一番下へ トップに戻る 雑記抜粋トップに戻る 書籍目次へ

    雑記 書籍感想文2013以前
    基本的にタイトルリストはジャンル別で、文章自体は下に行くほど古くなります
    []内が実際に読んだ日、()内は公開した日、()内文章は校正した時に追加・削除した文章

    ■ 松平千秋 訳 クセノポン「アナバシス キュロス王子の反乱・ギリシア兵一万の遠征」
    ■ 大牟田章訳 アッリアノス 「アレクサンドロス大王東征記」
    ■ 松平千秋 訳、ヘロドトス 「歴史」
    ■ 今谷明 「室町幕府解体の研究」
    ■ 矢島文夫訳 「ギルガメッシュ叙事詩」
    ■ 近山金次 訳 「カエサル(シーザー) ガリア戦記」
    ■ 中川太古訳 「太田牛一 現代語訳 信長公記」
    ■ 「マハーバーラタ戦記 賢者は呪い神の子は戦う」
    ■ 菱沼一憲 「源義経の合戦と戦略 その伝説と実像」
    ■ 本田済編訳 「中国古典文学大系13 漢書・後漢書・三国志列伝選」
    ■ 志村有弘 「日本合戦騒動叢書2 応仁記」
    ■ 高津春繁訳 ホメーロス 「オデュッセイア」
    ■ 呉茂一訳 ホメーロス 「イーリアス」
    ■ 阿部知二訳 ヴァールミーキ 「ラーマーヤナ」
    ■ 陳寿・裴松之 ちくま学芸文庫 「正史三国志」全8巻
    ■ 立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 全120回」
    ■ 佐藤謙三 小林弘邦 訳 東洋文庫 「義経記 1&2」
    ■ 梶原正昭 訳注 東洋文庫 「将門記 1&2」
    ■ 長谷川端 校注・訳 「太平記 一〜四」
    ■ 市古貞次 校注・訳 「平家物語 一〜四」
    ■ 角川書店編 「ビギナーズ・クラシック 平家物語」
    ■ 赤塚不二夫/フジオプロダクション 「古典入門 平家物語」

    ■ 二上洋一 「少女まんがの系譜」
    ■ 西村繁男 「さらば、わが青春の少年ジャンプ」
    ■ 本宮ひろ志 「天然まんが家」
    ■ 週刊少年ジャンプ40周年記念出版 「マンガ脳の鍛えかた」
    ■ 毛利甚八 「白土三平伝 カムイ伝の真実」
    ■ 京極夏彦・多田克己・村上健司「妖怪旅日記」
    ■ 「水木しげる80の秘密」
    ■ アニメ鬼太郎 生誕30周年記念出版 水木しげる&京極夏彦 ゲゲゲの鬼太郎
    ■ 水木しげる 「妖怪大百科」
    ■ 「これだけは知っておきたい 妖怪の大常識」
    ■ 「水木しげるの妖怪談義」
    ■ 「鬼太郎と行く 日本ぐるうり妖怪めぐり」
    ■ 足立倫行 妖怪と歩く 評伝 水木しげる
    ■ 京極夏彦・多田克己・村上健司「妖怪馬鹿」
    ■ 大泉実成 「水木しげる 精霊の楽園オーストラリア」
    ■ 水木しげる 「ゲゲゲの人生 わが道を行く」
    ■ 井上章一X永井豪 「けっこう仮面が顔を隠す理由」
    ■ 永井豪 「デビルマンは誰なのか」
    ■ 永井豪 「豪 波乱万丈 痛快自伝エッセイ」
    ■ ゆでたまご 「生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録」
    ■ 西村繁男 「まんが編集術」
    ■ 佐藤まさあき 「劇画の星をめざして 誰もかかなかった劇画内幕史」
    ■ 藤本由香里 「私の居場所はどこにあるの?少女マンガが映す心のかたち」
    ■ みなもと太郎 「お楽しみはこれもなのじゃ 漫画の名セリフ」
    ■ 大塚英志・みなもと太郎「まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史」
    ■ 斎藤貴男「評伝 梶原一騎/夕やけを見ていた男」
    ■ 赤塚不二夫 「これでいいのだ」
    ■ 元少年マカジン編集長 内田勝 「「奇」の発想」
    ■ 宮原照夫 「実録!少年マガジン編集奮闘記」
    ■ 「荒俣宏の少年マガジン大博覧会」
    ■ 長井勝一 「ガロ編集長」
    ■ 桜井昌一 「ぼくは劇画の仕掛人だった」
    ■ 「復刻少年マガジン カラー大図解」
    ■ 赤塚不二夫 「シェーの自叙伝」
    ■ 赤塚不二夫対談集 「バカは死んでもバカなのだ」
    ■ 四方田犬彦 「白土三平論」
    ■ 武居俊樹 「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」
    ■ 長谷邦夫 「赤塚不二夫 天才ニャロメ伝」

    ■ 小池章太郎編著 「歌舞伎オンステージ 4」
    一谷嫩軍記・近江源氏先陣館・絵本大功記・梶原平三誉石切
    藤波隆之編著 歌舞伎オンステージ 24 「桐一葉・鳥山心中・修禅寺物語」

    ■ 諏訪春雄 訳 「伽羅先代萩/伊達競阿国戯場」
    竹内道敏編著「歌舞伎オンステージ22 与話情浮名横櫛」

    ■ いとうせいこう直訳 「井原西鶴 セケン・ムナサンヨー」
    ■ 日本古典偽書叢刊から 竹村信治解説 「兼好諸国物語(妙)」
    ■ 日本古典偽書叢刊から 土方洋一解説 「山路の露」
    ■ 日本古典偽書叢刊から 今西祐一郎解説 「雲隠六帖」
    ■ 野口武彦 「源氏物語を江戸から読む」
    ■ 藤井貞和 「源氏物語入門」
    ■ 池田亀鑑 「源氏物語入門」
    ■ 西郷信綱 「源氏物語を読むために」
    ■ 西尾光一・小林保治 校注 「古今著聞集」
    ■ 鈴木棠三 編注 根岸鎮衛 東洋文庫 「耳袋 1・2」
    ■ 井草利夫編著 「盟三五大切・時桔梗出世請状」
    ■ 浄瑠璃集 黒石陽子 校注・訳 「双喋々曲輪日記」
    ■ 原道生編著 「義経千本桜」
    ■ 鳥越文蔵編著 「歌舞伎オン・ステージ 12(傾城反魂香 他)」
    ■ 服部幸雄 編著 「勧進帳/毛抜/暫/鳴神/矢の根」
    ■ 河内繁俊 編 「黙阿彌名作選」
    ■ 諏訪春雄編著 「助六由縁江戸桜/寿曾我対面」
    ■ 浄瑠璃集 林久美子・井上勝志 校注・訳 「妹背山婦女庭訓」
    ■ 諏訪春雄 編著 「東海道四谷怪談」
    ■ 浄瑠璃集 長友千代治 校注・訳 「仮名手本忠臣蔵」
    ■ 新編日本古典文学全集79 「黄表紙 川柳 狂歌」
    ■ 久保木哲夫 校注・訳 「無名草子」
    ■ 友久武文・西本寮子 校訂訳注 「とりかへばや」
    ■ 坂口由美子編 「ビギナーズ・クラシック 伊勢物語」
    ■ 西山秀人編 「ビギナーズ・クラッシックス 土佐日記(全)」
    ■ 川村裕子編 「ビギナーズ・クラッシックス 和泉式部日記」
    ■ 宮崎荘平 全訳注 「紫式部日記」
    ■ 原岡文子訳 「更科日記」
    ■ 今泉忠義訳 講談社現代文庫 紫式部 「源氏物語」

    ■三神勲・小津次郎・小田島雄志・北山悌二・和田勇二・平井正穂・管泰男・西川正身 訳「世界古典文学全集42 シェイクスピアII」
    ■小津次郎・喜志哲雄・大葉健治・武井ナヲエ・大山俊一・管泰男・富原芳彰 訳 「世界古典文学全集43 シェイクスピアIII」

    ■中野好夫・小野協一・平井正穂・倉橋健・三神勲 訳 「世界古典文学全集44 シェイクスピアIV」
    ■三神勲・工藤政雄・北山悌二・大山俊一・中野里皓史・西脇順三郎 訳 「世界古典文学全集45 シェイクスピアV」
    ■阿部知二・小津次郎・八木毅・御輿員三・福原麟太郎・岡本靖正・和田勇一・本道正夫・高松雄一 訳 「世界古典文学全集46 シェイクスピアVI」
    ■中野好夫・平井正穂・管秦男・大山俊一・小津次郎・和田勇一訳 「筑摩世界文学大系17 シェイクスピア2」
    ■ 松岡和子訳 ウィリアム・シェイクスピア 「シェイクスピア全集 リチャード三世」
    ■ 中野好夫・小津次郎・三神勲・西川正身訳 「筑摩世界文学大系16 シェイクスピア1」


    ■ 松浦純訳 「ドイツ民衆本の世界III ファウスト博士 付人形芝居ファウスト」
    ■ エッカーマン「ゲーテとの対話」
    ■ 菊池秀夫訳 ゲーテ 「詩と真実」
    ■ 高橋健二訳 ゲーテ 「ヘルマンとドローテア」
    ■ 前田和美訳 ゲーテ 「ノヴェレ(短編小説)」

    ■ 関泰祐訳 ゲーテ 「ウィルヘルム・マイステルの遍歴時代」 
    ■ 関泰祐訳 ゲーテ 「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」
    ■ 佐藤晃一訳 ゲーテ 「親和力」 
    ■ 内垣啓一訳 ゲーテ 「若きウェルテルの悩み」

    ■ 蒲生礼一訳 サアディー「薔薇園 イラン中世の教養物語」
    ■ 石川栄作訳 「ニーベルンゲンの歌」
    ■ 前嶋信次 「アラビア史」
    ■ 前嶋信次 「アラビアン・ナイトの世界」
    ■ 前嶋信次訳 イブン・バットゥータ 「三大陸周遊記 妙」
    ■ 金原端人・久慈美貴 訳 ローズマリー・サトクリフ「ケルト神話 黄金の騎士 フィン・マックール」
    ■ 山本史郎訳 アンドレア・ホプキンス 「図説 アーサー王物語」
    ■ 灰島かをり 訳 ローズマリー・サトクリフ 「ケルト神話 炎の戦士クーフリン」
    ■ 太刀川清 校訂 「叢書江戸文庫2 百物語怪談集」
    ■ 林美一 「江戸艶本を読む」
    ■ 駒田信二 訳編 王敏 解説 「決定版 中国古典ジョーク集」
    ■ 前嶋信次訳 東洋文庫 「千夜一夜物語」
    ■ 前嶋信次訳 「アラビアンナイト別巻 アラジンとアリババ」
    ■ 小野忍訳 東洋文庫 R・グレーヴズ 「アラビアのロレンス」

    ■ 高橋健吉訳 E・V・ディキンズ 「パークス伝 日本在中の日々」
    ■ 伊藤正雄訳 「福沢諭吉 学問のすすめ」
    ■ 講談社学術文庫 杉田玄白 「蘭学事始」
    ■ R・H・ブラントン 「お雇い外人の見た近代日本」
    ■ 江藤淳・松浦玲 編 勝海舟 「海舟語録」
    ■ 江藤淳・松浦玲編 「勝海舟 氷川清話」
    ■ 東洋文庫 「ベニョフスキー航海記」
    ■ 勝小吉 「夢酔独言」

    ■ 小松和彦 編 妖怪文化研究の最前線
    ■ 山本多助 「カムイ・ユーカラ アイヌ・ラックル伝」
    ■ 松谷みよ子 現代民話考 11 「狸・むじな」
    ■ 中村禎里 「狸とその世界」
    ■ 笠井新也 「阿波の狸の話」
    ■ 馬場あき子「鬼の研究」
    ■ 多田克己 「幻想世界の住人たち 日本編」
    ■ 「妖怪あつめ」
    ■ 「アジアもののけ島めぐり」
    ■ 小松和彦「異界と日本人」
    ■ 越後敬子訳 竹原春千画 「桃山人夜話」
    ■ 山上伊豆母 「巫女の歴史」
    ■ 志村有弘訳 「根岸鎮衛 耳袋の怪」
    ■ J=P・ヴィレーム 「宗教社会学入門」
    ■ 京極夏彦 「妖怪の理 妖怪の檻」
    ■ 近藤雅樹 「霊感少女論」
    ■ パトリシア・ガーフィールド「夢学」
    ■ 池田香代子他「走るお婆さん 日本の現代伝説」
    ■ 村上健司「妖怪ウォーカー」
    ■ 佐々木広幹 「宗教人類学」
    ■ ブッタのことば
    ■ 新約聖書
    ■ コーラン
    ■ 村上健司 「妖怪辞典」
    ■ 東アジア恠異学会編 「怪異学の可能性」
    ■ 東アジア恠異学会編 「亀卜歴史の地層に秘められたうらないの技法をほりおこす」
    ■ 東アジア恠異学会編 「怪異学の技法」
    ■ 小松和彦 編 「妖怪文化叢書 妖怪文化の伝統と創造絵巻・草子からマンガ・ラノベまで」
    ■ 高橋伸吾 「ブルーバックス きつねつきの科学」
    ■ 高馬三良 訳 「山海経 中国古代の神話世界」
    ■ 石川純一郎 「河童の世界」
    ■ A.R.ウォーレス「心霊と進化と」
    ■ 「図説 妖怪の系譜 (妖怪天国 ニッポン展公式ガイド)」
    ■ 村上健司 「京都妖怪紀行」
    ■ 「世界古典文学全集 ヴェーダ/アベスター」
    ■ 中村元訳 「ブッダ 最後の旅」

    ■ 前嶋信次 「アラビアの医術」
    ■ 諏訪邦夫 「麻酔の科学 手術を支える力持ち」

    ■ 石浦章一訳 「ブルーバックス Q&A 人体のふしぎ」
    ■池上千寿子・根岸悦子訳 ジョー・ダデンスミス・ダイアモン・シモーヌ 「セックス&ブレイン 男と女の科学最前線」
    ■ 鬼頭昭三「ブルーバックス 脳を活性化する性ホルモン」
    ■ M・ボス 「性的倒錯」
    ■ 矢島剛一 訳 デズモンド・モリス 「人間動物園」

    ■ A.プラトカニス/E.アロンソン 「プロパガンダ」
    ■ アントニオ・R・ダマシオ 「生存する脳」
    ■ R・P・ファインマン 「困ります、ファインマンさん」
    ■ 小田亮・松本晶子 訳 ティム・バークヘッド「乱交の生物学 精子競争と性的葛藤の進化史」
    ■ 旦敬介 訳 ライアル・ワトソン 「匂いの記憶 知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官」
    ■ 常盤新平訳 デズモンド・モリス「ウーマン・ウォッチング」
    ■ 古澤明 「ブルーバックス 量子テレポーテーション」
    ■ 太田朋子 「分子進化のほぼ中立説 偶然と淘汰の進化モデル」
    ■ 宮田隆 「分子進化学への招待 DNAに秘められた生物の歴史」
    ■ 丸山工作 「ブルーバックス 分子生物学入門」
    ■ ダニエル・C・デニット 「解明される意識」
    ■ 立花隆「臨死体験」
    ■ 湯川秀樹 「目に見えないもの」
    ■ リチャード・ドーキンス 「利己的な遺伝子」
    ■ リタ・カーター 「脳と意識の地形図 脳と心の地形図2」
    ■ スーザン・ブラックモア 「ミーム・マシーンとしての私」
    ■ リタ・カーター 「脳と心の地形図」
    ■ ジョン・C・リリー 「サイエンティスト」
    ■ リフトン 「思想改造の心理」

    ■ 波多野鷹・金子弥生 「現代日本生物誌 3 フクロウとタヌキ 里の自然に生きる」
    ■ 池田啓 「子ダヌキのいたずら日記」「タヌキはぼくのたからもの タヌキ博士ばかしあいの二十年」
    ■宮本拓海・しおやてるこ・NPO都市動物研究会 「知りたいサイエンス タヌキたちのびっくり東京生活 都市と野生動物の新しい共存」
    ■ 萩原恵子 「東京のタヌキからあなたへ タヌキの伝言」
    ■ 板橋作美訳 マーヴィン・ハリス 「食と食文化の謎」
    ■ 折島正司訳 W・アレンズ 「人喰いの神話 人類学とカリバリズム」
    ■ 鈴木洋一 訳 マーヴィン・ハリス「ヒトはなぜヒトを食べたか 生態人類学から見た文化の起源」
    ■ 羽田節子訳 デズモンド・モリス 「キャット・ウォッチングPartII」
    ■ 羽太節子訳 デズモンド・モリス 「キャット・ウォッチング 1」('86)
    ■ 今泉忠明 「イヌはそのときなぜ片足をあげるか 動物たちのウンコロジー」
    ■ 竹内和世訳 デズモンド・モリス 「ドック・ウォッチング」
    ■ 渡辺格訳 E・トルムラー 「犬の行動学」
    ■ 渡辺政隆 訳 デズモンド・モリス 「競馬の動物学」
    ■ 天田明男 「馬のスポーツ医学 強い馬づくりのためのサイエンス」
    ■ 林良博・佐藤英明 編「アニマルサイエンス1 ウマの動物学」
    ■ 日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「サラブレッド!サラブレッド!? 研究者が話す92話
    ■ 松井幸雄訳 スポーツイラストレイテッド編 「図解・楽しい乗馬」
    ■ 遊佐幸平訳注 荒木雄豪編 ジェームズ・フィリス 「フィリス氏の馬術」
    ■ 伊藤宏 「食べ物としての動物たち」
    ■ 鎌田慧 「ドキュメント屠場」
    ■ 桜井厚 編 「屠場文化 語られなかった世界」
    ■ 小林茂久 監修 「ミニブタ飼いになる」
    ■ 吉川晶三・鎌田博夫 訳 エティエンヌ ソレル 「乗馬の歴史 起源と馬術論の変遷」
    ■ 大串久美子 「ロンシャン競馬栄光の日 華麗なるフランス競馬」
    ■ 大久保登喜子 「ヨーロッパ夢の競馬場 ぜーんぶ馬の話」
    ■ 高槻盛紀 「野生動物と共存できるか 保全生態学入門」
    ■ 小林照幸 「ドリームボックス 殺されてゆくペットたち」
    ■ 原田俊治 「馬、この愛すべき動物のすべて」
    ■ 鈴木勝 翻訳代表 コリン・ボーゲル 「馬を飼うための完全ガイドホースケア マニュアル」
    ■ 奥谷喬司 編著 「サイエンスエッセイ イカの春秋」
    ■ 秦和子訳 オスカル・プフンクト 「ウマはなぜ「計算」できたのか「りこうなハンス効果」の発見」
    ■ 日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「馬の科学」
    ■ 楠瀬良編集 「サラブレッドはゴール板を知っているか」
    ■ 内澤旬子 「世界屠畜紀行」
    ■ 三浦耕吉郎 編著 「屠場 食肉センターで働く人びと」
    ■ 日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「サラブレッドの科学」
    ■ 村田綾子訳 J・M・マッソン「豚は月夜に歌う」
    ■ 村山司・笠松不二男「ここまでわかったイルカとクジラ」
    ■ 川端裕人 「イルカと泳ぎ、イルカを食べる」
    ■ 小林朋道 「先生、シマリスがヘビの頭をかじってます」
    ■ 小原秀雄 訳 K・ローレンツ 「人 イヌにあう」
    ■ 今泉吉晴・今泉みね子訳 P・ライハウゼン「ネコの行動学」
    ■ 奥谷喬司 「イカはしゃべるし、空も飛ぶ 面白いイカ学入門」

    ■ 佐藤清彦 「おなら考」
    ■ 大泉実成「萌えの研究」
    ■ 大泉実成「宮崎駿の原点 母と子の物語」
    ■ 大泉実成 「人格障害をめぐる冒険」
    ■ 大泉実成 田中良成「予想屋」
    ■ 大泉実成「麻原彰晃を信じる人びと」
    ■ 大泉実成「爆音に焦がれて 森且行の挑戦」
    ■ 大泉実成「東京サイテー生活 家賃月2万円以下の人々」
    ■ 大泉実成 「消えたマンガ家 ダウナー系の巻」
    ■ 大泉実成「マレー獏は悪夢を見ない」
    ■ 斎藤環「戦闘美少女の精神分析」
    ■ 中原昌也他 「嫌オタク流」
    ■ 黒田亘編「ヴィトゲンシュタインセレクション」
    ■ ロバート・A・モンロー 「魂の体外旅行」
    ■ 勝藤 猛訳 フレヤ・スターク 暗殺教団の谷 女ひとりイスラム辺境を行く
    ■ 加藤秀和 訳 バーナード・ルイス 暗殺教団 イスラームの過激派
    ■ 荒俣宏 「水木しげる、最奥のニューギニア探検」
    ■ 大久保和郎 訳 ハンナ・アーレント 「イエルサレムのアイヒマン悪の陳腐さについての報告」
    ■ 近藤純夫 訳 キャサリン・メイヤー「山でウンコをする方法 自然と上手につきあうために」
    ■ 黒崎直 「トイレ考古学入門 水洗トイレは古代にもあった」
    ■ 岩田真紀訳 J・G・ボーグ L・P・カプラン編 「スカトロジー大全」
    ■ 斉藤政喜+内澤旬子 「東京見便録」
    ■ 高島平吾訳 ローレンス・ライト「風呂トイレ賛歌」
    ■ ローズ・ジョージ 大沢章子訳 「トイレの話をしよう」
    ■ O・呂陸(小馬徹) 「放屁という覚醒 人類学的放屁論のフィールド」
    ■ 斉藤政喜 内澤旬子 「東方見便録 もの出す人々から見たアジア考現学」
    ■ 高部正樹 「傭兵の誇り」
    ■ 大泉実成「説得 エホバの証人と輸血拒否事件」

    ■ クロード・レヴィ=ストロース作品簡易リスト(2013年作成)
    ■ 竹内信夫訳 クロード・レヴィ=ストロース/ディディエ・エリボン「遠近の回想・増補新版
    ■ 川田順造・渡辺公三訳 クロード・レヴィ=ストロース 「レヴィ=ストロース講義」
    ■「現代世界と人類学 -第三のユマニスムを求めて」
    ■ 山口昌男・渡辺守章 クロード・レヴィ=ストロース 「創造の小径 仮面の道」
    ■ 竹内信夫訳 クロード・レヴィ=ストロース 「みる きく よむ」
    ■ 川田順三 訳 レヴィ=ストロース 「悲しき熱帯 I」
    ■ 川田順三 訳 レヴィ=ストロース 「悲しき熱帯 II」
    ■ 川田順造 訳 レヴィ=ストロース 「ブラジルへの郷愁」
    ■ 今井龍太+クロード・レヴィ=ストロース「サンパウロへのサウダージ」
    ■ 世界ノンフィクション全集 4(妹尾隆彦「カチン族の首かご・ヤン・ウェルツル「極北生活三十年」I.F.チャンピオン「ニューギニア探検紀」・レヴィ・ストラウス「悲しき南海帰線」
    ■ 早水洋太郎 訳 クロード・レヴィ=ストロース 神話理論I 「生のものと火を通したもの」
    ■ 早水洋太郎 訳 クロード・レヴィ=ストロース 神話理論II 「蜜から灰へ」
    ■ 渡辺公三・榎本譲・福田素子・小林真紀子 共訳クロード・レヴィ=ストロース 神話理論III 「食卓作法の起源」
    ■ 吉田禎吾・木村秀雄・中島ひかる・廣瀬浩司・瀧浪幸次郎 共訳 クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV-1 「裸の人1」
    ■ 吉田禎吾・渡辺公三・福田素子・廣瀬浩司・鈴木裕之・真鍋一郎 共訳 クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV-2 「裸の人2(1971(訳2010)」
    ■ 福井和美 クロード・レヴィ=ストロース「親族の基本構造」
    ■ 荒川磯男 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「人種と歴史」
    ■ 荒川幾男・生松敏三・川田順造・佐々木明・田島節夫共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 「構造人類学」
    ■ 西澤文明 訳 C・レヴィ=ストロース 「アスディワル武勲詩」
    ■ 中沢紀雄 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「今日のトーテミスム」
    ■ 三保 元 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「はるかなる視線1」
    ■ 三保 元 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「はるかなる視線2」
    ■ 中沢新一 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「パロール・ドネ」
    ■ 渡辺公三訳 C・レヴィ=ストロース 「やきもち焼きの土器つくり」
    ■ 山口昌男編 現代文化の思想セレクション3「未開と文明」
    ■ 江中直紀/山本練/芳川泰久/芳川ゆかり/渡辺直己 訳 クロード・レヴィ=ストロース/ロラン・バルト/ジャン=フランソワ・リオタール/レーモン・ベルール 「レヴィ=ストロース -変貌する構造」
    ■ 渡辺公三・木村秀雄編 「レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ」
    ■ 鎌田東ニ編 レヴィ・ストロース論文(2001年)含む 「サルタヒコの旅」
    ■ 大橋保夫訳 レヴィ=ストロース 「神話と意味」
    ■ 大橋保夫 編 クロード・レヴィ=ストロース 「クロード・レヴィ=ストロース日本講演集 構造・神話・労働」
    ■ 中沢新一・C・レヴィ=ストロース 「サンタクロースの秘密」
    ■ 橋爪大三郎 「はじめての構造主義」



    ■三神勲・小津次郎・小田島雄志・北山悌二・和田勇二・平井正穂・管泰男・西川正身 訳「世界古典文学全集42 シェイクスピアII」
    ■小津次郎・喜志哲雄・大葉健治・武井ナヲエ・大山俊一・管泰男・富原芳彰 訳 「世界古典文学全集43 シェイクスピアIII」

    Vol 1854[13-11-13](13-12-20)
    読んでないのをセレクトしてく方式で読んだのでこれでラスト、これでシェークスピアは全部読めた
    三神勲・小津次郎・小田島雄志・北山悌二・和田勇二・平井正穂・管泰男・西川正身 訳
    「世界古典文学全集42 シェイクスピアII」を読んだ
    .
    最後に読んだのが喜劇中心のまとめになってしまった、微妙なのもあるので順番的には良い
    重複するのも含むが最後の解説は違うので、評価や作品背景の実際を知る事が出来る
    本筋と関係なくサラッと良いセリフもあるのがシェークスピア、芸幅も広いので傾向もそれぞれ違う
    .
    死ぬまでに読まねばと思ってたので、キルラキルの中島かずき関連からだが良い機会と出来た
    全てが傑作では無いがやっぱり歴史に残る戯曲家だけの事はある、以下簡単に各作品感想
    「間違いの喜劇」同じ顔の二人組が間違われて大パニック
    作中の人物も夢かと間違う程で、読んでると混乱してくるが双子を上手く使った喜劇
    ハゲネタのセリフがあるのもポイント、シェークスピアはいつ頃ハゲだしたのかは気になる
    .
    「じゃじゃ馬ならし」気の強い女をさらに強い性格で押さえ込む
    出来はイマイチだが舞台では好評との事、時代背景考えてもまぁ流石にムリがありすぎる
    立ち消えだが鋳掛や屋のドッキリの方が面白い、駄馬に関するセリフなんかも面白い所
    .
    「ヴェロナの二紳士」 二組のカップルが寝取られ展開するが元の鞘に納まる話
    元ネタありだが感情移入妨げる程に、変心・裏切り・レイプ未遂と紳士の一人がヒドい
    ただ急な心変わりはロミオとかもそうなんでこの作家らしい、筋立て自体もまとまりはある
    .
    「恋の骨折損」王様一派と姫様一派の他愛ないお喋り
    印象としては本筋はあまり無く延々とダジャレが飛び交う芝居という事になる、漫才とかに近いかも
    他作家の影響が強いとあるが、最後に姫様の方に不幸があったと落とすのが作家の個性
    .
    「夏の夜の夢」これは読んでるがやはり喜劇作の中では最高傑作の評価になるみたい
    .
    「ヴェニスの商人」これも読んでる 解説も典型の商人を詳しく描写した事への言及になってる
    .
    「十二夜」これも読んでる 先の喜劇の中でも筋があるので出来は良いほうと思う
    .
    「ウィンザーの陽気な女房」.解説から別の劇のフォルスタッフの話だと再認識 全部読んだ今ならわかる

    Vol [13-11-08]
    薄い文庫を一冊ずつ借りてくるのも面倒なんで全集でまとめて読んでく事にした
    小津次郎・喜志哲雄・大葉健治・武井ナヲエ・大山俊一・管泰男・富原芳彰 訳
    「世界古典文学全集43 シェイクスピアIII」を読んだ
    .
    初期に書かれた史劇が中心、英の百年戦争終盤からばら戦争の話が中心となる
    一連の話が全て繋がってて伏線も張られてる、この時代は詳しくないので歴史の勉強になる
    昔の時代の人なんで英国贔屓で仏偏見など偏った部分も、それらは他作品にも反映されてる
    .
    味方同士宮廷内の権力巡る醜い争い、権力への渇望とその責任は後期有名作でもお馴染み
    先に読んだリチャード三世の前ふり部分が読めた事など収穫も多い、以下簡単に各作品感想

    「ヘンリー六世第一部」英国内の対立とジャンヌダルクによる仏の領土回復とその最後
    普通カッコ良く描かれるジャンヌダルク、ここでは実は悪霊を呼び男全てに股開いてた魔女扱いで面白い
    英国内の対立が領土失うキーとなり、後の作品の謀反と対立の原因と連続物の伏線も張られている
    .
    「ヘンリー六世第二部」 国内の混乱と暴動発生とばら戦争発生
    ほぼキャラ全員に腹黒い所があり王様はオロオロするばかり、解説にもある通り勢力入り乱れ混乱する
    暴徒のリーダー ジョン・タルボットの件は妙にイキイキして歪んだユーモアに溢れてて面白い、後のキャラの幼少も登場
    .
    「ヘンリー六世第三部」投獄された王と王妃仏救援養成と新たな王の誕生
    地獄絵図に王の羊飼いの生活が幸福発言やエドワード王のわたしはあんたと寝たいのだなど印象的なセリフも多い
    権力持つ事の重荷の描写や野望を抱くリチャードなど、もう悲劇にしかならず連続物の流れで見ると面白い場面も多い
    .
    「リチャード三世」 先に読んでるので省略 これ単体でも面白いと思う
    .
    「リチャード二世」 ヘンリー六世に先んずる話で精神の弱い王が王位簒奪され死ぬ話
    先に読んだヘンリー六世と記憶がごっちゃになった部分もあるが、逃げていって散々な目にあう場面が印象に残る
    再チェックしてるとヒドイめにあって悪態つく王の場面が多いが、この心の弱い王様が後々の作品の心理描写に発展するとある
    .
    「タイタス・アンドロニカス」倒した敵の王妃で現皇帝の嫁と愛人にハメられてズタズタにされる将軍
    王妃タモーラとムーア人アーロンの極悪ぶりが徹底してて面白い作品、子供へは愛情あるが悪魔レベルで極悪
    ヒドイめに会う主人公 復讐に子の肉食わしたり犯された娘殺したり、これも容赦なく苦しめられて悲劇としても徹底的

    ■ 中野好夫・小野協一・平井正穂・倉橋健・三神勲 訳 「世界古典文学全集44 シェイクスピアIV」

    Vol 1852 [13-11-08](13-12-12)
    全作まとめて読む事にきめて全集を読んでいく二回目、各作が重複もしてるので未読のを狙い撃ち
    中野好夫・小野協一・平井正穂・倉橋健・三神勲 訳
    「世界古典文学全集44 シェイクスピアIV」を読んだ
    .
    まとめて感想書いてるが量が多く記憶があいまいになってく、そこで最後の解説は記憶を紐解く資料になる
    これは最後の解説が解説者の考察中心になっててなかなか辛い部分もあった、こういう解説もなかなか難しい
    更にこれらを読んでる最中に風邪引いて体長崩してる、読むのにも覚悟がいるので流石にその期間は読まなかった
    .
    印象の強い部分は記憶にも残るが、これらの戯曲は本筋と関係無い部分で面白いセリフも多かったりする
    今回は長いヘンリー四世を先に読んでたのと印象に残る部分が多かったので助かった部分もあった、以下簡単に各作品感想

    「空騒ぎ」イチャイチャカップルが罠で憎しみあうが最後はひねくれ者も恋仲になりめでたしめでたし
    まあ喜劇なんで最後は上手いこと収まる所に収まり悪いヤツも捕まる、悲劇ばっか読んでると喜劇はまさに展開が喜劇
    ひねくれ者のベネディクトとベアトリスがまんまと恋仲になる所は単純に面白い、そこに眼が行き本筋はわりと印象薄い
    .
    「尺には尺を」 やりすぎ裁判の代理公爵に変装した公爵がキツいつっこみ
    遠山の金さんみたいな話でこれも収まる所に収まる喜劇、死んだ筈が実は生きてましたは他作の喜劇でも見られる
    規則や裁く側がどうなんだという部分もあり問題定義の場面もまぁあるかもしれないが、基本は喜劇で重い部分も少ない
    .
    「コリオレーナ」お互いがお互いをバカにした挙句にろくな結果にならない話
    解説のこの話に賢い人物はほとんど一人もいないという評が強烈な一作、実際バカしかおらず世間を風刺した作り
    ほぼ何も解決しない展開だが現代にも通じる部分が多いので何気に面白い、全員自業自得で悲惨な結果というのも風刺的
    .
    「シンベリオン」寝取られの汚名着せられた嫁が回りまわって元の鞘に収まる話
    宮廷内での陰謀の話も絡んでくる筈だったが一番印象強いのが上記場面、時代によっては悲劇ととられてたと解説にある
    これも悪いヤツは最後に報いうける、他作で顕著だが解説にもある通り悲劇と喜劇が一緒くたになった作品もこの人は多い
    .
    「ヘンリー四世第一部」「ヘンリー四世第二部」共に先に読んでるフォルスタッフが印象的な遠山の金さん的な王様の話

    ■三神勲・工藤政雄・北山悌二・大山俊一・中野里皓史・西脇順三郎 訳 「世界古典文学全集45 シェイクスピアV」

    Vol 1850[13-11-08](13-12-06)
    アニメのキルラキルをサイトで扱った加減で、脚本の中島かずきと同じ戯曲作家の古典を調べていってる
    三神勲・工藤政雄・北山悌二・大山俊一・中野里皓史・西脇順三郎 訳
    「世界古典文学全集45 シェイクスピアV」を読んだ
    .
    そこまでぶっちゃけていいのかだが、解説でこの巻に収録された各作品は変わってて一般受けしないとある
    実際に悲劇だが喜劇だが何をいいたいのだががよくわからず焦点の定まってない作品が多い、大作家も筆のあやまり
    たが逆に言えば発展性がある作品群ともいえる、お国柄で評価されてる作品もあり時や場所・客の趣向で評価も変わる
    .
    読めない可能性も考えてたので全集内に詩もちゃんと入ってたのは助かる、これもどう読むかで面白がり方が難しい
    解説ですら正直よくわからないという作品もあり正直 大家だからといってどれもこれも面白い訳では無い、以下簡単に各作品感想

    「トロイラスとクレシダ」戦争で恋人が敵方へ移動 特に勇者も正義も無い戦争
    以前読んだトロイ戦争が題材で大筋もそれにならってるが、キャラは等身大の性格描写で英雄崇拝の気持ちも抱かせない
    恋人の敵方移動で大ロマンスになる訳でも無く次々とキスされてあっさり敵方に馴染む、男情夫の死やだまし討ちも原作通りの展開
    .
    「終わりよければすべてよし」賢い娘が夜中にこっそり入れ替わってどう考えてもバカな恋人と結婚取り付ける
    なんじゃそりゃな内容だがドイツの話が原型としてある、自分の見た所では更にその原型にトルコとかのアラビア系の話もありそう
    舞台が仏ってのが鍵と思う、当時の人は地元英国贔屓で仏は敵国と見てる節がありその加減で価値観の逆転した話作ったんじゃないかなと
    .
    「ジョン王」仏と対立する王が仲良く領地脅したり邪魔な甥を始末したり毒盛られて死んだりする
    あらすじ書き出すと凄いダメ王な感じ、解説にある通り甥が命乞いする所と使者の葛藤の場面は長くセリフも感情に訴える
    王の味方になって騎士的活躍する庶民的な重要人物の表記は庶子 モブの名前の様、他の歴史劇とも共通項ある興味深い作
    .
    「ヘンリー五世」これは先に読んでるヘンリー四世の続編作 これは愛国的とされて英国で人気が高いらしい
    .
    「ヘンリー八世」王妃が罪の疑いで追放されて女官が王妃になる話あと陰謀なんかも
    陰謀物やりたいのか悲劇にしたいのかロマンスにしたいのか混乱した結果になった、単体での作家の最終作
    印象が上記通りでぼやけてしまってる、これ書いた時期49歳で52歳に死亡なんでなんか病気でもしてたんじゃないかと
    .
    「ソネット詩集」「愛人の嘆き」「悲しむ巡礼者」「雑曲ソネット集」文の練習もかねてたらしい定型ある詩の各作品
    内容は特に無いとも云えるが女性への憎しみが戯曲も含め各種にも見られる所から、本当は女嫌いな所あるんじゃないかと
    読み難くく解釈も難しいが読者に対してのおべっかなんじゃないかとも思う、これだけ褒めちぎればそりゃ悪い気せんだろなと
    この作家は各種肖像がハゲで若ハゲと睨んでる、更に権力もある立場だった筈なんでちょっと歪んだ所があったと推測してる
    .
    「不死鳥と山鳩」解説によくわからないと言われた作 二匹の鳥が互いに心中する わりとロマンス的な所があるんじゃないかナ

    ■阿部知二・小津次郎・八木毅・御輿員三・福原麟太郎・岡本靖正・和田勇一・本道正夫・高松雄一 訳 「世界古典文学全集46 シェイクスピアVI」

    Vol 1848[13-11-08](13-11-29)
    近場の図書館にあった全集はここまで、抜け等があり全作カバーしてないので遠い所で追加借り出しする必要がある
    阿部知二・小津次郎・八木毅・御輿員三・福原麟太郎・岡本靖正・和田勇一・本道正夫・高松雄一 訳
    「世界古典文学全集46 シェイクスピアVI」を読んだ
    .
    小品ながらバリエーション溢れる作品群で解説も安定してる、最後に読んだのでけっこう印象に残った作品も多い
    最後に年表も付いてるので改めて再確認、18歳で結婚52歳で死亡と早熟だがハゲたのはいつだろうと気になる部分も
    こんなもん真面目な研究者は扱わんだろうが、若くしてハゲるというのは人格に結構影響を与えてしまうと思う
    .
    16世紀終盤から17世紀初頭が全盛の人だか、プルターク英雄伝など同時代の作品からの影響も大事だなと思う
    元ネタがあってそこから発展させて行く作品が多くなる喜劇ではわりと媚びてる印象も、以下簡単に各作品感想

    「お気に召すまま」陰謀で放浪生活に入った恋人が結ばれるまで
    これも原作ありらしいが前半の陰謀劇や放浪する王の描写から、後半の呑気なロマンス劇の落差になんじゃこりゃ感はある
    解説から宮廷と自然の対比を表現したかったとあるが少し散漫、有名な人生は舞台のセリフもわりと本編との関係は薄い
    .
    「アントニーとクレオパトラ」先に読んだ歴史劇 人物の迷う様なんかが面白い
    .
    「アセンズのタイモン」バカな金持ちが浪費のあげくスカンピン性格までひん曲がる
    金の切れ目が縁の切れ目の風刺的な作品、ひたすら世の中に悪態つく貴族は現代にも繋がってイヤンな感じだが面白い作品
    失敗とはいわれてるが自分は結構印象に残った、解説にもある様にリア王と結び付けても面白いあっちは難しかったがこっちはわかり易い
    .
    「ペリクリーズ」 別れ別れになった家族が苦難の末に再開する
    誰かとの混作では無いかと言われ解説から評価も低いとあるが面白かった、初演では舞台でも好評だったとある
    ご都合主義的な部分も多すぎて喜劇といってもいいかもしれないが娯楽としては良いんじゃないかと、まぁ評価は人それぞれ
    .
    「冬の夜語り」ケンカ別れした王様が生き別れの娘のお陰で皆幸せになる
    別々の話をつなぎ合わせた様な印象を受ける、寝取られの疑惑の嫉妬や王子が死ぬ所など前半は他作でも見られる悲劇
    後半はバカな農夫なんかも出てきて逆にご都合主義的なまでに喜劇的、この繋ぎをどう取るかで解釈も異なってくると思う
    .
    「あらし」これも先に扱ってる これもトントン拍子に上手く問題が解決して呑気な所ある
    .
    「ヴィーナスとアドヴァニス」これは詩で原作ありヴィーナスに愛されるもイノシシに突かれて死んじゃう話
    元々は馬の世話係なんかもしてた筈で馬好き作家、各作品のあらゆる所で馬の描写があり ここでも馬を称える部分あり
    人間はともかく馬の美しさやイノシシの獰猛さは今でもわかる部分で、その事でこれだけ筆を進めれるのはやっぱり凄いなと
    「ルークリース」これも詩で原作あり寝取られ妻の悲劇と夫の悲しみ
    実際に寝取った場面の描写はほんの少しでエロな訳じゃない、心情の描写を延々と書き連ねててそこが逆に凄い

    ■中野好夫・平井正穂・管秦男・大山俊一・小津次郎・和田勇一訳 「筑摩世界文学大系17 シェイクスピア2」

    Vol 1846[13-10-21](13-11-22)
    シェイクスピア作品は全部で36、この全集は15収録で約1/3が読める事となる
    中野好夫・平井正穂・管秦男・大山俊一・小津次郎・和田勇一訳
    「筑摩世界文学大系17 シェイクスピア2」を読んだ
    .
    昔の歴史背景やギャグ・今のドラマと比較して不要な部分も多いが、それは時代の問題
    難しいと思ってたが夏の夜の夢でイメージ一新、この人は結構ユーモアに溢れてる
    自分の好きなお化けや馬の話も頻繁に使われてて、その点でも結構親近感を感じる
    .
    作品によって差はあるが人間への観察眼は鋭い、また逆にそれを書き分けれるのもエライ
    これでやっと半分だがいい機会なんで全作は読む、量の多さと全集で分散してるのが厄介

    「ロミオとジュリエット」対立組織のカップルが坊主の策で結婚しようとするも失敗する話
    乳母の所など実はギャグも多い、ロミオも最初は別の子にお熱で若さの軽はずみが良く描けてる
    反転してる事が全体のギャグにあり悪魔的な役所も神父が担当、対立を煽るのが若人・夫人なのも面白い
    .
    「夏の夜の夢」 2組のカップルの恋愛を巡り妖精王の策が空回りする話
    あたしは犬よ マゾっけ全開のヘレナがたまらん、その後の両者求愛でぶち切れる所とかも最高すぎる
    終盤のダメダメ芝居への突っ込みも面白い、お化けも沢山出るしこの人の評価が大幅に変わり良くなった
    .
    「ヴェニスの商人」 杓子定規の商人が裁判で大失敗する話 元ネタありで時代背景も共に考える必要があり
    本来は喜劇キャラの心情を詳しく描いてしまった所で意味合いが違った作品、それで話が混乱してる面もある
    裁判の所が見せ場、掟を守る者がヒドい目に合いそうでないのが良い目を見るってのも皮肉が利いてると思う
    .
    「ヘンリー四世 第一部」皇太子とその取り巻きゴロツキの生活と戦争の始まり
    タイトルと違い主役は皇太子と仲間のフォルスタッフ、ハチャメチャぶりと王子のその後と本心も踏まえた話となる
    強盗事件とその顛末など史劇だが実際の庶民生活が描かれ親しみやすく、読みやすく面白い所も多い
    .
    「ヘンリー四世 第二部」 戦争の経過と王子の即位までの話
    一部が青年編とするとこれは成長編となる、王の最後と王冠を巡る一連の結末は王の責任と重荷の話へとなる
    フォルスタッフも悪い意味で大活躍 新規の仲間は次作へのフリとなる、そして最後は投獄 悪い事は続かないネ
    .
    「ヘンリー五世」 対仏戦争の勝利と平和
    かっては自分もその中にいた庶民の考えを前にして苦悩する王の所が見せ場、人間としての王が良く描かれてる
    馬大好きっ子の仏の皇太子が面白い、仏のお姫さまの言葉やフォルスタッフの仲間の話など楽しい場面も沢山
    .
    「アントニーとクレオパトラ」色ボケになった将軍と恋愛で右往左往するお姫さまの話
    これも史劇、恋愛のやりとりもメインとなり感情と現実の板ばさみになる様が見所 伝令にコロコロ気持ち変わる姫の所が良い
    敬意と敵意が同居の姉好きシーザーや忠誠心で苦悩するイノバーバスなど、脇キャラもしっかり描けてる所も面白い
    .
    「あらし(テンペスト)」魔法使いがシナリオ通りに事を進める話
    話自体はトントン拍子に進むのでゆるい面もあるが、これが最終作となるので作者自身の話かと推測が進む作品
    魔法とかお化けが好きな所・本音と建前の部分などこの人らしさは良く出てる、最後の言葉を作者自身とすると興味深い

    ■ 松岡和子訳 ウィリアム・シェイクスピア 「シェイクスピア全集 リチャード三世」
    ■ 中野好夫・小津次郎・三神勲・西川正身訳 「筑摩世界文学大系16 シェイクスピア1」

    Vol 1844 l13-10-09](13-11-15)
    「絶望して死ね」中島かずき関連調べる加減での関連資料 読まねばと思いつつ放置のシェイクスピア
    松岡和子訳 ウィリアム・シェイクスピア 「シェイクスピア全集 リチャード三世」を読んだ
    .
    時代背景と作品説明の解説は付いてるが、それでも前後とその人間関係がややこしい史劇
    ヘンリー六世の後日談にあたり、要はお家騒動で事件を起こす側視点の作品で悪が強調されてる
    人物把握は難解だが、主役の上昇志向・良心に悩む暗殺者・復讐に付かれた夫人と心理は読める
    .
    後半の公爵夫人とリチャードの対立から屠った相手の亡霊出現・壮絶な死までは凄い仕上がり
    「馬だ!馬をよこせ!代わりに俺の王国をくれてやる 馬!」馬に関する部分も訳者あとがきと共に注目点

    Vol[13-10-17]
    サイトで中島かずきのキルラキル扱う事になり、その過程で前から調べたかったのも追加調査
    中野好夫・小津次郎・三神勲・西川正身訳 「筑摩世界文学大系16 シェイクスピア1」を読んだ
    .
    昔の人なんで元ネタ・元セリフがある可能性もあるが、驚くほどに人間観察に優れてる
    昔読んだ時や今でももこっちの経験不足でわからない所もあるが、それでもある程度は読める
    外国の歴史事情や外人名・長セリフなど出てくるのがネック、そこは資料参照すればカバー出来る
    .
    本文解説が最初のはいろいろ付いてるが、以降は少なめなのは残念 訳も知られたのと違う場合もあり
    馬とお化け関連の話題も意外に多い、それぞれ有名作なんで以降はある程度独立させて扱う
    .
    「ジュリアス・シーザー」ローマの歴史上の事件が元で暗殺の動機とその過程を描写していく
    暗殺する側とされる側それぞれに思う所あり必ずしも一方的で無いのが面白い、要は人間が描けてる
    そこに利用される側と利用した側・市民なんかが絡んでくる、歴史資料重視や予言に関する見解も見所
    .
    「十二夜」恋愛を巡る喜劇で後の文学等でもよく見られる手紙を使ったいたずらがポイントとなる
    この人の作品では道化や阿保・狂人の立ち位置が非常に面白い、この作品でも随所でおトボケる
    恋愛がテーマの喜劇で恋によって痴態を晒す事となる、喜劇で悪意も少なくふり幅で内容変わるとワカル
    .
    「ウィンザーの陽気な女房たち」寝取られを巡る陰謀が事前に察知されてたらどうなるかの話
    悲劇では陰謀は大惨事を起こすが喜劇では悪党がマヌケ面を晒す結果となる、ここらも絶妙な所
    この人はお化けネタが意外に大好きでその様子も最後にある、合理的な所があるんじゃないかなと思う
    .
    「ハムレット」こっちはお化けのせいで頭おかしくなってメチャクチャになってしまう話
    ゲーテの批評で事件が起きなければどうか仮定すると面白いなどがある、後半は本人だけに見え狂ってくる
    大昔読んだ時はホレーシオや敵国の陰謀も疑った、処女で拒否されて狂うオフィーリアも今見るとあんまりで凄い
    .
    「オセロー」讒言でありもしない嫉妬に狂う話 これは現在でもそういうカップルはけっこういて病名にもある
    ハンカチの件が強烈だが話としても説得力あるのが凄い所、罠にハメる側もよく描写されある意味で主役といえる
    大昔に松下幸太郎の舞台中継も見たがその時も面白かった、普遍性あるテーマを捉えてるのもこの人の凄い所
    .
    「リア王」年取ったら追い出されて頭までおかしくなる話 サブで騎士の忠誠や嫡子の恨み・強欲等もある
    これは話の筋が複雑で狂人と演技の狂人等も出て難かしく結局二回読んだ、リア王だけの話ではないとも思う
    肝心な場面がわかり難い等もあるが、原因が内在されてる様など良く出来てる もっと経験詰まんと完全な理解はムリ
    .
    「マクベス」予言で下克上を実践するも予言と罪悪感に苛まれてキリキリする話
    蜘蛛巣城でもお馴染み、映画は知らなくてもキャラが整理されてるので読み易く面白い
    敗北フラグの二つの予言の映画での処理の上手さに納得、これ自体からして人間が良く描けてる

    ■ 前嶋信次 「アラビアの医術」
    ■ 諏訪邦夫 「麻酔の科学 手術を支える力持ち」

    Vol 1840[09-09-25](13-11-01)
    千夜一夜訳者の著書という事で興味を持った
    前嶋信次 「アラビアの医術」を読んだ
    .
    教科書にもアラビアの医療技術は高かったとあり、関心があった
    まえがきから、前嶋信次の実家が代々の漢方医だったとわかった
    筆者の豊富な知識から来る逸話や、薬学への言及が面白い
    .
    昔の医療なので怪しい話も多いが、今でも通じる所や治療法も多い
    東西の技術が交流する地域だからこそ、医療も発達したと学んだ

    Vol [10-12-15]
    89年の本なんで古くなってる部分もあるが、興味深かった
    諏訪邦夫 「麻酔の科学 手術を支える力持ち」を読んだ
    .
    体に刃物入れても痛くない、麻酔状態時の脳の働きに興味あった
    睡眠とは違い時間感覚が狂うというのが発見、麻痺ってのが近いかも
    最初の吸引麻酔が1845年と新しく、麻酔学が実際に発展してく様がわかる
    .
    安全第一の前提条件があるので、器具の改良などに努めた事に納得
    自分で実験や量の間違いで新発見など、医学よもやま話も面白かった

    ■ 石浦章一訳 「ブルーバックス Q&A 人体のふしぎ」

    Vol 1838 [11-01-26](13-10-25)
    Q&A方式なんで読みやすい、更に疑問が深まる所もある
    石浦章一訳 「ブルーバックス Q&A 人体のふしぎ」を読んだ
    .
    眉唾な所や後の研究で改定された点もあるが、トリビアの宝庫
    死に関する章もあり、自然発火はガスが原因とやっと謎がとけた
    動物もする首かしげ、記憶や知識も脳の中の物質なのかなと不思議
    .
    男も理論上母乳を出せるとか、どこまでも重くなるとかは無駄にロマン
    聴きにくく調べ難い、下ネタ関連が少ないのは少し残念

    ■池上千寿子・根岸悦子訳 ジョー・ダデンスミス・ダイアモン・シモーヌ 「セックス&ブレイン 男と女の科学最前線」

    >Vol 1836[12-10-25](13-10-18)
    心理的なものではなく、脳やホルモンなどの研究で実際的
    池上千寿子・根岸悦子訳 ジョー・ダデンスミス・ダイアモン・シモーヌ
    「セックス&ブレイン 男と女の科学最前線」を読んだ
    .
    脳・ホルモン・免疫・フェロモン・社会と性差と、過去研究のおさらいで六章
    実際の生活にも基づき、未だ研究段階の面もあるが80年代の本で最新情報
    一言でいうと男女の体は、脳や分泌・ホルモンの段階で別物という事
    .
    朝起きると異性になってたり、遺伝子・ホルモン障害で出る影響など実例も豊富
    社会構造にもかかわるが、男女の分担体制が人類進化を促したは興味深い意見

    ■ 鬼頭昭三「ブルーバックス 脳を活性化する性ホルモン」

    Vol 1834[10-11-24](13-10-11)
    ホルモン全般の資料を期待したが、エストロゲンのみに特化
    鬼頭昭三「ブルーバックス 脳を活性化する性ホルモン」を読んだ
    .
    エストロゲンは女性ホルモン、なので高齢の女性対象の書籍
    とはいえ、ホルモンの働きを詳しく解説してるので参考になった
    遺伝子を活性化させ体までも変化させる、ホルモンはあなどれん
    .
    脳の感情や記憶・学習にも影響するなど、心も物質だと感心した
    乳ガンの副作用もあるが、エストロゲンはもっと知られてもいいと思う

    ■ 波多野鷹・金子弥生 「現代日本生物誌 3 フクロウとタヌキ 里の自然に生きる」

    Vol 1832[13-10-03](13-10-04)
    02出版で最新資料に近いが、共生問題が主で行動学的なタヌキの分析は未だ不明点が多いみたい
    波多野鷹・金子弥生 「現代日本生物誌 3 フクロウとタヌキ 里の自然に生きる」を読んだ
    .
    フクロウは保護された固体の記録、鷹匠さんが担当で生態分析と個体数は未だ不明等の報告になってる
    タヌキの研究方法は以前読んだ本と同じ方式が継承されてる、特に都市部の生態報告は最新版
    大阪の狸は全滅?交通事故死・病気と疥癬・餌付け問題発生、調査不足と環境変化で対応法も未だ不明
    .
    海外のアナグマ共生団体の成功例が挙げられてる、タヌキ自体珍しい動物なので対応の確立が急がれる
    対談あり 狸皮の金箔伸ばしと八畳敷の話が怪的に興味深い、人類学との共同研究も今後出来ると良い

    ■ 池田啓 「子ダヌキのいたずら日記」「タヌキはぼくのたからもの タヌキ博士ばかしあいの二十年」

    Vol 1830[13-07-21](13-09-27)
    サイトでアニメ版有頂天家族扱った加減でタヌキのお勉強、児童向けだが国際タヌキ博士の本
    池田啓 「子ダヌキのいたずら日記」「タヌキはぼくのたからもの タヌキ博士ばかしあいの二十年」を読んだ
    .
    「いたずら日記」に文と写真を追加したのが「たからもの」、日本のたぬき研究の歴史と実際の活動
    この人が調査するまで謎も多く、実際の調査もタメフンあさりに深夜のパトロールと大変な作業
    タヌキ親子と子ダヌキの研究飼育も経験してる、「いたずら日記」ではこれがメインで「たからもの」に写真
    .
    民話などたぬき伝承にも範囲を広げタヌキ博士の名が相応しい、身近で遠く謎も多いのがたぬき
    児童向けなんで読み易く話自体も飼育記録と面白い、子タヌキの可愛い写真も豊富で勉強になった
    [追記]
    作者は後にコウノトリの野生復帰事業なんかもしてるが、現在はもう亡くなられてる

    ■宮本拓海・しおやてるこ・NPO都市動物研究会 「知りたいサイエンス タヌキたちのびっくり東京生活 都市と野生動物の新しい共存」

    Vol 1828[13-07-19](13-09-20)
    サイトでアニメ版有頂天家族扱った加減でタヌキのお勉強、まだ謎も多い生き物
    宮本拓海・しおやてるこ・NPO都市動物研究会
    「知りたいサイエンス タヌキたちのびっくり東京生活 都市と野生動物の新しい共存」を読んだ
    .
    漫画・図版もついてて読み易い、以前も動物番組であったが東京23区はたぬきが住んでる
    昔から住んでる一族の子孫 ただしキツネは滅んでる、やはり緑があると生きてけるみたい
    ネコ並みの身軽さに警戒心と大胆さと印象も変わる、匂いの無さや昆虫食べてると生態もわかる
    .
    人前には姿を見せるが馴れない、観察はほっとくのが良いなどウォッチングの方法も書いてる
    動物園でしか見た事ないが大阪にも住んでそう、たぬき可愛いんで昔から凄い好き

    ■ 萩原恵子 「東京のタヌキからあなたへ タヌキの伝言」

    Vol 1826[13-07-21](13-09-13)
    サイトでアニメ版有頂天家族扱った加減でタヌキのお勉強、都市で暮らすタヌキの実際
    萩原恵子 「東京のタヌキからあなたへ タヌキの伝言」を読んだ
    .
    タヌキと遭遇した事をきっかけに独力で調査、会報を使った情報収集から保護活動の話まで
    慎重な動物なんで姿を追う事や保護は頭と体を使う大作戦になる、その過程も面白い
    写真が豊富、保護されてネコと仲良くなったタヌキやタヌキの子供など可愛らしい図版も多数
    .
    テーマは野生生物との共生の難しさに尽きる、遭遇し難い動物なんで付き合い方がわからんワケ
    結局放っておいて観察だけするのがベストなんだが、心情的な問題も関与してなかなか難しい

    ■ 松谷みよ子 現代民話考 11 「狸・むじな」

    Vol 1824[13-07-15](13-09-06)
    有頂天家族アニメ版扱った加減から、たぬき関連はこれ一冊でほぼ全て網羅
    松谷みよ子 現代民話考 11 「狸・むじな」を読んだ
    .
    狸はイヌ科で狢はイタチ科、まあ混合されてて同じ 話は四国に集中してて関西でも京都・泉南・和歌山
    あしまがり・白坊主・朱の盤・小豆とぎなどお馴染み面子も多数、白坊主ゲロで正体露呈は滑稽
    白狸は珍重され高知ではカッパ系列の相撲話もタヌキになってる、女の口は二つなど楽しい話も
    .
    木の葉金・馬糞・馬のケツなど定番も これ100年ほど昔、芝居見せたとかの愛嬌ある話も多い
    負けて狸汁にもなるが、戦争で手助けしたり恩返ししたりと他のお化けに比べやっぱり憎めない

    ■ 中村禎里 「狸とその世界」

    Vol 1822[12-10-10](13-08-30)
    昔の文芸、主に怪異絡みでの狸の扱いや日本人の持つ狸像など
    中村禎里 「狸とその世界」を読んだ
    .
    推測で説得力に欠ける所や偏った所もあるが、狸の出る古典は網羅してる
    怪異絡みで聴いた事もある、勧進の坊主や隠れキリシタンとの関連など
    意外に歴史は浅いが、おなじみの新楽焼の定型タヌキ その定型ルーツ探りが面白い
    .
    昔の狸の語は山猫やイタチなんかも指して、話の中でも置換範囲が広い
    巻末の関連書籍も200以上あって、タヌキはやっぱり愛されてる事が分かる

    ■ 笠井新也 「阿波の狸の話」

    Vol 1820 [13-08-17](13-08-23)
    引用でよく引かれる一次資料、知ってると思っても実際読むと描写詳しく発見も多い
    笠井新也 「阿波の狸の話」を読んだ
    .
    解説は村上健司、あとがきも作品背景に詳しく四国に今も狸の祠が多い事に驚く
    明治に収集なので江戸期の話も多いと思う、意外に思うかもだが都市部に集中してる
    作者が無断改造転載に怒ってる阿波伝説物語も収録、伝播の内容比較もこの一冊で可
    .
    小豆あらいなどのメジャー所から、図鑑にも無いレア狸妖怪まで一次らしく幅広く収録
    特に複数の話が集まり、相手方視点での話までまとまった有名な狸合戦の話は面白い

    ■ 竹内信夫訳 クロード・レヴィ=ストロース/ディディエ・エリボン「遠近の回想・増補新版
    ■ 川田順造・渡辺公三訳 クロード・レヴィ=ストロース 「レヴィ=ストロース講義」
    ■ クロード・レヴィ=ストロース作品簡易リスト(2013年作成)
    ■「現代世界と人類学 -第三のユマニスムを求めて」

    Vol 1817(13-08-09)
    まとめて扱ったレヴィ=ストロースもこれで最後、人柄が良く出たインタビューと講演記録
    図書館に無かった本と雑誌掲載の論文等で未読あるが、訳の出てるのはだいたい読めた
    世の諸問題の答えを求めてたと途中で気づいたが、本人も言うように構造主義は魔法の杖じゃない
    .
    80年代の学問で古くなってるし後続者の学問上の論争もあるが、一時代築き歴史に残る学問
    20世紀の偉人の一人で実際頭が良い、百歳まで生きたのも安定した人柄と精神の成せる業
    わからん言いながらも全部読んで勉強になった部分や発見も多く、読んで損はまったく無かった

    図書館の検索結果から現状翻訳出て読む事が比較的簡単なレヴィ=ストロースの作品リスト
    大急ぎでまとめたので間違いあると思う、母国語及び雑誌等への論文も含む完全に詳細なリストは
    「パロール・ドネ」か「レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ」巻末の付録にあるのでそれ参照すると良い
    親族の基本構造(1949(訳1977))論文
    人種と歴史(1952(訳1970))論文
    サンタクロースの秘密(1952(訳1995))論文
    悲しき熱帯(1955(1977妙訳1960))旅行記
    世界ノンフィクション全集 4 カチン族の首かご
    悲しき熱帯と同じ
    (訳1960)旅行記
    構造人類学(原書サンタクロースの秘密含む)(1958(訳1972))論文
    アスディワル武勲詩(1959(訳1973)論文
    レヴィ=ストロース -変貌する構造(1952(訳1995))
    レヴィ・ストロースとの対話(1961(訳1970))
    今日のトーテミスム(1962[訳1960含む](1970))論文
    野生の思考(1962(訳1970))論文
    現代人の思想セレクション 3 未開と文明1962論文から訳1969論文
    神話理論I(1964(1992部分訳・完訳2006)論文
    神話理論II(1966(訳2007))論文
    神話理論III(1968(訳2007)) 論文
    神話理論IV(1971(訳2010))論文
    仮面の道(創造の小径(1975(訳1977))芸術
    神話と意味(1978(訳1980))論文
    クロード・レヴィ=ストロース日本講演集 構造・神話・労働(1979日本版のみ1977来日記録
    はるかなる視線(1983(訳1986))論文
    パロール・ドネ(1984(1985妙訳)(完訳2009)) 論文
    やきもち焼きの土器つくり(1985(訳1989))論文
    レヴィ=ストロース講義1988(2005(1986日本講義))インタビュー
    遠近の回想・増補新版(1988(訳1991)増強訳2008) インタビュー
    犬山猫の物語(1991(未刊))
    みるきくよむ(1993(訳2005))芸術
    ブラジルへの郷愁(1994(訳1995))旅行記
    サンパウロへのサウダージ(1996(訳2008))旅行記
    サルタヒコの旅(2001論文から)論文
    レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ

    Vol (13-06-30)
    80歳の頃のインタビュー、あとがきにもあるように本人の素顔と思想を引き出した良い一冊
    竹内信夫訳 クロード・レヴィ=ストロース/ディディエ・エリボン「遠近の回想・増補新版(1988(訳1991)増強訳2008)」を読んだ
    .
    本を理解出来ない場合もある事や自分より上手く表現出来る人を認めてるなど、凄く謙虚
    普段読んでる本や尊敬する作家、交遊の中で実際に会った著名人の意外な素顔の話も満載
    主義者との論争に絡み、一見すると虚無的ながらも努力する姿勢は偉人に相応しく立派
    .
    論文の裏話から努力した事や、日常性の話から覗くユーモアなど人間としての著者も出てる
    偉人なら全ての答えを知ってるかも知れないって考えがあるんだなと、読みながら自分でも気づいた
    .
    「結婚するなら同じ村の娘、できれば町内の娘、そしてできれば一つ屋根の下の娘」
    引用されてるなかから気になった南仏地方の諺、欧州にも近親相姦願望あるのも発見
    あと高校生がレポートの宿題で手紙送り、それに答えて難しいかもネの所もオモシロイ

    Vol [13-05-02]
    80年代後半の三回の日本来日時の講演の訳、講演での質疑応答も収録
    川田順造・渡辺公三訳 クロード・レヴィ=ストロース 「レヴィ=ストロース講義1988(2005(1986日本講義))」を読んだ
    .
    この人の本は後期の方が考えがよくまとまってて、これも具体例出してて凄く読み易い
    初期の頃のワードの冷たい社会と熱い社会に関しての詳しい説明、初期の本から整理されてる
    人類学者の立ち位置・人工授精の制度面が太古からある例・文化と人類の発展など
    .
    わからない質問にはノーコメントとはっきりしてる、教授達との質疑応答も面白い
    日本を重視の学者さんなので、「離見の見」など日本文化で例を出して褒められるのも嬉しい所
    [13-06-04]
    「現代世界と人類学 -第三のユマニスムを求めて」も読んだ、これはこの本と同じでタイトル違い
    オマケとしてこっちには仏語っぽい原文がまるまる付く、比較しての省略等は特にはないと思う

    ■ 山口昌男・渡辺守章 クロード・レヴィ=ストロース 「創造の小径 仮面の道」
    ■ 竹内信夫訳 クロード・レヴィ=ストロース 「みる きく よむ」

    Vol 1815(13-08-02)
    今回もレヴィ=ストロースから芸術に関した本、この人の人間味が出た逸話も含まれてる
    子供の頃に民族学の作品みて喜んだ話や、この人自身音楽家になろうとして挫折もしてる
    漫画とロックだけは最後までダメだったのも面白い、論文は硬いがこの人自身は結構柔らかい

    Vol[13-06-20]
    文が短く普段無い個人的な感想もあり、また面白い図版が豊富が読みやすく面白かった
    山口昌男・渡辺守章 クロード・レヴィ=ストロース 「創造の小径 仮面の道(1975(訳1977))」を読んだ
    .
    特異な仮面の理由を辿っていく、神話との関連性から理解不能な神話も登場してくる
    これを隣の地域の仮面や神話と比較し、対比する関係を突き止め実例交えて解明する
    話はどんどん拡大していって、大地からの富という事で日本のナマズ絵にも波及していく
    .
    美術の分類にも入る本なので、創造はどういう形で変形していくかもわかり勉強になる
    中国の同系の目玉出た仮面もあるが、自分は似た お多福とひょっとこを連想して読んでた

    Vol [13-05-27]
    芸術の棚にあり、表紙は川鍋暁斎の少し怖い狸と兎のダンスの絵
    竹内信夫訳 クロード・レヴィ=ストロース 「みる きく よむ(1993(訳2005))」を読んだ
    .
    93年の85超えた頃の芸術エッセイ、もう年で考えも偏った所ある頃で参考まで
    扱った絵の図版もあり、製作環境も込みの絵画や音楽の構成に注目してる所がらしい
    隣の芝生は青いの感もあるが日本趣味から、日本文化への言及とベタ褒めがある
    .
    大昔の論評例が今と変わらない所や、範囲は狭いが連続のモチーフの指摘が面白い
    神話に関する論文も一節あり、使い終えた物の例から日本の九十九神にも話が及ぶ

    ■ 川田順三 訳 レヴィ=ストロース 「悲しき熱帯 I」
    ■ 川田順三 訳 レヴィ=ストロース 「悲しき熱帯 II」
    ■ 川田順造 訳 レヴィ=ストロース 「ブラジルへの郷愁」
    ■ 今井龍太+クロード・レヴィ=ストロース「サンパウロへのサウダージ」
    ■ 世界ノンフィクション全集 4(妹尾隆彦「カチン族の首かご・ヤン・ウェルツル「極北生活三十年」
    「ニューギニア探検紀」・レヴィ・ストラウス「悲しき南海帰線」

    Vol 1813(13-07-26)
    今回もレヴィ=ストロース、古い版も含む一番有名で世界の名著でもある旅行記など
    教科書に載る様な本で前半も固い文で身構えてたら全裸、もうそこに目がイッちゃう
    本人も綺麗だったとコメントしてる可愛い娘さん、もう今は裸で暮らす人も少ないしノー
    Vol [13-03-17]
    代表作ではあるが難しいとの話で敬遠してた、実際構成が特殊で思想的な部分も多い
    川田順三 訳 レヴィ=ストロース 「悲しき熱帯 I(1955(訳1977(妙訳1960))」を読んだ
    .
    ブラジル原住民調査の探検記だが、その後の疎開や昔の思い出話から幕は開く
    共産主義から哲学・学生時代の二項対立から第三の見方の体操の話は後年の思想に繋がる
    インドの物乞いの思い出話が印象深く重い、この人の違いや共通点を意識する姿勢が出てる
    .
    巻も終わりに近づく頃にようやくブラジルへ、但し開拓の失敗や文明の進出に対して手厳しい
    最初の村の探訪は最後の章、この巻だけでは確かに難しいと感じる部分はあると思う
    -
    Vol [13-03-17]
    いよいよ図版も豊富な原住民調査、後半は再び思想的な部分とこの人を連想させる構成
    川田順三 訳 レヴィ=ストロース 「悲しき熱帯 II」を読んだ
    .
    裸族です 全裸です 乳丸出しです ウヒョー、頭悪いとは思いつつも図版と話は興奮してまう
    但し探検旅行は困難を極め住民もひたすらに貧しい、荒野に原生林・命の危険も伴う
    我々と変わらぬ住民達の理論性・民主主義的な社会・婚姻の調査など後の理論に繋がる
    .
    ただ思い出としては過酷なだけと現実的、苦しみが形をとった様な戯曲まで当時作ってる
    巻末は再び思想的な話に、普通の冒険記とは違うがこの人を知る上では重要な一冊

    Vol [13-05-14]
    悲しき熱帯にも写真が数点載ってるがそれの完全版、写真集で95年頃の作品
    川田順造 訳 レヴィ=ストロース 「ブラジルへの郷愁(1994(訳1995)」を読んだ
    .
    全体主義的挨拶する子供など、町並みも含め戦前の記録を写した貴重な資料
    もう日本に興味を示してた頃になる、序文は結構悲観的な気分に満ち溢れてる
    悲しき熱帯も併せて読むとお判りだか、ホントーに俗で申し訳ない すっぽんぽん
    .
    老若男女全てがほぼ全裸、更に凄い事に前の毛が何故か全員無しでとってもスジ
    実際は生活は苦しく今はもう滅んだ状態だが、ほんの数十年前は楽園もあったんだなぁと

    Vol [13-05-22]
    悲しき熱帯時の撮影の未収録分から都市風景、インタビューと解説で構成
    今井龍太+クロード・レヴィ=ストロース「サンパウロへのサウダージ(1996(訳2008))」を読んだ
    .
    2005年のインタビュー収録、都市均一化に批判的なんで悲観的な文になってる
    写真は当時の日系人向け広告もあるのが面白い、現代との比較写真も掲載
    半分の量を占めるのが解説、仏で全集が刊行され悲しき熱帯時の裏話もある
    .
    同行した別カメラマンとの比較写真、カットされた場面の復元比較など興味深い
    裸の若い娘の乳をチューチューする猿、写真は他にも沢山あるみたいでそれも日の目みると良い

    Vol [13-06-26]
    レヴィ=ストロース関連で借りてきたが、悲しき熱帯の短縮版で被ってしまった
    世界ノンフィクション全集 4を読んだ
    .
    あとがきの感想が大体を説明してるが、研究者じゃないのはウソも多いと思った方が良い
    時代的に全て20世紀初頭と最近、戦争前はまだ世界に未踏の地も多かったんだなと驚く
    読まないとも思ったが結局全部読んで以下各自感想、特異な経験譚として面白かった
    .
    妹尾隆彦 「カチン族の首かご」、戦時中のビルマで王様になりかける話
    政治的になる場合もあり、戦争中の異常事態での体験談はこれに限らず怪しいのは多い
    過大な所もあるが、戦争中の軍務や同様に南方へ憧れた水木サンも彷彿とさせ面白い
    .
    中垣虎次郎訳 ヤン・ウェルツル 「極北生活三十年」 アウトサイダーが立身出世
    取引で大儲けと商売物として面白い、最初の地図も無い雪原を延々と進む所も良い
    現地で未成年の娘に囲まれた仕事場など、最後に成功が控えてるのもあり羨ましい所
    鯨捕りに盗賊団との対決・個性ある人々とその末路などユニークで楽しい話も多数
    .
    三吉朋十郎訳 I.F.チャンピオン「ニューギニア探検紀」 1926年の正式なニューギア調査の記録
    これは信頼出来る研究者のもの、ニューギニアは水木サン出兵の南方最前線としてもお馴染み
    まだこの頃は地図も言語も不明の世界なのが驚き、現地人との苦戦のやり取りも冒険の肝
    そんな中男気を示すのが部族の酋長、名前がわかるのも終盤で人の絆の話としても面白い
    .
    室淳介訳 レヴィ・ストラウス 「悲しき南海帰線(訳1960)」、1939年のブラジルの現地人との記録
    先に読んだ悲しき熱帯の短縮版、これも含め図版付いてるが白黒でどれも小さめで省略もあり
    前半の苦難に満ちた亡命の思い出や、後半の戯曲の思い出なども本文も省略されてる
    まぁ読み難い悲しき熱帯を簡単に楽しみたいのならアリかもだが、この版はお勧めしかねる

    ■ 早水洋太郎 訳 クロード・レヴィ=ストロース
    神話理論I 「生のものと火を通したもの」
    ■ 早水洋太郎 訳 クロード・レヴィ=ストロース
    神話理論II 「蜜から灰へ」
    ■ 渡辺公三・榎本譲・福田素子・小林真紀子 共訳 クロード・レヴィ=ストロース 神話理論III 「食卓作法の起源」
    ■ 吉田禎吾・木村秀雄・中島ひかる・廣瀬浩司・瀧浪幸次郎 共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV-1 「裸の人1」
    ■ 吉田禎吾・渡辺公三・福田素子・廣瀬浩司・鈴木裕之・真鍋一郎 共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV-2 「裸の人2(1971(訳2010)」

    Vol 1811(13-07-19)
    7年越しの大著の神話理論、インタビューから研究しながら考えがまとめられた事がわかる
    日本での訳もつい最近でいい時期に読めた、自分は最終巻から逆周りで読んでいってる
    これはお話の文法の話、漫画なんかにも応用可能で読むと物を見る見方も変わるかもー

    Vol [12-10-04]
    音楽に関連した章付けなど、考えはこの時点でもうまとまり始めてる
    早水洋太郎 訳 クロード・レヴィ=ストロース
    神話理論I 「生のものと火を通したもの(1964(1992部分訳・完訳2006)」を読んだ
    .
    神話の置き換えを数学の様に公式化する事のはじまり、式と図版豊富
    最後には千近くになる神話リストも未だ150程度、揃わない段階から研究とわかる
    対象が何を意味するかの考察では、星座に関連し欧州まで話は及ぶ
    .
    ウンコ、腐敗意外にもとりはずし可能や食べられないなど意味合いが広い
    タイトル通り食べ物に関してだが、調理に火を使い図式にもなるので意味は深い

    Vol [12-10-19]
    ハチミツとタバコが主題ではあるが、楽器や球体など内容は多岐に渡る
    早水洋太郎 訳 クロード・レヴィ=ストロース
    神話理論II 「蜜から灰へ(1966(訳2007)」を読んだ
    .
    前巻の理論のバリエーション展開中心、反転した場合が多い
    火は自然→文明だが、蜜は文明→自然になり話もそれに従う
    この理論は文法の問題とか、神話の演繹は螺旋を描くがポイントと思う
    .
    季節の変わり目の音やびっこなど、各地にあり共通の事項には強い
    神話群も350に増え日本のスサノオと雨も含まれる、付録で研究者の論文もあり

    Vol [12-10-31]
    4から1・2と回転させて読んだのでこれでラスト、序にあるよう3から1・2でも良い
    渡辺公三・榎本譲・福田素子・小林真紀子 共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 神話理論III 「食卓作法の起源(1968(訳2007)」を読んだ
    .
    食事中に音を立てる事の話がまとめだが、最初は次々続く結婚の話に始まる
    小さな話が連続する長い話を、現代のテーマのぼやける小説と比較した所が興味深い
    日本神話にも少し触れる、今回も多数の話の分析がメインで収集も500くらいまで増えた
    .
    ウンコ食う話やらチンチンが長くなる話やらハゲなど、あとがきにもある通りユーモアある
    対比や数の10に対する規則性、均衡をもたらそうとする点など理屈だってる事がわかる

    Vol [12-09-21]
    後期の方が考えもまとまってるので、すっ飛ばして最後から これはまとめ
    クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV 「裸の人(1971(訳2010)」を読んだ
    .
    最初は公式や図も多いらしく、本来は順番に読むのが良い
    凄く分厚く、村の小話から大戦争まで千ぐらいある鳥の素あさりの神話の分析
    要は繰り返しのモチーフがよく使われる、漫画なんかに応用できんかと思った
    .
    対立項と三角関係、置き換えなど完全に別物の様になってる話も多い
    音楽と関連づけた説明がわかりやすい、2巻組みなんで各巻感想は以下で別々に
    ---
    Vol [12-09-14]
    後期の方が考えはまとまってる、とはいえもっとも難解といわれる一冊
    吉田禎吾・木村秀雄・中島ひかる・廣瀬浩司・瀧浪幸次郎 共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV-1 「裸の人1(1971(訳2010)」を読んだ
    .
    うつらうつらするほど難解で理解出来てないが、内容説明と感想は書ける
    アメリカ先住民の神話と各種バリエーション展開、そしてその分析がメイン
    神話がまず厄介だが、拡散の過程の変形・反転・省略・置き換えの所為とわかる
    .
    話の繰り返しをフーガに例えたり、対立項を中心に考えたり理論だってる
    食とウンコも重要要素になる、難しい一冊だが何かありそうで応用できそうと思ってる
    ---
    Vol[12-09-21]
    後編も分厚いが、総まとめと訳者解説があるので理解はしやすい
    吉田禎吾・渡辺公三・福田素子・廣瀬浩司・鈴木裕之・真鍋一郎 共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 神話理論IV-2 「裸の人2(1971(訳2010)」を読んだ
    .
    引用した鳥の素あさりの神話のバリエーションリストがあるが、千ぐらいある
    今回も前半は分析、変形してく過程で完全に別物ぽくなってるのも多い
    重要なのはまとめ部、音楽と関連づけた表現から音楽の分析に近いと納得
    .
    物語は結論だけに目が行くが、実際は繰り返される部分に意味があると知れる
    難しい所の方が多いが、対比や三角関係など見えてきそうな所も多い

    ■ 福井和美 クロード・レヴィ=ストロース「親族の基本構造」
    ■ 荒川磯男 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「人種と歴史」
    ■ 荒川幾男・生松敏三・川田順造・佐々木明・田島節夫共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 「構造人類学」
    ■ 西澤文明 訳 C・レヴィ=ストロース 「アスディワル武勲詩」
    ■ 中沢紀雄 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「今日のトーテミスム」
    ■ 三保 元 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「はるかなる視線1」
    ■ 三保 元 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「はるかなる視線2」
    ■ 中沢新一 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「パロール・ドネ」
    ■ 渡辺公三訳 C・レヴィ=ストロース 「やきもち焼きの土器つくり」

    Vol 1809(13-07-12)
    夏の更新に間に合わせたいので今回もレヴィ=ストロースまとめて今回は論文・エッセイ集を中心に
    これらがだいたい70年代初頭+80年代後半中心に訳が出てる、大著の神話理論は2000年代以降
    難しいのも多いが、後のインタビューで自ら難しいとの発言や別の本と合わせてと発言してるのもある

    Vol [13-05-22]
    難解と云われ本の厚さも辞典並み、だが避けて通る訳にもいかずとにかく読む
    福井和美訳 クロード・レヴィ=ストロース「親族の基本構造(1949(訳1977))」を読んだ
    .
    解説書も参考にテーマと結論に絞った、近親相姦禁止と婚姻システムの理由
    今でも年収とか気にするので愛情と結婚は別問題、近親相姦の恐怖も孤立する事だろう
    姉妹の処女をもらう兄弟やロリやショタとの結婚など、それに伴う特殊例がいろいろ面白い
    .
    女を求める気持ちは姉妹から始まるや婚姻の無い理想世界など神話が簡潔に説明してる
    複雑なれど、こうすると世間も人も上手く回り遺伝的にも良好と凄い秘密が隠れてた事に驚き

    Vol [13-03-06]
    52年のユネスコの小冊子連載のエッセイ、未だ構造主義の大家で無くただの教授の頃の作
    荒川磯男 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「人種と歴史(1952(訳1970))」を読んだ
    .
    最後に編者解説あるが流石にまだカードが出揃ってない初期なので、解説通りに蛇足気味
    文化に上下は無く昔の文化も種類の一つと捉える、後期にもある考えの基本が既に出来てる
    歴史的重大発見もその背後にある積み重ねを見る事に目をやってて、そこは改めて納得
    .
    後にもあるユネスコの人種の違いで人を見る事や統合に違和感感じる様も、文化からで理解
    熱い社会冷たい社会の違いも、蓄積や情報のどこに意味を見出すかで考えられそう

    Vol [13-06-12]
    論文集なんで辛いだろうと思ったが、呪術や美術にも触れてて興味深かった
    荒川幾男・生松敏三・川田順造・佐々木明・田島節夫共訳
    クロード・レヴィ=ストロース 「構造人類学(1958(訳1972))」を読んだ
    .
    後に大成する、数式みたいな形にして文化を調べられないかの初期の考えが載ってる
    解説書にもあるエディプス神話の解析の多分初出、まだ説明が完全に固まってない時期と思う
    これ以前の機能主義との論争も収録、資料見るとラドクリフ・Bも大家で時代の変化が形になってる
    .
    呪術による治療の実際と種あかしが引用の形であり、効果が出る事の解析は推理小説の様
    古代美術の様式の分析も図版付きで詳しく、内面も含め一面で全てを表現してる事がわかる

    Vol [12-02-11]
    レヴィ=ストロース は超ムズカシイので、一番読み易いといわれてるこれから
    西澤文明 訳 C・レヴィ=ストロース 「アスディワル武勲詩(1959(訳1973)」を読んだ
    .
    文章自体も100Pほどと少なめ、インディアンの口承神話を分析していく
    対立する項目を抜き出していく過程は真似出来そう、そこから真意を読み解く
    神話の中にインディアンの日常や地理状況・風習も隠されてる事まで知れる
    .
    神話によくある別バージョンも、比較する事で意味を見出せる事は発見
    日本の民話も意味不明なの多いので、構造分析が出来る様になりたいが難しい

    Vol[12-08-24]
    論文なんで非常に読み難い、理解したとは言い難いけど読むだけならば
    中沢紀雄 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「今日のトーテミスム(1962[1960含む](訳1970))」を読んだ
    .
    前提として「トーテム信仰とか未開人だよね」とずっと考えられてたのがある
    それを打破すべく、先人の研究を大量に引用し分析してく作業がメイン
    最終的に、トーテム信仰は対比関係と統合が基盤の論理思考と突き止める
    .
    神話に関する「友愛と葛藤、連帯性と対立」やゲーテなど引用の幅が広い
    神話への言及や、熱い社会と冷たい社会などのキーワードもでる講演も収録

    Vol [12-07-29]
    短い論文やエッセイなどで入門書とあるが、難しめで相当覚悟はいる
    三保 元 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「はるかなる視線1(1983(訳1986))」を読んだ
    .
    難しいが、観察者の位置と文化の価値の相違の電車の例えなど努力してる
    源氏物語への論考があって、政略結婚ありきと解釈すると結婚の問題も見えてくる
    外と結婚するか外に殺されるか、社会が先にあって家族が出来るのかもしれない
    .
    婚姻の多用さと利益は、動物行動学の研究なんかとも絡めると少し納得がいく
    構造主義への批判と回答では、何が論題になってるか掴みやすいかも神話考察もある
    .
    Vol [12-08-04]
    下巻、エッセイ的な話か増えて一巻に比べると読み易く面白い
    三保 元 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「はるかなる視線2」を読んだ
    .
    悲劇に終わるアスディワル武勲誌の、成功例を示した続編的な論文
    節分の豆まきの逸話も導入し、豆と死の関連を導き出した論考
    1180年代頃の聖杯伝説のオリジナルを、ワーグナーがどう再構成したか
    .
    イヌサフランの詩の分析・石燕も引用した芸術論、ニューヨークの思い出など
    「芸術とは情報を選択し整理する事」など引用も上手く、創作に関して見解が改まる

    Vol [13-04-29]
    50-80年代までの講義報告用レポート、年代ごとの考えが短くまとめられてる
    中沢新一 訳 クロード・レヴィ=ストロース 「パロール・ドネ(1984(妙訳版1985))」を読んだ
    .
    訳が中沢新一の時点で凄そう、訳注でも日本の神話(お化け・タヌキ)への補足部がある
    巻末に論文と講義時期の一覧あり、同時期の書籍と比較する事でより理解が深まる
    未訳のものや抜粋訳も多く、短くまとめすぎなんで読んだ事の無い本だとやっぱり難しい
    .
    親族の基本構造に対しての反論議論も多く、それが探索範囲の拡大に繋がってるっぽい
    70年代後半に日本文化に興味示し、そこから来日や講義内での言及増えてるのも発見

    Vol [12-02-17]
    読み易いとされる一冊、難解なインディアン神話も大量に出てくる
    渡辺公三訳 C・レヴィ=ストロース 「やきもち焼きの土器つくり(1985(訳1989))」を読んだ
    .
    先に付録の神話集読むと大混乱、それが要素を抜き出し次々解明されてく
    神話はひとつの問題を、似た他の問題と同様とするシステムって話がポイント
    故に先に資料で読んでいた、神話変換の基本公式の実例も見る事が出来る
    .
    その地域の実際の生活・生息動物の習性も視野に入れるって所が広い
    上から下に流れるという事でウンコさんの話や、おケツの人フロイト批判もあり

    ■ 山口昌男編 現代文化の思想セレクション3「未開と文明」
    ■ 江中直紀/山本練/芳川泰久/芳川ゆかり/渡辺直己 訳
    クロード・レヴィ=ストロース/ロラン・バルト/ジャン=フランソワ・リオタール/レーモン・ベルール
    「レヴィ=ストロース -変貌する構造」
    ■ 渡辺公三・木村秀雄編 「レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ」
    ■ 鎌田東ニ編 レヴィ・ストロース論文(2001年)含む 「サルタヒコの旅」

    Vol 1807(13-07-05)
    今回もレヴィ=ストロース、資料再チェック 分散してる論文・図書館に無いものは追うの難しいので省く
    仏での発表と日本語訳にも間があり、日本での主要な書籍の翻訳は2000年代入ってからとなる
    話題になったのは仏で60年代日で80年代ごろと思うが、翻訳が出揃って無かった事も考慮いると思う
    .
    以下は分散した論文を収めた本、レヴィ=ストロース以外の人のもまとめて編集してる場合もある

    Vol [13-05-30]
    レヴィ=ストロースの論文二本収録、表題のテーマで10収録の論文集
    山口昌男編 現代文化の思想セレクション3「未開と文明」を読んだ
    .
    1950-60年代の論文なんで、流石に古い部分や時代が出て偏ってる所も大きい
    遊牧民があまり動いてない話と論考がオーバーだがブッシュマンの神話の話が良かった
    「ヒーホー!」は昔のカーニバル起源、ポーキュパインはヤマアラシの意味とかは発見
    .
    レヴィ=ストロースのはルソーの功績称える話と、文化の発展と土地の環境の話
    各人の解説や発表年が少ないのと、思想家よりの訳者らしく全体に難解気味

    Vol[13-06-18]
    ずらずらと名前が並んでるのでわかる様に論文集、但しレヴィ=ストロースの分量が多い
    江中直紀/山本練/芳川泰久/芳川ゆかり/渡辺直己 訳
    クロード・レヴィ=ストロース/ロラン・バルト/ジャン=フランソワ・リオタール/レーモン・ベルール
    「レヴィ=ストロース -変貌する構造(1952(訳1955))」を読んだ
    .
    他人による構造主義の分析、訳者代表のあとがきも理解の為の論文になってる
    本人が存命期間でそれらは微妙な所もあるが、古い時期の論文とインタビューあるのがデカい
    論文は親族構造の文まとめる前で疑問定義に留まり、更に新しい時期のは解析の例が載ってる
    .
    引用への解説が少なく難しいが、インタビューは神話理論書きながら考えをまとめた過程がわかる
    親族構造のサンプルで長姉との結婚の例外や、妹との結婚は断種などが挙がってたのが個人的に面白い

    Vol[13-07-03]
    日本の学者の論文とレヴィ=ストロースへの2005年インタビョーを収録
    渡辺公三・木村秀雄編 「レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ」を読んだ
    .
    巻末に全著作リスト有り、雑誌掲載論文の存在と訳出揃ったのが2000年以降なのが発見
    各種論文と思い出話から、昔は資料の翻訳が少なかったのも理解困難に繋がったんだなーと
    何言いたいのかわからん論文もあるが、中沢新一のなんかわりと整理されてて関心する
    .
    神話で使われる動物の図版なんかもありがたい、批判意見まとめの論文もあり理解に役立つ
    インタビューは97歳の頃のもの!聴かれた質問への問いも適切で聡明ぶりに驚く

    Vol [13-05-18]
    2001年出版、サルタヒコ関連の論文およびインタビューなどをまとめたもの
    鎌田東ニ編 レヴィ・ストロース論文(2001年)含む 「サルタヒコの旅」を読んだ
    .
    レヴィ・ストロースめあてだったが、荒俣宏なんかも載ってたのが収穫だった
    サルタヒコの世界の類例から始まって国内の類例、どういう神なのかの考察を中心となる
    論文といっても推測なのでピンキリ、また音楽家や漫画家の対談はちょっと変な所もある
    .
    怪発足時に近く荒俣弘は妖怪絡み、レヴィ=ストロースの日本への興味もよく出た論文になってる
    図版が沢山乗ってるのも面白い、内容は別に専門外の人など広い分野から人集められたのも良い

    ■ 橋爪大三郎 「はじめての構造主義」
    ■ 大橋保夫訳 レヴィ=ストロース 「神話と意味」
    ■ 大橋保夫 編 クロード・レヴィ=ストロース
    「クロード・レヴィ=ストロース日本講演集 構造・神話・労働」

    Vol 1805[11-11-19](13-06-28)
    レヴィ・ストロースが亡くなったニュースに驚き、歴史上の人物と思ってた
    橋爪大三郎 「はじめての構造主義」を読んだ
    .
    死んだ時に解りやすい本として挙げられてた一冊、実際読みやすい
    社会→実存→構造→ポスト構造、現代思想の流れが一望出来る
    親族の構造も噛み砕いて説明されてて、おおまかに理解出来た
    .
    民話とか都市伝説は意味不明なのも多いので、構造主義は使えそう
    思想的な部分は難しいが、ブックガイドも付いてて入門に便利な一冊

    上が[11-11-19]の感想、これ以後 難しく道のりは長かったが少しづつ目を通していった
    そしてやっと図書館で手に入る全翻訳読むメドがついた、最後は集中させたが約2年ごし
    当分それらの感想を出してく予定、後年などは読み易く整理されたのも多く収穫あった

    [13-02-16]
    自分はある程度読んでる立場となるが、それでも初めてでも読み易いと思う
    大橋保夫訳 レヴィ=ストロース 「神話と意味(1978(訳1980))」を読んだ
    .
    ページ数少なく率直な英語での講演録、序の段階でも構造主義をズバリ要約してる
    大著に比べるとサンプル例も少なく、おおまかな輪郭を捉えるには充分と思う
    行動学の本でもヒトが産まれ付き持ってる観念の話があり、それも参考になる
    .
    音楽家になれなかった話や、神話の構造を作曲してもらった話なんかも面白い
    率直なので理解も進んだ、使いこなせる自信は無いがなんとなくは応用出来そう

    Vol [12-08-17]
    自身の猫のスケッチが表紙、後年の一般向け講演なので解り易い
    大橋保夫 編 クロード・レヴィ=ストロース
    「クロード・レヴィ=ストロース日本講演集 構造・神話・労働(1979日本版のみ(1977来日記録))」を読んだ
    .
    民族学調査が与える影響と調べる口承の減少と学者らしい講演から
    変換しても普遍の属性の要素と関係の総体、自らの構造とは何かの説明
    二項対立・変換・媒体、一般向けに一時間にまとめた具体例付き神話解説
    .
    社会参加する事も含まれる、日本で働く事が何かを調査したシンポなど
    どれも具体例があり外から見た日本も知れ、読みやすく収穫あった
    [13-02-17追記]
    またも間違えてもう一回借りてしまった、資料読み込み増え気づいた事も数点あるので追記
    歴史は段階経るとする共産主義と同じ事が繰り返すとする構造主義、そりゃ対立もする
    .
    解剖台のミシンと傘の例は要素抜き出しと対立項の例として最適、他資料との関係にも納得
    日本の労働は中国の神仙思想とかに実は近いんじゃないかと思う、とにかく西洋とは考え方が異なる

    ■ 板橋作美訳 マーヴィン・ハリス 「食と食文化の謎」

    Vol 1803[13-06-19](13-06-21)
    あとがきと本文読むとわかるが、この人は人類学ではかなり特異な立ち位置みたい
    板橋作美訳 マーヴィン・ハリス 「食と食文化の謎」を読んだ
    .
    食人に関しても分量あり批判に応酬してるが、この件は議論が分かれるらしく実際は不明
    それはともかく食文化のタブーを土地と生産物のコストで分析してて、それはなかなか面白い
    歴史とも絡めた馬と食に関する考察や、ペットは役に立つから食べないなどユニークな考察
    .
    遺伝子的に牛乳が消化可か否で、消化出来ない方が普通というのも西洋人らしからぬ考え
    虫食はミツバチも扱って欲しかった、機能主義の発展形だが最近の考えも取り入れてると思う

    ■ 折島正司訳 W・アレンズ 「人喰いの神話 人類学とカリバリズム」
    ■ 鈴木洋一 訳 マーヴィン・ハリス「ヒトはなぜヒトを食べたか 生態人類学から見た文化の起源」

    Vol 1801[13-05-10](13-06-14)
    極限状態では保留だが、結論から書くと生贄・人柱・人喰い族の儀式・儀礼も実際は存在しないみたい
    折島正司訳 W・アレンズ 「人喰いの神話 人類学とカリバリズム」を読んだ
    .
    資料を再調査し、人食いは伝聞情報中心で後に話に尾ヒレがついてく所まで検証してる
    闘争や魔女狩りの正当化の手段として、人喰いをでっちあげて敵を殺害したのが正解となる
    学生の素朴な質問が元々のきっかけだが、こういう基礎的な所から疑いも大事という教訓にもなる
    .
    お互いを人食い人種と記録してた中国と朝鮮の様に、社会心理学の偏見にも繋がる深刻な問題
    記事的にも興味深い点が多く面白い、人喰いあるとあいまいまいに思ってたので目からウロコ


    Vol [13-05-11]
    タイトルと違い人喰いに関する項は少しだけ、原題は「食人と王」になる
    鈴木洋一 訳 マーヴィン・ハリス
    「ヒトはなぜヒトを食べたか 生態人類学から見た文化の起源」を読んだ
    .
    使ってる資料が信憑性の薄いものなんで、人喰いに関しては全面的に信頼しにくい
    それはともかく、食事面からの考察で社会の形成やタブーを推測している面白い本
    蛋白質(肉)か炭水化物(穀類)の主食の違いで出産量が調整されるってのが興味深い
    .
    宗教上の食事タブーも、農地面積や紀行などの環境面から説得力ある推測をしてる
    他の本も含め、昔は人の数が少ない事が考察の基礎になる事を再確認出来た

    ■ 蒲生礼一訳 サアディー「薔薇園 イラン中世の教養物語」

    Vol 1799 (09-02-18)[13-06-07]
    イスラム理解の為に、教科書にのる様な古典には目を通す
    蒲生礼一訳 サアディー「薔薇園 イラン中世の教養物語」を読んだ
    .
    ペルシャ(トルコ)なので厳密にはアラブと違うが、イスラム圏ではある
    小話中心に当時の倫理観がうかがえるが、意味が難解なのも多い
    悪党に情けをかけて裏切られる話が目を引いた、金銭の話も多い
    .
    沈黙は金などは現代にも通じる格言だが、愛と青春の話の章は凄い
    男女の恋と思いきや、作者の過去の同性愛話中心で驚いてしまった

    ■ 石川栄作訳 「ニーベルンゲンの歌」

    Vol 1797 [13-05-07](13-05-30)
    名前だけは有名だけど実際を知らなかったので詳しく、AC5・6の話を基本にAC13頃成立
    石川栄作訳 「ニーベルンゲンの歌 前編」を読んだ
    .
    ジークフリートがお馴染みだがその冒険は後代の民衆本、ここでは軽く触れられるだけに留まる
    二本の話を融合し中世風に仕立ててるので、キャラの性格がちくはぐになってる部分もあり
    初夜に縛られて放置 悲しい顔で援助を頼むグンター王がバカバカしい、これも中世騎士風
    .
    これ前編だけだと綺麗に終わるが、後半部との結合で違和感ある所もただ伏線や構成は考えられてる
    ヨーロッパの伝説は共通要素持つのも多いのでそれも比較対照、巨人と小人の登場もある
    ---
    前巻で悲劇のヒロインだった王女が復讐にとりつかれ、結果として鬼女と化し最悪の結末へ
    石川栄作訳 「ニーベルンゲンの歌 後編」を読んだ
    .
    別の話との結合部で、本来はハーゲンも英雄だったんではと思わせる部分が所々にある
    王女有利に書かれてるが原因はコイツで宝も元略奪品と結構悪党、どう解釈するかでも話は広げられる
    火あぶりで血を啜る所や王女が兄の生首を持って復讐を果す所など、場面描写はそうとうに苛烈
    .
    解説にもあるように前巻の構成を辿りつつ悲劇にしてて、ちくはぐな所もあるが上手い
    史実が元で、嫁が旦那の栄光台無しにしてしまう話は古今東西例も多くそういう意味でも興味深い

    ■ 前嶋信次 「アラビア史」

    Vol 1793[09-02-15](13-05-17)
    アラビアンナイト訳者の著作なので、内容は信頼出来る
    前嶋信次 「アラビア史」を読んだ
    .
    現在のアラビア地域の紛争を、過去の歴史から考える為に読んだ
    物資が常に無い砂漠では、戦闘が過去から常にあった事がわかる
    故に、それらをまとめて一本化させたイスラム教のユニークさもわかる
    .
    過去にはシーア派以上に危険な分派もあった事も知り、今はマシとも感じた
    アラビアの戦闘に部外者が手出しするから、問題が複雑化するのかもなー

    ■ 前嶋信次 「アラビアン・ナイトの世界」

    Vol 1791 [09-02-01](13-05-10)
    アラビアンナイトの訳者の本なので、信頼して借りてきた
    前嶋信次 「アラビアン・ナイトの世界」を読んだ
    .
    アラビアン・ナイトはあとがきも面白かったが、その延長にある本
    成立論争にアラビア諸国が東西の中心地だと確認出来る
    作中のコーヒー一つとっても、色々推察出来るのだと関心した
    .
    読んでる時にも気になった、話の原点の推察も行き届いている
    何百年も昔の話が、こうして残って読める事が驚きだと思う

    ■ 松平千秋 訳 クセノポン「アナバシス キュロス王子の反乱・ギリシア兵一万の遠征」

    Vol 1788
    馬術関連から辿り着き、概要読んで面白そうだったのでちゃんと読む
    松平千秋 訳 クセノポン「アナバシス キュロス王子の反乱・ギリシア兵一万の遠征」を読んだ
    .
    反乱・敗北・孤立・敵中突破・以後の遠征と量多く、多少読み難い部分もあり
    敵中で指揮官全員死亡、震える夜からイカンと一念発起して大冒険となる
    帰還を望むなら勇敢さ・生存望むなら勝利・財宝望むなら制圧、演説も印象的
    .
    陣取りが重要な実際の戦闘戦術の様子・食料と略奪・雪山行軍と実際的
    未開の小アジアをグルッと一回り、死中に活を見出す内容に心躍った

    ■ 小池章太郎編著 「歌舞伎オンステージ 4」
    一谷嫩軍記・近江源氏先陣館・絵本大功記・梶原平三誉石切
    藤波隆之編著 歌舞伎オンステージ 24 「桐一葉・鳥山心中・修禅寺物語」

    Vol 1786 [10-09-11](13-04-19)
    浄瑠璃時代の昔の作品で、抜粋なんで読みづらかった
    小池章太郎編著 「歌舞伎オンステージ 4」を読んだ
    .
    一谷嫩軍記・近江源氏先陣館・絵本大功記・梶原平三誉石切
    全て歴史もの、身代わりで死ぬ暗い話が大半で気も滅入る
    浄瑠璃由来なんで唄部が多め、セリフも時代がかってややこしい
    .
    当時の特徴で全部時代を置き換えて、別の時代の話にしてる
    解説と全話の要約で、だいたいの筋を掴めたのは収穫

    Vol [10-09-10]
    坪内逍遥に岡本綺堂の作品、名だけは知っていた
    藤波隆之編著 歌舞伎オンステージ 24 「桐一葉・鳥山心中・修禅寺物語」を読んだ
    .
    桐一葉、長い上に武士言葉が凝り過ぎてて読みにくかった
    大正の思想がかった人の作なんで微妙、芸談も気を使ってる
    .
    鳥山心中・修禅寺物語、こちらは流石に岡本綺堂で面白かった
    心中ものの定型の様な鳥山心中、短く上手くまとめてる
    明治の作の修禅寺物語は考えさせられる所が多く、現代でも古びて無い

    ■ 諏訪春雄 訳 「伽羅先代萩/伊達競阿国戯場」
    竹内道敏編著「歌舞伎オンステージ22 与話情浮名横櫛」

    Vol 1784[10-05-26](13-04-12)
    歌舞伎はタイトルでは内容がわかり難いが、お家騒動と累の話
    諏訪春雄 訳 「伽羅先代萩/伊達競阿国戯場」を読んだ
    .
    忠臣蔵+四谷怪談と同じく、二つで裏表の関係にある作品
    現行のは省略された物らしいが、活劇と笑いも含み面白い
    先代萩は、子供が耐え 最後は忠義の死をする様が悲しく良い
    .
    累は、正義の為の殺人が呪いとなり悲劇に向かう様が凄まじい
    省略されてるだけあって短い作品だが、考えさせられて深い

    Vol [10-05-23]
    切られ与三で知られ、春日八郎のお富さんの元ネタ
    竹内道敏編著「歌舞伎オンステージ22 与話情浮名横櫛」を読んだ
    .
    全九場で実際は八場、現在は三幕のみ上演と省略の多い作品
    そのせいで、無用な場面や掴み難い部分が多く読みにくかった
    初めて読む作者のものだが、情景設定が他より細かいのが気になる
    .
    全体のあらすじから察して、与三の流転が見所だろうが三幕だとキツイ
    源氏宅ゆすりで、場を引き立たせる為の芸談も興味深かった

    ■ M・ボス 「性的倒錯」
    矢島剛一 訳 デズモンド・モリス 「人間動物園」

    Vol 1782 (08-07-24)[13-04-05]
    別の本で参考資料に挙げられており、目を引いた
    M・ボス 「性的倒錯」を読んだ
    .
    戦後近くの発行で、理論に関しては鵜呑みに出来ないが
    患者の遍歴を詳しく書いた、症例のレポートは面白い
    普通以上の快楽を得ている所に、人の不思議を感じさせる
    .
    レズの肉体的不能を苦に自殺した、立派な女性など
    その性的倒錯に陥った過程を見ると、理解も同情も出来る
    --
    上の本読んだのが08頃、今年になってやっと納得出来る回答を見つけられた
    脳科学とかの本も参考になる、人間は動物とは違うとか考えるからわからなくなるワケですナ

    Vol [13-02-22]
    裸のサルに続く二作目、今回は動物園の動物の行動との比較も中心となる
    矢島剛一 訳 デズモンド・モリス 「人間動物園」を読んだ
    .
    不自然な大きい集団での生活・サルのボスとの比較の身分と外的の攻撃への対処
    セックスの形式・発展と探究心など、箇条書きで前作以上に文に整理とユーモアがつく
    SM・フェチ・ホモはどうしてかの謎が遂にとけた、後の性の匂いへの反応も併せるとなお納得
    .
    大真面目にバカな事に精を出し、ヒトも狩猟生活や同種動物と似た行動を引きずってる
    退屈で刺激無い状態に弱いって所も、人間の存在意義や余興・発明に繋がり深い

    ■ 二上洋一 「少女まんがの系譜」

    Vol 1779 [11-08-03](13-03-29)
    集英社の元編集さん、巻末には少女漫画の作品年表もあり
    二上洋一 「少女まんがの系譜」を読んだ
    .
    図版はないが、戦前から最近の作品までと広くカバーしてる
    各年代の代表作・特に重要な作家に関しては評論もあり
    石ノ森やちばてつやなど、初期の男性作家の存在は改めて発見
    .
    その早熟さや感性・人生観に至る作品群は、女性ならではと思う
    怪奇系やギャグ漫画の存在も驚き、一条ゆかりの逸話が凄く男前

    ■ 西村繁男 「さらば、わが青春の少年ジャンプ」

    Vol 1777 [11-07-17](13-03-21)
    ジャンプの立ち上げとその歴史、暴露本の一面もあるんで深読みも出来る
    西村繁男 「さらば、わが青春の少年ジャンプ」を読んだ
    .
    江口寿史等の作品にも出てくる黒メガネのあの人、創刊スタッフにして三代目編集長
    初代編集長 長野規への複雑な感情、本宮ひろしを見出して築きあげた信頼など
    資金の話から無茶な労働状況や、それが後々の問題の原因になってく事もわかる
    .
    結果は上げているけどその手段が難の専属制、集英社内の力関係など考える事は多い
    消えた漫画家やジャンプ・漫画業界の今後への思いなど、基本 仕事に情熱ある人と思う

    ■ 本宮ひろ志 「天然まんが家」

    Vol 1775 [11-07-23](13-03-15)
    手塚系の漫画家志望者とは違い、劇画の影響化から出てきた人だと再発見
    本宮ひろ志 「天然まんが家」を読んだ
    .
    幼少・青年期の記述は少ないが、戦後すぐの人と思うと人生経験が面白い
    自分の心理状態が漫画に反映・少女漫画を凄いと思える感性、劇画の人らしい
    担当の西村繁男との深い繋がり、連載続けて欲しいの逸話はそれが良く出てる
    .
    手塚センセとのやりとりにお互いの性格が出てる、それ絡みの逸話は結構スカッとする
    水木サン尊敬してた話も、急に南国ハワイにいった話でなんか納得出来てしまった

    ■ 週刊少年ジャンプ40周年記念出版 「マンガ脳の鍛えかた」

    Vol 1773 [13-03-07](13-03-08)
    記念連載の追加版、登場する全作家の全作品を見てる訳で無く断片的な捉え方となるが
    週刊少年ジャンプ40周年記念出版 「マンガ脳の鍛えかた」を読んだ
    .
    方法論はそれぞれ違うが、マンガらしくキャラやセリフなど内容面でのこだわりがまず注意を引く
    あとは何をどう表現するかの技術や演出論、マンガは映画であり絵画でもあるのでそこも大事
    感性で描くより知識や勉強重視の方を自分は尊重するので、そういう苦労・努力の話に感心する
    .
    最近はと愚痴っぽいオチになるベテランもいる中、大人頑張れという森田まさのりは妙に格好イイ
    美術の系譜にも連なる物で、時代によりウケるウケないはあるが絶対の正解は無いと思う

    ■ 毛利甚八 「白土三平伝 カムイ伝の真実」

    Vol 1769 [13-01-26](13-02-21)
    政治を語る道具に使われる事も多い人だが、これは色が無く真実の姿を伝えてる
    毛利甚八 「白土三平伝 カムイ伝の真実」を読んだ
    .
    水木サンと似た経緯を辿ってる人なので、その半生は昭和の記録としても貴重
    政治的な側面もあるが、それを除けて考えた方がこの人は理解もしやすいし面白い
    少年期・絵画がベースのセリフ元ネタ・各出版社との取引・ガロ立ち上げの全面出資など
    .
    ほぼ全作を扱ってて簡単な解説もある、遍歴あるので読む順番への注意は良い提案
    自分はカムイ外伝→短編(バッコス含む)→中篇(武芸帳等)→カムイ伝→外伝でループを薦める
    他本の証言で、講演でウンコ話・汚れた黒い足などもあり実際は意外と愉快な人と思う

    ■ 羽田節子訳 デズモンド・モリス 「キャット・ウォッチングPartII」

    Vol 1767[13-02-15](13-02-15)
    前巻の反響から読者のお便りに応える形、ネコ避けには酢がいいなどの実践知識豊富
    羽田節子訳 デズモンド・モリス 「キャット・ウォッチングPartII」を読んだ
    .
    87年の本で当時の最新情報も取り入れてる、ネコは擬人化すると理解を遠ざけてしまう
    人間にも同族のネコと同じ反応示すので、それを意識してネコと楽しく遊ぶ方法も載ってる
    統一言語無いので各人で鳴き声も異なり、ネコ全体に共通の行動を読む事で気持ちもわかる
    .
    ネコの多数の秘密を行動学から説明、肉食である事や最新歴史・問題行動解決法もあり
    古典から引用したネコと遊ぶのは楽しいの記録も面白い、ネコ好きなら読んで損は無い

    ■ 羽太節子訳 デズモンド・モリス 「キャット・ウォッチング 1」('86)

    Vol 1765 [11-01-30](13-02-08)
    Q&A方式のコラムで、詳しさは低めだが手軽で読みやすい
    羽太節子訳 デズモンド・モリス 「キャット・ウォッチング 1」('86)を読んだ
    .
    先に読んだ「ネコの行動学」と重複する所もあり、確認となる
    動物行動学は定説がくつがえり易いので、話半分な所もあり
    外国独自なネコのことわざ、ネコトリビアなんかはコラムならでは
    .
    岩合光昭の写真も豊富、訳本でも文は平淡・簡潔と文章力も高い
    あとがきが拘置所のネコに癒された、元外務省の人なのもユニーク

    ■ 今泉忠明 「イヌはそのときなぜ片足をあげるか 動物たちのウンコロジー」

    Vol 1763 [11-06-17](13-02-01)
    原野のウンコさんで蚊が大襲来、動物調査の裏話が満載
    今泉忠明 「イヌはそのときなぜ片足をあげるか
    動物たちのウンコロジー」を読んだ
    .
    生態調査の為に千のウンコを掻き分ける、動物調査は苦労づくめ
    動物は排泄物から大量の情報を得てる、人間の無くした特殊能力
    人間に近い霊長類はウンコを投げつける、これがホントのクソくらえ
    .
    発情して相手におしっこかけたり、キュートな動物(ウサギさん)がウンコ食べたり
    掃除屋の昆虫にも処理不能など、ウンコが腐る事も知らなかったので驚き
    (アフリカの大量の象のウンコを、スカラベが処理してる話にも感心)

    ■ 竹内和世訳 デズモンド・モリス 「ドック・ウォッチング」

    Vol 1761[11-01-16](13-01-25)
    飼ってた犬やTVの犬番組を思い出し、なるほどと納得する
    竹内和世訳 デズモンド・モリス 「ドック・ウォッチング」を読んだ
    .
    Q&A方式で犬の行動学を解説、実例を挙げて読みやすい
    近所の犬のエサを隠す癖は、お腹がいっぱいだったのだなと確認
    犬の逆さ立ちションや、なかなか見れない求愛の様子も詳しい
    .
    尾の動きなど、人間の思ってるのと実際の行動は違うのも驚き
    牧羊犬との比較で狼も同じだと分かり、今後動物園に行くのも楽しみ

    ■ 渡辺格訳 E・トルムラー 「犬の行動学」

    Vol 1759 [11-01-12](13-01-18)
    生後すぐや、野生状態の犬の行動は意外に観察する機会も無い
    渡辺格訳 E・トルムラー 「犬の行動学」を読んだ
    .
    訳は完訳では無く、原文に無い下線も引いたりと多少問題はある
    ローレンツの弟子で、生後の父犬の子犬の躾が詳しく観察されている
    狩猟時の犬の攻撃方法や、その為の狐を使った訓練も面白い
    .
    頭悪い愛護団体や繁殖業者に悩まされた様で、後半はその件への意見
    行動学のレポとして感情的すぎる面もあるが、犬への愛情は伝わる

    ■ いとうせいこう直訳 「井原西鶴 セケン・ムナサンヨー」

    Vol 1756 [10-09-16](12-12-28)
    原文→英訳→直訳と奇妙な経緯を辿った、異色翻訳版
    直訳いとうせいこう 「井原西鶴 セケン・ムナサンヨー」を読んだ

    表紙カバーの怪しい日本世界のイラストに、心引かれてしまった
    お稲荷さんも、キツネの神様の信仰とか言われると奇妙な感じ
    解説にもある通り、宇宙人でも見る様な超視点で日本を楽しめる

    宗教と金に血道を上げる様も、直訳だとドライなジョークに読める
    想像も出来ない状況ってのは、奇妙になるんだなと面白く読めた

    ■ 渡辺政隆 訳 デズモンド・モリス 「競馬の動物学」

    Vol 1754 [11-08-22](12-12-21)
    D・モリスが馬の本も書いてると知って、早速借りてきた 1989年の本
    渡辺政隆 訳 デズモンド・モリス 「競馬の動物学」を読んだ

    キャットウォッチングなんかと同じの、軽いエッセイなので読みやすい
    馬の身体能力の本ばかり読んでたので、行動の分析が目新しい
    後蹴りは防御行動など、馬の順位付け・威圧から戦いへの観察が面白い

    競馬で負けた時の馬主への言い訳一覧も可笑しい、勝利馬への考察も鋭い
    色の好みの繁殖・ナイトメアの語源などトリビアも豊富で勉強になった
    専門書もとりあげてる、ムチの使用と遺伝子的な限界への疑問は気になる所

    ■ 天田明男 「馬のスポーツ医学 強い馬づくりのためのサイエンス」

    Vol 1752 [11-08-13](12-12-15)
    獣医専門誌の連載記事なので、完全な専門書で内容は信頼出来る
    天田明男 「馬のスポーツ医学 強い馬づくりのためのサイエンス」を読んだ

    専門書なんで用語や計算式も多数出て、相当に読みにくく覚悟は必要
    馬のスポーツ医学の歴史は浅く、調教での伸びしろはまだまだ大幅にありそう
    品種により使う筋肉は違うが、競馬のサラブレッドは中距離ランナーと同じ

    レース中の故障による大幅な遅れ・突然死など、病例報告と分析にも詳しい
    レース時の呼吸・輸送車内並列の図版・健炎の治療法などが印象に残った

    ■ 林良博・佐藤英明 編「アニマルサイエンス1 ウマの動物学」

    Vol 1750 [11-08-13](12-12-07)
    農学部の先生達の編集、図版も多く読みやすく総合的に馬を知れる
    林良博・佐藤英明 編「アニマルサイエンス1 ウマの動物学」を読んだ

    三国志の頃は鞍やアブミは無かった事など、意外な情報も得られる
    一日200`の移動力・150`の搭載力など、機械化以前の有用性に驚き
    高速性・耐久性を重視した品種など、世界の競馬と品種の幅広さもわかる

    TVじゃ放送されないであろう馬の繁殖、出産・各品種なども図版入りで詳しい
    セラピー・レジャー・式典・森林保全など、競馬以外の馬への見識も広がった

    ■ 小松和彦 編 妖怪文化研究の最前線

    Vol 1748 [12-10-25](12-11-29)
    2009年の出版、専門で研究してる人の論文を12個収録
    小松和彦 編 妖怪文化研究の最前線を読んだ

    難しめの文体やら、最近の作品参照は資料が弱いなども多々ある
    昔のマンガの続き物の形式、カバットさんの黄表紙研究は安定
    妖怪伝承データベースをいかに使うか、どうタグを打つかの研究などもあり

    アマビコは図版も多くて面白い、お馴染み予言獣アマビエの最新情報
    現在見つかった1844年の新資料、海彦・雨彦・物言う猿など前身がわかる

    ■ 前嶋信次訳 イブン・バットゥータ 「三大陸周遊記 妙」

    Vol 1746 [09-01-26](12-11-23)
    アラビアン・ナイトを訳した人の訳なので、内容にも信頼もって借りれた
    前嶋信次訳 イブン・バットゥータ 「三大陸周遊記 妙」を読んだ

    日本では鎌倉幕府の終わり頃、14世紀初頭の大冒険記
    機械がない頃の時代の広大な大地、その移動した距離が凄まじい
    イスラム圏勢力の広さに、当時の豪勢さが偲ばれる

    各地で聖人に会ったり、王に歓待されたり、苦難も多いが楽しい
    まだ世界が未知だらけの頃で、今では体験出来ない旅は心躍る

    ■ 佐藤清彦 「おなら考」

    Vol 1744 [11-03-24](12-11-16)
    禅の真髄は放屁にあり、屁こそ悟りへと至る道なのかもナ
    佐藤清彦 「おなら考」を読んだ

    明治の強制合祀以前はそこらが神様だらけで、おなら女神もいる
    ケツで呼吸し歌を奏でる、そんな名人が90年代にも存在してた事が驚き
    屁でメロディを取った「ワンダープーランド」、いつかは聞いて見たい

    京極センセが褌で歓喜した逸話、幻の福富織部本ではと推測し納得
    どんな状況でも屁を上手く処理し笑える人物は、相当の大物だろうと思う

    ■ 日本古典偽書叢刊から 竹村信治解説 「兼好諸国物語(妙)」

    Vol 1742 [09-12-24](12-11-09)
    偽書とはあるがどれも興味深い内容、しかし訳が無くて読みにくい
    日本古典偽書叢刊から 竹村信治解説 「兼好諸国物語(妙)」を読んだ

    関係無い書籍から逸話を編集して作られた、兼好法師の伝記風物語
    内容に興味あったし、江戸期の本で読みやすそうだったので読んだ
    引用元の確定もあるが、その引用本の解説が無いのが分かりにくい

    徒然草を上手く解釈して男色家としたのが可笑しい、お化け話もあり
    一休や秀吉なんかも創作の逸話あるし、これはこれでアリとも思う

    ■ A.プラトカニス/E.アロンソン 「プロパガンダ」

    Vol 1740[08-08-23](12-11-01)
    [教科書に「自分達の先祖は神」と昔の日本みたいな事を書く国は未だに存在する]
    共産圏とか独裁国家とか宗教の強い国とか、そこまでいかずとも
    A.プラトカニス/E.アロンソン 「プロパガンダ」を読んだ

    日常の中でも、テレビを見てれば研究結果の事例は多々見つけれる
    一見すると頭がオカシイ国や宗教の行動原理も、これを見ればよくわかる
    インチキも含む説得に対する人間の抵抗力の無さ、それもよく理解出来る

    油断してると説得の罠に引きずりこまれてしまう、注意が常に大事
    「人間は間違える事がある」の教訓、意識してれば回避も可能だろう

    ■ 山本多助 「カムイ・ユーカラ アイヌ・ラックル伝」

    Vol 1738 [11-10-22](12-10-26)
    歴史や教訓など内容は多岐に渡るので、民話をどう捉えるかは難しい
    山本多助 「カムイ・ユーカラ アイヌ・ラックル伝」を読んだ

    コロポックルなんてのもあるが、創生神話では悪魔と戦う事になってる
    悪魔の容姿は割と普通で魔女がいるなど、アイヌ以前の先住民を連想させる
    バボちゃんみたいなマリリンコ姫、酒にウンコさんなど噴き出してしまう話もあり

    怪鳥フリューに本土の話にもある巨大エイなど、妖怪的なのも多数出てくる
    大正に収集と以外に新しく、口述文化の記録保存の困難さが見えてくる

    ■ 馬場あき子「鬼の研究」
    ■ 京極夏彦・多田克己・村上健司「妖怪旅日記」
    ■ 「水木しげる80の秘密」
    ■ 多田克己 「幻想世界の住人たち 日本編」
    ■ アニメ鬼太郎 生誕30周年記念出版 水木しげる&京極夏彦 ゲゲゲの鬼太郎
    ■ 「妖怪あつめ」
    ■ 「アジアもののけ島めぐり」
    ■ 足立倫行 妖怪と歩く
    ■ 京極夏彦・多田克己・村上健司「妖怪馬鹿」
    ■ 小松和彦「異界と日本人」
    ■ 越後敬子訳 竹原春千画 「桃山人夜話」
    ■ 山上伊豆母 「巫女の歴史」
    ■ 志村有弘訳 「根岸鎮衛 耳袋の怪」
    ■ J=P・ヴィレーム 「宗教社会学入門」
    ■ 水木しげる 「妖怪大百科」
    ■ 京極夏彦 「妖怪の理 妖怪の檻」
    ■ 「これだけは知っておきたい 妖怪の大常識」
    ■ 近藤雅樹 「霊感少女論」
    ■ 「水木しげるの妖怪談義」
    ■ パトリシア・ガーフィールド「夢学」
    ■ 池田香代子他「走るお婆さん 日本の現代伝説」
    ■ 村上健司「妖怪ウォーカー」
    ■ 「鬼太郎と行く 日本ぐるうり妖怪めぐり」
    ■ アニメ鬼太郎 生誕30周年記念出版 水木しげる&京極夏彦 ゲゲゲの鬼太郎

    Vol 1736 (12-10-19)
    在庫整理でまとめて出すのも多分今回でラスト、昔に読んだ妖怪関連書籍
    [2007年以前]になってるのは相当に古いので、あからさまに文章がマズイ

    妖怪関連書籍という事になると、怪のバックナンバーにおすすめ書籍案内とかがある
    あとは怪の最新号を追ってれば妖怪絡みの新発見や情報・書籍案内はだいたい大丈夫
    古典・民俗学者の有名どころも押さえときたいが、量も多いし読み難いしでまぁおいおいと

    京極センセ等が登場以後は、論文や発表・研究者も増え質も向上し時代性もあると思う
    妖怪はまだまだ開拓されてない資料・分野も沢山あるんで、今後も新発見は多いだろう

    Vol [11-08-04]
    古典の鬼に関する一大研究、妖怪関連の資料でも必ず挙がる重要書籍
    馬場あき子「鬼の研究」を読んだ

    1971年の書籍、第二次妖怪ブーム・翌年デビルマン連載とそこらも意識
    戦争中の人の柳田国男の書籍からの引用も多く、当時の世情が見えてくる
    芸能に詳しい人なので、能の求塚の小面の笑みの残酷さの分析など見事

    鉄輪の憎愛の鬼・黒塚の山姥など、この人にしか出来ない研究と思わせる
    人間が鬼へと転ずる話は自分には新鮮で、鬼に関する見識が広まった

    Vol [11-01-12]
    内容うんぬんより、発行されるまでの周辺事情の方が興味ある
    越後敬子訳 竹原春千画 「桃山人夜話」を読んだ

    たしか、多田克己が古本屋で購入した事で発行になった書籍
    作者も東雅夫が国書総目録引いて確定と、最近の怪周辺の名前
    タイトルが引用でしか伝わらず、間違って憶えられてたのも面白い

    小豆洗いなど有名妖怪も多々出るが、創作の部分が大きそう
    水木サンが絵にしてないのは印象も薄く、お化けはネタと納得してしまう

    Vol [10-10-20]
    何故巫女が人心を掌握するかは、社会学などの分野になるのだろうか
    山上伊豆母 「巫女の歴史」を読んだ

    各種資料を読んでいる事を前提にしてるので、非常に読み難い
    また民俗学の本なので推論が多く、いまいち説得力に欠ける部分も多い
    ただ、あとがきにある日本宗教の歴史と巫女の関連の説明は出来ている

    現代の影響力ある宗教と比較し、例外の部分ばかりに目がいってしまう
    この手の本は実地調査や考古学・社会学と絡めて無いと、少々キツイ

    Vol [09-06-05]
    読みにくさに敬遠してたんで、一部分だが訳本を見つけ喜ぶ
    志村有弘訳 「根岸鎮衛 耳袋の怪」を読んだ

    怪Booksマークのついた、耳袋の奇談で構成した本
    今はほぼ絶滅した 狐憑き系の話が多く、時代の変化を感じる
    著者推薦の稲生物怪録ものや、幽霊を煮て食べた話が印象的

    将軍の居所の柳生氏とか、知った地域名の単語も目を引いた
    解説の夢枕獏も語る様に、実録ものは唐突に途切れる話が面白い
    (このあと結局耳袋は全部読む事になった、古い本読むのは結構覚悟がいるのヨ)

    Vol (08-07-22)
    読みたい資料が見つからず、仕方なく要約から読み始める
    J=P・ヴィレーム 「宗教社会学入門」を読んだ

    入門とあるが、文献の結論部だけが多く読みにくかった
    参考資料のほとんどが未訳と、頭を抱えたくもなる
    とはいえ、現状の宗教の概要を大まかに把握は出来る

    仏の本なので、日本に関する記述は少し疑問な所もあるが
    仏視点から見た日本の宗教観を知れて、面白かった

    Vol (08-07-02)
    京極夏彦の妖怪論の紹介を見て、興味を引かれて
    児童向けの本だが 水木しげる 「妖怪大百科」を読んだ

    児童の頃に読んだもので懐かしいが、当時飛ばして読んだ部分
    水木しげるの妖怪に対する見解のコラムが注目出来る
    妖怪は心の世界のもので、実際に触ったり味わえないという所

    水木キャラみたいなのが存在すると誤認してたので、衝撃的だった
    それを踏まえた上で、形を与えた水木サンの凄さに関心した

    Vol (08-06-14)
    元がコラムで軽いと思ったが、加筆で重くなり大変だった
    京極夏彦 「妖怪の理 妖怪の檻」を読んだ

    都市伝説からの妖怪への推考が少し甘い気もするが
    妖怪グッズとその影響も研究対象にした、身の軽い独自研究
    最後の講演のレポートは全てが要約されてて分かり易い

    論文でも京極センセの小説の様に、妖怪の正体が暴かれていく
    水木キャラの妖怪とは別路線を歩む、京極センセの心意気が見て取れた

    Vol [08-04-30]
    たまたま手にとって、掘り出し物だと感嘆してしまった
    「これだけは知っておきたい 妖怪の大常識」を読んだ

    水木サン以外の絵師の妖怪画も、アレンジが面白く見る価値がある
    これは児童向けの本なれど、イラストは日野日出志
    妖怪の絵も怖いが、それを怖がる人間の絵まで怖い

    妖怪博士として、日野日出志 画の水木サンの似顔絵まで見れる
    子供の頃見たらトラウマになったろうなぁと、楽しく読んだ

    Vol [2007年以前]
    民族学博物館の図書コーナーで見て気になっていた
    近藤雅樹 「霊感少女論」を読んだ

    タイトルは怪しいが、民俗学の本でオカルトではない
    調査から得た多彩な都市伝説の紹介も目を引くが
    それだけにおさまらず、考察に説得力があり面白い

    霊感少女に関する印象は悪かったのだが、彼女等には
    空想世界しか逃げ道がなかった事がわかって、可愛そうに思えた

    Vol [2007年以前]
    「目には見えないが、音は存在する」というのが目を引いた
    「水木しげるの妖怪談義」を読んだ

    妖鬼化巻末の対談をまとめたもの
    話が被る部分が多く、少し読みにくかったが
    養老孟司との対談とかは興味深かった

    対談の本題とは関係ない、素の会話も面白い
    ハゲない方法だの、エロ祭を嬉々として語る水木サンが素敵

    Vol [2007年以前]
    金縛りとゾンビの夢を攻略するのが目標
    パトリシア・ガーフィールド「夢学」を読んだ

    大泉実成のセノイ行きのきっかけになった本の一つ
    理解を越えた部分もあるが、イメージトレーニングの
    洗練されたものと思えば、納得出来る所もある

    南方熊楠も言うように、夢は何より金かからんのが良い
    頑張って夢の人生を楽しみたい

    Vol [2007年以前]
    「ムラサキカガミ」って知ってる?
    池田香代子他「走るお婆さん 日本の現代伝説」を読んだ

    90年代初頭に、友達だった女の子に聞いた話
    最近の都市伝説で、古めの本では見つけられなかった
    流行ってたと確認して、嬉しくなってしまった

    実話と思ってたのが、都市伝説だったのも見つけれた
    現代の話題は実感があるので面白い

    Vol [2007年以前]
    伝説をたずねる旅、なんとなくいい響き
    村上健司「妖怪ウォーカー」を読んだ

    妖怪を巡るガイド、写真が多くて良い
    妖怪絡みのものは妙で、なかなか笑える
    遺跡を見て、伝説は実在したと思えるのは魅力的

    見てると行きたくなるが、近場ネタは2件のみ
    天満橋のタヌキ稲荷は知らなかった

    Vol [2007年以前]
    児童向けの本でも、水木サン絡みはチェック
    「鬼太郎と行く 日本ぐるうり妖怪めぐり」を読んだ

    序文で、一人称が水木サンの水木サンに
    わざわざ注がついてるのが、妙におかしい
    妖怪に割り振られた能力値も、最近の本らしい

    巻末には、わりとレアな児童向けの水木漫画もある
    少ないページ数だけに、展開の急ぶりが面白かった

    Vol [2007年以前]
    京極センセの多々良シリーズもそのうち読もう
    「妖怪馬鹿」のメンバーの「妖怪旅日記」を読んだ

    村上・多田コンビの怪しい旅日記
    道を掻き分け、妖怪を尋ねる様がマンガの様
    凄い個性の人だったんだなと驚いた

    京極の漫画、旅先の水木サンもあって面白い
    妖怪の人はみな濃い

    Vol [2007年以前]
    高いので迷ってたら図書館で発見
    「水木しげる80の秘密」を読んだ

    グダグタなりに各人の個性の出た、「第一回妖怪会議」とか
    ふとした会話が「妖怪千体説」の元になった話とか
    機関紙一人で作らされる事になった、林巧の受難とか

    被る話も多いエッセイの中で、多田克己は面白かった
    やっぱり水木サンはキャラが面白すぎ

    Vol [2007年以前]
    期限内に辞典を読みきるのは、かなり苦行
    多田克己 「幻想世界の住人たち 日本編」を読んだ

    多田克己が世にでるきっかけになった本
    図版に、水木サン個人蔵のものが使われてたり
    巻末に、水木サンに合えて嬉しかったとかあって面白い

    図版多め、参考文献リストもちゃんとあり
    図書館の書庫から出してもらった甲斐があった

    Vol [2007年以前]
    王道と見れず、ワンパターンとしか考えられなかった
    しかし、京極夏彦のコメントから考えをあらためた

    アニメ版鬼太郎ムック本でのコメントから
    (アニメ鬼太郎 生誕30周年記念出版 水木しげる&京極夏彦 ゲゲゲの鬼太郎)
    アニメ鬼太郎の頻出パターンの話を、自分は低く見ていたが
    それは王道の展開と言う話に、目からウロコが落ちた

    王道展開自体も低く見ていたが、それは必要なんだと思った
    とはいえ、超変化球なアニメ鬼太郎も見てみたいかも

    Vol [2007年以前]
    興味無い人間にその価値を説明し、納得させる
    それが出来るコレクターはレベルが高いと思う

    妖怪コレクション本 「妖怪あつめ」を読んだ
    集めるだけでなく、発展させて文化研究までしている
    集める苦労の説明もわかりやすく、納得できる

    個人的に、可愛い豆腐もった雨降り小蔵と
    見た事も無い新種の妖怪がとても面白かった

    Vol [2007年以前]
    お化けが実存するかどうかは知らないが
    水木サンに習い、そういうのがいると思うと楽しい

    「アジアもののけ島めぐり」を読んだ
    自然が多く、精霊が信じられてる土地の紀行文
    その土地の民話なんかも載ってて、その気にさせる

    こんな環境で暮らしていれば、お化けも信じるだろう
    空想と現実が一体になったような世界は面白いと思う

    Vol [2007年以前]
    発見した興奮で夜寝付かれなかった
    足立倫行の水木しげるルポ(足立倫行 妖怪と歩く)をついに見つけた

    水木サンの手によるエッセイは沢山あるが
    大泉実成のメキシコ紀行が面白かったので
    他人の目から見た水木サンは気になっていた

    探し回ったが、なんの事ない図書館の書庫にあった
    内容も納得の出来だった

    Vol [2007年以前]
    足立倫行の水木しげるルポを見つけた話の続き
    あまりに面白いので、二回読み直してしまった

    普段の水木さんの私生活の様子に加え
    周囲の人へのインタビュー、エッセイでは抜け落ちた
    詳しい新婚後の生活など、新発見がたくさんあった

    一番面白かったのは、のんのん婆ぁの素性が発覚する下り
    新事実が次々でる様子は、とても興奮した

    Vol [2007年以前]
    樹木子が創作とは思いもしなかった
    少し古い本だが、京極、多田、村上対談の「妖怪馬鹿」を読んだ

    どれだけ器用なんだと思わせる、京極夏彦のイラスト
    ガイガンは隠魔羅鬼が元ネタだを始めとする、特撮ネタ
    妖怪は対談ものも面白い

    文中の、「戦う民俗学者・柳田國雄」がV3の替え歌とわかって
    特撮と妖怪の因縁を感じてしまった

    Vol [2007年以前]
    行ってみたいな龍宮城
    小松和彦「異界と日本人」を読んだ

    論文みたいなのかと思ったら、絵巻物で見る異界ガイド
    年代が書いてないのが難だが、絵は多くて面白い
    愉快な妖怪に、異界の住人の説明もわかりやすい

    特に面白かったのが護法童子に関する説明
    それらが河童になっていく過程はなるほどと関心した

    Vol [2007年以前]
    自分に関係ある話題は面白い
    地方発行であろう 大阪の怪異を集めた話を読んだ

    大阪の地図と見比べて、場所を調べながら読んだ
    今昔物語とかの有名所が元ネタの話も確認できた
    記憶に残ってた話が、実は大阪ネタとわかると面白い

    地方発行モノは面白いと、妖怪モノの本で見ていたが
    確かに聞いた事のないような話が多くて、面白かった

    ■ 野口武彦 「源氏物語を江戸から読む」
    ■ 藤井貞和 「源氏物語入門」
    ■ 池田亀鑑 「源氏物語入門」
    ■ 西郷信綱 「源氏物語を読むために」
    ■ 日本古典偽書叢刊から 土方洋一解説 「山路の露」
    ■ 日本古典偽書叢刊から 今西祐一郎解説 「雲隠六帖」

    Vol 1733(12-09-26)
    今週も在庫整理で数冊、源氏物語関連の研究書・同人とも言える偽書など
    古い作品で権威がついてて、宗教の聖典みたく研究書は読み難い所も多い

    「こう見なくてはならない」とかもあるが、実際はそういうの気にせず読むといいと思う
    当時の風俗研究・怪異面的に見るとか、今と昔で見方が違ってくるのは当然の事
    また母・娘への近親相姦や、権力志向・美男子ペアに対する同人的な見方も出来る

    一部の構成をなぞりつつそれを悲劇にしたり、人間描写が現実的になり向上したりと
    取り上げられる事は少ないが、自分は二部が小説として見た時は一番面白かった

    Vol [09-02-06]
    作品批評もしてて読み辛い部分も多いが、参考にはなる
    野口武彦 「源氏物語を江戸から読む」を読んだ

    江戸期の源氏物語の批評・パロディ・影響作品の解説
    「好色一代男」も源氏パロディだったのは気がつかなかった
    当時のポルノ的な俗語訳版の存在も驚き、翻訳の難しさがわかる

    江戸期にも作品内容を巡り論争のあった事も知り、少し呆れた
    源氏本文の作者の言葉が頻繁に入る意図も掴め、改めて関心

    Vol [09-05-08]
    入門とあるが内容は研究本で、全巻読んでてもつらいものがあった
    藤井貞和 「源氏物語入門」を読んだ

    当時の資料がない以上、全て推測止まりになり説得力も低め
    ただ専門の研究家といえども、わからない部分が多い事はわかった
    文章に断定的な部分が多く、結論を急ぎすぎてる感がある

    憑入研究も沖縄の例しか参照しておらず、これも無理が感じられる
    資料が無く実際の所はわからんが、明石に関する推測は興味深かった

    Vol [09-05-14]
    神聖化しすぎてる感もあるが、入門書としては最適
    池田亀鑑 「源氏物語入門」を読んだ

    源氏に人生かけた筆者らしく、成立等の解説も含め信頼出来る
    熱心すぎて偏狭な部分もあるが、それ程好きだったのだろう
    概要や鑑賞の解説にも、筆者の源氏好きな様が良く出てる

    女性の好みが自分と違うので、違う目線の感想は興味深かった
    源氏物語には未だ謎な所も多いので、今後の発見も含め楽しみ

    Vol [09-05-22]
    先に読んだ研究本と見かたが違う所もあって、それが面白い
    西郷信綱 「源氏物語を読むために」を読んだ

    先の研究本に真っ向から対立している点がある所に関心
    先行する研究本も参照してて、研究本の入門編として最適
    当時の社会状況や同時期の作品との比較など、これで理解出来た

    読んだ時に疑問だった、大君と女三宮の人物が納得出来たのが収穫
    当時の状況を考えて、源氏物語の凄さがやっとわかってきた

    Vol [09-12-24]
    09年に雲隠六帖の新資料が発見され、それらの存在を知った
    日本古典偽書叢刊から 土方洋一解説 「山路の露」を読んだ

    南北朝頃の源氏物語の続編同人、内容も本編並で出来が良い
    注と話の概要が記されてるので、なんとか把握する程には読める
    薫が未だに大君の事思ってたり、浮舟の固い決意が本編に近い

    匂宮の存在感は少し薄いが、浮舟と母が再開を果す所なども良い
    尼さんが滑稽に描かれてる所も面白く、なかなかの拾い物だった

    Vol [09-12-24]
    山路の露が薫の話ならば、こちらは匂宮の書かれ方が面白かった
    日本古典偽書叢刊から 今西祐一郎解説 「雲隠六帖」を読んだ

    浮舟の還俗はあっさりしすぎてるが、それを差し引いても興味深い内容
    源氏がまさかの朱雀帝エンド、朱雀帝が妙に喜んでる所が可笑しい
    一行で死んだ髭黒が哀れ、浮舟と薫が揃って出家するってのにも感心

    一番興味深いのが匂宮、紫上への思いは今までの展開と重なり上手い
    帝になっても紫上の件や、薫達は出家と満たされて無い感じが面白い

    ■ 大泉実成「萌えの研究」
    ■ 大泉実成「宮崎駿の原点 母と子の物語」
    ■ 大泉実成 「人格障害をめぐる冒険」
    ■ 大泉実成 田中良成「予想屋」
    ■ 大泉実成「麻原彰晃を信じる人びと」
    ■ 大泉実成「爆音に焦がれて 森且行の挑戦」
    ■ 大泉実成「東京サイテー生活 家賃月2万円以下の人々」
    ■ 大泉実成 「消えたマンガ家 ダウナー系の巻」
    ■ 大泉実成「マレー獏は悪夢を見ない」
    ■大泉実成 「水木しげる 精霊の楽園オーストラリア」
    ■ 斎藤環「戦闘美少女の精神分析」
    ■ 中原昌也他 「嫌オタク流」
    ■ 黒田亘編「ヴィトゲンシュタインセレクション」

    Vol 1731[12-09-18]
    在庫整理したいので、古い時期に読んだ大泉実成の書籍を数点まとめて
    昔は少年期の経緯から、エホバ輸血事件やオウム潜入など意義ある仕事をなしていた

    水木しげるの正直なレポや、両親の東海村の被爆・家族の件などやるべき事は多かったのだが
    それらの事象から目をそむける様に、近年は萌えの研究に耽溺し仕事量も減った
    また水木しげるの論評を結論ありきで進め、森野達弥の存在や内容面での影響も伏せた

    買いかぶりすぎかもしれないが、東海村の被爆はもっと調査をすれば歴史が変わったかもしれない
    精力的な活動が現状期待出来ないのでここまで

    以下過去感想 社会的な事件での活動復帰を願いたい
    付属資料としてサブカル関連の萌え研究書なども数冊、これも過去に読んだ本となる

    Vol [2007以前]
    借りる時に表紙を怪訝な目で見られてしまった
    大泉実成「萌えの研究」を読んだ

    読んでる最中に大泉実成のブログを見つけたが
    今だに夢中な程に、萌えにどっぷり浸かってしまったようだ
    05年出版なので、最近のネタも沢山出てくる

    読んでる内に、「萌え」がわからなくなってしまった
    とりあえず文中に出たものを、見てみようと思ったり

    Vol [2007以前]
    テーマを絞っているので、履歴を追い易かった
    大泉実成「宮崎駿の原点 母と子の物語」を読んだ

    作品内での反映に関する論考は、少しわかりにくかったが
    兄への取材と、駿本人のインタビューの引用に
    駿の心理の変動が分かり易くつかめた

    高畑への取材での、駿らしい言動の数々は笑えた
    参考資料に上げられた駿の本も、この先読んでみたい

    Vol [2007以前]
    今まで読んだ大泉の本の中で、一番難しかった
    大泉実成 「人格障害をめぐる冒険」を読んだ

    進行系の取材でテーマが一貫しない所や
    意見に共感出来る所と出来ない所があるのが、難解だった
    大泉個人の経験と結びつけた論考は、面白かったのだが

    取材で人格障害が、治療可能と知ったのは驚いた
    言葉の意味をひたすら追っているのは、今の大泉とも繋がると思う

    Vol [2007以前]
    ギャンブルは全然しないが、大泉萌えで読んだ
    大泉実成 田中良成「予想屋」を読んだ

    それぞれの個性的な人生履歴が面白い
    ああいうのはカタギの人じゃない、と思ってたので
    普通っぽい人も多いのに驚いた

    「大穴」を当てさせたい人が多い所に
    綿密な予想理論と共に、職業意識の強さを感じた

    Vol [2007以前]
    渦中の中、中立な立場に立とうとした事が偉い
    大泉実成「麻原彰晃を信じる人びと」を読んだ

    あんな指導者にさえつかなければ、と思う程に
    事件後の末端信者の困惑ぶりが悲惨に感じられる
    もっと疑う心があれば、この人達は騙されなかっただろう

    もう事件からだいぶになるが、未だに信じる人びとはいる
    その人達が早く目を覚ます事を切に願う

    Vol [2007以前]
    もうスマップが元六人だった事を知らない世代もいるだろう
    大泉実成「爆音に焦がれて 森且行の挑戦」を読んだ

    オート転身直後の森を追ったルポ
    森への目線が筆者と似ていて、共感して読めた
    性格も良い森の、孤独な努力に関心した

    知らなかったので、職人的なオートの世界も興味深い
    10年たった今、森は成功している様で良かったと思う

    Vol [2007以前]
    タイトルからして暗い話かと思ったら
    大泉実成「東京サイテー生活 家賃月2万円以下の人々」を読んだ

    哀しい貧乏話では無く、明るい貧乏話
    個性的な人々の、夢のある毎日が書かれている
    自分はここまで突き抜けられないので、憧れてしまった

    あとがきによると、不況突入でサービス向上したらしい
    目的のある人間は偉い

    Vol [2007年]
    進行形の話題に関しては、古くなってしまった
    大泉実成 「消えたマンガ家 ダウナー系の巻」を読んだ

    消えた訳では無いけど、冨樫義博の項がある
    過去に消えかけた際の経緯が説明された後
    注意書きで、「HXH」で大活躍で閉じているが

    それから約十年、再び消えかけている
    経緯はわからないが、いつか解明される事を望む

    Vol [2007年]
    狩猟生活が楽しそう
    大泉実成「マレー獏は悪夢を見ない」を読んだ

    セノイ族の夢コントロールを訪ねる旅
    体験に基づくレポートが、読み易い文体で書かれてる
    後の水木サン旅行記のメンバーも初登場

    夢に対するセノイの接し方は非常に面白かった
    自分も意識して、夢コントロールを試してみたくなった

    Vol[2007以前]
    前2作に引き続き、水木サン紀行文
    「精霊の楽園オーストラリア」を読んだ

    暑さで水木サン不調、少し主張が強め、だが
    このシリーズは旅先の水木サンが良く出て面白い
    豪快な買い物と激写、相変わらずのボケが楽しい

    夢が重要なアボリジニとあって、読み終わった後
    水木サンが自分の夢の中に出てきて、少し感動した

    Vol [[2007以前]
    正直、難しすぎて訳がわからなかった
    斎藤環「戦闘美少女の精神分析」を読んだ

    知識に裏付けられた論考に、読む価値はあるはずだが
    莫大な引用に対する前知識の無さ、文章の難しさなどで
    一章はぼんやり、六章は駄目だった

    ただ、二章から五章までは実例の発表で面白かった
    読むのに手間取りすぎて、返却期日が近く困った

    Vol [[2007以前]
    タイトルと、海猫沢めろんが関わっている事で読んでみた
    中原昌也他 「嫌オタク流」を読んだ

    一言でいうと、サブカルとオタクの喧嘩討論
    自分も思う所があったので、サブカル勢の主張には
    共感を持てる部分もあって、問題定義として興味深い

    オタクをステレオタイプ化してたり、結論が出なかったりと
    疑問な部分も多いが、一石を投じたという点では評価したい

    Vol [[2007以前]
    大泉実成の勉強した分野なので、参考用にと思ったが
    黒田亘編「ヴィトゲンシュタインセレクション」に目を通してる
    読むだけならなんとかなるが、正直全然わからない

    ただ、「幸福な人の世界は不幸な人の世界とは別の世界である」など
    なんとなく胸に引っかかる文章は何箇所かあった

    ■ 高橋健吉訳 E・V・ディキンズ 「パークス伝 日本在中の日々」
    ■ 伊藤正雄訳 「福沢諭吉 学問のすすめ」

    Vol 1729[10-12-09](12-09-14)
    幕末から維新は複雑で把握しにくい、なので外人目線で見てみる
    高橋健吉訳 E・V・ディキンズ 「パークス伝 日本在中の日々」を読んだ

    幕末維新の英国公使、天皇始め当時の主要人物とも面識もある
    幕末の実際は、新たな海外貿易の利益を巡るヤクザの喧嘩の様にもとれる
    維新後も内乱と一揆が多発、不満からの征韓論と後の戦争への流れも見える

    外人への無差別襲撃、米の影響もあるが無茶な外交と当時は相当にオカシイ
    江戸期の小役人の派閥が影響を持ち、権力者は操り人形とかは今にも通じる
    幕末期は傑出した人物が多数出るが、実際は幕府が無能すぎただけな気がする

    --以下維新期の本をもう一冊、政治家の本で感想が少し偏ってしまった気はする

    Vol [09-08-20]
    一万円札でいつも見てるが、意外と知らない人
    伊藤正雄訳 「福沢諭吉 学問のすすめ」を読んだ

    自分の好きな勝海舟と対立してたので、第一印象は悪い
    引用が多く、半分が外国の本の翻案だった事が驚き
    過去を否定だけになってる所が好かないが、当時の状況は見える

    今の自己啓発本に近く、人間は変わらないなと感じた
    ただ、例を引いてものを説明するのはわかりやすくて感心

    ■ アントニオ・R・ダマシオ 「生存する脳」
    ■ ロバート・A・モンロー 「魂の体外旅行」

    Vol 1727[08-11-11](12-09-07)
    08年に読んだ本、意識と脳の関係で参考文献として挙げられた一冊
    アントニオ・R・ダマシオ 「生存する脳」を読んだ

    事故で脳の一部を失い、人格が豹変した人々のレポート
    感情や情動が消えてしまい、何も出来なくなってしまう
    意思決定には感情が必要という事や、脳が無いと魂も無いという話

    用語やテーマが難解で苦戦したが、実例が挙がってるのが興味深い
    脳関連調べて発見したのは、心と言っても結局 実体が無いとなりたたんという事

    ---もう一冊古い時期に読んだ本、こっちは内容オカルトで結局意味が無かった

    Vol [08-12-22](12-09-07)
    参考用に借りてきたが、完全にオカルトでがっかりした
    ロバート・A・モンロー 「魂の体外旅行」を読んだ

    オカルト書籍なのに予約が多く、借りるまで期間が開いた
    体外離脱自体は、脳研究の過程で解明されつつある現象
    実際の体験のレポートにと読んでみたが、完全にあて外れ

    安っぽい新興宗教と、作者の商品の宣伝でしかなかった
    体外離脱に伴う快楽ってのも、実際はそれほどではないのかもナ

    ■ 講談社学術文庫 杉田玄白 「蘭学事始」

    Vol 1725 [08-12-22](12-08-31)
    みなもと太郎の「風雲児たち」にも出てきて、興味を持った
    講談社学術文庫 杉田玄白 「蘭学事始」を読んだ

    全体に100P程度しかなく思ったより短い印象、蘭学はいかに生まれたか
    医学か言語かと、玄白と良沢の蘭学の使用目的が違うのを筆頭として
    解体新書翻訳に集まった人々が、それぞれ打算を抱えてた事がわかる

    蘭学を巡るトラブルの話なども記録されてる、利益絡みは生々しい
    遍歴をしつつも蘭学の大家となった人の逸話など、記憶に残る話も多かった

    ■ 日本中央競馬会競走馬総合研究所編
    「サラブレッド!サラブレッド!? 研究者が話す92話

    Vol 1723[12-07-06](12-08-26)
    JRAの本なら分かりやすいだろうという事で借りて来た、97年出版
    日本中央競馬会競走馬総合研究所編
    「サラブレッド!サラブレッド!? 研究者が話す92話」を読んだ

    関連本とだぶる所も多い、馬の病気に関してはかなりの頁がさかれてる
    日常の関連事項に合わせて理解しやすくの趣向で、読みやすくあるとは思う
    子馬の体高1m馬の時速は60/kmとかが、ちょうど調べてた時で参考になった

    音楽や水泳・ドレッドミル、トレーニングに関してはJRAならではで興味深い
    もう十年以上前の本なんで、現状ではさらに新しい発見や技術が出てる筈

    ■ 大牟田章訳 アッリアノス 「アレクサンドロス大王東征記」

    Vol 1721 [12-06-07](12-08-11)
    読むきっかけはゲームだが、歴史→アナバシスと歴史順に読めて幸運
    大牟田章訳 アッリアノス 「アレクサンドロス大王東征記」を読んだ

    常に兵と共に戦い励まし、新しい価値観を受け入れる事に躊躇が無かった
    訳者文の、限界を設定せず可能性を無限に信じるってのが象徴してる
    一方、新しい価値観に戸惑う部下や挑発とおだてに弱く怒りっぽい面も注目点

    当時から、政治的な偏向した見方や伝奇伝説が溢れ実態は掴みにくかったみたい
    これはその中でも信じられる所を抜き出した一次資料に近い本、上下二冊詳しくは以下

    ダレイオスを倒しインドの手前まで、実際的な文で逸話等はまだ少なめ
    大牟田章訳 アッリアノス 「アレクサンドロス大王東征記 上」を読んだ

    大軍のダレイオス三世相手に大分断作戦、執拗な追跡・都市の完全破壊など
    祖先がヘラクレス・アキレウスで、それを意識して神話への対抗意識が強い
    それが酒の席での親友殺害にも繋がる、しばらく寝込などナイーブな面も持っている

    直属の騎兵・盾の密集部隊の他、新兵器の投石器設置の為の土木工事も記憶に残る
    後の負傷にも繋がるが、敵地へ一番に到達しようとするなど危険をものともしないタイプ

    激励演説の失敗と遠征の中断・インダス川下り砂漠越え・病死、下巻では逸話も増えてくる
    大牟田章訳 アッリアノス 「アレクサンドロス大王東征記 下」を読んだ

    聖なる盾持ちペウケスタス・愛馬ブケパロス・キスに殺到する部下など逸話も豊富
    特にポロス王と激戦の末、「王者として扱って欲しい」の言葉で熱い友情を結ぶ話が良い
    部下は皆賞金名誉を得、次の戦いの準備もしてたので生きていれば歴史も変わってた

    付録で別働隊の海路旅もあり、地名がわかりにくいが怪物(鯨)に驚いたりと興味深い
    後のアラブ全域の文化成熟とも絡めて、この大遠征は歴史的にも意義深いと感心した

    ■ 松井幸雄訳 スポーツイラストレイテッド編 「図解・楽しい乗馬」

    Vol 1720[11-10-28](12-08-10)
    スポーツを書籍だけで学ぶのは、流石に限界はある
    松井幸雄訳 スポーツイラストレイテッド編 「図解・楽しい乗馬」を読んだ

    外国の本だが、向こうは乗馬趣味も飼育も手軽に出来る環境とわかる
    イラスト中心、乗馬はバランスとコントロールのスポーツだとわかる
    手綱で動きを自在にコントロール出来るのは、人類史でも凄い発見と思う

    乗り方や近づく時に注意して怖れずなど、馬は大きく力が強いのもわかる
    飼い方の指南にも半分の頁を割いていて、海外での馬の扱いの良さに感心

    ■ 遊佐幸平訳注 荒木雄豪編 ジェームズ・フィリス 「フィリス氏の馬術」

    Vol 1717[12-06-13](12-08-03)
    馬術の名著、実践が伴わないが心構えや課程など素人でも得られる情報も多い
    遊佐幸平訳注 荒木雄豪編 ジェームズ・フィリス 「フィリス氏の馬術」を読んだ

    19世紀の人でジョッキーから始めて数々の馬を調教、現代馬術の大家となった人
    実践的な馬術教育法の他に、騎手・飼育・調教・競馬・癖のある馬の対処法も書かれてる
    調教では観察と愛撫を重要視し、騎手においては馬術感覚の研究が重要視されてる

    馬では前進気勢、また競馬では適応した一定の速度と馬の自由を束縛しない事が望まれる
    編者も日本馬術の重要人物、背が高すぎたが努力でこれを克服したなどちょっといい話

    ■ 金原端人・久慈美貴 訳 ローズマリー・サトクリフ「ケルト神話 黄金の騎士 フィン・マックール」

    Vol 1714 [12-07-22](12-07-27)
    ゲームで有名、フィアンナ騎士団とディアミッドの話を含む
    金原端人・久慈美貴 訳 ローズマリー・サトクリフ
    「ケルト神話 黄金の騎士 フィン・マックール」を読んだ

    2003年出版、図書館で検索かけても2件しか出ず日本ではかなりマイナー
    成立は9世紀ごろでその頃の敵が出るが、設定上は紀元前となんでもありな民話
    最初は王様の冒険で、巨人やアーサーなんて犬泥棒も出て立派だが後半は一変

    魔法の呪縛でディアミッドをたらし込んだグラーニア姫、嫉妬に狂った王様との対決
    騎士は裏切られて死に姫は王に鞍替え、王も惨死・王子は浦島太郎状態と救い無い

    ■ 松平千秋 訳、ヘロドトス 「歴史」

    Vol 1712 [12-01-31](12-07-15)
    アレクサンドロス大王関連の資料で借りて来て、3世代ぐらい前の話と読み始めて気づいた
    だが、調べてた馬術のクセノポーンを経て大王の時代にも繋がるので結果的には大正解
    松平千秋 訳、ヘロドトス 「歴史」を読んだ

    ワニの生態や各地の伝説など、当時の人の合理的な部分が驚き
    さらに見所はペルシア戦争を中心に、古代の戦争の実態を知れる所
    姉妹婚やバビロンの結婚など、エロスを感じさせる部分も多くソソる

    地名・人物は多いが逸話が多いので読み物としても楽しい
    ◇ 詳しくはこちら、ペルシア戦争は知らなかったが相当に面白いと知れて発見

    Vol [12-01-15]
    年代や地名・人物は分かり難いが、逸話が豊富で読める所は多い
    松平千秋、ヘロドトス 「歴史 上」を読んだ

    紀元前地中海周辺の戦乱・人物伝記・各地域の風習の記録など
    比較した上での事実検討や意味深だが意味は無いとも取れる、信託の実際
    ブサイ子にも救いのある古代バビロンの結婚、神の名の波及からの歴史推測など

    姉妹が妻・人肉食・聖獣アピス殺害、ペルシア王カンビュセスのフリーダムさが凄い
    各地に実際いっての実地見聞・伝説への疑問など、合理的な所に知性を感じる

    Vol [12-01-26]
    ダレイオスのスキタイ遠征失敗、イオニア反乱からペルシア戦争勃発
    松平千秋、ヘロドトス 「歴史 中」を読んだ

    騎馬民族の異色さ、食料をわざと残してジワジワ苦しめるスキタイの作戦
    珍しい神様やアマゾネスとの結婚などの民族神話、今回も逸話が豊富
    託宣が当時重要視されてた事や、各地の政治の絡むやりとりは戦国時代の様

    昔らしい近親婚もあり、女性絡みや王位継承・独裁の反発が戦乱の原因になってる
    訓練が辛く奴隷がマシとイオニア敗北、渋るスパルタとアテネが共同で戦う事となる

    Vol [12-01-31]
    戦力比1:3から1:81の絶望的戦い、迫り来るペルシア軍団に立ち向かえるのか?
    松平千秋、ヘロドトス 「歴史 下」を読んだ

    この巻は単独でペルシア戦争の顛末、よく知らない戦いだったが面白く燃える
    怪異も豊富、夢で進軍・女神の導き・巨人の参戦・魚が躍るなど興味深い
    登場人物も魅力的、不死部隊・300人のスパルタ兵・有能な女将軍・錨の戦士など

    強大な敵戦力に、閉所での地の利・重装歩兵・船突貫・おびき寄せ等で立ち向かう
    それでもアテナイまで侵略され、最後はサラミスの海戦で大逆転 事実は奇なりで面白い

    ■ 勝藤 猛訳 フレヤ・スターク 暗殺教団の谷 女ひとりイスラム辺境を行く

    Vol 1711 [12-06-20](12-07-13)
    タイトル物々しいが、地図も出来てない無い辺境の地理作成紀行
    勝藤 猛訳 フレヤ・スターク 「暗殺教団の谷 女ひとりイスラム辺境を行く」

    村人に場所聞くと皆が違う事言うほどの辺境、ガイドもぼんやりした人ばかり
    遺跡もほぼガラクタしかなく、立ち寄る村々は貧困でアヘンが蔓延してる
    結婚式で15歳の花嫁が恐ろしさと疲れ、そして将来に絶望して涙する世界

    筆者自体マラリアや徒労な宝探しで苦労し、どうしてここに来たと自分に問う程
    クタクタになる紀行だが親切な人もいる、現地の人の巨人や二本角の話は興味深い

    ■ 加藤秀和 訳 バーナード・ルイス 暗殺教団 イスラームの過激派

    Vol 1708[12-06-28](12-07-05)
    原題はThe Assassins(アサシン)、11世紀から13世紀ぐらいまでの歴史
    加藤秀和 訳 バーナード・ルイス 「暗殺教団 イスラームの過激派」を読んだ

    話に誇張や尾ひれがついて、後年のアサシンの物々しい話は基本ウソ話
    だがハサン・イ・サッバーブを祖とする過激派の小国は実在して、その実際の歴史
    アルカイダやオウムを想像すると良い、一番最初にテロの暗殺を政治利用してる

    訳者の重視する、伝説として語られた過程や認識・過激派宗教発生の章も見所
    世界史にも出ない小国家とはいえ、200年近く存続してたのは面白いなと思った

    ■ 今谷明 室町幕府解体の研究

    Vol 1705[[11-11-11](12-06-28)
    妖怪絡みの本で挙げられた資料、信長覇権直前の室町幕府
    今谷明 「室町幕府解体の研究」を読んだ

    応仁の乱も国人一揆も、裏で政治闘争が絡んでる事が理解出来た
    研究者は調停責任者の名簿から、権力構造を把握してるんだなと納得
    応仁の乱で衰退したと思ったが、近畿中心に権力は維持されていた様

    信長登場以前も、三好氏は独自に権力把握しようとしたりと流れが掴めた
    資料が少なく研究が進んでない様だが、信長登場直前は興味深い時代

    ■ 櫂末高彰 「学校の階段」全10巻+短編2巻+外伝1巻

    Vol 1704(12-06-18)
    マキバオーの走りたい衝動で思い出した、最初は間違いで借りたがこれは掘り出し物
    櫂末高彰 「学校の階段」全10巻+短編2巻+αを読んだ

    階段を走り回るトンチキな部活、だが無意味な事も一生懸命やれば意味ある物になる
    登場人物は皆一様に何かを抱えていて、それが階段部に関わるで変わっていく様な話
    自分の昔も思い出されて 凄い青春してるなぁーと感じる、もっと若い頃に読みたかった

    キャラだと希春と天ケ崎・話だと井筒とナギの絡みが好き、素晴らしい筋肉も魅力的
    盆ごろの次回書籍追加時に、各巻三行ずつの感想と共に書籍感想分に追加しました

    [11-11-19]
    間違って借りたが予想外の掘り出し物、櫂末高彰「学校の階段」を読んだ
    ネタと思ってたら異様に熱く、最後の上映会の辺りは瞳が潤んでしまった
    無意味な事も一生懸命やれば意味ある物になる、感化される部分大きかった
    ---
    [11-11-19]
    1と一緒に借りたが面白さは維持されてる、櫂末高彰「学校の階段2」を読んだ
    限界が見えた九重の過去と階段部設立の話、ちゃんとメッセージ性がある
    最後に部活じゃなくてもいいって結論に行くのも凄く好き、ホント予想外の大収穫
    ---
    [11-11-26]
    初っ端から水着とサービス多め、櫂末高彰「学校の階段3」を読んだ
    試合シーンは解り難めだが、無口クール系お嬢様話 百合百合展開もあるヨ
    ベタなれどテニス八百長話の過去と、現在への気持ちと今回も面白い
    ---
    [11-11-26]
    挿絵も少なめでかなり暗く重い話、櫂末高彰「学校の階段4」を読んだ
    表紙が委員長で頁開くと三枝の三枝回、最初の筋肉の体育祭が楽しい
    後半は試合中心で今回も良い結末、恋愛要素も地味に高いのも注目点
    ---
    [11-12-01]
    凪原と井筒の恋と友情、櫂末高彰「学校の階段5」を読んだ
    今まで脇役に近かった人物の掘り下げ、先生の協調性の件が良い感じ
    友情とは何ぞやと考えさせられる、新キャラも多数出る新展開
    ---
    [11-12-01]
    主人公のスランプと転校生、櫂末高彰「学校の階段6」を読んだ
    冷めた自分を正しいと思って、やっぱり違うと本心に気付く所が良い感じ
    主人公を犬と見るエグい転校生も強烈、会長の本心も考えさせられる
    ---
    [11-12-07]
    階段部の件は少ないが青春の話としてアリ、櫂末高彰「学校の階段7」を読んだ
    「筋肉を馬鹿にするなッ!」の名ゼリフから逆転へと、飽きさせない選挙戦
    天ケ崎の考えの変化と成長や、食わせ者な会長の本音などが見所
    ---
    [11-12-07]
    続けていくと初期キャラだけで話も持たん、櫂末高彰「学校の階段8」を読んだ
    復讐に捕らわれたライバルが自分を見つめなおす、わりとベタめな展開
    今回の競争はニュータイプの様だった、天ケ崎が少しづつデレてく過程も楽しい
    ---
    [11-12-16]
    久々に階段部らしい全面対決の一作、櫂末高彰「学校の階段9」を読んだ
    井筒は凪原ともっとイチャイチャしてもいいのにぃ、練習に励む場面と井筒が目立ってる
    皆で伝言板する場面や、何だかんだでデレを発揮する御神楽なども印象的
    ---
    [11-12-16]
    最終巻にしてイラストに筋肉光臨、櫂末高彰「学校の階段10」を読んだ
    初手から茶番とバレバレ、でも真意がわかると心が温かくなる階段部包囲網
    一巻のメインテーマの再確認、卒業式のやりとりは涙腺ヤバい 読み続けて良かった
    ---
    [12-06-17]
    最終巻目前に出された短編集、櫂末高彰 「学校の階段の踊り場」を読んだ
    表紙が希春18歳、外階段と同時期に読んだので女神委員会の話は興味深い
    犯人バレバレだったプリン話など、この作家さんはホントはミステリー物もやりたいのかも
    ---
    [12-06-17]
    本伝終了後に出された短編集、櫂末高彰 「学校の階段の踊り場2」を読んだ
    本編と違うデコ委員長の話なんかは印象深い、御神楽話は策士策に溺れるといった所
    なぜか全員女性化してしまった映画版を受け、井筒妹も表紙で登場とサービス過多
    ---
    [12-06-17]
    資料調べてたら新シリーズ始まってて驚き、櫂末高彰 「学校の外階段」を読んだ
    外側の視点から眺めた階段部といった趣、なので本伝登場キャラも端役で登場
    まだ一巻でなんともいいがたいが、青春ものを得意とする作者で期待出来るとは思う
    ---
    [13-02-22](13-04-29)
    3巻で終了確定と消化試合見る様、櫂末高彰「学校の外階段2」を読んだ
    本伝終盤とリンク、各種キャラや言いたい事も全て盛り込んだ巻き気味の構成
    キャラの多さが少し辛いが、前巻以上に娯楽としての謎解きも盛り込んでいる

    ■ 山本史郎訳 アンドレア・ホプキンス 「図説 アーサー王物語」

    Vol 1703 [12-01-15](12-06-15)
    モデルはいるが架空の人、ケルト神話なんかもとりこんでて奥深い
    山本史郎訳 アンドレア・ホプキンス 「図説 アーサー王物語」を読んだ

    沢山ある資料を総合、いいとこどりした上で図版・コラムもつけたまとめ
    ランスロットが狂って森に入る場面など、当時の図版はなかなかシュール
    緑の騎士・聖杯など、ケルト・ローマ・キリスト教関連と似たような話もある

    冒険うんぬんより密通の話が目に付く、最後はそれで円卓の騎士も全滅
    姫にエロく迫られる話も多い、当時の語り手の性格と合いまって倒錯的な所も

    ■ 灰島かをり 訳 ローズマリー・サトクリフ 「ケルト神話 炎の戦士クーフリン」

    Vol 1700[12-01-15](12-06-08)
    タイトル俗っぽいが、専門に研究してる児童文学の人の唯一に近い資料
    灰島かをり 訳
    ローズマリー・サトクリフ 「ケルト神話 炎の戦士クーフリン」を読んだ

    ゲームでお馴染みだが、ケルト神話は口承なので資料が少ない
    名誉の為に、一対多数の戦い・兄弟子と息子を手にかけるなど悲劇的
    アイルランドの伝説、女王・女領主や女戦士スカサハなど女性が強い

    全裸女性に並ばれて戦意喪失・女神を拒絶して苦戦など女性に結構弱い
    魔物クラン・カラティンとその娘など、怪物も出てきて太古の英雄物語している

    ■ 伊藤宏 食べ物としての動物たち

    Vo1697 l[10-12-20](12-05-28)
    食材が出来るまで、思ってたのと実際は違うんだなぁと驚き
    伊藤宏 「食べ物としての動物たち」を読んだ

    カルビは腹筋 国産牛は実際はグレーと、スーパーの表示も理解出来た
    種牛用のオナホも驚き、種の重要さは病気で殺処分のニュースにも繋がる
    鳥の雌雄検査の実際・縁日のヒヨコの出所と原価も知らなかったので豆知識

    食材として特化した品種改良や、徹底した管理などオリンピック選手の様
    ここまでしないと我々の生活が成り立たず、畜産は科学なんだなぁと感心

    ■ 鎌田慧 ドキュメント屠場

    Vol 1695 [11-06-04](12-05-25)
    作業工程より、60から70年代にかけての労働組合の話がメイン
    鎌田慧 「ドキュメント屠場」を読んだ

    現状では職員は公務員で、意識も変化してるとある様に改善されてるが
    過去はタダ働きさせられたり、大昔の偏見引きずって大変だったとわかる
    発表媒体や筆者が高齢で色かかった部分はあるが、聞き取りは真実含んでる

    政治団体の話や、組合の力は限界あるとか座談会では本音も見える
    現在でも高度な技術職なので、過去の職人の伝説は相変わらず面白い

    ■ 桜井厚 編 屠場文化 語られなかった世界

    Vol 1692 [11-02-28](12-05-18)
    筆者が色掛かってて観察力も低めだが、見るべき所は多い
    桜井厚 編 「屠場文化 語られなかった世界」を読んだ

    インタビュー中心で、先に読んだ屠畜紀行には無い写真もあり
    少し前の世代の屠畜事情や、ホルモンの地方料理など見所多い
    偏見あると結論出して進めてるが、実際はそうは無いような雰囲気

    イラスト描く子に親切に対応する屠畜の人など、やはり良い人が多い
    昔は儲かった話なんかは屠畜紀行とも共通で、なるほどと納得

    ■ 小林茂久 監修 ミニブタ飼いになる

    Vol 1689 [11-04-16](12-05-11)
    毎日食べてる様な動物なんで、何を考えてるかは興味ある
    小林茂久 監修 「ミニブタ飼いになる」を読んだ

    実際はわからない事の方が多く、ノウハウも少ない飼育の難しいペット
    ミニとあるが小型犬の十倍の50〜100kgまで大きくなり、15年近く生き金もかかる
    元が野獣の猪らしく、気に入らないと鼻パンチ・家具破壊となかなか激しい

    犬とほぼ同じぐらい賢い感じだが、指揮系統に従わず犬とは思考回路も違う
    犬猫と同じという訳では無いので、猪の行動も込みで調べないと難しいのかも

    ■ 西尾光一・小林保治 校注 「古今著聞集」

    Vol 1687[11-09-23](12-04-22)
    怪異関連の資料としての他にも、説話は小話中心なんで読みやすい
    西尾光一・小林保治 校注 「古今著聞集」を読んだ

    芸術関連の資料で集められた物なんで、和歌やイベントの記録が多い
    蹴鞠・競馬など珍しい文化面での記録が残ってて、その意味では貴重
    量がとにかく多く散漫になった所もあるが、印象に残った面白い話も多い

    前半と後半で集める話が変わってきて、後半は笑い話や猥談も増えてくる
    大蛇との戦い雷光四天王など冒険の話も面白く、読んだ価値はあった
    ---
    Vol [11-09-15]
    元寇少し前くらいの説話集、難しい所は横に校注訳付きで読める
    西尾光一・小林保治 校注 「古今著聞集 上」を読んだ

    和歌など芸能資料用で前半は微妙だが、後半は武士の話もアリ
    頼光四天王VS鬼同丸・寝取られ話・音楽秘伝伝授話等が興味深い
    当時の馬術の項もあり、暴れ馬が多く飼育法も確立出来てない様子

    怪異絡みは夢に出た系が多い、憑依されて音楽で慰める等もあり
    笑い話はまだ少ないが、馬術法など当時の記録が残ってるのが貴重

    Vol [11-09-23]
    解説で下巻は別の人の著と思われていた程に内容が一変、笑い話やエロあり
    西尾光一・小林保治 校注 「古今著聞集 下」を読んだ

    そのものズバリ怪異と変化の章があり、白蔵主的な狐の話が目を引く
    オーバーヘッドもする、蹴鞠の章では藤原成通の活躍が目立つ、
    仮面の女性怪盗・競馬にまつわる予言と死・画をけなし評価が落ちた人物

    とまらない屁・脱糞見られての開き直り・無実を示す為短小皮かむりを見せる話
    量が多いが印象に残る話は多数あり、上巻とも比べて読みごたえがあった

    ■ 佐々木広幹 「宗教人類学」

    Vol 1686[09-02-01](12-04-19)
    「どうして宗教は必要なのか」が、宗教を調べる動機になってる
    佐々木広幹 「宗教人類学」を読んだ

    祭司とシャーマンの比較など、実際例がよく書かれてるので
    現世での救済と社会変革を促す事が、その効力だと気づいた
    シャーマンが現代でも、チャネラーとして残ってる事に関心した

    アジア圏の調査例が多いが、イスラムや共産圏の事情も知りたい
    認めたくないが、宗教にも有用な面があるのだと気づかされた
    ---
    [12-04-20]
    この後、人間行動学や妖怪関連からの歴史の本も読んだので追記
    行動学的には人間は幼児化した生物で、仮想の親的存在で神が作られた
    また権威による宗教の利用と祭事など、政治との関連もやはり注目点

    まぁ実生活が追い詰められてて変革望む人は、神頼みしか手段は無いわナ
    思想の変化してく過程で、宗教→社会主義→エコ主義な流れもあるみたい

    ■ ブッタのことば・新約聖書・コーラン

    Vol 1684-2(12-04-08)
    以下かなり古い時期に読んだ書籍の感想、いつかいつかで伸び伸びになってた
    社会学にせよ人間行動学にせよ妖怪関連にせよ、宗教ってのは重要因子になってくる

    特定宗教だけあげると偏った感じになるので、世界三大宗教を一挙まとめて
    宗教関連は感想書くのもどこか躊躇して、どうにも及び腰になってしまってイケナイ
    自分らの世代はオウムとかあったので、宗教はどうにも胡散臭く見えてきてしまう

    「親が子を愛する様に全ての人を愛せ」とか良いと思う所だけ取るのが良いのかも
    あんまり尊敬しすぎると、なんでも本質が見えにくくなるのでまぁホドホドに

    Vol [08-05-26]
    念仏は言語が難しく、自分には理解出来ないので
    岩波文庫から「ブッタのことば」を読んだ

    コントのように出たり入ったりする下りが、妙に笑えてしまった
    本の半分が注訳で読みにくい部分もあるが、意味は伝わる
    難しい質疑はわからないが、欲が苦しみの元とかは理解できる

    全てのものに幸福と安穏と安楽を説く説は、読んでいて気持ちが良く
    人の体内は実際は汚物と説く説は、目から鱗が落ちる気分だった

    Vol (08-07-02)
    異民族理解の為、「コーラン」「ブッダのことば」に続き
    岩波書店版「新約聖書」、なんとか全部読んだ

    教義が旧約からの引用が多い事に驚いた
    終末思想を元にして成立しているので、怪しげな部分も多い
    故に終末思想のある他の宗教と照らすと、似てると感じてしまう

    理解不能な部分も多いが、成立の過程を考えると仕方がないのかも
    これを前提にしての、西洋文化発展の苦難が少し理解できた

    Vol (08-04-25)
    話を楽しみたいという動機や、異民族の研究という点から
    「聖書」は今更な気がしたので、あえて「コーラン」を読んでみた

    読む事が無意識にストレスとなるようで、毎晩悪夢にうなされ
    少しずつしか読めなかったが、中公の2冊組の内1冊は読んだ
    生活の規則が具体的に示されたりと、まるで法律書の様

    法律の様に抜け道的な部分もあって、商人の作った宗教らしい
    自分は基本的に仏教徒だが、イスラム圏を知る資料として参考になった
    (心情的には無神論なんだけど、迷惑かかるんで一応仏事とかは仏教だしノー)

    ---(08-05-23)
    注の参照のし易さと、原文に近い単語の訳で読みやすかった
    以前に前半を読んだ「コーラン」後半部、岩波文庫で読み終えた

    女性関係や信者との付き合いのまずさを、神に怒られる
    聖人なのに、妙にうっかりした所のあるムハンマドは親しみやすい
    初期の感情がこもった呪いの啓示も、人となりが見えて面白かった

    ロック歌手や織田信長みたいなのを、ムハンマドに想像してしまい
    人を統治する工夫の書としても見れて、イスラム教徒で無いが勉強になった

    ■ 矢島文夫訳 「ギルガメッシュ叙事詩」

    Vol 1683(08-06-04)(12-04-07)
    資料のライオンにタワーブリッジかけてる彫刻が目を引く
    矢島文夫訳 「ギルガメッシュ叙事詩」を読んだ

    約5千年前の石版から解読された、BC3000年の世界最古の物語
    解説は心躍るが、欠けた部位や意味の捕らえにくい文の方が多い
    しかし 大筋は理解出来る、今でも人気の英雄と冒険・友情・死の話

    大洪水の所は旧約聖書と同じ文面で、その継承の古さに驚く
    こんな太古の伝説が、文が残ってて今も読める事に感動してしまう

    ■ R・P・ファインマン 「困ります、ファインマンさん」

    Vol 1680 [08-11-11](12-03-30)
    以前読んだ自伝でも、その魅力的な人柄に好印象を受けた
    R・P・ファインマン 「困ります、ファインマンさん」を読んだ

    ユニークな個性で、人生を謳歌していた事がわかるエッセイ
    日本の文化を外人が見た時の驚きを現した 日本旅行記など
    ロケット事故調査の為の独自調査、氷がこなくて慌てた裏話も面白い

    科学者の目が世界をどう魅力的に見ているのか分かる講演など
    もしノーベル物理学者で無かったとしても、尊敬できる人だと思う

    ■ 水木しげる 「ゲゲゲの人生 わが道を行く」

    Vol 1677[11-05-01](12-03-24)
    編集本で水木サン自体が書いてる訳でないので、お薦めはし難い
    水木しげる 「ゲゲゲの人生 わが道を行く」を読んだ

    NHKの特番のテキスト編集と、番組内でのインタビューで構成
    水木サン自伝は「ねぼけ人生」がほぼ網羅してるので、補足書籍となる
    ドラマ版のゲゲゲの女房関連本なので、NHKの意向が見えて面白い

    白土三平・加太こうじ・辰巳ヨシヒロ・森野達也 等はドラマと同じでほぼハブられてる
    水木サンへのインタビュー部が見逃した人には貴重で、そこは価値がある

    ■ 荒俣宏 「水木しげる、最奥のニューギニア探検」

    Vol 1674[09-09-10](12-03-16)
    荒俣宏の見聞記であって、水木サン分を期待すると薄めかも
    荒俣宏 「水木しげる、最奥のニューギニア探検」を読んだ

    荒俣宏の真面目さが出すぎてて、水木サンの記録は少なめだが
    それでも各所で思わず噴出す言動の数々が記録されてる
    また、文明の少ない土地での困難を正直に書いて好感も持てる

    見聞記の記事よりも、水木サンが死にかけた記事が強烈すぎる
    そんな目にあいつつも、それをプラスに変換できる水木しげるは偉大

    ■ 吉川晶三・鎌田博夫 訳 エティエンヌ ソレル 「乗馬の歴史 起源と馬術論の変遷」

    Vol 1671[12-02-28](12-03-09)
    フランスの本、乗馬だけで無く歴史全体での馬の運用を一覧出来る
    吉川晶三・鎌田博夫 訳 エティエンヌ ソレル
    「乗馬の歴史 起源と馬術論の変遷」を読んだ

    鞍も鐙も無しの曲乗り、圧倒的機動と戦略で無敵を誇った騎馬民族
    強力な戦車・騎士世界の突撃戦・竜騎兵による旋回陣形戦術など
    クセノフォンなどの例外を除き、口頭指導のみで失われた馬術も多い

    軍事パレードやサーカスの曲乗りなども総合し、現代の馬術がある
    近代兵器登場で一変したが、馬と人間の歴史は本来長かったと知れる

    ■ 大串久美子 「ロンシャン競馬栄光の日 華麗なるフランス競馬」

    Vol 1668 [12-02-22](12-03-02)
    2011年の本で最新に近い情報、フランス競馬成立の歴史と現状のレポ
    大串久美子 「ロンシャン競馬栄光の日 華麗なるフランス競馬」を読んだ

    戦争で負けつづけた英国への対抗心が前提にあり、勝利する話が見もの
    若者・新興の富豪・王位から遠すぎる王子・英国の父に見捨てられた私生児
    暗い先行きを打破する為に、馬に人生を託した人々の歴史が裏にある

    アントワネットなど歴史上の人物も登場、仏競馬は市民のお祭りでもある
    現在の仏も皆がお祭り騒ぎの競馬を心待ちにしていて、馬の先進国だなと感じる

    ■ 大久保登喜子 「ヨーロッパ夢の競馬場 ぜーんぶ馬の話」

    Vol 1665[11-10-28](12-02-24)
    海外は障害や繋駕・馬術に舞台と、馬との関わりが密接だと知れる
    大久保登喜子 「ヨーロッパ夢の競馬場 ぜーんぶ馬の話」を読んだ

    パリの美しい競馬場の案内、各地に小さい競馬場が沢山ある事も驚き
    様々な馬の紹介、大型犬程度のミニな馬の案内なども写真付であり
    馬術は貴族のスポーツ、王族が馬を持ち王女様が選手になるのが世界

    馬術から発展した馬ミュージカル、地方では普通の人でも騎手をしてる
    金儲け一辺倒にならず、馬が好きで興行や仕事にするのは偉い事と思う

    ■ 中沢新一・C・レヴィ=ストロース 「サンタクロースの秘密」

    Vol 1662 [12-02-12](12-02-17)
    日本で近年習慣化した 恵方巻き・バレンタインにも当てはめて考えた
    中沢新一・C・レヴィ=ストロース 「サンタクロースの秘密」を読んだ

    構造主義の偉い人、頁数も少なく訳した中沢新一の詳しい解説もついてる
    思想を考える上でキーポイントになる贈与も関連するので、かなりおすすめ
    最近に習慣化した物も、実は元々あった習慣が関連しているという事

    さらに踏み込んで、生者と死者二つの世界を繋ぐ儀礼の変形した物と解析する
    見返りが目的で無いバレンタイン・鬼の来る恵方巻き、どちらも何かが見えてきそう

    ■ 井上章一X永井豪 「けっこう仮面が顔を隠す理由」

    Vol 1659 [11-07-26](12-02-10)
    1993年の書籍、その当時の豪ちゃんの考えてた事もよくわかる
    井上章一X永井豪 「けっこう仮面が顔を隠す理由」を読んだ

    意匠論の建築の先生との対談、豪ちゃん作品ちゃんと読んでる人で好感持てる
    美人とは何ぞや?な議論、古今の漫画の移り変わりを面白く検証していく
    豪ちゃんが話を受けて理論展開してく様から、その深い知性が読み取れる

    豪ちゃんが時代で絵を意図して変えてる事が発見、この頃は瞳を大きくしてる
    シャーマン系の漫画家と言われてるけど、豪ちゃん実際は相当の理論派と思う
    けっこう仮面に憧れる女性の話は衝撃的、なんだかハートがチュクチュクしちゃうの

    ■ 村上健司 「妖怪辞典」

    Vol 1657[12-01-05]
    日本妖怪大辞典だけで事足りると思い、ノーチェックになっていた
    村上健司 「妖怪辞典」を読んだ

    峰守ひろかずが参考資料として挙げてる一冊、シタガラゴンボコも載ってる
    赤い紙青い紙の歴史推移の考察など、コラム的な部分もあり面白い
    出典も全て載ってるので、妖怪関連本をここから辿っていく面でも重宝

    東北怪談の旅の訂正、小池婆系列の話の拡散なんかも興味深い
    妖怪地方名・アイヌ・沖縄の妖怪など収集に積極的な分野は妖怪も沢山

    ■ 永井豪 「デビルマンは誰なのか」

    Vol 1656[11-07-11](12-01-28)
    師匠の石ノ森章太郎も後付けの解説上手だったので、そこも意識して
    永井豪 「デビルマンは誰なのか」を読んだ

    デビルマン以外の代表作も含めて、作品を作った状況と自己分析
    西村繁男と同一見解だが自身の過去と絡め、ハレンチ学園は教師批判に納得
    麻雀強い横山光輝・梶原一騎の顔ピクピク、ジャックと南友の関連など驚き

    夢にストーリーが出る話も、それだけ真剣に話を作ってる賜物と思う
    巻末の作品リストが便利、[読んだ時期にゴラク連載の自伝漫画も追っていたが]
    いつものデビルマンだけの内容となる状態で、その連載も過労で中断と残念

    ■ 永井豪 「豪 波乱万丈 痛快自伝エッセイ」

    Vol 1653[11-07-05](12-01-21)
    マンガ夜話で理不尽なキレ方してて、性格が微妙に掴み難い
    永井豪 「豪 波乱万丈 痛快自伝エッセイ」を読んだ

    野口竜が先輩・一日64Pの作業量、石ノ森先生のアシ時代が面白い
    デビュー時原稿千二百円・アシスタントで赤字、銭の話も書かれてる
    赤塚の圧力で連載終了・石ノ森の仲人すっぽかす手塚と裏話も豊富

    さりげなく、自分の希望や愚痴・自慢も入れてたりと内容も正直
    画集に冷奴のイタズラ書きしちゃうエピソード、豪ちゃんらしくて良い
    [別の本と混同してるかもだが、ハレンチで裏切った編集はイニシャルが同じなので
    ゆでたまごが調子悪かった頃に悪口言った編集と同じ人っぽい、厭ですナー]

    ■ 高槻盛紀 「野生動物と共存できるか 保全生態学入門」

    Vol 1650[11-10-15] (12-01-13)
    「可愛い」とか「可哀想」は判断を狂わせて、危険な部分もあると知る
    高槻盛紀 「野生動物と共存できるか 保全生態学入門」を読んだ

    クマの害が世間で騒がれた時期で、勉強用に借りてきた
    良かれと思った害獣駆除が生態を崩し、思いも寄らぬ大惨事を引き起こす
    あるいは、複数の植物の絶滅を避ける為 動物を殲滅せざる得ない事態など

    元々の原因は人間にある事が大半で、それが巡り巡って人間を苦しめる事になる
    人間も含め環境は絶妙なバランスでなりたってるので、冷静な判断の難しさを感じた

    ■ 太刀川清 校訂 「叢書江戸文庫2 百物語怪談集」

    Vol 1648[09-11-01](11-12-18)
    翻訳版も出てると知ったが、別のが二つ入ってたので良しとする
    太刀川清 校訂 「叢書江戸文庫2 百物語怪談集」を読んだ

    諸国百物語・御伽百物語・太平百物語の三本、御伽が一番良かった
    女が恨みで蛇になる系の話の多さが目に付いた、挿絵も面白い
    御伽だけは薄気味悪いのも多いが、他は昔話みたいな話が多い

    朱の盤を首番と書く事、産女が鳥だった話なんかが少し興味深い
    似た話も多く少し混乱する所もあったが、古典を読む訓練になった

    耳袋で江戸期の古典は読める自信ついたので、興味ある分野から
    太刀川清 校訂 「叢書江戸文庫2 百物語怪談集」を読んだ

    諸国百物語、朱の盤を首番と書く事、産女が鳥だった話が記憶に残った
    諸国の名にふさわしく、常に地名が明記されてる所も面白いと思う
    淡々とした挿絵でスプラッタ描写や化け物描いてる所も、見所だった

    御伽百物語、話の分量長め 漢字多様と読みにくいが、一番面白かった
    侍がまける程強い妖怪、敵とも味方ともしれぬ者など 薄気味悪く怖くて良い
    恋話・人情話・艶話と怪奇に留まらぬ守備範囲、肉陣の有馬温泉とかエロい

    太平百物語、被る話も多いが読みやすく 後に受け入れられた事に納得
    日本独自の怪談集と解説にあり、そこらをとっても興味深いものと思う
    自分の知ってる地名のお化け話も出てきて、そこが一番記憶に残った

    ■ 小林照幸 「ドリームボックス 殺されてゆくペットたち」

    Vol 1647[11-08-17](11-12-16)
    小説形式だが取材の上のものなので、実際の現場の様子に近い筈
    小林照幸 「ドリームボックス 殺されてゆくペットたち」を読んだ

    捨てられた動物が、愛護センター(保険所)でどう処理されるかの話
    生後幼くまだ躾けられる動物、その譲渡会での講習の様子も書かれてる
    災害時も注目されたが、動物の命を軽く見てる人が多いのは悲しい

    罰則の強化や、講習会への参加などは義務付けても良いと自分は思う
    譲渡会の様子や迷い犬・猫が無事飼い主の元に戻れた話など、救いもある

    ■ 原田俊治 「馬、この愛すべき動物のすべて」

    Vol 1644[10-12-30](11-12-11)
    [マキバオー読んでる関連で、馬の生態を勉強してみた]
    馬関連の資料調べの過程で、動物学の棚から一番最初に読んだ本
    原田俊治 「馬、この愛すべき動物のすべて」を読んだ

    過去文献の資料のまとめ中心だが、JRA勤務の人の本
    91年発行、なので知能など海外の研究全てを鵜呑みにはし難い
    専門家らしく、古典の馬の描写や絵の分析はもっと言及して欲しかった

    後の資料でも基本となるが、サラブレッドの血統の起源が見もの
    品種改良による能力値が限界に来てる報告と併せ、興味のきっかけとなった
    [JRAの人なのでサラブレッドの項が見もの、意外に血統が怪しい
    サラブレッド以外でも混血種で強い馬はいるのではと、想像が膨らんだ]

    ■ 東アジア恠異学会編 「怪異学の可能性」

    Vol 1641[11-09-01](11-12-03)
    イベントに参加してた人の論文もあって、内容の理解も深まった
    東アジア恠異学会編 「怪異学の可能性」を読んだ

    研究報告第三弾、戦国や幕末・明治の怪異と王権の研究が新鮮
    王権が弱く無政府状態 怪異跋扈な室町期、その魅力を再発見
    貴族社会に蔓延するアル中と怪異の関係、これもなるほどと納得

    怪異から見ると王権の人民管理や、反体制派の扇動手法も見えてくる
    射程を更に広げる京極夏彦の論文など、論文集だが読み応えあった

    ■ 東アジア恠異学会編 「亀卜 歴史の地層に秘められたうらないの技法をほりおこす」

    Vol 1638[11-08-17](11-11-25)
    歴史資料に出てくる亀の甲を焼く占い、実際は儀式的な側面が強い
    東アジア恠異学会編 「亀卜
    歴史の地層に秘められたうらないの技法をほりおこす」を読んだ

    2011年のイベントで公聴した東アジア恠異学会、その研究報告の第二弾
    口承技術で資料が無く、今回の法も古代王権のそれとは少し異なってる
    日本・中国の古代史・考古学・民俗学・動物学と幅広い専門家で研究してる

    肝はやはり実際の亀卜実験、加工には高度技術が必要など成果を上げてる
    天皇が便所でお化け見たとか、文学の亀など挟まれるコラムも興味深い

    ■ 東アジア恠異学会編 「怪異学の技法」

    Vol 1635[11-08-24](11-11-18)
    図書館の日本史の棚にあった、怪異学会の研究報告第一弾
    東アジア恠異学会編 「怪異学の技法」を読んだ

    怪異も宗教と絡むと、政治・人心を操るまでの力を持つので侮れない
    中国で王権が利用した関羽の顕聖話、これが後世の民衆に与えた影響
    鬼が人食う説話や変な雷神絵の謎解きなど、コラム的で面白い話もある

    西洋の驚異・小野篁の絵・異形加茂祭図巻・胎児観の変化など図版も結構ある
    イベントで京極夏彦がカオスですと感想漏らしてた通り、守備範囲は広いと思う

    ■ 小松和彦 編 「妖怪文化叢書 妖怪文化の伝統と創造 絵巻・草子からマンガ・ラノベまで」

    Vol 1632[11-09-09](11-11-13)
    文学の研究してる大学の先生による、文芸面での妖怪の論文集
    小松和彦 編 「妖怪文化叢書 妖怪文化の伝統と創造
    絵巻・草子からマンガ・ラノベまで」を読んだ

    珍しい資料や図版の紹介、妖怪の元ネタ謎解きなど興味ある内容
    妖怪は捉え方や属性の追加など、時代で変遷するので現代も研究範囲
    石燕の絵解き・片輪鳥の変遷・鳥と裸女のウブメ・昔の鬼など盛り沢山

    猫目小僧は以前の京極夏彦の講演思い出した、鎌鼬は生理現象も驚き
    近年盛んな妖怪研究、妖怪の捉え方が変化する様に進行形で立ち会ってるのかも

    以下取扱われてた妖怪モノ ラノベ
    図書館頼みでまだ全ては借り出せてない&読めてないので随時追加する予定です

    ■ 鈴木勝 翻訳代表 コリン・ボーゲル 「馬を飼うための完全ガイド ホースケア マニュアル」

    Vol 1629 [11-10-08](11-11-05)
    ウマ飼うなんて貴族でも無けりゃ無理だが、馬をウマく飼う方法
    鈴木勝 翻訳代表 コリン・ボーゲル 「馬を飼うための完全ガイド
    ホースケア マニュアル」を読んだ

    写真中心の図鑑、普段目に出来ないエサや用具の実際を確認出来る
    馬は力が強いので、扱いをミスると怪我もありえるのは想像もつかなかった
    馬を扱う仕事の具体的な作業もわかる、清掃作業が中心の重労働

    放牧地の管理や草の種類の多用さなど、そこらの草食わせてるだけでも駄目
    共同管理の提案など、資金・世話の重負担の実際も見えて勉強になった

    ■ 小田亮・松本晶子 訳 ティム・バークヘッド 「乱交の生物学 精子競争と性的葛藤の進化史」

    Vol 1626[11-10-22](11-10-28)
    動物行動学の本で、クジャクの雄の派手さなどの繁殖と進化の関係
    小田亮・松本晶子 訳 ティム・バークヘッド
    「乱交の生物学 精子競争と性的葛藤の進化史」を読んだ

    つがいの鳥の子はよその雄・トカゲとヘビはチンチン二つ など例が大量
    自分より長いチンチンや精子・メスに毒になる精子など昆虫がとにかく凄い
    相手選ぶ基準は遺伝子の相違で、匂いで判別は一目惚れの説明にもなりそう

    人間の浮気は刃物沙汰だが、生物は両性基本乱交な事は見識が改まった
    生存と繁栄の為に、こうも闘争と進化を繰り返すのはホント大変な事だと思う

    ■ 奥谷喬司 編著 「サイエンスエッセイ イカの春秋」

    Vol 1622 [11-03-09](11-10-22)
    イカ娘の二期も始まって、いよいよ世間にイカブームの雰囲気
    奥谷喬司 編著 「サイエンスエッセイ イカの春秋」を読んだ

    海洋学者が、世界の海を股にかけた大冒険で調査してる事が驚き
    名前もないイカを分類していく所から始まるなど、前人未踏の分野
    ふざけ過ぎと却下したオバケイカやチンチン針など、名前の由来も面白い

    飼育プールを料理店に回し有名になり、返却不可になった話も印象的
    南太平洋のイカ資源など、読み易い上に知見が広まりとても良かった

    ■ 秦和子訳 オスカル・プフンクト 「ウマはなぜ「計算」できたのか 「りこうなハンス効果」の発見」

    Vol 1619[11-10-06](11-10-07)
    空気読むってのは実際は言語以外の、身振りなどの表現を読む事と思う
    秦和子訳 オスカル・プフンクト 「ウマはなぜ「計算」できたのか
    「りこうなハンス効果」の発見」を読んだ

    牧畜の棚にあったが、発達を促したので内容的には行動学の分類
    説明だけ読むと完全に意思ある馬、実際は反応に反応してただけ
    まだ心理学も確立されてない、20世紀初頭の実験記録なのが驚き

    研究室の実験に移行して、無意識な体の動きを見事に発見してる
    反応に反応してただけとはいえ、それを憶えた馬は実際に賢い

    ■ 大久保和郎 訳 ハンナ・アーレント 「イエルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」

    Vol 1616[11-09-29](11-10-01)
    ヒーロー物好きとしては、悪とはなんぞや?は常に命題としてある
    大久保和郎 訳 ハンナ・アーレント 「イエルサレムのアイヒマン
    悪の陳腐さについての報告」を読んだ

    ナチの強制収用所関連の人物だが、実際は冷酷無比でも無いただの凡人
    殺戮に恐怖する良心が、偉い人の意見や周囲の反応で麻痺する様が怖い
    収容に関するユダヤ人自身の関与、拉致されての見世物的な裁判も問題のひとつ

    責任をどこかに転嫁して無罪主張し、芝居がかったテンプレートなセリフが最後の言葉となる
    誰もがなりえる人物だが、それは同じ過ちを繰り返す事に繋がるので考える事は多い

    ■ 日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「馬の科学」

    Vol 1612 [11-05-10](11-09-24)
    先に読んだサラブレッドの科学の前編、馬の動物の面に関して
    日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「馬の科学」を読んだ

    基本的な事中心で先に見た馬書籍と被る面もあるが、写真は豊富
    走る事の発達が、元々は逃げる為の進化の果てというのが面白い
    ムシ歯は全身麻酔で手術、牝のフケとレースの関係なども興味深い

    マキバオーのピッチ・ストライドが、元々はチーターの走り方と知り納得
    ラストスパートで息をしてない事や、スタミナとの関係も印象に残った

    ■ 林美一 「江戸艶本を読む」

    Vol 1608[09-12-24](11-09-17)
    内容がエロ本なので枕草子の資料は少ないが、そういう物こそ重要
    林美一 「江戸艶本を読む」を読んだ

    当時は、エロも書ける事がステータスの一つだった事がまず驚き
    故に一九・歌麿・北斎・源内・石燕・蜀山人・師宣とそうそうたるメンツ
    特に、妖怪画でお馴染み石燕の書いたエロ妖怪図鑑は非常に気になる
    画図百鬼夜行より先行してるし、怪なんかでも未だ取扱われてない筈

    内容の抜粋もありどれも愛嬌と知性がある、資料性の高さも重要
    作者が元大映勤務で、今は文芸研究家ってのも興味深く面白かった

    ■ ゆでたまご 「生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録」

    Vol 1604[11-07-23](11-09-10)
    西村繁男の著作と比較して読むと、食い違う所もあったりして面白い
    ゆでたまご 「生たまご ゆでたまごのキン肉マン青春録」を読んだ

    特撮物が影響下など若い人だと再認識、当時の大阪の記録も興味深い
    突然漫才師になろうとした話など、原作が精神的に脆い事も驚き
    西村繁男の本も参照すると、反乱や気分でダメ出しなど中野さんは問題ある

    スランプ期に対する反省や作画の考えなど、ゆでは少し不安要因が多い感じ
    2011年現在はかなり危険な状態なんで、追記で再びヒットしたと書きたい所
    [2011-12-18追記] 肉二世は打ち切りで初代肉の続編が開始、評価は今後次第といった所

    ■ 西村繁男 「まんが編集術」

    Vol 1600 [11-07-23](11-09-03)
    ジャンプ三代目編集長、最近のもの・好きな漫画家も扱ってて充実の内容
    西村繁男 「まんが編集術」を読んだ

    考え方や世代が違うが、あの世代の人達の目線での漫画を知る事が出来る
    インタビュー形式、ゆで・江口寿史他 大量の漫画家の素顔と実態の裏話
    中沢啓次は人気を気にする・諸星大二郎は宮下あきら大ファン ここらの話は驚き

    江口寿史・冨樫義博など金銭の話もシビア、ゆで関連の話も多くファンは必見
    本宮ひろ志贔屓に二人の深い友情を感じる、巻末のジャンプ全作品リストも便利
    (悪魔くんジャンプ掲載の経緯不明なのは驚き、やっぱり悪魔の仕業なのかもね)

    ■ 鈴木棠三 編注 根岸鎮衛 東洋文庫 「耳袋 1・2」

    Vol 1597 [09-10-15](11-08-26)
    編注とあり現代語訳と思ったが、文体はほぼ当時のままで苦戦
    鈴木棠三 編注 根岸鎮衛 東洋文庫 「耳袋 1・2」を読んだ

    今では使われて無い言葉などが厄介、とはいえ面白さは損なわれて無い
    今の言葉に近くはあるが、意味を理解する為に二回繰り返して読む所も多々
    また図書館の本なのに、所々でページが紛失して読めなかった話もあった

    手間取りつつもなんとか完読、江戸ぐらいなら訳無くても読める事を実感出来た
    ● 一巻読む毎にメモしといたものはこちら、いろいろと収穫があった

    Vol [09-10-03]
    怪異譚で有名だが、事件簿や人物伝 艶話とそれ以外も豊富
    鈴木棠三 編注 根岸鎮衛 東洋文庫 「耳袋1」を読んだ

    狂歌や和歌の話もある所が、過去の物語集を彷彿とさせる
    沢庵と柳生宗矩、堀江弥兵衛、小野忠明と善鬼 家光御前試合など
    よく聴く剣豪逸話の元ネタはこれかと感心、当時の風俗にも詳しい

    エロ話で京女の筈が素人だった、男色試そうと爺がケツに棒突っ込む
    老人の教訓の歌など、馬鹿馬鹿しい話やエロなどが印象に残った

    Vol [09-10-15]
    後半になると怪異譚や処方箋、講談の話などが増えてくる
    鈴木棠三 編注 根岸鎮衛 東洋文庫 「耳袋2」を読んだ

    妙に良く出来た話は講談ものだったりと、ネタ切れな所もあるが
    屁で刃物沙汰の話や狂歌、男谷検校 桂川甫周の話などネタは豊富
    奈良漬と味噌漬のレシピなど、もう なんでもありな感が面白い

    当時の怪談は狐中心だが、妙に奇妙なのもあって不気味
    もっとも記憶に残ったのはアマゾネス、短いし江戸の本なので引用しとく
    ---
    > 耳袋 巻の八 浄土にていう七夕の事
    > 南アメリカ州の中にアマサウネンという所あり。
    > アマサウネンにて天河という事なりとぞ。
    > この山に女ばかりすむ所あり、一年に一度ずつ男にあうという。
    > そのほかの時に男来たれば、竹槍をもって防ぎて入れずという。
    > これ浄土にいい伝えし七夕の事ならんかと、紅毛通詞物語の由、
    > 崎陽へ至りし人の語りぬ。

    西洋のアマゾネスと七夕の話、これが一緒になって伝わってるのですよ

    ■ 佐藤まさあき 「劇画の星をめざして 誰もかかなかった劇画内幕史」

    Vol 1593[11-08-03](11-08-06)
    世代で無いので作品は見た事無いが、劇画の中心にいた人
    佐藤まさあき 「劇画の星をめざして 誰もかかなかった劇画内幕史」を読んだ

    水木サン・桜井昌一と同じ時代の人で、それらの自伝で出た人も出てくる
    貸本壊滅・雑誌多忙、金銭の記述があるのでその具体的な大変さがよくわかる
    アシスタント(嫁さん?)もらってイッヒッヒな水木サン、ウンコさんと白土三平など裏話多数

    この時代の人の漫画体験や、現在大御所の若い頃の話など資料価値も高い
    最後は落ちる所まで落ちた人なので、その落差も含め凄い人生送ってると思う

    ■ 藤本由香里 「私の居場所はどこにあるの?少女マンガが映す心のかたち」

    Vol 1590[11-07-22](11-07-29)
    少女マンガは凄いとは聞いてるが、知識が無いのでお勉強
    藤本由香里 「私の居場所はどこにあるの?少女マンガが映す心のかたち」を読んだ

    フェミニズムの人でそっちの話題に行きがちだが、守備範囲は広い
    社会の変化と少女漫画の変化、パターン分類したりと変遷を一望出来る
    男の娘・ふたなり・TS作品から、豪ちゃん・江口寿史ら男性漫画家も視野に入ってる

    思春期課題が主で、これは現在の男性向け作品でも扱われてるので納得
    女性が描いてる場合も多いし、男キャラ少ない萌え系は根源が腐に近いのかも

    ■ 楠瀬良編集 「サラブレッドはゴール板を知っているか」

    Vol 1586 [11-07-14](11-07-22)
    馬の行動学の先生が、専門家との対談から馬の心理を探っていく
    楠瀬良編集 「サラブレッドはゴール板を知っているか」を読んだ

    親で気性が決まったり厩務員の性格に似たり、他の動物にも当てはまる
    基本繊細な動物なので、知ってる人がいたり場馴れしないと能力も出しにくい
    逃げ馬などの性質も性格で決まり、それを上手く引き出せるのが名騎手

    牡と牝でも性質や育成が違ってくる、飽き易いので調教には変化も必要など
    年とってからの障害がメインの欧州、サラブレッドには無理な馬術など面白い

    ■ みなもと太郎 「お楽しみはこれもなのじゃ 漫画の名セリフ」

    Vol 1583[11-07-11](11-07-17)
    2004年版の注はあるが、元々は70年代後半の連載で最近の作品は無し
    みなもと太郎 「お楽しみはこれもなのじゃ 漫画の名セリフ」を読んだ

    イラスト入りの楽しい連載企画なんで、肩も凝らず楽しめる
    過去の傑作漫画作品も、こんなガイドが無いとなかなか知る事が出来ない
    戦前の妙にシュールな諸作品、杉浦茂本人の若々しさなど驚かされる

    学習漫画への興味など、みなもと先生の志の高さも見てとれて面白い
    風雲児たちでもネタにしてる最近の作品や、近年の研究結果も発表して欲しい

    ■ 大塚英志・みなもと太郎「まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史」

    Vol 1579[11-07-05](11-07-08)
    漫画会の生き字引、「風雲児たち」の博識みなもと太郎が講師
    大塚英志・みなもと太郎「まんが学特講 目からウロコの戦後まんが史」を読んだ

    戦争での断絶・さいとうたかをがBLの元祖・時代と漫画の関連性
    戦前・劇画・挿絵・少女漫画、手塚中心主義に隠れてた真の漫画の歴史
    入門書の類に、考え方をさりげなく毒されてた事にも改めて気付かされた

    原稿量の実際・編集の勝手な改正・規制と表現など漫画家の現状も驚き
    内容ちょっと難しめ、みなもと先生がこれが面白い!と紹介する内容でも良かったのに

    ■ 近藤純夫 訳 キャサリン・メイヤー「山でウンコをする方法 自然と上手につきあうために」

    Vol 1575[11-06-26](11-07-01)
    この内容で一冊書けてしまう程、実は技術を必要とする
    近藤純夫 訳 キャサリン・メイヤー「山でウンコをする方法
    自然と上手につきあうために」を読んだ

    穴を掘らずにスッテンコロリ、女性の隣にウンコ落下 等の失敗談多数
    女性の野ション、シッコ溜まって足ビショビショなど想像外 漏斗使うと便利ダヨ
    持ち帰らないばかりに川汚染、米の川水はもうバイキンだらけとコワイ

    岸壁や洞穴では半永久保存と、訳者の失敗談コラムもアリ
    間接的に人にウンコ食わす事になるので、山のマナーはとっても大事

    ■ 旦敬介 訳 ライアル・ワトソン 「匂いの記憶 知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官」

    Vol 1571[11-06-23](11-06-23)
    人間への作用については未だ未解明、ヤコブソン器官に関して
    旦敬介 訳 ライアル・ワトソン 「匂いの記憶
    知られざる欲望の起爆装置:ヤコブソン器官」を読んだ

    フェロモンなど、本能的な活動に重要な匂いを感知する器官
    人間も匂いが引き金で、月経周期が変化するなどの実験結果が出てる
    人や人種によって反応が違うので、媚薬的なものはまだ難しいらしい

    盲人の匂いの特殊能力や、匂いが爆発的に記憶を呼び起こしたり面白い
    植物が匂いを使って会話的な事をしてるのも驚き、匂いはあなどれない
    恐怖の感情をひきおこすタテガミネズミの匂いなどは、妖怪的にも興味深い

    ■ 内澤旬子 「世界屠畜紀行」

    Vol 1567[11-02-20](11-06-17)
    怪に作者のコラムが載ってて興味を引かれた、イラスト豊富
    内澤旬子 「世界屠畜紀行」を読んだ

    世界・日本で家畜が加工され、食肉になるまでを追ったレポ
    [毎日肉を食べて加工品を使ってる以上、この事はもっと意識すべき]
    怖い印象があるが、高い技術を要される仕事なので職人の世界
    宗教倫理などと結びつき偏見もあり、インドなどではそれが顕著

    作者の立ち位置がニュートラルで、イラストも上手なので大変読みやすい
    世界では職業として尊敬される地域もあるので、偏見が無くなれば良いと思う

    ■ 黒崎直 「トイレ考古学入門 水洗トイレは古代にもあった」

    Vol 1563[11-06-08]
    ウンコさんも時間が経てば、色々な情報の詰まった立派なお宝
    黒崎直 「トイレ考古学入門 水洗トイレは古代にもあった」を読んだ

    遺跡のトイレ跡を土壌の分析で発見する、80年代からの最新の学問
    寄生虫卵から、食べていた食物・病気・肥料利用の歴史と色々知られる
    更にその量・遺跡の配置等から、奈良時代のトイレは水洗だったとも分かる

    昔はトイレの遮蔽物は無く丸出し、犬のエサだった事なども驚き
    おしっこの確定法は確立されてないが、トイレから沢山の事がわかり面白い

    ■ 岩田真紀訳 J・G・ボーグ L・P・カプラン編 「スカトロジー大全」

    Vol 1559[11-05-29]
    序文がフロイト、おケツの人らしくウンコさんについて嬉々として語ってる
    岩田真紀訳 J・G・ボーグ L・P・カプラン編 「スカトロジー大全」を読んだ

    ウンコ喰ったり 小便飲んだりする伝承記録の、民俗学大百科の要約本
    高貴な娘の話だと水っぽく甘いらしいが、ウンコ喰うはハードル高く記録も少なめ
    最近でもあるが、飲尿や尿ぶっかけはわりと宗教や民間治療のアレで多い

    古代ローマ・エジプトからあるトイレの女神様、ウンコ好きだろうとウンコを捧げる
    肥料・燃料・洗浄剤等の現在も残ってる有益利用法など、古くからの知恵に感心
    ---

    ウンコは食べられません! 自分の以外は絶対に口に入れないで!死ぬるヨ!

    ■ 近山金次 訳 「カエサル(シーザー) ガリア戦記」

    Vol 1556[10-08-08](11-05-27)
    クラッススやらブルータスなんかの、歴史上の有名人も出てくる
    近山金次 訳 「カエサル(シーザー) ガリア戦記」を読んだ

    前一世紀のローマのガリア進出、ロンドンとの戦いもあり
    ゲルマン人の移動が背後にあって、戦闘になる過程もよくわかる
    簡潔だが訳が原語を尊重しすぎて、地図や図は読み難かった

    投擲武器の為の塔・塹壕・防壁・騎兵・亀甲陣と当時の戦闘が知れる
    絶滅した動物の記録や、民族の風習が記されてるのも興味深い

    ■ 三浦耕吉郎 編著 「屠場 食肉センターで働く人びと」

    Vol 1552[11-05-06](11-05-20)
    読んだ時期に生肉の食中毒事件があり、思う所が多かった
    三浦耕吉郎 編著 「屠場 食肉センターで働く人びと」を読んだ

    先に読んでた本と同一の著者、その人の担当文は多少難在り
    だが研究員の書いた文は率直で、写真も多いので価値はある
    百キロの肉を運び 動く牛を一人で処理した昔の職人の技術に感心

    ホルモン講座も、その解説と共に捨てる場所の無い事に驚く
    衛生に気を使う事も書かれてて、食肉センターの苦労はもっと知られて欲しい

    ■ 中川太古訳 「太田牛一 現代語訳 信長公記」

    Vol 1548[09-12-07](11-05-13)
    信長の家来だった人が書いた、歴史の一級資料
    中川太古訳 「太田牛一 現代語訳 信長公記」を読んだ

    信長は冷酷非道な印象あるが、それ以外の面も見えてきた
    超合理主義・公正さ・美術愛好家な所が凄く印象に残る
    自ら前線に出たり、自分で回って指示を出したりと活動的

    部下は大変だが、領民には公正さやイベント好きが頼もしい筈
    ● 上下巻に分かれてたので詳しくはこちら、歴史は面白い

    Vol
    尾張の平定から将軍の救援、そして長篠の合戦辺りまで
    中川太古訳 「太田牛一 現代語訳 信長公記 上」を読んだ

    名前の羅列と事務的な記述は多少読みにくいが、正確さは折紙付き
    身内との争いと他国の侵略の尾張時代が一番大変だった気もする
    将軍救援してからは破竹の勢い、茶器が集まったりと爽快感がある

    あまが池の大蛇や火起請の辺りに、合理的で公正な所が良く出てる
    因果論が出てくる辺りに、作者が過去の軍記物の影響が良く分かる

    Vol
    美術的な安土城、馬揃え・城の点灯など芸術愛好ぶりが良く出てる
    中川太古訳 「太田牛一 現代語訳 信長公記 下」を読んだ

    冷酷な描写も増えてくるが、時代性も考慮しないと見誤ると思う
    裁判や年貢の公正さ、建築物の補修など印象も変わってくる
    鷹狩りや相撲が増えてくる辺り、前線に立てない代りとも思えてくる

    佐久間信盛への手紙も理に叶ってる、挽回の機会与えた所も注目出来る
    光秀の謀反は最大の謎、絶頂の頃に死んで ある意味幸せだったかも

    ■ 日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「サラブレッドの科学」

    Vol 1544[11-04-27](11-04-28)
    マキバオー読んでる加減で、お馬さんについてお勉強
    日本中央競馬会競走馬総合研究所編 「サラブレッドの科学」読んだ

    競馬しない人なので、パドックでの馬の見方などになるほどと納得
    メンコは防音シャドーロールは視覚用と、謎だった事項も解けた
    屈健炎・プール・電気針 等、マキバオーで触れられた件も豊富

    親と別れ孤立しウンコ垂れてた初期たれが、意外にリアルだった事に驚き
    常に怯え 寝る間も惜しみ食べないと死ぬ、草食動物の実際も発見だった

    ■ 斉藤政喜+内澤旬子 「東京見便録」

    Vol 1540[11-04-18](11-04-21)
    ウンコ食うブタトイレレポの姉妹編、今回は東京のトイレ事情
    斉藤政喜+内澤旬子 「東京見便録」を読んだ

    東京でも異界、元は医療用の改造品のSM専用ホテルの羞恥トイレ
    男子禁制女学校のトイレに潜入し、お姉様がトイレ教育でごきげん尿
    建築中の女子トイレ、下着とパンストとブツが残ってた話などディープ

    まるでギャグ漫画の金持ちのトイレ、目黒雅公園のトイレは凄い
    トイレ会社案内や下水施設、山の便所が生態破壊など勉強になった

    ■ 高島平吾訳 ローレンス・ライト「風呂トイレ賛歌」

    Vol 1536[11-04-11](11-04-15)
    江戸時代は三百年、イギリスはウンコさんとゴミまみれで三百年
    高島平吾訳 ローレンス・ライト「風呂トイレ賛歌」を読んだ

    状況説明・用語・倒置法の多用でかなり読み難いが、内容は面白い
    一日中混浴の大浴場で優雅な放蕩生活と、古代の下水設備は完璧
    騎士の時代も異性の客と風呂で全裸で語らうなど、憧れすら感ずる

    ところが、江戸と同時期の頃のイギリスは最悪 ウンコとゴミの糞尿地獄
    優れた芸術も大航海時代も、ウンコさんから逃れる為かとすら思えてくる

    ■ ローズ・ジョージ 大沢章子訳 「トイレの話をしよう」

    Vol 1532[11-03-29](11-04-07)
    他人のウンコさんは病気の温存、食べると確実に命がヤバイ
    ローズ・ジョージ 大沢章子訳 「トイレの話をしよう」を読んだ

    差別制度で、他人のウンコを手で受ける仕事しか出来ない人々がいる
    下水に無差別に捨てられるゴミ、地下では危険な科学反応がおきている
    トイレが無い為に、26億の人々が最悪の衛生状態の中で死の危険にいる

    トイレ改革でシステムを改善し、差別を撤廃した現代の英雄の話には感動
    衛生や下水問題の重要性に今まで気付けなかったので、身につまされた

    ■ O・呂陸(小馬徹) 「放屁という覚醒 人類学的放屁論のフィールド」

    Vol 1525[11-03-20](11-03-24)
    水木サンは緊張した式場で、「な・ぷーん」を使い称えられたと言う
    O・呂陸(小馬徹) 「放屁という覚醒 人類学的放屁論のフィールド」を読んだ

    人類学者の筆者が危うく屁の呪いを掛けられかけた程、アフリカでは屁は重大タブー
    アフリカには、深夜に疾走し屁を撒き散らす呪術師の逸話も伝えられる
    その一方で、それらの人々が権威者や革新者にもなりえる所が面白い

    [ウンコさんの話もあり、死と関連してるとの指摘で妖怪関係者の糞好きに納得]
    ウンコさんの話もあり、外界と自分の区別がまだ無い子供が脱糞で痛がるなど興味深い
    資料で無くネタとして読んだ方がいいかも、遠藤周作のスカトロ傾向など珍妙

    ■ 斉藤政喜 内澤旬子 「東方見便録 もの出す人々から見たアジア考現学」

    Vol 1521[11-03-13] (11-03-16)
    [全編世界のウンコさんが山盛り、読んでて笑いが込み上げる]
    生活の上で実は非常に重要な問題、世界のウンコさん処理法
    斉藤政喜 内澤旬子 「東方見便録 もの出す人々から見たアジア考現学」を読んだ

    部屋の壷・川で直接・トイレの専用溝に、女性が丸出しでするのが世界
    宗教絡みで厳しい所もユニーク、全裸でしたり チンコさんを押したり大変
    ダライラマのウンコさんを求める旅では、チベットの現状も見えて興味深い

    最強は奥地のブタトイレ、大喜びで跳ね回りゆっくり租借して食べてくれる
    ジャガイモ<ウンコさん、食べられるの!?おいしいの!?と複雑な気分になれる

    ・・
    ・・・
    ---
    15日発売の雑誌も店頭に並び、つの丸も仮説トイレが出来て復旧も進んでる
    あまり扱われないが、災害時はトイレが重要と神戸の地震の時に聞いてる
    世界と同じ様に処理も出来んので、食料や水と同格で支援してあげて欲しい
    ---
    追記 [11-04-30]
    東北地震発生時の書籍感想、当時の状況分かる様に追記の文もそのまま残しとく
    イルカ問題から屠畜関係本、そしてウンコと本の感想繋いでく予定だったがリセット
    ここから一ヶ月意識して死に関連した書籍は避け、ひたすらウンコさん関連本に終始した
    死に関連した話は避けようとしてる筈なのに、所々で出ていて無意識の動揺が見て取れる

    ■ 村田綾子訳 J・M・マッソン「豚は月夜に歌う」

    Vol 1518[11-03-03](11-03-10)
    人間に当てはめて動物の感情を推測しても、理解したとは言えない
    村田綾子訳 J・M・マッソン「豚は月夜に歌う」を読んだ

    可哀想だから動物は食うなという本、自然の摂理に反している様に思える
    自然界では可哀想だからといって、食物連鎖から逃れる者などいない
    菜食主義と言えども、呼吸して生きている植物を犠牲にしている

    人の多さから大量生産される肉が、低所得層の栄養と健康を支えている
    動物を愛する様に、家畜業者や低所得層を愛する事は出来ないのだろうか

    ■ 村山司・笠松不二男「ここまでわかったイルカとクジラ」

    Vol 1514[10-12-02](11-03-03)
    反捕鯨とは何かと知る為に、正しい知識を頭に入れておきたかった
    村山司・笠松不二男「ここまでわかったイルカとクジラ」を読んだ

    研究者の本だが、海の生物とあってわからない事の方が多い
    クジラにいたっては、飼育も出来ないので海洋調査だけが頼みの綱
    視覚を右左の脳で別々に認知してるなど、脳も我々とは違うのかも
    音を使った位置確認や伝達など、水中生活に特化した能力に感心

    研究の進んでない分野だからこそ、調査捕鯨は保護の為にも必要と思う
    クジラが大食すぎて、人間の漁業の脅威になる事ももっと知られるべき

    ■ 川端裕人 「イルカと泳ぎ、イルカを食べる」

    Vol 1511 [11-01-14](11-02-24)
    2010年の改題本なので、ザ・コーヴなどに関する見解も載ってる
    川端裕人 「イルカと泳ぎ、イルカを食べる」を読んだ

    世界と日本でのイルカと人々との関わりを追ったルポ
    悲惨な結果に終わった、80年のD・ケイト事件の真相が白眉
    自分はまず人間ありきの立場をとるので、保護団体は異様に感じる

    イルカの規制の甘さの乱獲と、水銀含有量は認めざるをえない
    イルカ食自体は止めないが、研究施設の充実や養殖も検討すべき

    ■ 小林朋道 「先生、シマリスがヘビの頭をかじってます」

    Vol 1507[10-12-22]
    タイトルも面白い、人間・動物行動学の先生のエッセイ
    小林朋道 「先生、シマリスがヘビの頭をかじってます」を読んだ

    動物を探し野山に分け入り、イノシシを捕まえる為に罠作りなどハンター的
    表題のリスがヘビの匂いで迷彩する事にしても、20年に渡って観察してる
    専門家の常識も、実際の観察をすると違っていたりと発見に満ち溢れてる

    犬が芝居をする事など、自分も見た事があったのでなるほどと納得
    身近な生き物でも実際はわからない事が多いなど、動物の不思議に驚き

    ■ 常盤新平訳 D・モリス「ウーマン・ウォッチング」

    Vol 1503[11-02-04](11-02-11)
    動物行動学の大家による、知りたかった女性の体の全て
    常盤新平訳 D・モリス「ウーマン・ウォッチング」を読んだ

    女性自身も気付いてないであろう、無意識に放つメッセージ
    ケツで悪魔払い・地母神の胸は睾丸など、民俗学的話題もあり
    恥毛カット・性器ピアス・アナル・ホッテントット・Uスポットなどコアなネタも多数
    成熟した女性の恥毛剃りは、髭そった男と同じ位に清潔さや処女性を強調する

    恥毛の効果や、匂い・潮吹き・母乳の実際的な説明に長年の謎もとけた
    女性に興味ある紳士、魅力と快楽を高めたい淑女は必読の内容

    ■ 小原秀雄 訳 K・ローレンツ 「人 イヌにあう」

    Vol 1499 [10-12-24](11-02-04)
    動物行動学の古典、身構えたが非常に読みやすく面白かった
    小原秀雄 訳 K・ローレンツ 「人 イヌにあう」を読んだ

    イヌの行動学が、自身のイラストと可愛い実例で大量に紹介されてる
    自分もイヌ飼ってたので、思い当たる事や共感出来る部分が多かった
    専門家でも数回しか見てない行動があるなど、研究の難しさが分かる

    イヌがそれぞれ個性的で、人の言葉がわかる程に利口という事にも納得
    ネコの話もある、ネコが表情豊かな事も知り これから見る目が変わりそう

    ■ 今泉吉晴・今泉みね子訳 P・ライハウゼン「ネコの行動学」

    Vol 1492[11-01-05](11-01-21)
    近所の野ネコ観察が趣味になりつつあるんで、勉強の為に
    今泉吉晴・今泉みね子訳 P・ライハウゼン「ネコの行動学」を読んだ

    ネコパンチは防衛行動、季節の鳴き声は攻撃の威嚇声とか知らなかった
    獲物をとった喜びの踊りなど写真も豊富、ボリュームもあって面白い
    高所確保、首筋を守る防御体勢・柔道の技の応用など猫の戦いは高度

    繁殖期、最初はオスが積極的だが、後にうんざりする程迫られるなど笑える
    動物行動学は人間の行動学にも繋がるんで、今後も勉強していきたい

    ■ 奥谷喬司 「イカはしゃべるし、空も飛ぶ 面白いイカ学入門」

    Vol 1484[10-12-12](10-12-16)
    2011年はイカが来るゲソ、タイトルからして面白そうじゃなイカ
    (2010年末にイカ娘がTVアニメ化、自分の中でイカがブーム)
    奥谷喬司 「イカはしゃべるし、空も飛ぶ 面白いイカ学入門」を読んだ

    毎日食べてる食材なれど、改めて調べるとユニークな生物
    頭の上におケツ兼用の穴があって、そこからジェット噴射で移動とキテる
    光の煙幕でダミー、光を放って遮蔽・かく乱と忍者の様な特殊能力

    20メートルの飛行も驚異、感情を体色の変化で示し 手がチンチン代わり
    海の生き物で飼育も難しく、分かってない所も多いなど面白い

    ■ 「マハーバーラタ戦記 賢者は呪い神の子は戦う」

    Vol 1480[09-02-07](10-12-10)
    先に読んだ「バカヴァッド・ギーター」が難解で、完訳版は無理と判断
    「マハーバーラタ戦記 賢者は呪い神の子は戦う」を読んだ

    マハーバーラタの要約版、用語解説のコラムもあり読み易い
    要約版だが、人物相関図を作ろうとして挫折した程に因縁が複雑
    かっての師、生き別れの兄弟、義理と人情が交錯する大戦争

    その果てに憎悪が渦巻き、結末は苦い勝利と現実味がある
    随所に見られるインド的な思考も目をひき、読みごたえがあった

    ■ 古澤明 「ブルーバックス 量子テレポーテーション」

    Vol 1472[10-11-17](10-11-26)
    単語からして瞬間移動や転送を想像させるが、そういうのでは無い
    古澤明 「ブルーバックス 量子テレポーテーション」を読んだ

    理解出来た範囲では、あまりに小さく測定すると形の崩れる量子
    その量子を伝送させるのに、分裂する時に測定可能な量子もつれを使う
    理解出来ないなりに最後まで読んだ、筆者の説明しようとする努力は伝わる

    量子論は現実生活では不要と思ってたが、コンピュータに利用可と知り驚き
    2009年の本で筆者が量子テレポーテーションを成功させてて、期待も膨らむ

    ■ 高橋伸吾 「ブルーバックス きつねつきの科学」

    Vol 1468[10-11-12](10-11-19)
    自分はオカルトには否定的なので、距離を置いた研究は信頼出来る
    高橋伸吾 「ブルーバックス きつねつきの科学」を読んだ

    精神科医の先生の本、症例紹介も色々と出て興味深い
    症例が極端な形で願望を達成してるのが、違う意味で健全
    森田療法の森田正馬が、犬神を治療の為に調査してたとかも驚き

    自己啓発や洗脳の解説もあり、それらにもなるほどと納得
    自分を変えたいって願望も、意外に落とし穴になるんだなぁと感心した

    ■ 太田朋子 「分子進化のほぼ中立説 偶然と淘汰の進化モデル」

    Vol 1464[10-11-01](10-11-11)
    2009出版なんで、現状での分子生物学の最新情報
    太田朋子 「分子進化のほぼ中立説 偶然と淘汰の進化モデル」を読んだ

    専門の論文って感じで計算式や用語も多数でて、相当に難しい
    理解出来た範囲では、分子進化の広がりは環境に影響される事
    分子進化から表にでる変異を押さえたり、逆の働きをするRNAがある事

    分子進化と目に見える変異の関係は、未だよくわかってないという事
    最近の学問で未だ発展中の分野なんで、今後の研究に期待するしかない

    ■ 宮田隆 「分子進化学への招待 DNAに秘められた生物の歴史」

    Vol 1460[10-10-28](10-11-05)
    まだ50年もたって無い最新の科学、知らなかった事ばかりで大発見
    宮田隆 「分子進化学への招待 DNAに秘められた生物の歴史」を読んだ

    分子進化の中立説を知る為に読んだが、難しい所も少なく読みやすかった
    身近な所ではインフルエンザの話など、進化は意外によくある事と知れる
    粘菌は動物よりなど、DNAの差異から進化の歴史を辿れる事も感心

    動物でも植物でもない原生動物も不思議、遺伝子の壮大な歴史と変化に驚く
    不要な部分と無駄が、分子の進化要因となるなど自然の絶妙さを感じる

    ■ 駒田信二 訳編 王敏 解説 「決定版 中国古典ジョーク集」

    Vol 1456 [10-10-01](10-10-29)
    香港映画なんか見てると、中国人は結構お笑い好きな気もしてくる
    駒田信二 訳編 王敏 解説 「決定版 中国古典ジョーク集」を読んだ

    一休さんや饅頭怖いの元ネタ、また逆に千夜一夜っぽい話など
    文化が伝播してく様がわかる、面白い話に民族は関係ないのだろう
    悪い嫁に悩まされた人が歴史上多い中国らしく、エロ話が多い

    饅頭怖いがよく象徴してるが、転んでもただでは起きないネタも多い
    解説で指摘されてる通り、矛盾の話など理屈っぽさも中国の特徴

    ■ 丸山工作 「ブルーバックス 分子生物学入門」

    Vol 1452[10-10-15](10-10-20)
    ゼーガペイン小説版に、分子生物学って単語あったのでお勉強
    丸山工作 「ブルーバックス 分子生物学入門」を読んだ

    DNAとか遺伝子とかのアレ、クローンとか遺伝子操作が馴染み深い
    細胞は同一のコピーを作って増えて、その設計図がDNAと再認識
    分化の過程で目や脳に変化する仕組みなど、解明されてない謎も多く驚き

    人間は遺伝子いじるより、眠ってる遺伝子をおこす方が現実的なのも発見
    中立進化説も知らなかったので目からウロコ、遺伝子の解明を期待したい

    ■ 高馬三良 訳 「山海経 中国古代の神話世界」

    Vol 1448[10-10-11](10-10-15)
    倭(日本)の名も出てくるが、一行にも満たず位置説明のみ
    高馬三良 訳 「山海経 中国古代の神話世界」を読んだ

    詳しく逸話が書かれている訳でも無く、メモの様な文なので読み難い
    しかし、怪物が大量に紹介され 図版もインパクトがあるネタの宝庫
    絵地図が失われたのは惜しい、地理書だが位置関係は分かり難い

    怪物の食事効果が書かれてるのが、なんでも食する中国らしい
    解説が水木サン、妖怪画の文章に近い解説で妖怪博士の面目躍如

    ■ 石川純一郎 「河童の世界」

    Vol 1444[10-10-01](10-10-07)
    河童の参考文献では、常にリストに入る重要書籍
    石川純一郎 「河童の世界」を読んだ

    河童の逸話のまとめ、東北と九州・天草の逸話が特に多い
    カワエロは川エンコウの語句変化や、キムジナーとの関連が驚き
    川の怪異は元は別個の物で、本来全て別固体だったのではと思う

    キュウリや相撲にも意味があって感心、幼い尻が好きとエロイ
    逸話など周辺情報は多いが、本質は掴み難いのがお化けの魅力

    ■ 菱沼一憲 「源義経の合戦と戦略 その伝説と実像」

    Vol 1440[10-09-22](10-09-30)
    平家物語の描写は創作で、実際は相当に違うと資料にあり興味が出た
    菱沼一憲 「源義経の合戦と戦略 その伝説と実像」を読んだ

    ここ最近の新しい研究のレポート、地図も多く位置関係も把握しやすい
    急斜面からの坂落とし・逆艪等は創作で、綿密な策略家の義経像が見える
    逆にそれだけ優秀なのに、なぜ失脚を回避出来なかったと疑問も残る

    平家の海戦力の強さや、後半の源氏の平家反抗者取り込みが面白い
    教科書も参考にしてる平家物語に、創作の面も多かった事が驚きだった

    ■ 斎藤貴男「評伝 梶原一騎/夕やけを見ていた男」

    Vol 1436 [2007以前](10-09-23)
    「特攻隊みたいな人だった」と、ちばてつやがTVでコメントしてた
    斎藤貴男「評伝 梶原一騎/夕やけを見ていた男」を読んだ

    伝わってる話の十倍ヤバイとも言われてる、繊細な部分に驚き
    栄光から奈落への転落、晩年の不遇と作品への反映が哀しい
    表に出し難い黒い部分も、細かく調べられている所が面白かった

    自業自得で、関係者からどうしても悪く回想される部分が多い
    その一方で、生前の大山倍達が庇うコメントしてるのが印象的だった

    ■ 井草利夫編著 「盟三五大切・時桔梗出世請状」

    Vol 1432[10-09-11](10-09-17)
    共に四谷怪談の南北作品、非常に興味深い
    (歌舞伎オンステージ 9)
    井草利夫編著 「盟三五大切・時桔梗出世請状」を読んだ

    盟三五大切、忠臣蔵と四谷怪談の外伝作 四谷怪談の後日譚
    神谷伊左衛門の御用金紛失の犯人、やらせの幽霊までも出てくる
    筋も複雑、善行の為の手段が悪行だった為に最悪の結果となる
    浪士が悪人だったり、悪党だったものが善だったりと内容が濃い

    時桔梗出世請状、明智光秀もの 春永(信長)のイジメが酷くて良い
    お付の森蘭丸が、それで申し訳なさそうにしてるも印象的

    ■ 本田済編訳 「中国古典文学大系13 漢書・後漢書・三国志列伝選」

    Vol 1428[10-08-23](10-09-09)
    勘違いしてたが全編抜粋、ただ雰囲気掴む分には問題無いだろう
    本田済編訳 「中国古典文学大系13 漢書・後漢書・三国志列伝選」を読んだ

    漢書、武帝末期から死後の混乱 霍光の活躍とその嫁の悪行と没落が中心
    口が上手いだけの無能な人も取扱われてて、リアルに人間が記録されてる
    後漢書、三国志より成立は後 作者も偏ってて正確性に微妙に欠ける
    過去の文の引用が多く怪しい、曹操も悪者扱い・オカルト傾向強めと厳しい

    三国志は読んだので割愛、漢書は良かったので機会があれば全編読みたい
    正史だが怪異端も度々記録されてた、呪殺未遂が歴史で重要な位置を占めてる

    ■ 赤塚不二夫 「これでいいのだ」

    Vol 1413 [09-01-05](10-07-26)
    赤塚不二夫の書籍は、タイトルに似たのが多く混乱する
    赤塚不二夫 「これでいいのだ」を読んだ

    赤塚不二夫自伝、戦時中の満州の記録としても興味深い
    父は憲兵でありながら、人情味があった為に命を救われた話など
    死後製作の番組では母との関係に焦点が置かれやすいが、父も面白い

    戦中の人の幼年の記憶は、今と違って体験が強烈なので記憶に残る
    強気な嫁と母の喧嘩の話など、赤塚本来の気弱な性格もわかった

    ■ 元少年マカジン編集長 内田勝 「「奇」の発想」

    Vol 1408[09-06-24](10-07-20)
    マカジン副編集長の、宮原氏の本と合わせて読むと面白い
    元少年マカジン編集長 内田勝 「「奇」の発想」 を読んだ

    マカジン副編集長の、宮原氏の本と合わせて読むと面白い
    ビジネス本的でマガジン以外の事も多く、退屈な部分も多いが
    力石の葬式や大伴昌司の事なども書かれていて、興味深い

    早い成功や漫画はあまり読まないなど、エリートの印象を受ける
    W3事件や赤塚移籍の件など、冷酷ともとれる部分も多かった
    当時の鬼気迫る水木サンの様子も知れて、そこも発見だった

    ■ 宮原照夫 「実録!少年マガジン編集奮闘記」

    Vol 1405[09-06-06](10-07-16)
    赤塚が移籍した時に圧力かけた逸話から、嫌な先入観があった
    宮原照夫 「実録!少年マガジン編集奮闘記」を読んだ

    自分の功績の自慢や漫画分析など、どうかと思う所も多いが
    編集方針や漫画批判への意見など、志の高さは評価出来る
    また所々に出る本音や裏話は、正直な感想が良く出てる

    当時 大伴昌司のグラビアに、漫画部が批判的だったのは意外
    少しだけだが、水木しげると会話した所が自分には面白かった

    ■ 「荒俣宏の少年マガジン大博覧会」

    Vol 1401[08-05-26](10-07-07)
    リアルタイムで見てた人には力石の死は圧倒的だが、今は体感しにくい
    「荒俣宏の少年マガジン大博覧会」を読んだ

    図版が多く、年代ごとの連載状況の推移をよく把握出来て面白い
    年代が古いせいで、温厚な荒俣宏に悪く評された作品は凄く哀れ
    当時リアルタイムで見てた人のコラムも、当時を知る手がかりになる

    当時20台前半の人が「あしたのジョー」を支持してた事も、理解出来た
    青年誌が無かったから、総合的で混沌とした面白いものが出来たと納得

    ■ 志村有弘 「日本合戦騒動叢書2 応仁記」

    Vol 1393[10-06-21](10-06-25)
    太平記の時代から戦国に至る、そのきっかけとなった戦い
    志村有弘 「日本合戦騒動叢書2 応仁記」を読んだ

    未だに原因の見解がはっきりしない戦いだけあって、読みにくい
    日本中の武士が京都で一斉に戦い出して、京都が丸焼けになる話
    落書の抜粋が多く、公家の著であるなら これは公家の仕業だったと納得

    初期は戦を見物したり、死者も武家中心で意外に余裕あるのが驚き
    巻頭に訳者の応仁の乱まとめがあって、なんとかだいたいの所は掴めた
    怪異話は光物が飛んで地震になったり、猿みたいなのが火をつけたり

    ■ ダニエル・C・デニット 「解明される意識」

    Vol 1389(09-02-13)(10-06-18)
    脳の本と思ったら、哲学者の著作で異様に分厚く動揺した
    ダニエル・C・デニット 「解明される意識」を読んだ

    全編とりあえず読んで、はたして理解できたかは怪しいが
    実際の脳の研究や、筋道だった理屈で説得力はある
    趣旨は脳と心は別とする二元論の打破と、意識の解明にある

    死後の意識の事を知りたくて読んだが、意識そのものに疑問が出た
    実際の脳の研究が進まない事には、完全な理解は難しいのかも

    ■ 長井勝一 「ガロ編集長」

    Vol 1369[09-06-22] (10-05-14)
    著者近影の写真が水木サンの似顔絵そっくり
    長井勝一 「ガロ編集長」 を読んだ

    山師、軍の地図作成、闇市、貸本、バー経営 と経歴が凄い
    ガロ立ち上げ話だけでなく、戦後すぐの世情も知れて面白い
    資金提供や莫大な生産量と、白土三平の凄さが改めてわかる

    水木サンに落語の本を薦めた事が、水木好きには新発見
    凄くモテたと話に聞くが、たしかに魅力的だったんだなぁと感じた

    ■ 桜井昌一 「ぼくは劇画の仕掛人だった」

    Vol 1365[09-07-03](10-05-01)
    水木サンの漫画の、メガネ出っ歯のモデルでお馴染み
    桜井昌一 「ぼくは劇画の仕掛人だった」を読んだ

    漫画黎明期の、貸本漫画業界と劇画誕生の貴重な記録
    水木サンの自伝と合わせて読むと、重なる所もあり面白い
    当時の普通の貸本漫画家の、ハードな自転車操業がわかる

    悪魔くんが予定の半分も売れなかったなど、打ち明け話も豊富
    編集者の自伝の中でも、一番善良で評論も的確と好感がもてた

    ■ 立花隆「臨死体験」

    Vol 1357[08-01-04](10-04-16)
    死後の世界はあまり信じてないが、死に興味が無い訳では無い
    立花隆「臨死体験」を読んだ

    オカルトでは無く、死の直前に起きる脳内の現象に関するルポ
    脳神経学から見た、臨死体験中の脳内の分析は興味深かった
    死が安らかに訪れる事は確かそうなので、そこには安心させられた

    単なる脳内現象かも知れんとはいえ、臨死体験は面白そうではある
    脳内現象が面白い事をこれで知り、その後の脳への興味が広がった一冊

    ■ 「復刻少年マガジン カラー大図解」

    Vol 1353[08-06-23](10-04-09)
    70年代ごろだから約40年前の記事、しかし魅力的
    「復刻少年マガジン カラー大図解」を読んだ

    大伴昌司の素晴らしい世界の一言に尽きる、記事が面白い
    海外がまだ遠くて未知に溢れてたんだなぁと感心させられた
    野田昌宏や水木しげるが協力してた事に納得、異世界してる

    横尾忠則の、強烈すぎる巨人の星の表紙も印象的で圧倒される
    こんなもんを子供の頃に見た連中は、それは影響されるなと思った

    ■ 湯川秀樹 「目に見えないもの」

    Vol 1343[10-02-19](10-03-24)
    タイトルに心引かれるものがあった、この人はセンスもいいと思う
    湯川秀樹 「目に見えないもの」を読んだ

    内容はかなり難しいが、中間子が物凄く小さいものという事はわかった
    むしろ半生記やエッセイなんかの方が親しみやすいが、真面目な文章
    同じノーベル物理学者でもファインマンさんと比べると、本当に真面目

    だので、ガラス細工が苦手とか日食の日に火傷の話などが印象に残る
    目と手と心の話なんかには南方熊楠の「事の概念」を連想した

    ■ 浄瑠璃集 黒石陽子 校注・訳 「双喋々曲輪日記」

    Vol 1340[10-01-08](10-03-21)
    仮名手本忠臣蔵と作者が同じなので、参考として読んでみた
    浄瑠璃集 黒石陽子 校注・訳 「双喋々曲輪日記」を読んだ

    都合が良すぎると思う程に、皆が幸せになり丸くおさまる
    とはいえ、最初は悪方で出た放駒長吉を掘り下げ善人とする展開
    危機が去ったと思いきや、与五郎が発狂する所なんかは面白い

    関西の話なんで、知ってる場所が出てくる所も親近感が持てた
    世話物は心中話が多いので、これだけ円満なのが逆に珍しい

    ■ 原道生編著 「義経千本桜」

    Vol 1322[10-02-19](10-03-06)
    安徳天皇女性説とかがあると知らなかった、それもまた意外
    原道生編著 「義経千本桜」を読んだ

    浄瑠璃が元の歌舞伎、初っ端から省略に蛇足と嫌な予感
    読み進めると、成功してるとはいい難い改変が多く呆然とした
    裏の裏を行く鮨屋、平家物語風の大物の浦、幻想的な川連館

    内容自体は先行作や史実を上手く取り入れ、意外性が多く面白い
    歌舞伎で、昭和に入ってからの立廻りが定番化なども見方が変わった

    ■ 鳥越文蔵編著 「歌舞伎オン・ステージ 12(傾城反魂香 他)」

    Vol 1318[10-01-22](10-02-28)
    たくさん収録されてると思ったが抜粋のみで、少し失敗気味
    鳥越文蔵編著 「歌舞伎オン・ステージ 12(傾城反魂香 他)」を読んだ

    近松門左衛門の歌舞伎作品が六本、全て抜粋で状況は掴みにくい
    しかし、近松作品の傾向や解説の芸談は面白いので価値はある
    音楽の部分の多さと、役者の得意芸を盛り込んでる所が目に付いた

    虎が実体化や魂魄が転生など、近松は幻想的な部分もあるのだと感心
    歴史に材とったフィクションなど、世話物の印象が強かったので意外

    ■ 服部幸雄 編著 「勧進帳/毛抜/暫/鳴神/矢の根」

    Vol 1314[10-02-12](10-02-20)
    歌舞伎十八番から、どれも名前だけは聞いた事はある
    服部幸雄 編著 「勧進帳/毛抜/暫/鳴神/矢の根」を読んだ

    勧進帳、一度突破した後に危機が陥る筋立てが面白い
    毛抜、最後らへんが唐突な感もするが 踊る毛抜などアイデアが良い
    暫、何回も上演されてる所からくる楽屋落ちのユーモアが楽しい
    鳴神、インド仏典の様な筋立で白雲坊と黒雲坊の掛け合いがユニーク
    矢の根、音楽と合わせたギャグと最後の大根の鞭が印象的

    お堅いと思ってたので、ほとんどの作品にユーモアがあった事が驚き
    何回も上演され形も決まったものなんで、芸談の細かい苦労にも感心

    ■ 河内繁俊 編 「黙阿彌名作選」

    Vol 1310[10-02-10] (10-02-13)
    河内山宗俊・白波五人男 名は知ってても実際の内容は初めて
    河内繁俊 編 「黙阿彌名作選」を読んだ
    内容は[天衣紛上野初花(河内山・直侍/高時/船弁慶/
    新皿屋敷月天暈(魚屋宗五郎)/弁天娘女男白波(弁天小僧)]の抜粋

    黙阿弥は幕末から明治初期の作者と、意外と最近の人で驚き
    五本収録されてるが、省略してたり解説も少なかったりと厳しい
    内容は歌舞伎だが、明治維新に適応した活歴劇など時代が出てる

    宗俊は前後で内容が違う事が発見、大悪党ってほどでは無いとも思う
    また弁天小僧もよくよく聞くと、名乗りは美人局に賽銭ドロと結構セコい

    ■ 諏訪春雄編著 「助六由縁江戸桜/寿曾我対面」

    Vol 1306 [10-01-30] (10-02-05)
    メガテンのキャラとお寿司しか知らないので、元ネタ知りたかった
    諏訪春雄編著 「助六由縁江戸桜/寿曾我対面」を読んだ

    ヒーロー物かなと思ってたが、実際は喜劇的な面の方が強かった
    颯爽と登場して立ち回った助六が、兄貴に叱られてしまう所
    兄貴を説得したと思ったら、今度母親に叱られる所が楽しく印象深い

    髭の意休の正体が唐突、しかし滑稽さのある悪役で面白い
    吉原の情景や、役者の得意ネタの挿入など新喜劇を連想してしまう

    ■ 浄瑠璃集 林久美子・井上勝志 校注・訳 「妹背山婦女庭訓」

    Vol 1302 [10-01-08] (10-01-29)
    梗概読んだ時点では不安だったが、実際読むと面白かった
    浄瑠璃集 林久美子・井上勝志 校注・訳 「妹背山婦女庭訓」を読んだ

    一幕の入鹿が実は野望を抱いていた所から、引き込まれる
    どの幕も単体で見ても成立する程に面白く、よく出来てる
    更に猟師小屋の天皇や、酒屋の騒ぎなどお笑い要素まである

    逆臣を討つ話ながら、お三輪達が利用されてる所が複雑で良い
    幻想的な最後の戦いをどう演出したのか、浄瑠璃も実際に見てみたい

    ■ 諏訪春雄 編著 「東海道四谷怪談」

    Vol 1298[10-01-15] (10-01-22)
    忠臣蔵の外伝にして、怪奇物の一級作品
    諏訪春雄 編著 「東海道四谷怪談」を読んだ

    歌舞伎の台本を読むのは初だが、現場にまかせる部分の多さが驚き
    解説の芸談の七世松本幸四郎の伊右衛門評は、よく推考してて感
    昔の作品だが二幕が充分に怖い、刃物持った女はいつの時代でも怖い

    善人っぽいが、目的の為には手段を選ばないお袖と小平も食わせ者
    忠臣蔵と合わすと、塩屋と高野家の全滅はこれの祟りともとれて面白い

    ■ 浄瑠璃集 長友千代治 校注・訳 「仮名手本忠臣蔵」

    Vol 1294 [10-01-08] (10-01-14)
    ちゃんとした忠臣蔵の話、全編読むのは今回が初
    浄瑠璃集 長友千代治 校注・訳 「仮名手本忠臣蔵」を読んだ

    忠義とあるが、苦労の末が切腹覚悟の討ち入りと実は報われない
    間接的に原因の一端となった、加古川本蔵が協力する辺りが哀しい
    男でごさるの天河屋義平はカッコイイ、これは受けたろうなと思う

    本蔵も言ってるが、忠義の部下を持ちながら塩谷判官は軽率すぎる
    単純に善悪の話にせず、関わった人々の悲劇が書かれてて面白かった

    ■ 新編日本古典文学全集79 「黄表紙 川柳 狂歌」

    Vol 1476[09-11-27](10-12-02)
    楽しい分野から入っていけば、古典も学びやすいと思った
    新編日本古典文学全集79 「黄表紙 川柳 狂歌」を読んだ

    目当ては黄表紙だったが、ついでに川柳 狂歌も読んでみた
    現代訳ではないが、絵と校注でわりと容易に内容を楽しめる
    A・カバットさんのコラムもあり、実は凄い人だったんだと驚き

    知的で凝った落語っぽい笑いが多いが、現代でも面白い
    詳しくはこちらでまとめて、江戸文化を知る上でも勉強になった

    序文にカッパ大好き A・カバットさんのコラムがあり驚いた
    著作が参考資料にも挙げられてて、偉い人だと改めて知った

    まずは黄表紙、当時の代表作が載せられてて手軽に読める
    校注は全て棚橋正博

    恋川春町作画 「金々先生栄花夢」
    突如に金持ちとなるも散々の女遊びの末失敗、最後は夢オチ
    金目当ての悪仲間にそそのかされてというのが現実味ある
    段々と女遊びのランクが落ちてく所や風俗紹介の側面が面白い

    朋誠堂喜三二作 恋川春町画 「桃太郎後日噺」
    桃太郎の後日譚でブサイク供が嫉妬の果てに大ゲンカ
    恋の話もブサイクがすると、途端にお笑い話になるのが妙
    親切な犬が凄くいい奴、最後全員滅ぼされるのが面白い

    奈蒔野馬乎人作 忍岡哥麿画 「右通慥而 啌多雁取帖」
    駄目番頭が失職、雁取りに行き空を飛び巨人の国にたどり着く
    失職後の職替えの様子から、当時の風俗が見れて楽しい
    巨人国ってのが海外の文芸と似てて興味深い、絵もユニーク

    竹杖為軽作 喜多川歌麿画 「従夫以来記」
    未来の事として、全部が逆さまになった世界を描く
    考えようによってはSF、冗談とはいえ実現してるのもあったり
    全部が逆さまをどう表現するかで、予想が出来て面白い

    山東京伝作 北尾政演(山東京伝)画 「江戸艷気樺焼」
    ブサイクな金持ちが自作自演で色男を演出
    周りが呆れたり困ったりしてる中、得意顔の主人公と
    絵もぴったりあってて、流石 京伝と感心するほど面白かった

    山東京伝作 北尾政演(山東京伝)画 「江戸春一夜千両」
    貧乏人が金持たせて、一晩で全部使いきれるか挑戦する
    今も漫画で見かける状況設定、大逆転もあり面白い
    小銭渡された丁稚がお腹をこわす所は、素で吹き出した

    朋誠堂喜三二作 喜多川行麿画 「文武ニ道万石通」
    田沼失脚の当時の時勢に関連した、駄目武士の生態
    もっと強烈な風刺と思いきや、意外に軽めで驚いた
    こんなので禁制と、当時の政治の様子が良く出てる

    恋川春町作 北尾政美画 「鸚鵡返文武ニ道」
    先の作品を受け、歴史の武士が駄目武士を鍛える
    こちらの方が風刺が効いてて面白い、言動も笑える
    馬乗りの練習と女や男に風俗で乗り あげく暴行の所が良い

    山東京伝作 北尾政美画 「大極上請合売 心学早染艸」
    擬人化した善玉と悪玉が、善良な男の内で大暴れ
    悪と善と顔に描かれた善玉と悪玉の絵がシュールで良い
    悪玉踊りや善玉の敵討ちなど、内容と絵で笑わせてくれる

    芝全交作 北尾重政画 形容化景唇動 鼻下長物語」
    延々と早口言葉で落語のジュゲムなんかを思わせる
    内容より早口言葉の方ばかり目がいった、読みにくい
    アナウンサーなんかに読ませてかまないか見てみたい

    鈴木勝忠 注解 川柳
    江戸初期から中期くらいまでの川柳、前句の存在が今と違う
    大半がエロ話と艶っぽい、特に初期は生々しい所もあり凄い
    賭一倍や山猫まわしなんかの、時代劇っぽい単語に反応する
    800近い量や批評とセットのものなので、読みにくい所もあった

    宇田俊彦 注解 狂歌
    女性や五代目団十郎など、その幅の広さに当時が知られる
    解説が常に褒める姿勢で、そこが逆に感心した
    今でも感じ入るものもいくつかあって、それなりに面白かった
    ペンネームがどれも滑稽なのも、当時の人の粋さが良く出てる

    江戸の性サービスの充実ぶりが、今からすると羨ましい
    とはいえ、性病や浮気も酷かったのでそこは思案どころ
    陰間が女装する事、芸者が風俗とか当時の事もよくわかった

    ■ 高津春繁訳 ホメーロス 「オデュッセイア」

    Vol 1285[09-04-22](09-12-13)
    「イーリアス」と比べ 訳も内容も読みやすく、結構面白く読めた
    高津春繁訳 ホメーロス 「オデュッセイア」を読んだ

    最初は方向も定まらず、読んでいて退屈な部分もあるが
    オデュッセイア登場後は、密度も濃くテンポよく進んでいく
    最後の溜めに溜めての無法者成敗は、胸がすく思い

    訳本についていたルメールの短編も、現代も通じる展開で面白い
    やたらと食事シーンが出てくるので、妙にお腹がすいてしまった

    ■ 呉茂一訳 ホメーロス 「イーリアス」

    Vol 1281[09-04-21](09-12-04)
    関連する作品読んだ影響と、紀元前の話という点に惹かれて
    呉茂一訳 ホメーロス 「イーリアス」を読んだ

    叙事詩という事で 形容が無駄に長く 回りくどくて読みにくかった
    援護に伴う神々の駆け引きが、戦闘一辺倒の話にならず良い
    命ごいする敵を惨殺したり、戦闘描写の生々しさも過激だった

    アキレウスが戦闘前の食事でもめる所が、妙で変に記憶に残る
    ギリシャ勢は仲違いなどで悪く、トロイは良く描かれてるのも面白い

    ■ 江藤淳・松浦玲 編 勝海舟 「海舟語録」

    Vol 1245[09-09-25](09-10-03)
    氷川清話の姉妹編に当たり、インタビューが中心
    江藤淳・松浦玲 編 勝海舟 「海舟語録」を読んだ

    当時の政治の話題が中心、海舟が高齢で話が急に飛ぶ
    聴き手が何を聴いてるか書いてないなど、かなり読みにくい
    しかし、細かい解説と年代別の整理などで とりあえずは読める

    幕末の思い出話や、偉人の隠れた逸話、海舟の口調の収録は面白い
    篤姫の自決を止め、和宮との仲を良くした逸話など流石と感心

    ■ 江藤淳・松浦玲編 「勝海舟 氷川清話」

    Vol 1223[09-08-10](09-08-14)
    親父さんの小吉も含めて、自分の好きな歴史人物のトップに入る
    江藤淳・松浦玲編 「勝海舟 氷川清話」を読んだ

    編者が激怒してるが、従来の流布本がデタラメだった事が驚き
    座禅で培った度胸の太さや決断力など、実際の功績も凄いが
    偉人なのに裏が無く親しみやすく、市井に近い心情が魅力的

    西郷さんの昼寝や芋、桂小五郎の逃走劇など偉人の秘話も面白い
    勝海舟にあやかって、自分も無我無心と誠実を目指していきたい

    ■ 「陳寿・裴松之 ちくま学芸文庫 正史三国志」全8巻

    Vol 1420[10-08-06](10-08-12)
    演義を読んだので続いて正史、紀伝体の書籍読むのは初
    「陳寿・裴松之 ちくま学芸文庫 正史三国志」全8巻を読んだ

    多数の一族の人生の幸・不幸、その変遷を追うように読める
    金・権力・女と恵まれつつも、それで破綻する者は特に心に迫る
    演義との比較で、演義がネタ分多めな事も改めて知った

    公式文書なのに怪異端が結構多いのも驚き、それらにも注目
    ●各巻メモはこちら、かかりっきりで2ヶ月 大変だったが収穫は大きかった
    Vol [10-08-06]
    一時は仲間だった袁紹、その墓前で涙する曹操は色々と考えさせられる
    井波律子・今鷹真 訳「陳寿・裴松之 正史三国志1」を読んだ

    強大な袁紹との戦いがハイライト、大げさな記録しかないのが惜しい
    漢から魏への移行の儀礼的なやりとり部が、だらだらして辛かった
    逆に晋への移行はあっさり描かれすぎ、当時の状況が垣間見える

    袁術とハチミツの件や董卓の暴虐ぶり、それらも正式に読めて満足
    怪異端は瑞祥・日食・木の血・雲気・奇人・奇岩・火浣布・巨人など
    Vol [10-06-15]
    演戯で目立ってない人達の印象が良くなる、魏はモブ的な文官も優秀
    井波律子・今鷹真 訳「陳寿・裴松之 正史三国志2」を読んだ

    夏侯惇と夏侯淵を盲夏候と区別した話に納得、正史だと夏侯淵が優秀
    荀ケは人物伝にも英知が出てて印象が良くなり、荀攸との区別もついた
    呂布は演義ほど強く描写されすぎず、陳宮とも仲悪めな感じなのが新発見

    肉の化物・服と頭巾の犬・屋根の魚、それらの怪異譚が公式なのも驚き
    全裸の焦先・何晏の近親婚の嘘に裴松之が激怒してるのも印象に残った
    Vol [10-06-20]
    典韋と許緒は演戯以上にカッコよく強い、やっぱり比較して読む
    今鷹真 訳「陳寿・裴松之 正史三国志3」を読んだ

    演戯にあった郭嘉の手紙・張遼の呂布への一喝の件が無く驚き
    謝罪も通じなかった曹植を筆頭に、曹操の25人の子は意外に不幸
    中央関係なく頑張った敦煌の倉慈、リアル仕事人楊阿若も印象深い

    からかわれ発狂した劉曄、嫌味の絵で病死の于禁と可愛そうな人が多い
    姜維戦の影の功労者 陳秦、盧植の先祖で妖術使い 盧ェとかも発見
    怪異話は注から、杜畿の司命(命の神)の童子 遊殷の霊など
    Vol [10-06-20]
    古典は怪異話にも注目してるが、今回は豊富で大収穫
    今鷹真・小南一郎 訳「陳寿・裴松之 正史三国志4」を読んだ

    辛ピ伝より、仲達が防戦一方だったのは政治的な理由もあると思う
    楊阜・田豫など周辺民族との外交が中国長年の重要問題と納得
    鐘会は母親大好き、華佗はやっぱり怪しい 曹操達の合理的さに感心

    易者のデビルバスター管輅、発明家の馬鈞と方技伝は驚きの連続
    魏志倭人伝もついに読んだ、高句麗は当時から好戦的と今と変わってない
    Vol [10-06-30]
    演義主役の蜀がわずか一冊、最初は間違いかと思ってた
    井波律子 訳「陳寿・裴松之 正史三国志5」を読んだ

    劉備は逃亡と裏切りの連続、蜀陣営は性格に難ありな人が多い
    魏延が刃物を出し 揚儀が涙ぐみ 費イが仲裁するとかコントの様
    蜀が負けたせいもあるが、帝位即位や孔明出撃には違和感を感じる

    孫権はお喋り好き・孫夫人は兄に似て剛勇など呉の情報もチラホラ
    怪異話は帝位即位の瑞祥・黄色雲気・蜀建国の男が女になど

    Vol [10-07-11]
    でっちあげぽい瑞祥と年号の度々の変更、捜神記からの解説が多い
    小南一郎訳 「陳寿・裴松之 正史三国志6」を読んだ

    内乱・疫病流行・刑罰と大赦、王表への傾倒と孫権の末路に驚いた
    孫皓に至っては宮女5千余りと、滅んだ事が正解と思うほどの悪政
    夫人伝も藩夫人など陰謀渦巻き黒い、孫休の近親婚に怒る裴松之がらしい

    太史慈とかも演義と微妙に違う事が発見、穏健派だが張昭が優秀で目立つ
    于吉・石印三郎・ケイ惑星など、捜神記も含め怪異話が豊富で収穫あった

    Vol [10-07-20]
    魯粛が戦力差のある赤壁の勝機を見切ったのが、最大の見せ場
    小南一郎訳 「陳寿・裴松之 正史三国志7」を読んだ

    甘寧など呉の武将は勇敢、その一方で盗賊・虐殺行為など所業が悪い
    黄蓋が溺れて便所で放置された件、董襲が船ごと沈んだ件が印象的
    解説も指摘してるが、蜀書と異なる赤壁の見解の違いが正史なのに珍しい

    後ろ盾の無い有力者を起用する一方、子孫が失敗する人が多いのも興味深い
    怪異は少なく、賀将軍の対禁術戦・程普の急死・実話のエビの大髭など

    Vol [10-07-26]
    内容の半分が年表と人物・資料の索引なんで、サクっと読めた
    小南一郎訳 「陳寿・裴松之 正史三国志8」を読んだ

    占い師の伝があるのが、孫権晩年のオカルト傾向を思わせてらしい
    とばっちりで殺された滕胤や、孫皓に謀殺された家臣の伝は悲惨
    人の意見聴けず驕慢・狭量な諸葛格は、叔父の孔明のある一面を示してる

    ロバ似の諸葛謹・長身の諸葛格などから、孔明の真の容姿が伺える
    怪異は諸葛格謀殺がらみの怪異や悪夢に死んだ孫峻など

    ■ 立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 全120回」

    Vol 1385[10-06-07](10-06-10)
    横山三国志の知識ぐらいしか無かったので、ちゃんとお勉強
    立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 全120回」 を読んだ

    全編通して、武力の呂布と知力の孔明が最も印象的だった
    劉備が孫夫人に会う回など、引きがとにかく上手く引き込まれる
    人物の多さと地域の分かり難さは難だったが、最後まで面白く読めた

    戦いやキャラの描写も派手で、この時点で既に今の派生作品に近く感心
    これである程度安心して、漫画やゲーム・アニメの派生作品も楽しめる
    一巻読む毎にメモしてた感想はこちら、一ヶ月で終了と読み易さがわかる
    Vol [10-06-07]
    司馬一族の台頭 姜維VSケ艾 そして三国の統一まで
    立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 8」 第120回[終]まで読んだ

    敵の有利を把握しつつも勝利する、ケ艾がとにかく目立ってる
    最前線の敵でありながらも、仲良くなってしまう陸抗と羊コ
    その愚直さに司馬昭も心許した劉禅など、平和な話が心に残った

    妖怪話では、頭巾と服来た犬や肉の化け物、6mの白髭巨人などが有る
    この統一の後も、異民族の進入などで戦いは続き歴史は容赦ない
    Vol [10-05-31]
    孔明VS仲達の大智謀戦、そして孔明と魏延の死まで
    立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 7」 第105回まで読んだ

    人物ほぼ総入れ替え、孔明の本心も見えにくく読み難い所もあった
    馬謖の死の悲しみでは無く、自分の失策の恥で泣いた事が驚き
    孔明の印象が悪いんで、仲達が防衛に成功する様に感心した

    出番は少ないが、孔明の策を見破る陸遜など地味に強い
    妖術や関羽の霊、木が泣き龍が天に昇るなど怪現象も注目点<
    Vol [10-05-22]
    主要人物がバタバタと死んで、後はずっと孔明のターン
    立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 6」 第90回まで読んだ

    関羽・曹操・張飛・劉備の死、孔明の南方討伐辺りまで
    神や亡霊・孔明の八陣図など、怪奇話もあるのが興味深い
    医師華佗は関羽を治療した事もあり、曹操暗殺目的強いと思う

    陸遜の大戦略・南方の奇怪な武将たちと戦闘も面白い
    献帝廃止で圧力かける所や、三国の力の駆け引きも魅力的
    権威を手にした為、昔の様に自在に動けない劉備達が哀れ
    Vol [10-05-19]
    平凡社の下巻が無かったり、持ち運び易さを考慮して文庫版
    立間祥介訳 「羅貫中 三国志演義 5」 第75回まで読んだ

    劉備の蜀乗っ取り、曹操が魏王になり魏と呉の共同戦線まで
    口では義を語るも、やり方は居座り強盗に近い劉備が胡散臭い
    黄忠・魏延と活躍武将が変化し、夏侯淵や鳳統と死者も出始める

    左慈の話が異質、今昔物語に似たような妖術話があった気がする
    張飛が意外に策略使う所や、黄忠の張り切りぶりも印象的
    Vol[10-05-09]
    ガンダムの三国志も始まり、いい機会なんで読む
    立間祥介訳 「平凡社 羅貫中 三国志演義 上」 第60回まで読んだ

    前半は、呂布の圧倒的すぎる力とその滅亡 意外に娘思いなど魅力的
    中盤は、曹操VS袁紹で曹操の天下平定 曹操の寛大さに惹かれる
    後半は、赤壁の戦いで孔明に利用される呉と周瑜 蜀勢はズルイかも

    大挙して出る似た名前の人や、人物・勢力・地域の把握が大変だが
    一回が短く勇ましい戦い中心で意外に読みやすく、苦でもなかった

    人物描写が、肩までの耳に膝下までの手(劉備)など驚くような描写
    孫権にいたっては、紫髭に碧い目に金の鎧とまるでアニメキャラの様
    現段階では蜀勢の人達には昔ほどときめかず、呂布と許緒と郭嘉が好き

    ■ 佐藤謙三 小林弘邦 訳 東洋文庫 「義経記 1&2」

    Vol 1381 [09-09-18](10-06-03)
    平家物語の外伝とも云える作品で、一度は読んでおきたかった
    佐藤謙三 小林弘邦 訳 東洋文庫 「義経記」を読んだ

    資料として柳田国男「東北文学の研究」も参照した
    義経は色白イケメンの印象があったが、実際は違う様で驚き
    とはいえ、決死の逃避行からは悲愴的な展開で感傷を感じた

    弁慶達の忠臣ぶりが熱く、その激しい戦いは心を打つ
    ◎ 全2巻で読む毎にメモとっておいた、それらはこちら

    Vol [09-09-18]
    逃避行に北へと逃げる原点は、意外と義経なのかも
    佐藤謙三 小林弘邦 訳 東洋文庫 「義経記 2」を読んだ

    全てを敵に回して決死の逃避行、義経の印象も変わった
    佐藤忠信・静・弁慶と忠臣達の行動も熱く、悲愴さが漂う
    一方で吉野山での菓子の件など、ユーモアもあって良い

    北条時政や政子も出てきて、同時代の人なんだと納得
    創作の部分も大きいだろうが、義経の事をよく知れた

    Vol [09-09-15]
    実際に資料読むと、義経の印象がどんどん変わっていく
    佐藤謙三 小林弘邦 訳 東洋文庫 「義経記 1」を読んだ

    16才にして、時の権力者 平家打倒を狙い 殺害・放火
    弁慶にしても、犯罪者まがいの出自の極悪な無法者
    金売り吉次が普通な感覚で、恐ろしい印象を持つのもわかる

    義経は英雄の印象あったが、実際はかなり危険な連中
    平家物語で有名な話は、バッサリと省略してるのも大胆

    ■ 梶原正昭 訳注 東洋文庫 「将門記 1&2」

    Vol 1377 [09-09-01](10-05-27)
    短い話だが解説が細かくボリュームがあった
    梶原正昭訳注 東洋文庫 「将門記 1&2」を読んだ

    源氏物語と近い年代の頃に書かれた事が驚き
    原文は漢文だが、口語訳がついてて 内容は結構面白い
    本当に将門は悪だったのかと、疑問が残る所が良い

    戦国以前の武士や戦いの様子、参照文献の多さも役立った
    一巻読む毎につけてたメモはこちら、半年前に読んで出しそびれてた
    Vol [09-08-31]
    平将門は有名なれど、実際の所はよく知らなかった
    梶原正昭訳注 東洋文庫 「将門記 1」を読んだ

    戦いの理由は身内との土地争い、そして妻を守る為
    敵側も叔父の他は、戦いたくないのに参加させられた貞盛
    将門は朝廷からも支持されて、この巻では正義の側

    鉾と盾を使った戦いや奇襲戦など、当時の戦闘風景もよくわかる
    解説が詳しくて良い、将門がどう悪側に転じるのか続きが楽しみ
    Vol [09-09-01]
    朝敵と呼ばれるも、本当に悪だったかは疑問が残る
    梶原正昭訳注 東洋文庫 「将門記 2」を読んだ

    作者が同情的に、悪いのはそそのかした部下としてたり
    新皇宣言も、単なる座興だったかもしれなかった事が驚き
    朝廷を味方にした貞盛の政治力、俵藤太の巧みな軍略

    別の反乱と重なり、過剰反応を引き起こしてしまった事もマズイ
    焼き討ちや強奪・強姦も描写されてる所が現実的

    ■ 長谷川端 校注・訳 「太平記 一〜四」

    Vol 1373 [10-04-23](10-05-20)
    平家物語・信長公記に引き続き、次は室町時代の戦記物
    長谷川端 校注・訳 「太平記」 全四冊を読み終えた

    途中からネタ分が多い事に気づいたが、歴史の大筋には合ってる筈
    流れを切って中国の歴史話が挿入されたりと、読みにくい部分も多い
    全体に南朝擁護の姿勢で、幕末の人が読んだら影響されそうな内容

    戦場の描写や戦略・戦術など、平家よりリアルになって感心する部分もある
    なので楠木正成が現実的に強く魅力的、読むの大変だったが甲斐があった
    一冊読む毎にメモしてた感想はこちら、読むのに二ヶ月かかった事が驚き

    Vol [10-03-06]
    平家物語・信長公記に引き続き、次は室町時代の戦記物
    長谷川端 校注・訳 「太平記1 巻第一〜巻第十一」を読んだ

    天皇の反乱から各地の武士の蜂起、鎌倉幕府崩壊まで
    中国の話の引用や名簿など、軍記物らしく読みにくい所も多いが
    最初は反乱軍の立場だった官軍が、正義になってく展開が絶妙

    特攻 裏切り 集団自決 処刑、幕府崩壊に伴う陰惨さが凄まじい
    勝ち方も理に適っている楠木正成の強さなど、戦闘場面も面白い

    Vol [10-03-06]
    天皇の悪政 尊氏反乱 楠木・新田戦死と盛り沢山の内容
    長谷川端 校注・訳 「太平記2 巻第十二〜巻第二十」を読んだ

    人肉を喰らって戦い全滅した、金崎城の戦いが圧倒的に印象的
    あきらかに創作な話も出て、太平記はネタ分も多い事に気がついた
    引用も含むと、以津真天・鉄鼠・土蜘蛛・大百足など妖怪ネタもあり

    詰めの甘い義貞・忠義に固まった正成・押しの弱い尊氏
    勝者も正義も無く陣営が入り乱れる様が、ややこしいが面白い

    Vol [10-04-10]
    太平記はネタの部分が多いって事も、考慮すべきに思う
    長谷川端 校注・訳 「太平記3 巻第二十一〜巻第三十」を読んだ

    後醍醐天皇の死と各地の反乱、高氏の増長から幕府内部抗争まで
    死の描写が読み飛ばしかける程にあっさりした、楠木正行が印象的
    中沢新一がコラムで太平記はパンクと評してるが、これは確かにドライ

    伝奇小説の様に、官軍の亡霊が化物と化し霊剣奪取や転生を企む
    また 23巻冒頭2mもある女の生首が笑う所は、妖怪 大首を連想させる

    Vol [10-04-23]
    他の巻に比べて頁数が減って、十巻ながら薄い
    長谷川端 校注・訳 「太平記4 巻第三十一〜巻第四十」を読んだ

    南北の対立は名目で、各地の有力武将の縄張り争いが主
    すぐに滅び登場人物が記憶に残り難い中、佐々木道誉が目立ってる
    京都撤退時に屋敷を飾った話など、卑劣さと粋を合わせ持ち魅力的

    他には矢口の渡の騙し討ちや、羅刹と化した故南軍の軍議が印象的
    戦国の群雄割拠に繋がる時代を、前時代の人の目線で見れるのが面白い

    ■ 市古貞次 校注・訳 「平家物語 一〜四」 

    Vol 1269 (09-11-12)[09-08-19]
    源氏の後は平家、事前に概略本も読んで予習しといた
    市古貞次 校注・訳 「平家物語 一〜四」を読んだ

    最初は講談社学術文庫を読もうとしたが、別の見つけ乗り換え
    注と訳が別なのは難点だったが、それでも読みやすかった
    古典は資料としてしか読めないのもあるが、これは普通に面白い

    各巻巻頭に平家物語名所案内もあり、状況も把握しやすかった
    細かい感想はこちら、軍記物は他のも読んでみたい

    Vol [09-08-19]
    八島から壇ノ浦の戦い、戦後の平家滅亡まで
    市古貞次 校注・訳 「平家物語 四」を読んだ

    頼朝の器量の狭さ、義経の無謀さ、後白河院の優柔さ
    単純に勝った方を、讃美・崇拝する内容じゃないのが良い
    平家滅亡から、生き残りの子らまで斬られる様は悲しい

    付録の剣巻は現代訳も欲しかったが、内容は凄く面白い
    後に歴史から源氏も消えていく様を思うと、無常を感じる

    Vol [09-08-08]
    木曾義仲の天下と没落、源氏平家の一の谷の戦いまで
    市古貞次 校注・訳 「平家物語 三」を読んだ

    戦闘中心なれど、武者の最期の話が多く哀愁がある
    権力掌握が目的で、どの勢力も善に描かれてないのが良い
    鼓の名手なのに戦闘指揮を任され、一番に逃げた鼓判官

    太りすぎで逃げ遅れた武者、主人を捨てて逃げた主従
    悲惨を通り過ぎて、滑稽なまでの人間臭さは現実味がある

    Vol [09-07-31]
    最初の源氏の反抗から清盛の死、平家衰退の始まりまで
    市古貞次 校注・訳 「平家物語 二」を読んだ

    平家に反抗した頼正が、あの鵺退治の人物と改めて知り感心
    反抗の理由の一因が息子の馬が原因だったりするのも人間的
    これが源頼朝の反抗になると、怪僧が薦めたと怪しさが増す

    清盛の死は壮絶的、所々に挟まれる怪奇な逸話も面白い
    清盛が実は天皇の子だったかもと言う逸話も、想像が膨らんで良い

    Vol [09-07-29]
    全四巻、絵入りで訳も読みやすそうだったので早速
    市古貞次 校注・訳 「平家物語 一」 を読んだ

    冒頭の祗園精舎からして、他に先例の無い秀逸な構成
    赤服かむろのスパイが、「壁に耳あり」の語源とも知り感心
    貴族の陰謀や嫌がらせなど、最初は貴族が悪に描かれてるが

    処罰されだすと、一転して可愛そうに思えてくるのが面白い
    祗王の立場、僧都の悲惨さ、小松殿の善良さなど、人物も魅力的

    ■ 角川書店編 「ビギナーズ・クラシック 平家物語」

    Vol 1211 [09-07-21](09-07-25)
    源氏の次は平家、まずは概要を掴める本を読んでみた
    角川書店編 「ビギナーズ・クラシック 平家物語」を読んだ

    演劇の祖 世阿弥をして、最重要とまで言わしめた平家物語
    史実を元にして、今も通じる心に響く話が続出して感動した
    野望と裏切り・愛と友情、人間の醜さと美しさをあます所なく描き

    前半の平家の栄光から一転、挫折・滅亡の後半と構成も素晴らしい
    妖怪話や武者の戦い、魅力ある人物達と、もっと評価されていい古典

    ■ 赤塚不二夫/フジオプロダクション 「古典入門 平家物語」 

    Vol [09-10-15]
    平家の関連書籍として、晩年の赤塚の活動としても気になったので
    赤塚不二夫/フジオプロダクション 「古典入門 平家物語」を読んだ

    赤塚の名はあるが、実際はフジオプロ製作で関与はしてないと思う
    短い頁で内容紹介・ギャグ・解説まで加えた為に、かなり読みづらい
    無理してる感はあるが、コラムや図版などはそれなりに頑張ってる

    平家に関する赤塚なりの見方を期待したが、それらも無い感じ
    晩年の迷走が見えてくる様で、解説本としては良いが複雑な気分

    ■ 赤塚不二夫 「シェーの自叙伝」

    Vol 1289[09-01-16]
    書庫から出してもらったら、カバーに年季が入ってて驚いた
    赤塚不二夫 「シェーの自叙伝」を読んだ

    発行が1966年、「おそ松くん」がやっとヒットした頃の自伝
    最初の結婚の頃で酒もやってない筈、なので凄く真面目な文章
    TVより漫画の仕事に没頭したいなど、晩年とはまるで別人の様

    記憶が新しいので、先に読んだ自伝より 当時の回想も詳しい
    漫画作成技術の紹介も、ヒット寸前の頃のだと思うと値打ちがある

    ■ 赤塚不二夫対談集 「バカは死んでもバカなのだ」

    Vol 1277[08-12-22](09-11-28)
    「赤塚不二夫1000P」も図書館で見つけて、より参考になった
    赤塚不二夫対談集 「バカは死んでもバカなのだ」を読んだ

    赤塚が死んだという設定の対談で、昏睡しての最後を思うと感慨深い
    入院中ながら常に酔った状態で、対談中に眠ってしまう事も多い
    自分の知らない、イケイケだった頃のタモリの話などもあり面白い
    (自分の知らない、狂気すれすれの頃のタモリの話などもあり面白い)

    酒を強制排出した 黒柳徹子との対談では、やっぱりしっかりしていた
    若松孝二が酒を止めるよう進言しても、赤塚がもう諦めてる所は色々と悲しい

    ■ 四方田犬彦 「白土三平論」

    Vol 1249_[08-06-23] (09-10-10)
    作品内の作者の考え方の推移を一望出来て、凄く役立った
    四方田犬彦 「白土三平論」を読んだ

    バッコス巻末の解説も面白かった作者で、信用できる解説本
    白土批評に良くある偏った考えにおちいらず、作品を冷静に分析してる
    白土が世相に左右されず、思考した上で作品を作ってると判った

    過去作品、若い自分はオウム事件と関連させると理解しやすかった
    それも踏まえて、作品ごとに考え方が推移し進化する様が面白い

    ■ 武居俊樹 「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」 

    Vol 1179 (09-05-29)[09-05-22]
    漫画が発展した時期の、編集者の成長の記録としても読める
    武居俊樹 「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」を読んだ

    「レッツラゴン」のあの武居記者が書いた、赤塚との交流の記録
    小学館の内幕、バカボン引き抜き事件なども、生々しく書いてる
    失敗談やどうかと思う所も含めて、正直に書かれてて好感がもてる

    面白い漫画の為に、出版者の枠を超えたアイデア会議の話とか凄い
    赤塚は本当に魅力的な人間だったんなぁと、晩年の不遇が悲惨に思える

    ■ 長谷邦夫 「赤塚不二夫 天才ニャロメ伝」 

    Vol 1126 (09-02-21)(09-02-18)
    前に読んだ晩年のエッセイ、本当はこの人が代筆してたのかも
    長谷邦夫 「赤塚不二夫 天才ニャロメ伝」を読んだ

    赤塚の筆頭ブレーンの著者、赤塚本来の姿が包み隠さず書かれてる
    痛い部分も沢山書かれてる所がリアル、その破天荒さが良くわかる
    漫画で出て来る人物の、本当の姿がわかる似顔絵も興味深い

    晩年の崩壊する赤塚への悲しみや悔しさは、痛い程に伝わってくる
    全てを受け入れ人から愛された事が、赤塚の一番の魅力だったのだと思う

    ■ 久保木哲夫 校注・訳 「無名草子」

    Vol 1215[09-07-18](09-07-31)
    「とりかへばや」の解説で挙げられてたので、興味をそそられた
    久保木哲夫 校注・訳 「無名草子」を読んだ

    源氏物語や散逸した物語などの、女性による物語批評書
    法華経が無いので悪いなど偏った所も多いが、当時の意見は貴重
    実際に存在した人の様に、人物や物語を評してる所が注意を引いた

    解説の作者推測も説得力があり、解説自体も面白かった
    散逸した物語などが多い事が残念、古典研究は大変なんだなと思った

    ■ 友久武文・西本寮子 校訂訳注 「とりかへばや」

    Vol 1207[09-07-09] (09-07-18)
    百科事典にエロいよ的な紹介されてて、期待せざるをえない
    友久武文・西本寮子 校訂訳注 「とりかへばや」を読んだ

    人物に番号が振られ整理され、内容も引き込まれる程に読み易い
    妹扱いの弟、嫁、男装した本人と、入れ替えの秘密を知られ狙われる
    そんなストーカーまがいのヒール役 中納言も、最後が切ない

    嫁が恋敵とか、子に名乗れない悲しみとか、状況設定が面白い
    今にも繋がる性転換モノで、男性的性格も維持されてるのが良い

    ■ 坂口由美子編 「ビギナーズ・クラシック 伊勢物語」

    Vol 1199 [09-06-24]
    内容も解説も冷めた部分があって、そこが現代的で面白い
    坂口由美子編 「ビギナーズ・クラシック 伊勢物語」を読んだ

    物語ではあるけど、実在の人物がモデルで虚実入り乱れる
    色好みの女や、恨み歌・不倫の恋・寝取られ夜伽話など妙に生々しい
    教科書でも馴染みの歌や話の実際が知れて、印象も変わる

    中年女性を抱く話や、鬼に女を食われる話など色男も大変
    妹や神職の斎宮など、禁断の恋が萌えるのは今と変わらんと思った

    ■ 西山秀人編 「ビギナーズ・クラッシックス 土佐日記(全)」 

    Vol 1195 (09-06-26) [09-06-16]
    作者は男なのに 私は女です宣言、ただものではない雰囲気が漂う
    西山秀人編 「ビギナーズ・クラッシックス 土佐日記(全)」を読んだ

    このシリーズの例に漏れず、解説が親切で大変読みやすい
    どこかとりつくろってる女性作家と違い、正直で人間的
    食い物の話やダジャレ 悪態など、愛嬌があって面白かった

    嵐で日程が遅れて、乞食野郎!と悪態つく所が妙に笑える
    下品で可笑しく猥雑でエロな水浴びの所が、一番印象に残った

    ■ 川村裕子編 「ビギナーズ・クラッシックス 和泉式部日記」 

    Vol 1191 (09-06-20)[09-06-16]
    ビギナーズ・クラッシックスの名の通り、解説が読みやすかった
    川村裕子編 「ビギナーズ・クラッシックス 和泉式部日記」を読んだ

    死んだ夫の弟と付き合う、奔放な女性の物語風日記
    男の読者視点から読むと、女性を信じられるかという話になり
    解説の女性視点で読むと、信頼を得られるかという話になる

    数年後にこの男と死別、後に別の男と再婚というのが強烈
    歌だけの段など、解説も相まって表現が確かに上手いと感じた

    ■ 宮崎荘平 全訳注 「紫式部日記」 

    Vol 1187 (09-06-13)[09-05-31]
    源氏物語理解の為に、避けて通れそうにも無かったので
    宮崎荘平 全訳注 「紫式部日記」を読んだ

    解説は式部を賛美しすぎてる感はあるが、注と訳は読みやすい
    初孫のそそうを喜ぶ関白など、笑いの感覚があったと思わせる
    仲の良い友達に関する話題などは、同性愛傾向も勘ぐってしまう

    他人に対する評価など、嫌われ者だったのではと感じる所もあったが
    その後にキャラ作ってた話を持ってくるなど、一筋縄ではいかない

    ■ 原岡文子訳 「更科日記」 

    Vol 1183[09-05-29](09-06-05)
    教科書にも載る古典だが、実際は平凡な女性の日記だった
    原岡文子訳 「更科日記」を読んだ

    理想を夢見ても叶わず 現実に落胆する、本当に平凡な話
    逆に言うと、人は昔からそれほど変わってないともとれる
    富士山が活動してたりと、当時の状況が見えるのは面白い

    一番長い話が、風流な男と会話した事とささやかすぎて悲しい
    当時の実際の生活が見えてくる点では、現実的で参考になる

    ■ 今泉忠義訳 講談社現代文庫 紫式部 源氏物語 

    Vol 1163 [09-04-12] (09-04-22)
    千夜一夜を読んで長編読む自信がついたので、次は日本古典
    紫式部 「源氏物語」 今泉忠義訳を中心に現代訳で読破した

    本当はもっと手早く終わる筈が、図書館の本が延滞されてて伸びた
    一部は要所要所で面白く、三部はキャラの人物描写が良い
    一番読んでて面白かったのは二部、夕霧には感情移入してしまう

    男なんで、光源氏は別として男キャラに感情移入する割合が多かった
    {猫の耳を覗く}や{鼻毛の長い事だ}など、死後となった言葉も目を引いた
    恋や未来への憂いの為 出家しても苦しむ、人の未練の物語だと思う
    *嫌な女性キャラも多かったが、紫上や明石上など可愛い女性も多かった

    * 翻訳本一冊読む毎に、ここに書ける様に感想をメモしておいた
    それらも全て公開しとく、今泉訳の宇治十帖もいつかは読みたい →●

    Vol 1203[09-07-03] (09-07-11)
    延滞で借りられずはや半年、遂に返却されて読む事が出来た
    今泉忠義訳 講談社現代文庫 「源氏物語 6&7」 を読んだ

    別の訳でも読んでるが、相変わらず大君の辺りはキツかった
    巻末の解説で、訳者の今泉忠義の事を知れたのが一番の収穫
    先に読んでいた、醒酔笑の訳者鈴木棠三の先生だった事に驚き

    折口信夫に師事し、民俗学よりの人だった事にさらに驚いた
    国語学者で訳文としては一番良く、この人の訳で読めて良かった

    []内の日付はメモつけた時期、延滞してる人は早く返却して欲しい
    Vol [09-04-12]
    今泉忠義訳で読んでたが、図書館の残りの巻が数ヶ月も延滞されてる
    全集から 谷崎潤一郎訳 「新々訳源氏物語」 夢浮橋まで読んだ

    読んだ分と照らし合わせて、谷崎訳は訳がマシ&借り易いで選択
    考え様によっては、会ってはならぬ男女が会った為の悲劇ともとれるが
    奥ゆかしいのかただの我侭か、大君の態度には鬱憤がつのった

    二股で苦しむ浮舟のあたりは、現実味があってそれなりに読める
    これで最後とはいえ、まだ続きそうな終わり方に煮え切らないものを感じる

    Vol [09-01-16]
    登場人物の内面の描写が増えてきて、読みやすくなった
    今泉忠義訳 講談社現代文庫 「源氏物語5」 武河まで読んだ

    紫の死に物事全てが哀しく見える様で、もののあわれ感 が掴めてきた
    夕霧や柏木の性格は常識的な部分があるので、感情移入しやすい
    夕霧の巻の 雲井雁の可愛い嫉妬や 藤典侍の健気さが凄く良い

    伏線はあったから、紫と夕霧が密通する展開なんかも見てみたかった
    三部の登場人物は皆常識的で、感情移入もしやすそうなので楽しみ

    Vol [09-01-07]
    巻が進む毎に人物描写が上手くなって来てると思う
    今泉忠義訳 「講談社現代文庫 源氏物語4」 若菜(下)まで読んだ

    髭黒自体は気を使ってるはずが、北の方の情緒不安定が生々しい
    機会を見誤った夕霧の結婚を、ついに承諾する内大臣の様は滑稽
    出家した人間がたびたび出る所に、人間のあきらめの悪さが見れて良い

    過去の状況と同じ様で、あえて悲惨な結果に進む第二部には巧みさを感じる
    過去の結果から悲劇に至らない道も想像出来る所が、話の作りとして上手い

    Vol [08-12-24]
    二条院建設で少し落ち着いたのに、玉鬘登場でまたも不潔に
    今泉忠義訳 「源氏物語 3」 行幸まで読んだ

    朝顔や秋好と 源氏を拒絶する人々はこれまでになく胸がすく思い
    源氏が玉鬘を引き取り父親きどりの末に、手をだそうとするのが酷い
    他にも柏木の手紙を読んだり、田舎の人間をからかう様が嫌らしい

    そんな中、夕霧と雲井雁は年若いが真面目で純潔と癒される
    昔は遊びの過ぎた頭中将が、頭が硬くなっている様にも年月を感じる

    Vol (08-12-12)
    紫に気を使う様から、多少は源氏にも感情移入しやすくなった
    今泉忠義 現代訳 「源氏物語 2」 松風まで読んだ

    やり逃げで終わらず、その後まで書かれる様になって良くなってきた
    女にだらしないくせに、世間体や神仏はやたら気にする様が面白い
    作者のコメントが一々入る様は、ちょっと小説らしくないかも

    病気治療や政治はオカルト頼み、権力は婚姻関係と堕落的
    明石入道が庭で転ぶ所と、化け物屋敷の末摘花の所は滑稽で良い

    Vol (08-12-02)
    話手がわかりやすく、こちらの訳の方が自分には合ってる
    今泉忠義 現代訳 「源氏物語1」 葵まで読んだ

    サブキャラの名前や、いつ抱いたのかとか 分かりにくい部分も多いが
    登場人物が皆、自分本位に動いてると思えば理解もしやすくなった
    とにかく可愛い紫の姫や、コミカルな源の内侍とキャラも立ってきた

    以前に資料を読んだ事があるので、生霊憑依の所も面白かった
    皆と仲良くしつつハーレムを作りたいってのは、結構現実味ある

    Vol (08-11-22)
    「アラビアン・ナイト」を読みおえた事で、次は日本の長編を読む
    円地文子訳 「源氏物語 巻一」 若紫まで読んだ

    源氏の好色ぶりに正直怒りがこみ上げたが、初期はそういう物らしい
    当時の時代背景や文章様式がわからんとキツイのかと、尻込みしてる
    この手の古典は解釈も雑多に渡り、そこも敷居を高く感じる

    桐壺の汚物を撒き散らした所と、若紫の紫の上の最初の反応が記憶に残った
    とりあえずは全編の通読を目指す、全部読めば見えてくる所もあるだろう

    ■ 松浦純訳 「ドイツ民衆本の世界III ファウスト博士 付人形芝居ファウスト」

    Vol 1265[09-11-01] (09-11-06)
    ゲーテのファウストは先行する話を元にしたと知り、そこに興味があった
    松浦純訳 「ドイツ民衆本の世界III ファウスト博士 付人形芝居ファウスト」を読んだ

    ゲーテの約200年前に発行され、以後も読まれ続けたと解説にある
    弟子がワーグナー、ヘレナの召還、悪魔と問答など 被る部分も結構多い
    ファウトが悪魔の力で他愛無い悪さをする所が主で、これがなかなか愉快

    ずっと神を恐れつつも悪魔に騙され、結果地獄行きな所などはゲーテと違う
    当時の人の頭にこの話が前提であったと知ると、ゲーテのも理解しやすいと思う

    ■ エッカーマン「ゲーテとの対話」

    Vol 1257 [08-05-26](09-10-23)
    水木しげるが薦めてるのが理由で、ゲーテを読み始めた
    かなり前の事だが、エッカーマン「ゲーテとの対話」を読んだ

    図書館の本なのに線がたくさん引かれてて、嫌だった記憶がある
    全編に渡る金言、演劇や絵画の芸術論、歴史上の人物の実際など
    インタビュー方式で読みやすく、対話を実際に体験した気になれる

    色彩論で不機嫌になったり、たまに皮肉を言うゲーテは現実味がある
    何故人は批判をするかの分析は、未だに参考にするほど心に残ってる

    ■ 菊池秀夫訳 ゲーテ 詩と真実 

    Vol 1167 (09-04-29)
    全集で一気に読む、自伝と思ってたが実際は半生記で少し残念
    菊池秀夫訳 ゲーテ 「詩と真実」を読んだ

    大半が当時の文学状況や宗教の解説と、退屈な所も多かった
    とはいえ、幼年時はその後に繋がり 学生時代の話も共感出来る
    自分の失敗や悟った経験も振り返ってるので、学べる点は多い

    ゲーテに楽天的な所があるのは、自身の宗教を持ってたからかも
    経済的な苦労が無かったかわりに、恋では苦労したんだなと思った

    四部構成で一部読む毎にメモのこしてたんで、それらも→●

    (09-04-30 ゲーテ 詩と真実)
    []内日付はメモ残した日付

    Vol [09-04-29]
    全集で一気読みしたら、抜粋がオマケの様についていたので
    大野俊一訳 ゲーテ 「イタリアの旅」を読んだ

    詩と真実の最後から十年後の話、この十年が一番気になるのに
    詩と真実の最後に書くとあった、戯曲がまだ出来て無くて驚いた
    美術活動も休んでたようで、その移り気で持続しない様がゲーテ

    憧れのローマで芸術作品に圧倒された様がよく書かれてる
    二度目の旅では、またも恋の話といかにもゲーテらしい

    Vol [09-04-29]
    四部は結婚に迷ってスイスに旅に出る話が中心
    菊池秀夫 ゲーテ 「詩と真実 第四部」を読んだ

    この部も当時の文学状況や、交友した人物の感想が多い
    今では迷信になった分野を研究してる様が、時代を感じさせる
    後のゲーテにも繋がる思想の成り立ちも出て、参考にはなる

    旅の途中に食堂で粗相して怒られる話などは微笑ましい
    最後はワイマール公に誘われ終りと、自伝としては中途半端かも

    Vol [09-04-29]
    三部は故郷に帰り、文筆活動を始めてる頃の話が中心
    菊池秀夫 ゲーテ 「詩と真実 第三部」を読んだ

    シェークスピアなどの文芸が、どう楽しまれたかなど興味深い
    「ゲッツ」は計算して、「ウェルテル」は勢いで出来た感じだろうか
    作品と関連してるので、当時の文学状況説明は参考になる

    当時の人も、「ウェルテル」と事実の関係を知りたがったのに納得
    交友も広がり不便も増えたりと、一気に有名になった状況がわかる

    Vol [09-04-27]
    二部は学生時代の話題が中心、現代とも重なる所が面白い
    菊池秀夫 ゲーテ 「詩と真実 第二部」を読んだ

    グレートヒェンが実際はどう思っていたか知る、衝撃展開から始まる
    当時の文学や宗教の状況など、今となっては退屈な箇所も多いが
    学生生活の話や若者の考え方は、現代と同じな様な所が多く面白い

    「二度と経験したくない事を経験するのが経験」の元となった話も興味深い
    そのモテぶりや、「労せず手に入るものじゃないと嫌」などゲーテらしい

    Vol [09-04-24]
    全集で一気読みしたけど、四部にわかれてるので
    菊池秀夫 ゲーテ 「詩と真実 第一部」を読んだ

    多才のゲーテがいかに学んだか判る、裕福だった事が一因のよう
    最初の創作が新パリスと、ファウスト二部を思い起こさせる
    昔から飽きっぽかったり、割と楽天的だった事もその後に繋がる

    当時の風俗やキリスト教がどう影響したかわかるのも興味深い
    グレートヒェンとの一件も、これならば後年まで引きずると納得した

    ■ 高橋健二訳 ゲーテ 「ヘルマンとドローテア」
    前田和美訳 ゲーテ 「ノヴェレ(短編小説)」 

    Vol 1155 (09-04-11)(09-03-25)
    筑摩世界文學大系から代表作、共に短編なんで二つまとめて

    その一、高橋健二訳 ゲーテ 「ヘルマンとドローテア」
    嫁に関して対立気味の父子、子が娘を見初めその結婚までの話
    実際にありそうな状況に、所々のハラハラさせる場面と面白かった

    そのニ、前田和美訳 ゲーテ 「ノヴェレ(短編小説)」
    市が火事に襲われ猛獣が脱走、その捕獲の様子を描いた話
    ありそうな状況に宗教の要素を加えて、只の事件を意義ある物にしてる

    詩も数編あったが、「魔法使いの弟子」が元はゲーテ作とは知らなかった

    ■ 関泰祐訳 ゲーテ 「ウィルヘルム・マイステルの遍歴時代」 

    Vol 1146(09-03-19)(09-03-28)
    修業時代とは別物と聴いてたので、かなり覚悟して
    関泰祐訳 ゲーテ 「ウィルヘルム・マイステルの遍歴時代」を読んだ

    経験を積んで完成した人々に話を聞いてまわる話、つまりゲーテの俺語り
    信仰ありきの考えが多く、思想に何故か後のドイツの行く末を喚起してしまい
    受け入れ難い部分もあったので、作品内の思想の判断は読み手しだいと思う

    人々が皆善良な事や 考え方へ異論を挟まない所に、作者の老齢を感じる
    何本か挟まれてる本筋に多少縁のある小話は、なかなかに面白かった

    ■ 関泰祐訳 ゲーテ 「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」 

    Vol 1142 (09-03-14)
    教養小説とあるが、今風に見ると青年の成長物語
    関泰祐訳 ゲーテ 「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」を読んだ

    後半は、善人ばかりの登場人物や、こじつけた様な展開で微妙だが
    前半は、我々に縁の無い 金と女 才能のある演劇生活を擬似体験出来る
    女性関係も、ロリにヤンデレに我侭女優に女武者に人妻とゲーテらしく多彩

    特にロリ要素は「お父さん」と呼ばれたり夜這いされかけたり、最後までも凄い
    宗教的で受け付けない所もあるが、人の悪い面も描いた人物描写が面白かった

    ■  「世界古典文学全集 ヴェーダ/アベスター」

    Vol 1138 [09-01-12](09-03-13)
    他の経典も収録されてて、読みきれるか少し不安だった
    「世界古典文学全集 ヴェーダ/アベスター」を読んだ

    仏教の理解と、ゲーム等の神の元ネタを知りたくて読んだ
    神学の部類に入る経典に関しては、理解困難だったが
    初期の神を称える歌や、まじないの経典は面白かった

    閻魔や地藏の元ネタ ヤマが妹に迫られて悩む話が目を引いた
    月に住む兎など、今も伝わる話の原点も知れて収穫だった

    ■ 佐藤晃一訳 ゲーテ 「親和力」 

    Vol 1134(09-03-06)
    今まで読んだゲーテ作品は微妙だったが、これは面白かった
    佐藤晃一訳 ゲーテ 「親和力」を読んだ

    俗な言い方をすると、恋人交換物エロゲーのバットENDルート
    ヒロインは「馬鹿じゃないのに馬鹿にみえる」 と言われる天然
    しかし、人物描写が実際にいそうな程に良く 文章も格言的

    中に挟まれてる、ツンデレ縛られ好きお嬢様の短編も良かった
    60才頃に18の娘を愛したゲーテの作品と、ゲーテを見る目が変わった

    ■ 内垣啓一訳 ゲーテ 「若きウェルテルの悩み 

    Vol 1130(09-02-28)
    大昔に読んだ時は途中で飽きたが、今回は最後まで
    内垣啓一訳 ゲーテ 「若きウェルテルの悩み」を読んだ

    片思いの末に暴走していく話なので、昔は読めなかったのだと思う
    今なら「ゲーテとの対話」で、ゲーテの人格も掴めたので読める
    後年は人格も円くなったゲーテが、若い時は情熱的な様が興味深い

    訳注からゲーテの宗教への熱心が、昔からよく反映されてると関心した
    くどい点も多いが、恋のあまり頭おかしくなってく様がよく書かれてた

    ■ 阿部知二訳 ヴァールミーキ 「ラーマーヤナ」

    Vol 1122 (09-02-13)(09-01-05)
    英訳の翻訳で完訳でないのが残念だが、仕方が無い
    阿部知二訳 ヴァールミーキ 「ラーマーヤナ」を読んだ

    ハヌーマン巨大化や、敵将の巨大羅刹登場 と見せ場も多く
    文章にくどさはあるが、バトル漫画的な展開が面白い
    ゲームなどで馴染みの神々の原点を知れて、勉強になった
    これを読んだ後は仏像も、アニメのフィギィアと同類と思えてしまう

    内容を凝縮しているのに、一部に印刷ミスがあったりもするが
    東洋文庫の完訳版の続き、第三巻以降の展開をやっと知れた

    [Vol(08-12-01)
    妾=わらわ と読めるのを知らず、めかけ と読んで混乱してしまった
    岩本裕訳 東洋文庫「ラーマーヤナ 2」を読んだ

    形容するための例えがいちいち長く、登場人物が囗にする程くどい
    ラーマが完全無欠すぎて逆境に苦悩しないが、サブキャラは人間的
    逆にラーマ嫁の前でだけ一瞬苦悩を見せるのが、印象に残る

    シーターが樹皮の衣類の着方がわからず困る所が少し可愛い
    東洋文庫版はここで途切れてるが、続きをなんとかして探したい

    Vol(08-11-21)
    2冊までしか出てないようで、全訳されて無いのかと不安
    岩本裕訳 東洋文庫 「ラーマーヤナ 1」 を読んだ

    シヴァやハヌマーンなど、ゲームなどでお馴染みの神話の原典
    ギリシャ神話にも似て、神様なのに愛欲的だったりと人間らしい
    万億クラスの修行期間や軍勢など、とにかくスケールが大きい

    特に怒った仙人が宇宙をもう一つ創生しようとした話は圧倒的
    こんな少年ジャンプ的なバトル物を、太古の人も楽しんだのは面白い

    ■ 小野忍訳 東洋文庫 R・グレーヴズ 「アラビアのロレンス」

    Vol 1118 (09-02-07)[09-02-01]
    映画は見た事あるが、実際に原作は読んだ事が無かった
    小野忍訳 東洋文庫 R・グレーヴズ 「アラビアのロレンス」を読んだ

    頼れない援軍、まとまらない仲間、最新兵器を持つ大量の敵軍
    アラブ人の性格にあった作戦で、最小の攻撃で最大の結果を出す
    戦記物として読んでもいける程に、熱くて面白い展開が多い

    成功だけでなく、苦労した末の失敗の話もあり考えさせられる
    砂漠の過酷さや、アラブの風俗も垣間見れて面白かった

    ■ R・H・ブラントン 「お雇い外人の見た近代日本」

    Vol 1089(08-11-29)
    技術指導者を「お雇い」と呼ぶ所に、当時の日本の複雑さが見れる
    R・H・ブラントン 「お雇い外人の見た近代日本」を読んだ

    開国から明治初頭に、灯台設置に尽力した外人技術指導者の記録
    日本人の模倣力の強さや、不可思議な熱狂は当時も同じだったと関心
    大阪の造幣局の開幕式の様子や、当時の淀川の様子も知れて楽しい

    一方で役人の横暴と無能、道路の不整備など悪い側面の記録もあり
    それらに対し、教科書に乗る著名人が実際に有能だった事がよくわかった

    ■ 東洋文庫 ベニョフスキー航海記

    Vol 1085(08-11-22)
    みなもと太郎の「風雲児たち」で、ベニョフスキーの存在を知った
    東洋文庫 「ベニョフスキー航海記」を読んだ

    日本周辺域部の抜粋訳だが、資料文献も網羅されてて良い
    海外ドラマでも中途半端な日本知識の、奇妙な日本描写はあるが
    これも戦国時代頃の日本の資料でも元にしたようで、かなり奇妙

    日本以降も原住民と戦ったり、宗教広めたり、非常に怪しくて良い
    事実は小説より奇なりを実地でいってて、本当に面白い

    ■ 勝小吉 夢酔独言

    Vol 1077 (08-11-07)[08-10-07]
    昔ドラマの親子鷹を見て、面白そうな人だなと興味があった
    勝海舟の親父 勝小吉 「夢酔独言」を読んだ

    一言で言うと親分、当時最強クラスの剣術家なのに一生無仕官
    家出、放浪、窃盗、喧嘩、女遊び、と奔放すぎる人生が楽しい
    人が良く騙されもするが、困ってる人の面倒をよく見る男気もある

    誇張もあるだろうが、金銭などに当時の時代風景が見える所も面白い
    英雄豪傑に憧れながら、ならず者にしかなれなかった一生は少し悲しい

    ■ 前嶋信次訳 東洋文庫 千夜一夜物語 

    Vol 1081 (08-11-14)(08-10-30)
    読み始めたのが今年の5月、約半年かけてついに読破
    東洋文庫 「アラビアン・ナイト」全18巻+別冊1巻を読み終えた

    翻訳作業が10年以上かかり、訳者の途中交代もあった大著
    他の本と並行してだったが、読み終えるまで長い月日だった
    もっとも印象に残ってる話は、キリスト圏との長い戦争の話

    それ以外にも、猥雑な話、魔法の話、冒険の話など思い返される
    達成感もあるが寂しくもある、また長い話を探し挑戦していきたい

    * 一冊読む毎に、ここに書ける様に感想をメモしておいた
    せっかくなんでそれらも全て公開しとく、本当に長かった →●

    下に行くほど古くなります
    読み終えたのは08-10-30 横の日付はそれぞれ読んだ時のメモ

    Vol(08-10-30)
    いつもの所に無く後回しにしていたが、別の図書館で借りてきた
    前嶋信次訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト2」を読みおえた

    話が入れ子状になってるので話者の把握が厄介だが
    とりあえずバートン版を先に読んでたので、筋は把握出来てた
    お喋りな理髪師の話は何度読んでも、そのうざったさが愉快

    あとがきも各種研究者の論を参考にあげてて、興味ぶかい
    バートン版みたいな解説はなくても、話として面白いと思う

    Vol(08-10-30)
    後回し分を読み終え、これで東洋文庫版は完全制覇
    前嶋信次訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト3」を読みおえた

    これもバートン版を先に読んでたので、筋は把握出来てた
    バートン版で目を引いた黒人話は控えめで薄く感じたが
    話全体の流れと登場人物は以前よりもよく理解出来た

    この後数冊にわたる騎士の物語は、やっぱり面白い
    あとがきでダメ出しされてたとも知り、その事に少し驚いた

    Vol (08-10-05)
    未読2冊分がまだあるので、これで完結とはいかないのだが
    池田修訳 東洋文庫「アラビアンナイト18(終)」を読みおえた

    艶っぽい文章と内容が久々に多く、読み応えがあった
    計略に長けた人妻の力で寝取る話は、最後のオチが意外
    染物屋の話と並び、悪漢の物語は珍しいので興味深い

    大嘘をぬけぬけとつく商人の話も、馬鹿馬鹿しく良かった
    完結にあたり三人も子が出来ていたと、時間の経過にも驚いた

    Vol (08-10-03)
    内容が被った話があるが、あとがきで言及して欲しかった
    池田修訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト17」を読んだ

    帯編娘マルヤムの話の前半部が別の話とよく似ていた
    後半になると戦記っぽくなって、いろんな話の複合物の様
    インドの放蕩な王子の話も、他の話に展開が似てると感じた

    王子が散々悪行を働いた末、幸せになる終わりは少し不服
    小話では、妄想の末自滅する行者の話が面白かった

    Vol (08-10-01)
    訳者が言語学者だからだろうか、細かい事に注意しすぎてる
    池田修訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト16」を読んだ

    前巻に続くハサンの話、全話通じてもベストの面白さの巻と思う
    処女だらけの乙女軍団、妖怪、婆、魔法の道具とネタが最高
    魔法の杖が盗品だったりと、型破りな展開がたまらない

    カリフの名の漁師の話も、あまりの馬鹿馬鹿しさに笑ってしまった
    悪行な人妻の話も、最後を良い話にする無茶ぶりが凄く良い

    Vol (08-09-21)
    訳者変更であとがきの量が減って物足りない
    池田修訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト15」を読んだ

    中篇3本、全て女性を求め旅をする話で読みやすかった
    地名の表記や怪物など、昔の旅は命がけだった事がよくわかる
    今回特に3本目の金細工師ハサンの話が予想外の展開

    タブーを犯してからの妻獲得や、実在大王の妻登場など
    パターン破りの連続に、甲斐甲斐しい乙女達も出て面白かった

    Vol [08-09-13]
    訳者が変わって少し読みにくくなった
    池田修訳 東洋文庫「アラビアンナイト14」を読んだ

    話者によって口調の文体を変えていた前訳者と違い
    文章はまとまっているが、どうも自分には合わない
    実在の人物や作品への講釈も減り、あとがきも短い

    内容自体も同じ話の繰り返しがあって辛い所があった
    ただ、ひたすら悪に徹した2本の中篇は結構面白かった

    Vol (08-09-03)
    完訳された後に読んでいるので、その労を意識する事は少なかった
    池田修訳 東洋文庫 「アラビアン・ナイト 13」を読んだ

    ここに至るまで15年かかり、前任の翻訳者が亡くなられた
    前任と比べ人物の言葉の口調の訳などに変化が見られる
    引継ぎの最初の話は読みにくかったが、それ以降は慣れてきた

    閉じ込められ尿漏れする王様達の話や、皆死んでしまう指輪の話
    食人鬼や妖怪まで引き連れた騎士の話など今回も興味深かった

    Vol (08-08-15)
    仏訳の岩波版と収録順が違うので少し混乱した
    前嶋信次 東洋文庫 「アラビアン・ナイト 12」を読んだ

    代表作ともいえる 「シンドバード物語」が収録されてる
    酷いめに会いつつ、何度も航海する様は少し滑稽
    よく知られたルフ鳥の話以外は、結構バイオレンスで良い

    これが全体の翻訳へと繋がったという、あとがきの話も面白い
    これ以外にも、黄銅城の話は 無常感が漂い記憶に残った

    Vol (08-08-09)
    短編中心だった流れから、再び中編の多い展開になった
    前嶋信次 東洋文庫 「アラビアン・ナィト11」 を読んだ

    日本の宗教説話にも近い感じのする短編が前半部
    後半部の久々に長い話は、怪物の類が沢山出るのが面白い
    あとがきの神話との関連の話に、なるほどと関心した

    恋愛譚はあるも、艶っぽい展開が少なめで残念だが
    蛇の女王や天女、怪物達や異世界には想像力を刺激された

    Vol (08-07-31)
    前巻に引き続き、今回も小話が中心
    前嶋信次訳 「東洋文庫 アラビアン・ナイト10」を読んだ

    ピラミッドの話と、馬鹿な学問所の先生の話が印象に残った
    他の訳者が削った、きわどすぎる男色詩の完訳版も面白い
    今回も実在人物が多く、人物メモの控えが大変だった

    あとがきの、偏見に満ちた外人の批判に怒る訳者が良い
    実際、女奴隷の話は退屈だがイスラムの価値観を知る上で興味深い

    Vol (08-07-24)
    訳者が病気で生死の境を彷徨ったと、不穏な空気が流れる
    前嶋信次訳 「アラビアン・ナイト9」を読んだ

    あとがきにある様に、機械仕掛けの馬の話は興味を引く
    男色家の詩人の話も、実在の人物譚で面白い
    各種の話の違いや、詩人の像の写真など あとがきも詳しい

    熊と獣姦する美女の話のイラストが、妙に可愛くて印象に残った
    小話ながら書塾の恋愛譚や、親切な動物の話も面白かった

    Vol [08-07-19]
    今までの中で一番、実在人物絡みの話が収録されている
    前嶋信次 東洋文庫 「アラビアン・ナイト8」を読んだ

    最初の頃はなんとなくで読んでたが、1巻のカリフの再登場で
    歴史の資料を引いて、実在の人物と歴史を調べて関心
    資料から、平安時代ごろの話だと把握して想像しやすくなった

    解説も歴史の事実をよくフォローしてて、楽しんで読める
    実在と思うと、虚構とはいえ話に深みを感じられる

    Vol(08-07-13)
    男色ネタの部分がコミカルで、一番記憶に残った
    前嶋信次訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト 7」を読み終えた

    水銀小僧だの、奉行だの翻訳のセンスが妙に時代劇っぽい
    あとがきに 2本の話の3部作の最後の評価は悪いとあるが
    訳者もフォローしてるように、これはこれで問題無いと自分も思う

    今回は元本のバージョン違いも解説されてて、興味深い
    3部作の最後の件も含め、成立までの改稿の歴史が感じられた

    Vol (08-07-05)
    別の本にてこずり、返却期限ギリギリで読み終えた
    前嶋信次訳 東洋文庫「アラビアン・ナイト6」を読み終えた

    東洋文庫のはあとがきに要約があって話を把握しやすい
    中盤の恋人が死ぬ悲劇話は、自分に合わず微妙だったが
    前半の動物話は、ブラックなユーモアがあって面白かった

    後半の恋愛譚は、長そうなので用心して人物表を作ったが
    ジンが出てきて面白く、熱中してスラスラと読めた

    Vol (08-06-23)
    一番長く微妙な話を読み終え、山を越えた気分
    前嶋信次 東洋文庫「アラビアン・ナイト5」を読み終えた

    ヒロインの幼馴染を無視して、別キャラを攻略した様な気分の話
    元気すぎる恋愛を取り持つ婆には、画太郎作品の婆を当てはめてしまう
    前回名前で苦戦したので、今回はキャラ表を作って読んだ

    登場人物がどこかしら悪党なのは、型破りで斬新に思える
    故に感情移入しにくい部位もあるが、因果応報な様に納得出来る

    Vol (08-06-16)
    原書から訳した東洋文庫版が図書館に一部無く、仕方なく
    大葉正史訳 「バートン版千夜一夜物語 2」を読んだ

    バートン版とあるように、英国人の翻訳したものの訳本
    話的には、三人の黒人の話が猥褻で一番記憶に残った
    当時の時代背景か、訳者の気質的な問題か

    原注を中心に英国人の翻訳に偏った部分があり、読み難い
    何かを紹介する時に偏った考えだと危険だなと、逆に学んだ

    Vol (08-06-04)
    アラビアンナイト全読破計画は続行している
    東洋文庫 「アラビアンナイト4」を読み終えた

    図書館に無い巻もあって、長編を途中から読む事になった
    人の名前が覚えにくいが、序盤から近親相姦とらしい展開
    後半戦闘になってからは、異教徒を悪く表現しすぎて逆に微笑ましい

    特に極悪表現が1ページも続くまがつびの媼は、ヒドすぎて苦笑い
    でも一番記憶にのこったのは、その婆の大活躍ぶりだった

    Vol [08-05-26]
    南方熊楠も読んだと知り、なるべく完読を目指してる
    東洋文庫 「アラビアン・ナイト」 第一巻を読んだ

    初っ端から、姫が乱交で寝取られと飛ばしまくってる
    奴隷に仕えるドMな姫に、女だけの館でお遊びと果てしなくエロい
    訳を巡って、エロさに一人は激怒し一人は大興奮なんて逸話もおかしい

    インド渡りの話もあるとの事で、昔みたインド映画の様な趣もある
    全十五巻、読みやすいので少しずつ制覇していきたい

    ■ 勝小吉 夢酔独言

    Vol 1077 (08-11-07)[08-10-07]
    昔ドラマの親子鷹を見て、面白そうな人だなと興味があった
    勝海舟の親父 勝小吉 「夢酔独言」を読んだ

    一言で言うと親分、当時最強クラスの剣術家なのに一生無仕官
    家出、放浪、窃盗、喧嘩、女遊び、と奔放すぎる人生が楽しい
    人が良く騙されもするが、困ってる人の面倒をよく見る男気もある

    誇張もあるだろうが、金銭などに当時の時代風景が見える所も面白い
    英雄豪傑に憧れながら、ならず者にしかなれなかった一生は少し悲しい

    ■ 前嶋信次訳 アラビアンナイト別巻 アラジンとアリババ

    Vol 1069(08-08-23)
    有名ながら 千夜一夜物語本編には含まれていなかった事が驚き
    前嶋信次訳 「アラビアンナイト別巻 アラジンとアリババ」を読んだ

    子供向けの童話でもお馴染みの話の原典
    アラジンのダメ人間ぶりと、労せず成功する様は苛立ちを感じさせ
    最後の魔人がキレながら願いを叶える所が少しスカッとする

    アリババは黒人美女奴隷の機転の話が印象に残る
    共に 地上での楽園の描写の詳しさが、イスラムの話らしいと思った

    ■ 中村元訳 「ブッダ 最後の旅」

    Vol 1057 (08-10-03)(08-09-30)
    手塚治虫の漫画の知識ぐらいしかないが
    中村元訳 「ブッダ 最後の旅」を読んだ

    遺体処理を指示する所は、少しらしくないと感じたが
    ブッダが最後の食事の事で、迷惑がかからないようにしたり
    修行を積んだ弟子が死に際して泣く所は、現実味があった

    つくられた物は無常であり、生じては滅びるの所は記憶に残った
    死や苦痛をどう捕らえるかが、宗教の目的の一つなんだと感じた

    ■ A.R.ウォーレス「心霊と進化と」

    Vol 1261 (09-10-31)[08-04-30]
    水木しげるがコラムなんかで触れてるので、参考として
    だいぶ前になるが、A.R.ウォーレス「心霊と進化と」を読んだ

    キリスト教的ではない考え方や、超常現象の研究提案は良いが
    心霊の考えにとらわれるあまり、結論を急ぎすぎて オカルト的
    超常現象の可能性を多少は認めても、心霊説は突飛すぎる気がする

    ウォーレスはダーウィンの盟友で、自然淘汰を発見者した業績者だが
    それだけに少し残念、もっと詰めて説得力のあるものにして欲しかった

    ■ 「図説 妖怪の系譜 (妖怪天国 ニッポン展公式ガイド)」

    Vol 1254 [09-09-06](09-10-19)
    「妖怪天国 ニッポン展」 予習出来なかったので 復習はしっかり
    「図説 妖怪の系譜 (妖怪天国 ニッポン展公式ガイド)」を読んだ

    ちゃんと年代・系列別になってるので、まとまって勉強できる
    川鍋暁斎や与謝蕪村などの妖怪画も、改めて知って驚いた
    海坊主タイプぬらりひょんなど、レアな妖怪画もしっかり載ってる

    正式な美術本ではなかなか無い漫画も射程範囲と、柔軟な姿勢
    こんなに沢山の妖怪画がある事、それを気軽に見れる事が嬉しい

    ■ 村上健司 「京都妖怪紀行」

    Vol 1224 [09-07-22](09-08-17)
    何気なく借りたが、京都旅行の予定から一転して実用書に
    村上健司 「京都妖怪紀行」を読んだ

    地図はあるが、紹介頁への索引が無いのが少し不便だった
    京都へ行く機会はあっても、注意してないと名所も見逃してしまう
    移動コースを調べると名所がいくつもあって、歴史に感心

    ちょうど古典も読んでるので、その場所が出てくると嬉しくなる
    実用すると思って見ると、内容もしっかり頭に入ると納得した

    ■ リチャード・ドーキンス 「利己的な遺伝子」

    Vol 1114 (09-01-30) [09-01-24]
    本文は難しめだが、実例付きで紹介されてて理解しやすい
    リチャード・ドーキンス 「利己的な遺伝子」を読んだ

    ハチなんかの不可解な自己犠牲の理由が、やっと解けた
    進化的に安定な戦略が、協力的で公平な事に 自然の妙を感じる
    「進化が上昇ではなく、安定の水準の不連続な前進」 との言葉にも関心

    全てではないが、人間も動物の一種なんで参考になる部分も多いと思う
    遺伝子の視点で物を見るというのは、新しい発見も多く収穫だった

    ■ リタ・カーター 「脳と意識の地形図 脳と心の地形図2」

    Vol 1053 (08-09-26)(08-09-21)
    結論からいうと、心の問題は未だよくわからないらしい
    リタ・カーター 「脳と意識の地形図 脳と心の地形図2」を読んだ

    序文や本文でむずかしい問題と書かれてる様に、難しかった
    脳のどこが働くかはわかっても、それが心なのかは分からない
    面白そうな仮説はあっても証明は難しく、これというのは未だ無い

    とはいえ、金縛りに近い状態の明晰夢を真剣に研究していたり
    体外離脱の研究から心を探ろうなどを、真面目にしてるのは心強い

    ■ R・P・ファインマン 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」

    Vol 1049 (08-09-20)[08-09-12]
    ノーベル賞物理学者は、普段どんな生活を送ってるんだろうか
    R・P・ファインマン 「ご冗談でしょう、ファインマンさん」を読んだ

    研究室にこもってる博士を想像していたら、大間違い
    イタズラ好きで女好き、権威にも負けない凄く面白い先生だった
    パズルや謎解きが大好きで、金庫破りや暗号解読までしてしまう

    学んだ知識を実際に使い、人生を楽しんでる様は見習うものがある
    特に、女の子をひっかける方法は本気で覚えとこうと思った

    ■ スーザン・ブラックモア 「ミーム・マシーンとしての私」

    Vol 1045 (08-09-12)[08-08-15]
    なんでこんな物が? というのが流行したりする
    スーザン・ブラックモア 「ミーム・マシーンとしての私」を読んだ

    文化波及を 模倣で増える遺伝子の様なミームで説明したもの
    最後の結論が仏教徒的だったり、参考文献が一部疑問だったり
    理屈に少し無理もあるが、遺伝子で全てが説明出来ない事は面白い

    見える物では無いので証明は難しいだろうが、仮説としては説得力もある
    環境に適応した結果が文化と思えば、変な流行も理解できる気がする

    ■ リタ・カーター 「脳と心の地形図」

    Vol 1041 (08-09-05)[08-09-01]
    脳の発達不足が問題をおこすのか、問題行動の為に脳が発達しないのか
    リタ・カーター 「脳と心の地形図」を読んだ

    脳の一部をなくす事や機能異常で発生する、不可思議な病気の数々
    犯罪者の脳の一部が未発達だった事は、責任の所在を考えさせ
    薬物や脳内物質の具体的な効果と、その作用も勉強になった

    脳や心の具体的な働きがわかると、その不思議さに感嘆を覚える
    脳の研究が進めば、犯罪や不幸も減るのではと希望がもてる

    ■ ジョン・C・リリー 「サイエンティスト」

    Vol 924
    狂ってはいるのだが、それだけでは切り捨てにくい
    ジョン・C・リリー 「サイエンティスト」を読んだ

    脳に電極を刺すなどの独創的な実験をした脳学者の自伝
    最初は天才的だが、薬づけの体外離脱実験からおかしくなりだし
    宇宙の指令やイルカと会話の辺りになると、ついていけなくなる

    なまじ天才だけに扱いにくく、狂気か正気か判断しにくいが
    白とも黒ともはっきりしないにに飛びつく、クジラ馬鹿は狂人と思う
    ---追記
    [10-03-11]
    また世界で盲目的なイルカを守ろうキャンペーンが展開している
    イルカに関する研究より先に、感情論が先だってる事は問題がある
    ドラマのフリッパー辺りが、この妄信の元凶ではないかとも思う

    この後にノーベル物理学者のファインマンさんが
    この人と会ったコラムを読んだが、実験に関して苦言を呈していた
    まず白か黒かをはっきりさせる事が重要だと、俺は思う

    ■ リフトン 「思想改造の心理」

    Vol 1273(08-08-08)(09-11-21)
    拷問による冤罪、飴と鞭の調教、カルトを想像させる
    リフトン 「思想改造の心理」を読んだ

    共産圏中国で思想改造を受けた人々への、インタビューと考察
    無実の罪を自白させられる事から、人の記憶の脆さがわかる
    また、解放後もその影響に苦しむ様には恐怖を感じる

    共産圏に留まった人々への調査が出来なかった事が不安だが
    時間をかければ、皆元の正常な思考に戻れる事は希望がある

    ■ 高部正樹 「傭兵の誇り」

    Vol 1219[09-07-31](09-08-07)
    虚構と実際では随分と違ってて、目から鱗が落ちた
    高部正樹 「傭兵の誇り」を読んだ

    日本人ベテラン傭兵の手記、格闘家やレーサーの様な姿勢
    まず傭兵の給料はゼロに近く、自腹で常に赤字な事が驚き
    常に露払いの任務、悪い装備、名誉も無いと現実が見える

    戦争に現実に関与してる身での体験や意見は説得力がある
    偏見の多い職業なれど、信念もって取り組む様に感銘を受けた

    ■ 大泉実成「説得 エホバの証人と輸血拒否事件」

    Vol 786 (07-05-25)
    子供の意思はどちらだったのか
    大泉実成「説得 エホバの証人と輸血拒否事件」を読んだ

    「生きたい」と言った子供、輸血拒否した両親
    子供は生前に輸血拒否の意思を示していた
    その一方で、父は信仰に疑問を感じていた面もみられる

    子供の時から宗教づけ、選択の機会も無いのはシンドイと思う
    信念は大事でも、それで命を落とすのは、俺には納得出来ない

    [追加 10-06-10]
    宗教とかの本読んで後々考えると、なかなか厄介な問題
    宗教の人は真剣に死後の生を信じてしまってて、ある意味善良な人々
    他人の信念ってのは、どんなに間違ってても尊重する必要はあると思う

    とはいえ、やっぱり生より死を取る考え方は自分には受け入れられない
    完全否定もしないが、宗教や信念は使い方を誤ると非常に危険
    普通の感覚も持ってた父の苦悩を思うと、凄くやりきれない気持ちになる


    一番上へ トップに戻る 雑記抜粋トップに戻る 書籍目次へ
    inserted by FC2 system