の図版と解説も付属
    昔は子供が全裸だった事や羊への騎乗、擬人化された馬のはばかり無い交尾など
    .
    巻末は文中心でモンゴルの文化に関してもフォロー、道具の実際も絵で確認出来る
    百聞は一見にはかず、モンゴル馬が実際は不恰好な事等も確認出来て手早く勉強出来る

    ■ 川野美也子訳 フィリス・G・ジェスティス 「中世ヨーロッパの戦い」
    ■ 谷口幸男 訳 「エッダ 古代北欧歌謡集」
    ■ 管原睦・太田かおり訳 「デデ・コルクトの書」
    ■ 護雅夫訳 カルピニ・ルブルク「中央アジア・蒙古旅行記」
    ■ 磯野富士子訳 A・モスタールト「オルドス口碑集 モンゴルの民間伝承」


    Vol 2079[2015-01-30](2015-04-11)
    つの丸扱ってる関連から、荒川弘の戦記物アニメ始まる前に戦争での馬の知識を勉強
    川野美也子訳 フィリス・G・ジェスティス 「中世ヨーロッパの戦い」を読んだ
    .
    先に調べた本は十字軍縛りだったが、これは中世初期から銃器登場まで広範囲に渡る
    資料として残ってる絵が後世に書かれた事や、そもそも資料自体の信頼性など謎の部分も実は多い
    これは戦いというだけあり戦略戦術の変化も追ってて興味深い、誰でも即使える銃が尊重されるのも納得
    .
    先にモンゴル側の資料も見てたのでチンギスハンの扱いの違いも納得いく、資料は客観性が必要
    調べたかったランスチャージも12-13C頃とわかった、地形や状況など戦争が一筋縄でいかん事もわかる
    ---
    [11-05-26]
    成立は十世紀周辺と意外に新しい、ルーン文字の実用期間の長さも驚き
    谷口幸男 訳 「エッダ 古代北欧歌謡集」を読んだ
    .
    文の前後関係の無さ・固有名詞・破損等で噂の通り読みにくいが解説は充実
    事実が元の神話なので、ラグナロクは戦後に予言風にまとめたものと推測
    大食いはよせ等の格言・酒宴の喧嘩などオーディン達は結構庶民派
    .
    シグルス(ジークフリート)の原型になる冒険と、昼メロの様な騎士物語も分量ある
    十三世紀頃の新エッダも一部あり、こちらは物語形式で大変読みやすい
    ---
    [10-12-01]
    副題はアナトリアの英雄物語、現在のトルコの辺りになる
    管原睦・太田かおり訳 「デデ・コルクトの書」を読んだ
    .
    詩人の口承文芸で、二つ名をズラズラ形容したりと読み難い
    海外で15世紀以前の成立で、今ではわかり難い表現も多い
    全部で十二話、イスラム系の遊牧民族と異教徒との戦いが多い
    .
    人質奪還・脱出など、異色な所で死神との遭遇や怪物との戦い
    他文学との関連も解説にあり、地域の特色も出てると思う
    ---
    [14-01-22]
    つの丸扱ってる関連から、13世紀中ごろの宣教師の布教活動も兼ねた旅の報告となる
    護雅夫訳 カルピニ・ルブルク「中央アジア・蒙古旅行記」を読んだ
    .
    元帝国誕生前だがモンゴルの国土は強大、今のトルコの辺りまでもが遊牧の範囲となってる
    当時の欧州の旅行記は色かかりまくってるので正確さは厳しいが、他資料と共通する点もある
    地図と写真はあるが当時の図版が無いのと位置関係が解り難いのも難点、はっきりいって読み難い
    .
    ただ当時の宣教師がスパイの役割もしてた事や、首都カラコルムの賑わいやアサシンの話などもある
    歴史紹介で怪物と戦った話や宗教論争で勝った事を報告したりと、昔の報告は呑気な所も多い
    ---
    [14-02-18]
    つの丸扱ってる関連から、共産圏でロシアに近い研究者も多くこれもベルギーの学者の本
    磯野富士子訳 A・モスタールト「オルドス口碑集 モンゴルの民間伝承」を読んだ
    .
    ちょっと特殊で元は言語学目的の為の聞き取り、訳はモンゴル語独学の手段が発端
    20世紀初頭の内モンゴルより南のオルドス地域、この時点ではもう中国寄りに近くなってる
    なのでモンゴルというより中国圏の話だが、伝播の過程にあるので他国に近い話も多い
    .
    口碑で直訳・訳は抜粋と読み難い部分も多いが、なぞなぞや罵り言葉など多岐に渡り収集
    王様の耳はロバの耳に近い話が目を引いた、それ以後も話が続き最後は反乱で王様やられる

    ■ 「ノーベル賞文学全集 20 イェイツ ショー オニール」
    ■ ウィリアム・バトラー・イェイツ 「イェイツ戯曲集」


    Vol 2077[2014-12-17](2015-04-04)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ウィリアム・バトラー・イェイツ 「イェイツ戯曲集」を読んだ
    .
    象徴主義的のポエム的展開・馴染み薄いケルト神話とアイルランド政治等、最初に書くとこの人はかなり読み難い
    しかしながらノーベル賞の他にアイルランドではお札にもなった人で、向こうの文化圏の人にとっては重要人物となる
    またまとまった形のまとめが日本では少ないながらも人気あるクーフーリン、この人が伝播の重要な位置にいるのもわかる
    .
    神秘主義者でアイルランド人という事を意識しての特異な所もある宗教観や、お化けが沢山出る展開と好きな人なら面白い
    以下各戯曲の解説、本来はディルムッドの戯曲なんかもあるみたいたが全戯曲は収録されておらず解説も概要のみとなる
    -
    佐野哲郎訳 「キャスリーン侯爵夫人」
    悪魔に魂売ったけど天国に行く、これが初戯曲ながら神学者の大ブーイングと大変な事になってしまった芝居 この人のその後を表してる
    .
    松田誠思訳 「心願の国」
    妖精の国に誘われる、これもキリスト教的な価値観から出た芝居と少し異なる 妖精の神隠しはお化け関連で馴染みだが結末は非情
    .
    風呂本武敏訳 「キャスリーン・ニ・フーリハン」
    結婚よりフランス軍、各戯曲の背景の解説等は無いが仏と英は対立でアイルランドは仏寄りの筈なんで政治的なあれと思う
    .
    平田康訳 「スープの鍋」
    ペテンで騙される、これは戯曲で実際に形にしないと何が起こってるか把握しにくいとは思う しかしながら喜劇に属する話で面白い
    .
    田中雅男訳 「王宮の門」
    寝取られ王様、神話に関する話でクーフーリンもそうだが場面抜き出す形で背景知らないと難しいという事となる そしてケルト神話は資料が少ない
    .
    佐野哲郎訳 「影の海」
    解放された海の妖精、これも神話に関する話だが検索しても登場人物のデクトラがイェイツのこれしか出てこない状態でここらが難しい要因となる
    .
    松田誠思訳 「デアドラ」
    寝取られ王様、これも神話関連でこの辺りから文もポエム的な色彩を帯び始めて難しさも加速し始める 文化は背景しらないと難しのも多い
    .
    風呂本武敏訳 「鷹の泉」
    不死身の泉とクーフーリン、クーフーリンの話は概要で知ってはいるがそれでもポエムの様な台詞の数々でかなり難しい事になってくる
    .
    田中雅男訳 「緑の兜」
    クーフーリンと緑の兜、部下が争って調停して兜を受け取る話 クーフーリン調べたのも前だし紹介されてない伝説も扱ってるかもだがこれは文は普通
    .
    平田康訳 「パーリヤの浜辺で」
    クーフーリンと息子の争い、クーフーリンの最後を書いた話ではあるが盲人と阿保などの人物も登場しそこも焦点が当たるので難しい文となる
    .
    佐野哲郎訳 「エマーのただ一度の嫉妬」
    死後のクーフーリンとその妻、舞台演出の指示も特殊で仮面をつけての登場などもあるが能からも影響受けてる事がわかると思う
    .
    松田誠思訳 「砂時計」
    死後の生の証明、これは話的にも波があって面白いしオチ的にもキャスリーン侯爵夫人に近いとも思う 読み易い話も難しい話も両方作れる作家
    .
    風呂本武敏訳 「星から来た一角獣」
    天のお告げで作られた馬車飾り、舞台は神話の時代で無く文も普通の話だがこれも政治的な内容に触れてるんじゃないかと思う所がある
    .
    田中雅男訳 「役者女王」
    クーデーターに便乗して女王となった役者、これも政治背景が背後にありそうな話 戯曲家の話と何か意味ありげな乞食の実際など話的にも流れある
    .
    平田康訳 「骨の夢」 先に読んだ死者の夢なんで省略
    .
    風呂本武敏訳 「カルヴァリの丘」
    キリストの死、先の骨の夢もそうだがこの辺りは再び何もない空間で役者が仮面着けて演技する難しいタイプの話となってくる
    .
    佐野哲郎訳 「猫と月」
    聖人と乞食、これも同様で難しいタイプの話 ここらは台詞も暗示的な場合が多いので説明もし難い
    .
    風呂本武敏訳 「復活」
    キリストの復活と各民族の対話、神話にも興味あるが宗教的な話もテーマによく使われる キリスト教に対しては批判的な面もあるんではと思う所も
    .
    佐野哲郎訳 「窓ガラスの文字」先に読んだ窓ガラスに刻まれた言葉と同じなんで省略
    .
    平田康訳 「三月の満月」
    女王の前での会話、女王が二幕目には踊り子になってるの指示があるがこれも難しめの舞台となる
    .
    松田誠思訳 「大時計塔の王」
    王の前での会話、先と同じでここらの舞台は暗示的な台詞が多いので難しめ
    .
    風呂本武敏訳 「白鷲の卵」
    王の前での会話、こちらは再び神話に題材をとった話となる 専門家も複雑と書いてるので難しいと思ってもいいのかなと
    .
    松田誠思訳 「煉獄」先に読んだのと同じなんで省略
    .
    佐野哲郎訳 「クフーリンの子」先に読んだのと同じなんで省略 最後の作品も多数作ったクーフーリンの話で閉じる
    ---
    [2014-12-14]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    「ノーベル賞文学全集 20 イェイツ ショー オニール」を読んだ
    .
    先に同全集読んでてかさ張るのと重いのを除けば良書とわかってたんで再び、訳が出てない人も多い
    ショーに関しては依然読んでる分だが解説つくんでそれ狙い、最初の解説で岸田今日子版ジャンヌの写真も拝めた
    作品は出来不出来はあると思うが一番良いの選んでる筈なんでハズレも少ない、受賞経緯説明あるのも良い
    .
    今回は1923・25・36の受賞作で最近に近づいてきて候補や作中事件も知った名称が出てくる、こうなると近づきやすい
    以下各戯曲の解説、冒頭の芹沢光治良のエッセイは今回も付属し連載形式になってたみたい
    -
    尾島庄太郎訳 ウィリアム・バトラー・イェイツ「詩抄」
    詩人でもあるイェイツの代表的な詩となる、前提としてこの人のアイルランド=ケルト愛と神話好きぶりが前知識にいる
    クー・フーリンなど探しても資料無かった神話キャラ広めたのはこの人からと納得、ただ部分的なんでちょっと難しいかも
    .
    ウィリアム・バトラー・イェイツ「戯曲」 戯曲はまとめて収録だがこれも当時のアイルランドと英国の政治問題が前提となる
    出渕博訳 「死者の夢」 裏切り者は絶対許せない これが政治問題絡みで愛情よりもイデオロギー第一とこの人が良く出てる
    高松雄一郎訳 「窓ガラスに刻まれた言葉」交霊会のスフィスト お化け扱うの好きな作家らしく納得 死後の世界感も共通
    出渕博訳「煉獄」 繰り返される人生 先の戯曲で提示された考えの延長戦上にある 殺人の記憶を繰り返す死者の煉獄
    高松雄一郎訳 「クーフーリンの夢」 前知識必要だが英雄神最後の場面 これも政治上の事件を前提とした話になってる
    .
    福田恆存・松原正訳 「ジョージ・バーナード・ショー 「聖女ジャンヌ・ダーク」
    先に読んだ者と同一内容で長い序文付きの版、上演前提にしてない場合も多くその上で序文つけてたと解説でやっと理解
    この人に関しては受賞辞退しようとしたなど逸話も特殊、政治的に偏った所も多いがポーズも含む人なんだなと解説も詳しい
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    管泰男訳 ユージン・オニール「喪服の似合うエレクトラ」
    一家にまつわる殺害事件、三幕で一幕は状況発覚遅く退屈な点あるが二幕は裏をどう書くかで緊張有り三幕は悲劇の顛末となる
    これも相関図など解説が充実しててギリシャ悲劇が元な事もわかる、南北戦争や一家にまつわる長い因縁など米人の好みもわかる
    .
    倉橋健訳 ユージン・オニール「毛猿」
    行き場の無い労働者、社会問題を扱いつつ所々喜劇的な面もあるので読み易く、感情移入も出来る救いない展開で良い
    解説の野生の世界の行き場等は時代性含む面なんで指摘されて納得、機械・鉄鋼の発達と労働者なんか時代性の面

    ■ 中込啓子訳 エルフリーデ・イェリネク 「ピアニスト」
    ■ 熊田泰章訳 エルフリーデ・イェリネク 「トーテンアウベルク -屍かさなる緑の山野」
    ■ 谷川道子訳 エルフリーデ・イェリネク 「ドイツ現代戯曲選 9 汝、気にすることなかれ」
    ■ 熊田泰章訳 エルフリーデ・イェリネク 「レストハウスあるいは女はみんなこうしたもの」
    ■ 中込啓子訳 エルフリーデ・イェリネク 「死と乙女、プリンセスたちのドラマ」
    ■ 林立樹訳 エルフリーデ・イェリネク 「光のない。」


    Vol 2075(2015-03-24)
    今回のノーベル賞戯曲調査の中でも収穫だったのが前回のサルトルと今回のイェリネクになる、結論から書きだすと後者は面白くは無い
    以下の読んだ時点で書いた文でも困惑がありありと出てるが、その後色々と考えて自分の中でこの人に関しての意味を見出す事は出来た
    .
    この人の特殊文体は実は日日日や十文字青など一般小説の人も部分的に使ってる、登場人物の内面の思考を表現する時の文体
    しかしこの人の恐ろしい所は、人称が変わろうと状況描写だろうとなんだろうと一貫してその文体で最後まで行ってそれなりに読める点にある
    この人は普通の文も読み難い、またこれと似た文は雑誌の怪の狂人の日記という形のアウトサイダーアートで以前見てるがそれとも異なる
    .
    舞台演出に関する指示でも作者自身が自分の作った物がわかってない様な所も感じられ、見る人によって意味が違っても良い作品となっている
    日本でも上演記録があり案内も誤読を推薦してる、これを先に調べた経緯があったから今回のケラドラマも普段はしない意識した裏読みをしてる
    まあこれも度が過ぎると「ケラドラマがコケるなら政府やゴルゴムの仕業だ」なんて狂った考えにも飛躍しかねず、芸術に近い作品は見る側も相当に覚悟いる
    .
    先のありがたい教えの歪んだ解釈などで絶対では無いが、普通の文体の小説は限界があるとはいえ物事を正確に伝える為の形式になる
    対してこの人の特殊な文体はそれを飛び越えて「頭の中を開いて覗いた様な」を体現した作り、読み難いが既成の文章表現の限界を超えている
    読み難い普通の文も含め、この人の他人と異なる才能は狂人になるか芸術家として生きるかの二択しか無かったんだろうなと思い意味深いものがある
    ***
    [2015-01-07]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    中込啓子訳 エルフリーデ・イェリネク 「ピアニスト」を読んだ
    .
    戯曲のみの予定だが何故高評価が不明なので、この人は特別に映画版がカンヌで賞をとった代表作借りてきた
    親に躾けられすぎた理屈っぽい女性がマゾに目覚めるが注文多すぎてふられる話、マゾはサドも兼任する
    戯曲・普通の文も読み難かったが小説も同様、似た文体を一般作あるいはアウトサイダーアートで見た事も思い出した
    .
    頭の考えがそのまま漏れ出した文は狙ってでは無くおそらく地、それを全文でまとまって出してる所が評価点と思う
    解説など読む側の人も考え過ぎの気はあり過去のドイツ庶民・貴族の文化断絶も考えられさせ、この文体はまだ先がある様に思う
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    [2015-01-01]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    熊田泰章訳 エルフリーデ・イェリネク 「トーテンアウベルク -屍かさなる緑の山野」を読んだ
    .
    訳してる人が解説でちんぷんかんぷんと書いてる様に、本当にちんぷんかんぷん系の戯曲
    ノーベル作家だが映画化されたピアニストなど一般作でも評価されてる、オーストリアの女性作家
    長台詞が続き小説と戯曲の間の様な作りで、複数の個人が出てそこに属する人の意見を述べる形
    .
    ちんぷんかんぷんではあるが世情批判をしてる事はわかる、その為にこの人自身本国でも異端の作家
    ドイツ系列は庶民と貴族の文化が断絶してる話を前読んだが、これもそれ系なのかなぁと思う所はある
    ---
    [2015-01-01]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    谷川道子訳 エルフリーデ・イェリネク 「ドイツ現代戯曲選 9 汝、気にすることなかれ」を読んだ
    .
    先に読んだのは戯曲と言い難い所はあったが、これも同様で一人芝居に近い長台詞が展開する
    一幕二幕は表面的な権力や美なんかを扱ってて、部分的に良い台詞はあるが相変わらず読み難い
    三幕はあとがきで個人的な話で説明もしないとある様に、扱ってる話は場所時代が限定される場合も
    .
    部分的には面白いが全体で見ると辛い部分も多く、引用が多いとあるがそれもローカルと思う所はある
    まあ面白いかは首かしげる部分の方が多く、本人もノーベル賞受賞疑問視してたりと好きな人は好きなんだろう
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    [2015-01-03]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    熊田泰章訳 エルフリーデ・イェリネク 「レストハウスあるいは女はみんなこうしたもの」を読んだ
    .
    夫同伴て見ず知らずの相手とのセックスに参加した夫婦が結局元の相手とやると、これは一応話の筋はある
    ただ他作品と同じで成立してない会話やはっきりしない引用や例えなど、他のこの人の作品と大筋では同じ
    この人の戯曲は意味のわからないのが多数だが、ノーベル賞なんで文芸としての面白さより芸術的な評価かなと
    .
    意味のわからない話ではあるが見てる人が関連を膨らませやすい部分や、言語だと韻等も含まれてる筈
    あくまでこの作家だから許されるんであって普通ならアウト、それが評価された部分で偉いのかなと
    ---
    [2015-01-03]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    中込啓子訳 エルフリーデ・イェリネク 「死と乙女、プリンセスたちのドラマ」を読んだ
    .
    おとぎ話を題材にしてるがそれも表面的な事で、半分は向こう限定の小説や歌が題材になってる
    文章も意味成してない場合が多いが、歌の歌詞として見るなら成立するので何かはあるとは思う
    世情の批判や過去作品に材を取るのはイェイツなんかにも近いが、あの人も詩の人で難解な所ある
    .
    普通の会話自体意味を成さない場合あるが、文章の表現を極限まで突き詰めると無意味になるのかも
    文章自体は引用や関連性を引き出しやすい作りになってるので、その部分で妄想の戯言にはなってない
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    [2015-01-03]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    林立樹訳 エルフリーデ・イェリネク 「光のない。」を読んだ
    .
    日本の震災に材をとってて序文もあるが、訳の問題もあるかもだがこの人は普通の文の段階で読み難い
    内容も4本収録してるがどうとでもとれる内容で、特定の問題を抜き出して批判してるとかでは無いとも思う
    実際に舞台にあげてみてどう解釈するかの問題なので、関連引き出せる単語など素材として面白い戯曲なのかも
    .
    ダンスなんかは意味や物語を乗せ難いとされるがそれを文章でやるとこうなるのかも、歌に近いの意見もそれならわかる
    まあはっきりいって微妙な作品群だが、考えるのが好きな人にはどうとでもとれる分良いのではなかろうか

    ■ 淡徳三郎訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第17巻 ネクラソフ」
    ■ 白井浩司・鈴木力衛訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第33巻 トロイアの女たち」
    ■ 白井浩司・鈴木力衛訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第7巻 汚れた手・墓場なき死者」
    ■ ジャン=ポール・サルトル 「サルトル著作集 第6巻」
    ■ ジャン=ポール・サルトル 「サルトル著作集 第5巻」


    Vol 2074[2014-12-25](2015-03-21)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    淡徳三郎訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第17巻 ネクラソフ」を読んだ
    .
    好みに合ってる事は読み進める事でわかってたが今回も面白い、口先三寸で世の中大混乱させる天才詐欺師の話
    政治的背景も扱ってるがこの人の凄い所はそれが嫌味にならない所、キャラもまるで無責任シリーズ見てる様に縦横無尽
    最初のシーンでは自作のパロディもあるし、詐欺師の天才的手腕も納得いく見せ方で見てるこちらまで真実がわからなくなる
    .
    正体がバレた後も背景設定のおかげで更に一捻りあって、真実が情勢で黒にも白にも転ぶと面白いオチ方
    評論家酷評で大衆に大ウケと言うのも素晴らしい、絶対難しい作家と思ってたのでこんな楽しいの作ってるのは凄い
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    [2014-12-25]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    白井浩司・鈴木力衛訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第33巻 トロイアの女たち」を読んだ
    .
    終盤の戯曲で元ネタもありの作品で少し難しいが、中盤の三角関係のもつれの談話はこの人らしさが出てる
    他にも狂気に囚われたキャラの願望も含む妄言と見せながら、実は図らずも確定してる悲劇の未来を言い当ててるのも面白い
    この作品の真の魅力は冒頭にある作者のギリシャ劇の分析にあるといっても良い、こうやって見るのかとズバリ言い当てる
    .
    不条理作品のみならず最近の漫画・アニメ等の作品にも汎用が利くので、他戯曲の分析とも合わせ観察眼がズバ抜けてる
    学者としての活動が多い人で劇作は限られてるが、この人は元ネタありでも作品ならもっと見たいと思わせて気に入った
    ---
    [2014-12-24]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    白井浩司・鈴木力衛訳 ジャン=ポール・サルトル 「サルトル全集 第7巻 汚れた手・墓場なき死者」を読んだ
    .
    先に読んだものも含むが巻末の解説が異なる、ただこの人に関しては時代背景説明以外無くても問題無い面白さ
    墓場なき死者の方が今回の目当てとなる、この人の話は政治・歴史背景も含むが嫌らしくならないのも良い所
    これも捕まって拷問を待つ組織の人と拷問する側の話だが、そこに恋愛などの人間の感情が関わり極限状態へと至る
    .
    他作にも言える事だが状況の組み方の段階ですでに面白く、思想家でも説明がわかりやすいのも偉い所
    これに関しては人物が複数出るのでそこで混乱する部分もあるが、解説に有る様に他作にも共通の逃げ場の無い話
    ---
    [2014-12-24]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ジャン=ポール・サルトル 「サルトル著作集 第6巻」を読んだ
    .
    先に読んだ5巻が予想に反して面白かったので、読むの辛いなぁと思ってた考えも変わり楽しんで読めた
    この人は哲学よりの人で経歴も特殊な人なんだが、それを作品に落とし込みつつしかも理解しやすくまとめてる
    台詞の端々が気が利いてるのも良く、特に理解しにくい人物・事件を話の展開と共にズバリ分析するのが凄い
    .
    今回は元がある作品を脚色したのや少し難解なのも含むが、扱ってる問題は現代とも繋がり歯ごたえがある
    以下各戯曲の解説、余裕出来たら戯曲以外の著作も読んでみたいと自分に思わせる程に興味深い
    -
    政治的暗殺事件の実際 白井浩司訳 「汚れた手」
    登場人物の考えがコロコロと変わる作品なんだが過程と人物の描写がしっかりしてるのでこういう思考経路かと納得出来る
    事件の真相の部分も面白いしその状況に至るまでの命令出した側の背景も見ててジレンマ誘う、インテリの分析も納得
    .
    鈴木力衛訳 「狂気と天才(キーン)」
    破天荒な役者が人間関係の末に発狂、才能あるけどダメ人間に属するキャラの心理の動きが凄く細かく分析されてる
    少し長い作品だが、劇中劇もありそこでの才能の描写も面白いし最後の発狂してしまう場面も納得 人物の背負った背景も充実
    .
    永戸多喜雄訳「アルトナの幽閉者」
    遺産相続と二階の引きこもり、これは前半が難しいけどじょじょに謎が解けていって狂気から解放されても最後は悲劇と結末も良い
    狂人も含む人物描写は相変わらず冴えていて、お兄ちゃん好きすぎる妹なんて今のラノベみたいなキャラもいる 過程がしっかりしてるのは魅力
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    [2014-12-23]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ジャン=ポール・サルトル 「サルトル著作集 第5巻」
    .
    なにしろ実在主義の偉いお方で哲学の人なんで面白くないだろうなと思ってたが、読んで考えが一変した
    どう選択をなすかの問題だか、どれもちゃんと話として成立してるしどうなるかという意味でもどれも普通に面白い
    難しい問題に踏み込みつつも、物語の中で問題の道筋をわかりやすく表してるし結論も安易でなく考えさせ驚かされる
    .
    もう今は実存主義は過ぎ去った哲学だが、最近の人で考えも現代に近く先に勉強してた構造主義とも繋がり理解出来る
    以下各戯曲の解説、難しそうではあるがいかに正義を成すかの話でもあるんで今の人が読んでも十分イケると思う
    -
    王位を奪われた父王の国へ帰った皇子 加藤道夫訳 「蠅」
    ギリシャ悲劇なんかでよくある話だが考えの道筋や結論は新しい、死や運命をつかさどる神ともいえる存在との対決と論破もある
    元々は復讐は望んでない皇子の決断やいざ事がなされた時の姉・王位を奪った王の苦悶など、難しい問題扱いつつキャラも現実的
    .
    謎の部屋に招かれた三人 伊吹武彦訳 「出口なし」
    もう説明のしようが無いからネタばれを書くが地獄の問題を扱ってる、そこに至るまでも謎としてひっぱってるのが面白い所
    気がついた後も出口の無い状況で何で裁かれるかのかや どう罪が与えられるかなど当時では今までにない解釈、全般で台詞も鋭い
    .
    嘘を強要される娼婦 芥川比呂志訳 「恭しき娼婦」
    これも見てる方をジレンマに追い込む面白い話、良心では悪とされてる事が社会的に正しいと思わされてどんどん追い込まれていく
    他にも基本的に神とか信じてないのが良いしそれが次の思考にどう繋がっていくのかも面白い部分、これは単純に話としても面白い
    .
    富裕と貧困の争いにまきこまれる 生島遼一 「悪魔と神」
    もうタイトルからしてイカしてるが力を持った第三勢力として何をなすべきかで主人公が遍歴していく、選択をいかになすかとこれも面白い
    キャラも元は悪からスタートして周辺にも娼婦や信仰無くした牧師・理論家の銀行員と個性派揃い、対ナチスで活動した筆者履歴と照らしても納得

    ■ 渡辺守章・鬼頭哲人訳 アルベール・カミュ 「カリギュラ・誤解」
    ■ 大久保輝臣・渡辺守章・山崎庸一郎・清水徹・鷲見洋一・松崎芳隆訳 「カミュ全集 9 尼僧への鎮魂歌・オルメドの騎士・ギロチン」
    ■ 塩瀬宏・石沢秀二・滝田文彦 他訳アルベール・カミュ 「カミュ全集 7 十字架への献身・精霊たち・夏」
    ■ 大久保輝臣・白井健三郎他訳 アルベール・カミュ 「カミュ全集 5 戒厳令・正義の人びと」


    Vol 2072[2014-12-19](2015-03-14)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    渡辺守章・鬼頭哲人訳 アルベール・カミュ 「カリギュラ・誤解」を読んだ
    .
    難しいのはわかってるが避けて通る訳にもいかず仕方なくの部分はあるカミュ、結論から書くと辛気臭い
    カリギュラは愛人の妹が死んでトチ狂った王、誤解は姿隠して実家帰ったら親に殺されてしまう話で共に初期作
    現実でもある事件だが、映画のダーティーハリー冒頭に自殺志願の男の話あるが要はそういう事だろと理解してる
    .
    筋自体は単純だが言動や動機などは意味深でぼんやりとしてる加減もあり、結果的に難しい話という事になる
    初演評価は誤解は散々でカリギュラは好調、他書に哲学の話ではないなど本人が書いた解説もある
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    [2014-12-19]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    大久保輝臣・渡辺守章・山崎庸一郎・清水徹・鷲見洋一・松崎芳隆訳
    「カミュ全集 9 尼僧への鎮魂歌・オルメドの騎士・ギロチン」を読んだ
    .
    カミュは一般には小説のイメージなんで、戯曲もこなしてたや早くに事故で死んでる等は今回読んで知った話
    これは他の人の小説・戯曲の翻案になるんで中でも特殊、事件と真実の話と騎士が本願成就するも死ぬ話
    事件と真実は誤解なんかでもあるが宗教絡みに近い話ともいえる、騎士の方は元にあったと思う軽妙な台詞部など
    .
    死刑執行に関する意見のギロチンの他、時事問題に触れたエッセイと戯曲集に関する前書き等数本も収録
    物語系は複雑なんでこの人自身を知るにはそれ系の文は役立つが、偉くなるとしょい込む物も増えて大変ネという印象
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    [2014-12-20]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    塩瀬宏・石沢秀二・滝田文彦 他訳アルベール・カミュ 「カミュ全集 7 十字架への献身・精霊たち・夏」を読んだ
    .
    ケラが参考にしてるのはカフカだが思想一緒でこの人とごっちゃになってた、別書エッセイでこの人のカフカ作の評ある
    この巻は別作家の巡り巡って恋人が皆死ぬ系の悲劇と異色のイタリアのコメディ・デア・アルテ風劇、そしてエッセイとなる
    ノーベル賞取る程のお方なんでコメディとかやっても違和感あるが、政治的活動も含め無理し過ぎた様な感はある
    .
    コメディ劇は恋人の中取り持つべく守銭奴に精霊のペテンかける主人公の話だが、まあ昔風でぼちぼちな仕上がり
    エッセイは紀行文や芸術論なんかになるが、早くに死んでて作品数が少ない部分で祭り上げられてるようにも
    ---
    [2014-12-20]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    大久保輝臣・白井健三郎他訳 アルベール・カミュ 「カミュ全集 5 戒厳令・正義の人びと」を読んだ
    .
    なにしろノーベル賞作家で戯曲に絞っても面白いのかなという感はあったが、代表作収録のこの巻は面白い
    突然の隕石襲来のパニックから人の形取ったペストの恐怖政治を描く戒厳令、もう設定からして興味深い
    そしてテロリストの犯行を追った正義の人びととなる、こっちもこの人の政治活動と関連して人が作品によく反映されてる
    .
    後はエッセイの収録となるが、自分の半生を回想したインタビューや日本での出版に向けたコメント等もある
    作品とも合わせ世が世ならロック歌手になってたんじゃないかと思う所もあり、難しいと思ってたが少し理解出来た

    ■ 畦上司訳 ベッティーナ・シュティーケル編 「ノーベル賞受賞者にきく子どものなぜ?なに?」
    ■ 谷口ちかえ訳 デレク・ウォルコット 「オデッセイ」
    ■ 松田忠徳訳 ウォレ・ショインカ 「神話・文学・アフリカ世界」
    ■ 沼野充義訳 ヨシフ・ブロツキー「大理石」
    ■ 岩本憲児・内山一樹・杉山昭夫・宮本高晴訳 ジェイムズ・モナコ 「映画の教科書 どのように映画を読むか」


    Vol 2070[2014-12-30](2015-03-07)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    畦上司訳 ベッティーナ・シュティーケル編 「ノーベル賞受賞者にきく子どものなぜ?なに?」を読んだ
    .
    演劇関係としては訳が出てないダリオ・フォの代替品となるが、タイトルからして面白い本とわかると思う
    元々の質問もなぜ戦争がおこるのか?など難しい質問となるし、話の過程の中で人生の意義等にも触れる
    空はなぜ青いや地球は何故回るなど科学の分野も充実、子供への説明なので物凄くわかりやすく納得出来る
    .
    自分の中でずっと疑問だった葉緑素を人間は持てないかの謎も解けた、それ以外でも納得出来た事多数
    演劇に関しても不条理は笑いを誘うなど改めて納得出来る部分も多く、賢い人はやっぱり賢いと改めて感心
    ---
    [2015-01-01]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    谷口ちかえ訳 デレク・ウォルコット 「オデッセイ」を読んだ
    .
    ノーベル作家だが単独邦訳は初、アフリカ系の血を引くカリブの人でそれ意識させる台詞もある
    先に同じく依頼で書いた元ネタありのオメロスが好評でその流れ、有名なギリシャの話の新解釈版
    オデッセイの冒険の見所は奇妙な冒険だが、これも現代に飛びSF的な異世界での冒険の話となる
    .
    時事性も盛り込まれ、公演は90年代だが70年代頃のギリシャ情勢を意識した問題定義がされてる
    元が詩人なので読み難い所もあるが元ネタもそういう部分ある、また良い戯曲で元ネタ知らなくても楽しめる内容
    ---
    [2014-12-30]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    松田忠徳訳 ウォレ・ショインカ 「神話・文学・アフリカ世界」を読んだ
    .
    アフリカ人で初めてノーベル賞とった演劇の人だが訳は少なく、唯一出てる評論集で代用する形となる
    要は西欧視点での物の見方や評とは違う見解や、ノーベル賞自体への懐疑も含む思想的な部分の強い書
    ぶっちゃけて書くと訳の出てない書籍を解説も少なく扱ってるので、読み難いし原著出版も70年代と古い
    .
    資料が少なくこの人の考えが後にどう影響与えたかも不明だし、それは主旨の西欧至上主義批判にも繋がる
    演劇に関して触れた項では、今の見解が一般化する以前に神話がどう扱われたかを考察していってる
    ---
    [2015-01-09]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    沼野充義訳 ヨシフ・ブロツキー「大理石」を読んだ
    .
    元々ロシアからの亡命者で詩が専門の人なんで、ノーベル賞作家だが戯曲はこれ一本だけとなる
    未来の充足した監獄で囚人が他愛ない会話する話、こういうのは微妙になりがちだがこれは退屈な点無い
    結末等もぼんやりしているが脈絡無い展開という訳でも無く、二人が一つの事案巡りあーだこーだと話する
    .
    どーしてそうなったみたいに思わせる所もあり、深刻な問題扱ってても軽さがあるので喜劇的ともいえる
    しっかり読んで意味を見出す事も出来るだろうし、ぼんやり読んで馬鹿馬鹿しい会話だなと読む事も出来る
    ---
    [13-08-23]
    いいかげんちゃんと勉強しようと借りて来た、元を忘れたが推薦図書の一冊
    岩本憲児・内山一樹・杉山昭夫・宮本高晴訳 ジェイムズ・モナコ
    「映画の教科書 どのように映画を読むか」を読んだ
    .
    最初らへんに読んだ資料になるが、後の本でもある構図・効果など基礎知識は押さえてる
    どちらかというと映画の歴史に関する記述が多め、その中で有名トリビアも多数収録
    外国の映画史が中心になるが外人評価の高い小津の話も、あれは演出を見る監督みたい
    .
    スターの項も存在する、演技力の他にシンボルになれるかの話は注目してなくて新発見
    技術論というより原題どおりのどう読むかに重点が置かれてる、取っ掛かりとして適切

    ■ 話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第1集」
    ■ 話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第2集」
    ■ 話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第3集」


    Vol 2068[2015-01-07](2015-02-28)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第1集」を読んだ
    .
    集でまとめられてるのは文量や本のサイズが想定外の事も多く避けたかったが、これは薄く助かった
    いろいろと政治的にややこしい中国だが、この本に収録の高行健はノーベル文学賞受賞者となる
    10年の活動家への受賞に中華が反発して孔子平和賞始めたが、ノーベル賞も含め結局は政治とわかる
    .
    高行健も今は解除されてるが発禁になってた作家、所詮中国は中国でそれと関連した作品もある
    以下各戯曲解説、高行健の作品はなんだかんだいってズバ抜けてる所はある
    -
    牧陽一郎訳 孟京輝 「思凡」
    情愛を巡る人々の談話、原点がデカメロンとあるが特定されていない空間でのその様な作りとなる
    中華文学は個人の話に焦点を絞った様なのが多いがこれもその流れかなと、性に関する規制ギャグは中華的で狙い過ぎ
    .
    瀬戸宏訳 高行健 「逃亡」
    戦争状態下での三人、明確に明示はされてないが89年の天安門事件が題材にある事はわかり体制批判となる
    それだけでなく極限状態での三人の関係などもあり面白く読める、解説に少し色かかってる所ありそこも中国だなと
    .
    菱沼彬晃訳 過土行 「鳥人」
    鳥を飼う閑人と精神科医、香港のコメディ映画で精神病院の状況はよく出るかギャグの伝統としてあるんだろうなと
    台詞の中に米・日などの敵対国への批判があるが自分を一番と思ってる国らしい、単純に喜劇としての部分の方が強い
    ---
    [2015-01-07]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第2集」を読んだ
    .
    一巻の高行健がなかなか良かったのでこれも安心して見れた、狂人を出す状況は多い
    中国は閉ざされた部分も多く何を考えてるかわかり難い所もあるが、表に出てる香港映画等と似た所も多い
    現代風の演劇の始まりは日本からの帰国生が始めてる場合が多い、国内では無理な所も多かろうと
    .
    同じ共産圏でもロシアは文芸で有名作ある点と比べて違うのも興味深い、庶民の力がそれなりに強い点もある
    以下各戯曲解説、結果的に難しい題材扱ってても面白く観易い仕上がりになって読み易い部分はある
    -
    内山鶉訳 錦雲作 「犬おやじの涅槃」
    土地を巡るおやじの歴史、先に書いた歴史と個人を結びつける伝統に従いこれも歴史の移り変わりと人物の話
    国で評価もどうとでも出来る所だが中国では大絶賛なのもある意味納得、展開は暗いが悲壮な所無いのもらしい
    .
    飯塚容訳 高行健 「バス停」
    バス停で無限の時を待ち続ける人々、ゴトーが原点となるがあっちより断然わかりやすく面白いし考えさせる所も多い
    最初の普通の会話部や異常な状況で混乱に陥る所から最後の詩的な展開、なおも待ち続ける結末など楽しんで読めた
    .
    有澤晶子訳 李龍雲 「月光ふりそそぐ荒野」
    歴史にまつわる個人と恋愛、解説に読者が途中で読むのやめるかもとあるが実際ややこしく退屈で微妙な所ある
    ただスペインの史劇みたいのには近く、体制批判してる所から当局からマークされたともありなかなか骨のある作家に思う
    ---
    [2015-01-08]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    話劇人社中国現代戯曲集編集委員会編 「中国現代戯曲集 第3集」を読んだ
    .
    目当てがノーベル賞とった高行健だが他戯曲は図書館にも無く、続刊出てるがここまでとなる
    政治的な色帯びた作品が多めだが中国は他ジャンルもその傾向あり、国でどうとでもなる様も含めらしい
    云ってる事が良いかどうかは時代が決めればいいが、これ系統はどう転んでも偏った感じとなる
    .
    自由に物言える国では無いので、そういう事も含めて中国はなかなか難しい所あるのかなとは思う
    以下各戯曲感想、全集系で辛いと思ってたら量数が多くなかったのはある意味助かった
    -
    平松正子訳 沙葉新・李守徳・桃明徳 「もしもぼくが本物だった」
    実際の身代わり事件を元にした顛末、最初に客席を引き込む為の工夫があるがこういうのは嫌らしい所もある
    政治の事件が元だが国の加減で評価も自由自在で、そもそも上演前に国にお伺い立てねばならん事も解説でわかる
    .
    菱沼彬晃訳 過土行 「棋人-天道無頼録」
    死者の頼みで勝負に挑む、先の鳥人と同じ作家で解説は大げさに書いてるが香港格闘映画でよくある筋ともいえる
    この人の主義の部分で娯楽作に寄らせながら意味深い事描くのはある意味偉いし、決闘の顛末も興味深くなる様作られてる
    .
    内山鶉・瀬戸宏訳 高行健・劉会遠 「非情信号」
    列車強盗と恋人、デビュー作だが2作目1作目のバス停は国にストップかけられて比較で何が国に褒められるかわかる
    結果的に最後は模範的な中国人に求められるオチとなるが、内面の描写の為の演出など凝った部分もある

    ■ 白澤定雄訳 ルイージ・ピランデッロ 「ピランデッロ戯曲集 1」
    ■ 白澤定雄訳 ルイージ・ピランデッロ 「ピランデッロ戯曲集 2」
    ■ 中本信幸訳 ニージニー 「エイゼンシュテイン映画演出法講」
    ■ 山口 昌男 「のらくろはわれらの同時代人 山口昌男・漫画論集」
    ■ 山口 昌男 「スクリーンの中の文化英雄たち」


    Vol 2066[2014-12-28](2015-02-21)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    白澤定雄訳 ルイージ・ピランデッロ 「ピランデッロ戯曲集 1」を読んだ
    .
    戯曲縛りで借りてきてるがこの人は小説もこなす、ノーベル賞作家とはいえ全作邦訳されてないのは惜しい所
    小説含め結構な量をこなしてる筈だが安定して面白く、扱ってるテーマも変に気取って無くてなかなか良い
    この人の凄い所は中盤の謎かけによる引きの強さ、出だしはスローでも読んでるとこれはどういう事と引き寄せられる
    .
    気取ってない分軽い部分もあるんだが、仮に娯楽作家として見るならハズレ無いし評論家より聴衆に人気あった作もある
    以下各戯曲の感想、あんまり難しい話連続して読むのもシンドイので喜劇が上手い作家ってのは大きい
    -
    「(あなたがそう思うなら)そのとおり」
    姿を見せない花嫁の謎、ミステリーな話だが引きが滅茶苦茶強く世間の目と実際の幸福について投げかけてる
    幕間ごとの「真実とやらは?あ は は」の台詞も来る、言いたい事は最初に出てるが知らぬが仏は他作品とも共通する
    .
    「考えろ、ジャコビーノ」
    老人の元に嫁ぐ恋人同士、静かな幸福を求めただけの老人が世間の目で苦労する話で世間と実際の幸福の話となる
    なかなか登場しないジャコビーノ他人物たちが迷う様もわかるし、最後に神父に向かって爺さんが云う台詞も爽快
    .
    「リオラ」
    独身子だくさん男と恋人、これも世間体と実際の幸福とは何かの話となる 主人公のリオラの好人物ぶりが印象的
    少し複雑な部分もあるが登場人物を葛藤状態に上手く追いこんでる、男を見せる主人公の結末も哀しく良い所
    .
    「大甕(おおかめ)」
    ツボの中にいる、この手の話は大好物なんで滅茶苦茶面白かった 最初はパニックだが展開に応じて心境も変化
    キャラが類型化されてる所もあるが軽い喜劇なんでそれで充分、敵役に一泡吹かせてやる結末も楽しい
    .
    「狂人の帽子」
    犯罪に巻き込まれた使用人、解説に同作者の似た傾向の短編の話も収録されてるが知らぬが仏を貫く作品
    中盤のネジを巻く話など本筋と関係が薄いセリフも利いている、最後の狂言芝居にいたる所も馬鹿馬鹿しくて良い
    ---
    [2014-12-29]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    白澤定雄訳 ルイージ・ピランデッロ 「ピランデッロ戯曲集 2」を読んだ
    .
    20世紀初頭の人なんだが今回は代表作にもなる、メタ的な話やハプニング的な戯曲が収録されてる
    巻末に年表あるが自伝や死後の伝言も虚構や演出ある所や、嫁さんが精神病んでた事は注目出来る
    共通で頻出するテーマもあるが、狂気を使って現実を疑問視したりする所はノーベル賞向きとは思う
    .
    ただ今回は自分の演劇論に触れた序文付きが存在し、あからさまなそっち系は批判してるのは面白い
    以下各戯曲の感想、読めた分を通して書くと難しくなりそうな所もあるが娯楽的な事も考えてるのが偉い
    -
    作者を探す六人の登場人物
    演じてもらいたい虚構の存在、これは単純に喜劇としても面白いし読んでると何が現実かわからなくなる点でも良い
    序文の他解説で初演時に客席が乱闘もある大混乱に陥ったとありロック、創作がいかになされるかの点でも興味深い
    .
    エンリーコ四世
    狂気に囚われた男性、最初にこれはお芝居かなぁと思わせて中盤から実はな展開に発展し現実を疑問視する作品
    狂気はよく扱うテーマだが、複雑さや暗い点もあるがこれも真実が発覚してからは笑わせる場面もありつつで面白い
    .
    今宵は即興で演じます
    作者を探すの延長戦上にあるともいえるがメイキングを舞台上でやった作品とでも言えば良い、同時期演劇に似たものもある
    舞台上の舞台に関していうとちゃちゃが入るので読み難い点もあるが、六人と比べると状況はわかりやすいともいえる
    ---
    [2014-11-26]
    戦艦ポチョムキンなんかのサイレント時代の露の有名監督、日本では戦争の影響で代表作公開も遅れてる
    中本信幸訳 ニージニー 「エイゼンシュテイン映画演出法講」を読んだ
    .
    大学での講義を抜粋してまとめた形となるが、以前読んだ同国スタニフラフスキーの講義とも似てる印象
    課題を出して学生と一緒にどう演出するか考えてく方式だが、整備された提示で無く読み難い部分もある
    前段階での考え方と共に現状の映画の講義本がいかにまとめられてるかもわかる、演劇が基盤の感じ
    .
    音楽もついてない時代の映画の考え方で今参考にするには難しい気もするが、綿密に計算されている
    弟子に有名な人いると良かったが、講義後に事前に一生懸命解答を考えてから出題してる話は良い
    ---
    [2014-12-12]
    つの丸扱ってる関連の派生から、先に映画の本書いてるのに感心して漫画の本も書いてると知り借り出し
    山口 昌男 「のらくろはわれらの同時代人 山口昌男・漫画論集」を読んだ
    .
    90年代に漫画評論ブームはあったと思うが、それに先駆け90年出版だが50年代後半からの論評収録と早い
    扱ってる書籍も後の評論で扱われる本を先行してるし、内容も文化人類学の人なんで深く読み応えがある
    手塚以前の漫画の人なのも目新しいし、白土三平等との対談もあり聞き手の知識量から話広げられる点も良い
    .
    小松和彦より上だが水木サンもほぼ全部読んでて、そこから83以前は水木サンが文化人類学読んでなかった話が興味深い
    神とモドキの話も目をひいた、扱ってる作品も海外作品など珍しいのも多く90年代の他論考もこれが原点と納得
    ---
    [2014-11-27]
    映画関連の資料検索してたら見つけて、文化人類学の人がこんなの書いてたのかと少し驚いた
    山口 昌男 「スクリーンの中の文化英雄たち」を読んだ
    .
    最初はエッセイの中の一本ぐらいかなの気持ちだったが、厚い量でがっつり映画を分析した本で読みごたえあった
    文化人類学専門にしてる人なんで、感想も神話や社会等に結びつけたりして個性的かつ濃く幅広い内容になってる
    日では70年代にキートンが上映されたなど当時の事もわかる他、扱ってる映画も新しめの作品と解説付きでわかる
    .
    フリークスなんて濃い映画の他に自分も好きなキートンを良く扱ってるのも嬉しいし、当時の文化人の思考もわかる
    内容的にも下手な映画研究より濃いし、昔の世代の学者は遠く感じるが映画好きの面もあったのかと思うとぐっと近く感じた

    ■ 「ノーベル賞文学全集 19 ビョルンソン エチェガライ ハウプトマン ベナベンテ」
    ■ 江間道助・笠井鎮夫訳 「ノーベル賞文学叢書 14 主人と犬・海上を飛んだ胡蝶」
    ■ 渡辺鶴一・佐久間原・高橋正武訳 ジョゼフ・ラドヤード・キップリング、ホセ・エチェガライ・イ・アイサギレ
    「ノーベル賞文学叢書 13 印度物語・ジャングルブック・狂か聖か」
    ■ 逸見広訳 ゲアハルト・ハウプトマン 「ノーベル賞文学叢書 16 女人島の奇蹟」


    Vol 2064[2014-12-12](2015-02-14)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    「ノーベル賞文学全集 19 ビョルンソン エチェガライ ハウプトマン ベナベンテ」を読んだ
    .
    全員ノーベル賞取ってる戯曲家だが日本での翻訳は少なく、時代も20世紀初頭と知らない人中心
    本来はある程度数見ないと判断も下し難いが、ノーベル賞系はイマイチかもという考えを覆す秀作揃い
    これは解説も充実してて選考での協会の文章や、作家の詳しい解説と作品年表も付き理解しやすい
    .
    ノーベル賞取ってる作家で実力は折り紙付きだが翻訳は少なく、国によって評価は違うんだなぁと
    以下各戯曲の解説、最初にオマケで戦時下の芹沢光治良のエッセイあるがこれも面白かった
    -
    毛利三彌訳 ビョルンスチェルネ・ビョルソン 「人の力を超える者(1883・1895)」
    2部構成で1部は奇跡の人とその家族・2部はその子供達と貧富差の闘争の話、共に信仰を主題にしてる
    キリスト教べったりだと昔の人だがこれはそれらを疑問視してて、この時代では新しいし筋も面白い
    2部が出来悪いと解説されてるが信仰の自爆テロの話とも取れ、時代背景もあるがそれを超えてるとも思う
    .
    篠沢真理訳 ホセ・エチェガライ・イ・アイサギレ 「拭われた汚辱(1895)」
    筋自体はありがちな三角関係のメロドラマなんだが、キャラの関係性が複雑で描写も深い仕上がりで読み応えある
    性質の異なる女性二人が対立するって状況も面白いし、ネコ被ってる女性の描写など人物が一面的に仕上がってない
    .
    秋山英夫訳 ゲアハルト・ハウプトマン 「沈んだ鐘」
    妖精の娘と結婚した鋳鐘師、元のアイデアが嫁さんと上手くいかなかった事からというのに驚き よくこの話に転換しえた
    妖精達の描写も面白いし異種間結婚の話で日本でも馴染み深く凄く合う、童話劇なんだが最後のオチも含め感心
    .
    秋山英夫訳 ゲアハルト・ハウプトマン 「ソアーナの異端者」
    異端に魅入られた神父、これだけ小説で読まないですまそうと思ったが少し読んだら面白くて最後まで読んでしまった
    シェークスピア・ゲーテに影響受けた作家でデーモニッシュという単語がまさに当てはまる、昔の人の宗教観を超えてる所ある
    .
    荒井正道訳 ハシント・ベナベンテ 「美徳を裏切る人びと(1905)」
    厄介者は去る、話自体は停止状態に近いとも言えてチェーホフに似てると思う所もあるが喜劇出身らしくこの人の方が自分に合う
    社会批評としての評価から台詞の端々に気の利いた台詞も多く、多作でこのクオリティ維持してたならこれは凄いぞと感心してる
    ---
    [2014-12-17]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    江間道助・笠井鎮夫訳 「ノーベル賞文学叢書 14 主人と犬・海上を飛んだ胡蝶」を読んだ
    .
    トーマス・マン「主人と犬」目当てはもう一本の戯曲の方だが併録だしせっかくなんで読んだ 普通の小説となる
    1941年に出版された本の06年の復刻版で文も読み難い当時の作り、飼い犬との日常と事件の話になる
    ハシント・ベナベンテ「海上を飛んだ胡蝶」 この人の戯曲はチェーホフぽいと思う所あるが今回もそれに近い
    .
    女優に振り回される才能ある人物とその女優の果ての話となる、わりと平坦な展開だが退屈する所が少なめ
    喜劇的な雰囲気がどこかにある所やセリフの端々が気が利いてる加減かなとは思う
    ---
    [2014-12-19]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    渡辺鶴一・佐久間原・高橋正武訳 ジョゼフ・ラドヤード・キップリング、ホセ・エチェガライ・イ・アイサギレ
    「ノーベル賞文学叢書 13 印度物語・ジャングルブック・狂か聖か」を読んだ
    .
    キップリングは今回対象外だがせっかくなんで読んだ、代表作という事だが共に抜粋訳で完全版では無い
    昔の本の復刻版で文も昔のままで虎列刺(コレラ)なんて文字出てくる、英統治の印にまつわるよもやま話
    ジャングルブックは途中で藤子版の漫画読んでた事思い出した、省略しすぎだが動物使った時代批判の面ある
    .
    訳はすくないが先に読んだのが面白かったエチェガライ、出生の秘密にまつわり父親がオカシくなる話
    真実が暴かれて悲劇に至るタイプの話だが、実際の所がどうなのかはボカしててその部分で記憶に残る
    ---
    [2014-12-19]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    逸見広訳 ゲアハルト・ハウプトマン 「ノーベル賞文学叢書 16 女人島の奇蹟」を読んだ
    .
    先に読んだ分が面白かったんで期待したらこっちは小説、対象外でスルーしようと思ったがせっかくなんで読んだ
    女性だけで無人島に漂着ショタが一人だが原因不明に次々妊娠という話だが、昔の作品という所で設定に無理ある
    本来は女性による人間の始まりと変化を描きたかった感じだが、今なら無人惑星に漂着とかの方がいいだろうなと
    .
    そういう点を無視すると面白い要素はいろいろとある、妊娠の件の他にも一角獣の訪問など不思議な事がおこる
    対立と闘争など激しい部分は少なく文も討論的な部分が多いが、男性と女性で分断され最後の結末などは見所

    ■ 鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第4巻」
    ■ 鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第5巻」
    ■ 鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第7巻」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か1 その社会学的考察(原書版3巻)」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 2 映像言語の問題(原書版1巻)」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 4 映画と他の諸芸術(原書版2巻)」
    ■ 小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 3 現実の美学・ネオ=リアリズム(原書版4巻)」


    Vol 2062[2014-12-11](2015-02-07)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第4巻」を読んだ
    .
    戯曲の青い鳥でノーベル賞取ったお方、まあ児童向け改訳の青い鳥以外では知らない人になる
    この本自体も特殊で1920-22年の本を1989年に復刻したもので、当時の言葉使いの『ゐ』『せう』など
    また印刷も当時を再現して古めかしく文が中央に来ると寄ってたりする、普通に今の印刷でも良かった
    .
    目当ては戯曲だけなんで戯曲収録してそうな巻を狙い撃ちして読んだ、解説等は付属してないのも厄介
    以下各戯曲の簡単な感想、本来は代表作の青い鳥とは違う内容この人の主の作風ではある
    -
    王の錯乱の果てに姫が死ぬ 「マレエヌ王女(1889)」
    姫が隠れて王が錯乱してる状況で最後助かるんだろうなぁと思ってたら全員死ぬ、この人の作風は基本これ
    他作でもいえる事だが恋人がイチャイチャしてる描写にはやたらと尺を取るので、ありがちなメロドラマ風にも感じる
    .
    三角関係の果ての死 「アグラベイヌとセリセット()」
    解説も年譜も付いてないのでネットで確認して分かった作は発表年書き込んでいってる、訳は全て鷲尾 浩訳となる
    これもイチャイチャ描写は長く頻出単語は作品全般でキッス・キッス大好き戯曲家、この人は基本最後死ぬメロドラマ
    .
    恋人が死ぬ「ペレアスとメリサンド(1892)」
    中盤の長い髪を垂らす所は類似のモチーフもあると思う、この人の台詞は全般に思わせぶりな所も多い
    象徴主義の代表作家とわかって納得、不条理劇からの流れで読んでたので狙ってそういう話作ってたんだなと
    .
    盲人の群れ「群盲」
    これがその不条理系の劇に近い作品と強く意識した作品、盲人たちの恐慌状態と異常な設定で広く意味を取れる
    マレエヌ姫の中に七人の尼が出て意味深な台詞話す所あるがその延長とも云える、意味深さが常に死に近いのは幅が狭いとも
    .
    王子が来るが本命の王女は死ぬ「七王女」
    これも設定を詳しく描写せず意味深な雰囲気にしてるがまた人が死ぬ話、これも先の七人の尼に近く意外と芸幅は狭い
    グッドエンドならハーレム展開にも近いがそれに近いのも別作である、尼と姫への傾倒と更にその中から一人選ぶ等も
    .
    弟が死ぬ「タンタヂールの死」
    また人が死ぬ話だがこの人の戯曲は恋愛話と三角関係と人死ぬ話が基本、連続して読んでると正直疲れてくる所もある
    まあわかりやすいメロドラマと思わせぶりな所がウケたんだろうなと、ノーベル賞系の劇は思わせぶりなのが結局ウケる
    .
    像が尼の身代わり「ベアトリース尼」
    奇跡系の話で昔の人らしくまだ聖書に捕らわれてる、聖書題材にした話読むと昔の人だなーと感じてしまう
    尼さんへの傾倒は他作とも共通するが像が仕事してる間は本人は遍歴してる、まあ信仰心の話ではないだろうか
    ---
    [2014-12-11]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第5巻」を読んだ
    .
    この巻に有名な青い鳥は入ってる、概要しか知らなかったので改めて読んでこんな話だったのかと
    他作では恋愛と死をテーマにメロドラマ展開してるが、青い鳥はこの人の中でも少し特殊気味な話となる
    続編の存在も知らなかったが一気に俗っぽい話になって、50代での青い鳥はこの人にとっても奇跡の一作
    .
    後に盗作と非難される作品作ったり政治信条から極端な発言残したりと、過大評価された作家と思う所もある
    以下各戯曲の簡単な感想、時代的に20世紀初頭でこの時代には他に有名な戯曲家も多数存在
    -
    聖者不救出の顛末 「マクダラのマリヤ」
    聖書題材にしてると昔の人、キリストをあのお方と描写したりとしてるとなおさら時代がかってくる
    これも結局は三角関係の話になる、他にも死体が蘇った話など後の作品と関連した展開もある
    .
    恐れる家族「闖入者」
    これも意味深な台詞が多い状況を特定してない芝居、セリフの端々に良いのはあるがそれもこの人は稀
    まあ意味をどうとるかで、コレ系は大した事なくても過大に意味取られる所はあるんだろうなとは思う
    .
    子供の冒険「青い鳥」
    意味を特定してないし結論も出してないとも云えるが、これはかなり分かり易いし単純に冒険してく様が面白い
    一番印象に残るのが死と誕生にまつわる世界での旅でこの人の持つテーマは継承、ある程度のわかりやすさは重要
    .
    引き裂かれた恋人と死「アラヂンとパロミイド」
    またもお馴染みのイチャイチャ描写に長く尺とって最後は死ぬ話、最初は驚くけどそれが続くとまたこれ系かとも思う
    タイトルで想像したがアラビアンナイトとかとは特に関係は無い、まあ恋人のイチャイチャセリフ書くのが好きだったんだろうなと
    .
    何かを恐れる人々「内部」
    闖入者のバリエーションで、これも特に状況を設定せず何かへの恐れを意味深な台詞で構成してる
    実際は作家が何も考えてない場合もあるので自分は意味深な台詞はあまり高くはとってない、好きな人が好きなのはわかる
    .
    聖者が人を生き返らせる「聖徒アントニユスの奇蹟」
    ギャグ系の話はあまり書かない人なんでこれは異色でなかなか面白かった、生き返った人もヒドイ奴なのが良い
    最後に病院から抜け出して来た人かもしれないと匂わせるのも好き、聖書系でもこういうのもっと作れてれば良かったのに
    .
    青い鳥の続編「婚約」
    前作の魔女が好きな奴いるんだろ?と訪ねて来て、次々意中の相手挙げて最後は隠しヒロインとかどこのハーレムアニメかと
    凄く俗っぽくなってるが逆に良い、乞食も含むヒロインの従妹率の高さやミチルをなかなか出さないとか面白い所多かった
    ---
    [2014-12-11]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    鷲尾 浩訳 モーリス・メーテルリンク 「メーテルリンク全集 第7巻」を読んだ
    .
    一気に戯曲だ読める様に全集で借り出してるが取りこぼしたのもあると思う、まあだいたいの傾向は掴めた
    今回は詩と評論も含む この人の基本は人が死ぬ系のメロドラマ、ノーベル作家だが本来は大衆向きではとも思う
    代表作だけではその人がわからない場合もあるが今回は特にそれを強く感じた、青い鳥はこの人の中でも特殊
    .
    全然知らない作家だったのでいい機会になった、いつの時代も人死ぬ系のメロドラマはあるんだなと
    以下各作品の簡単な感想、復刻版なのはともかく解説や年表がついてないのは面倒だった
    -
    寝取られ妻の策略「モンナ・ワ゛ンナ」
    戦乱を収める為の状況での三角関係の話となる、昔からフラグが立ってたは婚約なんかにも繋がると思う
    先に似た様な話を散々見せられてるのでああこのパターンかと、ベアトリース尼なと寝取られ妻に対しては甘い作家
    .
    テンペスト風で四角関係「ジョアイゼル」
    最後敵同士は父子でしたとか唐突な展開もあるが、父だけに見えてる精霊などこの人らしい変な所もある
    これも寝取られに関連してるかも知れないが相変わらず女性に甘い、最後年上が敗北するは定型の展開とも
    .
    無実の罪で処刑の市長「スチルモンド市長」
    結局犯人はわからずじまいのまま終わるが、先のジョアイゼルの唐突な展開などあんまよく考えてないじゃという所もある
    この人が見せたいのは死に向かう人間の心情だったり規則の厳守だったりして、まあ宗教ネタ書く人らしいなとも
    .
    「ルイスブローク」
    検索しても出てこないルイスブロークさんを褒めてる論評だが、スウェーデンボルグの名が出て神秘主義のお方とわかる
    この人は神秘主義の影響も受けてて、そこで作品での思わせぶりな台詞の意味合いもわかってくる
    .
    「詩集」
    初めての詩作の筈の温室なんかも含む、まあ昔の人で神秘主義の影響受けてる人なんでぼちぼちといった所
    詩作は劇での思わせぶりな台詞とも関連してるとも思う、後に有名になった様な詩は特には無いとも思う
    ---
    [2014-11-23]
    50年代の難しくものを考える仏の訳本という事で難しい部分も多いが、参考図書としてよく挙がる本
    小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か1 その社会学的考察(原書版3巻)」を読んだ
    .
    トリュフォーを支援してヌーヴェルヴァーグを評論という形で支えた、映画史の中では重要な位置の評論家
    ただ古い本で社会学等の学者という訳でも無いので今読むと辛い所は多い、扱ってる映画も古いの中心
    まだ映画の社会的な評価が低い時期な筈なんで気負った所も感じさせる硬い文、この巻は主に内容に関して
    .
    古い作品で内容に関しての説明も無いので難しい所はあるが、西部劇と騎士物語の関連の話は興味深い
    神話との比較などから継承されてる点や違いを説明して、映画が新しい分野という事もよく解説してる
    -
    [2014-11-25]
    2なのに最初に序文がついておかしいと思ったら、発表順と日本で訳した順が狂ってたという事
    小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 2 映像言語の問題(原書版1巻)」を読んだ
    .
    1を最初に読んで読み難かったのにも納得、日本語訳の2→4→1→3が本来の順番となる
    最初に映画の発生に関して述べて、ドキュメンタリー作品がフィクションに移行する様から話始めてる
    以降演劇→社会性の順になり、序文でも最初に概要を説明してるのにそれが抜けてるので混乱する
    .
    また作者がドキュメンタリーから、演出過多のドキュメンタリー風フィクションを否定してる事が最初に理解必要
    古い作品中心だが今も有名なのも含み、またスコットなど実際の冒険の記録映画が壮絶な様も初めて知った
    -
    [2014-11-25]
    前述通りこれが本来の順では2となる、本来は2になる1を最初に読んだがネタの前ふりを事前にしてた事となる
    小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 4 映画と他の諸芸術(原書版2巻)」を読んだ
    .
    この時点で映画以前に存在して有力な表現が演劇だったので、そこの比較から論を開始してる事となる
    1でも映画が既成のメディアを超えうる話を展開してるが、それがここで事前に展開されてたのが前提
    また1で内容のみで技術的な事に触れてなかったのも、この巻で先にカメラの移動等に触れてたのが最初
    .
    また絵画と映画の関連性にも触れて、ピカソのドキュメンタリーを褒めてる事も1のドキュメンタリー重視につながる
    例に出す映画が古いがその一方で吸血鬼ノストラフェに触れてたり、リアルタイムでの表現主義への言及もある
    ---
    [2014-11-26]
    日本刊行順は本国とは違うのでこれが原書の最終巻となる、死後に編集された一冊
    小海栄二訳 アンドレ・バザン 「映画とは何か 3 現実の美学・ネオ=リアリズム(原書版4巻)」を読んだ
    .
    この巻は自転車泥棒や道の他に、フェリーニ・ゴダールなど知ってる映画の話も出てついていけた
    ヌーヴェルが確固して中篇小説という訳出になってる他、今の代表作ではなくその前段階に当たる作品を扱ってる
    原書の順番に読んでかないと混乱するが、先の巻での批評を前フリにしてここで統一させた文章
    .
    これも最初の巻で書かれた現実の重視は、ヌーヴェルヴァーグの代表作とも重なって線も繋がった
    カンヌ含む仏の映画評価の基礎がここだと考えると、たけしの映画が仏で評価されてるのにも納得出来る

    ■ 清野暢一郎訳 ユージン・オニール 「夜への長い旅路」
    ■ 「世界文学全集 75 現代世界戯曲集」
    ■ 石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集1 受難像」
    ■ 石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集2 苦難に満ちた物語」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集3 ホルドゥバル」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集4 流れ星」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集5 平凡な人生」
    ■ 石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集6 外典」
    ■ 田才益夫訳 カレル・チャペック「カレル・チャペック童話全集」
    ■ 飯島周訳 カレル・チャペック「絶対製造工場」
    ■ 栗栖継訳 カレル・チャペック「山椒魚戦争」


    Vol 2060[2014-12-19](2015-01-31)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    清野暢一郎訳 ユージン・オニール 「夜への長い旅路」を読んだ
    .
    先に読んだ本の加減からまた筋の複雑な犯罪物かなと期待も薄かったが、最高傑作と云われるのも納得の良い出来
    最初は家庭の描写で退屈だが、中盤から弟の病気の話が出て実はそれよりもっと厄介な事抱えてるのが判明していく
    それも一気に明かすんでなくこっちに推察させる形なんで引き込まれるし、最後は分かり易い形で提示もされる親切な作り
    .
    最後は本当に哀しい話であまり動じない筈が少し目が潤んでしまうほど、だが単純なお涙頂戴で無く異常な裏のある母の話
    作者自身の家庭環境を反映した話らしく、死後しばらく発表するなの指示もあった訳ありものだがそれだけに濃い
    ---
    [2014-12-16]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    「世界文学全集 75 現代世界戯曲集」を読んだ
    .
    複数収録、ノーベル賞作家戯曲固めで読んでるが資料から読んでみたかった戯曲も入ってたの選んだ
    現代とはなってるが20世紀最初の作品中心となる、どれも演劇関連では重要視されてる戯曲家
    この手の教科書乗るタイプの作家は正直面白くない場合も多いが、中には当時は娯楽作だったと思わせるのもあった
    .
    他にも複数戯曲収録してる全集は多々あるが借り出し禁の場合も多く、これも結構ボロボロの状態
    以下各戯曲の解説、冒頭に各作家・各戯曲の解説も付属してるので迷う事も無く読めた
    -
    中村真一郎訳 ポール・クローデル 「繻子の靴」
    大航海時代の戦争と愛、カミーユ・クローデルの弟 あまりの長さに短縮版になってて日本人キャラ大仏の登場場面は省略されてる
    短縮されてる事もあるがそれ以外にも長々とした恋人の描写やこの内容で客席も巻き込んだ自信満々の演出プラン等、まあぼちぼち
    .
    鈴木力衛訳 ジャン・ジロドゥ 「トロイ戦争は起こらない」
    トロイ戦争開戦まで、放送大学の講義で扱われて興味あった一本 現代に蘇ったギリシャ悲劇といった所だが古典には無い戦争発端の話
    背景にナチス軍事開始があり、全員平和を望んでるのにこの結末や戦争原因の恋人に対しての発言など台詞の端々も気が利いてて面白い
    .
    菅原卓訳 ジョン・ミリントン・シング「西の国の人気者」
    大ぼら吹きの一日天下、作品点数は少ない人みたいだが当時の空気は出てるし持ち上げて落とす展開の妙などこれもなかなか面白い
    ダメ人間扱った劇は他にも収録されてるが、中盤の思惑絡んだ騙し騙されや結末で出る感想など所々が波ありまた全体に明るいのも良い
    .
    福田恆存・松原正訳 J.M.バリー訳 「あっぱれクライトン」
    無人島の金持ち達、ピーターパンの作家でなるほどと納得最初はぼちぼちだが無人島に流されてからの各人の変化がコミカルで楽しい
    タイトルにもなってるクライトンも謎の人物な結末でそこも気が利いてる、下働きへの熱心や無人島でのわしはピヨピヨが楽しく印象に残る
    .
    菅原卓訳 ユージン・オニール 「楡の木陰の欲望」
    土地と家族と犯罪、オニールの作品は他にも読んでるがこういう系統の作家かと納得 この人の作品の中では代表格ともいわれてるのもわかる
    舞台は昔では無いが近親相姦や子殺しも含む話と昔の悲劇の要素もふんだんに含まれてる、犯罪や土地・家族に絡む話と他の作品とも共通
    .
    神西清訳 マクシム・ゴーリキー「どん底」
    貧乏人の談義、今ゴーリキーで検索するとポケモンが真っ先に出てくるがこの人は作品は有名だがヒットはこれだけの人らしく一発屋にも近い
    まあ為になる様な事をいってるがそうなのかと納得するのもどうなのかと少し抵抗はある、他のロシア作家にも云えるが喜劇調でも基本辛気臭い
    .
    八住和雄訳 コンスタンチン・シーモノフ「ロシアの人々」
    戦争下の部隊兵たち、舞台はナチスが攻めてきただが全体の印象で云うと中世あたりの時代ものを現代に置き換えた様な筋になってる
    従軍記者だった前歴も含め時代性は良く出てるがなんか都合よすぎる様な気かしないでもない、戦争小説で有名なのもこの人はあるみたい
    .
    杉山誠訳 ベルトルト・ブレヒト「三文オペラ」
    犯罪者の結婚、フレヒトは難しいと聴いてたがこれは元になった作品もあるわりと読み易い喜劇 歌劇様に作られてるので所々に歌が入ってる
    代表作ではあるがこの人は変遷があるのでこれで判断するのは難しいかなとも思う、最後めでたしで終わるが本来はそういう作風で無い気もする
    ---
    [2014-07-13]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、巻末に年表も付属の初期短編集
    石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集1 受難像」を読んだ
    .
    解説から初期は実験・前衛的作家だったとある、後に対立する事となるが戯曲の初期作にも意味不明気味なのは存在
    これはその前衛時期の作で兄との共作でない27歳で初の単独作品集、1917年当時の作者近影もある編集記者の時代
    足跡が体表的だが推理小説風でありながら問題が解決せず、事件の結果起きた登場人物の心境がメインになってくる
    .
    あとは失踪した女の子の話とその顛末やただ待ってるだけの男など境地に達するも忘れる話等、他作との関連もある
    戯曲や小説の印象で読み易いと思ってたので初期はこんな難しいのかと、また信仰のテーマの初期の考えもよくわかる
    ---
    [2014-07-13]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、21年出版で既にロボットは発表済み
    石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集2 苦難に満ちた物語」を読んだ
    .
    後の寝取られ小説とも関連する二人の父・三人、熱狂と冷めた視点が宗教関連の話に近いヘレナ
    他作の都会の生活と関連の城の人々・多面的な見方に関連のお金・童話にも近い冷酷漢
    結末はあるが誰も裁かれず幸福にならないシャツ・とり方が難しい傷心・立場の話の法廷となる
    .
    読み難い作品も含むが、悪意を含む城の人々や納得行きかねるシャツなんかはよく印象に残り面白かった
    後の作品も含むが本来は難しめな作品も書いてる作家なんだなと、同時に一言では語れない多彩さを見せる
    ---
    [2014-07-13]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、1932に新聞連載された作品
    飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集3 ホルドゥバル」を読んだ
    .
    実際におきた事件が元となり、長い出稼ぎ旦那が帰ってきたら嫁が間男引き込んで子供はその間男と婚約してた話
    実際の事件から展開は変えてるが親子丼を進んで決行した話で、登場人物とその周辺のギスギスと凄いテーマ
    前半は旦那がひたすら嫁の潔白を信じ後半はおきた事件を各自が解く、視点が展開によって変化する話になってくる
    .
    解説にもあるが、この人によって捉え方が変わってくる考えはこの人の主要なテーマになって後に発展していく
    そんな訳で死後にこの作品から選集3-5までを含み、哲学三部作と物々しい繋がりとして捉えられる事になる
    ---
    [2014-07-13]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、1934年発表の空から落ちてきた男の話
    飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集4 流れ星」を読んだ
    .
    初期作品に謎の解決しない推理ものの話があったがこれも同様、証拠は挙がっても実際の所は不明のまま
    全身重傷の患者に関して三人の人間+アルファが身の上を推測していく、ひとつの事実に複数の真実が存在する
    常に過程の話になり探偵役の中には難解な言葉使うものもいるのでかなり読み難い、あとは医師の診察もある
    .
    詩人の話は作者自身の話に近いとはあるがこれも実際の履歴と比較すると難しい、ただ他作にもある南国要素は存在
    哲学三部作の真ん中になる話だが、どう解釈するかも含めて三作の中では自分には一番しんどめな作品だった
    ---
    [2014-07-13]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、これも1934年の作だがだいぶ読み易い
    飯島周訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集5 平凡な人生」を読んだ
    .
    平凡な人生を送った男の話で前半は牧歌的ともいえる程善良な日々が描かれるが、中盤から一転しツッコミが入る
    自分自身へのツッコミは山椒魚戦争の終章でも見られる、登場人物の中に複数の自分自身が存在する事が見直しで発覚
    さらに他人からの指摘で自分すら気づかなかった自分に気づき、終盤は戯曲の母の様に自分とそれに繋がる者達が登場
    .
    今の作品にも存在するがこれが哲学も孕む問題なのは驚きだし、脳科学等の研究と照らし合わせても合致するのも面白い
    自分の足跡辿る為の預金通帳確認や全てを唾棄する事は優越の幻想・不満の自意識の仮面などセリフも良いのが沢山
    ---
    [2014-07-13]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、1920から38まで新聞に載った掌編を集めたもの
    石川達夫訳 カレル・チャペック 「チャペック小説選集6 外典」を読んだ
    .
    戯曲等でイメージのこの人はこっち、実際の歴史事項と現実の事項を絡めての社会批判や皮肉と面白い作品群になってる
    この時代がちょうど第一次大戦とナチス勃興の時期なのも歴史的に興味深く、この人自体の愛国心や諦念も反映されてる
    実際は各宗派に分かれて争ってるだけ、大戦争と共に宗教の限界もわかり始めた時期なので宗教に関する捉え方も最近の人
    .
    アレキサンダー大王に関しては向こうの人は否定的だなや、ちょうど先史時代の本読んでたので旧人の新人批判も納得
    選集としての小説はここまで、戯曲のイメージが強かったので読み難い所もあったが興味深い作品もあり読んだかいはあった
    ---
    [2014-07-08]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、これは子供向けの童話で活動範囲が手広い
    田才益夫訳 カレル・チャペック「カレル・チャペック童話全集」を読んだ
    .
    ちゃんとした小説では正直お兄さんの挿絵はあってないと思ってたが、キツイ展開の少ない童話だとこれがよく合ってる
    複雑な課程がミステリーの様になってる話が中心でオチ方もそれらが綺麗におさまってるのが多く、全般にユーモアがある
    あとがきに沢山罵倒語が出てきて訳に工夫したと有る様に言葉で遊ぶセンスも流石、キャラが皆抜けた所あり愛嬌溢れてる
    .
    かっぱの訳のヴォドニーク・ルサールカの他龍や魔法使いも出てくるのでお化け好き的にも楽しい、これは絵もあってる
    訳からもれがちな二編も収録、一般作でも見られる悪意を示した後に児童向けという事もあり綺麗にオトすので感心出来る
    ---
    [2014-07-03]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので読みたいとは思ってた、まずは長編から
    飯島周訳 カレル・チャペック「絶対製造工場」を読んだ
    .
    無限にエネルギー供給する機械を作ったら物質内の神ともいえる存在まで解放、喜んでたらやがて世界終焉に向かう作品
    タイトルから想像つかないが世界終了モノで社会批判の精神もあるユニークな作品、解放された神の解釈が各人で違ってしまう
    無から無限に商品は生産されるが流通は考えに無く失業者は溢れ、しまいには神の解釈を巡って宗教戦争に突入ともうメチャクチャ
    .
    宗教に関する作品なんで皮肉も興味深いし、誰でも考える単純な幸福の先にに不幸が待ってるのも現実のシミュレーションとして面白い
    解説からロボットより後で山椒魚より先の作品となりちょうど中間作らしい作となってる、 山椒魚のキャラも登場し兄貴の書いた挿絵も収録
    ---
    [2014-07-03]
    以前に戯曲を調べた時に小説等も多数存在する事がわかってたので、SFのガイドブック等でも古典名作として知られる一本
    栗栖継訳 カレル・チャペック「山椒魚戦争」を読んだ
    .
    創元からも出てた様に気がするがこれは早川、書庫から出してきたら今の文庫とは違う年期入った銀背でびっくりした
    タイトルから内容想像つかなかったが、知性ある新生物の発見と動物扱いから権利の拡大・最終的に人類衰退と凄い内容になってる
    発表時期的にも世界終了モノの最終到達作品といえ、所々にある皮肉とともに「もしも」をシミュレートしていく様は現実感がある
    .
    小説ならでは戯曲のロボットと比べ挿入話と話の規模も拡大、愛嬌ある山椒魚や一方的で冷徹な最終攻撃など描写も面白い
    こりゃアンマリだと自問自答が始まる、あとがきともとれる最終章もユニークで悲観的な内容含むとはいえユーモアあって知的

    ■ 安藤信也・高橋康也訳 サミュエル・ベケット「ベスト・オブ・ベケット 1 ゴドーを待ちながら」
    ■ 安藤信也・高橋康也訳 「ベスト・オブ・ベケット 2 勝負の終わり/クラップの最後のテープ」
    ■ 安藤信也・高橋康也訳 「ベスト・オブ・ベケット 3 しあわせな日々/芝居」


    Vol 2058[2014-12-02](2015-01-24)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    安藤信也・高橋康也訳 サミュエル・ベケット「ベスト・オブ・ベケット 1 ゴドーを待ちながら」を読んだ
    .
    不条理劇の研究の為に大家という事でイヨネスコとベケット、53年初演でこれは特にノーベル賞まで受賞してる有名作
    内容的には別として、先に一回読んでてその時もそうだったがある程度筋がありわりとスラスラと読める所は重要に思う
    大量に解説がついてるが、内容を広く意味が取れる様にして見てる人の想像を喚起させやすくしてる所は偉いとも思う
    .
    先に読み難いイヨネスコ初期作読んで比較利く、話的には途中の人物の登場や二人の漫才にも近い会話などわかりやすい所もある
    初演時は一部が熱狂してあとは無視だったりするので面白くないと思っても特に問題は無い、お笑いは人によって感性が違う物
    ---
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた 複数収録でまとめて扱う
    安藤信也・高橋康也訳 「ベスト・オブ・ベケット 2 勝負の終わり/クラップの最後のテープ」を読んだ
    .
    勝負の終わり(57)、全般に云えるが向こうの文化圏で通用する広く意味取れる台詞を使ってて翻訳だと伝わり難い所もあるのかも
    クラップの最後のテープ(58)、先の勝負の終わりが明示してないが終焉的な状況を表しこちらは死の間際を扱ってる
    行ったり来たり(66)、これは二人の会話だが細かく動作の指示や間を取る指示は他作でも見られる
    .
    わたしじゃない(72)、囗が出てきて延々と喋る話でこれも広く意味が取れる形となってる ここらも不条理劇では見せ所
    あのとき(76)、特に誰とも指定されてない会話劇 それでも会話は成立し一貫性もあるのでスラスラと読めるという事になる
    ---
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた 複数収録でまとめて扱う
    安藤信也・高橋康也訳 「ベスト・オブ・ベケット 3 しあわせな日々/芝居」を読んだ
    .
    しあわせな日々(61)、舞台だと特殊な状況で延々と意味深な所も含む台詞が続くらしいので特殊な感じになると思う
    芝居(62)、「あのとき」に近いかも知れない会話劇だがこれも状況の説明まではしない こういうのもどれだけ想像広げれる作りかによる
    言葉と音楽(61)、ラジオ用で「クラップの〜」に近いかもしれない これもどうとも広く取れる様に作られてる
    .
    ロッカバイ(81)、一人芝居に近くもうやめてもいいころよと台詞が繰り返される 死や終焉はよくテーマとなる
    オハイオ即興劇(81)、これも一人芝居に近く意味深なセリフや行動が展開する 見る人が自分で受け方考えれる所がある
    カタストロフィ(82)、繰り返されるメモしておきますのセリフがギャグっぽく機能してる 全集からの抜粋となり他にもあるらしいが今回はここまで

    ■ 貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターI」
    ■ 貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターII」
    ■ 貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターIII」
    ■ 貴志哲郎・小田島雄志・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集1」
    ■ 貴志哲郎・小田島雄志・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集2」
    ■ 貴志哲郎・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集3」


    Vol 2056[2015-01-12](2015-01-17)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターI」を読んだ
    .
    貸出都合で後だが最初に読みたかった、中篇3本収録で酷評から有名になる履歴と評価の解説つき
    温室は牢獄もので全体主義批判の面もあるとされるが、成立しない会話や葉巻の爆発など特異状況で不条理劇
    背信は解説にもあるが時間が逆回しで展開する不倫の話、先の作品でも男女関係は良く扱われる
    .
    家族の声はどことも知れず家族の情景が声で表現される作、家族の話も先の作品に存在する
    こっちが慣れた部分もあるがこの人は全体で会話は成立してなくても、状況はしっかりしてるせいか割と読める
    ---
    [2015-01-08]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターII」を読んだ
    .
    貸出都合で最初に読む事になったが、あきらかに政治的な色帯びた作品があり最初に読んだのは失敗な感ある
    8本収録してるがどれも短い状況だけの話か多いので各戯曲解説は今回は省く、後に読んだ初期作よりは読み易い
    会話に終始してオチがつかない場合や結局謎のままこと切れる話も多い、ただ一つの会話に終始し読み易い点はある
    .
    「レナードの朝に」題材とった「いわばアラスカなんか」は読み易いし、状況の中の人間を描きたい作家という事もわかる
    前に読んだイェリネク等とも併せ、これ系の特殊な傾向の作家は文の表現を拡張したという意味で評価されてるとも思う
    ---
    [2015-01-12]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    貴志哲郎訳 ハロルド・ピンター 「ハヤカワ演劇文庫ハロルド・ピンターIII」を読んだ
    .
    ノーベル賞貰ったのは死ぬ間際の晩年、この頃には政治に傾斜してて今回6本収録だが色濃い作はある
    他作家もそうだが国内では異端の存在に賞が渡される場合も多く、ここらはどうにもキナ臭く感じてはしまう
    今回は会話が成立しないを狂気による認識のズレなど説得力持たせてて、ここらも昔の不条理劇と一線を隔する
    .
    また失われた時を求めての戯曲版もあるが、この人の本来持ってる性質や過去作から見ても妥当と思う所はある
    当然良いのと悪いのとはあるしこっちが慣れた加減もあるかもだが、この人を読むのはそれほど苦では無い
    ---
    [2015-01-08]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    貴志哲郎・小田島雄志・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集1」を読んだ
    .
    初期作4本及び自説のメモ等を収録だが、この人の作品は物語という訳でも無いので今回も各戯曲解説は省く
    関連も解説で述べられてるが自分でも近いと思うのはイヨネスコの初期作、ただある程度の一貫性はあり読み易い点はある
    戯曲の内容を文の形でおさめた物もあるが意味を成さない場合もあり、自説の意見でも状況を描きたいと一致してる
    .
    これも後期になると物語として成立しはじめたり、文をただ書く事が目的の筈が政治色強くなったりと変遷はある
    シェイクスピアが本筋で関係無い所で良い台詞ある事にも近いかも、実際の人間の会話も脈絡ない事は多いなと思いつつ読んだ
    ---
    [2015-01-09]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    貴志哲郎・小田島雄志・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集2」を読んだ
    .
    59から65年にかけての作品群で前期中盤ごろとなるが、この頃の作品は筋があって読み易い
    6本及び短編を複数収録でラジオ等での脚本も含まれる、娼婦・タクシーなど共通する話もある
    別巻となるが、娼婦の話を扱ってる事からプレイボーイに掲載された小説なんかもあり一般性も高い
    .
    今回も話の筋的には盛大なドラマな訳でも無いので細かい感想は省くが、会話の為の会話といった所
    読み易いという所もあるが、この不条理劇に近い内容で一般に受け入れられたというのは注目点
    ---
    [2015-01-09]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    貴志哲郎・沼澤洽治訳 ハロルド・ピンター 「ハロルド・ピンター全集3」を読んだ
    .
    今回も短い話と短編・スピーチの記録等で省くが、解説の筋のある展開から初期作に戻ったが当てはまる話
    後期作見てもわかるがこの人は自分で調整して不条理から普通の話と振れる、あと難しすぎる問題も投げかけない
    自作に関する意見も1巻にあるが、「カクテル用戸棚の下にいる鼬です」の話の今回のスピーチの文は特に良い
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    詩人としての前歴等とも合わせて突き詰めると特に会話に意味は無く、会話の為の会話と状況を重視してる
    故に内容が無くても流れる様に受け止める事が出来るんではないかなという気はする、読んで疲れる本では無い

    ■ 竹内健訳 アルフレッド・ジャリ 「ユビュ王」
    ■ 宮川明子 アルフレッド・ジャリ原作フライツィシュカ・テマソン 「ユビュ王 Comic」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 1」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 2」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 3」
    ■ ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 4」


    Vol 2054[2014-12-10](2015-01-10)
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    竹内健訳 アルフレッド・ジャリ 「ユビュ王」を読んだ
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    1896年初演で不条理劇に重大な影響与えた作品、筋自体ははっきりしてるので意外に読み易い
    思い浮かべたのは画太郎の漫画、てな訳でくそったれで始まり下品な台詞や奇妙な造語が飛び交う
    四本収録でぶっとんだ王様がぶっとんだ政治を展開する、難しめは鎖につながれた〜でこれは順序が逆回し
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    不条理劇は難しいという印象だがこれなんかは今のギャグに近くわかる、ストーリーよりキャラといった感
    同時代の人に影響与えてる事からピカソの挿絵等も収録されてる、批判評価の時代考慮もわかりやすい
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    [2014-12-10]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    宮川明子 アルフレッド・ジャリ原作フライツィシュカ・テマソン 「ユビュ王 Comic」を読んだ
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    先にコレ読んでたので戯曲も想定しやすかった、ユビュ王は奇抜な衣装で演じる事となってる
    漫画としては抜粋でミロ的なアート系の絵、造語を重視して訳が吹き出し内で無く下表示で少し読み難い
    重要なのは写真もありでユビュ王とジャリの解説が充実してる所、初演で場が騒然など状況がわかる
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    重要な作ではあるがジャリ自体は一発屋に近い、最初の評価の後に死後の1920年に再評価受けてる
    ジャリ自体がユビュ王に近い性格してたらしく最後は貧困の中で死亡と、この人にこの作品ありといった所
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    [2014-12-02]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 1」を読んだ
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    ケラは不条理劇にも影響受けてるとされるが、不条理劇はよくわからんので大家と云われてるイヨネスコを借りてきた
    結論から書くが不条理劇は当たりハズレが激しい、ある人には面白くても他の人にはつまらんが普通に存在する
    ただまとめて読むと法則性見たいのは見えてくる、この人は特に後年にかけて変化してるのでそこがよくわかる
    .
    1巻は初期作品になるが微妙なのが多く、最初に上演した時はどんどん人が減って人気出る前は客足が無い状態
    本人に人気が出てから再演される様になったとあるが、これも何ぞやと考えさせられる所 以下各巻の簡単な感想
    最初についてるC表記の年代を最初に、最後の年譜についてる脱稿時の年月を後に表記しておいた
    --
    諏訪正訳 「禿の女歌手(1954(1949))」
    夫婦の対話と消防署長の訪問、内容はあって無いに等しい ダジャレに近い会話が延々と続き禿の女歌手も出てこない
    初見時は凄く読み難かったし途中からこれは頭おかしい人の会話と思い始める程に脈絡も無く、初期作は難しいと云える
    .
    安藤信也・木村光一訳 「授業(1954(1950))」
    デタラメな授業風景、禿が一作目だとこちらはまだ話にある程度の一貫性があるので読み易い方に入ると思う
    この人は後年になって読み易くなってくるが、そうすると最初の段階から進化したのか媚び始めたのかと迷う所はある
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    塩瀬宏訳 「ジャック、あるいは降参(1954)(1950)」
    家族に訪れる奇妙な花嫁、再確認しながら文書いていってるが生涯の作品の中で好んで使われる状況やギャグなんかもある
    これは指定もあり二人あらわれるキャラの一方は特殊な仮面着用となる、馬の話を延々する場面のギャグが印象に残る
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    篠沢秀夫訳 「ごあいさつ(1963)(1951)」
    これは短く延々とあいさつが続く、この中では状況だけの作品になるので読み易いしギャグもある程度は面白い
    初期作品は会話自体も成立してない様で読んでて本当に疲れてくるのも多く、読むのに通常の倍以上の時間がかかってしまった
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    安藤信也訳 「椅子(1954)(1951)」
    見えない客を正体する老人、これは見開きに写真があってずらっと椅子の並んだ舞台の様もわかり理解しやすくなってる
    死の話もこの人の好きな所でこれもその部分がある、また見えない客を招待する様も分かり易くこれはいいんじゃないかなと思う
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    大久保輝臣訳 「先生(1958)(1953)」
    町に先生がやってくる様での狂乱、初期は話の筋すら見えてこない状態でそこから考えるとこれもわかりやすいうちに入ると思う
    われのわからない熱狂は犀なんかにも通じ、これも無意味なばんざいがこだましてバカバカしい作りに出来ると思う
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    宮原庸太郎訳 「未来は卵の中に 人はさまざま変わり者も数のうち(1958)(1951)」
    恋人たちに子供が産まれる、先のジャック、あるいは降参の続編にあたり改めて読み直すと確かに一貫性がある
    読んでる最中は意味のない会話が大半でとことんしんどかったが、まとめる段になって冷静になるとある程度大筋はあるんだなぁと
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    石沢秀二訳 「義務の犠牲者(1954)(1952)」
    探偵とその息子、親子関係なんてのも良く扱われるがこれも読んでる最中は一貫してない会話のやりとりが中心になるので辛かった
    ただ他作品にも当てはまるがその会話の中で記憶に突き刺さるような深いセリフも出てきて、狂人が一瞬正気に返る様な印象となる
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    佐藤信夫訳 「花嫁候補(1958)(1953)」
    紳士と婦人の会話、二人で延々と話してて最後に奇妙なオチがつくのは漫才を聴いてる様な所ありこれも演出・演じ手次第という気はする
    現在の漫才の中でも不条理に当てはまるはあるかも知れない、最後の娘男などこの人の作品見てると他にも見世物感じさせる様な所はある
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    [2014-12-02]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 2」を読んだ
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    この人はこの巻収録の犀から注目される様になったが、それも先にベケットが注目されてその余波からの形になる
    この全集は各巻に秋浜省吾他の演劇関係者の解説もつくが、その中で現地の人に外国人向けの芝居と評されてる所がある
    そこで先の初期作品の異様なわかり難さと後期の分かり易くなった作品をどう取るかの問題となる、名声で評価が変化するのかと
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    ある程度の分かり易さと、見てる人に想像を喚起させやすい内容が不条理劇では評価のポイントになるんではと思う
    先に分かり易い後期の作品を読んで初期に移るのとその逆では受け取り方も違ってくる気がする、以下各巻の簡単な感想
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    大久保輝臣訳 「アメデ、あるいはどうやって厄介払いするか(1954)(1953)」
    部屋に生えたキノコと伸びる死体、これは分かり易い形で異常な状態が提示され登場人物もそこに気づいてるので見やすいと云える
    舞台装置に関してもこの人は注意払ってる場合があり伸びる死体なんかはその例、背後の意味は時間や場所変わるとわかり難い所
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    篠沢秀夫訳 「新しい下宿人(1958)(1953)」
    無限に運ばれる荷物、これも可笑しい状況が目に見えてわかるのでわかりやすいうちに入ると思う 舞台装置で笑わせる場面も多いと
    この人は逸話としても最初に客席に紛れて一芝居打って評判聴いたり、客席にサクラ仕込んでハプニング風の演出したりがある
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    篠沢秀夫訳 「絵(1963)」
    絵の売り買いと魔法の拳銃、これは自分は結構面白かったが評判は悪かったらしくギャグは好みが出るを実感した一本
    これも舞台上での早変わりが見ものの一つになってる、他にも状況で態度が変わる金持ちなど面白くなりそうな場面は多い
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    加藤新吉訳 「犀(1963)(1958)」
    人々が犀へと変化していく、これがこの人の出世作で人が犀に変わるという異常な状況とそれを認識してる主役など入り込み易い作品
    解説でいろいろと状況説明してるが、面白い作品は単体で見ても時代を超えて含む意味が多いからこそ残るんだと思いこれは単独でも良い
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    [2014-12-02]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 3」を読んだ
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    これは犀以降の後期の作品が含まれ、初期のよくわからない物から比べると変化してる所が多く多少は読み易い
    これ見てると必ずしも難解である事だけが評価対象になるのではないと思う、ある程度理解しやすくなってこそ評価されると
    先行して活動しながらゴトーが53年とベケットの人気にあやかって受け始めたと、そこらの複雑な気分が反映された作品もある
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    後期になるとテーマも普遍的な所に落ち着くが大抵は死の話、ただ範囲を広く取ってるので取れる意味合いも広くなってくる
    この中では瀕死の王さまが解説の読み易い評通りで良いと思うがこれが代表作で無いのも面白い所、以下各巻の簡単な感想
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    大久保輝臣訳 「アルマ即興 羊飼いのカメレオン(1958)(1955)」
    イヨネスコ先生早く原稿上げてください、同一の複数の人間が登場するのは他作でもあるがここでも継承されている
    ベケットへの複雑な気持ちと作者自身への評だか、これは古典や現代の作品でも似た作品はあり不条理もパターンあるのではと思わせる
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    諏訪正訳 「無休の殺し屋(1958)」
    町には徘徊する殺し屋、事件を解くというよりかは後半の主人公の殺し屋への懇願らも似た長いセリフがポイントになってると思う
    解説で椅子との共通点も挙げられてるし義務の犠牲者とも似てる、動き有る前半と意味を広く取れる様な形のセリフと変化もわかる
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    塩瀬宏訳 「四人ばやし(1963)(1959)」
    似たキャラ同士の掛け合い、これは花嫁候補なんかにも近く今の漫才なんかのお笑いにも近い芝居なんで読み易いと思う
    こういうのにも関しても初期と後期では面白さは変化してる、不条理劇も書き続ける事で向上する分野の芝居という事だろうか
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    安藤信也訳 「二人で狂う(1963)(1962)」
    男女の口喧嘩、狂うとあるが読み易くなった加減で初期にあった会話の筋がまったく通らない狂気的な部分は影を潜めてる
    ここらが難しい所で、向上か単に媚びてるだけなのか微妙な所はあるがやはり向上で初期作は微妙ととるのが正しいと思う
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    大久保輝臣訳 「瀕死の王さま(1966)(1962)」
    死にかけの王様、これも他戯曲でもよく見られる展開なんで形の上では昔の作品を参考にしながら新しい作品を作ってる
    王様が必死で周りはどうでもいいような態度も面白いし、単純に仕の話で無く含んでる意味も広いので面白いとは思う
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    [2014-12-02]
    つの丸扱ってる関連から15年1月からケラのドラマを扱うが、その為の前準備で借りてきた
    ウジェーヌ・イヨネスコ 「イヨネスコ戯曲全集 4」を読んだ
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    短めの作品を含む諸作品という事になるが、もう後期の作品が中心になるので筋が一貫してて読み易くなってる
    他の不条理劇も読みながら常に感じてたのは、出口の無い迷路に迷い込んで同じ所をグルグル回ってる様な感覚
    永遠に同じ時で同じ日常が続く国民的作品もあるが、その事に登場人物たちが気づくと途端に不条理劇的な展開となる
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    まあ面白いかどうかは個人によるが、普通の演劇十本の中に一本あったら面白いが全てこれ系だと正直辛いだけとも思う
    この人は変化もわかりやすいので不条理劇にも質に差がある事わかり理解も進んだ、以下各巻の簡単な感想
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    末吉利文訳 「空中歩行者(1963)(1962)」
    異界の光景と空を飛ぶ男、SFじみた話になってきたがこれらが発表されたのも比較的最近の作品だという事に改めて納得
    異界の光景とその先にあるものにまで話が及ぶので範囲は広い作品となる、登場人物達の台詞も味わいが出てる
    .
    佐藤信夫訳 「渇きと飢え(1966)(1964)」
    不安と牢獄への収監、これも非常に長いが台詞は機か利いたものが多く 男性の不安と女性の慰めの台詞は特に良い
    後半は場所も時もわからない牢獄への収監となるが同一に近い人物と他作からの要素も、これも含む意味合いの広い作品
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    加藤新吉訳 「欠陥(1966)(1965)」
    試験の失敗、初期作品の授業と近い所があるがこちらの方が読み易い 初期は天然で会話がバラバラだがこれは筋がある
    こちらが読み慣れたなどもあるかもしれないが、初期と比べて会話が成立してる所や客観性ある所が所々にあると思う
    .
    加藤新吉訳 「モーター・ショー(1966)(1953)」
    これはラジオドラマ用の脚本、この人はハプニング的な展開を好むがこれもそういう風な現実に挟み込む少し奇妙な光景を意識してるのかも
    人物同士が会話してく話でやはり漫才やコントに近い話、これらは今も見られるし場所や状況がどこかわかるだけで読み易くなる
    .
    末吉利文訳 「歩行訓練(1966)(1960)」
    これは無声で動作だけが指示されてる、ハプニング的な事故の後にわけのわからない状況が展開していく事になる
    似た様な劇の台本も過去に見てるが、これはどっちかというとどっきりカメラとかそういうのに近いんじゃないかと思う
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    石沢秀二訳 「怒り(1963)(1961)」
    映画化された作品で各地のケンカを映しながら最後は地球が爆発する、よくある最後爆発する系のオチとわかりやすい
    これが不条理かどうかはわからないが、今見られる諸作品の中にも不条理劇に近い様なものはあるんだなと参考になる
    .
    利光哲夫訳 「ゆで卵(1966)(1963)」
    出来るまでにいろいろある料理教室、これも似た様な作品を今のTVなんかで見る事が出来てわかりやすい作品となる
    映像で移す事を前提にした作りなんで戯曲で読むには面白さは伝わりにくいかも、CMに皮肉を贈った作品と解説にある
    利光哲夫訳 「ゆで卵の作り方(1966)」
    先の話とほぼ同じで戯曲の形を成してないので小説用と思ったが、こちらも舞台化されていて一人芝居用のバージョンともいえる
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    佐藤信夫訳 「花嫁候補(1966)」
    TV放送用のシナリオで先にあった『ジャック、あるいは降参』に近い作りと云える、これはさらに映像で笑わせる場面を強調している
    比較して読むと要素を残しつつも分かり易い形に作り替えてて発展してる事もわかる、セリフは無くこれも芝居の指定のみ
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    末吉利文訳 「アメリカ人のためのフランス語のショー(1966)」
    登場人物たちが珍妙な会話と行動を繰り広げる、ここまで来ると不条理劇でもわかりすいコントに近いといった形となってくる
    初期作とも似た様な展開はあるが筋に一貫性があるとだいぶわかる話になってくる事がわかる、今も不条理劇は形変え存在してるという事


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